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ついに開幕したリオ五輪。1秒、1センチの差に命を懸けて4年分の思いをぶつけるアスリート同様、数字をめぐる攻防を繰り広げるのがテレビマンたち。そんな各局のキャスター人選、テーマソング、注目競技から、それぞれの思惑を予想したい。
■日本テレビ
メインキャスターを務めるのは嵐・櫻井翔。北京大会から数えて、冬季も含めると5大会連続でのキャスター就任だ。キャプテンを明石家さんま、スペシャルサポーターを『Going! Sports&News』でおなじみのくりぃむしちゅーの上田晋也。アスリートキャスターを田中理恵(元体操代表)が務める。
テーマソングはもちろん嵐で「Power of the Paradise」。先日、櫻井翔がMCを務めた『THE MUSIC DAY』(7月2日放送)でテレビ初披露したが、こう見ると、歌にスポーツ、先日の選挙特番と、櫻井翔の「日テレの顔」ぶりはすさまじい。
日本テレビ担当の注目競技は、なんといっても8月18日、19日の「レスリング女子53キロ級/63キロ級/75キロ級」。女子では、前人未到の4連覇に挑む吉田沙保里が53キロ級に登場する。
昨秋放送の『掟上今日子の備忘録』でドラマ初出演を果たすなど、日本テレビとは吉田の関係性は良好。今後、日テレ系番組から秘蔵写真や独占コメントなどが出てくる可能性は高い。
民放各局による「五輪中継担当クジ引き」が行われたのはこのドラマ出演の1カ月後なので、この「出会い」はある意味、偶然。ただ、この偶然を引き当てるところに、日本テレビの強さを感じずにはいられない。4連覇達成後の「日テレ吉田祭り」に期待したい。
■テレビ朝日
メインキャスターは松岡修造。五輪キャスターは今回で7大会目。フィールドリポーターに寺川綾(元競泳代表)を起用。そして、スペシャルキャスターを務めるのが福山雅治。シドニー大会から数えて、夏季では5大会連続で「テレ朝の顔」を務める。同局テーマソング「1461日」も、福山の書き下ろしだ。
テレビ朝日の担当競技は、競泳と柔道が中心。それ以外では、開会式前の「開幕直前スペシャル」、翌日の「開会式ハイライト」、小池百合子新都知事も登場予定の「閉会式ハイライト」(22日)と、競技以上に「儀式」に焦点を当てているのが面白い。
実際のところは、担当したかった注目競技のクジ引きを外してしまった……というのが本音だろうが、だからこそ期待したいのが、日本選手団結団式で応援団長も務めた松岡の存在。リオが盛り上がるかどうかは、松岡にかかっている。
■TBS
メインキャスターを務めるのはSMAP・中居正広。2004年のアテネ大会から数え、夏季・冬季通じて7大会連続出場だ。また、スペシャルキャスターを高橋尚子(元マラソン代表)が務める。
TBSの注目競技は、なんといっても14日夜の女子マラソン。今大会で最も高視聴率が望める、といわれている。女子マラソンは北京で28.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、ロンドンで22.5%と高視聴率を続けて獲得しているからだ。
TBSといえば世界陸上。それだけに、マラソン競技にかける想いは強い。ちなみにTBSが以前、五輪で女子マラソン中継を担当したのはアテネ五輪。このときは、野口みずきが金メダルを獲得。瞬間最高視聴率29.2%を記録しているだけに、その再現を狙いたい。
そんなTBSで、どうしても気になってしまうのが、放送テーマを「感謝」と設定し、テーマソングをSMAPの「ありがとう」にしたこと。この曲がリリースされたのは06年。確かに今年は解散騒動に揺れて新曲どころではなかったが、それにしても10年前の曲というのは……。
■フジテレビ
今回、最も意外なキャスター陣で臨むのがフジテレビ。タレントキャスターを起用せず、野村忠宏(元柔道代表)、高橋大輔(元フィギュアスケート代表)、小谷実可子(元シンクロ代表)の3名が「オリンピアンキャスター」を務め、脇をアナウンサー陣が固めるという、NHKのような布陣で臨む。
フジテレビの五輪キャスターといえば、これまで毎回、TOKIO・国分太一の独壇場だった。ただ、国分がMCを務めていた『すぽると!』も終わり、今ではTBSで朝の顔を務める身。さすがに今回のキャスター就任は難しかった。
であるならば、「国分のポジションを奪いたい」と宣言し、実際にフジでスポーツ番組も担当する関ジャニ∞の村上信五を起用する線もあったはず。だがフジは今回、その道を選ばなかった。
フジテレビ担当の注目競技は、日本人メダル第1号の期待がかかる柔道男子60kg級・女子48kg級(6・7日)、金メダル有力とされる内村航平が出場する体操男子個人総合決勝(11日)、五輪の花形・陸上男女100m決勝と、注目競技・種目が実に多い。コンテンツがしっかりしていればにぎやかしなど不要、という原点に気づいてくれたのだと信じたい。
テーマソングはEXILEで『Joy-ride ~歓喜のドライブ~』。EXILEは昨年、日本テレビ系ラグビーW杯のテーマソングを担当。日本代表と五郎丸歩フィーバーも手伝って予想以上に地上波で流れただけに、その再現を狙いたいはず。
■テレビ東京
最も味のある人選で臨むのがテレビ東京。メインキャスターを小泉孝太郎。アスリート(?)キャスターを照英(やり投げ元国体選手)と織田信成(元フィギュアスケート代表)が務める。涙・感動担当が照英&織田。その脇で小泉がスマートに進行する、という流れが早くも想像できる。
小泉の五輪キャスターは今回が初。ただ、10年から6年間、同局が放送する「柔道グランドスラム東京」でメインキャスターを担当。また、過去には他局ではあるが「熱闘甲子園」でナビゲーターを務めたこともあり、スポーツにも造詣は深い。ただにぎやかすだけのタレントを使われるよりは、実直な放送が楽しめそうだ。
テレビ東京担当の注目競技は、メダルのかかった卓球・女子シングルス準決勝、男子団体準決勝の大一番だ。柔道同様、卓球はここ数年、テレビ東京が力を入れて中継していた競技だけに、その努力が実る瞬間を期待したい。
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見比べると、おなじみの布陣で臨む日テレ・テレ朝・TBS対、新布陣で臨むフジ。テレ東、といった構図。視聴率好調の3局は安定志向。一方、苦戦する2局は攻めの姿勢、といった感じだ。試合結果によるところも大きいが、各局の思惑がどう視聴率や話題性喚起につながっていくのかも注目していきたい。
(文=オグマナオト)