三田佳子、人生初「やよい軒」の感激を語る! 「婦人公論」幸運特集に漂うのは自己啓発セミナー感?

 リニューアルした「婦人公論」(中央公論新社)の一発目、2月号が発売中です。これまで月2回の刊行だったのが月1に減り、文字も大きく読みやすくなり、お財布と老眼により優しく進化しました。

 スピリチュアリスト・江原啓之の新連載「『幸せぐせ』を身につけよう」もスタートし、高齢化社会にますますピントを合わせてきた「婦人公論」。さっそく中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎中園ミホ×三田佳子 試練と向き合った先に豊かさは待っている
◎明日へのやる気を生む部屋づくり3つのポイント
◎読者体験記 思わぬラッキーが舞い込んだ

三田佳子、初「やよい軒」で感激

 今号の特集は「自分史上、もっとも幸運な一年に」。序文には「ハッピー」「運」「引き寄せ」「前向き」「笑顔」と漠然としたポジティブ・ワードが並んでおり、怪しげな自己啓発セミナー感が漂っていますが、その特集のトップを飾る脚本家・中園ミホと女優・三田佳子の対談「試練と向き合った先に豊かさは待っている」から見ていきましょう。

 人気脚本家の中園氏。前職は占い師(現在も有料占いサイト『中園ミホ 女の絶対運命』を主宰)ということで、三田を鑑定していきます。「三田さんには、『食神』という食べ物の神様もついている」と占うと、三田は「そういえば」と、“最近「やよい軒」に初めて行った”エピソードを語り出します。

 さすが大女優、全国チェーンとは知らなかったそうで、「機械で食券を買うのも面白かった」「新しい経験をすると嬉しくなりますね」とのこと。やよい軒との巡り合いが「食神」のおかげかどうかはわかりませんが、やよい軒にこれほど感激できるというのは、確かに幸せの秘訣かもしれません。

 さらに中園氏は、「『この人にあやかりたい』という方の舞台や映画を観に行ったり、書いた本を読むだけでも運気が流れ始める」「お金持ちから財布をもらうと金運ももらえます」など開運法を紹介。スピリチュリストな一面を存分に見せ、瀬戸内寂聴さんの後を継いで「婦人公論」三大ミューズ(ほかは美輪明宏、江原啓之)入りする片鱗をのぞかせているようでもありました。

風水と田舎の母のアドバイスの違いとは……

 続いて見ていくのも特集内の「明日へのやる気を生む部屋づくり3つのポイント」。“人気風水師”で“開運ライフスタイルアドバイザー”である愛新覚羅ゆうはん氏が、「運のいい部屋づくり」のポイントを風水の観点から解説しています。

 いわく、“寝室は蛍光灯より間接照明がいい”“パジャマは天然素材のものを”、“玄関はスッキリと片付けておく”“生ゴミは長く放置しないように”、“お風呂ではボトルのぬめりや抜け毛の放置NG”など――。田舎の母が言っていたことに似ています。風水とは基本的な生活態度を良く保つ、ということなのかもしれないと考えさせられます。

 最後に見ていくのは読者から寄せられた体験記コーナー「思わぬラッキーが舞い込んだ」。2件の体験記が紹介されています。

 1人目(77歳女性)のラッキー体験をまとめると、“終の棲家と思っていたアパートが取り壊しになり退去されられ、不動産会社から老夫婦に貸せるような家は無いと言われていたが、1Kのアパートに入れた”、“30年以上疎遠だった娘が月1で訪ねてくるようになった”、“隣に住む若い男性があいさつしてくれる”、“娘に1000円あげようとしたら『今までさんざんお世話になったじゃないの』と断られる”。

 2人目(71歳女性)のラッキー体験は、“誰かの飼い猫だと思っていたお気に入りの猫が、捨て猫と分かり飼うことになった”、“その猫が逃げたが帰ってきた”でした。

 今号の特集タイトル「自分史上、もっとも幸運な一年に」、そして序文の「ハッピー」「引き寄せ」「前向き」といった言葉から、勝手に“宝くじで高額当選!”とか、“思わぬ遺産が転がり込んだ!”とか、そんなことばかり想像していた自分を恥じました。

 幸せは、それに気づける人に訪れる――。そのことを、心美しい読者の体験記から教えられました。三田のように、やよい軒で食券を買うことにも楽しみを見いだせるようになることが、幸せへの第一歩なのかもしれません。

