下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
ASKAの不起訴はワイドショー業界に衝撃を与えている。それもそうだろう。逮捕前からめちゃくちゃな報道をしてたから。しかも、自分たちの責任にはまったく言及せず、いまだ「ASKAはクスリをやっているはずだ」「初動捜査のミス」といったイメージ操作に必死だ。もちろん警察批判も恐る恐るだけど。
第346回(12/15~20発売号より)
1位「静香の娘 『3カ国語ペラペラ海外留学』『フルート奏でて受賞』遺伝子開花率92%の日々を」(「女性セブン」1月1日号)
2位「香川照之 元CA妻の心を折った『無視』『陰口』壮絶梨園いじめ!」(「女性自身」1月3・10日合併号)
3位「浦沢直樹 W不倫もどこ吹く風! テレビや個展は順調も新連載の予定は…」(「週刊女性」1月3・10日合併号)
そうきたか。「女性セブン」のトップを飾ったのは、SMAP・木村拓哉と静香の娘による“2世物語”である。
これまでキムタク夫妻は決して2人の娘を“表”に出すことはなかった。時折、インターナショナルに通わせている、フルートを習わせているなどと断片的な情報はあったが、しかしメディアでの露出は一切なし。写真も幼少期のものがあるくらい。
トップアイドルと元「おニャン子」のアイドル歌手という夫妻が、いかに娘たちを繊細に世間の目から守ってきたかということだ。まあ、2人の知名度、注目度を考えれば、親として当然のことだ。
だが、今回の「セブン」記事では、この娘たちの存在を大きく取り上げている。もちろん、母親・静香の完璧な子育て物語として。
記事によれば、静香は娘たちに“芸能人の娘”ではなく、自分の足で立って生き、常識を身につけることを願った。そのため、仕事をセーブし、教育に力を入れたという。
世界に通用するようにとインターナショナルに入れ、フルート、ピアノ、バイオリンを習い事ではなく、本格指導の名門教室に通わせた。特に英語、フランス語もペラペラという15歳の長女は、今年、両親の知り合いが経営するセレクトショップでインターンを経験した。そこで楽しく働いたという長女は、スタッフにも“ピュアなお嬢さん”として愛される、素敵で明るい女の子に成長したという。それ以外にも、15歳には珍しくスマホを持っていないなど、娘たちの成長と数々の微笑ましいエピソードが綴られる。これはつまり、キムタクと静香は“裏切りもの”というイメージを払拭するため、娘という“最終兵器”を投入せざるを得なかったということなのだろう。
ご存じのように、今年1月、SMAP解散騒動の勃発直後から、キムタクはその戦犯の1人として“裏切り者”と批判され、イメージも大きくダウンした。妻の静香もまた、ジャニーズ事務所のメリー喜多川副社長に取り入り、キムタクの独立を阻止した黒幕としてクローズアップされた。
その後、事務所とその御用メディアのバックアップにもかかわらず、キムタク夫妻のイメージは一向に改善されない。ある時は中居正広を、ある時は香取慎吾を“悪者”に仕立てようと情報操作さえも行われたが、ことごとくその姑息さがファンに見破られて、失敗に終わっている。
そして残された最後の“武器”が2人の娘だった。
確かにこの記事を読むと、2人のトップアイドルの子どもたちは、その環境に甘え、奢ることなく立派に常識的に育ったことがわかる。多くの才能も持ち合わせているようだ。そして両親もまた子どもを、その将来を第一に考え、きちんと子育てをした。大変好感度が高い家族の像がそこには描かれている。
本当に素敵な娘たちなのだろう。何も知らずに読むと、だが。
5年前の歌舞伎界進出以降、家族を巻き込んだ数々の“恐怖物語”を紡ぎ出してきたのが香川照之だった。幼少期から父親と絶縁状態だった香川は、成長するにつれ、父親の職業である歌舞伎に固執するようになったが、ある時チャンスが巡ってきた。頑固で偉大な父親が病を患ったのだ。
年々弱る父親の様子を伝え聞き、香川は動いた。父親と和解し、自身が9代目市川中車を襲名、ついに念願の歌舞伎役者になったのだ。もちろん“跡取り息子”も一緒に。だが、ここからが怖かった。歩くのもおぼつかない父親を合同襲名会見に引っ張り出し、そして私生活では同居まで始めた。父親の猿翁の“意思”はおそらく無視して。
そんなことだから、同居は1カ月程で解消、父親は当時のパートナーと出て行った。その後も、香川は稽古のために猿翁宅に通っていると伝えられた――。
そんな香川が離婚した。だがそれは“恐怖の物語”の必然でもあった。こうした香川の野望、復讐劇のような展開で最も負担を強いられたのは、香川の妻であり、突然息子を歌舞伎役者にされた母親だからだ。プライベートでも舅の介護、多忙な夫の世話、歌舞伎界入りした息子の世話が重なる。それだけでもかなりの負担だと思うが、加えて「女性自身」によると梨園ではいじめがあったという。
「彼女への先輩妻たちの対応は冷ややかでした。面と向かって嫌がらせをすることはなかったものの、知子さんが挨拶をしても無視するなど“いじめ”のような状態が続きました」(記事内の歌舞伎関係者より)
今回の離婚で、香川はマスコミにその理由などを一切語ってはいない。自分のわがまま、野望のため、妻に過分な負担を負わせ、そのことを世間がよく知っているのだから“察して”といった心境だったに違いない。
香川による“恐怖の物語”は、これで終焉となるのか。それにしてもマスコミの取材に応じた香川の顔は怖かった。
合併号ワイドは怖い。過去のスキャンダルをほじくり返されるから。そう思ったに違いないのが、漫画家の浦沢直樹だ。浦沢は今年「週刊女性」に大手出版社編集者とのW不倫をすっぱ抜かれたが、再び同誌が直撃! すると――。
「すごく失礼だよね。人として失礼!」「自分がどれだけ失礼なことをしてるかわかる?」だって。さらに人のプライバシーを晒すことを人として反省しなさいと言ったらしい。
曲がりなりにも言論の場で生活している表現者、漫画家なんだから、これはないでしょう。最初の記事でお相手の女性が出版人としての矜持あるコメントをしたのと大違いだった。