市川海老蔵、故・小林麻央さん“ブログ書籍化断念”に見え隠れする「批判の声」

 歌舞伎俳優の市川海老蔵が、昨年6月に乳がんで逝去したフリーアナウンサー、小林麻央さんの公式ブログの書籍化を断念したと明かした。

 最愛の人を亡くして1年。長野県内で行われた植樹プロジェクト会場で取材対応した際、海老蔵は「(本を)作ったが(今後)多分、出さないと思う」と話した。そもそも、乳がん患者を救うための基金設立にも奔走していたが「やろうとすると余計なことを言う人もいる」と、こちらも難航しているとした。

「ここで海老蔵さんが示す“逆風”とは、亡くした妻でひと儲け、ふた儲けするな、という批判の声を指しているのだと思う」とは、事情を知る芸能関係者。

「実際、彼女や海老蔵さんがつづったブログで、相当な収入があるという報道もあった。実際、治療には多額の費用がかかるのは知られていますし、かといって2人は芸能人なので、一般の人とは違う面での苦労は計り知れない。そもそも、海老蔵さん側は金回りがあまりよくないという話もあったし、そうしたことを踏まえての逆風があまりに強いということなのでは」(同)

 とはいえ、小さな子ども2人をさまざまな人の手を借りてでも育て上げないといけないのもまた、父親である海老蔵の使命だろう。

「今は麻央さんの意思をなかなか形にできないでしょうけど、どこまで粘って海老蔵さんがそれを実現できるか。時間が経てば解決するものもあると思いますけどね」(同)

 歌舞伎俳優としてのみならず、夫としての“粘り”を今後の人生でどう見せていくのかに注目したい。

市川海老蔵、亡き妻・小林麻央のブログ“書籍化断念”……原因は世間体ではなく“治療行為”にあり!?

 歌舞伎俳優の市川海老蔵が6月24日、会見にて昨年6月22日に乳がんのため亡くなった妻・小林麻央(享年34)のブログ「KOKORO.」の書籍化を断念したことを明かした。

 海老蔵は理由について「やることが人々の救いになる部分もあるんですけど、違うふうに受け止める人もいる」と発言。ネットではブログについて批判的な書き込みもあるなどし、このような状況での出版について「せっかく情熱を、愛情をもってやっていても、逆の効果も昨今、あるじゃないですか。それは彼女(麻央)も望んでいないから、作ったけど出しませんでした。多分出さないと思う」とやるせない心境を吐露していた。

 この海老蔵の決断について、世間からは「一部の声など気にしなくてもいのでは」「出版待っています」「海老蔵がんばれ!」と励ましの声が寄せられている。しかしその一方で、この海老蔵の決断を疑問視する声も浮上している。

「海老蔵さんといえば、お子さんたちへの将来への投資や、父親の代から続く松竹への借金が20億あるなど、お金はまだまだ欲しい状況のはず。通常の海老蔵さんなら、多少の批判はものともせず、出版に踏み切ると思うのですが……」(梨園関係者)

 麻央といえば、標準治療を拒否して民間療法を選択していたことが報道され、世間でさまざまな議論がなされたことがある。麻央は都内の大学病院に入院しながら同時に民間療法も受け、最後まで通い続けていたのが東京・南青山のクリニックだった。

「麻央さんは総額1億円とも言われる多額の治療費をこちらのクリニックで使ったと言われています。しかし、同クリニックの院長が再生医療安全性確保法違反で逮捕されてしまい、有罪判決を受けています」(週刊誌記者)

 海老蔵が無視することができない声というのは、書籍を出版することによって、このような民間療法を広めてしまうという意見ではないのか、と医療関係者は語る。

「気の毒なことですが、麻央さんが行っていた民間療法はあまり意味がなかったと見る医療従事者が実際、かなり多いのは事実です。麻央さんがやっていた治療法を広めるべきではない、と医療関係者や実際の闘病中の患者、その家族からかなりの声が上がっているのではないでしょうか」

 さまざまな問題はあるものの、麻央の闘病中の前向きな生きる姿勢ががん患者の心の支えになっていたという事実はとても大切なこと。いろいろな問題をクリアして、いつか書籍出版の運びになってもらいたいものだ。

佐々木希、仲間由紀恵の“妊娠情報”も……テレビ局関係者たちのスポーツ紙への「モラルなきリーク」

 2月28日、3月1日と、佐々木希(30)と仲間由紀恵(38)、新婚美女2人の妊娠のニュースが相次いだ。佐々木はスポーツ報知に、仲間はデイリースポーツによるスクープによって明らかとなり、報道を受け、佐々木は自身のInstagramで「この度新しい命を授かりました。新たな家族が増える事を夫婦で喜んでいます」と報告。仲間も、マスコミ各社に「無事に生まれてくるよう、出産までの時間を大切に過ごしたいなと思っておりますので、どうぞ、温かく見守って頂けたら」とコメントを発表した。

 だが、佐々木は妊娠3カ月、仲間も4カ月と、5〜7カ月の、いわゆる“妊娠安定期”に入る前の報道であったことが物議を呼んでいる。

「いずれもスクープの経緯を“独自取材で”としていますが、実際のところは、テレビ関係者からのタレコミでしょう。産婦人科やレディースクリニックから情報が漏れることはあり得ませんし、裏を取るなら本人かその家族に当てる(取材する)しかありませんが、そうした取材を行った気配はどちらにもありませんからね」(芸能記者)