徳光和夫「AKBの1人や2人は妊娠させられる」発言を「婦人公論」で釈明! 「妻に感謝」節に漏れるヤバさ

 「婦人公論」(中央公論新社)の 12月28日・1月4日合併特大号が発売中です。2021年最後となる今回の特集は、「コツコツと積み重ねて 『健康』と『お金』が福を招く」。健康、そして金という同誌の大好物がセットになり、年末の出血大サービス感があります。

 表紙では神のようなオーラを放つ美輪明宏さんがほほ笑んでおり、飾れば魔除けにもなるかもしれません。さっそく中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎愛した、書いた、祈った 追悼 瀬戸内寂聴さん
◎藤井聡太竜王、19歳の挑戦は続く
◎徳光和夫 妻との時間が今の私の宝物です

瀬戸内寂聴さんよ永遠に

 まず見ていくのは、11月に99歳で亡くなった瀬戸内寂聴さんの追悼特集「愛した、書いた、祈った 追悼 瀬戸内寂聴さん」です。寂聴先生といえば、美輪明宏、江原啓之と並んで“「婦人公論」の三大ミューズ”的な存在。ことあるごとにインタビューが掲載され、何度か表紙を飾ったこともありました。

  “この人のインタビューを載せたら何はともあれ、ありがたい誌面になる”という特別な存在だった寂聴先生。そんな大きな柱を一本失った「婦人公論」は、8ページに渡って追悼特集を組み、生前の活躍や同誌内での「金言の数々」を振り返っています。

 さらに、親交が深かった南果歩らの追悼コメントも掲載。中でも驚いたのは、50年来の交流があったという美術家・横尾忠則氏の言葉でした。なんと横尾氏、寂聴先生が息を引き取った11月9日、虫の知らせがあったそう。

 「朝7時頃に目覚めた僕は、瀬戸内さんに対する漠然とした『不在感』に襲われました。それで隣にいたカミさんに『瀬戸内さん、亡くなったよ』と言ったんです」とのこと。その少し後、亡くなったと連絡があり、「本当に驚いて、体がうっと寒くなるのを感じました」と明かしています。

 50年来の深い縁があったからこその虫の知らせだったのかもしれませんが、“不思議な力がある人”をありがたがる傾向のある同誌にとって、次は横尾忠則氏が貴重な存在になっていく予感も感じさせました。

ヒゲ萌え! アイドル扱いの藤井聡太四冠

 次に見ていくのは「藤井聡太竜王、19歳の挑戦は続く」。読売新聞写真部所属の若杉和希カメラマンが、「リモートカメラ」も駆使して撮影した第34期竜王戦での藤井四冠のお宝ショットが多数掲載されています。

 この写真の充実ぶり、アイドル的で驚きました。とくに注目なのは、第3局のお茶を飲むタイミングでマスクを外した瞬間の一枚。写っているのは、うっすら口ひげと顎ひげが生えている藤井四冠! レア……! 若杉カメラマンによれば、「髭剃りを忘れたのですかと聞くと、『宿のどこに剃刀があるのか、わからなかったんです』と」。おちゃめ……! 思春期の息子の成長を目の当たりにしたような胸の温かさを感じることができる一枚で、年配女性キラーの素質も感じさせます。

 ほかにも対局中に「いちごサイダー」を手に取る藤井四冠、おやつタイムに用意されたカワイイ「くま最中」や「紫芋モンブラン・ハロウィン特別版」等のおちゃめ写真が多く、来年はさらなる藤井萌えブームが巻き起こるのではと予感させる記事でした。

 最後に見ていくのは、徳光和夫(80歳)のインタビュー記事「妻との時間が今の私の宝物です」。徳光和夫といえば今年10月、水道橋博士のYouTubeチャンネルにて、「明石家さんまさんはAKBの1人や2人は妊娠させられますよ」と発言をして炎上したヤバイおじいちゃんです。

 このインタビュー冒頭で炎上について「反省しています」と切り出した徳光氏。「周りには女性スタッフが多いのですが、彼女らからこんこんと説教されまして」「『今の自分があるのはカミさんのおかげ』といつも妻には感謝しているのに、そういう日頃からある女性への敬意と、社会的な問題意識が結びついていなかった」と続けます。

