『大恋愛』アルツハイマー患者は、消費されて捨てられた……残酷な最終回に「後味悪すぎ」

 14日に放送されたドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)最終回の視聴率は13.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。過去最高です。おめでとうございます。

 さて、第1話から好意的なレビューをしてきたし、実際とっても面白い作品だと思っていましたが、まあ最終回は、どうなのこれ。どうなのよ。振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■あっけなく死んだ

 若年性アルツハイマーが日々進行していた尚ちゃん(戸田恵梨香)が書き置きを残して失踪してから半年。夫の真司(ムロツヨシ)たちはテレビの「見つかりました」的な番組に依頼して、尚ちゃんの居所を突き止めました。

 片田舎の小さな診療所に、尚ちゃんは身を寄せていました。発病前に貯め込んでいた5,000万円の預金通帳を手に「これで面倒を見てくれ」と頼み込んだそうです。診療所の手伝いをしたり、看護師さんに世話をしてもらったりしながら、ゆっくりと時を過ごしていた尚ちゃん。真司の顔を見ても、それが誰だかわかりません。

 診療所の医師から手渡されたビデオカメラには、尚ちゃんの自撮りムービーがたくさん残っていました。小さなモニター画面の中で、真司、真司と語りかける尚ちゃん。

「あたし、あたしね、真司に会いたいな」

 号泣してしまう真司は、医師に促され、“はじめましての人”として尚ちゃんと話してみることにしました。

 真司は、自分と尚ちゃんのことを書いた小説を読み聞かせます。最初はただ、心地よく聞いていただけの尚ちゃんでしたが、自分が病気になったことを真司に告げるシーンで、変化が訪れました。

「『ごめんね、面倒な病気になっちゃって』妻は続けて語った。『ぜんぜん平気。迷惑かけると思うけど』」

 真司がそこまで読み上げると、尚ちゃんが不意に続きを暗唱しました。

「一生懸命生きるから、よろしくお願いします」

「真司……」尚ちゃんが、真司の目を見つめています。

「やっぱり真司は才能あるね、すごい」

 記憶が、そのときだけ戻ったのでした。その日以来、尚ちゃんは真司のことを思い出すこともなく、「それから1年後、尚は、肺炎であっけなくこの世を去った」んだそうです。そのほかいろいろありましたが、大筋そんな感じです。

 

■まず町医者がヤバい

 いや、あのさ、家の前に前後不覚の女が立ってて、そいつが「私アルツハイマーです」と言いながら5,000万円の預金通帳を出して「面倒みてくれ」ってなったときにですよ。言いなりになって面倒みますか? という話です。まず警察でしょ。

 どういうつもりで町医者は身元を引き受けたのか。本人は「家を出てきた」と言っているが、アルツハイマーを自称する通り、意思は不明瞭です。尚ちゃんは財布を置いて出て行ったから健康保険証など身分を明かすものは持っていなかったかもしれないけど、通帳はあったわけです。通帳からは口座名義と銀行支店名がわかるし、警察に届ければ口座から住所氏名はわかります。しかも尚ちゃんには捜索願が出ている。そうじゃなくても「間宮尚」の通帳と間宮真司の著書を持っているわけですから、町医者さえその気になれば、翌日か翌々日には尚ちゃんは真司の家に帰れたのです。彼ら夫婦を引き剥がして、恵一くんから母親との日々を奪ったのは、この町医者です。

「診療所の手伝いをさせた」とか「看護師を雇って世話をさせた」とか、何を勝手なことをやっているのか。この町医者にとって尚ちゃんは患者でもないし、患者扱いで診療行為を行っていたつもりだとしても、家族の意思を確認しようとしないのは、どういう了見か。もうね、犯罪の匂いさえ漂いますよ。何しろこの自称若アル患者には5,000万円の預金残高があるわけです。アルツハイマー患者の財産って、それこそ医療関係者にとって、もっとも慎重に取り扱うべきものでしょう。成年後見制度とかさ、ちゃんと制度があるわけでしょう。ちゃんとしようよ。

 しかも町医者を訪れた時点で尚ちゃんの病気は進行中ではあっても、まだ「何もかも忘れました」という状態ではなかった。適切な治療を受ければ、進行を遅らせることだってできたかもしれないし、何しろ真司と尚ちゃんの義理の父親となった井原侑市(松岡昌宏)という人は、尚ちゃんの主治医であり、アルツハイマーの世界的権威で、最先端医療に携わってる。どう考えても、その時点で井原に診せるのが医者として最善の判断なはずです。専門家でもない町医者が独自の判断で適切な医療を受けさせず、病気の進行を早めてる。まるで「早く全部忘れてしまえ」とでも言いたいかのような。アルツハイマーの診断が下れば、口座を凍結される可能性もありますからね。町医者にとっては、尚ちゃんを専門医に診せないほうが都合がいいわけだ。5,000万円下ろし放題だからね。

 とにかく、アルツハイマーを自称していて、その症状が明らかに見られる患者の意思だけを尊重し、家族の意向を確認しない医者というのはヤバすぎだし、真司はもっと怒ったほうがいい。「お前さえすぐに警察に届けていれば……!」って、怒ったほうがいいよ。井原先生も専門家なら怒れよ。ママも怒れよ。何してんだよ。

■結局、消費された

 性懲りもなく、真司は尚ちゃんの記憶が戻った瞬間を「神様が僕らにくれた奇跡だったのかもしれない」とかポエミーな解釈をしています。そして、それをそのまま小説に書いて『大恋愛~僕を忘れる君と』という新刊を出版しました。どうせバカ売れでしょう。おめでとうございます。

 女神だとか奇跡だとか、結局「また小説を書けた」ことだけが真司にとって大切だったわけだし、尚ちゃんが死んだ後には「尚ちゃんのことはこれで終わり、もう書かないよ」とか言ってる。

 このドラマでは、再三にわたって「作家が身近な病人をネタにすること」の是非について疑問を投げかけてきました。尚ちゃんと同じMCI患者の松尾(小池徹平)は「尚は小説の道具だろ」と真司を糾弾したし、担当編集の水野さん(木南晴夏)も尚ちゃんに「小説家の嫁としての覚悟」を問うたりしていました。

 そういう疑問を、結局疑問のまま放り投げて、ドラマは尚ちゃんを殺して終わりました。病気はネタとして消費されただけで、作品そのものが「難病をネタにすること」とどう向き合ってきたかは示されなかった。真剣に向き合っているというポーズだけだった。

