貴乃花と離婚した河野景子、『花束みたいな恋をした』のように新恋人を語る「婦人公論」インタビューに思うこと

 「婦人公論」(中央公論新社)の3月9日号、特集は「エコだけどケチじゃない『始末のいい』暮らし」です。「始末のいい暮らし」とは聞き慣れない言葉ですが、一体どういう暮らしのことなのか!? さっそく中身を見ていきましょう。

<トピックス>
◎エコだけどケチじゃない「始末のいい」暮らし
◎夫が狩った獲物、まるごと一頭いただきます
◎河野景子 感性の合うパートナーと私らしく歩いていきたい

結局「ていねいな暮らし」系なのか

 特集の「エコだけどケチじゃない『始末のいい』暮らし」。気になったのは「始末のいい暮らし」とは一体何なのか、という点についてです。いわゆる「ていねいな暮らし」とは違うのでしょうか。

 最初のページを見ていくと、「必要なものだけ買う、特性を活かす、最後まで使い切る、第二の用途を探す……」と説明が。続けて「外出もままならないいまだから、日々の生活を少し見直してみませんか」とあり、“コロナ禍だからこそ生活の見直しを!”という趣旨のようです。

 続けて取り上げられている人物は、 “シンプルな生活”を勧める料理家・有元葉子氏を始め、断捨離して古民家に移り住んだ女優で陶芸作家の丘みつ子氏、「皮も、葉も、根も賢く食べ切る」レシピを紹介する料理研究家・久保香菜子氏、「繕いの魅力を発信」している“暮らしの装飾家”・ミスミノリコ氏など。結局これって、「ていねいな暮らし」では……?

 ではなぜ「ていねいな暮らし」という言葉を使わないのか? このごろは「ていねいな暮らし」が「意識高い系」と同様、嘲笑を含む、人を揶揄するときに使われることの多い言葉として定着してきたためでしょうか。

 「ていねいな暮らし」系の元祖といえる雑誌「暮しの手帖」(暮しの手帖社)も昨年1月、「丁寧な暮らしではなくても」というコピーを表紙に掲げ、話題となりました。

 言葉の上では女性誌も“脱・ていねいな暮らし”をしつつあると感じましたが、中身には大きな変化が見られないのも事実。コロナ禍のような非常時でも「始末のいい暮らし」を心がける余裕のある人はそもそも、通常時から心がけられているのでは。非常時だからこそ、もっとダラけさせてくれと思う人も多いはず。もっとテキトーでずぼらな人間にも暮らしやすい世界になってほしいものです。

 「始末のいい暮らし」って結局「ていねいな暮らし」か……と鼻白みつつ、イラストレーター・服部小雪氏のインタビュー「夫が狩った獲物、まるごと一頭いただきます」には、確かに「ていねいな暮らし」では括れないものを感じました。

  彼女は、登山家であり、著書『サバイバル家族』(中央公論新社)などで知られる文筆家の服部文祥氏の妻。文祥氏が狩った鹿やイノシシを家族で解体するのが日常とのこと。夫が初めて鹿の生首をリュックに入れてきた時はたまげたそうですが、今では自ら解体を行い、解体で出た雑肉は鶏に与え、骨は犬に与え、内臓も火を通して犬のおやつに。

 そのため、生ごみはほとんど出ないそう。これぞまさしく、ていねいな暮らしを超えた「始末のいい暮らし」。文祥氏のTwitterによれば、狩りで得た獲物の写真は“閲覧注意”の制限がかかり、設定によって閲覧ができないそうです。「#ていねいな暮らし」と違い、「#始末のいい暮らし」はSNSでは映えないのかもしれません。

河野景子の不倫疑惑「言い訳」インタビュー

 最後に見ていくのは、河野景子のインタビュー「感性の合うパートナーと私らしく歩いていきたい」です。2018年に貴乃花 光司と離婚し、昨年末に「週刊文春」(文藝春秋)で、映画監督兼エステサロン経営者のジャッキー・ウー氏と再婚報道があった彼女が、離婚や新恋人について語っています。

 新恋人に惹かれた一番の理由は「感性が合うこと」で、「好きなものや人生に対する姿勢も似ているし、今、私が関心を持っている仕事や活動にも共感してくれるので、それこそ話が尽きないんですよ」とのこと。映画『花束みたいな恋をした』の主人公カップルのような恋(しかも初期のほう)を、河野景子氏は現役でやっているようです。

 パートナーとして意識し始めたのは19年末と語っていますが、「文春」には10年前に出会い、離婚前から同じマンションを借りていたと書かれていたことには言及しておらず。全文が「言い訳」としてきれいにまとまっており、「婦人公論」読者の感想が気になる部分でした。

小室圭さんは「詐欺のように思えてならない」!? 「婦人公論」読者、眞子さまご結婚への持論が辛口すぎる

 「婦人公論」(中央公論社)2月24日号の特集は「人づきあいは『心地よく』がいい」。巻頭のアンケート結果によれば、読者の約6割が「コロナ禍で人間関係に変化があった」と回答し、「つきあいが途絶えた相手がいる」という人も約5割いました。

 人と交流する機会が減り、寂しさを感じている読者も多いのでは……と心配したのも束の間。孫自慢ばかりの友人と関係が切れて「せいせいしている」という57歳。宗教の勧誘をしてくる友人からの連絡が途絶え「肩の荷が下りた」という33歳。いつも文句を聞かされていた友人と「疎遠になって良かった」という54歳――など、意外と前向きな意見が多く、「婦人公論」読者はたくましい! と再認識できました。

 そんな読者による興味深いアンケート「眞子さまのご結婚、私はこう思う」や手記「これさえあれば生きられる」など、盛りだくさんな今号を、さっそく見ていきましょう。

<トピックス>
◎緊急アンケート・読者250人の本音 眞子さまのご結婚、私はこう思う
◎読者体験手記 これさえあれば生きられる
◎スペシャル対談(後編) 五木寛之×佐藤愛子

小室圭さんに対する「婦人公論」読者の辛口すぎるコメント

 まずは今号の目玉的な企画「緊急アンケート・読者250人の本音 眞子さまのご結婚、私はこう思う」から。2018年より延期状態が続いている秋篠宮家の長女・眞子さまと小室圭氏のご結婚について、同誌は「緊急アンケート」を実施。15歳~91歳の女性読者250人から寄せられた、眞子さまのご結婚について「私はこう思う」という回答が掲載されています。

 「ご結婚について、あなたはどう思いますか?」に「反対」と回答したのは250人中167人。「小室さんは内親王の配偶者としてふさわしいと思いますか?」に、「ふさわしくない」と回答したのは250人中173人。やはり厳しい数字が出ていますが、さらに厳しいのがコメントの中身です。

