97歳の看護師に104歳の理容師! 「婦人公論」90代でも働く高齢者に見るツライ将来

 前回から月刊化した「婦人公論」(中央公論新社)の3月号が発売になりました。特集は「ひとり老後、楽しく自由に最後まで」。久本雅美、水前寺清子、芳村真理、かたせ梨乃など、おひとり様界のスターが明るい老後生活を語っています。

 芳村の「この年齢になって人のことで頭を悩ませるのはバカバカしいわよ」、かたせの「自分の時間をすべて自由に使える」など、心強い言葉の多い今号。さっそく中身を見ていきましょう。

<トピックス>
◎「60代以上おひとり様」のリアルお財布事情
◎池田きぬ「97歳の現役看護師、まだまだ皆さんの役に立ちたい」
◎読者体験記 独居のヒソカな愉しみ

リアルで怖い高齢者のお財布事情

 最初に見ていくのは、特集「ひとり老後、楽しく自由に最後まで」の中の、読者アンケート「『60代以上おひとり様』のリアルお財布事情」です。60代、70代、80代以上と年代別に行ったアンケートで月収、1カ月の生活費、貯蓄額などの平均値が公開されていますが、この結果が怖い。

 60代では仕事をしている人が68%、平均貯蓄額は2158万円。80代以上になると仕事をしている人が0%になり、平均貯蓄額は652万円までダウンしていました。高齢になるとそれまでどおり仕事ができなくなるのは当たり前。しかし働けなくなったからといって生活費が安くなるわけでもない。つまり、貯蓄がどんどん減っていく……というリアルを数字で見せつけられます。

 80代以上の方々の収入は主に年金で、平均は月17万1,071円とのこと。1カ月の平均生活費は16万4,285円で、余裕があるとは言えなさそうです。

 今月号に登場し、明るい一人老後をインタビューで語るおひとり様界のスターたちは、みなさん一世を風靡した方々。彼女たちの平均貯蓄額、月収、生活費も教えてほしい……と感じました。それが読者アンケートと近い結果なのであれば、明るい老後に希望が持てます。ひとりの老後が楽しいのはお金の心配がない人だけなのか!? という疑いはなかなか晴れません。

“働く高齢者シリーズ”に97歳の看護師

 読者アンケートでは80代以上で働いている人は0でしたが、インタビューには97歳で現役看護師として働く池田きぬさん(三重県津市)が登場。

 昨年、エッセイ『死ぬまで、働く』(すばる舎)を上梓した池田さんは、太平洋戦争さなかの19歳のとき海軍施設で看護の仕事をスタート。現在はサービス付き高齢者向け住宅で週1~2回、半日勤務をしているそう。年上の入居者は3人だけ、あとは全員年下とのことで、老老介護を超えています。

 97歳で元気かつ自分でお金を稼げるとは超人的。笑顔でインタビューに応じたり、働いたりしている池田さんの姿は魅力的です。池田さんのような超人に憧れる人が増えれば、やがて人類は90代まで働くことを目標とし始めるのでは……、そうしたら年金受給年齢もさらに上がるのでは……、働くのが好きじゃない人はツライな……など、ぐうたらな身としては考えさせられます。

 ともあれ、「婦人公論」は元気に働く高齢者が大好き。昨年も90歳の絵本作家、90歳のフィットネスインストラクター、104歳の理容師など(いずれも年齢は当時)が登場していました。久本雅美が若者に見えるほど、登場する人の高齢化がどんどん進んでいますが、これからも新キャラ発掘は続くのでしょうか。

74歳ラッパーが示す、ラップと高齢者の親和性

 最後に見ていくのは、読者体験手記のコーナー。今月号のテーマは「独居のヒソカな愉しみ」で、採用されているのは2通。中でも、最近ラップにハマったという74歳のおひとりさま女性の手記がエキサイティングです。

 コロナでひきこもりがちだったこの女性は昨年8月、20代ラッパーと出会います。長年、短歌をたしなんでいたこともあり、ラップのリリックを書いてみたいという新たな夢を持ち、そのラッパーからレッスンを受けることにしたそう。

 ラッパーには「MC名」が付きますが、女性は「コールレイ」と自ら命名。その由来は「高齢」で、まもなく「凍る霊」になるから……とのこと。その尖ったセンスを生かし、どんどん上達していくコールレイ。20代ラッパーから「ラッパーとして見込みあり」とお墨付きを得たそう。「コールレイのお葬式でラップを捧げる」と約束を交わすほど、師弟愛を築いているコールレイ&20代ラッパー。

 楽しそうですね。言われてみればラップはお金もかからず、頭の体操、ストレス発散にもなる。高齢者におすすめの趣味と言えるかもしれません。

上沼恵美子「関テレさんのことは恨んでます。大嫌いです」……『怪傑えみちゃんねる』終了に「婦人公論」でいまだ恨み節

 「婦人公論」(中央公論新社)の11月24日号が発売になっています。特集は「めげない、折れない しなやかに生きる」。

 大変ざっくりとしたテーマですが、同誌によれば「年齢にかかわらず輝きを放つ人の生き方」には「しなやかに生きる」ヒントがあるとのことで、今号も数々のキラキラシニアが登場。

 特集冒頭には樹木希林さん、瀬戸内寂聴さん、田辺聖子さん、森光子さんらレジェンドの名言が散りばめられ、神々しい雰囲気です。さっそく中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎上沼恵美子 面白い人生ゲームを作るため苦労はいつも買って出た
◎研ナオコ “衝撃メイク動画”も自分らしさの延長です
◎鈴木保奈美 獅子座、A型、丙午。

上沼恵美子、関テレは「大嫌いです」

 「婦人公論」によれば、西の女帝・上沼恵美子も”しなやかに生きている”一員とのことで、上沼へのインタビュー記事「面白い人生ゲームを作るため苦労はいつも買って出た」が掲載されています。輝くアクセサリーなど派手な衣装の印象が強い上沼ですが、今回はボーダーにスカーフとカジュアルな装い。そして発言にも弱気な一面がのぞきます。

 コロナでお客さんの生の反応を感じられなくなったことが精神的に堪えたと言い、別居中の夫に励ましてもらったことを明かしているほか、25年続いた冠番組『怪傑えみちゃんねる』(関西テレビ)が昨年7月に突然終了してしまったことにも言及。終了の理由は週刊誌でさまざまに報じられましたが、それにも納得がいっていない様子で、「気力を取り戻すのに1年かかりました。白浜の家(註:別荘がある和歌山県南紀白浜)は5メートル先が海で、いつでも飛び込めたんですよ。でも『ここで死んだらアホやな。今は辛抱しよう』と」と、ショッキングな発言も。

 「関西テレビさんのことは恨んでます。大嫌いです」と言い切り、25周年記念でもらった社長賞のクリスタル製トロフィーは「かち割りました。勝手口にパーン! と叩きつけて」とのこと。上沼と関テレの溝はかなり深いようです。

 インタビューでは「年内にYouTubeで番組を始めようと計画してるんです」とも語っている上沼、YouTubeでそのあたりも忖度なしに語ってほしいです。

研ナオコがYouTubeで再ブレークできた訳

 次は研ナオコのインタビュー「“衝撃メイク動画”も自分らしさの延長です」。コロナを機にYouTuberデビューしたタレントが数多いる中、研は大成功したうちの一人。すっぴん&普段着で夫とマクドナルドのテイクアウトを食べるなど飾らない動画がウケて、チャンネル登録者数約17.1万人。“すっぴんから研ナオコに変身”するメイク動画は約500万回再生(11月16日時点)と話題になり、再ブレーク中です。