 このドラマで描かれたのは、小説家の嫁が「病気になるまで」であって、尚ちゃんが「病気になった後(完全に記憶を失った後)」のことは何も語られません。

「あれ以降、一度も思い出さなかった」
「あれは奇跡だった」

 真司は、記憶を失った尚ちゃんの面倒を見ることもなく、たまに会いに行くだけで、発症後には生活を共にすることすらしなかった。「あれは奇跡だった」と「死んだ」の間に、本来なら長大で退屈で代わり映えしない、苦難と絶望に満ちた日々があるはずです。人によっちゃ数十年、そういう日々が続くわけです。それがアルツハイマー患者を家族に持つということなんです。

 そういう日々は、小説家である真司には必要なかったと、ドラマは言っている。なぜなら、小説に書けることがないからだ。毎日同じ苦難の繰り返しだからだ。

 だから、ドラマは尚ちゃんを棄てたのです。記憶を失い、「尚ちゃんでなくなった尚ちゃん」は「もう尚ちゃんではない」と、断言したのです。

 病気が進行し、だらしなく口からこぼれ落ちるヨダレを拭ったり、尚ちゃんの激臭ウンコにまみれた大人用オムツを交換したり、ときに癇癪を起こしてモノを投げつけられたり、そうなった尚ちゃんの面倒を見たのは、真司じゃなくて、尚ちゃんの5,000万円で雇われた田舎の看護師だった。

 このドラマが多くの視聴者の涙を搾り取った“大恋愛”の正体は、そういうものです。ボケ切る前の尚ちゃんなら愛せるけど、ボケ切ったら愛せないんです。『僕を忘れる君』は好きだけど、『僕を忘れた君』には興味がないんだ。「尚ちゃんが尚ちゃんでなくなっても、尚ちゃんじゃなきゃ嫌なんだ」と真司が言っていたのも、ハイ、全部ウソでした。

 病気になっても「一生懸命生きるから、よろしくお願いします」と言った尚ちゃんでしたが、どっかで勝手に死にました。早々に死んでくれてよかったね。めでたしめでたし。

 なかなか最低な結論だったと思います。

 

■戸田ムロはすごかった。

 そんなわけで、脚本的には“メッセージ性”だけあって“メッセージ”がないという、そのわりに、すごく悲しい場面や神々しい場面が訪れて泣けちゃうという、いかにもベテランにいいようにやられたなという感想なんですが、戸田さんとムロさんのお芝居はすごかったね。がっつり感情移入しちゃったものだから、余計に最終回の尚ちゃんが不憫で、ひたすらムカついていたのだけど。

 あと、今になって思うと、サンドウィッチマン・富澤たけしが演じた引っ越し屋の木村が、ぼちぼち脚本自体を自己弁護するようなセリフを言わされていたなあと感じます。病気になった尚ちゃんのことを「書くべきだ」とか、いなくなった尚ちゃんを「探すべきでない」とか。真司にとってではなく、物語の進行にとって都合のいいことを、説得力のある雰囲気で述べていました。そういう意味で、富澤さんはすごく信頼されていたのでしょうね。

 そういうわけで、後味悪いけどここで終わります。よいお年を!
(文=どらまっ子AKIちゃん)

戸田恵梨香、成田凌と破局でNHKは一安心? 恋多き女も朝ドラ放送終了まで恋愛自重か

 交際が報じられていた戸田恵梨香と成田凌が今年10月あたりに破局していたと、12月13日発売の「女性セブン」(小学館)が報じた。昨年10月、成田が運転する車が写真週刊誌「FRIDAY」(講談社)のハリコミ専用車と接触事故を起こした際、戸田が同乗していたことで発覚した2人の交際だが、約1年で幕を閉じたこととなる。

 ドラマ『コード・ブルー』(フジテレビ系)シリーズの共演をきっかけに交際に発展した2人。今年7月公開の映画『劇場版 コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』でも共演していた。

「映画の宣伝で多くのキャストがバラエティー番組に出ていましたが、そのプロモーションの中で戸田と成田が共演することはありませんでした。ちょっと不自然ではありましたが、2人の交際が続いているからこそ、バラエティー番組に一緒に出なかったのではないかと言われていました。8月にはセブ島へ旅行に行っていたとも報じられていたし、交際は順調に見えていたんですが、ちょっと意外な破局でした」(芸能事務所関係者)

 これまで、綾野剛、関ジャニ∞・村上信五、加瀬亮、松山ケンイチなど、数々の有名男性芸能人との熱愛報道があった戸田恵梨香。そんな恋多き女の破局報道に、ホッとしているのがNHK関係者だという。戸田は、2019年度後期のNHK連続テレビ小説『スカーレット』の主演を務めることが発表されている。

「朝ドラヒロインは、スキャンダルは絶対にNGだと言われています。成田と別れたのであれば、戸田の熱愛記事が出る可能性も低くなりそうだと、NHKは胸をなでおろしているかもしれません」(テレビ局関係者)

 とはいえ、戸田が新たな恋人を作る可能性も否定できない。

「恋多き女であり共演者キラーでもある戸田なので、次の恋愛が始まっている可能性も否定できない。10月クールに放送された『大恋愛』(TBS系)で共演したムロツヨシと良い仲になっていてもおかしくはないと思います。ただ、戸田だって、朝ドラヒロインがキャリアにおける最大の仕事になることはわかりきっているはず。さすがに自覚を持って、朝ドラが終わるまでは恋愛は自重すると思いますけどね」(同)

 ちなみに、『スカーレット』の共演者はまだ発表されていないが、もしかしたらそこに戸田の次なる恋人がいるのかもしれない……。

今夜最終回『大恋愛』戸田恵梨香の“神演技”にハッピーエンドは訪れない!?

