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世間を戦慄させた殺人事件の犯人は女だった――。日々を平凡に暮らす姿からは想像できない、ひとりの女による犯行。彼女たちを人を殺めるに駆り立てたものは何か。自己愛、嫉妬、劣等感――女の心を呪縛する闇をあぶり出す。
[第6回]
富山・長野連続女性誘拐殺人事件
戦後の女性死刑確定囚は14人。その1人が富山・長野連続誘拐殺人事件の宮崎知子(事件当時34)だ。この事件が人の記憶に残るのは、“フェアレディZ”という当時人気のスポーツカーが誘拐の道具として使われたこと、連続誘拐事件という凶悪な犯罪が“女”の手で行われた犯行だったことだ。さらに事件発覚から裁判に至るまで、宮崎と共に逮捕された愛人・北野宏(28)が“主犯”と誤認されたことも大きな話題となった。
女性による誘拐殺人事件、共犯とされた男、冤罪とがセットになった事件だったのだ。
1980年(昭和55年)2月23日、当時高校を卒業間近だった長岡陽子さん(18)は富山駅で、女に「お茶でも飲まない? 車で送っていってあげる」と誘われた。バスの時間までかなりあったこともあり、女の愛車・フェアレディZに乗ってしまう。そしてこの日、女の会社「北陸企画」に泊まった。翌朝、心配をしていた母親の元に陽子さんから電話が入った。「駅前で女の人に声を掛けられて『アルバイトをしませんか』と誘われて泊まった」。だがこの日も陽子さんは戻らず、さらに翌日、陽子さんは「北陸企画にいる」と母親に電話で伝えている。







