2022年1月28日より、映画『ノイズ』が公開されている。本作で打ち出されているのは、藤原竜也と松山ケンイチのダブル主演、さらに神木隆之介や黒木華や永瀬正敏などの豪華俳優陣の出演だ。
それぞれがこれ以上のない熱演をしていることはもちろん、映画そのものが「まさかここまで面白いとは!」と感嘆できるほどの内容になっていることが嬉しかった。後述する賛否両論を呼びそうなポイントはある…
2022年1月28日より、映画『ノイズ』が公開されている。本作で打ち出されているのは、藤原竜也と松山ケンイチのダブル主演、さらに神木隆之介や黒木華や永瀬正敏などの豪華俳優陣の出演だ。
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2020年にTwitterで連載されて社会現象を巻き起こした4コマ漫画『100日後に死ぬワニ』(著: きくちゆうき)を原作に、改題してアニメする映画『100日間生きたワニ』が7月9日より全国公開される。豪華なキャスト&スタッフが集結した意欲作のはずだったが、公開前から「予約状況がガラガラすぎる」などと騒がれ、早くも悪いムードが漂っているようだ。
『100日後に死ぬワニ』は原…
ロックバンド・flumpoolが7月1日、所属していた大手芸能事務所アミューズから独立し、新会社を設立したことを発表した。今後は、アミューズ傘下のA-Sketchと業務提携となる。
「完全な独立ということではなく、“社内独立”というような形です。もちろん、将来的に“完全独立”となる可能性もあるとは思います」(レコード会社関係者)
同様のパターンとしては、今年4…
土曜ドラマ『コントが始まる』(日本テレビ系)の最終回が、昨日6月19日に放送された。
“傍から見たら失敗”な人生を歩む若者男女5人を描いた『コントが始まる』。売れないお笑いトリオ・マクベスと、そのファンとして彼らを見守るファミレスアルバイト店員、そしてその妹による物語だ。キャスト陣の見事な表現力や、精巧な伏線回収劇が若い世代を中心に人気を集…
人気絶頂の芸能人でも、熱愛報道が原因で好感度がガタ落ちしてしまう人は少なくない。例えば以前は、人気俳優・神木隆之介がファンをガッカリさせてしまった。
神木の熱愛を報じたのは「週刊文春」(文藝春秋)で、お相手はモデルの佐野ひなこ。同誌によると、佐野は神木のマンションを訪れており、ペアルックで仲良く外出していたとのこと。お似合いの美男美女カップルだが、以前神木には様々な作品で共演している志田未来との交際疑惑が浮上していた。そのため神木&志田カップルを応援していた人からは、「神木くんが志田未来を捨てたの?」「結局志田未来より美人モデルかよ」「美女にたぶらかされる神木くんなんて見たくなかった」との声が。
今回はそんな神木のように、熱愛報道で好感度を下げた芸能人を紹介していこう。
●岡田准一
まずはV6・岡田准一。彼は2017年に宮崎あおいとの結婚を発表したが、これが“クリスマスイブ”だったため多くのファンを絶望に突き落とした。しかし彼の結婚が批判された原因はこれだけではない。
宮崎は11年に前夫と離婚しているのだが、当時「週刊文春」は岡田との“不倫”を報じていた。つまりこの報道が本当なら、岡田は“略奪愛”の末結婚したことに。そのためネット上では、「略奪結婚したジャニーズアイドルってヤバくない?」「不純すぎて応援できないし、正直引く」「岡田准一って硬派なイメージだったのに、今は見るたびに不倫を思い出す」と批判の声が相次いでいる。ちなみに一部報道によると、現在岡田&宮崎は5億円の新居を建設中。今後も幸せな結婚生活を送ってくれそうだ。
●竹内涼真
お次は“国民の彼氏”竹内涼真。彼はアイドル・里々佳との熱愛を、「女性セブン」(小学館)に報じられていた。記事によると2人の交際期間は1年以上で、この日は都内のオシャレなおでん屋さんでデートをしていたとのこと。取材を受けた客は竹内が“エスコート”をしていたと証言しており、世の女性たちからは「熱愛報道が格好いい!」「さすが国民の彼氏」との声も上がっていた。
しかしそんな彼は、とあるドラマの舞台挨拶で「友達です。ご心配おかけしてすみません」とコメント。これにネット上では、「そこは素直に認めて欲しかった!」「ずっと2人の交際を応援してたのにがっかり」「所詮“そこまでのオトコ”だったか……」「その発言は国民の彼氏じゃない」との声が。中々レアなケースだが、交際を認めないことで逆に好感度を下げてしまった。
14日、ドラマ『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)も最終回を迎えました。視聴率は6.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と最後まで低調でしたが、評判は悪くないようです。
さて、この作品については第1話から「面白いから見たほうがいいよ」と言い続けてきましたが、基本的に、その感じは最後まで変わっていません。最終回も、演出はカッコよいですし、弓神(浅野忠信)と羽生くん(神木隆之介)が魅力的なキャラとして画面を駆け回っていました。ただ、ちょっとなー。ちょっとなー。という感想は否めないところで。振り返りましょうか。あんまり気が進まないんですが。