 今夜、いよいよ最終回を迎えるドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)。7日に放送された第9話の視聴率は10.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2ケタに返り咲きです。

 いやー、それにしても戸田恵梨香。戸田無双です。戸田、すごいお芝居でした。戸田すごい。と、戸田戸田言ってないと戸田が演じる尚ちゃんに感情移入しすぎて泣いちゃうくらい、実に悲しい回です。はい、振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

■ああ、もう……

 どうやらアルツハイマーの進行は止められないことが確定的になってきた尚ちゃん。無事、夫である流行作家・真司(ムロツヨシ)の子を妊娠することができましたが、喜びもつかの間、すぐさま教えられた出産予定日の「8月2日」をメモします。忘れちゃうので、あらゆることをメモするようになっているようです。家の中も、部屋中がメモ書きの貼り紙だらけ。それにしても達筆です。戸田恵梨香の字なのかな。

 事あるごとに「あなたは妊娠中です(だから体を大切にね)」と念を押す真司に、「うっふふふふ」と新鮮な喜びで応える尚ちゃん。忘れる病気だからこその表情ですが、このあたり、子を迎える夫婦の心温まるエピソードとアルツハイマーによる悲劇が同時進行していく感じで、実にこう、ドラマの質量のようなものを感じます。

 やがて生まれた子どもに、2人は「恵一」と名付けました。いちばん恵まれるように、恵一だそうです。

 恵一はすくすくと育ちます。2人の出会いを書いた前作『脳みそとアップルパイ』は50万部を超えたそうで、真司が新しく始めた続編の新聞連載『もう一度 第一章から』も好評です。

 そんな折でも、尚ちゃんの病状は日々進行しているようです。出版社の間宮担当・水野さん(木南晴夏)が、かいがいしく子どもの面倒を見てくれているからいいものの、もう、ひとりでは赤ん坊の世話もできません。

「4人で暮らしてるみたいですね」とか、わりとドキッとすることを真司に言ってくる水野さんですが、その動機は、あくまで「作家に売れる本を書かせるため」でしょう。少しくらい「作家に優れた文芸作品を書かせるため」というのはあるかもしれないけど、別に特別な感情があるわけではなく、真司が筆を折ればもうこの家に来ないことは自明のようです。その証拠に、真司が「赤ちゃんが生まれたところで終わりたい」と告げると、鬼の形相になって説得にかかります。

「そこが見せ場でしょう」

 今後、尚ちゃんの病気が進行して、真司のことも子どものこともわからなくなって、一家が悲劇に包まれて、本当に大切なものを失って、目の前には「僕を忘れた君」しかいなくなったとき、作家が何を思うのか。それを書け、というのです。

「めでたしめでたしじゃ、読者は納得しません」
「中途半端なものになってしまう」
「逃げないでください」

 編集者というのは、かくも残酷な生き物です。

 しかも、この一連のやり取りを、尚ちゃんは聞いてしまいました。

「あたしの病気が進行しないと、真司の小説は中途半端になってしまうんでしょうか……?」

 死んだ目で、尚ちゃんが水野さんに問います。水野さんの答えは、それでも残酷です。

「違います。奥様は、生きてるだけで、先生の創作の源なんです」

 決して「生き甲斐」だとも「誰よりも大切な人」だとも言いません。担当作家が、作品を仕立て上げるための“道具”。それは前回、MCI(軽度認知障害)患者の松尾(小池徹平)が真司に突きつけた糾弾と同じニュアンスでした。むしろサイコ色ゼロの笑顔な分だけ、水野さんのほうが厳しい。

 当人たちがどれだけしんどくても、それが作品として昇華され、読者を喜ばせてしまえば、価値が生まれる。この夫婦が作品を生み出すことに価値があるのだとすれば、作品を生み出さないアルツハイマーに価値はないと、水野さんは言外に告げているのです。水野さんはそんなことを言葉にして言うつもりはないし、そこにあるのは「おまえたちの“お気持ち”より作品の出来(売り上げ)のほうが大切なのだ」という厳然たる優先順位だけ。つまりは、編集者としてすこぶる優秀ということです。

 水野さんを優秀な編集者として描くことで、このドラマは編集者が作家から作品を刈り取ることの卑しさもまた同時に語っています。もちろん、そうした卑しさの表現には、脚本家である大石静さんの「悲劇を創作するうえでの自戒」も込められているはずです。

 3年後、4年後、どんどん壊れていく尚ちゃん。もう靴も靴下もひとりじゃ身に着けることができません。「自分で服も着られなくなる」──病気が発覚したときに尚ちゃん自身が予測した通り、アルツハイマーは進行していきます。

 そしてついに大切な大切な子どもが自分のせいで行方不明になってしまう事件を起こしてしまいました。恵一がいなくなった当初は、自分が目を離してしまったことすら覚えていなかった尚ちゃん。でも、ようやく見つかってベッドで眠る父子を眺めていると、それが愛おしくてたまらない存在であることは認識できるようです。

 眠る真司にひとつキスをして、尚ちゃんは姿を消してしまいました。テーブルには書き置きが1枚。

「しんじさま ありがとうございました。尚」

 震えて歪んで、かつての達筆が見る影もない文字で、そうしたためられていたのでした。いやー、うまい。筆跡が壊れるって、すごくわかりやすく病状を伝えてて、ホントにうまい。うまい、とか言って評論じみた視点に立たないと、泣いちゃう、このくだり。

 というわけで、今夜は最終回。まるで死に場所を探すネコみたいに、フラフラと家を出て行った尚ちゃん。どうあれ、ここまで病気が進行してしまった以上ハッピーエンドはあり得ないわけですが、果たしてどんな物語になるのか。大石さんが何を作ろうとしたのか、見届けたいと思います。

■そういえば、黄昏流星群の2人は……

 前回、唐突に始まった尚ちゃんママ(草刈民代)と、かつての尚ちゃんの婚約者で元主治医の井原先生(松岡昌宏)の『黄昏流星群』的な関係は、無事ゴールイン。結婚しちゃいました。朝日が差し込む部屋で中年同士がじゃれ合ってるシーンなんかもあって、ちょっとこれ、どう見たらいいのかわからなかったです。最終回で意味が出てくるのかな。まさかマボファン向けのサービスカットってことないよね……?
(文=どらまっ子AKIちゃん)

 

戸田恵梨香『大恋愛』サイコホラーと化した小池徹平の“ウザさ”に救いは訪れるか

 先月30日に放送されたドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)の第8話、視聴率は8.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と再びダウン。ロマンティックなビッグ・ラブを求める層からは完全に見放されたようです。

 何しろ、6話から登場した小池徹平の存在が重いし、ウザいのよね。特に、ステキな恋愛劇に没頭してニヨニヨしようと真剣に見ていた方面からすると、もうジャマでジャマでしょうがないと思う。急にサイコホラーですからね。

