人気海外ドラマ『クリミナル・マインド』リード、最終回直前のSNS投稿が「涙出てくる」と話題

 米「CBS」局で2005年9月に始まった、人気ドラマシリーズ『クリミナル・マインド FBI行動分析課(以下、クリミナル・マインド)』。ファイナル・エピソードが現地時間2月19日に放送され、15年の歴史に幕を閉じた。

 07年に、伝説のプロファイラー、ジェイソン・ギデオン役を演じていたマンディ・パティンキンが、「毎回女性がレイプされたり殺されたりするような番組内容が、自分の精神や人格に悪影響を及ぼす」として突然降板。10年に、局の幹部が制作側に「もっと若い女優を出せ」と命じ、A・J・クック(ジェニファー・ジャロウ役)とパジェット・ブリュースター(エミリー・プレンティス役)を突然解雇(その後、ばらばらにカムバック)。16年には、口論した脚本家の足を蹴ったとして、チームのリーダー、アーロン・ホッチナーを演じていたがトーマス・ギブソンが解雇されるなど、主要キャラクターが続々と降板。16年には、人気が高かったデレク・モーガン役のシェマー・ムーアが番組を卒業し、「さすがにもう持ちこたえられないだろう」「そろそろ潮時か」とウワサされたものだった。

 そんな『クリミナル・マインド』がシーズン15まで続く長寿ドラマとなった背景には、シーズン1から活躍し安定した人気を誇っていた、マシュー・グレイ・ギュブラー演じるスペンサー・リードと、カーステン・ヴァングスネス演じるペネロープ・ガルシアという個性的なキャラクターの存在が大きかったといえるだろう。

 一見FBI捜査官には見えないクセの強い役を演じたマシューとカーステンは、ファイナル・エピソード放送前、ファンの気持ちに応えるかのようにSNSを頻繁に更新。その中でも最終回当日の19日にマシューが投稿した写真とメッセージが切なすぎると大きな話題を集めた。

 マシューが、Twitterとインスタグラムに投稿したのは、リードの「FBI紋章入りの卓上ネームプレート」「FBI捜査官のID」「拳銃」「腕時計」を机の上に置いた写真と、「過去15年間、毎日のようにこの3つの小道具を身に着けてきた。今夜からは、心の中にこの3つの小道具を持ち続けようと思う。最高のクルー、最高のキャスト、これ以上は望めないほど最高のファンズ(ファン/フレンズ)との思い出を永遠にしまい続ける、僕の心の中にね」というメッセージ。

 3つの小道具とは、番組でリードが常に身に着け、長袖着用時には袖の上にはめていた「腕時計」、常にズボンの右ポケットの上という抜き出しにくそうな位置に着けていたことで「素人みたい」といじられることが多かった「拳銃」、そしてズボンの左側に着けていることが多かった「ID」だとみられ、ネット上は「涙が出てくる」「確かにリードを象徴するアイテムだったよね」「スペンサー・リードは、ファンの心の中で生き続けるから!」といった意見であふれ返った。

 マシューはインスタグラムのストーリーに、最後に撮影したシーンの写真・動画や、15年間を振り返り、クルーやキャストとの写真をコメント付きで投稿。番組を去ったマンディ、シェマー、そしてトーマスとの写真もあり、多くのファンが「彼らのことも仲間だと思っているマシューが、いい人すぎる」と感動すると同時に、「本当に終わりなんだ」と感傷に浸っていた。

 一方、カーステンは、クルーやキャストとの楽しそうな写真をインスタグラムにたくさん投稿。19日には、捜査員たちが乗り込んだエレベーターの扉が閉じるシーンを、クルーが編集している動画を投稿し、「今夜、みんなが見るシーンだよ」と予告した。また、インスタグラムのストーリーには、「ペネロープ・ガルシアは、みんなの心の中に生きてるから。みんな彼女の面倒を見てあげてね、よろしく」と語る動画がアップされており、「いつもハッピーな気分にさせてくれるペネロープらしいメッセージ」だとファンを喜ばせた。

 マシューだが、放送直前に米テレビ情報サイト「TVLine」が掲載したインタビュー特集記事の中で、「シリーズで最初に撮影したシーンと、最後に撮影したシーン、両方に出ることができたんだ」「だから、ラストシーンは自分にとって最高の締めくくりになったと思う」と告白。「最初のシーンも最後のシーンも、カメラの撮影ボタンを押させてもらったんだよ」と、うれしそうに語った。

 ニューヨーク大学ティッシュ芸術学校で映画監督を専攻したマシューは、『クリミナル・マインド』のエピソードを計12話監督しており、今後は監督としての活躍も期待されている。俳優としてもまだまだ活動する予定で、年内に『King Knight』というコメディに出演する予定もある。

 パジェットは、CBS局の『ブラッド&トレジャー 伝説の秘宝』シーズン2や、Netflixドラマ『Hollywood』へのキャスティングが決まっており、ジョー・マンテーニャ(デヴィッド・ロッシ役)は「春くらいに映画を監督するかも」と発言。ファイナルシーズンの脚本を共同執筆したカーステンは、今後脚本家としてのキャリアに力を入れるとコメントし、A・J・クックは「しばらくは家族との時間を過ごしたい」「だけど監督にはもっと挑戦してみたい」と明かすなど、今後もハリウッドで活躍し続けるであろう『クリミナル・マインド』のキャストたち。早くも、「何年後かに同窓会エピソードを制作してほしい!」と切望する声が多数上がっており、長い目で期待したいところだ。

ブラッド・ピット初のオスカー受賞作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』7つのトリビア

 1969年のハリウッドを舞台に、映画スターへの転身をもくろむテレビ俳優リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と、リックのスタントマンを務めるクリフ・ブース(ブラッド・ピット)を通して、業界の光と闇、そして不気味なカルト教団マンソン・ファミリーの姿を描いた話題作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。

 コミカルだがシリアスでもある同作は、鬼才クエンティン・タランティーノ監督の長編映画。実際に起きた、カルト集団「マンソン・ファミリー」による女優シャロン・テート殺害事件が題材になっていることから、製作決定の時点から大きな注目を集め、世界的大ヒットとなった。現地時間2月9日に開催されたアカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、助演男優賞など10部門にノミネートされ、うち助演男優賞、美術賞を受賞。今回は、そんな『ワンス~』の、あまり知られていないトリビアをご紹介しよう。

レオは通常の半額のギャラで出演に同意:『ワンハリ』トリビア1

 70年代に子役としてキャリアをスタートさせてからというもの、出演料は右肩上がり。現在の総資産は2億ドル(約220億円)以上だと伝えられているレオナルド・ディカプリオ。40代に入っても役者としての人気は衰えず。そんなレオナルドだが、米エンタメ業界誌「Variety」によると、『ワンス~』のギャラは、通常要求する額の半額である1,000万ドル(約11億円)だったとのこと。

 同作の製作費は1億ドル(約110億円)であり、人気役者であるブラッドやマーゴット・ロビー、アル・パチーノやカート・ラッセルら大御所俳優、ダコタ・ファニングらの人気女優、ほかにも知名度の高い役者が多く出演しているため、レオナルドは少しでも費用を抑えるためにと「自分の出演料は1,000万ドルでよい」と同意したという。

あの子役はオーディションなしで即決:『ワンハリ』トリビア2

 テレビをつけたまま脚本を執筆するというタランティーノ監督。『ワンス~』執筆中、トルーディ・フレイザーという子役が出てくるシーンを書いている時に、たまたまテレビでシットコムの『アメリカン・ハウスワイフ』で子役が登場するシーンが放送されていたとのこと。その子役を見て、クエンティンは「今書いているシーンは、この子に演じさせよう」とひらめき、演じていたジュリア・バターズに出演をオファーした。

 レオナルド演じる“泣き虫俳優リック”を励ます、プロ意識を持った大人びた子役という難しい役どころをオファーされたジュリアは、タランティーノ映画もレオナルド出演作も見たことがなかったそうで、「そんなすごい人たちと一緒に働くとは思っていなかった」とのこと。米エンタメサイト「The Wrap」のインタビューでは、台本の読み合わせをした後、監督の提案でしばらくレオナルドと雑談したそう。「これまで会った中で一番すごい役者は?」という質問には、「レオ」と即答。「彼のおかげで、セリフではなく心で会話をするという、そんな演技ができた」とコメントしている。

 ラスト30分が予想だにしない展開となり、多くの観客を驚かせた『ワンス~』。タランティーノ監督は、流出を防ぐために、脚本をガッチリとガードした。撮影前に作った台本は、たったの1冊。その台本をレオナルドやブラッドらと契約する時に読ませたのだが、監督の目の前でしか読むことが許されなかった。

 その後も、台本をすべて通して読むことが許されたのは、主要キャストであるレオナルド、ブラッド、マーゴットと、プロデューサーのデヴィッド・ハイマンだけ。ほかの俳優に手渡された台本からは少なくとも30ページ以上が取り除かれ、展開が読めないようにした。

 タランティーノは以前『ヘイトフル・エイト』(15)の脚本がリークしたことが相当トラウマになっており、早い段階から脚本を金庫にしまうなどしていたため、今回は流出を防ぐことができたとも伝えられている。

オーディションで2度落とされたブルース・ウィリスの長女:『ワンハリ』トリビア4

 ブルース・ウィリスとデミ・ムーアの長女で、子どもの頃から両親の映画に出演するなど役者歴は長いルーマー・ウィリス。ハリウッドでは2世だからと優遇されることはほとんどないため、彼女も地道にオーディションを受け、仕事を得ている。

 『ワンス~』には是が非でも出演したいと強く思ったルーマーは、2つの役のオーディションを受けたが落選。「オーディションを受けられただけよかった。記念だと思おう」と気を取り直していた30歳の誕生日の3日前。「ある役を演じてほしい」と連絡を受けたそうで、「どんな役でも演じます!」と即答。こうしてマーゴット演じるシャロンの友人で、女優ジョアンナ・ペティット役にキャスティングされた。

 ジョアンナは、シャロンが殺害される前に彼女の邸宅を訪問していた、生前の彼女を最後に見た生き証人と伝えられている女性。出演時間は短いが観客の印象に残る役で、ルーマーは見事に演じた。ちなみにルーマーが同作で最初に撮影したのは、車を運転するシーン。タランティーノ監督は彼女をリラックスさせようと、「ブルース・ウィリスの娘さんなんだから、威勢よく運転してくれよ」と声をかけてくれたとのこと。彼女はタランティーノ監督について、50人を超える役者一人ひとりを気遣う素晴らしい監督だとたたえていた。

ぶっ続けて12時間オーディションを受けさせられたオースティン・バトラー:『ワンハリ』トリビア5

 カルト集団「マンソン・ファミリー」の一員で、シャロンを襲撃したグループの一人、テックスを演じたオースティン・バトラー。彼は、米業界紙「Hollywood Reporter」のインタビューで、同作のオーディションについて「どのキャラクターのオーディションを受けているのか知らなかったから、(最初のオーディションには)デニムシャツを着て行ったんだ。タランティーノ監督からは『いい人と悪い人と、それぞれ演じ、撮影して欲しい』と指示されてね」「そのテープを見た監督から、出演していた舞台の休演日にロスに来てほしいといわれて、月曜日に劇場から空港に直行してロスに飛んだんだ。数時間だけしか寝てない状態で、監督と1日中会うハメになってね。12時間、次から次へとさまざまなシーンを演じさせられたんだ」と説明。

 「通常のオーディションにかかる時間は20分程度。でも、この作品のオーディションは12時間も続いて、びっくりした。しかもオーディション終了後、すぐに『で、この役やる?』とオファーされ、即決してもらえたんだと、さらにびっくりした」と明かしている。

