「ar」ワキ汗が許されるのは「キレイな女性」だけ!? 男の勝手な言い分にイラつく「カラダ悩み特集」

 新型コロナウイルスの影響で同誌初の合併号となった「ar」(主婦と生活社)6・7月号。その特集は「FOR THE BEST DAY 今のうちにジブンを最高にしておこう」です。

 巻頭には「次にお会いできる時まで、この号をいっぱい楽しんでもらえるよう“最高の自分になるため”のアレコレを詰め込みました。こんな時こそ、まず自分を愛してあげて」とのメッセージ。「ar」の“自分で自分を幸せにする”というポジティブマインドを感じます。

 モデルではなくイラストを使ったり、過去の誌面を引用したり、また、ネットで買えるコスメや服だけを紹介する企画も。混乱の中でも読者に“ベスト”を届けようとしてくれていることが伝わってきます。早速、中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎最高の自分UP UP UP チューニングBOOK
◎心震わす私のカルチャー
◎夏のオンナのカラダと悩みのすべて!!

もはやファッション誌ではなく自己啓発書

 最初に見ていくのは、この時期を乗り越えるための読み物中心の企画「最高の自分UP UP UP チューニングBOOK」です。「本当にいろんなことが起こる毎日だけど、自分の目標や生活リズム、美学を見失わないこと」と説き、おうちでできる「最高の自分にチューニングする方法」を紹介してくれています。

 その中身はファッション&美容雑誌というよりは、ライトな自己啓発書1冊分ほどの充実っぷり。自粛生活で人と気軽に会えない時に、自分の未来や性格について一人で悩むのはNGと警告し、グループ通話やLINEで不安をシェアすることを提案。「ひとりで考え込まず、お家で(ハート)みんなで悩む!」ことを勧めています。ほかにも、“ムリせず当たり前にできていること”こそがその人の持つ才能だとして、「無理に目新しいスペックを自分につけ足そうとはせず、お家でだる~んとしながら今まで自分に投げかけられた言葉を思い出し(中略)『当たり前』に目を向けて」との教えも。

 また、気持ちを切り替える「ジブンUP UP UP チューニング用語10」も紹介。「不安で頭がいっぱい」になったときは、「未来を考えすぎな時。“今”自分が何を感じるかを意識してみよう(ハート)」。「なんでもネガティブに考えちゃう」ときは、「“すべき!”が心にありすぎる時。『~したいかも』から考えてみよう」。など、心が弱っているときには染み入る言葉がたくさん。

 この時期に「ar」世代がどんな不安を抱え、どんな精神状態になっているか、ものすごく分析したうえでの言葉が並んでいるように思え、多くの人に読んでほしいと感じました。

 次に見ていくのは、編集部スタッフがおすすめするカルチャーを紹介するページ「心震わす私のカルチャー」。同誌を作っている方々を形成したカルチャーが知れるという、マニア垂涎の企画です。

 編集長は「私が好きな山崎賢人出演作」「ビジネス書が苦手な私でも納得した20代にもおすすめのビジネス書」「人生を変えた小説のフレーズ」の、それぞれのベスト3を挙げています。編集長、山崎賢人推しだったんだ……という発見もありつつ(なお第1位は映画『キングダム』とのこと)、最も興味を引かれたのは「人生を変えた小説のフレーズ」でした。第1位はよしもとばななの短編『デッドエンドの恋人』(文藝春秋)の一節で、「今ならわかる。最低の設定の中で、その時私は最高の幸せの中にいたんだということが。」。この時期に共感を呼ぶフレーズかもしれません。また3位は、三浦しをんの小説『舟を編む』(光文社)の一節「だれかの情熱に、情熱で応えること」は、「ar」作りの心意気にそのままつながっているのだろうかと想像できました。

 また「ドメス」「グジョつき」など、独特な「ar」語の生みの親である編集者が紹介していたのは、「光フェチなんで…心は晴れ写真集&本」ベスト3。謎のジャンル分けです。第1位はLA拠点の写真家ヘンリック・プリエンヌの作品集『Holiday』。「女性の濡れた肌や髪を楽しめる」写真集だそうで、「濡れ髪タオルの巻き方や部屋着の参考にもしてる」とのこと。日本では手に入りにくく、高値で取引されている(註:amazonでは約3万円~20万円の値が付いている)という同作が部屋着の参考書とは……さすが「ドメス」「グジョつき」を思いつく編集者です。

 ほかにも編集者による「原稿がはかどるBGM」「辻仁成の小説」「ジョジョの名台詞」「まぶしすぎるスポーツ映画」「OVER30韓国俳優」などが次々と紹介されていきます。これらのコンテンツを消費していくだけで、「ar」マインドが身につき、お家時間はあっという間に過ぎ去りそうです。

 最後は「夏のオンナのカラダと悩みのすべて!!」。こちらは、汗・ニオイ・ムダ毛という夏の三大お悩みについて、一般男性へのアンケートも紹介しながら対策方法を紹介する企画でした。

 「彼女がアンダーの脱毛途中でジョリジョリしてても、頑張ってる過程だからまったくイヤじゃない」という心が広め(?)の男性もいれば、「手フェチは指毛も気になります」「背中の開いた服を着てるのに背中の毛が生えてる人。着るなら気にしなよ」という細かいケアを求める男性も。

 個人的に「は?」と感じたのは、「キレイな女性でワキ汗がブラウスにちょっと染みてるのを見ると、人間らしくてドキッとする」という意見。「キレイな女性」にわざわざ限定しているのが、イラつきポイントです。また「料理を作りながら額の汗をぬぐってる姿は、頑張ってる感じが伝わってきてキュン」というコメントも。“料理というシチュエーションでの汗なら許してやるぜ=料理は女性が頑張るもの”という、この人の固定概念が透けて見えます。

 今は、男性もケアを心掛ける時代のよう。ワキ汗軽減のために「ボトックス注射やってます」という男性、乳首の周りの毛を「自分でも気持ち悪いと思うから抜いてる」という男性、VIO脱毛をしている同性は「周りにも結構いる」という男性が誌面に登場していました。こういう部分の男女の差はなくなりつつあるのだから、指毛や背中の毛もお互い大目に見ようぜ……と感じます。

 今号が合併号になったため、来月号はお休みですが、「ar」を読み込んで次の号を楽しみに待ちます。

「VERY」子育てに「信念」持つな、英才教育は「子どもを苦しめる」!? 令和の“子育て”論に衝撃

 5月7日に発売された「VERY」(光文社)は6月・7月合併号。分厚い雑誌で有名な「VERY」ですが、5月号よりページ数はやや少なく(それでも十分分厚い)、内容が変更になった企画もあるとか。一方で「変更できなかった」企画もあるとのことで、新型コロナウイルスの影響がファッション誌にも及んでいるわけですね。

<トピックス>
◎シェリーの「これってママギャップ?」
◎元自衛隊メンタル教官・下園壮太さんに訊く アフター・コロナの子どもたちへ 我慢させない・頑張らせない 逆転の子育て戦略
◎今月の“いい妻”みっこ(ハート)