 「(メイク動画の後で)再生数がドカンと増えてびっくりしました。デビュー以来、自分でメイクをしているので、いつものやり方を披露しただけなのに……と思ったんですけど、すっぴんが衝撃的だったとか言われちゃって、そーいうことかと(笑)」「誰のメイクの参考にもなりませんよーって自信を持っていえますけどね」と分析し、どこが視聴者にウケたのかしっかり把握している、大物ぶらない感じも研の魅力なのかもしれません。

 「流行りのメイクではなく、ただひたすらに“研ナオコ”のメイクを探求してきました」と言い、「人生も同じような感覚で、自分の個性を重視して、山あり谷ありを乗り越えてきた気がします」と人生論につなげていくあたりは、さすが芸歴51年。

 上沼がYouTubeデビューした際には、コラボした“すっぴん→メイク動画”なんていかがでしょうか。

 最後に見ていくのは、鈴木保奈美の80年代風連載エッセイ「獅子座、A型、丙午。」。今回のタイトルは「おしゃれしたい秋」。

 最近、夜な夜なパリコレの動画を見ているというホナミさんは、ショーで披露されるファッションについて「そもそもそれ、お洋服と呼べるのか? 的なオブジェと化しているものも多くて、買って帰って着ましょう、って感じのものではない」、「なんというか、デザイナーとかそのブランドの、世界観? と表現して、発信? する場である、という意味合いみたいだ」と、世の中の大多数が存じている事象を発信。

 そういうショーを見て、ホナミさんは「人間ってアホやなあ」と人が愛おしく思え、やがて「毎日デニムばっかり穿いてちゃいかん」と気を引き締めるのだそうです。

 毎日デニム穿きがちという庶民派イメージを差し込みつつ、パリコレに人間愛まで感じるおおらかさ、おしゃれ心までくすぐられちゃう素直さ……など、ホナミさんの魅力がつまった素敵エッセイで、濃いメンツのインタビュー記事が続いた後の良いお口直しとなりました。

「VERY」が警笛、コロナ禍の「ていねいな暮らし」ブームのリスク! 「日々を工夫して楽しむ」主婦は危険を孕む?

 9月7日に発売された「VERY」(光文社)。秋向けファッションが並びつつも「新しい生活様式」「アフターコロナ」などの言葉が随所に散りばめられ、コロナ前の世界には戻れないのだと実感しますね。コラム系でも多くがコロナ禍に言及しており、先月までコロナなんてどこ吹く風の様子だった“みっこ”こと矢野未希子でさえ、帰省できないことに連載で触れています。

 というわけで、「VERY」ではコロナ禍をどう受け止めているのか、読み物企画を中心にチェックしてみました。

<トピックス>
◎アフターコロナの世界をひらく言葉
◎ママになったら『受け流し力』。
◎育てたいのは『根拠のない楽観性』

コロナで人は変わらない。けれど意思表示を「発信」できる時代

 「アフターコロナの世界をひらく言葉」は、ブレイディみかこ氏、スプニツ子!氏、朱野帰子氏、神田伯山氏、古舘理沙氏、王谷晶氏、岡田育氏、金原ひとみ氏、大塚英志氏、綿矢りさ氏、計10名へのインタビューが掲載されている企画。それぞれが、コロナの「後」の世界でどう生きるかについて語っています。

 例えば、ブレイディみかこ氏は、ロックダウン中も「友達とオンラインでつながっていて、あまり不自由していないよう」だった中学生の息子に、「コロナを経て、人間は変わるか?」を聞いたといい、彼の答えは「変わるわけないじゃん」。ブレイディさん自身も、「人間はすぐ忘れる」と思っているそうです。しかし、「ただ一つだけ希望があるとすれば、それは次の世代。子どもたちは、半年も学校に行けなかった今回の出来事を忘れないでしょう」と話し、この経験が、世の価値観を変えていく可能性があるかもしれない、それが希望だと言います。未曽有のコロナ禍、大人たちはあたふたするばかりで、そんな大人たちに子どもたちが何を感じ取っていたのか、これからわかってくるでしょう。

 また、Webちくまのエッセイで、政府の「新しい生活様式」「ステイホーム」推進は、戦時下の「新生活体制」を想起すると指摘した作家・大塚英志氏の言葉も目を引きます。「非常時だから自粛せよという流れの中で、『日々の暮らしを工夫しながら楽しむ』ことを、ある種のエンターテインメント的に与えられて、主婦たちは知らず知らずのうちに戦時体制に巻き込まれ」た時代と、近年の「ていねいな暮らし」「断捨離」ブームには似通うものがあるとのこと。背筋の凍る警笛です。

 確かに「楽しむ」という言葉、危険を孕んでいるような気がします。「楽しんだ者勝ち」「人生楽しまなきゃ損」という言い方をされることもあり、たとえば受験勉強とかならば、楽しみながら行えるのがベストでしょう。でも、ブラック労働のような理不尽な状況は? たとえ本人が心から楽しんでいたとしても、そこには「やりがい搾取」という実態が潜んでいたりしますから……。

 一方で大塚氏は、今は女性にも参政権がありSNSという発信ツールもあるのだから、「私は嫌だからね」と意思表示することが大切だとも語ります。大人になると諦め癖がつきますが、希望を捨てずに発信することを忘れずにいたいですね。

 続いて「ママになったら『受け流し力』」。いわゆる「スルー」ですね。人それぞれ考えは違って当たり前ですが、コロナ禍も相まって、価値観の違うママ友や親、同僚にモヤモヤ、イライラした時の「受け流し力」を専門家がレクチャーしています。

 公認心理士の岩谷由紀氏によると、モヤモヤの根底には「自分が相手にコントロールされることへの違和感」があるそうで、相手の気持ちは受け止めつつも「相手の気持ちと自分の気持ちを分けること」「自分の心の内に不安を溜め込まない工夫が大切」とのこと。臨床心理士の諸富祥彦氏も、受け流すとは「執着しない」ということで、好かれたい、認められたという執着を手放すトレーニングを紹介しています(相手の目を見ながら、心の中で「この人にどう思われてもかまわない」と何回も唱える)。

 うーん、でもねぇ、それって結局「気にするな」って言われているように感じてしまうんですよね。読者が知りたいのってむしろ、それができない時(=受け流し力が発揮できない時)にどうすればいいの? ではないでしょうか。自分のモヤモヤを受け止めてくれる相手が近くにいない時とか、受け流すことに納得のいかなさを感じる時とか……。

 それに、「どう思われてもかまわない」ような相手にモヤモヤさせられること自体、だるくないですか? 保育園のママ同士ってちょっとそういうところがあるかもしれません。仲が良いわけではないし、個人としては「どう思われてもかまわない」つもりでも、子ども同士は一緒に帰りたがるし遊びたがる。つかず離れずの関係を維持すればいいですが……。

 「育てたいのは『根拠のない楽観性』」は、『子どもが幸せになることば』(ダイアモンド社)の著者・田中茂樹氏へのインタビュー。田中氏は、「根拠のない楽観性を失わずに育つと、生きるのが楽になる、楽しくなる」「褒めるよりも、小言を言わないことのほうがずっと子どもの成長に有益」だといいます。