 発表の時期を調整していた2人とその家族にとっては、このスクープは迷惑以外の何ものでもなかったことだろう。

「佐々木はまだ若く健康で、つわりも軽く済み、状態が非常に安定しているのでしょう。実は、報道があった翌日、3月1日に正式に発表する準備を進めていたんです。その旨を、テレビ局関係者らに報告をしたところ、情報が漏れて前日にスクープとして伝えられてしまった。佐々木は、〈本来ならば、タイミングをみてファンの皆様へ私から報告したいと思っておりましたが、報道が先に出てしまった為、このような順番になりました事をお許しください〉と、先に報じられてしまったことで幸せ気分をぶち壊しにされた怒りを、インスタの文章ににじませていましたね」(芸能関係者)

 仲間に関しては、報告はもっとずっと後の予定だったという。

「38歳での高齢初産となり、非常にデリケートに事を進める必要がありますからね。場合によっては、無事に出産するまで明かさないという選択肢もあった。しかし、これもやはりクライアントや代理店、テレビ関係者と調整を進める中で、情報が漏れてしまった。仲間の事務所は激怒していますよ」(ワイドショー関係者)

 最近、こうしたテレビ局周辺からの悪質な情報漏洩が増えている。

「好調の日テレでさえ給与体系の見直しで給料は激減。低迷を極めるフジに至っては、この冬のボーナスはついに100万円を大きく割り込んだことが話題になり、かつての隆盛は見る影もなく、社員のモチベーションは下がる一方。その腹いせに情報を漏らし、わずかばかりの小遣い稼ぎをしている若手は少なくありません」(制作会社スタッフ)

 思えば、一昨年6月の、小林麻央さんの乳がんをめぐる報道も、スポーツ紙によるスクープが発端だった。

「姉の麻耶が5月19日に『バイキング』(フジテレビ系)の生放送中に体調を崩して途中退席。6月1日に、当分の間全ての仕事を休むことが発表されてから、約1週間後に飛び出したのが、麻央さんのスクープでした。番組に仕事を休むための説明をする中で、真央さんのことを話さざるを得なかった。それがスポーツ紙に漏れてしまったとみられています」(前出・芸能記者)

 ゲス不倫や薬物疑惑ならまだいいが、信頼関係の中でもたらされた、極めてプライベートでデリケートな問題をはらんだ情報を平気で漏らすテレビ関係者とは、いったいどういう神経をしているのか。そんな連中が作る番組が人々の心を捉えられるはずはないのである。

佐々木希、仲間由紀恵の“妊娠情報”も……テレビ局関係者たちのスポーツ紙への「モラルなきリーク」

 2月28日、3月1日と、佐々木希(30)と仲間由紀恵(38)、新婚美女2人の妊娠のニュースが相次いだ。佐々木はスポーツ報知に、仲間はデイリースポーツによるスクープによって明らかとなり、報道を受け、佐々木は自身のInstagramで「この度新しい命を授かりました。新たな家族が増える事を夫婦で喜んでいます」と報告。仲間も、マスコミ各社に「無事に生まれてくるよう、出産までの時間を大切に過ごしたいなと思っておりますので、どうぞ、温かく見守って頂けたら」とコメントを発表した。

 だが、佐々木は妊娠3カ月、仲間も4カ月と、5〜7カ月の、いわゆる“妊娠安定期”に入る前の報道であったことが物議を呼んでいる。

「いずれもスクープの経緯を“独自取材で”としていますが、実際のところは、テレビ関係者からのタレコミでしょう。産婦人科やレディースクリニックから情報が漏れることはあり得ませんし、裏を取るなら本人かその家族に当てる(取材する)しかありませんが、そうした取材を行った気配はどちらにもありませんからね」(芸能記者)

 発表の時期を調整していた2人とその家族にとっては、このスクープは迷惑以外の何ものでもなかったことだろう。

「佐々木はまだ若く健康で、つわりも軽く済み、状態が非常に安定しているのでしょう。実は、報道があった翌日、3月1日に正式に発表する準備を進めていたんです。その旨を、テレビ局関係者らに報告をしたところ、情報が漏れて前日にスクープとして伝えられてしまった。佐々木は、〈本来ならば、タイミングをみてファンの皆様へ私から報告したいと思っておりましたが、報道が先に出てしまった為、このような順番になりました事をお許しください〉と、先に報じられてしまったことで幸せ気分をぶち壊しにされた怒りを、インスタの文章ににじませていましたね」(芸能関係者)

 仲間に関しては、報告はもっとずっと後の予定だったという。

「38歳での高齢初産となり、非常にデリケートに事を進める必要がありますからね。場合によっては、無事に出産するまで明かさないという選択肢もあった。しかし、これもやはりクライアントや代理店、テレビ関係者と調整を進める中で、情報が漏れてしまった。仲間の事務所は激怒していますよ」(ワイドショー関係者)