子どもとのおうち時間についてぶっちゃけるSHELLY

 タレント・SHELLYによる連載コラム「これってママギャップ?」。SHELLYの子どもは4歳長女と1歳次女。昨年11月、夫との離婚を発表しています。外出自粛が続く昨今。SHELLYのコラムも「本当に本当に大変ですよね」の嘆きから始まります。4歳長女には「毎日ドアノブを拭く係」をしてもらっているといい、コロナについて説明したら「娘も責任重大だと思っているみたいで一生懸命」とのこと。うわぁ、頭が下がります。

 冒頭だけ読むと“意識高い系”にも感じます。しかしその後は、階下の方に子どもの足音で注意されたりもして、「正直すごくストレスが溜まっています(苦笑)」とぶっちゃけるなど、「おうち時間」やら「ステイホーム」の渦中にぶちこまれた親たちの心労を代弁するような言葉が続きます。

 SNSで、ママ友の「リア充なおうち生活」を見て劣等感を抱くこともあるそうですが、SNSは「一瞬を切り取ったもの」であり、そのママはSNS投稿がストレス発散なのではないか? と冷静に思いを馳せた上で、「できない自分と比べるんではなく俯瞰して見ることが今は特に必要かな」と語ります。良くも悪くも、いつだってそばにあるSNS。だからこそ距離感が大切ですね。

 ほかにも、「大掃除のチャンス」「子どもと向き合うチャンス」という世間の声に触れながら、「でもよく考えたら子どもがいないときじゃないと家は片付かない」「子どもと外で走り回るのは好きだけど、家でお絵描きしたり折り紙をちぎるような遊びは苦手」「子どもと遊ぶのは楽しい時もあるけど、正直つまらないときだってかなりある(笑)」なども、イチ・子育て中の親として激しく同意できる言葉。だって子どもに絵本の読み聞かせするより、自分の好きな本を読むほうが楽しいですから。

 ただ一点、気になったことが。SHELLYは以前、子どもたちの父親である元夫について「一生付き合って子育てをする仲間」だと語っていました。離婚後も交流があり、週1ペースで元夫に子どもたちを預けているとも。しかし今号のコラムでは、SHELLYが子どもたちとのおうち時間に奮闘する様子が生々しく浮かび上がってくる一方で、元夫との交流については一切触れられていません。緊急事態宣言、自粛要請を重んじて、直接的な交流は控えているのでしょうか……?

 続いて、「元自衛隊メンタル教官・下園壮太さんに訊く アフター・コロナの子どもたちへ 我慢させない・頑張らせない 逆転の子育て戦略」。『令和時代の子育て戦略』(講談社)の著者で、陸上自衛隊のメンタルヘルス教育を務めた経験のある下園壮太氏へのインタビュー記事なのですが、これが衝撃的かつ興味深い内容で、パンチが効いています!

 下園氏は、「頑張らせる」「我慢させる」子育てをすることは危険であると、今の子育て世代に警笛を鳴らします。

 なぜならAI技術の発達によって、今の子どもたちは2割しかやりがいのある仕事に就けず、8割はマックジョブ(難易度も低く、やりがいもない、給料も低い仕事)になる可能性があるとのこと。「大多数なので自分の子どももそうなると思っていた方がいい」「2割を目指して英才教育を施すのは良いですが、一歩間違えると、それが余計に子どもを苦しめる」と、「VERY」読者の希望を容赦なく打ち砕いていきます。令和は「比較地獄」で「自分の理想や他人と比較して挫折を味わい続ける」とも……。

 下園氏によると、令和で幸せになれるは、「身の丈に合った人生」「自己満足が上手な人」で、好きなことに没頭できる「今でいうオタクのような存在」。だから親はなるべくこだわらず、最低限の躾は必要でも、子育てに「信念」や「自分の価値観」を持ち込まず、子どもに「好きなことをさせましょう」と語ります。そして、2割しか就けない“やりがいのある仕事”には楽しさ・美しさを追求する「感性」が求められるそう。令和は「感性・欲求」の時代だといい、そのような仕事に就けずとも「自分の気持ちを大切にできないと幸せになりにくい」。であれば、「我慢」「頑張る」は、これからの時代にはマッチしないということでしょう。

 これまでの子育ての“常識”を覆すような下園氏の「子育て戦略」インタビュー。「VERY」読者たちは、どのように受け止めたのでしょうか。子どもは親の教育のみで育つわけでなく、学校などでは「我慢できる人」が求められたりもするのが、難しいところです。

 なお、カバーモデル・矢野未希子による連載「今月の“いい妻”みっこ(ハート)」では、おうち時間が増えたという矢野が、「後回しにしてきたことや、自分を見つめ直す時間を持ち、家にいても心身をできるだけ充実させ、穏やかな気持ちで過ごせたらいいなぁと思っています」なんてのろけていますが、これもまた「VERY」読者への挑戦でしょうか? おうち時間が増えたところで家事・育児・仕事に追われ、「自分を見つめ直す時間」を持てず、「充実させる」「穏やかな気持ちで過ごす」なんて無理無理無理! な読者も少なくないのでは……。

「Domani」神崎恵の長男初登場も……「乗り気じゃない感」ダダ漏れの微笑ましい誌面に

 ワーママ向けファッション誌「Domani」(小学館)の6・7月号が発売されました。コロナウイルスの影響による休園・休校・在宅勤務などで、現実のワーママは過酷な日々を過ごしているはずの今日この頃ですが、「Domani」誌面は通常運行。モデル兼エディターの望月芹名が、ついに実の娘(1歳)を抱いて表紙に登場しているほか、読者モデル「Domanist」のアクティブで意識の高い生態がたっぷりと見られます。

 この号の制作時はまだ、ビフォーコロナの平和な時期だったのだなぁ……と、なんだかしんみりしてしまうほどにいつも通りの中身を、早速見ていきましょう。

<トピックス>
◎これが2020年の“おしゃれ夫婦(ハート)のリアル”
◎男気、ときどき、女気。 神崎恵・人生訓
◎噂のDomanistをネ・ホ・ハ・ホ!

