『エロスの記憶』(文藝春秋)
■今回の官能小説
『いれない』(石田衣良、『エロスの記憶』より)
挿入することだけがセックスではない。それ以外にも、快楽を得る方法は無数にあるし、挿入での快楽にこだわりすぎると、体位などに気を取られたりして、かえって快楽から遠のいてしまうこともある。恋人同士のセックスであれば、挿入以上に、愛撫されることで女性は感じることも多いだろう。セックスという行為そのものに囚われてはいけない。セックスを「しない」ことを選択することによって、心を強くつなぐことができることも、また大きな視野で捉えると、「セックスの魅力」と言えるのかもしれない。
今回ご紹介する『エロスの記憶』(文藝春秋)は、9作の短編が収録されているアンソロジーだ。小池真理子、桐野夏生、村山由佳などの第一線で活躍している9人の作家が名を連ねている。収録作品全てに共通しているのが、セックス以外の方法で感じ合う男女たちの物語だ。








