「Seventeen」(集英社、以下ST)12月号は、「JKは毎日カワイイ冬をすごさなくちゃ☆」をテーマに、“モテ”を意識した1冊になっています。表紙をパーっと見ただけでも、「高見え服でおしゃれも恋も手に入れるのよ」「ひとめぼれ確!! 本気の冬モテコーデ」「+1メンズ服でモテちゃう法則」「最終結論は、エモいモテメイク」「坂道系×ニット=最強モテ」など、男ウケを狙った企画が、これでもか! と並んでおり、“モテ”への貪欲さがうかがえます。とは言いつつ、実際のところは毎号「男子ウケ」に必死なわけですが、早速12月号の中身を見ていきましょう!
<トピックス>
◎ひとめぼれ確!! 本気の冬モテコーデ
◎エモいモテメイク
◎とっさの友情トラブル辞典
恋を勝ち取るコーディネート、男子の感想は子ども程度……
初めにチェックしていくのは「アウター着てても脱いでもカワイイひとめぼれ確!! 本気の冬モテコーデ」です。男子読者の意見を取り入れた「計算づく」のコーディネートを紹介する企画で、真似をすれば冬の恋を勝ち取れると豪語しています。
「落ち着きトーンが大人っぽい」という理由で紹介されている、「赤ニットカーデ×黒花柄ワンピ」のコーディネートを見ると、「カフェで僕を探す君。揺れるワンピースが素敵すぎてもう少しだけ見ていよう」といったロマンチックな文章が添えられています。どうやら、男子に「こう思ってほしい」という“心の声”のようですが、実際の男子読者のコメントは「待ち合わせしててもすぐ見つけられそう」と、女子が意図する“モテ”に対し、的外れのことしか言っていません。そのほか、公園や広い場所で遊ぶことを想定した「赤ダウンジャケット×白プチロゴTシャツ×太めチノパン」というコーディネートが提案されているものの、またしても男子読者は「赤のダウンが目立つのがいい」と、“モテ”(TPOに合わせたコーデができる)には関係ない点を評価するようなコメントを寄せています。
さらに、お化け屋敷デートでは、あえて落ち着いた「くすみニットピンクカーデ×甘色マルチボーダーニット×スキニーデニム」というコーディネートが推されており、なんでも大人っぽいファッションと、怖がる様子で“ギャップ”を見せけつける意図があるそうですが、男子は「やっぱりピンクを着てるコは文句なし!」という、女子側の狙いが一切伝わっていない反応を見せていました。
一応、「チェックの色で季節感が出る」や「セットアップは無条件でおしゃれ」といったセンスを評価する男子読者のコメントもあったものの、「白がかわいい」や「白のコートはやっぱり最高」など、“色”ばかりに目がいっているようです。
「アウター脱いでもカワイイ」などと、女子が頭をひねったコーディネートを考えても、男子は子どもでもわかる程度の感想しか持たないようで、本当に「冬の恋を勝ち取れる」のか、疑問を抱く企画でした。
続いて見ていく企画は「あまりにも君が眩しくて、見つめるだけでキュンとなる。エモいモテメイク」。そもそも、皆さん、「エモい」という言葉の意味をご存じでしょうか? インターネットによると、「感情が動いた様などを表現する造語」だそうですが、メイクだけで人の感情を動かすって、なんだか難しそうですよね。
ここでは、「アイドル的」「おしゃ美人的」「明るく人気者系」の3パターンを掲載しています。例えば「明るく人気者系」では、「オレンジで元気な目元」「日焼け風チーク」「カジュアルな唇」などのテクニックが紹介されているのですが……正直、何十回いや何百回聞いたことがあるようなテクニックばかり! ほかの「アイドル的」「おしゃ美人的」メイクも、「リップはツヤと透けが大事」「毛流れ眉で大人っぽ」など、毎月STを熟読している読者なら知っている情報ばかりなのではないでしょうか。何の目新しさもありません。「存在自体がエモいコ」を目指すためのページでしたが、であれば、彼女たちはとっくに「エモいコ」になっているはず……。「エモい」という言葉を使って、新企画風に見せるという編集部の“荒技”を感じたメイクページでした。
「言いたいことも言えない」ST読者は悩みだらけ……親友にも心理作戦!?
最後は、「ケンカした! グループから抜けたい! 部活間で格差が! こんなときどうする!? とっさの友情トラブル辞典」をチェックしていきましょう。“女子特有の危機”を乗り越えてきたスーパー先輩3人として、STモデル・大友花恋、タレント・ファーストサマーウイカ、行動心理士・長谷川ミナ氏が、「親友」「グループ」「部活、塾、バイトちょい友」というテーマのもと、ST読者の悩みを解決するという企画です。
例えば、「親友」の項目を見てみると、「親友が毎回、遅刻してくること」に悩んでいる読者が。長谷川氏は「怒らずに大切にされていないようで悲しい」という気持ちを伝えるようアドバイスしており、一方的に意見をぶつけずに、相手の気持ちに訴えた方が効果的と述べますが、遅刻程度の注意もできず、心理作戦が必要となる相手を、そもそも「親友」と呼べるのでしょうか。
さらに、「親友」に関しては、「スマホの画面をいつものぞかれる!!」「誰かと話してると、毎回『なんの話?』とあとから聞いてくる!」など“小さな”悩みを抱えている読者が少なくない様子。「多少のイヤなことをガマンしていたら、ストレスがたまっちゃった」という相談もあったのですが、このページに出てくるようなことでいちいち悩んでいたら、「そりゃストレスもたまるよ」とツッコミたくなりました。
そんな彼女たちに、大友は「お母さんや姉妹」に悩みを打ち明けて、ストレス解消することをオススメしているのですが、確かに“一瞬”はスッキリするかもしれないものの、 ちょっとした“悩み”は日々積み重なっていきますし、根本は何も解決していないような気がしてなりません。みんな、STに投稿するのではなく、「親友」に直接言えばいいのでは……と思わずアドバイスしたくなります。
「男子ウケ」を真正面から狙うさまには、“図太さ”も感じさせるST読者ですが、友達の前では気を使いすぎてしまうようです。小さいストレスの蓄積で、学校生活を謳歌できないのはもったいないですし、“モテ”よりも、言いたいことを言える強さを身に付けた方が楽しく過ごせるのでは。
(藤本なつき)