メタボ夫など存在しない世界

 最初に見ていくのは、「これが2020年の“おしゃれ夫婦(ハート)のリアル”」です。「DFP」こと「Domani Family Partners」が続々と登場し、「MeHimスタイル」を披露しています。「DFPがMeHimスタイル!」と言われても、何のことやら、まったく意味がわかりませんが、DPFとは公募で選ばれた「Domaniを代表するファミリー」だそう。また、MeHimスタイルは「Domaniの造語」で、「私(Me)と彼(Him)でシェアするスタイル」のことだそう。つまり簡単に言えば、‟服や物を共有する幸せそうなオシャレ夫婦が、多数登場する”という企画なのです。ちなみに、「MeHimスタイル」は、これまでも「Domaniの造語」という点をしきりにアピールしながら何度も特集されていますが、一向にはやる気配はありません。

 トップを飾るおしゃれ夫婦は、馴れ初め(バイト)、結婚式の場所(サムイ島)、冷蔵庫の中身(鶏肉とブロッコリーを常備)などのダレトク情報をインタビューで公開。Tシャツ、ニューヨークで購入した大きな傘、海外での記念撮影に使うドローンなどをMeHimしているとのことでした。また昨年に娘が誕生してからは、夫がより率先して家事をしてくれるようになったとの情報も書かれていて、何とも幸せそうです。このようなDFPがページをめくるたび現れ、シャツやジャケット、パーカーにパンツ、カバンなど、あらゆるMeHimアイテムを紹介しながら、幸せエピソードを披露しています。

 もちろん、メタボ体型な夫など出てきません。夫がメタボ化し、服のMeHimなどできなくなる夢を今夜、見てほしい――。そんな、ささやかな嫉妬だけが生まれる企画でした。

 人気美容家・神崎恵さんの連載「男気、ときどき、女気。 神崎恵・人生訓」。3人の息子がいる神崎さんですが、今回は19歳の長男が初登場し、ツーショットを飾っています。

 先日、彼女が密着された番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)にも登場し、神崎さんに見守られながら、無表情でブロッコリーを切っていた姿が印象的だった長男。今回の誌面でも「乗り気じゃない感じ」がダダ漏れていて、微笑ましいほどです。

 親子ツーショットといっても、ありがちな「私たち仲良し親子です!」感は一切なし。写真は計9枚ですが、どれも絶妙に2人の間に距離があります。神崎さんがバリバリのカメラ目線、もしくは笑顔で写っているのとは対照的に、長男はギリギリカメラ目線なのが3枚で、ほか6枚は伏し目か半目。かろうじて笑顔にも見える写真(口が開いている)は2枚。神崎さんのヘアメイクがキマっている一方、色白・薄顔の彼は「ちょっとコンビニへ」感が漂う、素っぽい黒髪に黒スウェット&ベージュの短パンというコーディネート。「一応来てみたけど、決してノリノリでやってるわけじゃない」をクールに全身で表現しています。

 神崎さん、息子にはあれこれ口出ししない主義なのが伝わってきて、かえって好感を持ってしまいました。この連載を読むたび、神崎さんの魅力に引き込まれています。

運動会ファッションも‟子どものため”アピール

 意識の高い読モの生態を紹介する連載「噂のDomanistをネ・ホ・ハ・ホ!」。今回の最初の企画は「教えて! おしゃれワー/ママは運動会で何着てる?」でした。制作がコロナ前だったであろうことは承知の上ですが、あまりの空気の読まなさにずっこけたくなります。

 「Domanist」は運動会でも当然おしゃれなのですが、「あくまでも主役は子ども。悪目立ちしないように」「子どもが主役なので控えめに」など“いつもより地味なのは子どものため”アピールをする人と、派手な色のバッグを持つのは「子どもが見つけやすい」からという“派手なのは子どものため”アピールをする人の2種類がいて、“子どものため”とは使い勝手のいい魔法の言葉だなぁと、あらためて感じさせられました。

 続く「隔月ドマーニスト通信」は、数いる読モの一人をフィーチャーして取り上げるページ。今回の方も元々意識が高く、現在11歳の長男が0歳の頃から小学校受験のことを考えたり、習い事を詰め込んだりしていたのだとか。そんな彼女が「冷静になった」のは、2011年の東日本大震災がきっかけ。神経質に過ごしていたとき「たまたまスイス留学の記事を目にして」、当時保育園児だった長男を単身でスイスに1年半留学させたと語っています。

 「冷静になった」結果が、息子の単身スイス留学というのは、発想が飛躍しすぎな感がありますが、とにかくその留学で家族間の理解が深まり、長男も『ハリー・ポッター』原書の全巻読破に挑戦する英語力を身に着けたそう。

 一般ピープルにはハードルの高い方法ではありますが、このDomanistの現状打破力にはシビれました。このようなDomanistを知れることを楽しみに、また、アクティブなDomanistたちは自粛期間をどう過ごしているのか妄想しつつ、次号を待ちたいと思います。

「ar」でトリンドル玲奈がまた露出! 「じこまん」「マンゴーを手にしたカット」誌面に漂う悪意

 「ar」(主婦と生活社)5月号の特集は、「じこまんBEAUTY BOOK 私のために可愛くなる」です。「じこまん」が平仮名なのは気になるものの、誰かのためではなく「私のために可愛くなろう」というのは、「ar」が以前から発信し続けているメッセージ。外出自粛で美容もオシャレもどうでもよくなりがちな今こそ、心に響く人も多いかもしれません。今月号の中身、早速見ていきましょう!

<トピックス>
◎トリンドル玲奈、降臨! Bucchigiri Beauty Bible
◎じこまんBEAUTY BOOK
◎イケメンが全女子に捧げる褒め言葉

お尻を出すトリンドル、再び

 先月号で同誌に初登場したトリンドル玲奈。お尻のぷりんとした部分をショートパンツからハミ出させた姿で、これまであまりイメージのなかったオシャレエロ写真を撮られていた彼女が、今月号ではいきなり表紙と巻頭インタビューに抜擢されていました。直近の数カ月を振り返ると、「ar」の表紙を飾ってきたのは広瀬すず、永野芽郁、白石麻衣と、出演映画の宣伝を兼ねた旬な人々ばかり。なぜ今、突然のトリンドル?

 先月はお尻を出していたトリンドルですが、今月号でもお尻出しは健在。それどころか胸の谷間やブラジャー姿も見せています。表紙でも、ゆるゆるのショートパンツで脚をおっぴろげるふうのポーズを披露。その姿のすぐ横に、特集タイトルである「じこまん」の文字がわざわざ平仮名で躍るのは悪意があるようにも見えてきますし、誌面にぱっくり割れたマンゴーを手にしたカットがあるのも意味深に思えてきます。

 一体、トリンドルに何が起こっているのでしょうか。彼女を取り巻く環境の変化が気になりますが、インタビューで語られているのは「空前の海鮮丼ブームが到来しちゃいました(ハート)」「夏はおっきな麦わら帽子をかぶろうかな~♪」など、どうでもよいプチ情報。今後のトリンドルの行方が気になります。

 最近は外出できず服もメイクも常にオフ状態……という人に喝を入れてくれそうなのは、今号のメイン特集「じこまんBEAUTY BOOK」です。「ar」は、「いいのいいの自分が 私、さいこーじゃん! って思うために 今日も可愛さを求め、私たちは美容に励むのです。その自己満が女の子を輝かせるから」と説き、誰に見せるためでもなくでも自分のために可愛くいようぜ! と読者を鼓舞します。

 鏡を見た瞬間に「今日の私、いつもより可愛い!」と思うことが、「女子の最高の自分アゲ剤」だという部分は、大いに納得するとともに、こういう時勢こそ、自分で自分をアゲていく能力が必要なのだなあと考えさせられました。

 「可愛いインスピを刺激(ハート)」してくれるという新作コスメはなかなか買いに行けませんが、それだけでなく、「湯船にしっかり浸かる」「睡眠をしっかりとる」「食生活を見直す」「顔ヨガ」など、すぐできることも紹介されています。いつもならば「入浴? 睡眠? それで可愛くなれるなら、世の中は美女だらけだろうよ」と、やさぐれた気持ちで読むところですが、今は心に沁み入りました。