 さらに話は、軽い認知症の症状が出始めた妻への愛情といった方向へ……。

 この“身内の女性に叱られた”や“妻には感謝している”といった釈明、セクハラや女性蔑視的な失言をした偉い人が言いがちなやつでは。徳光氏も倣ったのかなという印象です。徳光氏が身内の女性に敬意を持っているのが本当であろうが、AKB48には持っていなかったという点、あぶないおじいちゃんである点は変わりません。写真の徳光氏の笑顔がいっそう怖い。どんなに妻への愛を語ってもヤバさは漏れているぞ、「婦人公論」読者の目はごまかせないぞと言いたいです。

小室夫妻を批判するのは「ミミッチイ」? 「婦人公論」で語られる、眞子さま「ホンマモンの恋」

 「婦人公論」(中央公論新社)の12月14日号が発売中です。今回の第一特集は「骨、血管、脳―― 老化に負けない新習慣」ですが、気になるのは断然、第2特集の「成年皇族となられて 愛子さまの歩まれた20年」。

 主役は愛子さまのはずですが、ここでも例の小室圭さん・眞子さん夫婦にスポットが当たりがちに……。さっそく中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎佐藤愛子 小室眞子さんは汚濁が渦巻く世界の扉を開けた
◎小田部雄次×辛酸なめ子×山下晋司 「公」と「私」が揺らぐ皇室、継承問題のゆくえは
◎中村玉緒 夫・勝新太郎の思い出が生きる力を与えてくれる

小室夫妻を批判するのは「女の腐ったような奴」!?

 天皇皇后両陛下の長女、愛子内親王殿下が20歳を迎えられたことを受けて組まれた、第2特集「成年皇族となられて 愛子さまの歩まれた20年」。ご誕生から現在までの秘蔵フォトが多数掲載されているほか、3~4歳のころに作られたと思われる工作「しろいおひげのサンタさん」の写真や、学習院女子中等科卒業の際に書かれた作文「世界の平和を願って」全文が掲載され、愛子さまファンにとってお宝となる内容になっています。

 しかし、この愛子さま特集号の中でもやはり、小室圭さん・眞子さん夫妻が異様な存在感を発揮。98歳の作家、佐藤愛子氏が小室さん夫婦について語るインタビューも掲載されているのです。

 “憤怒の作家”とも呼ばれた痛快エッセイの名手、佐藤先生はいったい、小室夫妻の騒動をどう斬るのか……とわくわくしてしまったのですが、佐藤先生は眞子さんにはお優しかった。

 「いやぁ、久しぶりでホンマモンの恋を見ました」「会見の様子をテレビで見ましたが、すっかり感心しました」と絶賛し、国民の一部から“警備などに税金を使うな”という批判があることについては、「ミミッチイことは言わないの」。

 なんでも佐藤先生は、“夫の借金を返しながら税金は滞納せず払っていた”という経験があるため、「『損得』を無視して生きる」ようになったとのこと。我々の税金が……という意見は、損得を無視できない人間の「ミミッチイ」声だと感じるようで、「そんなことを言うのは、昔は『女の腐ったような奴』と嘲笑されたものですよ」と、たしなめています。

 自分の苦労話を持ち出して、“それ程度でグダグダ言うな!”という結論に繋げる、大御所あるある――。しかし、佐藤先生ほどの人生経験を積むことで、小室さんのダース・ベイダーTシャツにイラッとしなくなるのであれば、積ませていただきたいとも感じます。

 次に見ていくのも、愛子さま特集の一部。皇室史を専門とする歴史学者・小田部雄次氏、皇室ウォッチャーのエッセイスト・辛酸なめ子氏、皇室ジャーナリスト・山下晋司氏の座談会をまとめた記事「『公』と『私』が揺らぐ皇室、継承問題のゆくえは」です。

 皇位継承がテーマの座談会ですが、ここでも話の中心は小室夫妻に。「愛子内親王殿下の時は、眞子さん以上にお相手のあら探しをするんじゃないでしょうか」(山下氏)、「小室さんのことで、お相手選びのハードルが上がってしまっただろうし」(辛酸氏)と心配の声が上がっています。

 辛酸氏は心配のあまり、「ジャニーズWESTをお好きだと聞いたことがあります」「最近はジャニーズも高学歴の人が増えていますし、やんごとないお家の方もいるかもしれない。そういう人の中からお相手が見つかればいいのですが」と妄想が飛躍している様子。

 さらに「愛子さまが小学生の頃、那須の御用邸に遊びにきていた『ドラえもん』ののび太くん似のボーイフレンドが、成長してカッコよくなっているという話を聞いたことがあります。その彼から、ネックレスをもらったとか」との情報も披露。とにかく、小室圭さん&眞子さん騒動が愛子さまにも大きく影響していることが伝わる座談会でした。