 『ワンス~』には、伝説的アクションスター、故ブルース・リーが登場する。演じるのは韓国系アメリカ人俳優マイク・モーなのだが、このシーンを見たブルースの娘シャノン・リーが「父があまりにも傲慢で失礼な人間に描かれている」と大激怒。中国の国家電影局に抗議の文書を送った。

 残酷で過激なシーンが多いタランティーノ作品は、これまでにも同局から「中国の基準に適合するよう編集し直すべし」と命じられ、大いに揉めてきた。ラスト30分のシーン以外は残酷なシーンがほとんどない『ワンス~』は、中国で初めてノーカットで公開されたかもしれないタランティーノ作品になるはずだったのだ。

 クエンティンは、シャノンの抗議に対して「いやいや。ブルース・リーは傲慢な嫌な奴だったんだよ。しゃべり方とか。勝手に捏造したわけじゃない」と言い放ち、編集版の製作を拒否。公開は取りやめとなってしまった。

 中国映画市場は年間興収1兆円ともいわれており、ハリウッド映画にとっても巨大マーケットなっている。この公開取りやめを受け、同作を製作したソニー・ピクチャーズと、出資した北京に本社があるボナ・フィルム・グループは大打撃を受けたと伝えられている。

キャスティング候補に挙がっていた!? 大物スターたち:『ワンハリ』トリビア7

 タランティーノ作品の常連である俳優サミュエル・L・ジャクソンは、米映画サイト「Cinemablend」のインタビューで「今回、なんでキャスティングされなかったのかわからないよ。連絡なかったんだよ」とぼやいていたが、2017年に米芸能紙「Page Six」は「大手業界誌『Deadline』が、サミュエルが主要キャラクターの一人を演じるという情報をつかんだ。(監督とサミュエルは)相棒的な関係だからね」と報道していた。そのため、一時は主要キャラクターの有力候補に挙がっていたとみられている。

 同じく17年には、タランティーノ監督が、シャロン役のキャスティングを、マーゴット・ロビーかジェニファー・ローレンスで迷っていると、複数のメディアが報道。米ニュースサイト「TMZ」から、どちらにシャロン役を演じてほしいかと聞かれたシャロンの妹デブラは、「マーゴット・ロビーね」「別に嫌いとかじゃないんだけど、ジェニファーは姉を演じるほど美しくないわ」と発言。この意見が反映されたのか、マーゴットが見事役を射止めた。

 また、ブラッドが演じるクリフ役の候補にトム・クルーズが入っていたことを、タランティーノ監督がポッドキャスト『Happy Sad Confused』で認め、「レオナルドとブラッドのペアが完璧だったから、ブラッドにした。もしどちらかが出演できなければ、まったく別の役者を組み合わせていた」「レオナルドとブラッドのバディは完璧。なかなかないこと」と発言。改めて奇跡的なキャスティングが実現したのだと語った。

人気海外ドラマ『ダウントン・アビー』5つのトリビア! 映画版は世界興収200億円超え

 英「ITV」局で2010~15年に6シーズンにわたって放送された、大ヒットドラマ『ダウントン・アビー』。イギリスの田園地帯に建つ大豪邸ダウントン・アビーに暮らす貴族クローリー家の面々と、使用人たちの日常を描いた作品だ。優雅な暮らしの裏に隠れた貴族たちの苦悩や、序列や階級制度に抑え込まれながらも使用人たちが心に秘めるプライドなど、人間描写が優れていることで人気を博した。

 物語はフィクションだが、1912~25年に起きた事件や社会情勢を忠実に踏まえ、ストーリーは展開していく。タイタニック号沈没事故、第一次世界大戦、スペイン風邪など、歴史に詳しくない人でも知っているような大きな出来事が、イギリスの貴族や使用人にどのような影響を与えたのかがよくわかり、興味深いものになっている。世界中から愛されるドラマだったが、2015年に惜しまれつつ幕を閉じた。終了時、キャストも制作陣も「よいタイミングで終わることができた」と満足していたが、ファンの大きな期待を受け、ドラマの主要キャストたちが再集結した映画化が実現。

 日本でも1月10日に公開された映画版の舞台は、ドラマの最終回から約2年後の1927年。英国王ジョージ5世と王妃メアリーがダウントン・アビーを訪問することになり、その準備を進める一家や使用人たちの間で起こる騒動を描いたもの。昨年9月に公開されたアメリカでのオープニング週末興収は3,100万ドル(約33億6,700万円)を記録。現時点(1月10日)の世界興収は1億9,000万ドル(約205億円)と、各国で大ヒットしている。米大手批評サイト「ロッテン・トマト」では批評家からの支持率84%、観客からの支持率は94%と高く評価されている。

 昨年11月にはプロデューサーが映画版続編に向けた動きがあることを明かすなど、なにかと話題の『ダウントン・アビー』。今回は、そのドラマ版のトリビアをご紹介しよう。

「ダウントン・アビー」には住人がいる:『ダウントン・アビー』トリビア1

 ダウントン・アビーのモデルとして撮影が行われている「ハイクレア・カースル」には、実際に人が住んでいる。カースル(キャッスル)とついているが、実際には城ではなく17世紀に建てられたカントリー・ハウスで、3代目カーナーヴォン伯爵が、英国会議事堂を手がけたチャールズ・バリーに設計を依頼したゴシック・リバイバル建築である。

 代々、カーナーヴォン伯爵とその家族が暮らしており、現在は8代目が当主。第一次世界大戦中は負傷した兵士を治療する病院のような役割を果たし、第二次世界大戦中には貴族たちの疎開場所として邸宅の一部が使われていた。『ダウントン・アビー』以前にも映画やドラマの舞台として撮影場所を提供しており、映画『ラルフ一世はアメリカン』(91)、『ロビン・フッド』(91)、『アイズ ワイド シャット』(99)の撮影もここで行われた。

 ハイクレア・カースルはイベントスペースとしても提供されており、200人までのゲストを迎えた挙式を行うことも可能。邸宅内を見て回るるガイドツアーも開催されている。

 ハイクレア・カースルは、主に外観やダイニング・ホール、玄関にあたるエントランス・ホール、階段などが撮影に使われている。メンテナンスをして大切に使われているものの、厨房や使用人たちの部屋の状態はあまりよくなかったため、撮影には適さないと判断され、これらのシーンの撮影はロンドン西部にある「イーリング・スタジオ」(1902年設立)で行われているのだ。

 ドラマに登場するベッドルームのセットは実はひとつしかなく、同じベッドを登場人物によりデコレーションを変えて使い回している。同作の美術監督ドナル・ウッズはアメリカの番組の取材に対し、「ベッドルームの窓に注目してみれば、窓から見える景色が常に同じだと気づくでしょう」とコメントしている。

ナポレオン愛用の品々が!?:『ダウントン・アビー』トリビア3

 ハイクレア・カースルにはアンティーク家具がたくさんあるが、その中で最も歴史的価値が高いのは、音楽室にあるマホガニー製のデスクとイスだろう。フランス皇帝のナポレオン・ボナパルトが所有していたものだからだ。

 米アンティーク専門誌『Southeastern Antiquing and Collecting Magazine』の取材に応じた、8代目カーナーヴォン伯爵夫人フィオーナによると、デスクとイスはナポレオンが1821年に亡くなった後、3代目カーナーヴォン伯爵が購入。皇帝になる前の統領時代に、家具職人のジェイコブ兄弟がナポレオンのために作ったという。夫人は、ナポレオンが短期間だけ王宮として使っていたフランスのテュイルリー宮殿で、彼がこのイスの横に立っているスケッチを所有しているとのこと。

 ナポレオンはこのデスクとイスを最期を迎えたイギリス領セントヘレナ島の家ロングウッド・ハウスにも持っていき、亡くなるまで愛用していたそう。ナポレオンが退位文書に署名したのはこのデスクだという説もあるが、定かではない。夫人は「大切なものなので、撮影には使わせない」と笑っていた。

 ほかにも、バロックの期の画家アンソニー・ヴァン・ダイクの絵画や、5代目カーナーヴォン伯爵が古代エジプトのファラオ・ツタンカーメンの墓の発掘資金提供者だったことから、数多くの発掘品を所持しているそう。まさに“宝のお屋敷”なのである。

 18年8月に、英国映画テレビ芸術アカデミー(BAFTA)が『ダウントン・アビー』に特別賞を授与した。その際に流された祝福のビデオで、俳優アンソニー・ホプキンスやウーピー・ゴールドバーグらに混ざり、「番組の大ファン」として登場したのが、英国王室のウィリアム王子。BAFTAの会長を務める王子は、「ビデオに参加できてとてもうれしい。特別賞を贈ると知った時に感激した。キャサリンと私にとって、大好きな番組のひとつだから」「世界中で大ヒットした英国ドラマは多くない。私を含む数多くの人々が、(ダウントン・アビーの主である)クローリー一族の物語を楽しんだ。ファンとして、ありがとうと伝えたい」と熱く語った。

 キャサリン妃は15年に番組の収録スタジオを訪れ、キャストたちと交流。クローリー家の次女イーディス役を演じるローラ・カーマイケルは、米エンタメチャンネル『E!』の取材に対し、「素敵な方でした。すごく普通で。みんなが言うことですが、周囲がリラックスするように努めてくださるんです」と大興奮。キャサリン妃が熱心にキャストたちの話に耳を傾け、またうれしそうな顔でセットを見回す写真や映像が公開され、「本当のファンなんだ」と話題になった。

 著名な英国王室評論家で、多くの伝記を書いたブライアン・ホーイは、エリザベス女王も番組のファンなのだと英紙「デイリー・テレグラフ」に打ち明けており、「女王は、(英国の伝統的なパレード)トゥルーピング・ザ・カラーのシーンで、若い将校の胸につけられたメダルの順番が間違っていたことや、別の将校が(第一次世界大戦を時代背景としているのに)第二次世界大戦時のメダルをつけていることなどを指摘されていた。実に細かいところまで見ながらドラマを楽しんでいる」「女王はカーナーヴォン一族と交流があり、ハイクレア・カースルも何回か訪問しているため、親しみを感じながら熱心にご覧になっている」と語った。ちなみに、エリザベス女王は8代目カーナーヴォン伯爵のゴッドマザーである。

 ブライアンだが、「カミラ夫人も毎回楽しみに視聴しておられる。見逃したことはないほどだ」「チャールズ皇太子は、あまり熱心にはご覧にならないけれど……」とも明かしており、英国王室にはドラマの大ファンが何人もいるのだとファンを喜ばせた。

臭すぎる衣装:『ダウントン・アビー』トリビア5

 ドラマでは実際に、20世紀初頭に作られた衣装が多く使われている。取り扱いにも細心の注意が求められるため、役者たちは洗っていない衣装を着用しているとか。ほかの番組で使用したドレスを使い回すことも多く、伯爵の三女シビル(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)やマシュー・クローリー(ダン・スティーヴンス)が着ているドレスは、英BBCのドラマ『The Duchess of Duke Street』で使用されたもの、伯爵の長女メアリー(ミシェル・ドッカリー)が着用した赤のドレスは映画『奇術師フーディーニ ~妖しき幻想~』(08)でキャサリン・ゼタ=ジョーンズが着用していたドレスを着ている。

 また、当時のキッチンで働くスタッフは役割上、服を洗う必要はないとみなされていたため、ドラマもその習慣に沿って、キッチン・スタッフの服は洗わないとのこと。英紙「デイリー・メール」は、厨房メイド/料理人助手デイジー役を演じたソフィー・マックシェラの、「私たち、すごい悪臭がするのよ。衣装を洗わないから」「脇の下に妙なパッドが縫い付けられていて、それは外して洗えるのだけど」という暴露話を紹介している。

 また、男性が首につけているカラーズ(つけ襟)は非常につけ心地が悪いことを、グランサム伯爵役のヒュー・ボネヴィルは、番組ガイドブック『The Chronicles of Down Abbey: A New Era』の中で語っている。しかし利点もあるそうで、「つけていると、態度や振る舞いがそれらしくなる。また、正しい姿勢で立つことができる」と説明したという。