前回のレビューでも少し触れましたが、『刑事ゆがみ』は明確に2つのパートに分かれています。1つは、単話完結で主に女性脚本家が健筆を振るった1~4話と6~8話。これらの回では、事件関係者の心理的掘り下げと弓神&羽生のチャーミングなコンビネーションが前面に押し出されていて、すごく楽しめたし、個性的な刑事ドラマに仕上がっていました。題して、『刑事ゆがみと、その仲間たちの日常』。このシリーズだけで1年でも2年でもやってほしいくらい好きな作品です。
もう1つは、5話と9話、そして今回の最終話で語られた『刑事ゆがみとロイコ事件』。ドラマオリジナルキャラである天才美少女ハッカー・ヒズミ(山本美月)の存在を軸に、7年前に発生した夫婦殺人事件と、その事件にそっくりな内容の小説『ロイコ』をめぐるミステリーです。原作にも同様の設定は登場しますが、ヒズミの存在そのものを含めて事件の設計は完全にオリジナル。脚本は同作のチーフ演出家である西谷弘さんの盟友・池上純哉さんでした。
願わくば、『日常』編で丁寧に造り上げられた弓神&羽生のキャラクターが、大仕掛けである『ロイコ』編のミステリーに完全にハマって「これを見ないなんで人生損してる! 大傑作!!」とか書きたかったんですが、この仕掛けがよくなかった。よくなかったです。
■弓神の側から「ロイコ事件」を振り返る
7年前に起きたロイコ事件の被害者は、フリーライターの河合武(渋川清彦)と、その妻・伊代(酒井美紀)。2人は『ロイコ』という小説になぞらえた形で殺害されました。容疑者として浮上したのは『ロイコ』の作者・横島(オダギリジョー)。世間を騒がして小説をベストセラーにするために夫妻を殺害したとされていましたが、事件の1週間後に焼身自殺。事件は闇に葬られました。
ここからは、ドラマの仕掛けを時系列通りに並べ直して振り返ります。
事件の第一発見者は弓神でした。夫妻の娘・和美(=ヒズミ)と面識のあった弓神は、和美から「ママが殺される」というメールを受け、自宅に急行します。
すると、夫妻が血を流して死んでおり、12歳の和美の手には金属バットが握られていました。和美が父親を撲殺したことを察した弓神は、その罪を横島になすりつけて和美の将来を守ることにします。
実は横島の小説は、すべて殺された武がゴーストとして書いていたものでした。なぜ有名人でもないし文章も書けない横島にゴーストが用意されていたのかわかりませんが、そういうことのようです。横島にも不満があったのでしょう。当てつけなのかなんなのか、武の妻・伊代をレイプしました。その結果、生まれたのが和美だったのです。
レイプされた伊代は、なぜかそのとき被害届を出しませんでした。そのまま和美を産み、夫婦で育てます。しかし、夫の武は日に日に和美が「自分に似ていない」ことから伊代を疑いだし、「誰の子だ!」と迫ると、伊代はこれまで隠してきた横島によるレイプを白状。夫は通報しますが、伊代はここでも被害届を出しません。いわく「娘の父親を犯罪者にしたくない」から。まあこれはわからんでもないですが、レイプされた直後に通報しなかった理由は語られません。夫が横島のゴーストで生計を立ててたからかな。それだとちょっと、伊代さんにも同情しにくいかな。
そのレイプ事件から13年後に発生したのが、少女・和美による父親殺し事件でした。ちなみに旧強姦罪の時効は10年ですので、この時点で横島が伊代さんへのレイプで罪に問われることはありません。
しかし、和美による殺人を隠ぺいすることを決めた弓神は、横島を脅し、犯人に仕立て上げます。「罪をかぶって、作品通り再現したカルト小説家として名を残すか、強姦魔として世間にバラされるか」を選べと迫るのです。
横島は現場にいたわけでもないし、アリバイがありそうなもんですが、なぜか捜査線上に浮上しました。そして、弓神がでっち上げた「ベストセラーにするため」という動機だけで容疑者とされてしまいます。弓神以外、まったく誰も捜査しなかったのでしょうか。
レイプの時効が成立しているのに、今さら殺人の罪をかぶることにした横島の気持ちもよくわかりませんが、弓神の工作についてはさらに不可思議です。
偶然、管内で焼身自殺を図ったハタチそこそこの青年に、ちょっと焼いた横島の免許証を持たせて「ハイこれが横島です自殺しました、ロイコ事件は終わりです」との報告書を上げ、それが通ってしまいます。殺人事件の重要参考人が焼死体で見つかったというのに、司法解剖もしてない。身長、体重、歯型、血液型、その他もろもろ遺体の身元特定を何もせず、免許の物的証拠だけで断定してしまう。なんと杜撰なのでしょう。警察不信になってしまいます。
こうして弓神という刑事は、父親を殺した少女を守るために、ひとりのレイプ犯を“私刑”に処したのです。横島を社会的に殺したのです。
ここまで、弓神のやっていることは明らかに倫理に反しているし、職権の私的な濫用です。警察権力を振りかざして横島という人間を殺したのです。到底、共感できるものではありません。
また、武がヒステリーを起こして伊代を殺し、和美が武を撲殺したという単純で突発的な事件の、どこがどう小説『ロイコ』になぞらえられていたのか。「現場にカタツムリの絵が残されていた」以外、どんな共通点があったのか。ドラマは、それを語ることを放棄しました。最終回まできて、「ロイコ事件」の「小説『ロイコ』と事件との関係」を投げ捨ててしまったのです。最初から、この仕掛けそのものが成立していなかったということです。
■そして7年後