 最近、こうしたテレビ局周辺からの悪質な情報漏洩が増えている。

「好調の日テレでさえ給与体系の見直しで給料は激減。低迷を極めるフジに至っては、この冬のボーナスはついに100万円を大きく割り込んだことが話題になり、かつての隆盛は見る影もなく、社員のモチベーションは下がる一方。その腹いせに情報を漏らし、わずかばかりの小遣い稼ぎをしている若手は少なくありません」(制作会社スタッフ)

 思えば、一昨年6月の、小林麻央さんの乳がんをめぐる報道も、スポーツ紙によるスクープが発端だった。

「姉の麻耶が5月19日に『バイキング』(フジテレビ系)の生放送中に体調を崩して途中退席。6月1日に、当分の間全ての仕事を休むことが発表されてから、約1週間後に飛び出したのが、麻央さんのスクープでした。番組に仕事を休むための説明をする中で、真央さんのことを話さざるを得なかった。それがスポーツ紙に漏れてしまったとみられています」(前出・芸能記者)

 ゲス不倫や薬物疑惑ならまだいいが、信頼関係の中でもたらされた、極めてプライベートでデリケートな問題をはらんだ情報を平気で漏らすテレビ関係者とは、いったいどういう神経をしているのか。そんな連中が作る番組が人々の心を捉えられるはずはないのである。

「乳がん闘病=お涙頂戴」ムードに違和感! 寛解した女性が世間に“異議”を唱える理由

 昨年6月に亡くなった市川海老蔵の妻・小林麻央さんをはじめ、北斗晶、南果歩など芸能人の乳がん発症が報道されたり、本人がブログや手記などで闘病体験をつづることも少なくない。乳がんの闘病記や関連書籍と聞くと、淡いピンク色や小さな花がちりばめられた表紙の本をイメージする人が多いはず。そして、そうした作品の多くが、ドラマチックに描かれた“感動の実話”をウリにしている。

 しかし、昨年末発売された『女子と乳がん』(松さや香/扶桑社)の表紙は、さわやかな青と黄色、ポップなイラスト。ページをめくれば「わたしと彼女の宗教戦争」「漆黒の黒歴史が爆誕 乳がんヌード」など、ブラックユーモアを交えた乳がん患者の経験談が綴られている。同書は書店ではサブカルチャーの棚に並べられ、乳がんエッセイ界(?)では、異端な存在となっている。

■小林麻央さんのブログを読めない理由

 『女子と乳がん』著者の松さや香さんは、29歳のときに若年性乳がんに罹患し、現在は41歳、寛解。先日まで国際線の客室乗務員として働いていた。前著『彼女失格 恋してるだとか、ガンだとか』(幻冬舎)では、自身の闘病について“治療費”や“治療中のセックスについて”など、これまでにない切り口で若年性乳がんを綴り、話題となった。そんな彼女が2作目の題材に選んだのが、乳がん患者と世の中の間に漂う「違和感」だった。

「本屋で乳がんに関する棚に行くと、必ずといっていいほど淡いピンクの表紙の闘病手記が並んでいます。この棚は『美しい愛のドラマが見たい!』という大衆のニーズを象徴していて、乳がんの当事者とはかけ離れた存在なんです。私は若年性乳がんになって初めて乳がんの棚に行ったとき、愛のドラマと著者のポエムが書かれた手記ばかりで途方に暮れたのを覚えています(笑)」

 乳がん患者にとって、近くて遠い“闘病手記”。それは、乳がんについてのニュースを報道するメディアやマスコミについても同じだった。小林麻央さんの報道についても、松さんは複雑な気持ちを抱いていたという。

「私、麻央さんのブログは一切読んでいないんです。これを言うと『同じ乳がんなのに?』と驚かれるのですが、乳がんだからこそ“読めない”んです。もちろん、麻央さんにはがんばってほしいと思っていましたが、治療中のツラさを思い出してしまうし、治療の経験やがんのステージについて知識があるので、自分も彼女と同じ進行状況になっていたら……と想像してしまい、怖くなってしまうんです」

 その一方で、マスコミによる闘病報道は過熱。連日、テレビのワイドショーではブログが朗読され、闘病中の写真が掲載された週刊誌やネットニュースがあふれた。なかでも、乳がん治療中の女性にとっては、麻央さんの情報をシャットアウトできないツラい状況だったはず、と松さん。

「私の個人調査なのですが、麻央さんのブログを真剣に読んで、ニュースをチェックしていたのはママさんが多かった印象です。彼女を乳がんの女性ではなく“病気になってしまったお母さん”と捉えて、自分に重ねていたのかもしれません。一方、マスコミ側は乳がんのニュースではなく、海老蔵さんと麻央さんというセレブリティゴシップの扱い。麻央さんが伝えたかった“乳がんへの理解”につながったとは、言い難い結果になってしまいましたよね」

 彼女に関する一連のニュースは、乳がんを身近な病気ではなく、特別な愛のドラマの小道具にしてしまったのだ。

 美しい愛の物語ほどわかりやすく、大衆に響くものはない――そのことを松さんが実感したのは、前著『彼女失格』制作中。ある編集者が放ったひと言だった。

「日本人ってかわいそうな話が大好きだから、生きている人の闘病記って売れないんだよね〜」

 松さんは当時を振り返り、「言いたいことはわかるけど、言い方ってもんがありますよね」と笑って話すが、これまでの治療をすべて否定されたようなショックを受けたという。

「たしかに、その言葉に対しては、『ほんとそうですね』としか言いようがないです。でも、マスコミ側にいる人ならば、“売れる”ことの先にある価値を社会に対して投げかける必要があるんじゃないかな、とも思っています」