 別のメイク企画「八木アリサの恋しちゃったんだ顔」では、人気ヘアメイクのイガリシノブ氏が「ときめきONLY(ハート)うきうきフェロモン顔」メイクや、「欲はすべて…恋! ファーストデートメイク」などのハイテンションな“おフェロメイク”を紹介中。普段、街にしていく勇気はない人も、家でこっそり挑戦してみたら、イガリマインドで楽しくなれるかもしれない……とも感じました。

お尻出しもきっと、無駄じゃない

 続いて見ていくのも、自粛疲れした心を潤してくれる企画。その名も「イケメンが全女子に捧げる褒め言葉」です。杉野遥亮、清原翔、塩野瑛久ら若手イケメン俳優たちが、読者へ“褒め言葉を囁いてくれる”というコンセプトの作り。

 杉野は、上目遣いで「今の自分に自信を持って」。清原は、真っ直ぐ前を見て「頑張ることに無駄ってないから」。こちらも、普段であれば「けっ、抽象的なことばかり言いよって」と思ってしまいそうですが、こういう時期には沁みます。

 清原は続けます。「今、どんなに大変だな、この頑張りは無駄だったかもなって思ったとしても、その経験は絶対これからの糧になるし、経験しているからこそわかることってたくさんあると思うんです」と。突然、露出キャラに路線変更をし始めたトリンドルにも、この言葉が届いていてほしいです。

「VERY」出産と女性へのメッセージを台無しにする、「ママになれた瞬間」企画の息苦しさ

 新型コロナウイルス一辺倒の世の中でも律儀に発行されるファッション誌。子育て中の女性をメインターゲットに置く「VERY」(光文社)も例外ではなく、発売されたばかりの5月号では、春のファッションをがっつり紹介しています。相変わらず広告量も多いのですが、目に留まったのはオンラインショップ「ロコンド」のページ。「子どもはもちろんママにとっても運動会は晴れ舞台!この日のためにいろいろ準備したい」との言葉に、端的に言って「怖い」と感じました。運動会は親のためにあるわけではない、のでは……?

<トピック>
◎吉川トリコさんにきく 令和のいま、女であること
◎私がママになれた、あの瞬間。
◎今月の“いい妻”みっこ

吉川トリコ氏、女性たちへ「今の自分を否定しないで」

 前置きが長くなってしまいましたが、今号の「VERY」では、ファッション企画よりも読み物ページが印象的です。

 「吉川トリコさんにきく 令和のいま、女であること」は、『マリー・アントワネットの日記』シリーズ(新潮社)の著者・吉川トリコ氏へのインタビュー。吉川氏は、Webマガジン「考える人」にて連載中のエッセイ「おんなのじかん」で、自らの不妊治療体験を明かしています。

 インタビューで吉川氏は、不妊治療がアンタッチャブルになっていること、毒親問題(マリー・アントワネットの母・マリアテレジアは娘への手紙に「妻たるもの夫に付き従え」「いつまでも可愛らしく愛される存在でいろ」と書いていた)に触れ、さらには、今もなお、この国には「子どもは早くたくさん産むのがよし」という風潮があると、とても的確に言及します。

「子どもを産むタイミングには、年齢や他の条件も関わってくるので、早いうちの情報収集をしておくに越したことはないと思います。でも、子どもが欲しいと思わない人も、欲しかったけれど授からなかった人も、今の自分を否定しないでほしい。この国は、表面だけ近代化しているように見せかけて、一皮剥いたら精神論やら家父長制やらでなんでも押し通そうとする『マジやばい後進国』なので、周囲からの価値観の押し付けにはどうか惑わされないでほしいです」

 「VERY」読者たちの中にも、「子どもは早くたくさん産むのがよし」の風潮に苦しめられた、あるいは今も苦しめられている人がいるかもしれません。妊娠や出産や育児にまつわる知識や情報は持っておくべきだと思いますが、実際にどうしたいのか、どうするのかは自分が決めればいい。それなのに、「子どもがいないなんてかわいそう」「少子化問題に貢献していない」などと勝手に後ろ指を指したがる人間も世の中にはいます。

 保守的な土地柄で育ったという吉川氏は、インタビューの最後、自身が10〜20代の頃は「このまま妊娠して結婚してもいいや」という少し投げやりな空気感があった(女は仕事でキャリアを積めないというあきらめによるもの)と振り返った後、「今、10代の女の子たちには、抜け出すチャンスがないなんて思わないで、と小説やエッセイを通して伝え続けたいと思います」と語ります。そのメッセージには心強いものを感じました。

 吉川氏のインタビューから数ページ進んだ先にある企画「私がママになれた、あの瞬間。」を見てみましょう。リードには、「出産した瞬間から『ママ』の肩書を授けられるのに、なかなか自分の気持ちがそれについていかない……。そんなギャップを感じている人は意外と多いようです。『ママ』になるってどういうこと?」との説明があり、実際に0~4歳の子を持つ読者たちの“ママになれた瞬間”エピソードが紹介されています。

 独身時代は面白いと思わなかった『はじめてのおつかい』(日本テレビ系)を見て毎回号泣、2歳娘からの「ママごはんおいしかったありがとう」に泣けた、自分が抱っこするとピタッと泣きやんだ、目に映る全ての子どもが可愛いと思える、一人時間に子ども服を買い漁った、などなど。

 登場するママたちのエピソードや気持ちを否定するつもりはありませんが、ただ、これらのエピソードって“ママになれたあの瞬間”という言葉でしか表現できないものなのでしょうか? 同じようなエピソードや気持ちを持つ“パパ”がいても、おかしくないのでは? という疑問も湧きます。

 筆者(5歳児の母)も出産後、感傷的になることはあったし、出産前と考え方が変化した部分もあるように思います。ただ、それらが “ママになれたあの瞬間”だったかというと、正直よくわかりません。そもそも“ママになれたあの瞬間”なるものが自分にあったのかどうかも、あやふやです。

 小児科で「お母さん」と呼ばれ、「ああやっぱそういうふうに呼ばれるんだ」と思ったことは覚えているけど、それは “ママになれたあの瞬間”というわけではないような……。子どもが不慮の事故で亡くなったニュースに悲しみを感じ、「もし自分の子だったら」と考えてゾッとするようになったけど、そのことを“パパ”になった男友達に話したらめちゃくちゃ共感されたから、“ママ”限定の話ではなさそう……。

 と、こんな具合です。産んだら育てるしかないですし、365日顔を合わせるので、我が子に対する“責任”や“愛着”はありますが……。

 3名の有識者たち(宋美玄氏、黒川伊保子氏、Lily氏)による、それぞれの見解も紹介されています。見出しの「産んだその日から、すぐにママになれるなんて幻想です!」という言葉に安心感を覚える読者もいるでしょう。しかし、3名の見解を読んでいくと、むしろ息苦しさを感じる人もいるのでは? と不安がよぎります。

 例えば、産婦人科医の宋氏は「一人で背負いこまず父親としっかり分担し、『母親』以外の自分の顔も大切にして、気楽に育児してくださいね。いつか『私もお母さんになったなあ』と思える日は必ず来ますので」と語ります。無論、一人で背負い込まず気楽に育児ができるのはいいことでしょう(それが可能な環境の人ばかりではありませんが)。しかし、「母親」の肩書に気持ちがついていけず苦悩している人にとっては、「必ず来ます」と言われても気が遠くなりそうな……? 