 結婚反対派に「まだ生業(生きていく手立て)を持たないのになぜ結婚できると思うのか」(59歳・自営業・既婚)、「言葉は悪いが、学生の身分で結婚を前提につきあうこと自体が詐欺のように思えてならない」(61歳・無職・既婚)など辛口すぎるコメントがあるのはもちろんのこと、賛成派にも「お二人が別々に生きたとしても、やはり色眼鏡で見られると思う。それなら一緒になればいい」(68歳・パート・既婚)と投げやり風味なものが。「離婚も珍しくない時代なので、出戻りも認めればいいし、再婚もあっていい」(40歳・会社員・既婚)という離婚前提の意見も見受けられました。

 また「小室さんがふさわしい」派のコメントには、「世の人々はみな成長を目指して生き、努力、協力をしていきます。その意味ではふさわしい人となります」(82歳・無職・既婚)や「二人の記者会見を見たときに、お似合いだと思いました」(56歳・会社員・離婚)といった声が。小室氏がこういった「皮肉」に気付ける人であれば、もうとっくに結婚は諦めているだろう……と少々むなしい気持ちにもなります。

 また「眞子さまにお伝えしたいことをお書きください」の欄では、アンケート回答者の最年長91歳と最年少15歳のコメントが並んで掲載されるというシビれる編集も。

 91歳は「よく荒波に耐えてこられました。人生の船出の時です。美智子さまにも相談なさるのがよいと思います。“叩けよさらば開かれん”。美術、音楽でストレス解消を!」と熱いエールを贈り、15歳は「小室さんが世間から叩かれていることも、ちょっとは考えてみてはいかがでしょうか」と冷静にアドバイスをしていました。世代を超えて白熱する声、ぜひ小室氏にも届いてほしいです。

まるで掌小説、素晴らしき「婦人公論」読者手記

 次は、毎度読者の豊かな感性に心動かされる「読者体験手記」のコーナー。今号のテーマは「これさえあれば生きられる」で、2名の手記が掲載されています。

 1人目、67歳女性の「これさえあれば」は相撲。家族がみな亡くなり、生きる意味を見失いかけたときも相撲に救われたそう。力士の切り抜きやポスターを部屋に貼っていたら、「男の裸の写真を部屋に貼りまくっている」と学校で言いふらされた高校時代、「女性は支度部屋に入れない」という理由で相撲記者を諦めた就活時代を経て、今の夢は「来世では男に生まれ、大横綱へ」。そのために現世でも筋トレに励んでいるとのこと。来世が現世を生きる希望になるという境地、胸アツです。

 そして2人目、58歳女性の生きがいは「トミー」。ペットかな? 愛犬かな?? と思い読んでみると、トミーとは「クマのぬいぐるみ」とのこと。身長25cm、体重150gほどのトミーと過ごしてきた35年の日々がつづられています。季節に合わせ手作りの服を着せ、毎朝ひと口目のトーストを食べさせてもらうトミーには現在、「ぎんじ」「マック」という名の弟もいるそう。みんな心にトミーを持てば平和な世の中になるのでは、と感じさせる、掌小説のような味わいの手記でした。

 最後は前号に続いて掲載された、88歳・五木寛之と97歳・佐藤愛子の大作家対談です。補聴器、老眼、整体――という「お年寄りあるある」から始まりますが、この2人が枯れ果てていないらしいことが、対談でどんどん明らかになります。

 佐藤先生が「うちの娘は、私のことをマグロだって言うんですよ。マグロは死ぬまで泳ぎ続けて、泳げなくなった瞬間にパタッと死んじゃう」と言うと、「あはは。でも佐藤さん、ご自分で『私はマグロ』なんて言わないでくださいね。マグロとはセクシャルな意味で、不感症の女性のことを言うんですから」と五木先生。

佐藤「あら、そうなんですか? それは知らなかったわ」
五木「やっぱり佐藤さんは、お嬢さんなんだな」

 97歳にして「マグロ」の新たな意味を知った佐藤先生と、その反応に「お嬢さんなんだな」と感想を述べる五木先生。ちょっと長生きしてみたいなと思わせる力があります。

 また五木先生は、一昨年に「戦後はじめて」の病院に行ったとも語っています。足が痛くなり、約70年ぶりに病院へ行ったとのこと。昨年はコロナ禍で「戦後初の甲子園休止」「戦後初の無観客大相撲」など「戦後初」という表現に久々に触れましたが、まさかこんな「戦後初」にも出会うとは。どうか、いついつまでもお元気で……。

いとうまい子、遺伝子の研究者になっていた! 東大に通う日々語るも……「更年期障害」と結びつける「婦人公論」の論法

 現在発売中の「婦人公論」(中央公論社)2月8日号、特集は「何歳からでも、やりたいことを」です。最初に回答者91人、平均年齢56.8歳という読者アンケートの結果が紹介されていて、それによれば「挑戦してみたいことはありますか」との問いに、9割超えの85人が「はい」と回答しています。

 56.8歳なんて、前号に登場していた今年99歳になる瀬戸内寂聴先生と比べれば、子どものようなもの。前向きな姿勢あふれる今号、さっそく中身を見ていきましょう。

<トピックス>
◎アイドルだった私が遺伝子の研究者になるなんて いとうまい子
◎「社交ダンス」の魔力で身も心も磨かれて 加藤タキ・市毛良枝
◎女たちの言い訳 いつだって、やる気はこうして阻まれた

若返り研究者・いとうまい子の更年期とは

 特集に合わせて今号では、2018年に63歳で芥川賞を受賞した若竹千佐子さん(1954年生まれ)、著書『90歳セツの新聞ちぎり絵』(里山社)が話題になった木村セツさん(92歳)など、“年齢にこだわらず挑戦して成功した女性”が多く取り上げられています。その中で異彩を放つのが、女優・いとうまい子(56歳)のインタビュー「手に入れたのは壮大な趣味 アイドルだった私が遺伝子の研究者になるなんて」でした。

 いとうは、「社会に対して何か恩返しがしたい」と、10年に早稲田大学の人間科学部健康福祉学科、eスクール(通信教育課程)に進学。ロボット工学を学んだ後、基礎老化学の博士課程へ。博士課程在籍5年となる現在は、東大の研究室と共同でサーチュイン遺伝子の研究をしているといい、「ほぼ毎日、東大のラボに通って、20代の学生たちと一緒に、細胞培養の実験を行っています。50代になった私が、毎日東大に通うことになるなんて!」と語っています。