 親の期待に応える「風間くん」(『クレヨンしんちゃん』双葉社)と、マイペースで楽天的、怒られても失敗しても懲りる気配がなく、しかし「自分が何をしたいか、したくないかが明確」な「カツオ」(『サザエさん』朝日新聞社)や「まる子」(『ちびまる子ちゃん』集英社)。子育て中の筆者自身、自分の考えを持った子に育ってほしいはずが、あらゆる場面で思い通りにならない我が子に腹を立て、小言を言うことが多々あり、身につまされます。

 無自覚に「風間くん」を求めてしまっているわけで、我が子への態度を改めようと決意した次第です。褒めるよりも小言を言わないでいることのほうが100倍難しいですが……。

令和の時代、“女らしさ”は誰のため? 「VERY」の掲げる「ママこそリボン」「ママこそ女っぽい」に萎える

 子育て女性向け雑誌「VERY」(光文社)9月号が8月6日に発売されました。命の危機さえ感じる猛烈な暑さが続く毎日ですが、今号ではさっそく秋向けファッションも紹介されていますね。コロナ渦のなか、「VERY」はどんな内容を展開しているのか、チェックしてきましょう。

<トピックス>
◎今月の“いい妻”みっこ
◎子だくさんママが、女っぽい理由
◎11人ママカリスマ助産師HISAKOさんってどんな人?PART2 ママはもっとキレていきましょう!

Tシャツとインテリアでのろけるみっこ

 今号で5回目となるカバーモデル・矢野未希子による連載「今月の“いい妻”みっこ」。前半は矢野の“Tシャツ大好き”エピソード、後半は矢野家のインテリア事情について明かされますが、内容は相変わらず薄い。

 「私は大のTシャツ好き(ハート)なので旦那さんとの休日デートでもかなり出番の多いアイテムです」と話したり、「インテリアに関しては、100対0で私が選びます!(中略)旦那さんからNGと言われたことはほぼないです。諦められているのかもしれませんが……」「自分の好きなものに囲まれて生活するようになったら、家にいる時間が増えました」といった具合です。

 自宅のインテリアについて語るなら、近況報告がてら、ステイホームやおうち時間の過ごし方にも言及すると思ったのですが、見事にスルー。ひょっとして彼女は新型コロナのない異世界にでも住んでいるのでしょうか。なお、写真で紹介されているのは千駄ヶ谷で購入したオーダー家具だというドレッサーのみで、自宅のインテリアを拝むことはできません。「気になる人はYouTubeチャンネルまで見にきてね」ということ……?

“子だくさんママ”から“女らしさ”を学ぶ?

 続いて、タイトルからして違和感を覚えてしまった「子だくさんママが、女っぽい理由」。「子育てに奮闘しているとついつい女らしさが欠けてしまう……そんな思いを抱えているママも多いのでは? 同じように子育てに追われているのに決して女っぽさを忘れない、子だくさんママの女っぽさの秘訣を探りました」とのことですが、令和に突入しても「女っぽい」「女らしさ」という表現を多用していることに、まず驚きます。子持ちの女性向けファッション誌とはいえ、“ママだって女”“母親だからって女らしさを忘れちゃダメ”と煽っているようで、萎えます。

 内容はというと、“子だくさんママ”たちのファッションコーデや愛用アイテムの紹介ですが、「先輩ママたちの間でも浮かずに安心できるベーシックカラーがお守り」「ママこそ白! ママこそリボン(ハート)」「スカートを穿くだけで思考も女性らしくなれる」など、コンサバな言葉が並んでいるのみ。「VERY」の他企画でもよくある言葉ばかりで、“子だくさんママ”に特化した意味をあまり感じられないのです。

 ちなみに、関東・関西、合計で8人の“子だくさんママ”が登場しますが、子どもの人数はなぜか全員3人。子どもが4人以上のママは1人も登場しませんでした。

 今号ではもう一つ、“子だくさんママ”にまつわる企画「11人ママカリスマ助産師HISAKOさんってどんな人?」が用意されていました。11児の母で助産院を営む46歳のHISAKOさん。目下12人目の子を妊娠中だそうです。テレビに登場する大家族の母親って、竹を割ったような性格の人が多い気がしますが(少なくとも表向きには)、HISAKOさんも、やっぱりサバサバ系の印象。読者が抱える“子育てのモヤモヤ”に快刀乱麻を断つように回答しています。

 例えば、昨今の風潮「褒めて育てる」にモヤモヤするという相談には、「褒めたいなと思ったら思いっきり褒めてあげればいいし、褒めたくなかったらその感情を伝えたらいいと思います。(中略)褒めるにしても怒るにしても、努力しなければできないことをやっていると、それがぜ~んぶ子どもに伝わります」「お母さんは頑張らず自然体で、毎日子どもの健康と笑顔を願っているだけで十分です」とコメント。

 トイレトレーニングには、「11人子どもを育ててきましたが、一度もトイレトレーニングをしたことがありません。どうやったかというと、待つだけ(笑)」。子ども3人を育てているが波長が合わず苦手な子がいるという相談には、「私も合わない子、いますよ」。昔は合わない子が苦手だったが、今は合わない子のほうが「断然面白い」、「子どもとママは違う人間。自分の価値観を押し付けず、その子の意外性や個性を楽しむくらいの気持ちで接したらどうかな~」。 

 なるほど、HISAKOさんの回答に「間違い」はないのですが、子育て中の身としては微妙に納得がいかないというか、それこそ“モヤモヤ”するんですよね。一言でいうと、泥臭さがない。子育てをしていると、「我が子にこう接したい」のに時間や心に余裕がなくて実践できなかったり、思わぬところで自分の本音やドロドロした感情を自覚させられたり、ジレンマやどうしようもなさを感じる場面が生じると思うのですが、HISAKOさんのポジティブな回答からは陰が感じられない。子育てで落ち込んでいる時には、読みたくないかも。

 あまり役に立ちそうにない企画をクローズアップしましたが、一方で今号の「VERY」には、「コロナ禍の2学期、気をつけたい子どもの心」「お金に弱い女子が可愛いなんて誰が決めた?」など、実生活に役立ちそうな知識や情報を得られる企画もありました。分厚い雑誌だけあって、玉石混交です。

「VERY」子育てに「信念」持つな、英才教育は「子どもを苦しめる」!? 令和の“子育て”論に衝撃

 5月7日に発売された「VERY」(光文社)は6月・7月合併号。分厚い雑誌で有名な「VERY」ですが、5月号よりページ数はやや少なく(それでも十分分厚い)、内容が変更になった企画もあるとか。一方で「変更できなかった」企画もあるとのことで、新型コロナウイルスの影響がファッション誌にも及んでいるわけですね。

<トピックス>
◎シェリーの「これってママギャップ?」
◎元自衛隊メンタル教官・下園壮太さんに訊く アフター・コロナの子どもたちへ 我慢させない・頑張らせない 逆転の子育て戦略
◎今月の“いい妻”みっこ(ハート)

子どもとのおうち時間についてぶっちゃけるSHELLY

 タレント・SHELLYによる連載コラム「これってママギャップ?」。SHELLYの子どもは4歳長女と1歳次女。昨年11月、夫との離婚を発表しています。外出自粛が続く昨今。SHELLYのコラムも「本当に本当に大変ですよね」の嘆きから始まります。4歳長女には「毎日ドアノブを拭く係」をしてもらっているといい、コロナについて説明したら「娘も責任重大だと思っているみたいで一生懸命」とのこと。うわぁ、頭が下がります。