 けっこう珍しいな、と思うんです。難病を扱うフィクションで、その患者さんを「迷惑な存在」「主人公たちに危害を加える存在」として描く作品というのは。

 たいてい物語の中で病人や精神障害者というのは、不幸な境遇と引き換えに「でも心は美しい」とか「純粋なんだよ」みたいな感じで登場するのが定番ですが、今回、主人公の尚ちゃん(戸田恵梨香)と同じMCI(軽度認知障害)患者として登場した松尾(小池)は、それこそ視聴者離れを起こすほどに嫌な、不快で邪魔な存在として描かれました。

 今回はそんな松尾が尚ちゃんと真司くん(ムロツヨシ)夫婦をひっかき回し、ドラマから一時退場するまでが描かれました。振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■おぅ、なかなか破壊力のあるセリフを……

 真司くんとの子どもを作る決心をした尚ちゃん。食卓には特大肝入りの肝吸いを添えた鰻重を並べ、基礎体温チェックにも余念なし。さすが、産科医だけあって“子作り”に関しては知識も情熱も常人並みではありません。

 ベッドの方でも情熱的なようで、事後には「今日、密度濃かったから……」と、なかなかに破壊力(エロ方面)のあるセリフを聞かせてくれます。もちろん、真司くんもデレデレです。

 一方、MCIからアルツハイマー病になった尚ちゃんの病状は、進行の一途をたどっています。部屋中に物忘れ防止用の付箋が貼り付けられ、梅干しおにぎりを作ったつもりも梅干しを入れ忘れ、もちろんベッドでの真司くんとのピロートークも、翌朝になればキレイさっぱり忘れています。

 そんな尚ちゃんの心のスキに付け込もうとしているのが、自称“唯一のMCI理解者”松尾です。いつの間にか尚ちゃんを「尚」とか呼び出すし、「僕らは健康な人と対等じゃいられないんだよね……」など、遠い目で共感を求めてきたり。あげく「死ねば、永遠にきれいなままでいられるんだ……」と無理心中まで示唆してきます。

 ここまで、松尾の目的は、いかにも不明瞭でした。同じ病気の尚ちゃんと出会って、驚かせて失神させて、尚ちゃんの病気が進行したら喜んで、意識のない尚ちゃんにキスしたり、旦那である真司を無駄に煽ったりしていましたが、「で、何がしたいねん」の部分はよくわからなかった。それが松尾という人物の不快な印象に拍車をかけていたわけですが、今回、はっきりと語られました。

 一緒に死にたかったんですね。死ねば永遠だから、美しいままでいられるから、同じ病気の人と死にたい。

 そんな松尾に対し、すでに真司くんや尚ちゃんママ(草刈民代)、主治医・井原先生(松岡昌宏)は“危険人物”として警戒を強めていますが、尚ちゃん本人はいたって無防備。それどころか、松尾の「対等じゃない」という言葉がやけに心に残ってしまい、それが原因で真司とケンカになったりします。そんなこと言われたの、忘れちゃえばいいのに、いろいろ大切なことは忘れても、こういうのは憶えてるところが病気の難儀で。

 家を飛び出した尚ちゃん、夜の街をひとり見下ろしながらポロポロと涙を流していると、クルマで尾行してきた松尾が睡眠薬をしこたま溶かしたコーヒーを手渡し、車内に誘います。

 真司くんは姿を消した尚ちゃんに電話をかけますが、尚ちゃんのスマホはなぜか冷蔵庫の中で呼び出し音を鳴らすばかり。それを手に取って夜の街に駆け出すと、2人の思い出の橋に差し掛かったころに「松尾さん」からコールが。

「ははははははは真司だー」

 今日一番のサイコっぷりを見せた松尾。真司くんを呼び出すと、

「尚は別の世界に行ったよ(逝ったよ)」

「あんたにとって尚ちゃんは小説の道具だろ」

「あんたは尚を利用して自己実現してるだけだよ」

「観察すればいい、僕たちの純愛を書けよ美しく永遠になっていく結末まで、あんたが書けよ、書けよ!」

 肝心の尚ちゃんは松尾カーの助手席で気を失っていたようでしたが、実はコーヒーを飲んでおらず、正気でした。「死にたい」とか言ってた松尾を、それなりに警戒していたようです。

 思わぬ“裏切り”にショックを受ける松尾を、なんかわりと正論ぽい言葉で諭した尚ちゃん。松尾もなんかわりとあっさり納得して、どこかへ行ってしまいました。

 そんなわけで、その日も子作りに励む真司くんと尚ちゃんでした。今夜放送の第9話では、いよいよ出産するようです。

■“本質”は描き切れたか

 先日、戸田さんが番組のインスタライブで、「7・8話あたりを見ないとアルツハイマーの本質は見えないし、最終回が成り立たない」といった発言をしていました。最終回にも松尾は登場しますので、松尾の存在こそがこの作品の本質ということのようです。

 展開そのままに解釈すれば、その本質とは「記憶を失うことがつらい」ではなく「病気により周囲の理解を失う」「孤独になる」ことのほうがつらいのだということでしょう。

 実際、松尾の振る舞いはほとんど理解不能でしたし、自ら理解を拒み、孤独を志向する様子がありました。病人という立場からの「病人は小説の道具だろうが」という正論は真司くんを打ちのめしましたし、何をやっても「ボク、病気なんで憶えてないです」と病気を利用する姑息さも描かれました。

 例えば、渡辺謙がアルツハイマー患者を演じた映画『明日の記憶』(2006)では、ほとんど記憶を失った主人公の周囲に「それでも寄り添ってくれる家族がいる」という事実が救いとして語られています。一方で今回の松尾には、どうにも救いがなさそうで、その救いのなさこそがドラマに得も言われぬスリルを生み出していたんですが、なんだかヌルッと退場させたな、というのが素直な印象でした。「MCIだかWaTだか知らんが地獄に堕ちろクズが!」と視聴者に思わせる展開を作ったわりに、さほど説得力を感じない説得によって、松尾は尚ちゃんのことをあきらめちゃった。

 このへん、最終回に向けての伏線もあるのでしょうけれど、松尾メインで見ていただけに物足りなく感じたのが正直なところです。

 

■それにしても脂の乗り切ったムロ&戸田コンビ

 ムロさんと戸田さんの演技合戦は、あいかわらず充実しています。たぶん、演出部の要求以上のことをしていると思う。今回印象に残ったのは、真司くんの小説『脳みそとアップルパイ』の続編のタイトルについてのやりとりです。