 最後に見ていくのは、愛子さま特集から離れて、御年82歳の女優・中村玉緒のインタビュー記事「夫・勝新太郎の思い出が生きる力を与えてくれる」。24年前に亡くなった夫・勝新太郎さんへの愛を語るのが主なテーマですが、一番の読みどころは“健康の秘訣”についての部分。

 今年9月、週刊誌「FLASH」(光文社)で熱心なパチスロ通いを報じられた玉緒さん。「今日もこれからスロットをしに行くんです」と堂々明かし、「時間が空いたから行くのと違います。最初からスケジュールに組み込んでるんです。夕方に1時間ほどスロットをして帰ると心がすっきりして、よぉ寝られますから。私にとってスロットは精神安定剤みたいなもの」と解説。

 麻雀もお好きだそうで、「スロットのレバーは右手で操作する、麻雀牌は左手で取る……つまり全身運動」「これが健康の秘訣だと思っています」と語っています。

 “82歳でパチスロ通い”と文字だけ見ると心配になってしまいますが、玉緒さん自身は楽しそうで何より。さまざまなことを書かれる皇室のみなさまも、玉緒マインドでいられますように……。と願うのも、余計なお世話でしょうか。

上沼恵美子「関テレさんのことは恨んでます。大嫌いです」……『怪傑えみちゃんねる』終了に「婦人公論」でいまだ恨み節

 「婦人公論」(中央公論新社)の11月24日号が発売になっています。特集は「めげない、折れない しなやかに生きる」。

 大変ざっくりとしたテーマですが、同誌によれば「年齢にかかわらず輝きを放つ人の生き方」には「しなやかに生きる」ヒントがあるとのことで、今号も数々のキラキラシニアが登場。

 特集冒頭には樹木希林さん、瀬戸内寂聴さん、田辺聖子さん、森光子さんらレジェンドの名言が散りばめられ、神々しい雰囲気です。さっそく中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎上沼恵美子 面白い人生ゲームを作るため苦労はいつも買って出た
◎研ナオコ “衝撃メイク動画”も自分らしさの延長です
◎鈴木保奈美 獅子座、A型、丙午。

上沼恵美子、関テレは「大嫌いです」

 「婦人公論」によれば、西の女帝・上沼恵美子も”しなやかに生きている”一員とのことで、上沼へのインタビュー記事「面白い人生ゲームを作るため苦労はいつも買って出た」が掲載されています。輝くアクセサリーなど派手な衣装の印象が強い上沼ですが、今回はボーダーにスカーフとカジュアルな装い。そして発言にも弱気な一面がのぞきます。

 コロナでお客さんの生の反応を感じられなくなったことが精神的に堪えたと言い、別居中の夫に励ましてもらったことを明かしているほか、25年続いた冠番組『怪傑えみちゃんねる』(関西テレビ)が昨年7月に突然終了してしまったことにも言及。終了の理由は週刊誌でさまざまに報じられましたが、それにも納得がいっていない様子で、「気力を取り戻すのに1年かかりました。白浜の家(註:別荘がある和歌山県南紀白浜)は5メートル先が海で、いつでも飛び込めたんですよ。でも『ここで死んだらアホやな。今は辛抱しよう』と」と、ショッキングな発言も。

 「関西テレビさんのことは恨んでます。大嫌いです」と言い切り、25周年記念でもらった社長賞のクリスタル製トロフィーは「かち割りました。勝手口にパーン! と叩きつけて」とのこと。上沼と関テレの溝はかなり深いようです。

 インタビューでは「年内にYouTubeで番組を始めようと計画してるんです」とも語っている上沼、YouTubeでそのあたりも忖度なしに語ってほしいです。

研ナオコがYouTubeで再ブレークできた訳

 次は研ナオコのインタビュー「“衝撃メイク動画”も自分らしさの延長です」。コロナを機にYouTuberデビューしたタレントが数多いる中、研は大成功したうちの一人。すっぴん&普段着で夫とマクドナルドのテイクアウトを食べるなど飾らない動画がウケて、チャンネル登録者数約17.1万人。“すっぴんから研ナオコに変身”するメイク動画は約500万回再生(11月16日時点)と話題になり、再ブレーク中です。