氷川と苗字を変えた和美に“ヒズミ”というニックネームを与え、生活の面倒を見続けてきた弓神は、横島の不穏な動きを察すると、ヒズミに「南の島に行こう」と提案しました。どうやら警察も辞めるつもりのようでした。
12歳で父親を殺し、そのショックで記憶喪失と失語症を患った少女は確かに不憫です。しかし、最終話でも語られた通り12歳の児童が殺人罪に問われることはありません。
そんなヒズミの「記憶を戻してはいけない」というのが弓神の考え方でした。記憶を失ったまま、言葉を失ったまま、南の島で自分が一生面倒を見ればいい……弓神のその考えも理解不能です。ヒズミに必要なのは適切な治療とカウンセリングでしょう。弓神が事件に関わりさえしなければ、心の回復を経て違う人生を歩んでいたかもしれない。少女の父親殺しの、その罪ともいえない罪をもっとも強く断罪したのも、また弓神だったということです。「俺が一生、面倒を見ればいい」という判断は、和美という少女から自由な人生を奪う行為でもあると思うのです。ここも設計として失敗していると感じさせる部分です。
そういう刑事で、そういうドラマを作ろうとしたわけではないことは、重々承知しています。いろいろ考えてドラマチックなシーンを頭に描いて、整合性を取ってみたら弓神がひどい人物になっちゃっただけだとは思うんです。
でも、だったら、ちゃんと作れないなら無理にミステリーを構築しようとしなければいいのに、と思うんです。せっかく好印象なドラマだったのに、仕掛けの至らなさでキャラクターの魅力まで台無しになってる。
先に書いた『日常』編でも、こうした事件の粗は見られましたが、脚本が徹底的に人物に寄り添っていたので、見応えのあるドラマになっていました。しかし『ロイコ』編では、弓神の心情よりもミステリーの仕掛けに心血が注がれ、その結果、弓神のキャラクターが崩壊していた。さらに、弓神のキャラクターを崩壊させてまで組み上げたミステリーも破綻しているという、なんとも残念な最終回になりました。
あと、いくら金属バットだからって、12歳の少女が一撃必殺で大人の頭蓋骨を割って殺すのは無理だと思うよ。日馬富士でも、たぶん一撃じゃ無理だと思う。以上です。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
息子が稼いだカネで喰うシャブは旨ぇか!?
というわけで、“パリピおじさん(記事参照)”こと所属事務所社長の父親が覚せい剤で逮捕されてしまった浅野忠信の主演ドラマ『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)は第9話。せめて放送が終わってからにしてよ……と、関係者全員が思っていることでしょう。逮捕報道後の浅野さんの気丈な振る舞いには、頭が下がる思いです。
ともあれ、低視聴率ながら好評を集めている同作も、最終回直前まできました。今回は、ドラマで初となる「非1話完結」、次回へ続くとなりました。いよいよクライマックスです。さっそく振り返ってまいりましょう。ちなみに視聴率は6.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。もう数字は話題にしなくてもいいね。
今回の殺人事件の被害者は、元医師で資産家の独居老人・薮田先生(渡辺哲)。熱湯風呂に入れられ、身体中をズタズタに切りつけられた痛ましい姿で、二階堂ふみ(豪華ゲスト!)演じる家政婦の春菜に発見されます。現場には「積年の恨み ここに晴らす」とのメモが。
近所の人の話では、薮田先生には晴男くん(鹿間康秀)という1人息子がいましたが、医大入試に立て続けに失敗したことで7年前に失踪。すでに失踪宣告が出され、“認定死亡”となっています。
■7年前といえば、覚えていますか「ロイコ事件」
7年前といえば、第5話(記事参照)で語られた「ロイコ事件」のあったころです。当時、弓神(浅野)が担当したこの事件では、ある夫妻が『ロイコ』という小説になぞらえる形で惨殺され、その小説の作者・横島(オダギリジョー)が容疑者として浮上したものの、焼身自殺。事件は闇に葬られていました。
その横島の、未完の遺作となった小説が『聖なる夜空にサンタが舞う』。弓神の上司である係長・菅能ちゃん(稲森いずみ)によれば、同著は「家を飛び出した息子が親に復讐する」というストーリー。殺害方法やメモ書きの内容まで薮田先生が殺された事件と一致しており、失踪したはずの晴男くんが容疑者として浮上します。さらに、真野恵里菜(=豪華ゲスト2!)演じる美人鑑識官がメモ書きを調べると、そこには晴男くんの指紋が。いよいよ晴男くんに疑いの目が向けられます。
しかし、この事件の捜査に、どうにもやる気がなさそうなのが弓神です。羽生くんにサボりを注意され「マジで首切られますよ」とたしなめられると「それもいいかもなぁ」と上の空になってみたり、ロイコ事件の生き残りである夫妻の娘・ヒズミ(山本美月)に「2人で南の島でも行くか」と提案してみたり、もう警察の仕事も辞めちゃいたい感じ。どうしたんでしょう。
弓神は、晴男くんより第一発見者の春奈が怪しいと言います。それを受けて、羽生くん(神木隆之介)が春奈を取り調べることに。しかし春奈は、先生の家から絵画やら1万円札やらをくすねていたことは認めましたが、殺害については否認します。「だって私、犯人を見ましたから」と。
■就職しちまったんですか、琥珀さん!