「Netflix(ネットフリックス)おすすめオリジナル映画」2019年の最高視聴作品TOP10ランキング! SFホラー『バード・ボックス』ほか

 2007年にストリーミングサービスを開始したNetflix(ネットフリックス)。12年からは、巨額を投じてハリウッド映画顔負けのハイクオリティーなオリジナル映画・ドラマを製作し、加入者数を劇的に増やしてきた。

 オリジナル映画は高く評価されるようになり、カンヌ国際映画祭など名誉ある映画祭に出品。アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞にノミネート・受賞するようにもなった。巨匠スティーブン・スピルバーグは「ストリーミング作品と劇場公開作品は分けるべきだ」と激怒しているが、ネット上では「良作は評価すべき」「受賞作品は劇場公開作より多くみられているのでは?」などといった意見が多数見受けられる。

 19年、Netflix(ネットフリックス)はストリーミングサービス開始後初となる「1年間で最も視聴されたオリジナル映画とドラマ」(18年10月~19年9月)のランキングを発表し、視聴者数も公開した。オリジナル映画は、作品の70%以上を視聴したらカウントするというフェアな加算法で、それでもすさまじい数字をたたき出している。今回はそんな「19年最も見られたNetflix(ネットフリックス)オリジナル映画」トップ10をご紹介しよう。

『FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー』(2000万回)|Netflix(ネットフリックス)オリジナル映画10位 

 若き起業家として持ち上げられていたビリー・マクファーランドが、2017年にオシャレな島を貸し切って開催した音楽フェス「ファイア・フェスティバル」。これがなぜ未曾有の惨事に終わったのかを、関係者や被害者へのインタビューをもとに制作されたドキュメンタリー番組。ビリーの病的なまでの詐欺師気質、詐欺の手口、どちらかというと信頼できないようなビリーの人間性が見て取れるのに、なぜ投資家たちが彼に騙されたのかを紹介しており、興味深い作品となっている。

 運営に加わっていた有名ラッパーで俳優のジャ・ルール、人気モデルのケンダル・ジェンナー、ベラ・ハディドやヘイリー・ボールドウィンら多数のフォロワーを持つインフルエンサーたちがインスタグラムで配信した写真や動画を見て、高額なチケットや飛行機、宿泊費用を支払った若者がとても多かった。そのため、ミレニアル世代を蝕む「FOMO(SNSを常にチェックしていないと取り残されてしまうという不安症)」を巧みに利用したとも話題に。作品では、若者がいともたやすくSNSに踊らされ、なぜ簡単に詐欺にひっかかるのか、その危険性も伝えている。

 このフェスをめぐりビリーとジャに1億ドルを求める集団訴訟など、多数の訴訟が起こされた。主犯であるビリーは罪を認め、2018年3月に有罪確定。6年の禁固刑に処され、現在連邦刑務所で服役中である。

 あまりの悲惨な結末にあ然としてしまう作品だが、良いこともあった。この作品のインタビューに応じ、「フェス会場やテントの設置の仕事をしていた地元民やフェス参加者たちに食事提供をしていたものの、一円も支払ってもらえなかった」と涙していた地元レストランのオーナーを助けるオンライン募金サイトが設けられたのだ。たちまち目標額を超える募金が集まり、Netflix(ネットフリックス)も公式インウスタグラムのアカウントで視聴者たちに感謝の意を述べている。

 イギリスの人気小説家ウィリアム・サトクリフの『Whatever Makes You Happy』が原作で、演技派女優としで名高いパトリシア・アークエット、フェリシティ・ハフマン、アンジェラ・バセットが主演するハートフルコメディ。

 大都会ニューヨークで自立した生活を送っている“たのもしい”息子たちが、母の日なのに「おめでとう」の電話も、花束も贈ってくれない。怒ったママ友3人組は、息子たちに突撃をかけようと決意。意気揚々とマンハッタンに繰り出す。息子たちは、突然現れた母親にあ然。恋人チェックをされたり、口うるさくガーガー言われたりして、それぞれ親子ゲンカが勃発。子どもたちが幼いころからの付き合いでもあるママ友同士でもケンカが始まってしまう。

 パトリシア、フェリシティ、アンジェラが演じる「めんどくさい」母親役は、とてもリアル。しかしこの作品は、驚くほど低評価されている。というのも19年、フェリシティが実生活で娘たちを名門大学に入学させるため、多額の賄賂を支払ったことが判明。有罪判決を受け、刑務所に入ったという大スキャンダルがあったからだ。この事件の影響を受け、配信開始日も4月から8月末へと延期。「そんな女が演じる母親なんて見たくない」と低評価を受けるはめとなった。

『いつかはマイ・ベイビー』(3200万回)|Netflix(ネットフリックス)オリジナル映画8位 

 下ネタ満載なスタンドアップ・コメディアンヌとして人気沸騰中のアリ・ウォンと、数多くのドラマ/映画に出演し、現在『フアン家のアメリカ開拓記』に主演しているランドール・パークが繰り広げる、爆笑ラブコメディ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校出身のアリとランドールは長年の知り合いであり、息の合った演技を見せてくれる。

 子どもの頃、隣に暮らすマーカスの家で過ごす時間が多かった鍵っ子サシャ。彼女はマーカスに恋心を抱いていたが、彼との初体験が失敗に終わったことで気まずくなり、2人は疎遠に。15年後、サシャは人気セレブシェフになり、電気工事士の家業を継ぎながら売れないバンドマンをしていたマーカスと再会。恋愛関係になりそうでならない、じれったい関係に陥ってしまう。

 サシャの恋人役としてキアヌ・リーブスが出演し、コミカルな演技を見せたことでも大きな話題となった。最後にマーカスが歌う「I Punched Keanu Reeves 」の内容も劇中シーンと関係あり、最後の最後まで爆笑できる作品となっている。「ロッテン・トマト」でも批評家支持率90%という高いスコアを獲得。観客支持率も82%で、アジア人が主人公というコメディとしては記録的な大ヒット作となっている。

『密かな企み』(4000万回)|Netflix(ネットフリックス)オリジナル映画7位 

 米ディズニー・チャンネルの人気青春ドラマ『スイートライフ』シリーズにレギュラー出演したことで人気を博し、現在はマコーレ・カルキンとの熱愛で注目されているブレンダ・ソング主演のサスペンス映画。

 何者かに襲われ、逃げ出そうと道路に飛び出たところを車に跳ねられて大ケガを負ったジェニファー。手術を受け一命は取り止めたが、頭を強く打ったせいで、数年分の記憶を失っていた。ベッドのそばには献身的な夫がいるものの、彼のことも思い出せない。夫とともに家に帰るものの、彼の不可解な行動に戸惑うことになる。ジェニファーの事件を担当した初老の刑事は、長年の勘から夫が怪しいとにらむ。

 最初からどのような展開になのか明確にわかる物語だが、「夫」が想像以上に異常な性格であることから、ストーリーが進むにつれ背筋が寒くなってくる。約1時間半と長くないことから、手軽にみられる作品としてもオススメ。

 伝説の強盗犯ボニー&クライドを追う2人のテキサスレンジャーの奮闘を、実話に基づき忠実に描いたクライムサスペンス映画。レンジャーは、ケビン・コスナーとウッディ・ハレルソンの大御所俳優が演じる。

 舞台は1934年のテキサス。強盗や警官殺しを繰り返す悪名高き犯罪者カップル、ボニー&クライドの足取りを全く掴むことができず、ほとほと手を焼いていた警察。困り果てた彼らは、腕が良いと評判の2人の元テキサス・レンジャーに捜査を依頼する。

 テキサス・レンジャーとは、テキサス州独特の法執行官のこと。州公安局の捜査官として長年のキャリアを誇るエリートのみ就けるため、年齢層は比較的高い。警察官のような制服はなく、カウボーイハットにブーツ、ジャケットにジーンズという姿が多く、彼らを題材にしたドラマ、映画が数多く制作されている。今作は、大手映画批評サイト『ロッテン・トマト』でも観客支持率74%とまあまあのスコアを得ており、西部劇好きにオススメの作品でもある。

『トール・ガール』(4100万回)|Netflix(ネットフリックス)オリジナル映画5位 

 2000年代に映画化された『チャーリーズ・エンジェル』シリーズや、『ターミネーター4』(09)などを手がけた大物監督マックGの、ネットフリックス4作目となるオリジナル映画。軽快なティーン青春ラブコメディで、9月に公開されたばかりだが短期間で視聴回数を稼ぎ、5位にランクインした。

 物心ついた頃から長身で、16歳にして身長187cmのジョディ。長身をからかわれる度に傷ついてきた彼女に、幼なじみのジャックは好きだとアプローチを繰り返しているが、彼とは身長差がありすぎるため、「付き合ったらこれまで以上にからかわれる」と相手にせず。親友止まりの付き合いをしていた。うつうつとした日常を過ごしていたジョディだが、スウェーデンから長身なイケメン交換留学生がやってきたことにより、すべてがバラ色に変わる。彼となら身長も釣り合いがとれるとときめいたジョディだが、いじめっ子のキミーが彼と強引に付き合ってしまう。

 米大手メディアのレビューは「エンディングがイマイチ」と辛口評価が多いが、ティーン映画としてはきれいにまとまっており、ヒットした。普遍的なテーマゆえ、中年世代も十分に楽しめる作品となっている。

『パーフェクト・デート』(4800万回)|Netflix(ネットフリックス)オリジナル映画4位 

 スティーヴ・グルームの『The Stand-In』が原作で、今時のハイティーンの恋愛事情を描いたコメディ。アメリカの格差社会や、名門大学の不正入学といったダークな現状も取り入れられており、見応えのある作品に仕上がっている。

 生まれ育った田舎町を出て、名門イエール大学に進学し、輝かしい人生を歩みたいと切望するブルックス。さえない作家の父親は、金銭的にも楽な地元の大学に進学してくれと説得するが、ブルックは「絶対にイエールに行く」と頑なだ。そんなブルックに、金持ちの女の子を「紳士的にエスコートする」という報酬のよいバイトが舞い込む。難なくこなし楽勝だと感じた彼は、プロミラミングの天才である親友マーフに、「時間制で理想の彼氏を演じる」というアプリを作ってもらう。それが大ヒットし、金持ち女子のコネで念願のイエール大学学部長に面会できる機会も得て、舞い上がる。しかし調子に乗りすぎてしまい、大事な友人が離れていってしまう……。

 米ディズニー・チャンネルの人気青春ドラマ『オースティン&アリー』のアリー役でブレイクしたローラ・マラノと、同作シーズン3にダラス役で出演していたノア・センティネオが再共演するとあって若い層から大きな注目を集め、堂々の4位にランクイン。ちなみに、ノアは昨年もNetflixの『好きだった君へのラブレター』『シエラ・バージェスはルーザー』というオリジナル映画に出演しており、米誌「Vanity Fair」は、ノアのことを「Netflixのお気に入り若手俳優」と表現。今後もノア主演のコメディ映画を制作するだろうと注目されている。

 評論家から大絶賛された映画『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』(15)のJ・C・チャンダー監督と俳優オスカー・アイザックが、再びタッグを組んだハードボイルド映画。

 民間軍事に所属するポープは、ブラジル警察と共に麻薬王を追っていた。麻薬王が邸宅に多額の金を隠していることに気づき、米陸軍特殊部隊時代の仲間と共に強奪することを計画。金を奪い、麻薬王を殺害することにも成功するが、その後の逃亡で予想していなかった事態に次々と見舞われ、仲間うちの雰囲気がギスギスし始める。しかし、彼らの結束は固く、力を合わせ危険な状況をサバイブしていく。