 「(メイク動画の後で)再生数がドカンと増えてびっくりしました。デビュー以来、自分でメイクをしているので、いつものやり方を披露しただけなのに……と思ったんですけど、すっぴんが衝撃的だったとか言われちゃって、そーいうことかと(笑)」「誰のメイクの参考にもなりませんよーって自信を持っていえますけどね」と分析し、どこが視聴者にウケたのかしっかり把握している、大物ぶらない感じも研の魅力なのかもしれません。

 「流行りのメイクではなく、ただひたすらに“研ナオコ”のメイクを探求してきました」と言い、「人生も同じような感覚で、自分の個性を重視して、山あり谷ありを乗り越えてきた気がします」と人生論につなげていくあたりは、さすが芸歴51年。

 上沼がYouTubeデビューした際には、コラボした“すっぴん→メイク動画”なんていかがでしょうか。

 最後に見ていくのは、鈴木保奈美の80年代風連載エッセイ「獅子座、A型、丙午。」。今回のタイトルは「おしゃれしたい秋」。

 最近、夜な夜なパリコレの動画を見ているというホナミさんは、ショーで披露されるファッションについて「そもそもそれ、お洋服と呼べるのか? 的なオブジェと化しているものも多くて、買って帰って着ましょう、って感じのものではない」、「なんというか、デザイナーとかそのブランドの、世界観? と表現して、発信? する場である、という意味合いみたいだ」と、世の中の大多数が存じている事象を発信。

 そういうショーを見て、ホナミさんは「人間ってアホやなあ」と人が愛おしく思え、やがて「毎日デニムばっかり穿いてちゃいかん」と気を引き締めるのだそうです。

 毎日デニム穿きがちという庶民派イメージを差し込みつつ、パリコレに人間愛まで感じるおおらかさ、おしゃれ心までくすぐられちゃう素直さ……など、ホナミさんの魅力がつまった素敵エッセイで、濃いメンツのインタビュー記事が続いた後の良いお口直しとなりました。

尾上松也×山崎育三郎×城田優、中年3人の「会話の若さ」が輝く! 「婦人公論」老後特集の“シニア”ラインナップ

 「婦人公論」(中央公論新社)の11月9日号が発売中です。今回の特集は「毎日を楽しくするヒント 『明るい老後』と『クヨクヨ老後』」。表紙を飾る女優・草笛光子を始め、輝くシニアへのインタビューが充実しています。さっそく中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎伊東綾子 コロナから回復した101歳の前向き人生
◎筒井康隆 なにがあろうとも、僕は長く生きようと決めている
◎山崎育三郎×城田優×尾上松也 今こそ僕らが変化を起そう

101歳のコロナ生還インタビュー

 まず見ていくのは、滋賀県大津市在住の一般人・伊東綾子さんへのインタビュー記事「コロナから回復した101歳の前向き人生」。伊東さんとは、今年1月の100歳当時、新型コロナに感染し発熱したものの、約1カ月の入院ののちに回復した人物。退院後の同5月、伊東さんは滋賀県庁で異例の退院会見を開催。体操や自作の詩などを披露し、話題になりました。

 今回の4ページの大ボリュームインタビューでは、コロナ絡みの話は最初の3分の1のみ。後の3分の2では伊東さんのこれまでの歩み(女学生時代、戦後の葛藤、夫との死別、女手一つでのキャンプセンター経営など)が語られています。普通に生きてきて「婦人公論」で半生を語ることになるなんて、伊東さんも予想していなかったでしょう。

 私は一体今、何を読まされているのだ……? と時たま思いつつも、やはり101年分の歩みは読みごたえがあります。会見で体操や詩を見せるサービス精神からも感じましたが、「自分が生きていることは素晴らしいこと」と心から思える自己肯定感も、長生きの秘訣であると教えられたような気がします。

 同誌では、前号でもタレント・野々村真のコロナ生還インタビューを掲載していました。今後は“コロナに打ち克った人物”が、トレンドとなっていくのでしょうか。

87歳・筒井康隆はサラリと引退宣言

 次に見ていくのは小説家・筒井康隆氏へのインタビュー「なにがあろうとも、僕は長く生きようと決めている」。87歳になった筒井氏ですが、今年は自身の一人息子の死をテーマにつづった作品を収める短篇集『ジャックポット』(新潮社)が話題に。約30年前に刊行した小説『残像に口紅を』(中公文庫)もTikTokをきっかけに大重版されるなど、いまだ売れっ子。しかし、今回のインタビューでは「もはや長編小説は書きません」「短編からも卒業する、と関係者に伝えています」と、さらりと宣言しています。