 冒頭だけ読むと“意識高い系”にも感じます。しかしその後は、階下の方に子どもの足音で注意されたりもして、「正直すごくストレスが溜まっています(苦笑)」とぶっちゃけるなど、「おうち時間」やら「ステイホーム」の渦中にぶちこまれた親たちの心労を代弁するような言葉が続きます。

 SNSで、ママ友の「リア充なおうち生活」を見て劣等感を抱くこともあるそうですが、SNSは「一瞬を切り取ったもの」であり、そのママはSNS投稿がストレス発散なのではないか? と冷静に思いを馳せた上で、「できない自分と比べるんではなく俯瞰して見ることが今は特に必要かな」と語ります。良くも悪くも、いつだってそばにあるSNS。だからこそ距離感が大切ですね。

 ほかにも、「大掃除のチャンス」「子どもと向き合うチャンス」という世間の声に触れながら、「でもよく考えたら子どもがいないときじゃないと家は片付かない」「子どもと外で走り回るのは好きだけど、家でお絵描きしたり折り紙をちぎるような遊びは苦手」「子どもと遊ぶのは楽しい時もあるけど、正直つまらないときだってかなりある(笑)」なども、イチ・子育て中の親として激しく同意できる言葉。だって子どもに絵本の読み聞かせするより、自分の好きな本を読むほうが楽しいですから。

 ただ一点、気になったことが。SHELLYは以前、子どもたちの父親である元夫について「一生付き合って子育てをする仲間」だと語っていました。離婚後も交流があり、週1ペースで元夫に子どもたちを預けているとも。しかし今号のコラムでは、SHELLYが子どもたちとのおうち時間に奮闘する様子が生々しく浮かび上がってくる一方で、元夫との交流については一切触れられていません。緊急事態宣言、自粛要請を重んじて、直接的な交流は控えているのでしょうか……?

 続いて、「元自衛隊メンタル教官・下園壮太さんに訊く アフター・コロナの子どもたちへ 我慢させない・頑張らせない 逆転の子育て戦略」。『令和時代の子育て戦略』(講談社)の著者で、陸上自衛隊のメンタルヘルス教育を務めた経験のある下園壮太氏へのインタビュー記事なのですが、これが衝撃的かつ興味深い内容で、パンチが効いています!

 下園氏は、「頑張らせる」「我慢させる」子育てをすることは危険であると、今の子育て世代に警笛を鳴らします。

 なぜならAI技術の発達によって、今の子どもたちは2割しかやりがいのある仕事に就けず、8割はマックジョブ(難易度も低く、やりがいもない、給料も低い仕事)になる可能性があるとのこと。「大多数なので自分の子どももそうなると思っていた方がいい」「2割を目指して英才教育を施すのは良いですが、一歩間違えると、それが余計に子どもを苦しめる」と、「VERY」読者の希望を容赦なく打ち砕いていきます。令和は「比較地獄」で「自分の理想や他人と比較して挫折を味わい続ける」とも……。

 下園氏によると、令和で幸せになれるは、「身の丈に合った人生」「自己満足が上手な人」で、好きなことに没頭できる「今でいうオタクのような存在」。だから親はなるべくこだわらず、最低限の躾は必要でも、子育てに「信念」や「自分の価値観」を持ち込まず、子どもに「好きなことをさせましょう」と語ります。そして、2割しか就けない“やりがいのある仕事”には楽しさ・美しさを追求する「感性」が求められるそう。令和は「感性・欲求」の時代だといい、そのような仕事に就けずとも「自分の気持ちを大切にできないと幸せになりにくい」。であれば、「我慢」「頑張る」は、これからの時代にはマッチしないということでしょう。

 これまでの子育ての“常識”を覆すような下園氏の「子育て戦略」インタビュー。「VERY」読者たちは、どのように受け止めたのでしょうか。子どもは親の教育のみで育つわけでなく、学校などでは「我慢できる人」が求められたりもするのが、難しいところです。

 なお、カバーモデル・矢野未希子による連載「今月の“いい妻”みっこ(ハート)」では、おうち時間が増えたという矢野が、「後回しにしてきたことや、自分を見つめ直す時間を持ち、家にいても心身をできるだけ充実させ、穏やかな気持ちで過ごせたらいいなぁと思っています」なんてのろけていますが、これもまた「VERY」読者への挑戦でしょうか? おうち時間が増えたところで家事・育児・仕事に追われ、「自分を見つめ直す時間」を持てず、「充実させる」「穏やかな気持ちで過ごす」なんて無理無理無理! な読者も少なくないのでは……。

「VERY」出産と女性へのメッセージを台無しにする、「ママになれた瞬間」企画の息苦しさ

 新型コロナウイルス一辺倒の世の中でも律儀に発行されるファッション誌。子育て中の女性をメインターゲットに置く「VERY」(光文社)も例外ではなく、発売されたばかりの5月号では、春のファッションをがっつり紹介しています。相変わらず広告量も多いのですが、目に留まったのはオンラインショップ「ロコンド」のページ。「子どもはもちろんママにとっても運動会は晴れ舞台!この日のためにいろいろ準備したい」との言葉に、端的に言って「怖い」と感じました。運動会は親のためにあるわけではない、のでは……?

<トピック>
◎吉川トリコさんにきく 令和のいま、女であること
◎私がママになれた、あの瞬間。
◎今月の“いい妻”みっこ

吉川トリコ氏、女性たちへ「今の自分を否定しないで」

 前置きが長くなってしまいましたが、今号の「VERY」では、ファッション企画よりも読み物ページが印象的です。

 「吉川トリコさんにきく 令和のいま、女であること」は、『マリー・アントワネットの日記』シリーズ(新潮社)の著者・吉川トリコ氏へのインタビュー。吉川氏は、Webマガジン「考える人」にて連載中のエッセイ「おんなのじかん」で、自らの不妊治療体験を明かしています。

 インタビューで吉川氏は、不妊治療がアンタッチャブルになっていること、毒親問題(マリー・アントワネットの母・マリアテレジアは娘への手紙に「妻たるもの夫に付き従え」「いつまでも可愛らしく愛される存在でいろ」と書いていた)に触れ、さらには、今もなお、この国には「子どもは早くたくさん産むのがよし」という風潮があると、とても的確に言及します。

「子どもを産むタイミングには、年齢や他の条件も関わってくるので、早いうちの情報収集をしておくに越したことはないと思います。でも、子どもが欲しいと思わない人も、欲しかったけれど授からなかった人も、今の自分を否定しないでほしい。この国は、表面だけ近代化しているように見せかけて、一皮剥いたら精神論やら家父長制やらでなんでも押し通そうとする『マジやばい後進国』なので、周囲からの価値観の押し付けにはどうか惑わされないでほしいです」

 「VERY」読者たちの中にも、「子どもは早くたくさん産むのがよし」の風潮に苦しめられた、あるいは今も苦しめられている人がいるかもしれません。妊娠や出産や育児にまつわる知識や情報は持っておくべきだと思いますが、実際にどうしたいのか、どうするのかは自分が決めればいい。それなのに、「子どもがいないなんてかわいそう」「少子化問題に貢献していない」などと勝手に後ろ指を指したがる人間も世の中にはいます。