 博士課程まで極めるとは、なかなかできないこと。まさに読者の憧れの存在だと思いますが、本人は「壮大な趣味を手に入れた感覚」と自然体。「新しい刺激に触れていたせいか、ホットフラッシュを数回感じたくらいで、それ以外は更年期の不調も感じないまま現在に至っています」「若者と過ごすことで、自分の気持ちも自然と若返る」とも明かしています。

 現在の研究テーマは「どんな食品がサーチュイン遺伝子(若返り遺伝子)を活性化するのか」だそうですが、記事ではそういった科学的な観点よりも“新しい挑戦や若者との交流で若返ることができる”といった精神論的な方向からスポットが当たっているように読めました。

 「挑戦=進化」ではなく、「挑戦=更年期障害の解消、若返り」となる部分に「婦人公論」らしさを感じた次第です。

 次に見ていくのは、75歳の加藤タキ&70歳の市毛良枝による対談「『社交ダンス』の魔力で身も心も磨かれて」。2人の共通の趣味である社交ダンスの魅力について語り合っています。

 加藤は「体重は10キロ落ち、体脂肪率も10パーセント減りました。体がどんどん絞られてきて、洋服も13号から9号に。下半身は7号ですよ」と報告。「背中の贅肉がなくなって、どこに行ったかというと、バストにきた」とも語っています。市毛は体重に変化はないものの「ウエストが6センチ減」とのこと。ただし市毛いわく「30年くらいやってらっしゃっても、スリムでない方も」いるとのことで、誰しもに減量効果があるわけではないそう。

 このダイエット効果自慢には、数号前の「2020年12月22日・1月4日合併号」にあった「ダイエットとやりがい 60歳を過ぎて出合った一石二鳥のお仕事」という記事を思い出しました。3カ月で10キロ落とした住み込みの仲居さんや、働き出して3キロ痩せたマンション管理人さんなどが紹介された、おもしろルポでした。

 何を語っても「若返り」か「ダイエット」につながりがちな同誌、大変親近感を覚えます。

やる気をそぐ夫、大集合!

 理想だけを並べて終わらないのが「婦人公論」。挑戦をしぶる読者の声を集めたページ「女たちの言い訳 いつだって、やる気はこうして阻まれた」も、大変味わい深いものがありました。

 例えば、「犬がいて、旅行に行けない」という回答には、ペットホテルに預けるのは心配なほど、犬が大切な存在なのだろうとちょっと心温まったのですが、やる気をそぐ存在として最も多い回答だった“夫”にまつわるエピソードは、殺伐としています。「『家のことをやれ!』となじった夫」「化粧品代も、美容院代も『もったいない』と夫が言う」「夫を介護しながら、ひとりで生計を立てているので余裕がない」「夫の記憶が徐々に曖昧になっている」など、愛憎のこもった切実な嘆きが並んでいました。

 そういえば、芥川賞作家の若竹さんが小説を書き始めたのも、新聞ちぎり絵の木村さんがちぎり絵を始めたのも、共に夫の死がきっかけだったそう。「夫」という存在の重さを感じる今号でした。

いとうまい子、遺伝子の研究者になっていた! 東大に通う日々語るも……「更年期障害」と結びつける「婦人公論」の論法

 現在発売中の「婦人公論」(中央公論社)2月8日号、特集は「何歳からでも、やりたいことを」です。最初に回答者91人、平均年齢56.8歳という読者アンケートの結果が紹介されていて、それによれば「挑戦してみたいことはありますか」との問いに、9割超えの85人が「はい」と回答しています。

 56.8歳なんて、前号に登場していた今年99歳になる瀬戸内寂聴先生と比べれば、子どものようなもの。前向きな姿勢あふれる今号、さっそく中身を見ていきましょう。

<トピックス>
◎アイドルだった私が遺伝子の研究者になるなんて いとうまい子
◎「社交ダンス」の魔力で身も心も磨かれて 加藤タキ・市毛良枝
◎女たちの言い訳 いつだって、やる気はこうして阻まれた

若返り研究者・いとうまい子の更年期とは

 特集に合わせて今号では、2018年に63歳で芥川賞を受賞した若竹千佐子さん(1954年生まれ)、著書『90歳セツの新聞ちぎり絵』(里山社)が話題になった木村セツさん(92歳)など、“年齢にこだわらず挑戦して成功した女性”が多く取り上げられています。その中で異彩を放つのが、女優・いとうまい子(56歳)のインタビュー「手に入れたのは壮大な趣味 アイドルだった私が遺伝子の研究者になるなんて」でした。

 いとうは、「社会に対して何か恩返しがしたい」と、10年に早稲田大学の人間科学部健康福祉学科、eスクール(通信教育課程)に進学。ロボット工学を学んだ後、基礎老化学の博士課程へ。博士課程在籍5年となる現在は、東大の研究室と共同でサーチュイン遺伝子の研究をしているといい、「ほぼ毎日、東大のラボに通って、20代の学生たちと一緒に、細胞培養の実験を行っています。50代になった私が、毎日東大に通うことになるなんて!」と語っています。

 博士課程まで極めるとは、なかなかできないこと。まさに読者の憧れの存在だと思いますが、本人は「壮大な趣味を手に入れた感覚」と自然体。「新しい刺激に触れていたせいか、ホットフラッシュを数回感じたくらいで、それ以外は更年期の不調も感じないまま現在に至っています」「若者と過ごすことで、自分の気持ちも自然と若返る」とも明かしています。

 現在の研究テーマは「どんな食品がサーチュイン遺伝子(若返り遺伝子)を活性化するのか」だそうですが、記事ではそういった科学的な観点よりも“新しい挑戦や若者との交流で若返ることができる”といった精神論的な方向からスポットが当たっているように読めました。

 「挑戦=進化」ではなく、「挑戦=更年期障害の解消、若返り」となる部分に「婦人公論」らしさを感じた次第です。

 次に見ていくのは、75歳の加藤タキ&70歳の市毛良枝による対談「『社交ダンス』の魔力で身も心も磨かれて」。2人の共通の趣味である社交ダンスの魅力について語り合っています。

 加藤は「体重は10キロ落ち、体脂肪率も10パーセント減りました。体がどんどん絞られてきて、洋服も13号から9号に。下半身は7号ですよ」と報告。「背中の贅肉がなくなって、どこに行ったかというと、バストにきた」とも語っています。市毛は体重に変化はないものの「ウエストが6センチ減」とのこと。ただし市毛いわく「30年くらいやってらっしゃっても、スリムでない方も」いるとのことで、誰しもに減量効果があるわけではないそう。

 このダイエット効果自慢には、数号前の「2020年12月22日・1月4日合併号」にあった「ダイエットとやりがい 60歳を過ぎて出合った一石二鳥のお仕事」という記事を思い出しました。3カ月で10キロ落とした住み込みの仲居さんや、働き出して3キロ痩せたマンション管理人さんなどが紹介された、おもしろルポでした。

 何を語っても「若返り」か「ダイエット」につながりがちな同誌、大変親近感を覚えます。

やる気をそぐ夫、大集合!