 特殊部隊の元リーダー・レッドフライとしてベン・アフレックが主演。一度は降板したと伝えられていたベンの出演に、ファンは大喜びした。制作費は1億1,500万ドル(約120億円)。銀幕映画に劣らぬ高いクオリティの作品に仕上がったが、大手映画批評サイト「ロッテン・トマト」の批評家支持率は72%と手厳しかった。

 この作品があまり評価されなかったことを受け、Netflixは今後制作費を抑える方向に転換するようだと一部メディアが報じた。しかし、11月末に配信開始されたマーティン・スコセッシ監督の新作『アイリッシュマン』の制作費は、破格の1億5,900万ドル(約172億円)であることから、今後も可能性を感じた作品には莫大な制作費を投入するものと見られている。

『マーダー・ミステリー』(7300万回)|Netflix(ネットフリックス)オリジナル映画2位 

 50歳になった今も「アメリカン・スイートハート」として絶大な人気を誇る女優ジェニファー・アニストンと、国民的コメディアンとして名高いアダム・サンドラー主演のサスペンスコメディ。

 刑事昇格試験を落ち続けている冴えない中年警察官ニックと、彼にときめきをなくして久しい妻で美容師のオードリー。結婚15年目にして妻念願のヨーロッパ・ハネームーンに繰り出した2人は、ひょんなことから大富豪と知り合いになり、一族の超豪華パーティーに招かれることになる。パーティーでは不穏な空気が流れており、なんと遺産目当ての殺人事件が勃発。ニューヨークの刑事だと偽ったニックと、推理小説好きのオードリーは事件を解決しようと頭をフル回転。とんでもないハネムーン旅行となってしまう。

 超人気役者の2人が夫婦を演じるとあり、配信前から注目された本作は、開始から3日間で3,000万回以上が再生されネットフリックス最多記録と話題になった。映画評論家たちは「あまりにもドタバタしすぎ」と酷評したが、ファンはジェニファーとアダムが繰り広げるコミカルな演技に大喜び。視聴者数はぐんぐん伸び、7,000万回を軽く突破した。視聴者受けが抜群なことから、続編の話が進んでおり、再びジェニファーとアダムが主演するか注目されている。

『バード・ボックス』(8000万回)|Netflix(ネットフリックス)オリジナル映画1位 

 ジョシュ・マラーマンの同名小説が原作。脚本は、『メッセージ』(16)でアカデミー賞最優秀脚本賞にノミネートされたエリック・ハイセラーが執筆。14年に、“映画化されていないホラー系小説ランキング”「Blood List」で第1位を獲得しており、制作される前から注目されていた。

 主演は演技派女優サンドラ・ブロック。近未来に突如人類が正体不明の“それ”に襲われ、世界終焉・人類滅亡へと向かっていく。“それ”を見た者は目が黒く変化し、ほとんどの人が自殺してしまう。“それ”を見なければ無事でいられるのだが、“それ”を見ても自殺をせず悪魔へと豹変する人がおり、彼らが“それ”を見せようと襲いかかってくる。もともと精神的に余裕のない、男に捨てられた臨月妊婦だった主人公は、神経をすり減らしながら子どもたちを死なせないように育て、安全な楽園へ向かうため、子どもたちと共に目隠しして壮絶な逃避行に出る……。

 主人公は目隠しして生き延びたため、“それ”の姿を見ることはできない。しかし、“それ”がどんな姿をしているのかは、見た人々たちの表情やおぞましい音で表現されている。また、“それ”に魅了され、悪魔と化した人間の方が何倍も恐ろしい存在であることが描かれている。

 配信開始後1週間で4,500万人が視聴した本作は、その後もどんどんと視聴者数を増やし、メガヒットドラマシリーズとして有名な『ストレンジャー・シングス』の6,400万人を超える快挙となった。

【米エンタメ2019年総決算】2019年はボディポジティブで稼いだセレブ、来年は環境系ビジネスに注目!?【渡辺志保×辰巳JUNK対談(中)】

 第1回では、カニエ・ウェストやジャスティン・ビーバーの宗教への傾倒や、それを支えた米社会の素地、またお騒がせセレブから社会派へのソフトランディングを目指すキム・カーダシアンの動きを解説してもらった。第2回では、ビジネスマンとしてのセレブをテーマに対談してもらった。

【米エンタメ2019年総決算】カニエ「宗教に傾倒」、カーダシアン家「コントロール不能」、ビヨンセは「優等生すぎ」!?【渡辺志保×辰巳JUNK(上)】

――前回、リアーナがコスメブランド「FENTY BEAUTY BY RIHANNA」(以下、フェンティ)、ランジェリーブランド「SAVAGE X FENTY」(以下、サヴェージ)で成功したという話が出ましたけど、本業以外で稼ぐセレブの流れにはどういった背景があるのでしょうか?

渡辺志保さん(以下、渡辺) ビヨンセやジェニファー・ロペスもそうですけど、香水を出したり、コスメブランドとコラボしたりとか、ファッションビジネスに食い込むというのは昔からありますよね。リアーナがすごいのは、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)と組んで、基礎から自分のブランドを作ったこと。

辰巳JUNKさん(以下、辰巳) ソーシャルメディアが普及して広告費をかけなくてもいいし、実店舗がなくても通販で十分商売が成り立つんですよね。普通に広告を出すよりも、インスタグラムでポストしたほうがいい。でも香水の売り上げは下がっているんです。2000年代に「セレブがやるうざいことランキング」に絶対入っていたし。その理由が、信頼性というか、「あのセレブが感じられる」みたいものがないから。

渡辺 確かに。本人は関わってなくて、名前と写真だけ貸してる感じがね。

辰巳 アリアナ・グランデの香水の売り上げがいいのは、アリアナがちゃんと関わっているから。アリアナらしさが出ているし、ファンも好きそうなものに仕上がっている。今の時代、セレブの時間を借りて、それなりにディレクションしてもらわないと売れないらしいんです。レディー・ガガのコスメブランド「Haus Laboratories」はターゲティングがすごくはっきりしていて、主にクィア・カルチャーに近しい人たちの個性をパワフルに表現しますというような路線を打ち出している。その文化が好きな消費者に偏るかもしれないけど、セールス的には堅い。

渡辺 辰巳さんのおっしゃる通り、「なぜこれが売りたいか」という思想やバックグラウンドがはっきりしている商品に、より多くの人が共鳴する。それが購入に至るポイントだと思います。

辰巳 ボディポジティブや多様性をうたう下着というと、キム・カーダシアンの「SKIMS」のように淡い感じのデザインになりがちなんですが、リアーナの「サヴェージ」の場合はシンプルなものもあるし、リアーナっぽいエロいものもある。

渡辺 ムチとかSMプレイ用アイマスクとか、クロッチのところが輪っか状になっているパンツもあるんですよ。一方でシンプルなデザインの、いわゆるスポーツブラみたいなものもあるし、極端さがいいんですよね。やっぱりリアーナっぽい。

辰巳 リアーナっぽさもあるし、「サヴェージ」のコンセプトについては、「女性が一人ひとりのセクシーを感じてほしい」というようなことを言っていて。リアーナはビーフや男性関係を含めて好き勝手やってるイメージがついてるから、説得力もある。いわゆる「包括性」がブームになって久しいですけど、その中で過激でエロいのも選べるし、自分の好むセクシーさを楽しめるというコンセプト自体も新しいんじゃないかな。今までなかった包括的エンパワーメントですよね。

渡辺 「フェンティ」のほうも、アジア系を含む、いろんなモデルを使って。人種や肌の色に合わせてファンデーションを40色以上展開したけど、その後「メイベリン」などのコスメブランドも一気に色展開が増えたし、リアーナが作ったスタンダードの影響はすごく大きい。これまでのセレブ系のコスメは質にはあまりこだわらず、ただパッケージにセレブの名前が書いてあるだけという雰囲気が強かったように思うんですけど、リアーナの「フェンティ」や、あとカイリー・ジェンナーの「カイリー・コスメティクス」は、ものすごく質がいいと感じます。辰巳さんがおっしゃる通り、宣伝費をかけない分、商品にお金をかけられるのかもしれない。あとリアーナがすっぴんの状態から「フェンティ」の商品を使って10分でメイクするチュートリアル動画もYouTube上で2,600万回以上再生されていますし、“ソーシャルメディア越しの親近感”を、リアーナもカイリーもうまく使っているなと思いますね。

――カイリーも、あのリップキットで億万長者になりましたもんね。リアーナのコスメは売れてるんですか?

渡辺 売れてると思います。「フォーブス」誌によると、2018年には5億7,000万ドル(約620億円)ほどの売り上げ額だったとか。

辰巳 ちなみに、キム・カーダシアンもコスメを出していますが、そちらも好調で、妹のカイリーとはターゲットの年齢層が違うらしいですよ。だから食い合わないし、お互いコラボして宣伝できる。

渡辺 キムの「KKW BEAUTY」ではボディコンシーラーを多種類出し、対してカイリーはとにかくリップ押し。キムは乾癬(かんせん)で悩んでいて、撮影時にきれいに隠したいからという、自分の悩みから生まれた商品。そのボディコンシーラーを出したのとほぼ同時期に「SKIMS」を売り出したのは、単純に着飾るだけのコスメを売りたい、というわけではなく、さっき辰巳さんもおっしゃっていたように、もっと包括的な目線から自分のボディに自信を持たせたいという彼女のアティチュードの現れなのかなと思いました。

――今年は、テイラー・スウィフトが自曲の原盤権をめぐって、ジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデを手掛ける敏腕マネジャー、スクーター・ブラウン率いるレーベル側とのいざこざをSNSで暴露しました(※1)。アーティスト側が権利をどうコントロールするかというのも、今後音楽業界の構造を変えるような大きな変化だと思いますが。

辰巳 リル・ナズ・Xやリル・パンプらのように、レーベルとの契約前にもうサウンドクラウドとかで売れている人が出てきて、契約条件を交渉している人が多いらしいです。やっぱり人気のあるアーティストの権利は拡大傾向にあるのかな。

渡辺 そうですね、今後アーティストがいろんな権利を自分で所有して、ビジネスをどんどん切り拓いていく時代になるのは間違いないと思う。NLEチョッパという10代のラッパーがいるんですけど、彼も今年サウンドクラウドとかYouTubeで曲が大ヒットしたんです。メジャーからたくさんのオファーが来たんですが、何億ドルレベルの契約金を提示されても断って、エージェントを雇ってインディーズでやっていくと決断した。結局今はワーナーミュージックの傘下で自分のレーベルを作ったんですけど。

辰巳 すごい。何歳ですか?