 保守的な土地柄で育ったという吉川氏は、インタビューの最後、自身が10〜20代の頃は「このまま妊娠して結婚してもいいや」という少し投げやりな空気感があった(女は仕事でキャリアを積めないというあきらめによるもの)と振り返った後、「今、10代の女の子たちには、抜け出すチャンスがないなんて思わないで、と小説やエッセイを通して伝え続けたいと思います」と語ります。そのメッセージには心強いものを感じました。

 吉川氏のインタビューから数ページ進んだ先にある企画「私がママになれた、あの瞬間。」を見てみましょう。リードには、「出産した瞬間から『ママ』の肩書を授けられるのに、なかなか自分の気持ちがそれについていかない……。そんなギャップを感じている人は意外と多いようです。『ママ』になるってどういうこと?」との説明があり、実際に0~4歳の子を持つ読者たちの“ママになれた瞬間”エピソードが紹介されています。

 独身時代は面白いと思わなかった『はじめてのおつかい』(日本テレビ系)を見て毎回号泣、2歳娘からの「ママごはんおいしかったありがとう」に泣けた、自分が抱っこするとピタッと泣きやんだ、目に映る全ての子どもが可愛いと思える、一人時間に子ども服を買い漁った、などなど。

 登場するママたちのエピソードや気持ちを否定するつもりはありませんが、ただ、これらのエピソードって“ママになれたあの瞬間”という言葉でしか表現できないものなのでしょうか? 同じようなエピソードや気持ちを持つ“パパ”がいても、おかしくないのでは? という疑問も湧きます。

 筆者(5歳児の母)も出産後、感傷的になることはあったし、出産前と考え方が変化した部分もあるように思います。ただ、それらが “ママになれたあの瞬間”だったかというと、正直よくわかりません。そもそも“ママになれたあの瞬間”なるものが自分にあったのかどうかも、あやふやです。

 小児科で「お母さん」と呼ばれ、「ああやっぱそういうふうに呼ばれるんだ」と思ったことは覚えているけど、それは “ママになれたあの瞬間”というわけではないような……。子どもが不慮の事故で亡くなったニュースに悲しみを感じ、「もし自分の子だったら」と考えてゾッとするようになったけど、そのことを“パパ”になった男友達に話したらめちゃくちゃ共感されたから、“ママ”限定の話ではなさそう……。

 と、こんな具合です。産んだら育てるしかないですし、365日顔を合わせるので、我が子に対する“責任”や“愛着”はありますが……。

 3名の有識者たち(宋美玄氏、黒川伊保子氏、Lily氏)による、それぞれの見解も紹介されています。見出しの「産んだその日から、すぐにママになれるなんて幻想です!」という言葉に安心感を覚える読者もいるでしょう。しかし、3名の見解を読んでいくと、むしろ息苦しさを感じる人もいるのでは? と不安がよぎります。

 例えば、産婦人科医の宋氏は「一人で背負いこまず父親としっかり分担し、『母親』以外の自分の顔も大切にして、気楽に育児してくださいね。いつか『私もお母さんになったなあ』と思える日は必ず来ますので」と語ります。無論、一人で背負い込まず気楽に育児ができるのはいいことでしょう(それが可能な環境の人ばかりではありませんが)。しかし、「母親」の肩書に気持ちがついていけず苦悩している人にとっては、「必ず来ます」と言われても気が遠くなりそうな……? 

 大前提として、「『私もお母さんになったなあ』と思える日」、すなわち“ママになれた、あの瞬間”は、育児に必要不可欠なものなのでしょうか? そんな疑問が拭えませんでした。

 さて、「VERY」では先月号から、カバーモデル・矢野未希子による連載「今月の“いい妻”みっこ(ハート)」がスタート。夫との出会いと馴れ初めがつらつら綴られているという、読み応えのないエピソードに終始した先月号と同様、今号もまた、夫から2度プロポーズをもらったというエピソードがつらつら。期待を上回るほどのどうでもよさに、逆に衝撃を受けました。
(中崎亜衣)

「VERY」教育虐待・不妊を語るウラで、カバーモデル・矢野未希子の“いい妻”連載がツラすぎる!

 今年で創刊25周年となる「VERY」(光文社)。25年といえば四半世紀ですから、今や創刊当時の読者の娘たちが、「VERY」の読者世代に突入していることでしょう。子育て中の女性をメインターゲットに置く「VERY」は、とにかく分厚い雑誌です。ファッション、ヘアメイク、仕事・育児・家事、夫婦関係……。「VERY」でクローズアップされるテーマは多岐に渡っており、現代の子育て女性のありとあらゆる関心ごと、全てを対象にしているのかもしれません。そんな「VERY」4月号を見ていきます!

<トピックス>
◎選びひとつで、楽にも自由にもなれちゃう! 最近、オシャレは“バッグ頼み”な私たち
◎受験勉強だけじゃない、過剰な習い事も… もしかして、教育虐待?/シンマイさんと学ぶVERY世代と卵子凍結
◎今月の“いい妻”みっこ

自由どころか不自由しかない!?

 今号の大特集は「選びひとつで、楽にも自由にもなれちゃう! 最近、オシャレは“バッグ頼み”な私たち」。ママが“楽”や“自由”、そして“オシャレ”になるための必需アイテムとして、バッグが列挙されています。

 育児中のママにとってバッグ選びが重要という点に異論はありませんが、「VERY」では、“楽”とか“自由”と謳っているわりに、他人から「どう見えるか」をかなり意識していて、読んでいるとむしろ“不自由”が感じられるのです。顕著なのが「Part2 カジュアルすぎず、主張しすぎず、ちょうどいいラインが知りたい! コンサバ園ママのための、春のはじめましてQ&A ~バッグ編~」。コンサバ園ママが抱えるであろう悩みに答える形式でバッグが紹介されていきますが、バッグひとつとて「こう見られたい!」という複雑な自意識が感じられます。

 例えば、「Q.クラスの懇談会ランチの日にオシャレするなら?」――懇親会ではとにかく話しかけやすい雰囲気が大事! 今の気分が詰まったバッグなら、コミュニケーションにつながる、と解説します。また、「Q.入園式で、悪目立ちしないきちんとバッグは?」――ブランドが前面に出たものより、等身大のかっちりバッグ。目立ちすぎず凛とした母っぽさを大事にしたいママが増えている、といった具合です。“コンサバ園ママのため”という括りも関係しているのかもしれませんが、話しかけやすく見られたい、凛とした母に見られたいと、「どう見えるか」をかなり意識しています。

 別の企画「タイプ別着映える好感度ワンピを探せ」でも、“好感度”と銘打っているだけあって、「通勤姿もドラマチックに見える」「撥刺ヘルシー見えで先生ウケよし!」など、「どう見えるか」は重大事項。ただし、「楽してきちんと見えたい産後復帰ママは」というフレーズは正直でよろしい。「VERY」はママが“楽”すること自体は推奨しているようですね。 

 どうやら「VERY」におけるファッションとは、最終的に他人に“どう見えるか”が核になっているようです。もちろん、“どう見えるか”が重要という価値観が悪いわけではないですし、実際、“どう見えるか”によって承認欲求や自己顕示欲が満たされることもあるでしょうが、それって楽で自由なのでしょうか。