映画『HiGH&LOW THE MOVIE』で大暴れしていた「琥珀さん」ことEXILE・AKIRA(=豪華ゲスト3!)は、どうやらタクシー運転手に就職したようです。メガネをかけて、真面目に働いています。正気に戻ったようでよかったです。で、この運転手とのシーンで、いよいよ弓神の怪しい行動に拍車がかかります。
いつも春奈を先生宅まで乗せている運転手のドライブレコーダーにも、この犯人が映っているはずでした。しかし、映っているはずの部分だけ、弓神はスキを突いてドラレコから削除します。そこに映っていたのは、死んだはずの『ロイコ』作者・横島。そう、横島は生きていたのです。
怪しい行動を重ねる弓神を羽生くんが尾行すると、なんと弓神は横島と密会していました。
羽生くんは、上司の菅能ちゃんに「この事件とロイコ事件、関係あるんじゃ?」「横島は生きているんじゃ?」と迫ります。頑なにそれを否定する菅能ちゃんでしたが、横島の死亡報告書の作者が弓神であることを発見すると「ごめん、ありえるかも」と、関与の可能性を認めました。
で、なんだかんだあって、横島に呼び出されたヒズミが意識不明の状態で病院に運び込まれ、その報せを受けた弓神が駆けつけると、ヒズミは声にならない声で(ロイコ事件を目撃したショックで失声症になってる)、弓神を指差し「ひとごろし……」。弓神は夜の町に姿を消すのでした。最終回へ続く。
■ちなみに、今回と次回の脚本はドラマオリジナルです
ここまで、原作から舞台設定や人物配置を拝借しつつ、巧みにアレンジを加えながら時代性、当事者性を抱いた脚本を作ってきた『刑事ゆがみ』。結果、原作より強度が増した回も少なくありませんでしたが、今回と次回の最終回は、ほぼ完全にオリジナルとなります。
第1話のレビュー(http://www.cyzo.com/2017/10/post_34885_entry.html)で、「いずれオリジナルで事件を構築するという、人物造形とはまるで違う脳みそを使わなければいけない段階も来ることでしょう。応援してますし、もしつまんなくなったら、それも正直に書かなきゃなーと思ってます」と書いたので正直に書きますが、第9話、けっこうマズイ雰囲気が漂ってきたかなーと思います。
仕掛けの整合性を取ろうとするあまり、キャラクターの行動原理や捜査の技能レベルが乱れきってる。羽生くんがキレキレなのは「成長した」ってことでいいんですが、割を食ったのが菅能ちゃんで、真相に迫った羽生くんを否定し続ける場面なんて、稲森いずみがすごく無能な刑事に見えてしまっていた。弓神の突飛な行動の数々も、「次回に謎を残す」という役割はあっても、これまでの心理的な伏線がないので「意味がわからんよ……」以上の印象がない。今回、第5話とはつながっているけど、6~8話とは全然つながってない。さらにいえば、未完であるはずの『聖なる夜空にサンタが舞う』がハードカバーで出版されていたり、メモ書きに7年前の息子の指紋が残っていたりと、細部にも粗が目立ちました。それでも、各ショットの雰囲気と役者の芝居がいいので画面的に「もって」いるのが、逆にすごく優秀な作品でもあると思うんですけど。
脚本的にいえば、そもそも初回から登場しているヒズミが「誰」なのか、そしてヒズミを生んだロイコ事件とは「何」なのかを解き明かすのがドラマ版の本筋であって、ロイコ事件を初出しした第5話と今回を担当した池上純哉さんが、実質的なメインライター(設計者)なのかもしれません。ただ、この作品の評価を高めてきたのって、おそらくは事件関係者個人(特に女性)への描き込みの深さとリアルさ、それと浅野&神木というバディのイチャコラ感だったと思うんですよね。そう考えると、倉光泰子さんをはじめとした女性脚本家たちが実力を発揮したことによって、本来の設計よりずっと魅力的な作品が出来上がってしまっていた、と理解したほうが正しいのかもしれません。
いやいや、最終回を前に書く内容じゃないね。すみません。次回も楽しみです。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
泥臭い浪花節と本格推理が同居した井浦秀夫の原作コミックを、スタイリッシュに映像化して好評を集めつつ、視聴率はあんまりよくないドラマ『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)も第8話。今回の数字も6.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、この良作には似合わない感じでした。
ともあれ、いつものように振り返ってみましょう。
さて、毎回アバンタイトルで「今回はこういうお話ですよ~」と丁寧に教えてくれるこのドラマ。第8話は「高齢化社会」「身寄りのない独居老人」「お年寄りを狙った詐欺事件」といったあたりがテーマです。新米刑事・羽生くん(神木隆之介)にはまだ早い話題のようですが、独身アラフォー美魔女係長・菅能ちゃん(稲森いずみ)は、リアルに頭を抱えるしかありません。そして菅能ちゃんと同い年の弓神(浅野忠信)は、相変わらず何を考えてるのかわからない。お気に入りの競走馬が引退したとかで、悲嘆に暮れています。
