11月12日、嵐・二宮和也が、元フリーアナウンサー・伊藤綾子と結婚を発表したことで、多くのファンに動揺が広がっている。2016年、「女性セブン」(小学館)によって初めて交際が報じられ、その直後、伊藤が自身の有料ブログに2人の親密関係を“匂わせる”投稿を繰り返していたことが発覚。以来、伊藤は嵐ファンから敵視されるようになり、今回の結婚発表に際しては、ネット上に「なぜ相手が綾子なのか」といった絶望の声が噴出した。
また、現在、2020年末にグループ活動休止を控え、精力的な活動を行っている最中での結婚発表だっただけに、一部ファンから「なぜこんな大事な時期に」「活休まで待てなかったのか」といった指摘も飛び交うこととなった。
このような背景から、二宮の結婚を「到底受け入れられない」というファンは少なからずおり、SNS上には「ニノのことをずっと好きでいたいのに、嫌いになりそう」といった悲痛な思いが散見される状況だ。ファンは、こうした複雑な心理状況を、どのように克服していけばいいのか――今回、神奈川大学心理相談センター所長、人間科学部教授である臨床心理士の杉山崇氏に助言をいただいた。
「ニノに裏切られた」「綾子にマウントを取られた」ファンの心理状況
まず杉山氏は、結婚発表を受け、混乱するファンの心理状況について、2つの点を指摘する。
「ファンの方はいま、『二宮さんに裏切られたような心理』『伊藤さんに“マウント”を取られたような心理』を抱えているのではないでしょうか。まず前者に関してですが、具体的に言うと、『活休までの間に、ニノとまた新しい思い出を作ろう』と楽しみにしていた気持ちを台無しにされた……といった“裏切り”を感じているのではないでしょうか。たとえるならば、母親や父親と、一緒に遊ぶ約束をしていたのに、『ごめん急に仕事が入った』と約束を破られてしまったときの子どもの気持ち。『お母さん、お父さんなんて嫌いだ!』と腹を立てる一方、『本当は一緒に遊んでほしかった』という思いがあるため、二宮さんに対し、『ずっと好きでいたいのに、嫌いになりそう』と相反する気持ちを抱くのでしょう」
また、この裏切られたような心理には、二宮に対する「こんな人とは思わなかった」という感情もあるのではないかと杉山氏。デビューから20年間、ファンを喜ばせてきた二宮に、「これからも私たちを喜ばせてくれるはず」といった期待を抱いていたものの、それを裏切られたという心理なのかもしれない。
「一方で、伊藤さんに対する『マウントを取られたような心理』についてですが、ファンにとって二宮さんは、ある意味『収穫物』であったわけです。それを横取りされ、マウンティングされたような心理なのではないでしょう。そもそも伊藤さんの“匂わせ”ブログこそが、まさにマウンティングの心理の表れであり、それを受けたファンが、マウントを取り返そうとしていた矢先に、結婚が発表されて再びマウントを取られてしまった。ファンは、大きな屈辱感を与えられたと思いますし、伊藤さんに攻撃的な心理を抱くのは、致し方ないようなことであると感じますね。ただ、一般的に怒りに近い感情は衝動性が高いとされ、数カ月単位ではありますが、『時間がたつにつれて抜けていく』傾向はあります」
では、「ニノのことをずっと好きでいたい」と思いながらも、「嫌い」という感情に心が支配されそうなファンは、こうした状況をどのように克服したらよいのだろうか。
「やはり、二宮さんの“協力”が必要になってきます。人間は、自分の心の痛みを人に理解してもらうと、その痛みが軽くなるものなので、二宮さんから『結婚によってファンを傷つけてしまったことは理解している』『本当に申し訳ない』といった明確なメッセージがあると、ファンも『私たちのことを大切に思ってくれている』と感じるでしょうし、ファンでい続けることが比較的可能になると思います」
しかし、二宮がそういったメッセージを発信することは、「あまり考えられない」と杉山氏。というのも「ファンに対して、へりくだりすぎている行為と見ることもでき、アイドルは通常やらないのではないか」とのこと。そのためファン側が、結婚を「いつかは来ることだった」と受け止め、二宮の言動やパフォーマンスから、「『ファンの気持ちを理解してくれている』『ファンと一緒に新しい思い出を作ろうとしてくれている』と感じる点を見つけ出し、意識を向けていくことが、好きでいるために重要なことなのでは。そもそもアイドル側が、『ファンの存在を大事に思っている』と伝わるように発表すべきとも思いますけどね……」という。
「また、ファンの方は、アイドルのことを家族や恋人のように感じていることが多い。人間というのは、ずっと“そのままでいる”ことはなく、進化や発展を遂げていくものであり、実際に、大切な家族や恋人の“変化”を、寂しく思いながらも一緒に喜んだ経験がある人もたくさんいるのではないでしょうか。なので、二宮さんのことを、あらためて自分の家族や恋人のような存在なのだと認識し、彼の“変化”を一緒に喜ぶ――当然『私の思いが届かない』という感情もあるかと思いますが、そういった感情を抱くこと自体も、肯定的に楽しんでいくといいのではないでしょうか」
しかし、まだ結婚発表から日が浅いこともあり、二宮の結婚を一緒に喜ぶことは「無理」というファンは多いはず。「アンチ化」しているファンも見受けられるが……。
「人間の心理には、『共感モード』と『批判モード』という2つのモードがあり、怒りを感じると『批判モード』のスイッチが入って、途端に理屈っぽくなり、時には屁理屈で相手を追い詰めるようになる傾向があります。結婚発表を受けた途端、『プロ意識がない』『アイドル失格』などと口にしだすファンもいると聞きますが、そういった人は、怒りによって『批判モード』にスイッチが入ったのだろうなと感じますね。確かに、まだ結婚発表から数日しかたっていませんし、多くのファンの方が、二宮さんの姿を見れば見るほどつらく、伊藤さんへの怒りがわくという心理状況だと思います。まずは気持ちを整えることが先。そのために、二宮さんの出演するテレビ番組やコンサートを見ないなど、距離を置くことが必要でしょう」
ネット上では現在、嵐ファン同士が言い争いをしているシーンも散見される。「本当のファンなら、ニノの結婚を祝福してあげるべき」という人、一方で「本当のファンだからこそ、ショックを受け、怒りを感じているのだ」という人が対立しているような状況なのだが、杉山氏は、ネットで言われる「本当のファン」とはまた別の「幸せなファン」とは何かを、考えてみるのもよいのではないかと言う。
「『幸せなファン』とは、『アイドルと心でつながっているファン』とも言えます。先ほど、二宮さんの“変化”を一緒に喜び、楽しむことを提案しましたが、それは、大好きな二宮さんと“一緒に生きている”という感覚になれることでもあるのです」
当然、二宮の結婚で、「ファンをやめる」と決意した人も少なくはないだろう。しかし、どこかにまだ「好きでいたい」という感情が残っているのであれば、杉山氏のアドバイスを実践してみてもいいのかもしれない。