 ただファッションを提示するだけではないのが「VERY」の大きな特徴で、近年は社会問題を頻繁に特集しています。今号で取り上げているのは、卵子凍結、教育虐待について。

「受験勉強だけじゃない、過剰な習い事も… もしかして、教育虐待?」では“教育虐待”について、専門家からの解説とアドバイス。「子どもを周りと比較し、親としての自分にも優劣をつける考え方を変えてください」「親の期待で何かを強いるのはスタートとしては好ましくありません」といった“正しいこと”が的確に書かれています。ただ、その“正しいこと”がどうしてもできず、苦しんでいる親もいるのでは……。しかし次のページでは、教育虐待の概念を提唱した臨床心理士・武田信子氏のインタビューが掲載されており、武田氏は「教育虐待は親の責任ではなく、日本の社会や学校教育を含めたこの国の現状が原因」ときっぱり語っていて、「いいね!」を押したくなりました。

 たとえば“ほかの子と比べるのはよくない”はよく言われますが、ではなぜ親がほかの子と比べてしまうのかといえば、おそらく社会の構造や価値観とは無関係ではなく、教育虐待は親を責めるだけでは解決しない問題であることは、子育て世代が知っておくべき情報ではないでしょうか。

VERYモデルたちのノロケ連載

 「VERY」では、モデルによるコラムが複数ありますが、なかには毒にも薬にもならぬ内容も混ざっています。

 最も不可解なのは、2020年1月号から「VERY」カバーモデルを務めている矢野未希子の新連載「今月の“いい妻”みっこ(ハート)」。夫との出会いや、付き合って1週間後に夫の髪形やファッションを自分好みにイメチェンさせたことについて、「ハート」や「(笑)」を多用しながら記されているのですが、この連載、「VERY」に必要……? 女性の生き方や子育てについて意識の高い「VERY」だけに、読み物ページで読者が求めているのは、一人の女性がさまざまな選択をしながら生きていく上で生じる迷いや葛藤、それらをどう乗り越えたか、あるいはどう折り合いをつけたかとか、生々しさや人間味、はたまた社会への問題提起を伴ったエピソードではないでしょうか。

 来月はプロポーズについて語るとのことで、「次号もお楽しみに(ハート)」と終えていますが、矢野の連載を楽しみにしている読者がどれだけいるのか、心配になった次第です。
(中崎亜衣)

King&Princeと「妄想デート」、モテテクニックは「昭和」! 「Seventeen」の夏は純粋?

 「Seventeen」(集英社、以下ST)8月号の表紙を飾るのはKing&Princeです! STでの男性グループ単独表紙は嵐以来の14年ぶりといい、9ページにわたり妄想デート企画やクロストークが掲載されています。また表紙には「最新最可愛夏私服NEWS」「HOT SUMMERな水着トレンド」「あまナツコーデが気分」といった文字が並び、夏を意識しまくった企画が目白押しですが、表紙の色も文字も、さらにはキンプリの衣装も夏のさわやかさに欠けるドぎつい“ピンク色”……。なんとも暑苦しい色味の表紙で目がチカチカしてきたので、早速、中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎King&Princeとラブラブ夏でーと
◎友達脱出モテク
◎新種発見! モテZOO

嵐を意識しまくるKing&Prince

 初めにチェックするのは「今いちばん会いたいキミと最高にエモい夏を。King&Princeとラブラブ夏でーと。」です。各メンバーが花火大会や制服デート、ドライブデートなど、さまざまなシチュエーションでのあま~い妄想を繰り広げます。

 まず、平野紫耀との「助手席ドライブでーと。」を見ていくと、平野は「おしゃべりをたくさんしたい」らしく「目的地を通りすぎるぐらい質問攻めにしたい」と語っていましたが、筆者としては運転に集中し、とにかく安全運転を心がけてほしいと、妄想デート企画にもかかわらず、現実的なことを考えてしまいました。しかし、女子高生のST読者からすれば、免許を持っているだけで“大人の男”を感じ、クラクラ~と甘い妄想を抱くのかもしれません。

 また、永瀬廉との「カフェで宿題でーと。」では、STからの「どんな場所を選ぶ?」という質問に、「家。理由は……休憩しやすいから(笑)ゴロンと床に寝転んでまったりできるから」と回答する永瀬。カフェデートの設定をなぜぶち壊すのか、ツッコミを入れたくなりましたが、それよりも家で休憩って“エロすぎ”はしないか!? とよからぬ想像をしてしまい、「平野とドライブでーと」よりも下世話で夢のない妄想を掻き立てられました。

 そして、妄想デート企画が終わると、キーワードに沿って5人がしゃべる「夏のクロストーク」が続きます。まず、雑誌にちなんで「Seventeen」について、メンバーたちは「今JKにハヤってるモノとかわかんな〜い」「タピオカがハヤってることしかわかんない」など、すっかり大人目線の発言を連発。しかし、そんなキンプリは20代前半のグループでして、「君たちも十分若いだろ!」と思わずにはいられませんが、JKとはジェネレーションギャップを感じている様子。

 また、嵐以来、14年ぶりの単独男性表紙について、神宮寺勇太から「オレらも嵐を起こしちゃう?」との発言が飛び出しましたが、ST読者からすれば、20歳以上年上の嵐よりもキンプリとの“甘酸っぱい”妄想を膨らませる方が健全なのは確かです。
 次に見ていく「恋愛対象に昇格するワザ教えます! 友達脱出モテク」では、「バイト友」「塾友」「あいさつ友」など、友達関係を7種に分類し、関係性に応じた“効くモテク”を指南。例えば、「あいさつ友」を脱出する方法として、「登校時間を合わせる」や「文化祭の準備は同じ作業をする」が挙げられていますが、平成いや昭和から続いているであろう王道のアドバイスに、これを「モテク」にするのはいかがなものかと思ってしまいます。

 もちろん、現代っぽい「LINEのBGMを彼の好きなバンドの曲にする」や「彼が好きなバンドのMVの感想をインスタグラムのストーリーに投稿する」というSNSを駆使する“今っぽい”テクも載っていたものの、「好きな人の趣味に寄せていく」という意味では、こちらもド定番かもしれません。新鮮さに欠ける企画でしたが、時代が変わっても「モテク」は変わらないことがうかがい知れます。

令和になっても「〇〇系」にとらわれる女子

 最後に見ていくのは「令和男子は動物系女子にムチューらしい(ハート)新種発見! モテZOO」。女子を10種類の動物に分けて分析し、自分に近いタイプの動物の行動を真似て「モテ」を狙おうという企画ですが、どうやら動物の生態からヒント得るわけでも、1999年頃に大流行した「動物占い」に似た類でもなさそう。「ドクターフィッシュ女子」「クラゲ女子」「インコ女子」「ハリネズミ系女子」「黒ウサギ女子」など10種の動物が羅列され、“イメージだけ”で動物系女子を分析していました。

 例えば、「モグラ女子」は「モデル体型かつおしゃれでかっこいい。でも内面はオタク」で、「男子のような趣味」を持ち、「ツッコミがするどい」女子のことを指すそう。しかし、実際のモグラは警戒心が強く攻撃的、また1日の食事量は体重の半分程度とかなりの大食漢とされているのでまったく違います。また、「ドクターフィッシュ女子」は「ひとなつっこさと癒し力は、もはや女神(ハート)」で、「まわりの変化を見逃さない」気配りに優れ、「バンソウコウやティッシュ」を常備している女子のことを示すようです。「ドクター」という単語に引っ張られすぎな上に、実際のドクターフィッシュは、まともなエサがない時に、空腹をしのぐために人間の角質を食べるそうなので「ドクターフィッシュ女子」とはだいぶかけ離れています。そもそも、女子を“たかが”10種に分類することなんて不可能ですし、好きな人へのアプローチ方法だって人それぞれ。「〇〇系」にとらわれることなく、自分流の「モテ」を見つけていく方がいいのでは?