■神木隆之介、ついに童貞を認める
そんな弓神と羽生くんは、2人でキャバクラに。羽生くんはかわいいので、嬢たちにチヤホヤされて浮かれ気分です。その席に「ハタチどえーす!」とか言いながらやってきたのが、猿渡(市川由衣)というアラサー美人でした。
どうやら弓神と猿渡は旧知の仲。猿渡は人懐っこい笑顔を浮かべながら、「施設にいる息子を迎えにいくためにお金をためている」「昼間の仕事を探している」と、実にポジティブな様子。帰り際には、羽生が童貞であることを知ると「かわいいんだけど!」と大喜び。
これまで、ずっと「童貞じゃねえし!」と言い続けてきた羽生くんでしたが、ふにゃふにゃになってしまい「キスもしたことない」と、ついに自白。ごほうびなのか、猿渡からホッペにちゅーをいただきました。羽生くん、顔が真っ赤です。楽しい楽しい夜でした。
その猿渡が、死にました。
高級マンションの敷地内で転落死。手には180万円の現金が握られています。状況から見て、猿渡は前夜、4階の部屋に盗みに入り、ベランダから逃亡しようとして転落した可能性が高いんだそうです。
■今回は弓神が捜査に私情を挟む
実は猿渡という女性は、かつて弓神が逮捕した窃盗犯でした。「透明人間」という異名を取るほどの凄腕の泥棒で、あちこちから奪った金は5年で1,000万円。それは、16歳で家族を失った少女に残された、唯一の生きる術だったのだそうです。
しかし、そんな猿渡も子どもを産んでからは改心して足を洗い、シングルマザーとして真面目に生きていました。しかし弓神が猿渡の泥棒時代の証拠をつかんでしまい、投獄されたことで母子は離れ離れになってしまったのです。
弓神は息子とも交流があり、猿渡との関係も前述の通り。どうしても猿渡が再び盗みに手を染めたとは思えない弓神は「事故死、事件性なし」の報告書提出を拒否し、単独捜査を続けます。羽生くんに「目を覚ましてくださいよ」とたしなめられて、「目を覚ますのはおまえの方だろ、前科持ちじゃなかったら、もっとまともに捜査してるだろ」と声を荒らげる弓神の表情は、これまでには見られないものでした。いよいよ刑事・弓神が本格化してきたということです。
このドラマでは、「客観的な捜査と刑事個人の私情」というテーマが繰り返し語られています。1~4話までは主に羽生くんがその板挟みになって苦悩し、前回は菅能ちゃんが親友の死に心を揺さぶられる様が描かれました。佳境に入った第8話で、いよいよ真打ち登場というわけです。ドラマがクライマックスに向かって動き出したというドライブ感を覚える、計算された設計です。
■加害者と被害者は、巧みに入れ替わる
一方、盗みに入られたのは、このマンションの住人・沼田(小林隆)。銀行を定年退職した沼田は、身寄りこそないものの、高級マンションに暮らす、お金持ちのおじいちゃん。今回の件では180万円のお金も戻ったことから被害届を出さないと言います。見るからに善人ですが(何しろ小林隆だし)、金庫に2,000万円もの現金を入れているなど怪しい点も。
ちなみにこの2,000万円は弓神が金庫を覗き込んで発覚したものですが、当然、ピッキングか何かして勝手に開けたのでしょう。もう弓神がそういうことを勝手にやってるという段取りすら映さない。視聴者を信用した、潔い省略です。
ところで、アバンによれば今回は「独居老人が詐欺に遭う話」でした。泥棒に遭う話じゃなかったよなーと思っているところで、「近所で老人狙いの振り込め詐欺が頻発しています」という情報が放り込まれ、この猿渡の死と振り込め詐欺事件が複雑に絡まり合い、加害者と被害者を巧みに入れ替えながら事件の解決に至ります。例によって、面白いのでFODとかTVerでどうぞ。
■「犯人の掘り下げ」には、今回も力が入っています
このドラマの最大の魅力は、なんといっても犯人が犯行に至った背景や犯行動機の掘り下げにあります。
今回も、子どものために真面目に生きようとした元窃盗犯、そして、仕事のために真面目に生きてきただけだった元銀行員の悲しみが切々と、大真面目に語られました。
ホントに、真面目に脚本作ってるなーと毎度思うんです。以前にもこのレビューで書きましたが、事件の謎と解決は今回もゆるい部分はあります。でも、「これを言うんだ」「今だから、この話なんだ」という強い意思、創作意識はびんびんに伝わってくる。『刑事ゆがみ』のスタッフは、実に気持ちのいい仕事をしていると思います。
■羽生くんの成長、もしくは“弓神化”について
今回、もっとも印象的だったのは、羽生くんが取り調べで犯人に自白を迫る場面でした。