 大前提として、「『私もお母さんになったなあ』と思える日」、すなわち“ママになれた、あの瞬間”は、育児に必要不可欠なものなのでしょうか? そんな疑問が拭えませんでした。

 さて、「VERY」では先月号から、カバーモデル・矢野未希子による連載「今月の“いい妻”みっこ(ハート)」がスタート。夫との出会いと馴れ初めがつらつら綴られているという、読み応えのないエピソードに終始した先月号と同様、今号もまた、夫から2度プロポーズをもらったというエピソードがつらつら。期待を上回るほどのどうでもよさに、逆に衝撃を受けました。
(中崎亜衣)

「ar」トリンドル玲奈の唐突な「尻出し」が、イメチェン特集号に掲載された意味

 「ar」(主婦と生活社)4月号は「YES! NEW ME! 私が私を飽きさせない」と題した、イメチェン特集号です。「大切なのは、私が私に飽きてないこと。自分に飽きちゃったら、きっと可愛いもそこで終わり。せっかく私に生まれたんだからガンガン私を楽しもう」という、「ar」らしさ満点のポジティブメッセージで始まります。何かと浮かれた気分になれない今日この頃でも、「ar」は変わらずにポジティブです。今月号の中身を、早速見ていきましょう!

<トピックス>
◎私を変えるスプリングカラー7
◎いきなりキューシンガオ
◎私たち、「「「ar編集部です!!」」」

この春は、何も着ていない系

 まず見ていくのは、「自分のイメージをガラリと変えてくれるような、新鮮な7色との出会い」を提案するファッション企画「私を変えるスプリングカラー7」。その7色とは、「甘いだけじゃないピンク」「ひとさじ明るいベージュ」「まろやかなグリーン」「エモな気分のイエロー」「あったかいパープル」「凪いだブルー」「曖昧なタイダイ」。同誌オリジナルなネーミングです。日曜朝の戦隊モノを「ar」がとびきりエモく作ったら、この7色になるのだろうか、全員弱そうだがリーダーがいるとすれば「エモな気分のイエロー」だろうか……と妄想が膨らみます。

 この企画のコーデもそうですが、今月号で紹介されているファッションの色味は全体的に淡く、素材も透けるシアーなものが多い印象。「ひとさじ明るいベージュ」などは、完全に肌着色です。「まろやかなグリーン」で着ているキャミソールも「ピスタチオ色」という流行色だそうですが、少し遠目に見ればくすんだベージュで、ただの地味な肌着。もっと離れて見れば、何も着ていない人のようにも見えます。

 この春、若者の間では“遠目に見れば何も着ていない系”がはやっているということなのでしょうか。それを象徴するように、今月号の表紙を務めた女優の広瀬すずも、誌面(16ページ)で遠目に見れば何も着ていない系コーデを披露。昭和生まれからは「肌着」としか認識されないであろう肌色のタンクトップを着ています。しかしこの肌着、1万3,000円もするそう。無印良品の2枚セット990円のタンクトップとどこが違うのか、ぜひ実物を手に取ってみたいと感じました。

 今月号では、タレントのトリンドル玲奈が初登場し、メイク企画「いきなりキューシンガオ」でモデルを務めています。最近は『テラスハウス』(Netflix)でしか見かけない印象のトリンドルがなぜ? と不思議に思ったのですが、同誌いわく、今はトリンドルのような“求心顔”が流行中とのこと。

 メイクの企画でありながら、トリンドルは肌着風タンクトップ姿や、薄ピンク色のスパッツ姿などのオシャレ系エロ写真を撮られていて、その中の1枚、超ショートの白パンツをはいたカットでは、お尻がぷりんとはみ出しています。顔よりお尻のほうが圧倒的に求心してきます。意外で唐突なトリンドルのお尻に、少々面食らいましたが、これが彼女なりのイメチェン(今月号のテーマ)なのだと受け止めました。

編集部の自画自賛がスゴイ

 ときどき内輪ノリの激しい「ar」ですが、今月号ではそれが極まった企画「私たち、『『『ar編集部です!!』』』」がありました。実はこれ、さまざまなイケイケ企業を取材してきた連載「arガール的大人の社会科見学」の最終回で、自分たちの編集部紹介をしています。

 編集部員による編集部員紹介が“自画自賛”の嵐で、このような編集部だから最強にポジティブな「ar」が出来上がるのだなぁという感慨にふけりました。

 例えば「モデル体型、生粋のおしゃれ好き、話術も巧みなアイディア女王」「ラフも机も超キレイ、おまけに毎日着てる服が超可愛い」「可愛すぎて社内中の老若男女から寵愛を受けている」など。こんなに褒められる人生、単純にうらやましい。

 また個人的には、ここ最近感じていた「ar名物、謎のハイテンションワードの勢いが落ちてきているのではないか?」という疑問も、このページで解決されました。数々の名キャッチ「おしゃH顔」「瞳ギッシュ!」「ドメス」などを生み出していた編集部員さんが、育休に入っていたそうです。その方が、この4月から復帰されるとのこと。謎ハイテンションワードの復活、今から楽しみです。

「Domani」港区タワマン住民の「子育て」は時代逆行!? 「洗濯板を使わせる」意識の高さに衝撃

 働くママ向けファッション誌「Domani」(小学館)4・5月号の特集は、「やってきました! ワー/ママもピッカピカ だけどドッタバタの新学期!」です。進学やクラス替えなど、子どもの環境が変わるこの季節、「Domani」が読者として想定するハイクラスなキラキラワーママにも、懸案事項が山盛りでドッタバタだそうです。早速、中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎ワー/ママ川柳2020
◎“はじめまして!”の『ママの日』メーク、『ワーの日』メーク
◎ごめんなさい(ハート)“世界でいちばん、おうち好き”なもので…。

直球すぎるワーママ川柳

 最初に見ていくのは、「ワー/ママ川柳2020」です。「ピッカピカママによる全然ピッカピカじゃない働く母の心の叫び、集めてみました!」とのこと。「川柳はWEB Domaniおよび公式SNS、メールマガジン等で募集したものです」と注釈があるものの、投稿者の名前やペンネーム、年代などの情報は一切掲載されていないのが少し気になります。

 取り上げられている川柳は「終わらない 仕事も家事も 子育ても」「終わりません 時短勤務に この仕事」「呼び出しは 仕事が大事な ときばかり」など、仕事と子育てを両立する大変さを単刀直入に訴えるものが多い一方、「義理母に 子守りを頼み アフリカへ」といった個人的作品、「すみません 1000回言って 早退す」といった、「せいぜい100回では」と無粋なツッコミを入れたくなる作品なども。