 耳の痛い話だが、どうしても“わかりやすい展開”に持っていってしまう、根深い職業病がマスコミ側にはまん延している。実際に取材を受けることも多い松さんは、周囲から押し付けられる乳がん患者としてのイメージに、何度か首をひねった経験があるそう。

「麻央さんの訃報以降に受けた取材記事の中で『彼女の遺志を継いで活動している松さん』と書かれたことがあって。いやいや、遺志なんて継いでないし、なんなら私のほうが先に罹患してるよ!? と、思わずツッコんでしまいました(笑)。おそらく、読者に伝わりやすい方向にまとめた結果、“遺志を継ぐ”という表現になったんだろうけど、そこまでわかりやすく感動に持っていかなくても……とは思いますね」

 そうした世間の感覚とのズレや、小さな違和感の集大成が『女子と乳がん』につづられているのだ。

「この本は、私自身をはじめ、これまで乳がんに関わった人たちの“違和感”をまとめた、壮大な愚痴本なんです。この本で誰かの人生を変えられる、なんておこがましいことは思っていないので、読者の方には『あんないい加減な人でも生きていけるんだ』くらいの感想をいただけたら御の字ですね。あくまで、社会の一事例でありたいんです」

 「社会の一事例」となるために彼女が選んだのは、“普通に働くこと”だった。乳がんの罹患、著書の出版など、さまざまな経験を経た後も人生は続く。働かなければ、と奮起し、治療終了後の37歳から先日まで、国際線の客室乗務員として働いていた。

「『病気になったからこそ、自分にしかできないことをしたい』という方もいるのですが、私は病気になったからこそ、普通に働きたかったんです。自分にしかできないことよりも、『乳がんになっても、みんなと同じ普通の人間だよ』ということを伝えるほうが、意義があるように感じています」

 メディアも大衆も「美しい死が尊い」とされる風潮の中で、病後「普通に生きること」を貫く松さん。彼女がしたためた“壮大な愚痴本”は、世の中に違和感や立ち行かなさを感じている人々に、そっと寄り添う一冊となっている。
(真島加代/清談社)

松さや香(まつ・さやか)
東京都生まれ。日台ハーフ。29歳のとき若年性乳がんに罹患し、治療中に編集者、国際線客室乗務員を経験し、現在寛解。ブログやコラムを連載し、著書に『彼女失格 恋してるだとか、ガンだとか』(幻冬舎)、『女子と乳がん』(扶桑社)がある。

海老蔵&麻耶の「再婚間近」報道 確証なくても記事にされてしまう歌舞伎役者の事情とは?

 2017年6月に妻である小林麻央さん(享年34)を失った市川海老蔵(40)。近頃は週刊誌などを中心に、麻央さんの姉である小林麻耶(38)との再婚が近いのではないかと報じられることが多い。とある週刊誌記者は、こうした報道について以下のように話す。

「“麻耶ママ”が海老蔵と麻央さんの間にできた2人の子どもの世話をしていることもあり、海老蔵と麻耶の距離が近いのは事実。しかし、2人が恋愛関係にあるという情報は聞こえてきません。週刊誌の記事としても、“ひいき筋が2人の再婚を願っている”といった内容で、なんとも煮え切らないものが多い印象です。少なくとも現時点では“ガチネタ”とは言い難いものだと思いますね」

 海老蔵と麻耶が交際しているという証拠はなく、いわば“交際してほしいと思っている関係者がいる”だけの状態なのだ。

「普通なら、これくらいのネタは記事になりませんよ。願望や妄想がだいぶ入っていますからね。それでも誌面を賑わせているのは、歌舞伎役者という特別な存在であるからでしょう」(同)

 週刊誌やワイドショーでは、歌舞伎役者の熱愛スキャンダルが頻繁に取り上げられる。それには理由があるというのだ。

「普通の芸能事務所に所属している芸能人の場合、出版社やテレビ局と事務所の付き合いなんかもあって、なんでもかんでもスキャンダルが報じられるわけではない。でも、歌舞伎役者の場合は、芸能事務所に入っていない人も多いので、マスコミとしてもしがらみがなく、どんどん報じてしまうんです。芸能事務所に入っている歌舞伎役者の場合は例外ですけどね。いずれにしろ、芸能界の力学が働きにくいから、歌舞伎役者のスキャンダルは多いんです」(同)

 さらに、歌舞伎界の古くからの習わしも影響しているという。

「歌舞伎の世界では色恋は芸の肥やしになるし、結婚していても愛人がいるのが当たり前と言われています。公演のチケットを売ってもらうために、日本全国に愛人を置いている役者も少なくないですしね。熱愛スキャンダルを受け入れる文化があるので、マスコミも気兼ねなく報じられるんです。週刊誌も海老蔵でなければ、麻耶との“結婚願望記事”なんて載せませんよ」(同)