 「今後は文芸誌に原稿用紙十枚くらいの掌篇を寄せていくつもりです。それがある程度まとまれば、最後の作品集ということになるでしょう」とのこと。

 第一線で活躍していながら“引退宣言”することについて、筒井氏は「体力や気力の問題ではなく、長い年月をかけて自分の中に培ってきた知識や発想のストックを使い果たしてしまった」「頭がしっかりしているうちに、『できること』と『できなくなったこと』を見極め、数少なくなった『まだできること』の優先順位を決める。こうして、老いても自分の尊厳は自ら守らなくてはいけません」と語っています。引き際を自ら決めることも「前向きな老後」のひとつであるようです。

 最後に見ていくのは、ほっと一息つける(?)鼎談「山崎育三郎×城田優×尾上松也 今こそ僕らが変化を起そう」。3人とも30代半ば。中年と呼んでもいい年齢のはずですが、老後特集号の少し重苦しい雰囲気の今号の中で見れば、かなり若者オーラが出ているように感じます。彼らの会話の内容も若いのです。

 城田と松也は、学年は違うものの同じ高校の芸能コースに通っていて、当時から仲が良かったそう。

城田「お互い、それぞれの学年の“クレイジー担当”と呼ばれる盛り上げ役みたいなものに任命されていた」

松也「3年生のナカモリくんに『お前が2代目だ』って任命されて。(中略)」

城田「代々続いている担当かと思っていたら、そのナカモリくんから始まって、僕らの3学年だけにしかなかった」

 ……3年生のナカモリくんって誰? 高校時代の内輪ノリを昨日のことのように話せる感覚に若さを感じます。ちなみに、松也は「ビジネスクレイジー」で、城田は「ナチュラルクレイジー」、山崎は「一見おとなしそうだけど、頭の中が一番クレイジー」だそう。クレイジーが褒め言葉になっている感じにも若々しさがあふれていて、読者に若きエキスのおすそ分けをしてくれているページだと感じました。

 

毒親体験の吉川ひなの、“わが子に与えたいもの”とは? 毒母の連鎖を「終わりにする」と「婦人公論」で決意

 「婦人公論」(中央公論新社)の10月26日号が発売になりました。特集は「母が重い、娘がこわい」。母娘問題は最近の流行、かつ婦人公論の得意分野とあり、熱が入っています。さっそく中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎吉川ひなの 家族は一心同体という呪縛から子どもたちが救ってくれた
◎ルポ いつまでも甘えてくる娘にうんざり
◎読者体験手記 親心を無視されて

毒母告白の吉川ひなの、“わが子に与えたいもの”とは

 まず見ていくのは、ハワイ在住・吉川ひなののインタビュー「家族は一心同体という呪縛から子どもたちが救ってくれた」。今年5月に発売したエッセイ『わたしが幸せになるまで 豊かな人生の見つけ方』(幻冬舎)で、毒母に育てられた生い立ちをつづって話題になった彼女。今回のインタビューでも改めて母親にかけられたという「呪縛」を語っています。

 13歳から家計を支え、母親に搾取され続けていたという吉川は、母親について「『家族は一心同体。私とあなたの人生に境目はない』『私が産んだ子だから、すべて私に権利がある』と本気で思っている人でした」「彼女の言うことは絶対で、何をされても我慢するのは当たり前」と振り返り、「10代から20代まで傷つくことだらけ」「自分を幸せだと思ったことは一度もありませんでした」と告白。

 さらに「環境破壊が進んだこんな時代に子どもを産んでも、苦しみを与えるだけ」とも刷り込まれてきたそうで、「産まないのが当然なのだと思っていました」と語っています。

 その後、20代半ばで夫となる男性に出会ったことが転機となって、「幼い頃から持ちえなかった自分への自信を、少しずつ取り戻すことができた」とのこと。現在は3児の母に。

 エッセイでは毒親体験のほかにも、“洗わない育児”や“おむつ無し育児”、肉は食べない(食べると“殺された動物の気持ちが人体にイラつきなどの悪影響を及ぼす”と感じているそう)、電磁波を避ける(寝る前にテレビのコンセントを抜くなど)といった独自の子育て・生活術をつづり、すっかり“自然派ママ”のカリスマに君臨しています。