羽生くんの取り調べシーンは、特にドラマ前半で繰り返し登場しています。先入観にとらわれ、目の前の人間を犯人と決め付け、まるで刑事ドラマのモノマネみたいに机をバンバン叩きながら言質を取ろうとし、ヒマがあれば「自白 誘引方法 心理戦」でググったりもしていました。幼稚であり、その幼稚さがチャームポイントでもあったのが羽生くんという刑事だったのです。
今回、キャバクラで警察バッジを見せびらかすなどの幼稚さを残しながらも、捜査や取り調べでは弓神の影響を受けて明らかに成長している様を見せつけました。県警の指示に背いて弓神の違法捜査に協力することも、もう厭わなくなっています。回を重ねるにつれて“バディ”の関係性にも変化が表れている。残り2話、正直、楽しみでしょうがないといったところです。
■余談
ところで、今回の“仕事人間”沼田の告白には、まったく共感できませんでした。定年退職した独居老人の苦悩は、よく練られたものだったとは思うんですが、やっぱり頭で考えたお話だな、という印象だったんです。第2話の喪女や前回のインスタ映え女のような、作家自身の当事者性が反映されている(ように見える)物語に比べると、迫ってくるものが少し弱かったかなと。
そう思ったんですが、この文章を書きながら、もしかしたらあんまり素直に受け取りたくなかったのかもしれないと思い直したんです。何しろ私自身も独居老人まっしぐらですし、まだまだ“頼りない中年”くらいの役が似合うと思っていた小林隆が「お爺ちゃん」に配役されている。その分だけ、私にも年月が流れている。そういう現実、迫りくる老後が、直視できなかったのかもしれません。えーと、何この余談。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
泥臭い浪花節と本格推理が同居した井浦秀夫の原作コミックを、スタイリッシュに映像化して好評を集めつつ、視聴率はあんまりよくないドラマ『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)も第8話。今回の数字も6.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、この良作には似合わない感じでした。
ともあれ、いつものように振り返ってみましょう。
さて、毎回アバンタイトルで「今回はこういうお話ですよ~」と丁寧に教えてくれるこのドラマ。第8話は「高齢化社会」「身寄りのない独居老人」「お年寄りを狙った詐欺事件」といったあたりがテーマです。新米刑事・羽生くん(神木隆之介)にはまだ早い話題のようですが、独身アラフォー美魔女係長・菅能ちゃん(稲森いずみ)は、リアルに頭を抱えるしかありません。そして菅能ちゃんと同い年の弓神(浅野忠信)は、相変わらず何を考えてるのかわからない。お気に入りの競走馬が引退したとかで、悲嘆に暮れています。
■神木隆之介、ついに童貞を認める
そんな弓神と羽生くんは、2人でキャバクラに。羽生くんはかわいいので、嬢たちにチヤホヤされて浮かれ気分です。その席に「ハタチどえーす!」とか言いながらやってきたのが、猿渡(市川由衣)というアラサー美人でした。
どうやら弓神と猿渡は旧知の仲。猿渡は人懐っこい笑顔を浮かべながら、「施設にいる息子を迎えにいくためにお金をためている」「昼間の仕事を探している」と、実にポジティブな様子。帰り際には、羽生が童貞であることを知ると「かわいいんだけど!」と大喜び。
これまで、ずっと「童貞じゃねえし!」と言い続けてきた羽生くんでしたが、ふにゃふにゃになってしまい「キスもしたことない」と、ついに自白。ごほうびなのか、猿渡からホッペにちゅーをいただきました。羽生くん、顔が真っ赤です。楽しい楽しい夜でした。
その猿渡が、死にました。
高級マンションの敷地内で転落死。手には180万円の現金が握られています。状況から見て、猿渡は前夜、4階の部屋に盗みに入り、ベランダから逃亡しようとして転落した可能性が高いんだそうです。
■今回は弓神が捜査に私情を挟む
実は猿渡という女性は、かつて弓神が逮捕した窃盗犯でした。「透明人間」という異名を取るほどの凄腕の泥棒で、あちこちから奪った金は5年で1,000万円。それは、16歳で家族を失った少女に残された、唯一の生きる術だったのだそうです。
しかし、そんな猿渡も子どもを産んでからは改心して足を洗い、シングルマザーとして真面目に生きていました。しかし弓神が猿渡の泥棒時代の証拠をつかんでしまい、投獄されたことで母子は離れ離れになってしまったのです。
弓神は息子とも交流があり、猿渡との関係も前述の通り。どうしても猿渡が再び盗みに手を染めたとは思えない弓神は「事故死、事件性なし」の報告書提出を拒否し、単独捜査を続けます。羽生くんに「目を覚ましてくださいよ」とたしなめられて、「目を覚ますのはおまえの方だろ、前科持ちじゃなかったら、もっとまともに捜査してるだろ」と声を荒らげる弓神の表情は、これまでには見られないものでした。いよいよ刑事・弓神が本格化してきたということです。