 よく知られた川柳コンテスト「サラリーマン川柳」「シルバー川柳」の入賞作品のようなユーモア、ひねりがないことが一層、ストレートにワーママの余裕のなさを表現しているように感じ、読んでいて心配になりました。

 続いては「‟はじめまして!”の『ママの日』メーク、『ワーの日』メーク」。今号で最も「Domani」の闇を感じた企画です。

 子どもの新学期はママにとってもコミュ力が試される時だとして、「『コミュ力が高そう』と思わせるメーク」を紹介しているのですが、読者モデル「Domanist」6人による座談会の内容が、とにかく恐ろしい。

 まず、産前はバッチリメークだったという読者モデルの、こちらの発言。

「それまでと同じメークで児童館に行ったらナチュラルメークのママから話しかけられなくて。その代わり、メークもファッションも気合いの入ったママに声をかけられました(笑)。濃いメークにしたつもりはなかったけれど、ママらしさはなかったかも」

 児童館デビューで誰かからあからさまに無視されたり、仲間外れにされたわけでもない上、「メークもファッションも気合いの入ったママ」に声をかけてもらえたなら万々歳では? と思える話ですが、なぜかこの方は「(笑)」をつけ、これを“失敗談”として語っています。自分のメークに「ママらしさはなかった」ことが“失敗”の原因だと分析していますが、その「ママらしさ」は、この読者モデルの個人的観念に過ぎません。「児童館でメークもファッションも気合いの入ったママ」を、この読者モデルは「ママらしくない」と感じ、無意識に「一緒にされたくない」と思ったのでしょうか。

 また別の読者モデルは、薄いメークのときにママ友と会ったときには、「今日の顔は違うんです。これでラベリングしないで」と思うとか。一方で、仕事の都合でフルメークだった日に保護者会に遅刻した時のことは「初対面の人には『子どものことを差し置いてメークを優先するなんて、自分のことが大好きな人かしら。お子さんもそういう性格?』って思われたかも」と振り返っています。メークが薄くても濃くても悩みは尽きない様子。

 読者モデルの方々には、思い込んでいる「ママらしさ」や「ラベリング基準」に縛られず、もっと気楽に生きてほしい! と思うと同時に、そもそも「ママらしさ」「ラベリング基準」の刷り込みを行っているのは、「Domani」のこういう企画なのだと気づきます。

 「Domani」は、“たった一瞬のメークやファッションの印象で他人をラベリングすること”を普通のことだと捉えているのだろうか? 子どもにもそう教えるようなママが想定読者なのだろうか? と考えると、ますます恐ろしくなってきます。

 実際の読者のほとんどは、この座談会に出てくるような凝り固まった思考を持っていないだろうし、ワーママ川柳のような忙しさの中で、他人のメークをそこまで気にしていないのでは。「Domani」は、ワーママを応援しているようで逆になめている……と思われても仕方ないかもしれません。

 最後は、おうち自慢企画「ごめんなさい(ハート)“世界でいちばん、おうち好き”なもので…。」。モデル・黒木ナツミの23区内一軒家、滋賀県在住Domanistの一軒家などが紹介されています。

 中でも目を引いたのは、港区のタワマン上層階に住むDomanist。自動車販売会社を経営する夫が元々住んでいたタワマンの別階住居110平米を新たに購入したそうで、リビングの壁一面が窓という造りで、ビル群が見渡せます。

 その暮らしぶりにも、意識の高い感じが漂います。生活感のないスッキリとした部屋で、「家具以外にあるものは…息子の学習本くらい!?」とのこと。その一人息子はまだ3歳ですが「テレビは見せませんが図鑑のDVDならOK」と決め、『図鑑 NEO』シリーズ(小学館)を見せているそうです(これは「Domani」の版元が小学館だから……という流れでしょうか)。さらに「夜景の美しさは、また格別!」という大きな窓付きバスルームでは、息子に「水遊び感覚で自分の洗濯物を洗濯板で洗ってもらう」そう。

 時代に逆行し、図鑑DVDだけ見て、洗濯板を使う男子。なかなかの人物になりそうです。リアル意識高い系タワマン住人の子育てを垣間見ることができて、こちらは素直に楽しめました。

「VERY」教育虐待・不妊を語るウラで、カバーモデル・矢野未希子の“いい妻”連載がツラすぎる!

 今年で創刊25周年となる「VERY」(光文社)。25年といえば四半世紀ですから、今や創刊当時の読者の娘たちが、「VERY」の読者世代に突入していることでしょう。子育て中の女性をメインターゲットに置く「VERY」は、とにかく分厚い雑誌です。ファッション、ヘアメイク、仕事・育児・家事、夫婦関係……。「VERY」でクローズアップされるテーマは多岐に渡っており、現代の子育て女性のありとあらゆる関心ごと、全てを対象にしているのかもしれません。そんな「VERY」4月号を見ていきます!

<トピックス>
◎選びひとつで、楽にも自由にもなれちゃう! 最近、オシャレは“バッグ頼み”な私たち
◎受験勉強だけじゃない、過剰な習い事も… もしかして、教育虐待?/シンマイさんと学ぶVERY世代と卵子凍結
◎今月の“いい妻”みっこ

自由どころか不自由しかない!?

 今号の大特集は「選びひとつで、楽にも自由にもなれちゃう! 最近、オシャレは“バッグ頼み”な私たち」。ママが“楽”や“自由”、そして“オシャレ”になるための必需アイテムとして、バッグが列挙されています。

 育児中のママにとってバッグ選びが重要という点に異論はありませんが、「VERY」では、“楽”とか“自由”と謳っているわりに、他人から「どう見えるか」をかなり意識していて、読んでいるとむしろ“不自由”が感じられるのです。顕著なのが「Part2 カジュアルすぎず、主張しすぎず、ちょうどいいラインが知りたい! コンサバ園ママのための、春のはじめましてQ&A ~バッグ編~」。コンサバ園ママが抱えるであろう悩みに答える形式でバッグが紹介されていきますが、バッグひとつとて「こう見られたい!」という複雑な自意識が感じられます。

 例えば、「Q.クラスの懇談会ランチの日にオシャレするなら?」――懇親会ではとにかく話しかけやすい雰囲気が大事! 今の気分が詰まったバッグなら、コミュニケーションにつながる、と解説します。また、「Q.入園式で、悪目立ちしないきちんとバッグは?」――ブランドが前面に出たものより、等身大のかっちりバッグ。目立ちすぎず凛とした母っぽさを大事にしたいママが増えている、といった具合です。“コンサバ園ママのため”という括りも関係しているのかもしれませんが、話しかけやすく見られたい、凛とした母に見られたいと、「どう見えるか」をかなり意識しています。

 別の企画「タイプ別着映える好感度ワンピを探せ」でも、“好感度”と銘打っているだけあって、「通勤姿もドラマチックに見える」「撥刺ヘルシー見えで先生ウケよし!」など、「どう見えるか」は重大事項。ただし、「楽してきちんと見えたい産後復帰ママは」というフレーズは正直でよろしい。「VERY」はママが“楽”すること自体は推奨しているようですね。 