 今年6月に誕生した第3子は、西洋医学に基づいた妊婦検診は受けずに自宅水中出産、生後約2週間から「おまる」トレーニングをスタートしたことをインスタグラムで明かすなど、ナチュラリストぶりはエスカレートしているように見えますが、インタビューでは「親子関係の呪縛から逃れられず、わが子にも同じことを繰り返すという話をよく聞きますが、悲しみの連鎖はここまで。『私のところで終わりにするからね』という感じです。私は、母から与えられなかったものを子どもたちに与えたい」と、毒母の連鎖を終わらせる決意表明も。

 「与えたい」の気持ちが高まったあまり、実母とは“わが子のためを思って”の方向性が変わっただけ……という結果になりませんように、との思いが胸をよぎりました。「親子関係の呪縛から逃れられず、わが子にも同じことを繰り返す」。本人がそれをわかっているにもかかわらず、完全に逃れることは難しいのだろうか……と、考えさせられるインタビューでした。

 次はノンフィクションライター・島内晴美氏によるルポ「いつまでも甘えてくる娘にうんざり」。母親側からの娘に対する思いを取材した記事です。

 「知らず知らずのうちに母を支配する娘」「いくつになっても反抗し続ける娘」「親をあてにして自立できない娘」などに対する母親の思いが語られていますが、中でも気になったのは、“コロナワクチンの陰謀論にハマった娘(34歳)”を持つクミコさん(72歳)のパターン。

 「しょっちゅう孫を預けに来るんだから、ワクチンを打ってちょうだいとお願いしても、『ママはワクチンで大勢が死んでること知らないでしょ。私が死んでもいいと思ってるわけ?』と真顔で言う」とのこと。「専業主婦の私のことを馬鹿にしていたくせに、自分は仕事を辞めて今は趣味のダンスに夢中」「コロナ下でも子どもを私に預けてレッスンだの、お茶だのと出かけてばかり。それでワクチン拒否だからいい加減にしろと思います」と怒りは頂点に。今後の金銭的援助は断ち切ることにしたそうです。

 なんと現代的ないざこざでしょうか。コロナは母娘の溝をも深くする、やはり恐ろしいウイルスです。

読者の本音「生まれ変わったら子どもなんか生むものか!」

 最後に見ていくのは同誌名物の読者体験手記のコーナー。テーマは「親心を無視されて」。こちらも親側の目線で、娘への愚痴がつづられます。

 一通目の83歳女性は、無農薬・有機栽培で育てた野菜を娘(60歳)に送っていましたが、娘にとっては迷惑だったらしく、あるとき娘から「これ以上嫌がらせはしないでください」と激昂メールが届いたそう。なぜ娘が「こんな怖い娘」になったかを延々振り返る手記の結びは、「今度生まれ変わったら(中略)子どもなんか生むものか。楽しい恋だけいっぱいするのだ」。なんと潔い。この83歳女性の心の叫びに共感する人もたくさんいるはず。

 二通目は64歳女性。出産した娘から孫の名前候補を聞いてネットで姓名判断をしたところ、どのサイトでも良くない結果が出たことから、「たまらず婿を訪ね、『姓名判断がすべてではないが、字画は変えたほうがいいのではないか』と懇願」して名前を変えさせたり、娘の湿疹を心配して「部屋の絨毯が原因かもしれないから引っ越してはどうか?」などと提案したりなどを繰り返していたところ、娘から「もう私に関わらないで」と縁を切られたつらい経験をつづっています。

 いずれにしても、“わが子のためを思って”の気持ちがあった上でのいざこざ。今号の対談記事で作家・桜木紫乃氏が語っている「子どもにとって薬ばかりで毒にならない親なんていない」という言葉に、すべて集約されるのかもしれません。

氷川きよしことkiiちゃんが「婦人公論」で語る! “演じてきた別人格”と“私”の2つの表現と覚悟

 「婦人公論」(中央公論新社)の10月12日号が発売中です。表紙を飾るのは、萬田久子氏。リーゼントにしか見えない萬田氏が振り返りざまにガンを飛ばすかのような構図の写真で、書店でとても見つけやすくなっています。

 そんな今号の特集は、リーゼント・萬田と特に関連なさそうな「認知症 発症させない、悪化させない」。コロナ下で長引く自粛生活は「『認知症リスク』を高める」とし、予防法、症状との向き合い方、認知症介護のストレスとの付き合い方など多岐に渡って特集しています。ためになる内容ではありますが、ここでは主にそれ以外のページの中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎カータン×村井理子 親の介護ストレスは書いて吹き飛ばせ
◎横尾忠則 肉体が衰えた今こそ自由に描ける
◎氷川きよし 迷わないと決めたら世界が大きく広がった