 アイドルと妄想デートしたり、モテ行動を分析するなど、恋愛に興味津々なST読者でしたが、「登校時間を合わせる」や「バンソウコウを持ち歩く」を“モテク”とする純粋っぷり。先月号の企画「男子の脳内☆解体新書」では、男子高校生が“エロい”妄想ばかりしていたので、身近なヤリチンに遊ばれるより、目の保養になるKing&Princeを追いかける“夏”もアリだと思いました。
(藤本なつき)

永野芽郁は高級ブランドアピール、日向坂46は“非モテ”設定!? 読者の共感に乏しい「Seventeen」

 「Seventeen」(集英社)6月号は、「JK的ビューティー元年とーらい!!」と銘打って、メイクやヘアアレンジが特集されています。ちなみに5月号は「進学KAWAII元年楽しすぎ!」というテーマだったので、2019年の「Seventeen」(以下ST)には、さまざまな“元年”が訪れているようです。6月号の表紙を飾るのは、お茶の間でもすっかりおなじみになった、女優・永野芽郁。今月号でST専属モデルを卒業とのことで、巻頭で大々的な特集が組まれています。朝ドラ女優の爽やかさが目にまぶしすぎますが、早速中身見ていきましょう!

<トピックス>
◎みんな、ありがとう(ハート)大好き(ハート)永野芽郁卒業します!
◎全身\4,999以下で願望実現着まわし14DAYS
◎恋のきっかけにも追い込みにも使える(ハート)インスタストーリーのモテクがヤバい!!

読者を無視! “女優”永野芽郁の金銭感覚

 巻頭特集は「みんな、ありがとう(ハート)大好き(ハート)永野芽郁卒業します」と銘打って、3年間STモデル務めた永野の新しい門出を14ページにわたり祝福しています。ST出身のモデルといえば、現在放送中のNHK朝ドラ『なつぞら』で主演を務める広瀬すずや、その姉の広瀬アリス、演技が酷評されるものの“抜群のかわいさ”で乗り切る本田翼、ほかにもDAIGOを使いこなす北川景子、木村カエラに鈴木えみ、榮倉奈々など、そうそうたるメンバーがいます。朝ドラ『半分、青い。』で主演を張るなど、すでに女優として知名度が高い永野がOGの仲間入りするわけですから、STモデルの層の厚さを感じざるを得ません。

 冒頭の4ページでは、永野が読者からの質問に回答。しかし、その内容は、日課やハマっていることなど、オーソドックスなものばかりで、「卒業」という企画の割に、薄~い内容です。そんな中、「心の支えは?」という読者からの問いに、「自分」と答える永野。その理由は「心を成立させているのは自分で、その『自分』を支えてくれるのがまわりの人」とのこと。さすが朝ドラ女優! 強い! と“一瞬”思いましたが、結局のところ「心の支え」=「まわりの人」と解釈できるのでは?

 また、「買い物に行く場所は?」という質問に「伊勢丹新宿と六本木エストネーション」と答えています。先日、ウェブサイト「FRIDAYデジタル」でも、エストネーションで買い物する姿をスクープされていましたが、読者層である女子高生たちを完全に無視して、「ニュー・ラグジュアリーストア」と呼ばれる同所を回答するとは、さすが“売れっ子女優”といったところでしょうか。紹介される永野の私服は、Maison Margielaのデニムに、Acne Studiosのトップス、Theoryのベストなど、10代に手が届きそうにない高価な商品ばかり……。国民的女優が私服に何を着ようとかまいませんが、もう少しST読者も参考にできるコーディネートを選べばいいのに……と思ってしまいました。高級なお召し物ばかりをアピールされたら、GUなどの低価格帯でおしゃれな着まわし企画を組んでいる編集部が泣いちゃいますよ!

 先ほどの永野の高額な私服とは打って変わって「全身\4,999以下で願望実現着まわし14DAYS」という良心的な企画を見ていきましょう。日向坂46・小坂菜緒が、男子ウケを狙ったコーディネートを披露します。小坂は「女友達はいるけど、彼氏がいつまでたってもできない……モテたいよーっ」とファッションで男子ウケを目指すのですが、坂道グループでセンターを務める小坂が言っても説得力がなさすぎます……。 

 そんなアイドル界でもトップの人気を誇る小坂が、「かわいいけど男っぽいのが残念」と、陰で男子に言われるところからストーリーは始まります。その言葉にショックを受けた小坂は、コーディネートにパステルカラーを取り入れ、美容室では「男子にモテそうな感じで!」とヘアオーダー。最終的に「かわいくなった小坂から目が離せなくて」と告白されるのですが、ファッションとヘアスタイルを変えるだけで、恋愛がうまくという非現実な展開に、ただただ彼女のポテンシャルの高さを見せつけられる企画でした。

インスタで「におわせ系」の投稿を推奨

「恋のきっかけにも追い込みにも使える(ハート)インスタストーリーのモテクがヤバい!!」では、インスタグラムの機能「ストーリー」を使ったモテを指南します。「ストーリー」とは投稿した写真や動画は、通常の投稿とは異なり24時間後に自動的に削除されるシステムなのですが、このページで披露されるストーリーの“モテク”は、あらゆる“あざとさ”を凝縮したテクニックばかりで、少々恐ろしくなります。

 まず紹介されるテクニックは「におわせ系でモテ!」というもので、「彼におごってもらったモノをUP」することを推奨しています。写真の例として、男性の手をあえて映りこませた2杯のタピオカの写真を掲載していますが、このような投稿は、「女子ウケは微妙」としながら、「こんなに喜んでくれるんだ!」と、おごった側の男性を喜ばせる効果があるとのこと。高校生で、この“モテク”をマスターするなんて、今後の女性の化け具合が末恐ろしいです……。数年後にはタピオカから高級レストランにレベルアップ! なんて日もそう遠くはないかもしれません。ほかにも「彼に寄せてく系でモテ!」というテクニックでは、「彼の地元のお店」の写真を位置情報付きで投稿するという、一歩間違えたらストーカーのような行動を取り、彼からの連絡を待つというものでした。先月号までは、女友達に嫌われることを極端に恐れ、「におわせ系」を完全NG行動としていた「ST」ですが、一体どんな心変わりがあったのでしょうか。結局のところ、男子ウケと女子ウケの両立は難しいと、匙を投げつけられたような気持ちに。

 「ST」は、読者のファッションや学校生活の悩みに優しくより沿ってくれる雑誌だと思っていましたが、高校生の1カ月のアルバイト代が一瞬で吹っ飛ぶ価格の洋服を紹介したり、日本を代表するアイドルグループが「非モテ」キャラを演じ、「男ウケ」の行動を指南するなど、浮世離れした世界が広がっていました。先月までは“全人類モテ”という目標を掲げ、友達に気を使いまくっていた優等生ST読者が、6月号に掲載されているような「男目線」を意識した行動に切り替えられるか心配です。
(藤本なつき)

JKの「ブラックバイト・部活」に注意喚起! 優等生を良しとする「Seventeen」に募る不安

 「Seventeen」(集英社)5月号は、「進学KAWAII元年(ハート)楽しすぎ! かわいすぎ! なJKキングダム開幕―!!」というテーマのもと、「Seventeen17人の新学期制服こーなります宣言っ!!」「キングダムJK制服着まわしSTORY」「新学期JK初遊び正解コーデ」など、新学期に胸を躍らせる企画が並んでいます。パラパラとページをめくっていくと、次々にカラフルな写真や文字が目に飛び込んできます。若さがダダ漏れする誌面に滅入りながら、読み進めていくと「ブラック部活」「ブラックバイト」というキラキラJKのバイブル「Seventeen」らしからぬ重いワードが登場。なんだか雲行きがおかしくなってきましたが、早速中身を見ていきましょう~!

