『花酔ひ』(文藝春秋)
■今回の官能作品
『花酔ひ』(村上由佳、文藝春秋)
若い知人の結婚報告を聞いていると、ハラハラすることがたびたびある。なぜなら、「結婚」というイベントに参加するような感覚でいるから。ブライダル雑誌のテレビCMを見ていても、同じような気持ちが湧いてくる。確かに結婚式で花嫁は、純白のドレスを着て、大勢の人々に祝福され、その日だけは主人公になることができるわけだが、若い女たちにとって、結婚とは「学園祭のヒロイン」に抜擢されることと近い感覚なのでは、と錯覚してしまうのだ。
結婚というものは一過性のものではない。パートナーとして選んだ男との人生は、離婚しない限り一生続く。ドレスを着て皆に祝福されたその先には、「どちらかが死ぬまで相手を愛し続けなければいけない」という人生が待っている。それはセックスも同じ。今の日本では、「結婚したら、パートナーとのセックスだけで満足し続けなければならない」ということになっている。しかし、果たして本当にそんな人間など存在するのだろうか。たいていの夫婦は、妥協してセックスを行事化したり、いつの間にかセックスレスになってしまうのではないだろうか。