 どうやら「VERY」におけるファッションとは、最終的に他人に“どう見えるか”が核になっているようです。もちろん、“どう見えるか”が重要という価値観が悪いわけではないですし、実際、“どう見えるか”によって承認欲求や自己顕示欲が満たされることもあるでしょうが、それって楽で自由なのでしょうか。

 ただファッションを提示するだけではないのが「VERY」の大きな特徴で、近年は社会問題を頻繁に特集しています。今号で取り上げているのは、卵子凍結、教育虐待について。

「受験勉強だけじゃない、過剰な習い事も… もしかして、教育虐待?」では“教育虐待”について、専門家からの解説とアドバイス。「子どもを周りと比較し、親としての自分にも優劣をつける考え方を変えてください」「親の期待で何かを強いるのはスタートとしては好ましくありません」といった“正しいこと”が的確に書かれています。ただ、その“正しいこと”がどうしてもできず、苦しんでいる親もいるのでは……。しかし次のページでは、教育虐待の概念を提唱した臨床心理士・武田信子氏のインタビューが掲載されており、武田氏は「教育虐待は親の責任ではなく、日本の社会や学校教育を含めたこの国の現状が原因」ときっぱり語っていて、「いいね!」を押したくなりました。

 たとえば“ほかの子と比べるのはよくない”はよく言われますが、ではなぜ親がほかの子と比べてしまうのかといえば、おそらく社会の構造や価値観とは無関係ではなく、教育虐待は親を責めるだけでは解決しない問題であることは、子育て世代が知っておくべき情報ではないでしょうか。

VERYモデルたちのノロケ連載

 「VERY」では、モデルによるコラムが複数ありますが、なかには毒にも薬にもならぬ内容も混ざっています。

 最も不可解なのは、2020年1月号から「VERY」カバーモデルを務めている矢野未希子の新連載「今月の“いい妻”みっこ(ハート)」。夫との出会いや、付き合って1週間後に夫の髪形やファッションを自分好みにイメチェンさせたことについて、「ハート」や「(笑)」を多用しながら記されているのですが、この連載、「VERY」に必要……? 女性の生き方や子育てについて意識の高い「VERY」だけに、読み物ページで読者が求めているのは、一人の女性がさまざまな選択をしながら生きていく上で生じる迷いや葛藤、それらをどう乗り越えたか、あるいはどう折り合いをつけたかとか、生々しさや人間味、はたまた社会への問題提起を伴ったエピソードではないでしょうか。

 来月はプロポーズについて語るとのことで、「次号もお楽しみに(ハート)」と終えていますが、矢野の連載を楽しみにしている読者がどれだけいるのか、心配になった次第です。
(中崎亜衣)

「ar」をブチ壊す、「LEON」編集長の言葉――女が自信を持つことは「俺たちにモテるため」ではない!

 3月号の「ar」(主婦と生活社)は「ALL WE NEED IS LOVE!!! 好きこそすべて」と題した「LOVE特集号」。異性モテより“自分モテ”を提唱している「ar」らしく、今号の「LOVE」も、誰かに与えるものではなく、惜しみなく自分自身に向けるものとして捉えられています。

 特集ページ冒頭には、「みんなから浮かないとか、誰かが持ってるからとか、そんな理由じゃなくて。(略)なんだかわからないけど、胸がときめく! そんな自分の“LOVE”をもっと大切に。だって、“好き”は私たちにとって最高の自分アゲ剤」とのお言葉が。自分アゲ剤、なんと素敵な響きでしょう。沢尻エリカやマッキー(槇原敬之)にも違法じゃない自分アゲ剤があればよかったのになあと思ったところで、今月号の中身、早速見ていきましょう!

<トピックス>
◎LOVE充な女になる10のこと!!
◎イケメン美容師ときめきTONIGHT
◎令和的男子図鑑

「LEON」編集長がブチ壊す

 最初に見ていくのは、巻頭特集「女の子サイコー(ハート) LOVE充な女になる10のこと!!」です。同誌いわく、「LOVE充」とは「全身いっぱいにあふれるほどの愛を持ってる」状態のこと。そして「LOVE充10か条」その1は「まず、自分が大スキ!!」だそうです。ドラム式洗濯機の傍らでショーパン姿の佐藤栞里と宮田聡子がポップコーンをつまむ平和な写真に、「LOVE充オンナは自己愛にも満ちてて当然!」「いつだって自分が自分の一番の味方」「自己肯定感、高くて損なし」との解説が添えられています。なんてハッピーな考え方。

 10か条はほかに「鏡大スキ(ハート)」「全力で休む!」「昨日よりいい女になった! と毎日思える(ハート)」など。最後のページでは、やや唐突に詩人・中原中也の言葉「天才とは、自分自身であつた人のことだ」まで引用され、これはファッション誌ではなく自己啓発書なのでは!? と思うほど、自分を慈しむことの大切さを超ポップに伝えてきます。

 お気楽すぎる感もありつつ、もしも自分に娘がいたら、こんなふうにハッピーにポップコーンをつまみつつ、自信満々でただただ明るく生きてほしい! という希望のような気持ちが湧いてきて、まさに“自分アゲ剤”な企画でした。

 ただ、これは蛇足ではと感じたのが、オジサンファッション誌「LEON」(主婦と生活社)の男性編集長からのコメント。要約すれば“異性に媚を売る女と、謙虚すぎる女はモテないぞ”というもの。モテるのは「自分とその周りの環境が好きな女性」であると説き、「そんな女性が増えたら、ボクらの人生も、もっと楽しいだろうなぁ」と結んでいます。このコメントがあることで、LOVE充マインドも結局、男性からは“俺たちにモテるための行為”として捉えられてしまうのか!? と思わされ、企画の軸がブレてしまったような。そもそも、「ボクらの人生」くらい自分で楽しくしてくれよ……「ar」読者を見習って、“自分アゲ剤”を自分で調達してくれよ! とツッコみたくなりました。

 続いては「ar」おなじみ、イケメン美容師をアーティスティックな写真で紹介するコーナー。今回はTOKYOの夜がテーマで、タイトルは「イケメン美容師ときめきTONIGHT」です。毎回、写真に添えられるキャッチを楽しみにしているのですが、今回も最高でした。

 「明けない夜があってもいいよね?」「この魅力、月明かりだけじゃ照らしきれない」「第一志望はあなたです(ハート) 恋の桜、咲きますか!?」など、すばらしい文句が並びます。「色気DakuDaku」と煽られた一見近寄りがたいイケイケ美容師のプロフィール欄を読んでみると、「チャームポイントは下っ腹(ハート) ファッションのこだわりは、お腹が見えないようにすることっ!」と書いてあり、一気に親近感があふれる工夫も。個人的なナンバーワンは、「『君にとって僕は何?』なんて…むしろ聞きたい 王子以外にありますか?」でした。