渡辺 まだ17歳です。アメリカのヒップホップ界では、そういう動きも盛んなんです。メジャーレーベルと個人が直接契約を結ぶのではなく、自分が立ち上げたレーベルとサインをする。そのおかげで、原盤権や出版権の保有を可能にし、クリエイティブ・コントロールの主導権を握ることができる。これからは、あえてインディーでやるスタイルを貫くアーティストも増えていくだろうし、メジャー側はより柔軟な契約内容を提示できるようになってくんじゃないかな。

 最近だと、ストリーミング・サイトや他のデジタル販売サイトに自分の楽曲を登録する際に、手伝ってもらった人に対してギャラを支払う代わりに、自分で決めた売り上げのパーセンテージを自動的に分配してくれるシステムがあるんです。日本でも利用可能なものもあるんですが、煩雑な手続きとかもいらないし、面倒な送金作業もいらない。そうなるとレーベルに所属せずとも、DIYでいろんなことができちゃう。

――昔のように、シュグ・ナイトが契約をめぐって、アーティストを恫喝するといった事件はもう出てこないってことですね。

渡辺 そうですね。2017年に、レミー・マーという女性ラッパーが「ShETHER」というニッキー・ミナージュに向けたディス曲の中で「私はインディペンデント・ビッチだから、あんたと違って自分の曲の原盤を持ってるんだ」みたいな感じでディスったんですよ。「あんたの周りの男たちが、あんたの原盤権をコントロールして搾取してるんだよ」って。個人的にすごく面白いなと思って。今までは、メジャーに所属して莫大な広告費をかけてもらってアーティストとしてのし上がっていく、というのが成功パターンだったんですけど。これからは自分で権利をハンドリングして、多角的にビジネスを広げていくのが主流になっていくんじゃないかなと思いますね。でもこれは、音楽がCDじゃなくて、ストリーミング時代になったからこその流れですし。テイラーも、そのあたりの事情に敏感になってるのではと思います。

辰巳 彼女はいまユニバーサル傘下のリパブリック・レコード所属で、すごく厚遇された契約らしいんですけど。それでもまだ目指す完全形ではないのかな。

渡辺 自分のところに戻ってくるパーセンテージが全然違うと思います。あと、自分で原盤権を持っているのではなく、かつての古巣であるユニバーサル傘下のビッグ・マシーン社がそれを保有している――ということで、自分の楽曲に対して行使できる権利が全く違うのではないかな。ここ数年でストリーミングが主流になっていて、アーティストの立ち位置も変わってきてるってところなので。これからどんどん契約の仕方や内容そのものもく変わっていくと思います。

――ここまで現在のセレブが関わっているビジネスの話でしたが、今後注目されるのはどのあたりでしょうか?

辰巳 環境系。グレタ・トゥーンベリさんの演説が話題になって、アメリカでも環境問題がまた盛り上がってます。笑ったら失礼なんですけど、エコとか、質素な生活とは真逆なキム・カーダシアンが、グレタさん親子と会食したいそうです。

渡辺 今年7月に6年ぶりぐらいにロサンゼルスに行ったんですけど、現地の意識の高さにびっくりしました。一部のスターバックスではすでにストローを提供してくれないと聞いていたんですが、実際にスタバでドリンクをオーダーしたら、ストローは付いていなかった。あと、ホテルの中でのバーでノンアルコールのドリンクを頼んだら、ストローが差さっていたんですよ。で、隣に座っていた女の子が「今どきストロー出してサービスしてくれるんだね」って。「最近言わないとストローくれないから」と言っていて、やっぱり日本とは全然意識の進み具合が違うんだなと、ハッとさせられました。

辰巳 ということは、ビジネスチャンスも多分にあるでしょうね。ペットボトルを使わずにオシャレな水筒を持つとかね。あと、ビジネス目的ではないかもしれませんが、ジェイデン・スミスの「JUST WATER」とか。

渡辺 あのオシャレな天然水ですね。私の知り合いも「もう水はこれしか飲まない」とか言ってました。その写真をインスタにあげていて、意識高いなと。

――普通の水と何が違うんですか?

渡辺 環境配慮型の容器で、100%地球に還元できるそうです。私がLAで泊まったホテルでも、フリードリンクとして部屋に置いてあるのは、紙パックに入っている水でした。

――今後は環境問題に意識を持っていけるセレブのほうが、ビジネスを拡大できそうですね。

辰巳 キムあたりが、ちゃっかり環境にいいなんちゃらを出して、もうけるんじゃないかな。たとえば、エコな化粧品とか。

渡辺 十分あり得る話ですし、実際にキムの姉コートニーは、そっちの方向に傾いていますよね。彼女はグルテンフリーの生活をここ何年も続けていて、自身のウェブサイト「Poosh」には、小麦粉を使わないマフィンやブラウニーの作り方などの情報が多く載っています。彼女自身、子どものためにオーガニック・フードの成分を調べるようになったら、オーガニック認定されているものでも全然オーガニックじゃないものもあると気づいて、ワシントンDCまで行って会議に出席するといった動きを活発にしてるんですよ。「Poosh」では、グルテンフリーのほかにもエコとか育児情報をたくさん発信していて、彼女は新しい方向で新しいファンベースを作ろうとしているのかなと思います。だから、そうしたエコ系のビジネスを始める可能性はすごく高いと思います。

(第3回に続く)

※1 テイラーが2018年まで所属していたレコード会社「ビッグ・マシーン・レーベル・グループ」をスクーターが買収したことにより、同社が保有していたテイラーの楽曲の原盤権がスクーターの手に渡った。テイラーは、もともと因縁ある相手に自らも獲得のために動いていた原盤権が移ったことに衝撃を受け、SNSで洗いざらい暴露した

『ゲーム・オブ・スローンズ』新たな前日譚の制作決定! ナオミ・ワッツ版は放送なく制作中止

 5月19日、全米が大騒ぎする中で完結した、超人気ファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』(以下、『GOT』)最終話の視聴者数は、放送局である米ケーブル局「HBO」史上最高の1,930万人を記録。世界173カ国で同時放送/配信されたこのファイナルシーズンは、毎エピソードごとに世界中で10億人以上が視聴したと推測されている。

 ドラマが終了してから半年以上たつが、同作のキャストたちは今も国内外のトーク番組やテレビ/雑誌のインタビューに引っ張りだこ。行く先々でまるでヒーローのようにあがめられ、大歓迎されている。10月25日に放送された英人気トーク番組『The Graham Norton Show』に出演したジェイソン・モモア(カール・ドロゴ役)とエミリア・クラーク(デナーリス・ターガリエン役)が、同じくゲストとして出演した人気歌手のカミラ・カベロから、「大ファンなんです!」「1カ月で全8シーズンをイッキ見したほど! こんなミーハーになったのは生れて初めて」と告白されていたが、同作は多くのセレブをとりこにしており、その影響でドラマのファンは今なお増え続けている。

 このようにまだまだ余韻が続いている『GOT』には、以前からスピンオフ制作の話が出ていた。2017年5月には原作者ジョージ・R・R・マーティンが、「続編ではなく前日譚。『GOT』のキャラクターは登場しないけれど、世界観を継承した作品にしようと考えている」「5本制作する方向に進んでいる」と発言。

 『GOT』が完結した翌6月には、“継承作品”1本目となる『Bloodmoon』の撮影を北アイルランドで開始。女優ナオミ・ワッツ主演で、『GOT』より5,000年前の世界を舞台に、ウェスタロスの秘密の歴史やホワイト・ウォーカーの起源、スターク家の伝説などが描かれる、ファンにとってはたまらない内容の作品で、2020年後半には放送されるようだと各メディアがこぞって報じた。

 しかし、ここにきて『Bloodmoon』は放送されないことが決定。29日に米業界紙「Hollywood Reporter」が、パイロット版に満足できなかったHBO局が制作中止を命じ、キャストたちもその連絡を受けたと報じたのだ。この報道について、エミリアは米情報番組『エンターテインメント・トゥナイト』のインタビューで、「ドラマ制作は本当に難しいのよね」「でも、いつかまた蘇る可能性があるかもしれない。今回ボツになってしまったのは、HBOが思い描いていたような完璧なものにはならないと判断されたからだと思うし」という見解を示した。

 HBOは“継承作品”の放送にかなり慎重になっているようだが、無理もない。実は『GOT』のファイナルシーズンのストーリー展開や終わり方に不満を抱いているファンが多く、ネット上で「シリーズを通して築かれたキャラクターの設定や成長を無視した」「心を奪われる素晴らしい作品だったのに、ファイナルシーズンのせいで駄作に終わってしまった」といった不満が噴出しているからだ。オンライン署名サイト「Change.org」で、“シーズン8をリメイクしてほしい! 脚本家を変えて!”という嘆願書に170万人以上が署名する事態にまで発展していることもあり、“継承作品”1本目にはファンからの注目がいや応なく集まっているからだ。

 そんなHBOだが、29日夜に「『GOT』より300年前の世界を舞台に、ターガリエン家のルーツを描いた全10話で構成される前日譚『House of the Dragon』シリーズの制作開始を決定した」と発表。ドラマ『COLONY/コロニー』(16~18)を手がけた脚本家のライアン・J・コンダルと、『GOT』で評判のよかったエピソードを監督したミゲル・サポチニクがタッグを組み、製作総指揮には原作者のジョージや『GOT』のメインシリーズを手掛けたヴィンス・ジェラルディスが参加することも明かされた。

 ライアンには相当なプレッシャーがかかるものと思われるが、ネット上では「『ゲーム・オブ・スローンズ』ファイナルシーズンの脚本家、D・B・ワイスとデイヴィッド・ベニオフでなければ大丈夫」といった意見が上がっている。なお『GOT』のラスト2話が「特にクソ」と大バッシングされたワイスとデイヴィッドの2人は、抜てきされていた『スター・ウォーズ』新3部作の脚本を降板。ドラマがあまりにも不評だったからだとささやかれている。

 手厳しいファンの多い『GOT』だが、それだけ作品が愛されているということだろう。『House of the Dragon』の放送開始時期やキャスティングはまだ明かされていないが、早くもファンは熱い期待を寄せている。

『ゲーム・オブ・スローンズ』新たな前日譚の制作決定! ナオミ・ワッツ版は放送なく制作中止

 5月19日、全米が大騒ぎする中で完結した、超人気ファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』(以下、『GOT』)最終話の視聴者数は、放送局である米ケーブル局「HBO」史上最高の1,930万人を記録。世界173カ国で同時放送/配信されたこのファイナルシーズンは、毎エピソードごとに世界中で10億人以上が視聴したと推測されている。

 ドラマが終了してから半年以上たつが、同作のキャストたちは今も国内外のトーク番組やテレビ/雑誌のインタビューに引っ張りだこ。行く先々でまるでヒーローのようにあがめられ、大歓迎されている。10月25日に放送された英人気トーク番組『The Graham Norton Show』に出演したジェイソン・モモア(カール・ドロゴ役)とエミリア・クラーク(デナーリス・ターガリエン役)が、同じくゲストとして出演した人気歌手のカミラ・カベロから、「大ファンなんです!」「1カ月で全8シーズンをイッキ見したほど! こんなミーハーになったのは生れて初めて」と告白されていたが、同作は多くのセレブをとりこにしており、その影響でドラマのファンは今なお増え続けている。

 このようにまだまだ余韻が続いている『GOT』には、以前からスピンオフ制作の話が出ていた。2017年5月には原作者ジョージ・R・R・マーティンが、「続編ではなく前日譚。『GOT』のキャラクターは登場しないけれど、世界観を継承した作品にしようと考えている」「5本制作する方向に進んでいる」と発言。

 『GOT』が完結した翌6月には、“継承作品”1本目となる『Bloodmoon』の撮影を北アイルランドで開始。女優ナオミ・ワッツ主演で、『GOT』より5,000年前の世界を舞台に、ウェスタロスの秘密の歴史やホワイト・ウォーカーの起源、スターク家の伝説などが描かれる、ファンにとってはたまらない内容の作品で、2020年後半には放送されるようだと各メディアがこぞって報じた。

 しかし、ここにきて『Bloodmoon』は放送されないことが決定。29日に米業界紙「Hollywood Reporter」が、パイロット版に満足できなかったHBO局が制作中止を命じ、キャストたちもその連絡を受けたと報じたのだ。この報道について、エミリアは米情報番組『エンターテインメント・トゥナイト』のインタビューで、「ドラマ制作は本当に難しいのよね」「でも、いつかまた蘇る可能性があるかもしれない。今回ボツになってしまったのは、HBOが思い描いていたような完璧なものにはならないと判断されたからだと思うし」という見解を示した。

 HBOは“継承作品”の放送にかなり慎重になっているようだが、無理もない。実は『GOT』のファイナルシーズンのストーリー展開や終わり方に不満を抱いているファンが多く、ネット上で「シリーズを通して築かれたキャラクターの設定や成長を無視した」「心を奪われる素晴らしい作品だったのに、ファイナルシーズンのせいで駄作に終わってしまった」といった不満が噴出しているからだ。オンライン署名サイト「Change.org」で、“シーズン8をリメイクしてほしい! 脚本家を変えて!”という嘆願書に170万人以上が署名する事態にまで発展していることもあり、“継承作品”1本目にはファンからの注目がいや応なく集まっているからだ。

