5月12日に放送された『あなたの番です』(日本テレビ系)の第5話。
502号室でバースデーケーキを囲んで殺されている赤池美里(峯村リエ)と吾朗(徳井優)を見つけた手塚菜奈(原田知世)と翔太(田中圭)たち。ケーキの上には「赤池美里」と書かれたプレートが乗っていた。
マンション周辺で続く死に不安を感じ、「引っ越そうか」と言いだす翔太。菜奈は自分が交換殺人ゲームで名前を書いた人物の安否を気にして「引っ越しは最後の手段にとっておこう」と返答する。
その後、臨時の住民会が開かれ、菜奈は交換殺人ゲームのことを警察に話すべきだと提案。しかし「殺人教唆に問われるかもしれない」「子どもがいじめられるかもしれない」「マンションの資産価値が下落する」といった理由で、住民たちは反対した。さらに菜奈は、住民会の後に浮田啓輔(田中要次)から「ゲームで『赤池美里』の名前を書いた」と告白された。
一方、翔太は交換殺人ゲームのことを黙っていた菜奈の苦悩を想像し、どうしたら彼女を助けてあげられるかと思案。しかし、ある夜、翔太は菜奈がこっそり細川朝男(野間口徹)と会っているところを目撃してしまう。翌朝、翔太は菜奈に何も言わずに出勤し、ジムにやってきた朝男と顔を合わせた。
その頃、菜奈は久住譲(袴田吉彦)から“殺したい人”として俳優の「袴田吉彦」の名を書いたと告げられていた。まさか、袴田吉彦を殺しに行く人間がいるとは思えないと言う久住。しかしその頃、袴田吉彦は撮影現場で、覆面をかぶった3人組の襲撃を受け殺されていた。何も知らない久住は「もうこのゲームから抜けたい」と、自分が引いた紙を菜奈に見せた。そこには「細川朝男」と書かれていた。
第5話は、ストーリーの速度が停滞していた印象。あまりドラスティックなことは起きなかった。目についた進展(伏線の回収)といえば、殺された美里が浮田と口を利かなくなった理由、そして、久住がマスクとサングラスを着用して外出する理由が明かされたことくらいである。
今回は、特に後者のほうに触れなければならない。菜奈の前に現れた久住は、いきなりすごいことを口にした。
「俳優の袴田吉彦って知ってます? 僕、よく似てるって言われるんですよ」
攻めたセリフを口にする袴田。どんな気持ちで彼は演技しているのだろう?
「昔から似てるって言われるんですけど、悪口として言われるんですよ」
「最近だと『ポイントカード』って呼ばれたり……」
自分自身をディスる袴田。久住はよく道でサイン求められ、「違います」と断ると舌打ちされることもあるという。だから、彼はマスクにサングラスを着けて外出していたのだ。
「それで紙に書いたんです。殺したい人、袴田吉彦って。袴田死ねばいいと思って」
久住にとってすれば、アパホテルの一件で袴田に堪忍袋の緒が切れてしまったようだ。彼は口にした。「まさかここの住人で、袴田吉彦殺しに行く人なんていないでしょ?」。
このセリフから、場面は転換。唐突に、時代劇の撮影に臨む袴田吉彦が現れた。いわば、一人二役だ。撮影の合間、立ちションしているときに謎の3人組襲われ、袴田は撲殺された。赤池夫婦が殺害された前回のホラー展開から、第5話はいきなりのギャグ回である。振り幅が大きすぎだ。秋元康、ふざけすぎだと思う。
こうして、これからこのドラマは袴田吉彦が死んだ世界を描いていく。ちなみに、ホームページの次回予告を読むと、こんなことが書いてあった。
「俳優の袴田吉彦が殺害され、久住(袴田吉彦)は責任を感じていた」
なんだ、このおもしろ設定は。
黒島沙和(西野七瀬)は、「織田信長」の名前が書かれた紙を引いたと明かしていた。袴田が時代劇の撮影に臨んでいたことから「一気に袴田と信長を殺したことになるのでは?」という説がネットでは流布されているが、袴田が持っていた台本を確認すると、彼は信長ではなく坂本龍馬を演じていたようである。だから、今回殺されたのは袴田1人だけだ。
このドラマ、開始40~50分辺りまでは伏線を提示し続け、ラスト5~10分のタイミングで誰かが死ぬというフォーマットを毎回お決まりのように敷いている。袴田吉彦はこのフォーマットの犠牲者というわけだ。
またしても、菜奈が不可解な行動を取っている。夜中に1人で起き、自宅前に来た朝男と彼女は親密に会話していたのだ。4話では朝男を少し避けている感じだったのに、この日の菜奈は朝男に笑顔を見せていた。しかも、このときの彼女は翔太とセックスをした直後なのだ。
いつも、菜奈からは翔太への愛があまり感じられない。安定してセックスに乗り気ではないし、翔太が夫婦間の交換日記を提案してもよくわからない理由で拒否をした。
今回、菜奈は交換殺人ゲームについて黙っていたことを翔太に謝罪した。同時に、彼女は両手の指を組んでいた。これは、菜奈がウソをつくときにする癖である。
怪しすぎる菜奈と、がぜん気になる存在になった久住。今夜放送の第6話は、この2人に注目したい。
(文=寺西ジャジューカ)