 真司くんは、続編のタイトルについて「決まったら最初に尚ちゃんに相談する」と約束していました。そしてベッドの上で、「『もう一度第1章から』って、どう思う?」と、約束通り尋ねました。

「すごくいいと思う!」

 大喜びの尚ちゃん。真司くんが「ホント?」と聞き直すと、もちろん「うん」と。

 でも、この「うん」の発声が、ちょっとボヤけてるんです。ちょっとだけ引っかかる程度にボヤけてる。見逃してもいいくらいのボヤけ。

 その後、尚ちゃんはそのことを忘れてしまい、2人はケンカになります。ここで「ホント?」「うん」のちょいボヤけが、完全に伏線として機能しました。あー計算してた! みたいな。

「続編のタイトルだって、最初にあたしに教えてほしかったのに!」

「言ったよ!」

「聞いてない!」

 癇癪を起した尚ちゃん。ここでの真司くんの一瞬の表情がすごかったんだ。

「言ったじゃねえかよバカ野郎! なんで憶えてねえんだよ!(ブチ切れ)」→「憶えてねえのか、そうか、病気か、病気だった(思い出し)」→「だからって、こんな大切なことまで忘れることねえだろ!(蒸し返し)」→「しかも自分が忘れてるくせに人のせいにしやがって!(激昂)」→「でも病気なんだ、しょうがないんだ(思い直し)」→「なんで尚ちゃんにだけ、自分たちにだけこんな悲劇がのしかかるんだ(悲しみ)」→「それでも生きていこう。2人で。俺がしっかりしなきゃ(決意)」

 くらいの感情の流れを1拍の中に納めてからの「言ったって……」という返し。まあそこまで具体的じゃないけど、そういうことを表現したこのときのムロツヨシの顔面動作は、すさまじかったです。ちょっと見てて泣いちゃうくらい。何しろ2人のお芝居が達者なので、単純に楽しいです。

 あと、今のところどう機能していくのかまったくわからない松岡昌宏と草刈民代のベッタベタな『黄昏流星群』的関係も、行く末が楽しみです。はい。今日を含めて、あと2話だって。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

戸田恵梨香が次々期朝ドラ『スカーレット』ヒロインに……“若手発掘”から“キャスティング”にスライドしたワケとは?

 来年9月30日に放送開始するNHK連続ドラマ小説『スカーレット』のヒロインに、実力派女優の戸田恵梨香が起用されることが決まった。これで、朝ドラヒロインは、放送中の『まんぷく』の安藤サクラ、来春にスタートする『なつぞら』の広瀬すずに続き、3作連続でオーディションなしで、キャスティングによって決定されることになった。

『スカーレット』は、滋賀県の焼き物の里・信楽を舞台に、妻や母となっても焼き物作りに情熱を燃やす陶芸家・川原喜美子の波乱万丈の半生を描いた作品。脚本は『ホタルノヒカリ』シリーズ、『母になる』(共に日本テレビ系)、『みにくいアヒルの子』『ビギナー』(共にフジテレビ系)などを手掛けた水橋文美江氏が担当する。

 朝ドラヒロインといえば、ほとんど無名の女優、実績が乏しい若手女優をオーディションで発掘するのが通例だった。その中から、石原さとみ、松下奈緒、堀北真希、井上真央といった国民的女優を輩出してきた。ところが、ここにきて、キャスティングで実績十分な女優を起用するように変わったのはなぜなのだろうか?

「実績のない若手女優をヒロインに据えるとなると、フレッシュさの反面、大役をこなしきれないリスクも生じますし、視聴率が伸びない問題も抱えます。最近では、芳根京子がヒロインだった『べっぴんさん』や、葵わかなの『わろてんか』などは正直好評とはいえませんでした。朝ドラは2013年前期の『あまちゃん』以降、ブームに火がつきました。そのため、NHKとしては、安定的に高視聴率をマークし続けなければならない状況に追い込まれています。高い視聴率をキープするためには、脚本もさることながら、やはりしっかりした演技力をもつ、ネームバリューある女優をキャスティングしなければならなくなったわけです。リスク回避と視聴率絶対主義が、オーディションをやらなくなった要因じゃないでしょうか」(テレビ制作関係者)

 朝ドラファンにとっては、ほとんど無名の女優がドラマを通じて成長していく姿や、朝ドラ後の活躍ぶりを見るのが楽しみのひとつだろう。今後それがなくなるとなれば、朝ドラの楽しみ方も否応なしに変わっていかざるを得ない。
(文=田中七男)

朝ドラ抜擢も納得! 30代になった戸田恵梨香の真骨頂は「大人の色気」と「親しみやすさ」

 2019年下半期のNHK連続テレビ小説『スカーレット』のヒロインに、戸田恵梨香が決定した。舞台は昭和30~40年の滋賀県で、実在の女性陶芸家を演じるという。

 朝ドラヒロインには2つの流れがある。ひとつは、若手新人女優の登竜門的なもの。最近では『半分、青い。』の永野芽郁がそうだ。ヒロインの成長と女優の成長がリンクするのがドラマ内での見どころで、朝ドラで初めて主役を演じる女優も少なくない。

 もうひとつは、演技の実力や女優としての実績が認められて起用されるもの。現在放送中の『まんぷく』でヒロインを演じる安藤サクラが、こちらのタイプだろう。前者は10代後半から20代初頭の女優が多いのに対して、後者は20代後半から30代以上の女優が中心となる。

 戸田は完全に後者だ。つまり、アイドル性ではなく、女優としての力量が認められての起用だろう。

 華のあるルックスゆえに、アイドル女優的な印象が強かった戸田だが、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ系)で共演した新垣結衣と同様、大人の女性を演じられる実力派女優となりつつある。

 それは現在放送中の『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)を見れば、誰しも納得することだろう。

 本作で戸田が演じるのはエリート女性医師の北澤尚。エリート精神科医の井原侑市(松岡昌宏)と結婚間近だったが、引っ越しのアルバイトをする40代の元小説家・間宮真司(ムロツヨシ)と恋に落ちる。自分が好きだった小説の作者だったことから、尚は真司に運命を感じ、エリート医師との結婚をあっさりと破棄して、親の反対を押し切り、真司との恋に突き進んでいく。