 理想だけを並べて終わらないのが「婦人公論」。挑戦をしぶる読者の声を集めたページ「女たちの言い訳 いつだって、やる気はこうして阻まれた」も、大変味わい深いものがありました。

 例えば、「犬がいて、旅行に行けない」という回答には、ペットホテルに預けるのは心配なほど、犬が大切な存在なのだろうとちょっと心温まったのですが、やる気をそぐ存在として最も多い回答だった“夫”にまつわるエピソードは、殺伐としています。「『家のことをやれ!』となじった夫」「化粧品代も、美容院代も『もったいない』と夫が言う」「夫を介護しながら、ひとりで生計を立てているので余裕がない」「夫の記憶が徐々に曖昧になっている」など、愛憎のこもった切実な嘆きが並んでいました。

 そういえば、芥川賞作家の若竹さんが小説を書き始めたのも、新聞ちぎり絵の木村さんがちぎり絵を始めたのも、共に夫の死がきっかけだったそう。「夫」という存在の重さを感じる今号でした。

「Domani」不定期刊行へ! 「“ママに見えない”が最高のほめ言葉」で物議、同誌が目指したのは「デヴィ夫人とアパ社長」?

 ファッション誌「Domani」(小学館)の2・3月号が発売になりました。2年前、ワーママ向けに大胆リニューアルされ、「ママと呼ばないで」「“ママに見えない”が最高のほめ言葉」というコピーが物議を醸した同誌。ありあまる個性を発揮しながら隔月で発行されていましたが、今号では残念なお知らせが。なんと「Domani」、隔月刊は今号で終了し、今後は「不定期刊行」になると発表されているのです。

 突然すぎて悲しみが大きいですが、ともかく今号の中身を見ていきましょう……。

<トピックス>
◎news! 2021年、Domaniはハイブリットマガジンに生まれ変わります!
◎30→40代「私たちはどう生きるか!?」
◎2020→2021 みんなの「沼」図鑑

オンラインサロンではまだ稼ぐ「Domani」

 隔月刊から不定期へ――。これは愛読者にとっては大きな発表事だと思うのですが、実はこのお知らせ、最後の1ページでサラリと触れられているだけ。不自然、かつ突然すぎて、受け入れがたいです。

 これって実のところ“やんわりとした廃刊”なのでは!? と疑ってしまいますが、いつでもキラキラ輝いていることが信条の「Domani」は、今回の件もやけに前向きに装っています。不定期刊になる事実を「news! 2021年、Domaniはハイブリットマガジンに生まれ変わります!」と表現し、「令和の新しい媒体、それがハイブリットマガジンです!」と何となくいい感じに言い換えているのです。

 ポジティブ変換力は、見習いたいところですが、しかし、具体的な方針は定まっていないよう。次の発刊は「ファッションや生活が変わるタイミングで」と書かれており、なんとも曖昧です。

 ちなみに月額3,000円の「Domaniオンラインサロン」の会員は今も絶賛募集中とのこと。こちらも昨年7月2日時点で会員数61人、現在は83人(1月28日時点)と、盛況とはいえない数字。不定期刊となっても月額3,000円は変わらないようで、一体サロン内では何が行われているのだろうと謎は深まります。

 さて、ほかの誌面はといえば、不定期刊となることなどまったくお構いなし。企画「30→40代『私たちはどう生きるか!?』」では、デヴィ夫人とアパホテル・元谷芙美子社長のインタビューが掲載されています。確かにこの2人、ワーママとして大成功しているので、「Domani」読者の目指すべき人物なのかもしれません。

 昨年10・11月号に続いての登場となる元谷社長のパワフルさはもちろんのこと、デヴィ夫人の言葉もいろいろな意味で刺さります。「人の3倍努力して、人の3分の1の睡眠でやってきました」「あなた方は毎日、生活をしているんでしょう? 私は毎日を生きているんです」「人生の濃度、一分一秒の濃さは、だれにも負けない自負があります」等々、名言が数行ごとに飛び出す勢いです。

 コロナ禍でも大人数でのパーティー、ランチ会と話題に事欠かず、お忙しそうなデヴィ夫人。どうぞ感染だけには気をつけて、いつまでも元気でいてほしいです。

「赤江珠緒が昆虫にハマっている」というダレトク情報

 最後に見ていくのは、「2020→2021 みんなの『沼』図鑑」という企画。余ったページを埋めるためなのか? と思うほど、たっぷりスペースを取りながら、18ページにわたって、モデルや読者モデル「Domanist」らのマイブームを紹介した企画です。

 フリーアナウンサーの赤江珠緒は「ドライな昆虫」にハマっていると報告。「道にひっくり返っているセミを見ると“生きているんじゃないかな?”と思い、少し触ってから飛べるように戻してあげる」とのこと。自分の売りが“いつまでたっても少年少女のような天真爛漫さ”であるという自覚はあるようです。

 ほかにも個性が感じられる回答ばかりで、「サメ」「Podcast『MOOK STUDY 日本の歴史』」「愛犬(ハート)あんず」「ネイビーのパンツ」「干し芋 ゆみか」「映画のDVD」などが並びます。

 このユルい18ページに、不定期刊となる現実を見せつけられた気がしました。いつの日になるのかわかりませんが、いち愛読者として次号を待ち続けたいと思います。

今年99歳の瀬戸内寂聴、転んで頭打っても復活! 「婦人公論」で説く“幸運論”は重みが違う?