 そんなHBOだが、29日夜に「『GOT』より300年前の世界を舞台に、ターガリエン家のルーツを描いた全10話で構成される前日譚『House of the Dragon』シリーズの制作開始を決定した」と発表。ドラマ『COLONY/コロニー』(16~18)を手がけた脚本家のライアン・J・コンダルと、『GOT』で評判のよかったエピソードを監督したミゲル・サポチニクがタッグを組み、製作総指揮には原作者のジョージや『GOT』のメインシリーズを手掛けたヴィンス・ジェラルディスが参加することも明かされた。

 ライアンには相当なプレッシャーがかかるものと思われるが、ネット上では「『ゲーム・オブ・スローンズ』ファイナルシーズンの脚本家、D・B・ワイスとデイヴィッド・ベニオフでなければ大丈夫」といった意見が上がっている。なお『GOT』のラスト2話が「特にクソ」と大バッシングされたワイスとデイヴィッドの2人は、抜てきされていた『スター・ウォーズ』新3部作の脚本を降板。ドラマがあまりにも不評だったからだとささやかれている。

 手厳しいファンの多い『GOT』だが、それだけ作品が愛されているということだろう。『House of the Dragon』の放送開始時期やキャスティングはまだ明かされていないが、早くもファンは熱い期待を寄せている。

海外ドラマ『ハンドメイズ・テイル』7つのトリビア――「原作ではモイラは白人で、エミリーは名無し」「ジェーンの部屋に隠された意味」

 ストリーミングサービスのオリジナルドラマとして初めて、エミー賞ドラマ部門最優秀作品賞を獲得した『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』(以下、『ハンドメイズ・テイル』)。マーガレット・アトウッドが描いたディストピア小説『侍女の物語』をドラマ化した超話題作である。

 舞台は、キリスト教原理主義の教えを都合よく解釈する過激派たちが「ギレアド共和国」として支配する、近未来のアメリカ。ギレアドは、逆らう者を有無を言わさず死刑にして遺体をさらしたり、体の一部を切り落としたりと、恐怖政治を行っている。女性からは就業の権利や財産をはく奪し、文字を読むことさえ禁じる。環境汚染のため不妊率が上がったことから、不倫や堕胎など「罪」を犯した女性の中から生殖能力のある者を拉致し、精神的・肉体的苦痛を与えて洗脳し、「産む道具=侍女」に仕立て上げる。彼女たちは、子どものいない「司令官」と呼ばれるギレアドの高級官僚の家に留め置かれ、「聖なる儀式」という名のもと強姦される。物語は、生き別れた娘を救い出すため、悲惨な状況の中でも奮闘する侍女、主人公ジューン(エリザベス・モス)の姿を描いている。

 日本では9月13日から、最新のシーズン3をHuluで配信中。これまで以上にスリリングで、予想もつかない緊迫した展開の連続となっている。今回はそんな『ハンドメイズ・テイル』の知られざるトリビアを紹介したい。

1)原作者がカメオ出演している

 アメコミ原作者のスタン・リーが、マーベル・コミックス原作映画のほとんどにカメオ出演したように、原作者が作品に出演するケースがまれにある。『ハンドメイズ・テイル』でも、ドラマ原作者のマーガレットが、記念すべきシーズン1第1話にチラッと登場している。

 彼女が演じたのは、「生殖能力のある女性たちを集めて洗脳し、絶対服従する侍女に育てるレッドセンター(訓練センター)」に複数いる“おば”の1人。“おば”とは反抗的な態度をとる侍女候補たちを、暴力を使って洗脳していく女たちの通称だ。

 レッドセンターでは、10代の頃にギャングにレイプされた侍女候補を取り囲み、全員で彼女を指して「おまえの責任、おまえの責任」と非難する。この儀式に戸惑う主人公ジューンの頭を思いっきり叩いたおばこそ、マーガレットだった。ほんのわずかしか映っていないものの、視聴者に恐怖心を植え付けるシーンに仕上がっていた。

 彼女はのちに「登場したのは一瞬だけど、撮影は壮絶を極めた」と回想。「気温が32℃もある中で、ビクトリア朝のウールでできたドレスを着せられて。撮影が行われたのは夜10時で、窓の外から巨大なスポットライトを当てられたの。まるで加熱調理されてる気分だったわ」と語るなど、役者の苦労を味わうこととなったようだ。

 『ハンドメイズ・テイル』の舞台は主に、ギレアドにより統一されたアメリカのマサチューセッツ州ボストンだが、実際の撮影はカナダで行われている。ギレアドの主要施設のほとんどはトロントで撮影。レッドセンターは聖エイダン教会、司令官たちが娼婦と遊ぶセックスクラブ「イゼベル」は、フェアモント・ロイヤル・ヨーク・ホテルで撮影されている。

 ジューンが侍女として派遣されたウォーターフォード夫妻の自宅は、カナダ・オンタリオ州ハミルトンの「ザ・グランド・デュランド」と呼ばれる邸宅。同州ケンブリッジでは、見せしめのために吊るされた死刑囚や遺体の血のあとを侍女たちが掃除するシーンを撮影した。

 また、反逆者が劣悪な環境で強制労働させられる「コロニー」は、同州中南部にあるアックスブリッジで撮影されている。

3)主人公の親友モイラは、原作では白人

 ドラマでは、白人、黒人、ラテン系、アジア系などさまざまな人種の女性たちが、侍女、司令官の妻、マーサと呼ばれる家政婦たちを演じている。しかし、原作では「ギレアドは厳格な人種差別体制(白人至上主義)を敷き、有色人種は全員アメリカ中西部に追いやられる」という設定のため、主要登場人物は全員が白人。ジューンの親友である黒人女性モイラも、原作では白人なのだ。

 番組の製作総指揮者ブルース・ミラーは、米エンタメサイト「TVLine」のインタビューで、「(小説の中で)“有色人種は全員、別の地に追いやりました”と文字にすることはたやすい。しかし、テレビドラマの映像として“見せる”ことは、かなり難しい」「人種差別をテーマとしたドラマであっても、“人種差別的なドラマ”という印象を与えてしまう」とし、本当に伝えたいテーマが視聴者に届かなくなると懸念して変更したそう。

 これについては、原作者マーガレットと白熱した議論を繰り広げたが、最終的に彼女はブルースの意見を受け入れてくれたとのこと。実は原作は、一部の読者から「白人女性だけの闘争に焦点を当てる、“ホワイトフェミニストたちのディストピア”」と非難されていた。ブルースは米誌「Vanity Fair」で、この設定変更について多くのファンから「素晴らしいアイデア」と喜ばれたことを告白。一方で、正確さを求めるファンからは批判も受けたことも認めた。

 常に真っ赤なドレスを着用している侍女たち。これは、生殖能力、生命に不可欠な血液の色をイメージしたもの。衣装デザイナーのナタリー・ブロフマンは、米誌「InStyle」に「情熱、力、勇気を意味する色」と説明している。一方で、不審な行動や逃亡などした際に、すぐに見つけられるように目立つ色、という意味もあるのだとか。また、侍女は外出時に濃赤のクロークを着て、白の帽子をかぶることが義務付けられている。白は純粋と純白の象徴だが、彼女たちの顔を隠す「真っ白なお面」の意味もある。

 司令官の妻たちはピーコックブルーのドレスを着用しているが、これは聖母マリアが身にまとっているガウンの色をイメージしたもの。ほかに「従属」という意味が込められている。彼女たちは、男尊女卑のギレアドにおいては、侍女やマーサとさほど変わらぬ低い地位にいる。この色は、そんな彼女たちの不幸、悲しみ、落ち込みを表す色でもある。

 年齢が高めのマーサたちが着用するマットグリーンは、自然、成長、健康、治癒などを象徴する色。彼女たちは家事だけでなく、子育てや、家の者が病気になれば看病をする役割を担うため、この色になったと思われる。

 なお、リディアおばなど、ギレアドに貢献するおばたちが着用している茶色の衣服は、第一次世界大戦時の米陸軍の軍服をイメージしたもの。権力を意味する色でもある。

5)エミリーが同性愛者という設定はドラマ版のみ

 物語の主要キャラクターである、侍女のエミリー。原作では、侍女名である「オブグレン」としか表現されず、本名やバックグラウンド、どのようにしてメーデー(ギレアド抵抗勢力)に加わったかなどは一切明かされていない。しかし、ドラマ版では「詳しく書かなければならないキャラクター」だと判断され、原作にはない次のような設定を作った。

 ギレアドは同性愛を「重罪」とし、同性愛者たちを次々と処刑していったが、エミリーは生殖能力があったため、侍女として生かされた。そして、派遣された家のマーサと恋仲になり、彼女を通して、隣国カナダに亡命するための活動をするメーデーとつながりを持った。しかし、マーサとの関係が明るみとなり、生殖能力のないマーサはあっさりと絞首刑に。エミリーは「罰」として女性器切除(女性割礼)手術を施され、性行為による快楽を、二度と感じられなくされてしまった。

 同性愛者とすることで、エミリーのギレアドに対する強い憎しみの要因が明確になった。それだけでなく、ギレアドがいかに非人道的な政府であるかを際立たせる効果も得られたと、新たな設定は概ね評価されている。

 名前を奪われ、ギレアドの司令官の所有物としての「オブ〇〇(司令官の名前)」という名で呼ばれる侍女たち。主人公のジューンも、シーズン1と2ではオブフレッド、シーズン3からはオブジョセフと呼ばれる。侍女、マーサたちは互いを見張り、不穏な動きをしたら密告するように命じられている。しかし、同じ「被害者」である彼女たちは次第に互いを信頼するようになり、自分の本名を明かし、名前で呼び合うようになる。ジューンは、司令官のフレッドや、彼の妻セリーナからも本名で呼ばれるようになる。しかし、ジューンが名前で呼ばれるのはドラマだけ。原作で、本名は最後まで明かされていなかった。

 とはいえ、原作ファンの間では「主人公の名前はジューン」という説が有力だった。小説の前半、レッドセンターで侍女候補たちが互いに本名を打ち明けるくだりがあり、「アルマ、ジェニン、ドロラス、モイラ、ジューン」という名前が登場。ジューン以外の名前は、後にキャラクターの名前として物語で使われた。主人公の一人称で語られる小説において、ジューンだけ使われなかったのは、主人公こそがジューンだからだとファンは推測していたのだ。

 ちなみに1990年に公開された映画版では、主人公の名前はケイト。原作ファンたちは「ドラマではジューンの名が採用された!」と喜んでいる。

7)小道具にも意味がある

 シーズン1~2で、ジューンが侍女を務めたウォーターフォード家。壁に飾られている絵画は、値打ちがあるものに見える。番組美術監督のジュリー・バーグホフは、「フレッドとセリーナが、(クーデター後に)ボストン美術館に行き、好きな絵を盗んできて飾ったという設定にした。自然が好きなセリーナは、きっとモネの絵画を選ぶだろうと思い、モネ風の絵を用意した」と明かしている。

 また、「通常、あまり天井には気を配らないのだけど、ドラマではジューンが天井を見上げるシーンがある。司令官の書斎の天井は、ルネサンス建築の天井を参考にし、中央にアメリカの地図があるデザインにした。地図を、フレッドがダーツ盤に見立てて使うことを想像しながら」とも告白。そのフレッドの書斎には、ギレアドで禁じられている「本、芸術品、セクシュアルな芸術品、アルコール」があるが、最新テクノロジーはない。司令官たちは、その特権により禁じられている物を所有できるが、環境汚染につながるテクノロジーだけは頑なに拒んでいることを、これらの小道具でも表現している。

