被害者でいたいという自己愛が強い、「婦人公論」の嫁姑特集

<p> 前号において、“夫婦問題は解決しない”という斬新な解決方法を提示してくれた「婦人公論」(中央公論新社)。あれからまだ2週間しかたってないのに、またまた濃い人間関係を持ち出してきました。今号のテーマは「かくも恐ろしい、今どきの嫁姑バトル」。考えてみれば「婦人公論」世代は、嫁であり姑であるという複雑な役割を抱えている人も多い。ここでは一体どちらの立場を語るのか、気になるところです。</p>

「steady.」読者を結婚から遠ざける、「男を追い詰めるべからず」という教訓

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「steady.」2013年8月号/宝島社

 今月の「steady.」(宝島社)は、何カ月も前から「結婚するよするよ!」と喧伝してきた優木まおみさんの結婚式の模様をどこよりも早く掲載しています。結婚式はハワイ島、しかもジューンブライド、入場の際は花嫁自ら友達とダンスをして登場し、参列者をサプライズでもてなしたりと、もう絵にかいたような結婚式。なんだか、優木さんの元来の真面目さがうかがえる結婚式でした。優木さんは、結婚式で海外を訪れた今月も、「steady.」やその他雑誌でのモデル仕事、テレビのレギュラーもこなすなどフル稼働。優木さんのがんばり屋さんっぷりには頭が下がる思いです。

<トピック>
◎蝶々の「なでしこの現代お作法指南」
◎バカリズムの「男RHYTHM」
◎錯視マジックで着やせ☆夏の大作戦!

■揺れる「結婚を迫る、迫らない」問題

 今月は、蝶々さんの連載「なでしこの現代お作法指南」から見ていこうと思います。今月で最終回を迎えるとのことで、テーマは「男子を立てて、受け止めて、癒してあげる? これからのなでしこのあり方」となっています。まあ、女子向けのコラムにはよく出てきそうテーマですが、1つだけ「おっ」と思ったのは、「今の若い男の子たちって“男として、生身の女の子と、ナチュラルに男っぽく生きる!”ってこと自体が、なかなか大変なの」という部分。蝶々さんによると、学生時代にはけっこうイケてた男の子も、社会に出てサバイバルしなければならない状態になると、美人でも要求の強い女子に対してエネルギーを割くことができず、「だったら1人の方が全然いい」と思うようになるとのこと。なので、男の子に「デートの企画は? 電話は?」と追いつめるのはよくないと警鐘を鳴らします。むろんこれは、女性が男性に結婚を迫るのもよくないということです。

 昔は、「彼女に外堀を埋められて、結婚を決めました!」なんて冗談めかしていう男性は結構いましたが、最近はそういう話をとんと聞かなくなりました。むしろ、「彼女のことは好きだけど、締め付けが強すぎて……」という愚痴をよく聞きます。最近は、結婚に希望を抱きすぎている20代の女の子が多いのかもしれません。結婚をあきらめてしまったアラフォーを見て「あぁはなりたくない!」と思っているだろうし、恋愛の経験値が低いゆえに男性にまだまだ希望を抱いているだろうし……それゆえに結婚願望が強くなり、男性に結婚を迫りがちになっていると考えられます。

 とはいえ蝶々さんの言うように、「男を癒やして、支えて」を徹底することで、男性に「こいつと一緒にいると、心身が癒やされる」と思われればいいですが、お互いに空気のような存在になってしまうと、結婚には至らずじまいになる可能性もあります。その言いつけを守ったいい子ちゃんである「steady.」読者が、数年後、「長年付き合っているのに、彼氏が結婚を言い出さない……」とモヤモヤする姿が目に浮かぶのですが……。結婚を迫るのも、迫らないのも正解とは言えませんし、答えは、それぞれの関係の中にしかないんでしょうねえ。

■バカリズム連載に感じた、モテテクの限界

 芸人・バカリズムさんの「男RHYTHM」も見ていきましょう。バカリズムさんは、『架空OL日記』(小学館)という「架空のOLになりすまして日記を書く」という著書の持ち主。最初は身内を笑わせたいと、正体を明かさずに面白半分で書いていたそうですが、いつしかOL女性に共感されるように。もともと、女子のなんでもない話を聞いているのが好きなタイプだったとのことで、女性に対して鋭い洞察力を持っているようです。バカリズムさんの前では、ありきたりな女の子のモテテクはすぐに見抜かれてしまいそうですね。