 歌舞伎役者は、“スキャンダルを報じられることも含めて人気商売”といったところなのかもしれない。

かつてのワルが“立派な人”に!? 海老蔵への「世間の視線」に違和感を覚えるワケ

 かつては暴力事件や隠し子騒動など“ワル”な一面でマスコミを騒がせた市川海老蔵。しかし、最愛の妻・小林麻央さんとの結婚や、彼女の闘病生活と喪失を経て、すっかり“立派な人”に。あらゆる心の内を片っ端から吐露する海老蔵のブログは、依然として注目を浴び続けている。しかし、このような社会現象に必ずしも同調できない人もいるのではないだろうか? では、その違和感とは一体どこから来るのか? 『この国の息苦しさの正体 感情支配社会を生き抜く』(朝日新聞出版)の著者であり、精神科医として多数の著書を手がける和田秀樹先生に問うてみた。

■自身の人間性を疑われそうなことは、率直に言いにくい

 まず、和田先生によると、嫉妬には“ジェラシー”と“エンビー”の2種類あるという。自分より優れている人を前に「負けてたまるか」と自分自身を奮い立たせるプラスの嫉妬が“ジェラシー”。一方、その人をおとしめようと図ったり、誰かに容赦なく攻撃される姿を見て快感を覚えるなど、マイナスの嫉妬が“エンビー”だ。

 それを踏まえて、海老蔵に向けられている違和感は、次の2つの心理に基づくという。

「ひとつは“エンビー”を抱く人による違和感です。かつて隠し子報道などもあったように、海老蔵氏は過去にさんざん遊んでいた。また、おそらく今後も、さまざまな人からもてはやされることでしょう。海老蔵氏本人が何か特別にいいことをしたわけでもなく、ましてや真に改心したかもわからない。それなのに麻央さんの一件で同情される対象になることに、不快感を覚えるのです。

 もうひとつは“エンビー”を抱かない人による違和感です。もともと海老蔵氏を嫌っていた人が『遊び人だったくせに、今頃いい顔しやがって』と言いづらくなっている。自身の道徳観に反した同調圧力に対するストレスです。“空気を読む”ことが日本では美徳とされますから、自身の人間性を疑われそうなことは率直に言いにくい。そんな違和感は、比較的“正常”なものだと私は考えています」

 日本人には、かつて不良だった人が逆境を越えて“いい人”になる成長物語を好む傾向があるという。

「古くは『義経記』の書かれた室町時代から“負けてる方の肩を持つ”気質が日本人の国民性にあります。学歴詐称していた田中角栄や、暗黒時代の阪神タイガースもしかり。負けの美学が、日本人のメンタリティに根づいているのです。

 また真逆のケースで、“優等生からの転落”も大きく取り上げられる。最近では政治家・豊田真由子氏なんて最たるものですね。でも彼女にしても、優等生であることが悪いのではない。彼女が感情のコントロールをできなかったことに、深刻な問題があります。

 しかし、日本人は批判するとき、不良や優等生といった本人の経歴に絡める傾向があますね。結局のところ、多くの日本人には反優等生感情とともに、自身の学生時代には先生に反抗できなかったためか、不良に対する憧れがある。そんな人々が不良の成長を応援する一方で、優等生の失脚を『ざまあみろ』と批判するのです」

 海老蔵は、すっかり多くの人に同情される対象となった。しかし、本当に妻を思う人が、あれほどあけすけに、妻の病や死をブログに綴るだろうか?

「海老蔵氏のブログの内容は、(あまりにも私生活を公にしすぎており)旧来の日本人の美学には反するもので、炎上するのもやむを得ないでしょう。日本におけるインターネット社会は、現代の感覚では信じられないほど、昔の“ムラ意識”を引きずっていますから。

 僕自身もすごく不思議なのですが、ネットを“自分が正義の味方になる場”と捉える人は、ずいぶん多いですね。言われた側の心情なんて全く気に留めず、正論を振りかざし自己陶酔する。無論、海老蔵氏がそうとは限りませんが」

 情報の発信者も受け手も陥りかねない、ネットの闇である。では、海老蔵に対して、「ブログは金儲け目的だろう」と、受け手がひねくれた見方をしてしまうのはなぜなのか?

「大多数の人が、自身の生活に対して不満をくすぶらせているのが現状です。格差社会化に伴った、貧困の深刻化や非正規雇用者数の増加が原因のひとつです。個人の心がけだけでは、エンビーがまん延する状況は変わりません」

 やり場のない不満のはけ口を、常に探し求めている。そんな“弱い”立場に置かれた人々にとって、今回の一件を機にさらなる人気を集め、活動を広げていくであろう海老蔵は「ムカつく」存在なのだ。だからこそ、批判の標的や違和感の原因になるのだろう。
(門上奈央)

和田秀樹(わだ・ひでき)
東京大学医学部卒、精神科医。国際医療福祉大学大学院教授、川崎幸病院精神科顧問、和田秀樹こころと体のクリニック院長。また映画監督の顔も持つ。『この国の息苦しさの正体 感情支配社会を生き抜く』(朝日新聞出版)ほか著書多数。

ローラの独立・洗脳記事で浮上した、芸能事務所の“嫌がらせ”とマスコミの共犯関係

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 『報道ステーション』(テレビ朝日系)と時事通信の世論調査で、安倍政権の支持率が30%を割った。他調査でも軒並み30%台となっているが、第二次安倍政権発足後、初めての事態だ。秘密保護法、集団的自衛権、安保法制、そして森友、加計学園問題、そして憲法改正。こうした民主主義国家とは思えない恐ろしい独裁体制に、ついに楔が打ち込まれるのか。これからが正念場だ。