 一方、ジューンに与えられた部屋については、「必要最低限のものしかないが、わざと机を置いた。これはかつて編集者だったジューンに、“ギレアドでは、もう二度と物を書くことが許されないんだ”と、人生の喪失を感じさせるために置いた。鏡の跡もわざと残した。“もう、おしゃれをすることは許されないんだ”と思わせるために」と説明。ジューン役のエリザベスも、「部屋には鍵がないの。自傷できるようなものも何ひとつない」ことに気づき、演技するにあたり役立ったと明かしている。

 最高のスタッフを誇る番組美術チームだが、最も制作に苦労したのは、スーパーの小道具だったそう。ギレアドでは女性が文字を読むことが禁じられているため、商品に貼るラベルにかなりの時間を費やしたそうだ。最終的に、ラベルには内容物の写真や絵だけでなく、絵文字表記も添えることにした。スーパーのシーンに違和感を覚えるのは、値段や商品名がわかるような文字が排除されているからなのだ。

海外ドラマ『ハンドメイズ・テイル』7つのトリビア――「原作ではモイラは白人で、エミリーは名無し」「ジェーンの部屋に隠された意味」

 ストリーミングサービスのオリジナルドラマとして初めて、エミー賞ドラマ部門最優秀作品賞を獲得した『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』(以下、『ハンドメイズ・テイル』)。マーガレット・アトウッドが描いたディストピア小説『侍女の物語』をドラマ化した超話題作である。

 舞台は、キリスト教原理主義の教えを都合よく解釈する過激派たちが「ギレアド共和国」として支配する、近未来のアメリカ。ギレアドは、逆らう者を有無を言わさず死刑にして遺体をさらしたり、体の一部を切り落としたりと、恐怖政治を行っている。女性からは就業の権利や財産をはく奪し、文字を読むことさえ禁じる。環境汚染のため不妊率が上がったことから、不倫や堕胎など「罪」を犯した女性の中から生殖能力のある者を拉致し、精神的・肉体的苦痛を与えて洗脳し、「産む道具=侍女」に仕立て上げる。彼女たちは、子どものいない「司令官」と呼ばれるギレアドの高級官僚の家に留め置かれ、「聖なる儀式」という名のもと強姦される。物語は、生き別れた娘を救い出すため、悲惨な状況の中でも奮闘する侍女、主人公ジューン(エリザベス・モス)の姿を描いている。

 日本では9月13日から、最新のシーズン3をHuluで配信中。これまで以上にスリリングで、予想もつかない緊迫した展開の連続となっている。今回はそんな『ハンドメイズ・テイル』の知られざるトリビアを紹介したい。

1)原作者がカメオ出演している

 アメコミ原作者のスタン・リーが、マーベル・コミックス原作映画のほとんどにカメオ出演したように、原作者が作品に出演するケースがまれにある。『ハンドメイズ・テイル』でも、ドラマ原作者のマーガレットが、記念すべきシーズン1第1話にチラッと登場している。

 彼女が演じたのは、「生殖能力のある女性たちを集めて洗脳し、絶対服従する侍女に育てるレッドセンター(訓練センター)」に複数いる“おば”の1人。“おば”とは反抗的な態度をとる侍女候補たちを、暴力を使って洗脳していく女たちの通称だ。

 レッドセンターでは、10代の頃にギャングにレイプされた侍女候補を取り囲み、全員で彼女を指して「おまえの責任、おまえの責任」と非難する。この儀式に戸惑う主人公ジューンの頭を思いっきり叩いたおばこそ、マーガレットだった。ほんのわずかしか映っていないものの、視聴者に恐怖心を植え付けるシーンに仕上がっていた。

 彼女はのちに「登場したのは一瞬だけど、撮影は壮絶を極めた」と回想。「気温が32℃もある中で、ビクトリア朝のウールでできたドレスを着せられて。撮影が行われたのは夜10時で、窓の外から巨大なスポットライトを当てられたの。まるで加熱調理されてる気分だったわ」と語るなど、役者の苦労を味わうこととなったようだ。

 『ハンドメイズ・テイル』の舞台は主に、ギレアドにより統一されたアメリカのマサチューセッツ州ボストンだが、実際の撮影はカナダで行われている。ギレアドの主要施設のほとんどはトロントで撮影。レッドセンターは聖エイダン教会、司令官たちが娼婦と遊ぶセックスクラブ「イゼベル」は、フェアモント・ロイヤル・ヨーク・ホテルで撮影されている。

 ジューンが侍女として派遣されたウォーターフォード夫妻の自宅は、カナダ・オンタリオ州ハミルトンの「ザ・グランド・デュランド」と呼ばれる邸宅。同州ケンブリッジでは、見せしめのために吊るされた死刑囚や遺体の血のあとを侍女たちが掃除するシーンを撮影した。

 また、反逆者が劣悪な環境で強制労働させられる「コロニー」は、同州中南部にあるアックスブリッジで撮影されている。

3)主人公の親友モイラは、原作では白人

 ドラマでは、白人、黒人、ラテン系、アジア系などさまざまな人種の女性たちが、侍女、司令官の妻、マーサと呼ばれる家政婦たちを演じている。しかし、原作では「ギレアドは厳格な人種差別体制(白人至上主義)を敷き、有色人種は全員アメリカ中西部に追いやられる」という設定のため、主要登場人物は全員が白人。ジューンの親友である黒人女性モイラも、原作では白人なのだ。

 番組の製作総指揮者ブルース・ミラーは、米エンタメサイト「TVLine」のインタビューで、「(小説の中で)“有色人種は全員、別の地に追いやりました”と文字にすることはたやすい。しかし、テレビドラマの映像として“見せる”ことは、かなり難しい」「人種差別をテーマとしたドラマであっても、“人種差別的なドラマ”という印象を与えてしまう」とし、本当に伝えたいテーマが視聴者に届かなくなると懸念して変更したそう。

 これについては、原作者マーガレットと白熱した議論を繰り広げたが、最終的に彼女はブルースの意見を受け入れてくれたとのこと。実は原作は、一部の読者から「白人女性だけの闘争に焦点を当てる、“ホワイトフェミニストたちのディストピア”」と非難されていた。ブルースは米誌「Vanity Fair」で、この設定変更について多くのファンから「素晴らしいアイデア」と喜ばれたことを告白。一方で、正確さを求めるファンからは批判も受けたことも認めた。

 常に真っ赤なドレスを着用している侍女たち。これは、生殖能力、生命に不可欠な血液の色をイメージしたもの。衣装デザイナーのナタリー・ブロフマンは、米誌「InStyle」に「情熱、力、勇気を意味する色」と説明している。一方で、不審な行動や逃亡などした際に、すぐに見つけられるように目立つ色、という意味もあるのだとか。また、侍女は外出時に濃赤のクロークを着て、白の帽子をかぶることが義務付けられている。白は純粋と純白の象徴だが、彼女たちの顔を隠す「真っ白なお面」の意味もある。

 司令官の妻たちはピーコックブルーのドレスを着用しているが、これは聖母マリアが身にまとっているガウンの色をイメージしたもの。ほかに「従属」という意味が込められている。彼女たちは、男尊女卑のギレアドにおいては、侍女やマーサとさほど変わらぬ低い地位にいる。この色は、そんな彼女たちの不幸、悲しみ、落ち込みを表す色でもある。

 年齢が高めのマーサたちが着用するマットグリーンは、自然、成長、健康、治癒などを象徴する色。彼女たちは家事だけでなく、子育てや、家の者が病気になれば看病をする役割を担うため、この色になったと思われる。

 なお、リディアおばなど、ギレアドに貢献するおばたちが着用している茶色の衣服は、第一次世界大戦時の米陸軍の軍服をイメージしたもの。権力を意味する色でもある。

5)エミリーが同性愛者という設定はドラマ版のみ

 物語の主要キャラクターである、侍女のエミリー。原作では、侍女名である「オブグレン」としか表現されず、本名やバックグラウンド、どのようにしてメーデー(ギレアド抵抗勢力)に加わったかなどは一切明かされていない。しかし、ドラマ版では「詳しく書かなければならないキャラクター」だと判断され、原作にはない次のような設定を作った。

 ギレアドは同性愛を「重罪」とし、同性愛者たちを次々と処刑していったが、エミリーは生殖能力があったため、侍女として生かされた。そして、派遣された家のマーサと恋仲になり、彼女を通して、隣国カナダに亡命するための活動をするメーデーとつながりを持った。しかし、マーサとの関係が明るみとなり、生殖能力のないマーサはあっさりと絞首刑に。エミリーは「罰」として女性器切除(女性割礼)手術を施され、性行為による快楽を、二度と感じられなくされてしまった。

 同性愛者とすることで、エミリーのギレアドに対する強い憎しみの要因が明確になった。それだけでなく、ギレアドがいかに非人道的な政府であるかを際立たせる効果も得られたと、新たな設定は概ね評価されている。

 名前を奪われ、ギレアドの司令官の所有物としての「オブ〇〇(司令官の名前)」という名で呼ばれる侍女たち。主人公のジューンも、シーズン1と2ではオブフレッド、シーズン3からはオブジョセフと呼ばれる。侍女、マーサたちは互いを見張り、不穏な動きをしたら密告するように命じられている。しかし、同じ「被害者」である彼女たちは次第に互いを信頼するようになり、自分の本名を明かし、名前で呼び合うようになる。ジューンは、司令官のフレッドや、彼の妻セリーナからも本名で呼ばれるようになる。しかし、ジューンが名前で呼ばれるのはドラマだけ。原作で、本名は最後まで明かされていなかった。

 とはいえ、原作ファンの間では「主人公の名前はジューン」という説が有力だった。小説の前半、レッドセンターで侍女候補たちが互いに本名を打ち明けるくだりがあり、「アルマ、ジェニン、ドロラス、モイラ、ジューン」という名前が登場。ジューン以外の名前は、後にキャラクターの名前として物語で使われた。主人公の一人称で語られる小説において、ジューンだけ使われなかったのは、主人公こそがジューンだからだとファンは推測していたのだ。

 ちなみに1990年に公開された映画版では、主人公の名前はケイト。原作ファンたちは「ドラマではジューンの名が採用された!」と喜んでいる。

7)小道具にも意味がある

 シーズン1~2で、ジューンが侍女を務めたウォーターフォード家。壁に飾られている絵画は、値打ちがあるものに見える。番組美術監督のジュリー・バーグホフは、「フレッドとセリーナが、(クーデター後に)ボストン美術館に行き、好きな絵を盗んできて飾ったという設定にした。自然が好きなセリーナは、きっとモネの絵画を選ぶだろうと思い、モネ風の絵を用意した」と明かしている。

 また、「通常、あまり天井には気を配らないのだけど、ドラマではジューンが天井を見上げるシーンがある。司令官の書斎の天井は、ルネサンス建築の天井を参考にし、中央にアメリカの地図があるデザインにした。地図を、フレッドがダーツ盤に見立てて使うことを想像しながら」とも告白。そのフレッドの書斎には、ギレアドで禁じられている「本、芸術品、セクシュアルな芸術品、アルコール」があるが、最新テクノロジーはない。司令官たちは、その特権により禁じられている物を所有できるが、環境汚染につながるテクノロジーだけは頑なに拒んでいることを、これらの小道具でも表現している。

 一方、ジューンに与えられた部屋については、「必要最低限のものしかないが、わざと机を置いた。これはかつて編集者だったジューンに、“ギレアドでは、もう二度と物を書くことが許されないんだ”と、人生の喪失を感じさせるために置いた。鏡の跡もわざと残した。“もう、おしゃれをすることは許されないんだ”と思わせるために」と説明。ジューン役のエリザベスも、「部屋には鍵がないの。自傷できるようなものも何ひとつない」ことに気づき、演技するにあたり役立ったと明かしている。

 最高のスタッフを誇る番組美術チームだが、最も制作に苦労したのは、スーパーの小道具だったそう。ギレアドでは女性が文字を読むことが禁じられているため、商品に貼るラベルにかなりの時間を費やしたそうだ。最終的に、ラベルには内容物の写真や絵だけでなく、絵文字表記も添えることにした。スーパーのシーンに違和感を覚えるのは、値段や商品名がわかるような文字が排除されているからなのだ。

【2019年最新】海外ドラマおすすめ作品はコレ! 「超人気」から「マニアック」まで一挙紹介

――海外生活20年以上、見てきたドラマは数知れず。そんな本物の海外ドラマジャンキー・堀川樹里が、新旧さまざまな作品のディティールから文化論をひきずり出す!