このドラマでは、「客観的な捜査と刑事個人の私情」というテーマが繰り返し語られています。1~4話までは主に羽生くんがその板挟みになって苦悩し、前回は菅能ちゃんが親友の死に心を揺さぶられる様が描かれました。佳境に入った第8話で、いよいよ真打ち登場というわけです。ドラマがクライマックスに向かって動き出したというドライブ感を覚える、計算された設計です。
■加害者と被害者は、巧みに入れ替わる
一方、盗みに入られたのは、このマンションの住人・沼田(小林隆)。銀行を定年退職した沼田は、身寄りこそないものの、高級マンションに暮らす、お金持ちのおじいちゃん。今回の件では180万円のお金も戻ったことから被害届を出さないと言います。見るからに善人ですが(何しろ小林隆だし)、金庫に2,000万円もの現金を入れているなど怪しい点も。
ちなみにこの2,000万円は弓神が金庫を覗き込んで発覚したものですが、当然、ピッキングか何かして勝手に開けたのでしょう。もう弓神がそういうことを勝手にやってるという段取りすら映さない。視聴者を信用した、潔い省略です。
ところで、アバンによれば今回は「独居老人が詐欺に遭う話」でした。泥棒に遭う話じゃなかったよなーと思っているところで、「近所で老人狙いの振り込め詐欺が頻発しています」という情報が放り込まれ、この猿渡の死と振り込め詐欺事件が複雑に絡まり合い、加害者と被害者を巧みに入れ替えながら事件の解決に至ります。例によって、面白いのでFODとかTVerでどうぞ。
■「犯人の掘り下げ」には、今回も力が入っています
このドラマの最大の魅力は、なんといっても犯人が犯行に至った背景や犯行動機の掘り下げにあります。
今回も、子どものために真面目に生きようとした元窃盗犯、そして、仕事のために真面目に生きてきただけだった元銀行員の悲しみが切々と、大真面目に語られました。
ホントに、真面目に脚本作ってるなーと毎度思うんです。以前にもこのレビューで書きましたが、事件の謎と解決は今回もゆるい部分はあります。でも、「これを言うんだ」「今だから、この話なんだ」という強い意思、創作意識はびんびんに伝わってくる。『刑事ゆがみ』のスタッフは、実に気持ちのいい仕事をしていると思います。
■羽生くんの成長、もしくは“弓神化”について
今回、もっとも印象的だったのは、羽生くんが取り調べで犯人に自白を迫る場面でした。
羽生くんの取り調べシーンは、特にドラマ前半で繰り返し登場しています。先入観にとらわれ、目の前の人間を犯人と決め付け、まるで刑事ドラマのモノマネみたいに机をバンバン叩きながら言質を取ろうとし、ヒマがあれば「自白 誘引方法 心理戦」でググったりもしていました。幼稚であり、その幼稚さがチャームポイントでもあったのが羽生くんという刑事だったのです。
今回、キャバクラで警察バッジを見せびらかすなどの幼稚さを残しながらも、捜査や取り調べでは弓神の影響を受けて明らかに成長している様を見せつけました。県警の指示に背いて弓神の違法捜査に協力することも、もう厭わなくなっています。回を重ねるにつれて“バディ”の関係性にも変化が表れている。残り2話、正直、楽しみでしょうがないといったところです。
■余談
ところで、今回の“仕事人間”沼田の告白には、まったく共感できませんでした。定年退職した独居老人の苦悩は、よく練られたものだったとは思うんですが、やっぱり頭で考えたお話だな、という印象だったんです。第2話の喪女や前回のインスタ映え女のような、作家自身の当事者性が反映されている(ように見える)物語に比べると、迫ってくるものが少し弱かったかなと。
そう思ったんですが、この文章を書きながら、もしかしたらあんまり素直に受け取りたくなかったのかもしれないと思い直したんです。何しろ私自身も独居老人まっしぐらですし、まだまだ“頼りない中年”くらいの役が似合うと思っていた小林隆が「お爺ちゃん」に配役されている。その分だけ、私にも年月が流れている。そういう現実、迫りくる老後が、直視できなかったのかもしれません。えーと、何この余談。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
視聴率は超低空飛行にもかかわらず、各方面から絶賛の声しか聞こえない『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)も第7話。今回は、前回より0.8ポイントダウンの5.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。2話目からじりじり上げてきてたんですが、べっこり下がりましたね。裏のNHKで安室奈美恵の特番をやってたので、その影響かもしれません。このドラマはけっこう伏線を丁寧に張るので、録画向きですしね。と、まあ適当に擁護しつつ今回も振り返りましょう。