 今月からレビューしていくのは、主に40代以上の女性をターゲットとする隔週女性誌「婦人公論」(中央公論社)です。三大ミューズ(?)が美輪明宏、江原啓之、瀬戸内寂聴といったイメージの同誌ですが、今号には江原と寂聴のインタビューが。なんとも華々しい新年号です。

 特集は「幸運は、あなたのすぐそばにある」。特集内には、禅の一種であるらしい「ゼンタングル(R)」の認定講師を名乗る佐藤心美先生による「描けば心が安らぐ華やかな曼荼羅」の誌面講座があったり、「琉球風水志」を名乗るシウマ先生による提案「“ラッキーナンバー”でいい運気を引き寄せる」があったりと、スピリチュアルな雰囲気も漂います。

 新型コロナウイルスの流行が収まらない中、2021年一発目の「婦人公論」は「幸運」という漠然としたテーマでどんなメッセージを伝えてくれるのか……? さっそく中身を見ていきましょう。

<トピックス>
◎瀬戸内寂聴 今に目を向ければ幸せへの入り口は見つかります
◎江原啓之 視野を広く、竹のようにしなやかに
◎読者体験手記 不運に愛されて

寂聴先生、不死鳥エピソード更新

 最初に見ていくのは、今年で99歳になられる瀬戸内寂聴先生のインタビュー「今に目を向ければ幸せへの入り口は見つかります」。なんと寂聴先生、昨年10月に寂聴庵で転倒して頭を打ち、検査入院したと告白しています。なんでも転倒したのは夜中で、朝に秘書が出勤してやっと発見されたそうですが、大事には至らず甦ったという寂聴先生。「元気になりました」「私は今、とても幸せですよ」「退院後も時々、仕事で徹夜をしています」と語る様子は、まるで不死鳥。

 これまでも胆のうがん、頚椎圧迫骨折などから華麗に復活を遂げてきた寂聴先生は、確かに強運の持ち主。気になるのはその秘訣ですが、インタビューで語っているのは、「今持っているものに目を向けると、それが幸運につながる」「不幸だと思ったできごとが、実は思いがけない幸福への入り口になることだってある」といった、誰でもどこかで聞いたことがあるであろう一般論的な内容でした。

 しかし、その“一般論”も寂聴先生が語ることで重みが加わるような気もしてきます。「何を言うか」よりも、「誰が言うか」を重視してしまう現代を、寂聴先生からも垣間見た気がします。

 続いては江原啓之のインタビュー「視野を広く、竹のようにしなやかに」。江原さんは昨年、拠点を東京から熱海に完全に移したそう。熱海の自宅、その名も「スピリチュアル・ヒーリング・サンクチュアリ昌清庵」で取材に応じています。

 「私は昨年の新春講演会で、20年を示すキーワードとして『破綻と崩壊』を挙げました。残念ながらそれは現実となり(以下略)」と、“コロナを予知していたアピール”にも余念がない江原さんですが、「新型コロナウイルス感染拡大の時期と私の完全移転が重なったことで『東京脱出』と言われましたが、移転はコロナ禍前に決まっていました」と、どこか言い訳がましく語っているのも気になります。

 「江原啓之、東京脱出」。そのようなどうでもよいニュース、少なくとも個人的には見聞きした覚えがないので、一部アンチが言っていたのでしょうか。「江原さんてエゴサーチとかしているのかも」との疑念も浮かびました。

 そしてインタビュー内で最も興味深いのは、移転先に熱海を選んだ理由について語った部分でした。

 候補地を探しているある日、「『熱海』『熱海』という文字がお告げのように私の頭に浮かんだ」という江原さん。さっそく熱海に向かい、「『こっちかな』という感じでタクシーを走らせ、『あ、ここだな』と思った場所にたどり着きました」といい、それが今の昌清庵のある場所だそう。「説明するのは難しいですが、『熱海』というメッセージは霊界の導きだったのだと思います」と、まとめています。霊界のお導き、か……。読者の参考にはならなさそうです。

 また写真を見る限り、相変わらず福福しい外見の江原さんですが、最近は「食品添加物を避けたり、無農薬栽培の野菜を選んだりしている」とのこと。自作の野菜を使った料理にもハマっており、大根は葉まで使い切るそうです。

 そんな江原さんは自炊している自分に誇りを感じているようで、「料理のできない人は、人生の悩みを自らの力で乗り越えることが苦手な傾向にあります」という、余計な一言も添えています。

 引っ越し先を「霊界のお導き」で決められる人に、「人生の悩みを自らの力で乗り越える」ことのしんどさは、果たして理解できているのか? 野菜中心の自炊でもエビス様体形を維持できる体質って? ……と、江原さんへの疑問が深まるインタビューでした。

江原啓之を超えていく読者

 「幸運は、あなたのすぐそばにある」と説く今号ですが、公募の読者体験記のテーマは「不運に愛されて」。紹介されている二つの投稿は、これまでの人生を恐るべき記憶力で振り返り、体験した不運をこれでもかと並べています。中でも「ゲリラ豪雨にピンポイントで狙い撃ち」されたというエピソードが、むしろ強運でないと遭遇できない出来事では? この読者のほうが、霊界のお導きで生きる江原さんよりも、何らかの特別な力を持っているのではと感じました。

「結局、田中みな実」「指原莉乃の宣伝臭」……「ar」ときめくコスメは、有名美容誌ベスコス企画と何が違う?

 「ar」(主婦と生活社)12月号が発売になりました。年末とあって特集は「Love Cosmetics 2020 可愛いもの好きに捧げるときめくコスメ大賞」です。ほかの美容雑誌でもベストコスメが発表される季節ですが、一線を画したい様子の「ar」。

 「ザ・ベスコス! ってな感じのランキングは美容誌を参考にしてもらうことにして。アールがお届けしたいのは、可愛いものが大好きな女の子のためだけの、ときめくベストコスメ」と書かれており、ほかの美容誌とは違うんだから! といった自負が感じられます。一体どう違うのか!? さっそく中身を見てきましょう。

<トピックス>
◎I Need 透明感
◎HMがモデル撮影で偏愛しているベスコスランキング…でメイクしてみた(ハート)
◎シオリとサトコのラブ充着回し14days

結局、田中みな実か……

 ベスコス特集冒頭を飾るのは、今年、写真集のヒットなどでブレークした田中みな実です。みな実は、今年の美容界を象徴する存在ということなのかもしれません。

 マフラーのようなものに包まれるみな実、バスタオルに巻かれるみな実、ワンショルトップスで”考える人“ポーズをとるみな実、ゆるい上着が肩からずり落ちちゃっているみな実――といったグラビアに、「み~んなのみな実 身体検査」や「ホントのみな実HAIR」といったインタビューが続きます。

 さすがは“みんなのみな実”、彼女は「MAQUIA」(集英社)「VOCE」(講談社)「美的」(小学館)といった主要美容誌のベスコス特集号全てに登場しています。「ほかの美容誌とは違うんだから!」と主張しているように見える「ar」ですが、結局みな実なのか……という感は拭えません。

 インタビューでは、美肌を追求する理由について「私はメイクさんのキャンバス。いかなる時も、まっさらで美しく、描きやすい状態を維持していたい」と語っている彼女。ほかの発言からも、相手の求めるキャンバスになろうとする“キャンバス体質”が感じられます。