第373回(7/13~18発売号より)
1位「ローラ 事務所独立騒動のウラに心酔する大物デザイナーのカゲ」(「週刊女性」8月1日号)
2位「市川海老蔵 『治療費3千万円は払わない!』」(「女性自身」8月1日号)
3位「松居一代がひた隠す『7つの嘘』」(「女性セブン」7月27日号)

  またしても、そうくるか。それが「週刊女性」のローラ独立、洗脳記事だ。

 ローラの事務所独立話が急浮上している。その発端は6月、Twitterでローラが事務所への不信感とも思えるつぶやきをしたことだが、その後、次々と浮上したのがローラへのネガティブとも思えるマスコミ情報だった。いわく、ローラが事務所との金銭トラブルを抱えている、レギュラー番組がゼロ状態に、CMのオファーが出せず広告業界困惑――などなど。

 そして、満を持したように飛び出したのが「週女」の“洗脳”報道だ。記事によれば、ローラは世界的に有名なデザイナーであるマッシモ・ジョルジェッティに心酔し、「彼の意見を聞いてから何もかも決めている」「彼の意見をいちばん尊重する」。そのため「事務所は彼女をコントロールできなくなっている」だって。毎度毎度、よくぞこうしたネタを仕入れてくるものだ。

 独立騒動とタレントの洗脳問題を関連づけ、セットにしてバッシングを行う。それはタレントの独立問題を抱えた芸能事務所の“常套手段”となってしまったようだ。

 その筆頭が、のんこと能年玲奈の洗脳、芸能界引退危機“干され”事件だ。女性演出家に洗脳され、事務所に不満を募らせた。こんなストーリーで事務所の処遇に不満を持ったのんを追い詰めていった。そういえば、「週女」はこの“のん洗脳報道”も熱心にやっていた。

 のんだけではない。安室奈美恵、江角マキコ、清水富美加など、さまざまに状況は違うとはいえ、事務所と関係が悪化したり、独立を画策しようとすると、巻き起こる洗脳騒動。それは中島知子問題以降、顕著になったと思われる現象だが、事務所にとっては“自分たちはあくまで被害者だ”と主張できる都合のよいものであり、また御用マスコミにとってはセンセーショナルで“おいしい”ネタなのだろう。独立しょうとするタレントへの、巧妙で効果的な“嫌がらせ”である。

 だが、そんな苦境に立たされているタレントたちに一筋の光明が。それは公正取引委員会が、タレントの移籍を制限することは独占禁止法に抵触するとして、調査を開始することだ。そうなればSMAP問題も含めて、これまで悪辣なやり口でタレントを縛り、独立を阻止し、そして干してきた芸能事務所の問題が“社会問題”として大きく浮上する可能性が高い。

 だが、大きな問題がひとつ。これまでブラックな芸能事務所と結託し、そのご機嫌を伺い、事務所からのリークによって独立タレントのネガティブ報道を繰り返してきた“共犯関係”にある芸能マスコミが、果たして公取委の調査結果をきちんと報じることができるのか。今後、公取委による芸能史上初の“メス”の結果とともに、各マスコミの報道にも要注目だ。

 日本中の涙をさそった小林麻央の衝撃の訃報。現在でも夫の市川海老蔵、そして2人の幼い子どもたちの健気な姿、一挙手一投足が大きな話題になっているが、そんな中、一部マスコミが報じたのが「空白の1年半」問題だ。

 当初、麻央にしこりが見つかったが、がんは見過ごされ、その後の検診も遅れた。さらに8カ月後の検診でがんが見つかったが、温存を望んだ麻央は手術をせず病院を去った。そして海老蔵が会見で麻央のがんを発表するまでの1年半が“空白”となっている。

 これについて、乳がん患者や専門家がさまざまな意見を発しているが、「女性自身」によれば、その間、海老蔵と麻央は「最先端治療から“スピリチュアル”な治療まで、ありとあらゆる方法を模索し」たという。

 だが、記事には衝撃の記述が。こうして試行錯誤を重ねた末たどり着き、昨年7月に転院した病院の治療方針に対し、現在でも海老蔵が不信感を抱いているというのだ。そして納得いく説明があるまで、治療費3千万円の支払いを止めているという。

 本当か!? もし本当だとしたら、その結果は是非知りたいと思う。これまでのさまざまな臆測を払拭し、また乳がんと闘っている人々にとっても有益な情報になると思うから。海老蔵も、納得がいくまで、頑張れ! 本当の“家族たちの今後”のためにも。

 松居一代騒動は、いまだ多くの人々を楽しませている。他人の不幸はうれしいんだろうな。そして松居と夫・船越英一郎の離婚調停を“文春砲”と同時にスクープした「女性セブン」が、「週刊文春」(文藝春秋)報道の“舞台裏”を暴露している。