 そんなバカリズムさんが、今月号で語った「僕が個人的に好きな女性の仕草や行動」が、結構意外なものでした。バカリズムさんは、「なかなかこちらの好みに合わせてくれない感じ」の女の子が好きだそうで、例えば、「ショートカットが好きで、それを伝えてもなかなかショートにはしてくれないけど、ある日、それを諦めた頃に突然ショートにしてしまう」そんな女の子に惹かれるのだとか。

 多くのモテバイブルには、「男性の好みに柔軟に合わせられることが重要」とよくありますが、実際のところ、「従順だとなめられやすい」というマイナスの面も否定できません。バカリズムさんのように、「わかりにくさ」が良いとされることもあります。

 しかし、また別のモテバイブルには、とにかくその瞬間瞬間に好意を寄せられたいなら、「人に合わせない」「心情がわかりにくい」小悪魔キャラが利くけれど、本命視されたいなら「人に合わせる」「心情がわかりやすい」ことを男性にアピールすることも重要だと書いてありました。結局のところ、これもさっきの結論と同じく、答えは、その時々や相手によって違うということなのでしょう。

 と思っていたら、「錯視マジックで着やせ☆夏の大作戦!」という特集ページが。錯視学の権威の教授を引っ張り出して、やせコーディネートを徹底的に紹介しています。恋愛も対人関係も正解が見えにくい現実世界においては、臨機応変に柔軟な対応が求められますが、その分大きな不安に苛まれることも多々あります。それよりも、数値を示してくれたり、その道の権威が「正解はこれですよ」と言ってくれる方が、ただでさえ人間関係に敏感すぎる「steady.」読者は、安心するのでしょうね。
(芦沢芳子)

夫に期待せず、自らの努力でイライラ解消! 「VERY」の息苦しいポジティブさ

<p> 先月までは「妻だけED」だの「専業主婦問題」だのが誌面をにぎわせ、さながら「婦人公論」(中央公論新社)のようだった「VERY」(光文社)。しかし、今月は雰囲気がガラっと変わっています。育児書をみんなで回し読みしようという企画「子育てバイブルは回し読み」や、滝沢眞規子さんの連載「お受験の隣で、新聞読み始め」など、自己を啓発する内容が目立ちます。そんな今号の冒頭の特集は「いつだって“機嫌のいい奥さん”でいる秘訣」です。</p>

ユニクロ、しまむら大活用「日経ウーマン」ファッション特集は、やっぱりダサかった

<p> 「日経ウーマン」8月号(日経BP社)、YOUによる脱力系口語体のリレーエッセイも今回が最終回です。「仕事も子育ても真面目に考えすぎるより“コント”だと思うほうがうまくいく」といういかにもYOUらしいメッセージは、果たして堅実かつ真面目な「日経ウーマン」読者に届いたのでしょうか。</p>

梅仕事&トイレ用ホーロー鍋、不要にコンプクレックスを刺激される「リンネル」生活

<p> 毎月読者に恨みでもあるかのように「これでもか!」と袋モノを付録にする「リンネル」(宝島社)。今月号はムーミンのシルバーチャームが付いた「スタディオクリップ×ムーミン リトルミイのごきげん保冷バッグ」です。キャラもの(版権料がかかる)+保冷バッグ+チャームで原価がどのくらいかかっているのかわかりませんが、お値段据え置き690円。すごいですね。</p>

「フ●ラが好きか嫌いか」の調査結果に大困惑、普通を求める「Ray」のH観

<p> 「Ray」(主婦の友社)8月号は、看板モデル・香里奈がカバーガールを務めています。白い花の冠をつけ、肩が大きくでた真っ白なワンピースを着る香里奈は、まるで花嫁のよう……。しかし、なぜか足元は白スニーカーという妙なファッションをしています。これがいわゆる、ちょい外しってやつでしょうか? 私の目には、どうにもお転婆アピールの失敗例にしか見えず。お転婆って一歩間違えると、空気の読めない人ですからね。</p>