 同時に、尚が若年性アルツハイマーだと判明。物語は格差恋愛モノから難病モノとなっていく。記憶が抜け落ちていく自分に苦悩する姿は迫真の芝居となっているが、何より印象に残るのは、第1話で運命の相手に向かって突き進む尚の姿である。ここには、自分の中にある恋愛感情がコントロールできない時の、理屈を超えた生々しさがある。

 戸田は、スレンダーな体形と眼光の鋭さゆえに、オシャレで洗練された色気のある女優という印象が強く、男からすると敷居が高く、近寄りがたい美人といったところ。だが、バラエティ番組などで見せる素の戸田はぶっきらぼうで男っぽく、とても親しみやすい。ハスキーな声で楽しそうにしゃべる姿は、“本音でズケズケしゃべってくれる気さくなネーちゃん”という感じで、一緒に酒が飲みたくなる。

『大恋愛』でも、ムロツヨシと居酒屋で楽しそうにしている姿がとても魅力的だ。ムロ演じる中年男性と恋に落ちても自然に見えるのは、ムロのシリアスな演技が見事なのはもちろんだが、その会話を受け止める戸田の仕草に飾らない人柄がにじみ出ているからだろう。

 戸田は現在30歳。2000年、11歳のときに朝ドラ『オードリー』で女優デビューを果たす。

 中学卒業とともに上京し、「週刊ヤングジャンプ」(集英社)の「制コレ’03」のメンバーとなり、05年に学園ドラマ『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)で注目される。その後『LIAR GAME』(フジテレビ系)や『SPEC』(TBS系)といったドラマで主演を務め、人気女優としての地位を確立する。

 数々の代表作を持つ戸田だが、今の『大恋愛』の尚につながる大人の色気と親しみやすさを初めて意識したのは、NHKドラマ『書店員ミチルの身の上話』だ。

 戸田が演じたのは、地方の書店員として働いていた古川ミチル。彼氏がいる一方で、東京の出版社に勤める書店営業の男性と不倫していたミチルは、ふとした思いつきで東京に行き、そのまま幼なじみの男性の元に居候してしまう。

『ミチル』における戸田の演技の注目すべき点は、20代の女性の中にある、自分でも理解していない不安定な感情を見事にすくい上げていたことだ。

 やがてミチルは2億円の宝くじに当せんしたことがきっかけで、ドミノ倒し的に事件が起こり、漂流するような人生を過ごすことになるのだが、彼女の何を考えているのかわからない短絡的な行動は妙にリアルで、一見、普通に見える人でも、こういう不安定さを心の奥底に抱えて生きているんだと実感させてくれた。

『大恋愛』の脚本家・大石静は、『ミチル』の戸田の演技を絶賛していたが、尚が婚約を破棄して真司との格差恋愛に突き進んでいく姿は、自分を抑えられないミチルの不安定さを恋愛衝動に落とし込んだような、どこに向かうのかわからない演技だった。

 戸田は、普通の人間が無意識に抱え込んでいる、コントロールすることのできない衝動を表現にできる稀有な女優なのだ。

(文=成馬零一)

●なりま・れいいち
1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。

◆「女優の花道」過去記事はこちらから◆

戸田恵梨香、NHK朝ドラ『スカーレット』主演へ “リスク高め”新人女優は今回も敬遠か

 3日、2019年後期のNHK連続テレビ小説が『スカーレット』に決まり、女優の戸田恵梨香がヒロインを務めることをスポーツ紙などが報じた。各紙によると、同ドラマは高度経済成長期の滋賀県・信楽(しがら)を舞台に、妻や母となってもモノ作りに情熱を燃やす陶芸家・川原喜美子の半生を描くという。

 今年4~9月の朝ドラ『半分、青い。』のヒロイン・永野芽郁(19)は、2,000人以上が参加したオーディションに合格。しかし、その後、10月から放送されている『まんぷく』の安藤サクラ、来年4月スタートの朝ドラ100作目『なつぞら』の広瀬すずに続き、戸田はオーディションではなくキャスティングされて出演が決定したという、

 昨年8月にオファーを受けたという戸田は、「1年間1人の女性を演じるのは、止まっているのではなく、ものすごく大きな進化がある。なんてぜいたくな時間なんだろう」と意気込んだというが……。

「戸田といえば、昨年秋にイケメン俳優の成田凌との熱愛が発覚。朝ドラの放送時期までに関係が発展してゴールインという可能性もなきにしもあらずだけに、起用する側としてはリスクが高いはず。それでも、毎年、後期の朝ドラは大阪局の制作とあって、神戸市出身の戸田が抜てきされたそうです」(放送担当記者)

 とはいえ、これまでNHKの朝ドラ枠は新人女優の登竜門的な位置付けであったはず。

 ところが、ここにきて、実績たっぷりの女優ばかりをキャスティングするのはなぜなのだろうか?

「多少は視聴率のことを気にかけるようになったとか。そのためには、無名の新人では厳しいのが現状。なので、実績のある女優陣に頼らざるを得ないのです」(NHK関係者)

 朝ドラが、すっかり変わってしまったようだ。

戸田恵梨香、次々期NHK朝ドラ『スカーレット』主演に!「期待大」の一方で“素行”を懸念する声も……

 来年9月30日スタートするNHK朝の連続テレビ小説『スカーレット』のヒロイン役に女優の戸田恵梨香が決定。12月3日にNHK大阪支局にて行われた制作会見に登場した。

 同ドラマは昭和の高度成長期を迎えた滋賀と大阪を舞台に、男性社会である陶芸の世界に飛び込み、奮闘する女性を描いた作品。実在する滋賀県・信楽の女性陶芸家・神山清子氏を基にしたオリジナル作品で脚本は、脚本をドラマ『みにくいアヒルの子』(フジテレビ系)『ホタルノヒカリ』(日本テレビ系)など、人気ドラマを数多く手がけている水橋文美江氏が担当するという。

 会見で20代後半は女優としての成長を悩み続けていたことを告白した戸田。そのため、今年30歳を迎え、心機一転、物や価値観の断捨離をした矢先、今回の朝ドラ出演のオファーが舞い込んできたという。朝ドラヒロイン役へ決意を問われた戸田は、「ものすごく大きく進化できる、贅沢な時間を楽しみたいです」と語り、ヤル気に満ちた表情をみせていたようだ。