 しかし、タイトルの元ネタであるラブコメマンガ『ときめきトゥナイト』(集英社「りぼん」にて、1982年7月号から94年10月号まで連載)を知っている「ar」読者って、どれくらいいるのだろうか。

あるある令和男子図鑑

 最後は読み物企画の「令和男子図鑑」。ジャンル分けした女子を皮肉交じりに描くイラストレーター「つぼゆり」の作品を模したかのような、この企画。「アイラブ俺男子」「唯我独尊男子」「“おこだわり”男子」「いくつでちゅか男子」「僕カワイイでしょ男子」「自称イケイケ男子」の6タイプが紹介されています。

 こだわりの強さが前面に出る「“おこだわり”男子」は、「サチモスについて語りがち」「お互い無言で文庫本読むデート」「恵比寿や広尾などはもう飽きた感を出す」。オレオレパリピ系な「唯我独尊男子」は、「#出会いに感謝 #日々成長 #俺らまだ若くね? など浅い言葉のハッシュタグをつけたがる」、学生のように飲みたがる「いくつでちゅか男子」は「飲み会を“呑み会”と書く」「やたら動画や写真を撮る。(略)‟飲み会で輝く俺”を記録」など、どれも結構男性をバカにしている印象です。

 自分アゲ剤を持っているLOVE充な読者には、これくらい引いた目線で男子を観察したほうが、おかしな男子に引っ掛からなくて済むのだろうかと、またしてもオカン的な目線で感じました。

「ar」をブチ壊す、「LEON」編集長の言葉――女が自信を持つことは「俺たちにモテるため」ではない!

 3月号の「ar」(主婦と生活社)は「ALL WE NEED IS LOVE!!! 好きこそすべて」と題した「LOVE特集号」。異性モテより“自分モテ”を提唱している「ar」らしく、今号の「LOVE」も、誰かに与えるものではなく、惜しみなく自分自身に向けるものとして捉えられています。

 特集ページ冒頭には、「みんなから浮かないとか、誰かが持ってるからとか、そんな理由じゃなくて。(略)なんだかわからないけど、胸がときめく! そんな自分の“LOVE”をもっと大切に。だって、“好き”は私たちにとって最高の自分アゲ剤」とのお言葉が。自分アゲ剤、なんと素敵な響きでしょう。沢尻エリカやマッキー(槇原敬之)にも違法じゃない自分アゲ剤があればよかったのになあと思ったところで、今月号の中身、早速見ていきましょう!

<トピックス>
◎LOVE充な女になる10のこと!!
◎イケメン美容師ときめきTONIGHT
◎令和的男子図鑑

「LEON」編集長がブチ壊す

 最初に見ていくのは、巻頭特集「女の子サイコー(ハート) LOVE充な女になる10のこと!!」です。同誌いわく、「LOVE充」とは「全身いっぱいにあふれるほどの愛を持ってる」状態のこと。そして「LOVE充10か条」その1は「まず、自分が大スキ!!」だそうです。ドラム式洗濯機の傍らでショーパン姿の佐藤栞里と宮田聡子がポップコーンをつまむ平和な写真に、「LOVE充オンナは自己愛にも満ちてて当然!」「いつだって自分が自分の一番の味方」「自己肯定感、高くて損なし」との解説が添えられています。なんてハッピーな考え方。

 10か条はほかに「鏡大スキ(ハート)」「全力で休む!」「昨日よりいい女になった! と毎日思える(ハート)」など。最後のページでは、やや唐突に詩人・中原中也の言葉「天才とは、自分自身であつた人のことだ」まで引用され、これはファッション誌ではなく自己啓発書なのでは!? と思うほど、自分を慈しむことの大切さを超ポップに伝えてきます。

 お気楽すぎる感もありつつ、もしも自分に娘がいたら、こんなふうにハッピーにポップコーンをつまみつつ、自信満々でただただ明るく生きてほしい! という希望のような気持ちが湧いてきて、まさに“自分アゲ剤”な企画でした。

 ただ、これは蛇足ではと感じたのが、オジサンファッション誌「LEON」(主婦と生活社)の男性編集長からのコメント。要約すれば“異性に媚を売る女と、謙虚すぎる女はモテないぞ”というもの。モテるのは「自分とその周りの環境が好きな女性」であると説き、「そんな女性が増えたら、ボクらの人生も、もっと楽しいだろうなぁ」と結んでいます。このコメントがあることで、LOVE充マインドも結局、男性からは“俺たちにモテるための行為”として捉えられてしまうのか!? と思わされ、企画の軸がブレてしまったような。そもそも、「ボクらの人生」くらい自分で楽しくしてくれよ……「ar」読者を見習って、“自分アゲ剤”を自分で調達してくれよ! とツッコみたくなりました。

 続いては「ar」おなじみ、イケメン美容師をアーティスティックな写真で紹介するコーナー。今回はTOKYOの夜がテーマで、タイトルは「イケメン美容師ときめきTONIGHT」です。毎回、写真に添えられるキャッチを楽しみにしているのですが、今回も最高でした。

 「明けない夜があってもいいよね?」「この魅力、月明かりだけじゃ照らしきれない」「第一志望はあなたです(ハート) 恋の桜、咲きますか!?」など、すばらしい文句が並びます。「色気DakuDaku」と煽られた一見近寄りがたいイケイケ美容師のプロフィール欄を読んでみると、「チャームポイントは下っ腹(ハート) ファッションのこだわりは、お腹が見えないようにすることっ!」と書いてあり、一気に親近感があふれる工夫も。個人的なナンバーワンは、「『君にとって僕は何?』なんて…むしろ聞きたい 王子以外にありますか?」でした。

 しかし、タイトルの元ネタであるラブコメマンガ『ときめきトゥナイト』(集英社「りぼん」にて、1982年7月号から94年10月号まで連載)を知っている「ar」読者って、どれくらいいるのだろうか。

あるある令和男子図鑑

 最後は読み物企画の「令和男子図鑑」。ジャンル分けした女子を皮肉交じりに描くイラストレーター「つぼゆり」の作品を模したかのような、この企画。「アイラブ俺男子」「唯我独尊男子」「“おこだわり”男子」「いくつでちゅか男子」「僕カワイイでしょ男子」「自称イケイケ男子」の6タイプが紹介されています。

 こだわりの強さが前面に出る「“おこだわり”男子」は、「サチモスについて語りがち」「お互い無言で文庫本読むデート」「恵比寿や広尾などはもう飽きた感を出す」。オレオレパリピ系な「唯我独尊男子」は、「#出会いに感謝 #日々成長 #俺らまだ若くね? など浅い言葉のハッシュタグをつけたがる」、学生のように飲みたがる「いくつでちゅか男子」は「飲み会を“呑み会”と書く」「やたら動画や写真を撮る。(略)‟飲み会で輝く俺”を記録」など、どれも結構男性をバカにしている印象です。

 自分アゲ剤を持っているLOVE充な読者には、これくらい引いた目線で男子を観察したほうが、おかしな男子に引っ掛からなくて済むのだろうかと、またしてもオカン的な目線で感じました。