 「強すぎる女は疎まれる」ので「主張をする時は、努めて柔らかに丁寧に」とアドバイスしたり、「『恥ずかしいわね』『常識のない人ね』(と言われる)そんな女にならないため」に「日頃から丁寧な生き方を心がけたい」と話していたりと、常に“誰かが求めるみな実”でありたい様子がうかがえます。「人」という単語を使ってもいいところを、わざわざ「女」と言うのも、こだわりなのでしょうか。

 常に相手のニーズを予測し、女を意識する。疲弊しそうな生き方にも見えますが、これが美容誌にひっぱりダコになる秘訣なのでしょうか。来年もどうか心身ともに健康で、みんなのみな実であり続けてほしいです。

 「アールがお届けしたいのは、可愛いものが大好きな女の子のためだけの、ときめくベストコスメ」と独自路線を強調している同誌ですが、具体的にはどこが違うのか。主要な美容誌3誌と比較をしてみることにしました(3誌は下半期のランキング、「ar」は年間ランキング)。

 まず「MAQUIA」は、審査員64名の合計点で決定するスタイル。スキンケア部門は、モニターのビフォー・アフター写真が掲載され、毛穴減少率などが数字で明らかにされているのが特徴。ベスト・オブ・ベスト大賞は美容液の「ファンケル コアエフェクター」でした。

 「VOCE」は「信頼度No.1!」「忖度なし! 妥協なし!」「広告との関係は一切なし!」と謳っており、審査員61名の合計点で決定。どの選者が何点を点けたかまでわかるのが特徴で、カラーコスメは塗り比べ写真付き。スキンケア部門最優秀賞は化粧水部門1位「B.A B.Aローション」、メイク部門の最優秀賞は「シャネル レ キャトル オンブル」でした。

 「美的」は“美の賢者”60名の投票で、得票数が公開されています。プチプラコスメのランキングも充実しているのが特徴で、総合1位は「B.A B.Aローション」でした。

 このように、3誌とも60名以上の専門家が評価し、それぞれに独自路線を目指しているようです。

 では「ar」が言う「ときめくベストコスメ」とは何なのか? 「HMがモデル撮影で偏愛しているベスコスランキング…でメイクしてみた(ハート)」では、2020年の同誌該当企画内でヘアメイクが使用したコスメをカウント。使用回数が多いものを「ベスコス」としたとのことで、1位は「カネボウ N-ルージュ」でした。

 また同じベスコス特集内には、フォロワー10万人超のインスタグラマー、YouTuberら計13名による「本当は教えたくないバズコスメ」や、指原莉乃らによる「推しコスアワード」などのページも。“インスタグラマー”という単語からどうしてもステマ臭を感じてしまうのはもちろん、指原は自身が「クイックルワイパー」や「リーゼ」のCMに起用されている企業「花王」の「ビオレ メイクの上からリフレッシュシート」を一番に紹介しており、やはり宣伝臭が。

 「ときめくベストコスメ」とは、「たくさん使われたコスメ」、「フォロワーが多い人や人気タレントがさまざまな事情から勧めるコスメ」という意味合いのよう。片付けコンサルタント・近藤麻理恵氏のベストセラー本『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)でも使われているように、「ときめき」とは抽象的で、なんとも便利な言葉であると感じました。

 最後に見ていくのは着回し企画「シオリとサトコのラブ充着回し14days」。佐藤栞里と宮田聡子が「恋愛コラムニスト・ユニット」という設定で、2週間の着回しを披露しています。

 コラムを書くために恋愛に精を出すというストーリー。最初はコロナ禍という時節柄、マッチングアプリでイケメンと出会ってZOOMデートしたり、インスタで過去の片思い相手にDMしたりと「ニューノーマルな出会い」がテーマとされていたはずが、2人は徐々に外へ。

 合コンセッティングアプリで合コンに参加し、飲み友男子と再会して飲み、また別の飲み会で代理店勤務の男子と出会い、デートスポット研究に出かけ、街中でカップルを観察。最後はそれぞれ本命とデートしてうまくいき、恋愛コラムの書籍化も決定! という大ハッピーエンディングを迎えます。

 きっとこの着回しストーリー上では、コロナも収まってきたということなのでしょう。この夢のような、素晴らしい未来が実際に訪れることを期待したいです。

「Domani」森三中・大島美幸が2号連続登場! 「ママと呼ばないで」のイケ★ママ路線から脱却?

 働くお母さん向けファッション誌「Domani」(小学館)の12・1月号が発売になりました。昨年のリニューアル当時は「ママと呼ばないで」と掲げ、とがったイケてるワーママ(「Domani」ではイケ★ママと命名)路線を開拓しようとしていた同誌ですが、今ではその面影はほとんどなく、すっかりおとなしくなってしまいました。一体どこを目指しているのか。毎号毎号、謎が深まっていく中身を早速見ていきましょう。

<トピックス>
◎2020年→2021年 “じぶんのじかん”、“かぞくのじかん”。
◎これが私たちの『新生活様式』白書
◎帰ってきた“黒スキニー”のトリセツ

大島美幸は「Domani」のミューズ

 今月号のメイン特集は、「2020年→2021年 “じぶんのじかん”、“かぞくのじかん”。」。“新型コロナの影響で家族の時間が増えた今こそ自分の時間も大事”とし、各界で活躍するママたちに「自分」と「家族」のあり方について語ってもらうインタビューを実施しています。女優・寺島しのぶ、森三中・大島美幸、東京五輪出場予定の陸上・寺田明日香選手、ミュージシャン・坂本美雨、作詞作曲家でボーカルプロデューサー・岡嶋かな多氏、弁護士・矢上浄子氏の5人による、ありがたきお言葉が掲載されているんです。

 また、彼女らに夫、子どもたちを加えた家族写真も掲載されているのですが、撮影は、YMOの写真集などを手がけたレジェンド的カメラマンの三浦憲治氏。妙に豪華な仕上がりとなっています。中でもトップを飾った寺島しのぶは、フェンディのツヤッツヤなピンク色セットアップ(40万2,000円)にハリー・ウィンストンのアクセサリー(3点合計268万円)を合わせた、わかりやすく豪華な装い。フランス人の夫と歌舞伎界の将来を背負った長男を伴い、全身で“別格”を表現していたのが印象的でした。

 そして大島美幸は、前号の特集「各界で活躍する、10人のワー/ママから、未来の自分への手紙――『拝啓、10年後の私へ。』」に続き、なぜか2号連続での登場です。

 前号では「10年後といえば、息子は15歳」「10年たったら、私は50歳で夫は58歳」等、当たり前といえば当たり前のことを中心に話していましたが、今号でも「2021年も地道にマイペースに、好きな家事と仕事を続けながらも、世界の状況が少しでもよくなってほしいと思います」と、これまた真っ当な希望を語っています。この“まっすぐな頑張るママ”感こそが、「Domani」の求める理想像なのでしょうか。もしくは編集部に熱心な大島ファンがいる可能性も考えられます。 