 松居は当初「文春」と組んで不倫の証拠を掴むため、女性記者とハワイへ飛んだ。しかし、あまり証拠が出ないので記者は先に帰国。松居の話は単なるうわさ話で、松居による不倫告発記事は無理だと判断、決裂に至ったらしい。さらに、松居が主張する「1年5カ月の尾行」に関し、「文春」は「セブン」の取材、尾行ではないか、との質問状を「セブン」編集部に出す。それに対し「セブン」は全否定。そもそも「セブン」はこの間、何度も松居に直接取材していたと主張。こうしたマスコミ裏話、大好きです。

ローラの独立・洗脳記事で浮上した、芸能事務所の“嫌がらせ”とマスコミの共犯関係

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 『報道ステーション』(テレビ朝日系)と時事通信の世論調査で、安倍政権の支持率が30%を割った。他調査でも軒並み30%台となっているが、第二次安倍政権発足後、初めての事態だ。秘密保護法、集団的自衛権、安保法制、そして森友、加計学園問題、そして憲法改正。こうした民主主義国家とは思えない恐ろしい独裁体制に、ついに楔が打ち込まれるのか。これからが正念場だ。

第373回(7/13~18発売号より)
1位「ローラ 事務所独立騒動のウラに心酔する大物デザイナーのカゲ」(「週刊女性」8月1日号)
2位「市川海老蔵 『治療費3千万円は払わない!』」(「女性自身」8月1日号)
3位「松居一代がひた隠す『7つの嘘』」(「女性セブン」7月27日号)

  またしても、そうくるか。それが「週刊女性」のローラ独立、洗脳記事だ。

 ローラの事務所独立話が急浮上している。その発端は6月、Twitterでローラが事務所への不信感とも思えるつぶやきをしたことだが、その後、次々と浮上したのがローラへのネガティブとも思えるマスコミ情報だった。いわく、ローラが事務所との金銭トラブルを抱えている、レギュラー番組がゼロ状態に、CMのオファーが出せず広告業界困惑――などなど。

 そして、満を持したように飛び出したのが「週女」の“洗脳”報道だ。記事によれば、ローラは世界的に有名なデザイナーであるマッシモ・ジョルジェッティに心酔し、「彼の意見を聞いてから何もかも決めている」「彼の意見をいちばん尊重する」。そのため「事務所は彼女をコントロールできなくなっている」だって。毎度毎度、よくぞこうしたネタを仕入れてくるものだ。

 独立騒動とタレントの洗脳問題を関連づけ、セットにしてバッシングを行う。それはタレントの独立問題を抱えた芸能事務所の“常套手段”となってしまったようだ。

 その筆頭が、のんこと能年玲奈の洗脳、芸能界引退危機“干され”事件だ。女性演出家に洗脳され、事務所に不満を募らせた。こんなストーリーで事務所の処遇に不満を持ったのんを追い詰めていった。そういえば、「週女」はこの“のん洗脳報道”も熱心にやっていた。

 のんだけではない。安室奈美恵、江角マキコ、清水富美加など、さまざまに状況は違うとはいえ、事務所と関係が悪化したり、独立を画策しようとすると、巻き起こる洗脳騒動。それは中島知子問題以降、顕著になったと思われる現象だが、事務所にとっては“自分たちはあくまで被害者だ”と主張できる都合のよいものであり、また御用マスコミにとってはセンセーショナルで“おいしい”ネタなのだろう。独立しょうとするタレントへの、巧妙で効果的な“嫌がらせ”である。

 だが、そんな苦境に立たされているタレントたちに一筋の光明が。それは公正取引委員会が、タレントの移籍を制限することは独占禁止法に抵触するとして、調査を開始することだ。そうなればSMAP問題も含めて、これまで悪辣なやり口でタレントを縛り、独立を阻止し、そして干してきた芸能事務所の問題が“社会問題”として大きく浮上する可能性が高い。

 だが、大きな問題がひとつ。これまでブラックな芸能事務所と結託し、そのご機嫌を伺い、事務所からのリークによって独立タレントのネガティブ報道を繰り返してきた“共犯関係”にある芸能マスコミが、果たして公取委の調査結果をきちんと報じることができるのか。今後、公取委による芸能史上初の“メス”の結果とともに、各マスコミの報道にも要注目だ。

 日本中の涙をさそった小林麻央の衝撃の訃報。現在でも夫の市川海老蔵、そして2人の幼い子どもたちの健気な姿、一挙手一投足が大きな話題になっているが、そんな中、一部マスコミが報じたのが「空白の1年半」問題だ。

 当初、麻央にしこりが見つかったが、がんは見過ごされ、その後の検診も遅れた。さらに8カ月後の検診でがんが見つかったが、温存を望んだ麻央は手術をせず病院を去った。そして海老蔵が会見で麻央のがんを発表するまでの1年半が“空白”となっている。

 これについて、乳がん患者や専門家がさまざまな意見を発しているが、「女性自身」によれば、その間、海老蔵と麻央は「最先端治療から“スピリチュアル”な治療まで、ありとあらゆる方法を模索し」たという。

 だが、記事には衝撃の記述が。こうして試行錯誤を重ねた末たどり着き、昨年7月に転院した病院の治療方針に対し、現在でも海老蔵が不信感を抱いているというのだ。そして納得いく説明があるまで、治療費3千万円の支払いを止めているという。