 現在放送中の安藤サクラ主演『まんぷく』が好調の朝ドラ。来年4月には100作目の節目を飾るべく、広瀬すず主演『なづぞら』もあり、知名度も演技力もある戸田へのオファーはNHKの本気を感じさせる。ネットでは戸田の起用に喜びの声があがっているという。

「ネットでは『朝ドラヒロインはオーディションがいい』という声はあるものの、『でも、戸田恵梨香なら見る!』『100回記念の朝ドラは広瀬より戸田の方が良かった』といった声が聞こえており、一様に戸田の起用に賞賛と声援が上がっています。まあ、101回目という新しいスタートを切る重要な朝ドラですから、新人や若手といった女優より安定した演技力がある女優が一番ですよね」(テレビ関係者)

 過去に『オードリー』(2000年)で、子役ではあったが朝ドラ出演経験もある戸田。近年では『コード・ブルー』(フジテレビ系)シリーズや『SPEC』(TBS系)といった人気ドラマに出演。さらに、現在放送中の主演ドラマ『大恋愛』(同)も話題になるなど、前評判は上々のようなのだが……。

 だが、『懸念する問題が2つある』と先のテレビ関係者は、こう語る。

「まず、一つは、体形問題です。戸田さんと言えば、たびたび“痩せすぎ”が話題になります。朝ドラといえば、拘束時間も厳しく、ネットでは「体力的についていけるのか」と心配されていますが、これは業界でも言われている。本人は会見で『だいたい私は気合いで乗り越えていきます』なんて言ってましたが、不安です。それともう一つが、共演者キラーのという点。成田凌さんや加瀬亮さん松山ケンイチさんといった共演者と浮名を流してきただけに、共演できる男性俳優が限られてきますからね。それに、『うちの売り出し中の俳優に手を出されたら』と敬遠する事務所もあるだろうし。他の役のオファーが大変になるでしょうね」

 “戸田と言えば”の二大看板が、先行き不安材料となるのだろうか……。

 ともあれ、子役から演じているだけあって演技力には問題はなさそう。一体どんな演技をみせてくれるのか、今から期待したいものだ。

『大恋愛』小池徹平が嫌すぎる!? 不快な“邪魔者”を登場させた脚本家・大石静は何を考えているのか

 小池徹平の“悲しきサイコ野郎”ぶりが非常に楽しくなってきた(個人の感想です)ドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)も第7話。視聴率は9.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、前回に続いて2ケタならず。非常に盛り上がってきたのに不思議だなーと思って巷の評判など覗いてみると、なるほどみなさん、その小池徹平が演じるMCI(軽度認知障害)患者・松尾への嫌悪感がすごいみたい。へー。

 というわけで、あえて松尾くん目線で振り返ってみます。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■松尾さん、苦しいです……

 いつのころからか、なんだか物忘れがひどくなったアラサー男子・松尾くん(小池)。周囲の勧めもあって念のため病院にかかってみると、若年性アルツハイマー病の前段階であるMCIと診断されました。

 小さい子どもに囲まれて、保育士として充実した日々を送り、明るく楽しく過ごしてきた松尾くん。顔面がすこぶるかわいいので、学生時代はすごくモテたことでしょう。

 ところが、MCIの診断によって、人生は暗転しました。最愛の奥さんは、病気のことを知るや否や松尾くんに三行半を突きつけ、旭川の両親も冷たくなったような気がします。

「きっと、僕なんか早くいなくなったほうがいいんです」

 病気の進行に怯えながら、東京で一人暮らしを続ける松尾くんは、主治医の井原先生(松岡昌宏)に笑顔でそんな言葉を吐くのでした。

 病気がわかってからも、保育園で子どもたちと接しているときだけは心が休まりました。子どもたちは、松尾くんがたとえ名前を忘れちゃったとしても、たいして気にしません。同僚もいい奴ばかりで、何かとフォローしてくれます。仕事を続けることが、病気の進行を遅らせることにもなるし、もしかしたら回復に向かうかもしれない。井原先生もそう言っているし、働き続けたいのに、園長先生が「もう事務に専念しろ」とか言うんです。奪われる、思い出を奪われ、家族を奪われ、今度は仕事まで奪われる──。

 保育園に居場所がなくなって、松尾くんは病院に入り浸るようになりました。食堂は安いし、みんな親切だし、病院にいるのがいちばん楽なのです。孤独で、誰も理解してくれなくて、井原先生も別に頼りになるわけじゃなくて、自分がこの先どうなるかはよくわかってる。そりゃもう当然、今すぐにでも死にたいわけですが、そういうわけにもいかないので、仕方ありません。

 そんなある日、すごい美人の女の人と出会いました。しかも松尾くんと同じ病気だといいます。間宮尚(戸田恵梨香)というその女性は、世間を騒がす流行作家(ムロツヨシ)の奥さんだそうです。どうやらラブラブのようですが、あの流行作家が尚さんのことを理解しているとは思えません。なぜなら、作家は健康だからです。同じ病気の自分こそが世界で唯一の尚さんを理解できる者であり、“奪われる側”である自分を本当に理解してくれるのは尚さんしかいないんです。どいつもこいつも健康で、人の気も知らないで、健康! 健康! クソが!

 そう考えたら、尚さんのことが猛烈に欲しくなりました。MCIについてはよく勉強したので、ちょっとショックを与えてやれば病気が一気に進行してアルツハイマー病を発症する可能性があることも知っています。自分からすべてを奪い去っていった世界から、今度は自分が尚さんを奪い返してやる。ついでにアホのヤブ医者・井原にも一泡吹かせてやろう。ざまあみろ、ヤブ医者。悔しかったら俺を治してみやがれ。治せよ! あんた権威だろ、どこが権威なんだよ!

