変容するギャル以降の女子カルチャー――消費を拒否、文化系オヤジを拒む女子の可能性

<p>――ギャル雑誌は、10代の子がもっと目立つような状況を作っていかなければならなかったということですね。</p> <p>米原 そう。その点「non-no」(集英社)や「Seventeen」(同)「Popteen」(角川春樹事務所)はうまいよね。クライアントのために従来のモデルへ青文字系の服をいきなり着せるんじゃなくて、時代の流れに合わせて、モデルやスタイルをどんどん潔く変えている。こだわってないんだ、いい意味で。過去にこだわらず「次のステージがあるよね?」と、モデルを送り出してあげればいいんだけど、多くのギャル雑誌には、ないもん、卒業。</p>

「反オヤジマインドの敗北」――ギャル雑誌の衰退が女子カルチャーに残す課題

<p> ギャル雑誌の終焉――。この2年間で、「GLAMOROUS」(講談社)「小悪魔ageha」(インフォレスト)「EDGE STYLE」(双葉社)「BLENDA」(角川春樹事務所)とギャル雑誌の休刊が相次いでいる。今年5月には、ギャルカルチャーを牽引してきた元祖ギャル雑誌「egg」(大洋図書)までもが、19年の歴史に幕を降ろした。その創刊(1995年)から3年間、「egg」の制作に深く携わった編集者でフォトグラファーの米原康正氏に、話を聞かないわけにはいかない。ギャル雑誌は何に負けてしまったのか?</p>

ティーンズ文化も根絶やし状態! カルチャー不毛地帯で強いのは"地方"!?

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Photo by localjapantimes from Flickr

(前編はこちら)

■"欧米人"になりたがる女子に可能性はない

――外国といえば、米原さんは、中国版のTwitterである「Weibo」で39万人にフォローされていますが、大陸でも日本のファッションの影響を感じますか?

米原康正氏(以下、米原) 僕はストリート系とか、109系が盛んだった2003年くらいから中華圏に行き始めたんだけど、日本のファッションの影響はその頃がピークだった。それ以降の日本では、加速的に外資ブランドが中心になって、中国人もだんだん日本が面白くないのが分かってきた。「要は日本人って、"欧米人"になりたかったのね」って。日本を飛び越えて、外資ブランドに手をつければ終わる話になっちゃった。日本と中国では、女の子のあり方が根本的に違うんだ。とにかく日本の女の子って"自分が外人じゃない"ってことに強烈なコンプレックスを持っているよね。雑誌の特集でも、"外人風メイク"とか、"ハーフモデルになりたい"とかが多いでしょ? 大人たちが、消費をさせるために、コンプレックスをあおった結果だよ。中国だけじゃなく、ほかのどんな国もそんなあおり方は絶対にしない。こんなにも、自分たちにプライドが持てない国って日本くらいだし、これをおかしい思わないこと自体、僕からすると、気が狂ってるよ(笑)。そこを、王道系の青文字の子たちは、少なくとも、外人志向ではなく、"今の自分たちをどういう風に見せるか"っていうモチベーションでやっている気がする。守っていくべきだと思うね。

カルチャーにオッサンと消費はいらない!きゃりーぱみゅぱみゅが体現した文化のあり方

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「つけまつける」/ワーナーミュージ
ック・ジャパン

 2012年、女子カルチャーはどこへ向かうのだろう? 原宿のカリスマ・きゃりーぱみゅぱみゅへの注目度を考えると、今後も時代は「青文字系」優勢というイメージだ。「egg」(大洋図書)や「smart girls」(宝島社)の創刊に携わり、日本の女子カルチャーを最前線で見つめ続けている編集者兼フォトグラファーの米原康正氏に、現在の女子カルチャーのあり方から、今後期待される女子像について話をきいた。

■赤文字は明らかに「発信」ではなく「消費」のアイコン

――ズバリ、今後も勢いがあるのは「青文字系」でしょうか?

カルチャーにオッサンと消費はいらない!きゃりーぱみゅぱみゅが体現した文化のあり方

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「つけまつける」/ワーナーミュージ
ック・ジャパン

 2012年、女子カルチャーはどこへ向かうのだろう? 原宿のカリスマ・きゃりーぱみゅぱみゅへの注目度を考えると、今後も時代は「青文字系」優勢というイメージだ。「egg」(大洋図書)や「smart girls」(宝島社)の創刊に携わり、日本の女子カルチャーを最前線で見つめ続けている編集者兼フォトグラファーの米原康正氏に、現在の女子カルチャーのあり方から、今後期待される女子像について話をきいた。

■赤文字は明らかに「発信」ではなく「消費」のアイコン

――ズバリ、今後も勢いがあるのは「青文字系」でしょうか?

読者モデルと客席でカルチャーを作る原宿スタイルコレクション

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「原宿スタイルコレクション」公式サイトより

(前編はこちら)

――メガメジャー化するために芸能人を呼ぶ手法は日本では多いですよね。

米原康正(以下、米原) 人がいっぱい集まるところに、大きなモノを置けばもっと人が集まってくるという日本の思考回路だよね。街づくりもそういうことで、原宿って、本来の良さは小さい店が集まってるから人が来たわけで、大きい有名店があったわけではない。それを、小さいものを省いて、その代わりにヴィトンや表参道ヒルズみたいな大きいビルを作った。そしたら原宿らしさがなくなって、結局地方都市みたいになってる。元々そこにいた人たちが離れて、観光客が集まるようになってしまった。だから、日本的なシステムでガールズカルチャーをメガメジャーにするとこうなる、という見本がTGCだね。でも、強力なコンテンツだと思う。あんなに広い会場に2万人が集まって、一日に多くのブランドが見れて、芸能人も見られるのはすごいことだと思うの。でも、まずは女の子のお客さんありきで始まったものだから、もう一度客席を見た方がいいと思うんだよね。いまや、洋服がみたい、じゃないもんね。

女子カルチャーの衰退か躍進か? 東京ガールズコレクションが示す現在地

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「東京ガールズコレクション」公式サイトより

 この春開催された二つのガールズコレクション。人気モデルが出演し、人気のブランドの新作をチェックできるという同じコンセプトのもと始まった、赤文字系筆頭の東京ガールズコレクション(以下、TGC)と、青文字系・ストリート系の原宿スタイルコレクション。現在のガールズカルチャーの中で対照的な関係にあるこの二つのコレクションのそれぞれの意味と、ガールズカルチャーを取り巻く現在の状況とは? 第一線から見つめ続けている米原康正氏に聞いた。

■ガールズカルチャーを"メガメジャー"化した見本