今回は、弓神(浅野忠信)と羽生くん(神木隆之介)の上司である係長・菅能ちゃん(稲森いずみ)の回でした。前回まで、捜査に私情を挟みまくる羽生くんに、捜査中は「事件関係者への恋心と同情」を持ってはいけないと説教していた菅能ちゃんでしたが、今回は大学時代の親友・絵里子さん(りょう)が亡くなってしまったので、その説教が盛大にブーメランしてしまいます。
何しろ菅能ちゃんと絵里子さんは、お互い定年したら老後を一緒に過ごそうと誓い合っていたほどの仲。しかも、絵里子さんの死亡推定時刻は同窓会で久しぶりに再会した直後だったのですから、心穏やかに捜査できるはずがありません。
状況としては、青酸カリを飲んでの服毒自殺に見えます。しかし、菅能ちゃんは絵里子さんが自殺するなんて、どうしても思えない。
絵里子さんはデザイン会社で部下をたくさん抱えてブイブイ仕事をしていたはずだし、10歳下のイケメン実業家との結婚も決まっていると言いました。何より、同窓会の後、2人で飲んだときに再会の約束だってしている。そんな絵里子さんが自殺なんてするわけない! と、周りの刑事がドン引きするほど私情入れまくりで捜査に当たります。
■絵里子さん、つらすぎる……。
しかし、実際には絵里子さんに結婚の予定はありませんでした。同窓会で見せられた婚約者とのツーショットインスタも、月に一度は必ず飲み会を開いていると語っていた部下との写真も、すべて「リア充代行サービス」を利用して撮ったものだったのです。
現実の絵里子さんは、とっくに会社を辞めていました。線維筋痛症が悪化して休職、そのまま復職できなかったそうです。線維筋痛症って、最近レディー・ガガが患者であることを告白して話題になりましたが、むちゃくちゃつらいんだそうです。原因不明なので対症療法しかできないし、血管の中を割れたガラスが通過するような疼痛が続くし……と、ちょっと資料を読んでいるだけでも顔をゆがめたくなるような難病です。
そんな難病に苦しみながら、せっせとインスタにリア充写真を載せ続けた絵里子さん。貯金を切り崩しながら、偽りの笑顔に囲まれて、現実を盛りまくっていた45歳の独身女性。なぜそこまで“リア充”を着飾るとこに固執するのか、まるで理解できませんし、理解できないからこそ、その苦痛も想像を超えたものなのでしょう。つらいよ、つらすぎるよ……。
■代行アイドル・優里ちゃんも、まあまあつらい
そんな絵里子さんが特にお気に入りにして、たびたび指名していたのが、優里ちゃん(早見あかり)という女の子でした。代行業者のリピート率ナンバーワンで、とびきりのカワイコちゃんです。優里ちゃんは「うぜえうぜえ」と思いながら絵里子さんに話を合わせていました。
優里ちゃん、過去にアイドル活動をしていたんだそうです。一般的には売れませんでしたが、代行サービスではトップアイドルです。こちらもいろいろ苦悩が描かれるわけですが、何しろガチモンのトップアイドルだった早見あかりが演じているだけに、説得力が違います。事件の顛末は、例によってFODとかで見てください。面白いよ。
■アラフォー女優2人の美しさたるや
『刑事ゆがみ』というドラマは、事件の謎解きについては緩い回も少なくないんですが、描きたいことがハッキリしているので毎回見応えがあります。それと、犯人像・被害者像についてしっかり作り込んでいるので、原作既読でも問題なく楽しめるのも特徴でしょう。
ドラマ自体に語りたい人物がいて、原作の事件の配置をヒントにしながら、その人物を表現している。主題の軸足はあくまでドラマですよ、という主張を怠らないのも、高評価の要因だと思います。
以前から、特に事件まわりの女性心理の描き方が個性的で秀逸ですねという話をしてきましたが、今回の絵里子さんの痛みは、特に重みを持って伝わってきました。線維筋痛症というパワーワードの強さよ。そして、りょうと稲森いずみ、2人のアラフォー女優の美しさよ。
■神木くんの“童貞イジリ”も健在ですが……
今回も羽生くんの“童貞イジリ”は健在で、筆おろしのためにソープランドに赴くものの、壮絶なパネマジに遭って走って逃げ出したというくだりが、いかにもコミカルに描かれました。
まあスルーしてもいいんですが、これね、あんまりよろしくないと思ったんです。
片方で美しい女性の悲劇を切々と描いておきながら、美しくない女性(羽生くんいわく「ジャバ・ザ・ハット」)を笑いものにするというのは、いかがなものかしらと。あの風俗嬢にだって、菅能ちゃんや絵里子さんと同じように人生があるのに、そこは笑い飛ばしていいのかと。
女性心理の表現に長けた作品だからこそ、「デブでブスの風俗嬢は、神木きゅんに走って逃げられても当然だろギャハハ!」という差別意識が、作品から浮いて見えたんですよねえ。まあ、ジャバ側の人間には、そう感じる向きもあったという些末な話です。はい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
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