『ウォーキング・デッド』人気の要因――吸血鬼ブームの反動?

 アメリカのB級ホラー映画界で不動の人気を誇るキャラクターといえば、ずばりゾンビである。視覚的に刺激的で、いつどこから襲われるか分からないというゾクゾクするスリル感。容赦なく無差別的に、そして黙々と人を襲うゾンビは、アメリカ人にとって恐怖のツボをピンポイントに突く存在なのである。

 そんなアメリカで大人気のゾンビだが、そのルーツはコンゴにあると言われている。コンゴで信仰されていた不思議な力を持つ神「ンザンビ」が、アメリカに連れてこられた奴隷たちの口伝えによりいつの間にかお化けという意味の「ゾンビ」に変わってしまったというのだ。初期のゾンビは魂のない体だけの奴隷のようなもので、1932年にゾンビが初登場した映画『ホワイト・ゾンビ』でも、機械のような奴隷マシーンとして描かれている。

 今日の、人間を襲い食べる恐ろしい存在として描かれたのは、1968年に公開されたジョージ・A・ロメロ監督の『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』。この作品では、白人ゾンビの大群が、黒人の主人公たちを襲う姿が描かれ、ゾンビが人肉を貪るというシーンは、当時世間に大きな衝撃を与えた。そして、同監督が次に手がけた『ゾンビ』では、「ゾンビは生きている者の新鮮な肉を食す」「倒すには頭部を破壊しなければならない」という、ゾンビ方程式なるものが作り出された。

『クリミナル・マインド』はなぜウケた?――犯罪者の心理をプロファイリング

 21世紀に入り、アメリカでは空前のクライム・サスペンス・ブームが起きている。視聴者のニーズに応えようと次々と犯罪捜査ドラマが制作され、その多くがヒットとなっている。アメリカ人が、ここまで犯罪ドラマを好む理由は、ずばりアメリカが犯罪大国であるからだろう。

 アメリカでは年間1,115万件の主要犯罪(放火を除く)が起こっているが、そのうち凶悪・暴力犯罪事件は138万件(外務省発表)。ちなみに日本の年間刑法犯認知総件数は182万件で、そのうち凶悪・暴力犯罪は約4万件(警察庁の警察白書)である。日本の人口はアメリカの半分以下であるが、それを考慮してもアメリカの犯罪が格段に多いことがよく分かる。

 このようにアメリカでの犯罪事件発生率はとても高いのだが、逆に犯罪検挙率はとても低い。殺人事件における検挙率はわずか60%程度(日本は98.2%)。多発する殺人事件に犯人検挙が追いつかないのだろう。300人以上を殺害したとされるヘンリー・リー・ルーカスや、33人の少年を強姦した後殺害した殺人ピエロことジョン・ゲイシーなど、日本では考えられないほど多くの犠牲者を出した後、やっと逮捕されるという連続殺人事件も多い。

『NCIS ネイビー犯罪捜査班』――アメリカで視聴率ナンバー1を獲得

 銃器の合法所持が認められているアメリカでは、殺人発生率が非常に高く、日本の5倍以上だとされている。合法所持が認められているからこそ、この程度で済んでいるのだという恐ろしい説もあり、強姦、児童性的虐待、強盗、ギャング抗争などを含むと、莫大な犯罪数になり、ゆえに犯罪大国だと言われるのである。

 一方で犯罪検挙率は低いものとなっており、殺人事件においては60%程度。犯人の手がかりが全くつかめなかったり、容疑者が特定できても逃亡され、迷宮入りし「コールドケース」となる事件も少なくない。

 殺人は34分毎、強姦は6分毎、傷害は34秒毎に発生しているアメリカ(在米日本大使館発表)。当然のように国民の犯罪に対する関心は高く、犯人逮捕のために協力を惜しまない。FBI重要指名手配犯らの逮捕につながる手がかりを、リアルな事件再現ドラマと写真を交えながら呼びかけるTV番組『AMERICA’S MOST WANTED』(1988年~)には、毎週多くの情報がネットや電話で寄せられ、実際に犯人逮捕に云るケースも多い。また、事件現場に急行する警察官と行動を共にし、犯人逮捕までの過程を撮影したまま放送している緊迫感溢れるドキュメンタリー番組『COPS』も安定した視聴率のもと、1989年から続くロングランとなっている。

『グレイズ・アナトミー』――じれったい王道ラブストーリーを描く

 1960年代に放送された『ベン・ケーシー』を筆頭に、『外科医ギャノン』『St.Elsewhere』『ER 緊急救命室』『シカゴホープ』など様々な医療ドラマが放送されてきたアメリカ。その中で2005年に放送開始された『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』は「常に患者目線」なドラマとして、視聴者から熱狂的な支持を得た。

 ドラマがヒットした背景には、「お金持ち以外は満足な治療が受けられない」というアメリカが抱える医療制度問題が色濃く影響している。

 アメリカでは医療保障においても個人主義であり、日本のように国民全員が加入できる公的医療保険制度はない。個人で、もしくは勤務先を通して民間医療保険に加入するか、または保険に入らず完全自己負担で医者にかかることになる。

『SHERLOCK シャーロック』――ハンパじゃないこだわりに迫る

 医師から作家に転向し、多くの名作を残したアーサー・コナン・ドイルの人気推理小説シリーズ『シャーロック・ホームズ』。鋭い観察眼と推理力を持つ顧問探偵シャーロック・ホームズの活躍を、友人で医師のジョン・H・ワトソンの目を通して描いた作品で、今なお世界中で愛され、読み継がれている。2012年にギネスから「映画やテレビドラマで最も多くの俳優に演じられた小説の登場人物」認定されたシャーロックだが、近年まで英テレビドラマ『シャーロック・ホームズの冒険』(1984~94)に主演したジェレミー・ブレットが、「挿絵のイメージそのもの」であることから、シャーロックのイメージに最も近いとされていた。

 08年、英「BBC」局が「ベネディクト・カンバーバッチ主演で、物語の舞台を現代に移してシャーロックを蘇らせる」とドラマ『SHERLOCK シャーロック』の制作を発表した時、「巻き毛で透き通った瞳のシャーロックか……」と戸惑う声が上がった。「辻馬車でなくタクシーで移動するシャーロックなんて、雰囲気が出ない」と落胆する人もいた。しかし、放送がスタートすると、大半の人が「シャーロックの性格と雰囲気を見事に体現している」とベネディクトを絶賛。舞台が現代のロンドンであることも、違和感なく受け入れられた。

『アルフ』――声優と地球に向けられた優しいまなざしが魅力

 「UFOにさらわれた!」「エイリアンに襲われた!」「政府は地球外生命に関する情報を握っている!」というB級ネタが大好きなアメリカ人。彼らの「奇抜な発想」や「豊かな想像力」はテレビ界にも生かされており、今からさかのぼること半世紀以上も前から宇宙やエイリアンを題材にしたドラマが制作されている。

 1959年に放送開始された『トワイライト・ゾーン』を皮切りに、1965年には「アメリカ政府の惑星殖民政策により宇宙へと飛び出した」家族のスペース・ファミリードラマ『宇宙家族ロビンソン』が、翌年には『宇宙大作戦スタートレック』がスタート。単なるSFファンタジードラマに留まらず、作品を通して当時アメリカが抱えていた差別問題や社会問題なども描き、人々の意識改革を促してきた。

 また、人間そっくりのエイリアンが「ひょんなことから」地球に住むようになる、というストーリーラインも人気で、1963年に放送開始された「地球に不時着した人間そっくりの火星人」が繰り広げるコメディ『My Favorite Martian』や、70年代後半に入ると、当時駆け出しの役者だったロビン・ウィリアムズ演じる「オーク星からやって来た人間そっくりの宇宙人」のコミカルな物語『Mark & Mindy』が登場。

『THIS IS US』――“ドラマ疲れ”のアメリカで愛される理由は……

 4月からNHKのBSプレミアムでシーズン2が放送される『THIS IS US 36歳、これから』。家族愛、人間のつながりがテーマの一見地味なファミリードラマだが、アメリカでは大ヒットしている。

 物語の主人公は、シーズン1で36歳の誕生日を迎える“三つ子”。ケヴィンとケイトは血のつながった兄妹、ランダルは捨て子でケヴィンとケイトが生まれた病院に保護されたのだが、三つ子の一人を死産で失い、悲しみに暮れるジャックとレベッカ夫婦に見いだされ、引き取られた。3人は男気のあるジャックと、家庭を平和にするための努力を惜しまないレベッカから、無償の愛を注がれ育つ。

 ドラマは、「3人が36歳になり、ミッドライフ・クライシス(中年の危機)に足を踏み入れた現在」と「36年前に3人がこの世に生を受け育った過去」、「3人が生まれる前の遠い昔」を何度も行き来しながら、家族、人生、幸せとは何なのかを視聴者に問いかけながら進んでいく。

 昨年2月に放送されたシーズン2第14話の視聴数は、昨年アメリカで放送されたドラマのエピソードの中で最多を記録。シビアな評価で知られるレビューサイト「Rotten Tomatoes」でも、シーズン1・2は91%、シーズン3は94%と、高く評価されている。なぜ『THIS IS US 36歳、これから』は、ここまで全米から愛されているのか? その魅力をひもといてみたい。

『ゲーム・オブ・スローンズ』――あの人気ミュージシャンも登場!

 5月に最終回を迎えた、人気ファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』。怒涛の展開を見せた最終話は賛否両論だったが、最終シーズンは1話約1,500万ドル(約16億2,000円)の制作費用をかけている作品だけに、見応えは十分。今なお余韻に浸り続けるファンは多い。

 超自然現象や魔法、巨大なドラゴンが登場する中世ヨーロッパのような暗黒の異世界を舞台に、7つの王国からなる統一王朝の支配者“鉄の玉座”をめぐってって死闘を繰り広げる諸名家の興亡を描いた同作。ジョージ・R・R・マーティン著の人気ファンタジー小説シリーズ『氷と炎の歌』が原作となっている。莫大な制作費を投入した迫力満点な映像のほか、グロテスクな暴力シーン/セックスシーンが多く、“大人が楽しめるファンタジードラマ”として世界的に大ヒットした。

 ヒットのもうひとつの要因は、登場人物たちのキャラクター。冷酷かつ残虐な王、小人症というハンディがあるものの頭脳明晰で情にも厚い男、壮絶な戦いの中で凛と強く生きていく女性たちなど、魅力たっぷりなキャラクターが登場し、「善人かと思ったけど、見方によっては悪者かもしれない」という展開も。

■堀川樹里(ほりかわ・じゅり)
6歳で『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』にハマった筋金入りの海外ドラマ・ジャンキー。現在、フリーランスライターとして海外ドラマを中心に海外エンターテイメントに関する記事を公式サイトや雑誌等で執筆、翻訳。海外在住歴20年以上、豪州→中東→東南アジア→米国→台湾を経て、現在は日本に帰国。数年後に来るだろう海外生活を前に、日本での生活を満喫中。