■尚が真司と出会わなかった世界線

 書いててしんどくなってきたので、このへんでやめておきますが、松尾くんのキャラクター設計は見事です。まだたった2話しか出ていないサブキャラなのに、『大恋愛』というドラマのヒロイン・尚が“作家・間宮真司と出会わなかった世界線”を描き切っています。

「あんた権威だろ、どこが権威なんだよ!」

 ドラマの中で実際に、そう言って井原先生を責めたのは、松尾ではなく尚の夫・真司です。まだ真司は、尚の病気が治ることに希望を持っています。治ると信じているから、一進一退する病状に感情が揺り動かされてしまう。尚が自分との過去を忘れてしまうことが耐えられないし、尚と過ごす未来が消し飛んでしまうことも耐えられない。

 一方、松尾は回復をあきらめています。それはつまり、この広い世界に、松尾の病気が治ると信じている人間が誰ひとりとしていないということです。奥さんは逃げたし、井原先生は治してくれないし、過去にも未来にも誰ひとり、松尾の病気が治ると信じている人間がいないということなのです。

 だから松尾には、今しかありません。

「いいよ、殺しても、失うものは何もないから」

「何をされても平気なんだ、みーんな忘れてなくなっちゃうんだから」

「今欲しいものだけが欲しいんだ。尚さんが欲しいんだ。真司をぶっ殺してでもね」

 真司の目を余裕の表情で見つめて、堂々と言い放つ松尾の絶望の深さは計り知れません。

 

■なぜ松尾は不快なのか、大石静は何がしたいのか

 このドラマが松尾というひとりの患者を通して伝えているのは、「アルツハイマー病患者の絶望がどんなものか」という説明ではありません。「その絶望は健常者には決して計り知れないものである」というシンプルな主張です。もっと言えば、「わかってたまるか、理解したような顔してんじゃねえよ!」という糾弾ですらあります。

 冒頭に戻ります。松尾に対する嫌悪感をネットで拾ってみると、やはり「松尾の行動が理解できない」という声が多いようです。理解できないから不快で、嫌だ。嫌いだ。かわいそうな、かわいそうな、とってもかわいそうだけど素敵な真司と尚の純粋な大恋愛を邪魔するな。

 そう思われても仕方がないほどに松尾という人物の行動は奇矯だし、共感を拒むものです。また、小池徹平がパブリックイメージを裏切る完璧な“不快キャラ”を演じ上げていますし、おそらく老けメイクを施していると思いますが、“元美少年”がそのまま老人になっちゃったような造形としての悲惨さも表現されているように感じます。そして、明確な意図を抱いた無邪気さもまた、視聴者の恐怖(≒不快感)を煽っているのでしょう。

 そういう理解不能で共感を拒むキャラを登場させて、脚本家の大石静さんは何を語ろうとしているのか。視聴率ガタ落ちですけど、いったい何を考えているのか。

 おそらくこの『大恋愛』というドラマは、素敵な恋愛劇のデコレーションに包みながら、その実「理解を拒む者」や「理解し得ない場所にいってしまった者」を、それでも理解しようとする試みなのではないかと思います。なんとか、どうにかして寄り添おうとする人間の生きる様を描こうとしているのだと思います。

 作家・真司は「物語を書く者」である大石さんの分身でしょう。物語を書いて、誰かを理解することは、その人を孤独や絶望から解放することです。物語には、その力がある。物語は人を救う。物語を作るとは、そういう行為である。

 つまり大石さんは、テレビドラマという物語の中で、この世界における「物語」の存在意義を語っているのではないかと思うんです。長年キャリアを積んで大御所と呼ばれるようになった大石さんが、改めて「私は物語の力を信じる」と、ド正面から語ろうとしているドラマが、今回の『大恋愛』なのかなと、今回を見ていて、そんなことを感じました。

 それはもしかしたら昨今のアレなドラマ業界全体に対する、大先輩としての危機感の表れなのかもしれませんけれども、そういった覚悟を作品の中で表現されることは単純に感動的だし、関わっているスタッフ・キャストにとって幸せなことなんだろうなと想像しつつ、今夜、第8話。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

戸田恵梨香、元カレ・加瀬亮に「再共演したい」と笑顔で意味深メッセージ! 芸能界屈指の“いい女”となるか

 女優界の中でも、屈指のモテっぷりを見せてきた女優・戸田恵梨香。そんな戸田が最近、元彼俳優へ意味深なメッセージを送ってみせたことが業界内で話題を呼んでいるという。

 戸田は11月13日に東京都内で開催された「SPECサーガ完結編『SICK’S 覇乃抄・厩乃抄』 〜内閣情報調査室特務事項専従係事件簿〜」の制作発表会見に、VTRにて参加。その際、堤幸彦監督や木村文乃、松田翔太などに激励メッセージを送った戸田は「今『大恋愛』(TBS系)っていうドラマをやっているからか(『SPEC』(同)の)撮影当時はあんまり覚えてないんです。続編は……やりたくはないですけど、加瀬亮さんと一緒ならぜひやらせていただきたい」と笑顔で発言。これが評判になっているというのだ。

「というのも、戸田さんと加瀬さんといえば、2015年頃から交際していることが明かされ“ハイスペックカップル”と話題になったものの、16年8月に破局が報じられてしまいました。別れた理由は“価値観の違い”とのことで、独身主義の加瀬さんと結婚したい戸田さんの気持ちがすれ違ったのでは、と言われていました。しかしこの公式の場で、元恋人の名前を出して笑顔を見せることができるなんて、さすがサバサバしてますよね」(テレビ局勤務)

 戸田といえば2006年頃に映画『デスノート』での共演がきっかけで松山ケンイチと交際。その後、10年~13年前半まではブレイク前の綾野剛、13年後半からは『SUMMER NUDE』(フジテレビ系)で共演した勝地涼と交際。その後に加瀬と交際し、現在は『コード・ブルー3』(フジテレビ系)で共演した成田凌と交際している。歴代の恋人が全員現在も人気なのに加え、戸田と交際後に大ブレイクした綾野や勝地を例に取り、芸能界では戸田を“業界屈指のあげまん”と賞賛する声が多いという。

「戸田さんは一見勝ち気な雰囲気ですが、付き合っている恋人には手料理を振る舞ったり、インタビューで『恋愛の駆け引きをするのは苦手』だと語るなど、実はかなり恋人に尽くすタイプ。実際、彼女は現場のスタッフを大事にする女優として知られており、どれだけ寝不足でも待ち時間に不機嫌な顔を見せることなく、ケータリングの差し入れも大盤振る舞いと、非の打ちどころがない振る舞いをします。現在彼女が主演する『大恋愛〜僕を忘れる君と』の現場も、気遣いの人である戸田さんとムロツヨシさんのおかげですごく良い雰囲気なんだとか」(同)

 冒頭の元彼・加瀬への大人の態度や、歴代の恋人たちのブレイクぶりを鑑みるに、戸田が芸能界屈指の“いいオンナ”なのは納得といったところだろう。