<トピックス>
◎新学期JK初遊び正解コーデ
◎新友育成ケイカク☆ はじめましてのJKマナー
◎ブラック部活・ブラックバイトの見分けかた

■おしゃれさよりも、まずは「浮かない」!

 初めにチェックしていくのは「初めて学校の外で会う時に、“絶対”におしゃれと思われたいから! 新学期JK初遊び正解コーデ」です。新しくできた友達と遊びに行くファッションを、シチュエーション別かつ、「センスよく」「ノリよく」「女の子らしく」「大人っぽく」の4種類のテイストに分け、コーディネートを紹介しています。この企画には、「Seventeen」(以下ST)読者の意見も取り入れられているのですが、“絶対”おしゃれと思われたいと意気込む彼女たちのファッション必須条件は「自分らしくキャラ立ち」しつつも「まわりから浮かない」ことだそう。

 そんな難しい注文を投げてくる保守的なST読者に、どんなアドバイスをしているかというと、例えば、買い物に行く際には「トレンド意識で今っぽく」がポイントとのこと。ただ、いきなりのやりすぎはNGで、“さりげなさ”が重要だそうです。「まわりから浮かない」ように学校生活を送っているST読者にとって、私服を選ぶ時でも“なじむ”ことは大前提なのでしょう。なお、具体的なコーディネートについてですが、ノリがいいと思われたい時は、ネオンカラーのパーカーを着ることを勧めています。「明るくハキハキしているように見え、待ち合わせで見つけてもらえそう!」というものの、「まわりから浮かない」どころか目印になっているじゃなかい……とツッコまずにはいられません。トレンドを意識している割には、小学生が遠足で着る服と結果はあまり変わらなさそうです。

 次に、ファミレスに行くときは、「会話盛り上がる つっこまれ服」が正解とのこと。「なにそれー」「どこのー?」と盛り上がるシーンを想像して、コーディネートするのがST流ファミレスファッション。“浮く”可能性があるのにもかかわらず、ツッコまれネタを自ら用意するST読者の勇気に拍手です。ST読者的“つっこまれ服”として紹介されているのは「中国中国中国……」と、小さな文字で埋め尽くされた総柄ブラウスと、林家ペー&パー子を彷彿とさせるショッキングピンク色の布地に、恐竜が刺繍されたスウェット。言われてみれば、ペーパーが、長年芸能界で生き残っている要因の一つは「ピンク色」のインパクトような気もするし、個性的な刺繍は話題に欠けることがないかもしれませんが、“浮くこと”を恐れるST読者にしては大胆なファッションで、いまいち許容範囲がつかめませんでした。

 彼女たちにとってのファッションは「自己表現」というよりも、「コミュニケーションツール」の一つのようです。しかし、気になったのは、私服コーディネート企画かつ、それぞれのシチュエーションに沿って4テイストものコーディネートが紹介されているのに、どれもアイドルの衣装のような統一感があること。せっかく校則から開放される休日なのに、友人とおそろいテイストでまとめるのは、もったいないと思いました。反対に、自分はこういうファッションが好き! と、新学期の早い段階で発信して、自分を貫くのもアリなのでは? いや、でも、「友達からの厳しいファッションチェックが入るぐらいなら、いっそのことガチガチのドレスコードを決めてくれた方がラクかも……」とも思ってしまったのも事実です。

 続いて見ていくのは「新友育成ケイカク☆ はじめましてのJKマナー」です。「最初がカンジン!」ということで、新しくできた友達と初めて買い物やカフェに行くときなど、さまざまな“初めて”のマナーを手取り足取り教えてくれます。

 例えば、カフェに行く時は、事前に友達の好き嫌いやアレルギーを確認し、1,000円以下の店を3つほど調べていくのがマナーとされています。最初のうちは、食べ物のシェアや「ひとくち、ちょうだい」もNG。ここまでスマートな振る舞いをしたら、次も幹事にされてしまうのではないかと心配になりますが、友達からの評価が気になるST読者であれば、喜んで引き受ける姿が想像できました。

 この企画に登場するマナーを完璧にマスターしたら、まず嫌われることはないでしょう。ただ、空気を読めなかったとしても、「天然」「毒舌」といったキャラを、若さと勢いで押し通すことも一つの対処法なのでは? それを受け入れてくれる友達とは意外といます。“マナー”を頑張りすぎて、家に着いたらゲッソリ……なんてことにならないように願うばかりです。

■ヘビーすぎるブラック部活・バイトがJKの時間とやる気を搾取!?

 最後に見ていくのは「“読者の地獄体験談をチェック”ブラック部活・ブラックバイトの見分けかた」です。読者が経験した過酷なバイトや部活での出来事が約30個掲載されています。

まずブラックバイトのページには、休憩時間もなくサービス残業を強要されるといった体験談が寄せられていました。ほかには、店長から「かわいいね」と言われ、体を触られるなどのセクハラを受けたという告白まで。どれもこれもJKのファッション誌に収まる話ではなく、日本の社会問題が並んでいます。労働時間は普通に法律違反ですし、セクハラ問題も訴訟レベルです。

 次にブラック部活については、先生の好みで選ばれた「(顧問の名前)係」というのが存在し、ジュースを買うなどの雑用を押し付けられるという恐るべき体験談が。また、先輩の衣装を“伝統”とかこつけ徹夜で作らされた挙げ句、またしても“伝統”という理由で怒鳴られたというブラック部活の実情もつづられていました。明らかに理不尽な仕打ちを受けるようであれば、退部するのも一つの手段だと思います。上司や先生、先輩に物申すことは勇気が必要ですが、誰かが動かないと悪しき伝統はなくならないんですよね……。欅坂46の「サイレントマジョティー」を熱唱したくなりました! そんな冗談はさておき、相談機関の連絡先や対処方がどこにも掲載されておらず。体験談をネタにするだけではなく、ST読者に向けたアドバイスがほしいところでした。

 友達付き合いも真面目で、ファッションにも気を配るST読者。優等生な彼女たちの大切な時間とやる気が、ブラック部活・バイトに、搾取されないことを祈るばかりです。精神や体力を蝕まれてしまっては、元も子もありません! 先に挙げた、ファッション企画やマナー企画もそうですが、何事も頑張りすぎず、ハートや音符が飛び交う「Seventeen」誌面のテンションで毎日を送ってほしいです。
(藤本なつき)