『娼年』(集英社)
ランニングをして体に負荷をかけることが快感だと思う人もいれば、「ただの苦痛でしかない」という人もいるように、セックスを愛する相手と快感を求め合う行為ではなく、“性欲の処理”とだけ捉えている人もいるのではないだろうか。若者がセックス離れしているといわれる昨今、特定の恋人はいるけれど、性欲は自慰で解消する……という人も少なくないという。
確かにセックスは日々蓄積する性欲の解消、そして子を作るための行為ではある。しかし、人と人とが、一糸まとわぬ姿で獣のように“欲求を満たす”という摩訶不思議な行為には「この人の彼氏になりたい」「この人のことをもっと知りたい」など、言葉では説明できない思いが錯綜している。それに気付くと、セックスという行為は何にも代え難い、稀有で魅力的なコミュニケーションになるのだ。