 本当か!? もし本当だとしたら、その結果は是非知りたいと思う。これまでのさまざまな臆測を払拭し、また乳がんと闘っている人々にとっても有益な情報になると思うから。海老蔵も、納得がいくまで、頑張れ! 本当の“家族たちの今後”のためにも。

 松居一代騒動は、いまだ多くの人々を楽しませている。他人の不幸はうれしいんだろうな。そして松居と夫・船越英一郎の離婚調停を“文春砲”と同時にスクープした「女性セブン」が、「週刊文春」(文藝春秋)報道の“舞台裏”を暴露している。

 松居は当初「文春」と組んで不倫の証拠を掴むため、女性記者とハワイへ飛んだ。しかし、あまり証拠が出ないので記者は先に帰国。松居の話は単なるうわさ話で、松居による不倫告発記事は無理だと判断、決裂に至ったらしい。さらに、松居が主張する「1年5カ月の尾行」に関し、「文春」は「セブン」の取材、尾行ではないか、との質問状を「セブン」編集部に出す。それに対し「セブン」は全否定。そもそも「セブン」はこの間、何度も松居に直接取材していたと主張。こうしたマスコミ裏話、大好きです。

小林麻央さんの死に対して、感情移入する人とできない人の心理とは?

 市川海老蔵の妻・小林麻央さんの死去から2週間がたとうとしているが、全国的に広がっている悲しいムードが収束する気配はない。ネットには彼女の死を悼む書き込みが大量になされ、お悔やみの言葉があふれている。家族でも友人でも知り合いでもない人が、その思いを公の場に書き込むのは、なぜなのだろうか? また、反対に彼女の死に感情移入できない人は、書き込む人と何が違うのだろうか? 『なぜ心を読みすぎるのか みきわめと対人関係の心理学』(東京大学出版会)の著者で、東京大学大学院人文社会系研究科(社会心理学)の唐沢かおり教授に話を伺った。

 唐沢教授によると、人は、生活が詳細に報道される芸能人などの著名人に対して、心理的なつながりを持ち、一時的にせよ、自分の家族や大切な人のように見なすことがあるという。また、心理的なつながりゆえに、自分の気持ちを伝えようとネットに書き込みを行うので、同じ思いを持つ人々が互いの存在を確認し合うコミュニティが形成されるそうだ。

「今回のケースですと、以前からネットメディアや麻央さんのブログを通じて彼女の情報を得ていた人が、その情報源であった場所に、彼女を失った悲しみを書き込んだのでしょう。同じように書き込んでいるコミュニティ仲間と共感し、一緒に喪に服すことで自分の思いを再確認している人も多いのではないでしょうか。

 また、多くの人が関心を持つ、死に至る大病であるがんが原因だったことも大きいと思います。麻央さんは、その状況に立ち向かい闘病した、シンボリックな存在になったのでしょう。ひとつのモデルケースとして意味付けられたが故に、大きな反応が起こったのです」

 では、ネットに麻央さんへのお悔やみを書き込む人と書き込まない人の違いは、何なのだろうか?

「人は、自分と関わりの強いニュースを無意識に選んでいます。麻央さんへのお悔やみを書き込んだ人と書き込まなかった人の間には、個人の心の優しさの違いではなく、その人自身にとっての“麻央さんの存在の大きさの違い”があるでしょう。つまり彼女が自分にとって、ひとりの元アナウンサーなのか、『この私が関心を持って見続け、共感し、死を悼んだ、同じ時を生きたひとりの女性』なのかの違いです」

 一方、麻央さんの死に感情移入できず、逆に世間のムードに違和感を覚えてしまう人もいる。それは、いったいどういう心理なのだろうか? 

「そもそも、最初からそれほどこのニュースに関心を持っていなければ感情移入しません。また、ニュースを追っていたとしても、過剰にプライベートが公開されていると感じたり、ほかにも頑張っている患者さんが多数いるにもかかわらず、なぜ特定のこのケースだけがメディアに取り上げられるのか疑問に思えば、感情移入がブロックされる場合もあります。

 当然のことながら、人は多様ですし、感情移入の仕方自体にも大きな個人差があります。ですから結局のところ、感情移入できるできない、違和感を抱く抱かないの違いを示す、明確なただひとつの答えはないと言わざるを得ません。ただ、自分と環境が似ている人に対しては感情移入しやすいので、たとえば麻央さんと同じように姉妹を持つ人などは、強い思いを抱くかもしれません。

 今回のケースは、家族や近しい人の死を悲しめない、ということとは全く異なります。このニュースに感情移入できなくても、『自分は冷たくてドライな人間だ』などと思う必要はありません」

 先日、海老蔵が麻央さんのブログを英訳すると発表。英訳版には英語のコメントも書き込まれ始めた。今後、悲しいムードが世界的なものになっていくかどうかはわからないが、ネットに麻央さんへの思いを書き込む人と、この件に関して感情移入できない人、どちらも決して批判されるべきものではないだろう。
(C.FUJII)

唐沢かおり(からさわ・かおり)
社会的認知を専門とする社会心理学者。University of California, Los Angeles(Ph.D)、京都大学大学院文学研究科博士後期課程、名古屋大学大学院環境学研究科助教授などを経て2010年より東京大学大学院人文社会系研究科教授。『なぜ心を読みすぎるのか みきわめと対人関係の心理学』(東京大学出版会)ほか著作多数。