 昨年のリニューアル号から、表紙は「私、こう見えてママで編集者で表紙モデルです」がキャッチフレーズの望月芹名が飾り続けていますが、イケ★ママ路線を抜けつつある今、大島さんが表紙の「Domani」をぜひ見たいです。

 新型コロナの感染拡大防止に伴い、「新しい生活様式」という言葉が浸透してきましたが、今月号ではワーママ767人の回答に基づいた「これが私たちの『新生活様式』白書」なる読み物が展開されていました。

 しかし同誌ではコロナのことは念頭に置いていないアンケートを行ったようで、質問事項には「義実家に帰省する頻度は(コロナ禍ではなく、通常時)」といったものも。「お風呂のお湯を入れ替える頻度は?」「バスタオルを洗う頻度は?」「家族でキャンプに行きますか? 行ってみたい?」「NISAしてますか?」といった細々とした質問もあります。

 通常の読者のライフスタイルアンケートといった趣で、結果をグラフにまとめただけの内容。結果にも特に「Domani」らしさがあるわけでもないように見え、これは”コロナ禍での経費削減を強いられた雑誌作りの新様式”なのだろうかと考えさせられました。

登場人物が「誰?」ばかり

 最後に触れるのはファッションの企画「帰ってきた“黒スキニー”のトリセツ」です。まず「No.1黒スキニスト小林有里さんに聞きました!」とあり、「“週3ではいてます!”と言う黒スキニスト小林有里さんの伝説の黒スキニーStyleプレイバック」と題されたページが。

 Domaniモデルではないらしい「小林有里さん」とは何者なのかと思いながら読み進めても、No.1黒スキニストであり「『黒スキニーといえばこばゆり!』と編集部内でも定評」という以外の説明はありません。読者全員が「小林有里さん」を認知している前提で進められていき、戸惑います。検索してみると、人気ジュエリーデザイナーでフォロワー11万人超えのインスタグラマーとのこと。こばゆりさんを知らない=「Domani」を読む資格がないということなのかもしれないと、わずかに落ち込みます。

 こばゆりさんおススメ黒スキニーの紹介のあとは、「神スキニー4本をドマーニストがはき比べました!」のページが続きます。4人の読者モデルが同じスキニーをはき比べるというものですが、その4人がみんなスリムな体形、華やかな顔、セミロングの髪形と似ています。そしてスキニーだけではなくトップスも同じものを着用しているため、ページを間近で凝視しても4人の見分けがなかなか付かず、サイゼリヤの間違い探し状態です。はき比べる意味も正直わからないくらいに似ています。スリム体形じゃないとスキニーは着こなせないということを暗に訴えかけてくる誌面にも見え、やはり落ち込む企画でした。

Kis-My-Ft2・北山宏光と熱愛の内田理央、「ar」インタビューに見る“オタサーの姫”マインド

 現在発売中の「ar」11月号(主婦と生活社)。今回の特集テーマは「今こそ透き通ったオンナでありたい」です。先月号では「ラブっけ女子」という独自の言葉を掲げ、「ラブっけ女子」を目指すための10カ条を展開していた「ar」ですが、今月号では早くも「透き通ったオンナになろう!」とギアチェンジ。加えて、フェロモンならぬ「ニョロモン」を出しましょうと提案する企画も。

 「透き通ったオンナ」も「ニョロモン」も非常に抽象的ですが、いったい今月号は何を訴えたいのか!? 早速、中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎ばっさー最強説 翼をください。
◎だーりおのひんやりニョロモン
◎レイドバックしてみる?

デヴィ夫人が乗り移った本田翼

 表紙と巻頭インタビュー「ばっさー最強説 翼をください。」に登場しているのは、女優の本田翼。寒色系の衣装をきこなし、涼やかな表情を見せています。本田流の美白術なども紹介されていて、編集側はこのページでも、今月号のテーマ「透き通ったオンナ」をイメージしているようです。

 しかし本田自身は、ナゼかこの撮影で「チョコミント」を連想していた様子。寒色系→ミント色→チョコミントという思考回路でしょうか。部屋の壁の色をチョコミント色に変えたエピソード、家族と食べたチョコミントタルトが絶品だったエピソードなどを披露する本田は、食いしん坊に見えてちょっと微笑ましいです。

 さらに興味深かったのが、インタビューでの本田の口調。「相手に最初からたくさんのことを求めてはダメよ」「(YouTubeの)構成、撮影、編集、全て一人でやっているのよ(ハート)ふふ」「(新垣結衣に収録で会い)本当に心底感動したわ(ハート)」「あの感動はしばらく脳に焼きついたわ(ハート)」など、どうもデヴィ夫人を彷彿とさせる口調なのです。

 本田翼のイメージが、“食いしん坊なデヴィ夫人”に変わった貴重な特集でした。

 続いて見ていく企画は、内田理央をモデルに迎えた「だーりおのひんやりニョロモン」。「ニョロモン」という新語の登場です。

 解説によれば「フェロモンの発展系。ニョ=女。相手のコンディションを察知したり、呼吸や五感、本能までをも読み取る力は女子しか持っていないもの。発するだけじゃない、受け入れることでさらに高まるフェロモンのこと」だそう。読んでもいまいち、ニョロモンへの理解が追い付きません。女子って他人の「呼吸や五感、本能までもを読み取る」ことができるものなのか……というのも、驚きでした。

 そんな「ひんやりニョロモン」のミューズが、「カワイイを主張しすぎないクールさ」を追っている内田とのこと。今年の夏にはKis-My-Ft2の北山宏光との熱愛をニュースサイト「文春オンライン」で報じられた内田ですが、「もし彼がとってもモテモテならどうしようかな策戦会議 議長・だーりお」と題した、挑発的なニョロモンファッション・アドバイスも展開。

 さらに、「文春」では、北山とはバーでの友人関係から交際に発展――と書かれていましたが、インタビューでは「男の子の友達、多いです」「みんなには『ワンピース』のチョッパー的な存在だと言われています。(中略)男の子の中のヒロインみたいになるのはイヤなんです。“仲間”がいい」とも話しています。「チョッパー的な存在」を好意的に受けとめているようですが、要はマスコット的な存在と言われているのでは……?