「婦人公論」ならではの円熟味、夫婦問題は解決しないことこそ生きる知恵

<p> 今号の「婦人公論」(中央公論新社)、特集は「夫はなぜ、私をイラつかせるのか」です。「婦人公論」に登場する夫といえば、モラハラ、マザコン、浮気に経済DV、挙げ句の果てにセックスレスなど、「おもいッきり生電話」のみのさんであれば、「お嬢さん、別れちゃいなさいよ」と無責任に言い放つであろう産業廃棄物でおなじみ。今さら「なぜ」を突きつけることこそ、なぜ? まさか解決方法を模索し、夫婦として和解の道を歩もうとしているとか……? 愚痴や不満は垂れ流せど、だからといって特に行動は起こさない。問題先送りガールズである「婦人公論」読者が、自分たちのイライラ更年期の元凶である「夫」という生き物に向かい合い、見えてくるものとは一体なんなのでしょうか。</p>

“結婚しても女をキープ”で読者をさらに追いつめる「CLASSY.」の鬼畜っぷり!

<p> 「CLASSY.」(光文社)女子、それは現代に蘇った侍。侍ジャパンより過酷な、“イイ男との結婚”という命を背負い、巻き髪とピンヒールを武器に婚活市場を往く、それはそれは孤独で無頼なオンナたちです。いつどこで広告代理店勤務男と出会うかわからないと24時間365日気を抜くことが許されない彼女たちにとって、最もつらいのがこの季節。湿度ジメジメ、温度アゲアゲ、これではせっかくのメイクやオシャレも台無しです。そこで、今月の特集は「夏のオシャレは『ゆとり』がなくちゃ!」。筆者、リードのこんな書き出しに心を鷲掴みにされました。「毎年、夏が来るたびに思いますよね。『夏ってこんなに暑かった?』」……てっきり「はるかな尾瀬」でも思い出すのかと思ったら、「夏は暑い」でしたよ! 原点! この特集、いつもがんばる侍クラッシィズたちに「夏ぐらい楽しちゃいなよ」というご指南ですが、もちろんコンサバ心と男ウケ体制あっての楽チンですのでご注意を。</p>

こじらせ女子メーカー「an・an」が、実体なき“モテるアラサー女子”を喧伝!

<p> 今号(6/26発売)の「an・an」(マガジンハウス)の特集は「大人の恋の育て方」。「アラサー女子必読」「プライドと思いこみを捨てれば、あなたの恋は必ずかなう」と表紙からすでに前のめりです。「アラサー×恋愛」というと、とにかく「結婚」の2文字がつきもの。ただし今回の特集では、「結婚相談所の進化」などのコーナーはあるものの、あまり結婚は重視されていません。重きを置かれているのはその前段階、「恋を始める」「恋を育てる」こと。つまり、「彼氏を作ろう」特集なわけです。</p>

投資&年下男! バブル世代を煽りまくる「婦人公論」の罪

<p> お金。それは人生に安定とチャレンジを与えてくれる、かけがえのないもの。しかし「マネー・メイクス・ミー・クレイジー」と浜田省吾先生も歌っていますように、取り扱いを間違うと途端に牙を剥いてこちらに襲い掛かる、恐ろしい生き物でもあります。さて今号の「婦人公論」(中央公論新社)、特集は「アベノミクスでわが家はどう変わる? いま、お金を増やす人、減らす人」。最近の「婦人公論」は「老後の不安は金では解決できない!」と言ったかと思えば、「げに恐ろしきは女の貧困……」と囁いたり、持ってるっちゃあ持ってる「婦人公論」読者に揺さぶりをかけています。確かに、ちょっと上世代を見れば息子じゃない息子からの「助けて~」に平気で何百万もブッこんでいますし、下世代を見れば夢も希望もないカツカツの生活に悲鳴を上げている人の多いこと……。アベノミクスは、バブルの残滓を引きずるやっかいな40代にとってのアッシー・メッシー・ジュリアナトーキョーとなり得るのでしょうか。</p>