 チョッパー扱いを自ら明かす部分にも「オタサーの姫」的マインドを感じ、だーりおの持つ底知れぬ手強さが伝わります。

 最後に見ていく企画は読み物「レイドバックしてみる?」です。レイドバックとは元は音楽用語で、「後ろにもたれかかるように、脱力してリラックスした状態」だそう。この企画では、生き方の概念として「レイドバック」を提案。タレントのユースケ・サンタマリアが「日本を代表するテキトーマインド爆イケおじさん」として登場し、レイドバックな生き方について3ページにわたって語っています。

 「arは高田純次にオファーを断られたのか?」という印象はありつつも、時代がテキトーさ、ユルさを求める方向へ移り変わっていっていることを実感しました。

 聞き手を務める編集部側は、実に真剣に“テキトー”を身に付けたい様子。「あぁ、テキトーになりたい(願)」と切実で、ユースケに「上手に冗談が言えるようになったら、何となくステキなテキトー女子に一歩近づける気がするのですが、どうしたらいいでしょうか」と質問します。

 テキトーに見える人を、本当にテキトーな人だと思っている素直さ。そして、テキトーさをも、真正面から学ぼうとするマジメすぎる姿勢には、ある意味、鈍感さがあるようにも見えます。

 対するユースケは、「メディアに出る時にそういうキャラに変身してるだけ」「どうやったらテキトーになれますかって、それは知らねーよって話で(笑)。自分で色々試しながらやってくれって話です」など、ごもっともな回答。「逆にホントにリラックスして素で来られても、コイツどんだけありのままなんだ? オマエ以外の周り全員が超気遣ってるぞ? って思う」とも話しています。

 “テキトーに見える人”より、「テキトーになりたい(願)」と言える人のほうが生来のテキトーさを身に付けている人なのではないか……と考えさせられた企画でした。

オタク女子は“あくまでオシャレに”が重要!? 「ar」推しカラー企画に思うこと

 このほど発売になった「ar」(主婦と生活社)の10月号。創刊から25周年を迎えたとのことで、表紙には「祝 25周年」「25th anniversary year(ハート)」の文字が踊っています。しかし、このご時勢だからか、お祭り感はさほどありません。30周年に向けて、予算とエネルギーを蓄えているようにも見える中身、さっそく見ていきましょう!

<トピックス>
◎ラブっけ女子どう???
◎やっぱり猫が好きなのさ
◎推しカラーで彩る毎日。

「ar」がオススメする「ラブっけ女子」とは何か?

 コロナ禍の影響で、ファッションページを作ることが困難になっているのか、読み物が多くなってきている最近の女性誌。「ar」も例に漏れず、先月号では過去の著名人インタビューから“名言っぽい発言”を拾い集めた自己啓発的読み物企画「自分をもっと好きになりたい50Tips」がありました。

 今号でもその路線は継続中。巻頭特集「ラブっけ女子どう???」では、編集部が提唱する「ラブっけ女子」とやらに近づくための10カ条が紹介されています。

 「ラブっけ女子」とは、「自分だけの魅力=『ラブっけ』を磨いていけばそれでよくない?」「自分の中の『ラブ』に正直に生きるのが最高気持ちイイ!」というマインドを持った女子のことだそう。そんな女子になるための10カ条には「ご自由にご自愛。」「ワタシの中には“お宝”がある(ハート)」「ドドド真ん中で生きる!」「そして永遠にワンアップ!」など、抽象的かつ前向きっぽい文言が並んでいて、実に自己啓発書的です。

 10カ条を具体的に読んでいくと、「ご自由にご自愛。」とは「湧き出てくる欲求を素直に受け止めて、やってみたいと思う気持ちのままに行動する」ことだそう。その一方、「ドドド真ん中で生きる!」では、「キャラをこじらせないでね(ハート)」とも忠告。「全部取り入れようとすると絶対失敗する」「ヨクバリすぎは時に罪(笑)」とのこと。
 
 「自分の欲求に素直に行動すること」と「こじらせるな、失敗するな」を同時に求められていて、つまり“はみ出さない程度に個性を出せる”のがラブっけ女子ということでしょうか。個性尊重と言いつつ、はみ出し者には厳しい現代社会を生き抜くには、確かにこのマインドを身につけるしかないのかもしれません。

 そういった矛盾をはらみながらも、前向きな言葉が並ぶ同企画。

 「人生は一度きり。前へ! 前へ!」「私たちは自分を輝かせるために生まれてきたんだ(ハート)」「イイ波には即、乗るゼ!」「日本まるごと光らせちゃおうぜ(ハート)」――。

 同誌的には、このノリはまだ「こじらせてる」「はみ出てる」ではないようなので、意外と許容範囲は広そうです。

 誌面を埋める苦肉の策が極まったかのような企画がもう一つ。それが、編集部員やライター、読者モデル、同誌常連ヘアスタイリストといった「ar」関係者が飼い猫の写真を自慢するページ「やっぱり猫が好きなのさ」です。総勢35匹の猫のプライベートショット(?)と、ご自慢コメントが並んでいます。

 最高に内輪ノリですが、猫なので、みなさん当たり前にかわいいです。猫には誰も文句は言えないだろう……という心理を利用した、素晴らしい誌面埋め策だと感じました。

推しカラーの流行を喜ぶ超特急オタク

 最後に見ていくのは、「推しカラーで彩る毎日。」です。推しのイメージカラーをいつも持ち歩きたいというオタク女子へ向けて、赤、黄色、オレンジ、ピンク、紫、青、緑、白、それぞれのファッションアイテムが紹介されています。

 昨年あたりから、通販サイトのフェリシモが、推し色ファッションブランド「OSYAIRO(おしゃいろ)」を立ち上げたりと、日常でも推しカラーをさりげなく身に着けるニーズが高まっている様子で、「ar」もその波に乗ったようです。

 さてこのページ、色ごとに「推しVOICE」も添えられています。推しVOICEとは、ファンが自分の推しと、その推しカラーをファッションやメイクにどう取り入れているかを語るコメントのことで、取り上げられている黄色推し代表のコメントは「バンドじゃないもん!」甘夏ゆずファン、オレンジはサッカー「清水エスパルス」ファン、紫は「A.B.C.-Z」の河合郁人ファン――といった、なかなかにコアな人選。

 なお、緑がイメージカラーの「超特急」草川拓弥ファンは、ピスタチオグリーンがはやっていることを受けて、「今まで勇気がなくてあまり服やメイクで取り入れられなかったけど、今年は拓弥くんカラーが流行ってくれて嬉しい!」とのこと。

 “オタクだけど、あくまでオシャレに”という感覚は、巻頭特集の“こじらせない程度に個性を”というラブっけ女子マインドに通じるところがありそうです。バランス感覚が大事な時代なのだなぁと考えさせられました。