“介護もネタに!”の軽やかな覚悟

 まずは特集から、ブロガーのカータン氏×ライターの村井理子氏の対談「親の介護ストレスは書いて吹き飛ばせ」。認知症特集の中でも、こちらの企画は“介護する側”に目が向けられています。カータン氏は発売中のコミックエッセイ『健康以下、介護未満 親のトリセツ』(KADOKAWA)で、村井氏は認知症の義母目線でつづったエッセイ『全員悪人』(CCCメディアハウス)で、ともに“親の介護ストレス”をテーマにしていることから対談が実現した模様。

 タイトルに「親の介護ストレスは書いて吹き飛ばせ」とあるとおり、対談から立ち昇るのは、二人の“表現する覚悟”のようなもの。義母の介護についてつづった村井氏は、「『よくこんなのを書いたな』と散々言われましたけど、ネタに昇華したほうが勝ち」と堂々。カータン氏も「描くことで発散できるし、笑いにも変えられる。親に対して、『新しい経験やネタを提供してくれてありがとう』という思い」と前向きに語っています。元祖(?)インフルエンサー・はあちゅう氏の座右の銘「人生全部コンテンツ」に通ずる、軽やかな覚悟が感じられます。

 読者手記コーナーが充実し、自己表現が好きなイメージがある「婦人公論」読者に、この“ストレスは書いてネタにして発散!”というアドバイスは響きやすいのではないでしょうか。

 高齢化社会が進む今、カータン氏や村井氏の後を追う人気“介護インフルエンサー”が読者から続々と誕生する日も遠くないかもしれません。

 続いては、85歳の世界的美術家・横尾忠則氏のインタビュー「肉体が衰えた今こそ自由に描ける」を見ていきます。こちらにも、先ほどの「親の介護ストレスは書いて吹き飛ばせ」に通じる“表現する覚悟”に触れられた部分が見られました。

 「今ではほとんど耳が聞こえません。目もよく見えないんです」と言う横尾氏ですが、「初めて、『アートが始まった』という感覚があります」と語り、現在もほぼ一日アトリエで創作と向き合っているそう。「ものを創造する人間にとっては、毎日が地獄です」「僕も毎日ダンテの『神曲』を生きているつもりです」と言い、交友のあった三島由紀夫についても「晩年はそれこそ毎日、切腹するような気持ちで生きておられたのではないかと思います。毎日が切腹」と回想する横尾氏。

 毎日が地獄、毎日が切腹! “表現することで発散されるものと、犠牲になっていくもののバランス”を取る力が必要なのかもしれないと考えさせられます。はあちゅう的な生き方も、軽やかそうに見えて実は「毎日が切腹」な心境なのでしょうか。

 最後に見ていくのは、氷川きよしのグラビア&インタビュー「迷わないと決めたら世界が大きく広がった」。“表現する覚悟”という、今号の裏テーマ的なものを統括するかのような内容になっています。

 最近では演歌だけでなくポップスにも挑戦し、園芸番組『趣味の園芸』(Eテレ)、料理番組『氷川きよし kiiのおかえりごはん』(ポッドキャスト配信)など活躍の幅を広げている我らがkiiちゃん。いわく、「ずっと演歌を歌ってきましたが、『男の生きざま』みたいなものをテーマにした楽曲も多く、私は歌の主人公になりきることでその世界を表現してきたつもりです。以前は、『歌の主人公のように自分も生きなければ!』と思い、男らしくあろうとさまざま努力もしました。(中略)でも、今は違います。歌の主人公になりきって歌うけれど、現実の私は、お料理と園芸、ファッションが好きな『私』であり、歌の主人公とは別人格なのだとはっきり分けて考えられるようになりました」とのこと。

 「自分を肯定したら、臆さず自己表現することができるようになり、同時に、世界が大きく柔らかく広がり始めた」と話していて、よかったねkiiちゃん……! という思いがあふれます。

 kiiちゃんでさえ、それができるようになるまでに歌手デビューから約20年が必要だったように、簡単なことではないのは百も承知ですが、“自分ではない何かを演じる表現”と“ありのままの自分で行う表現”の2つを、半々にバランスを取ってできるようになってやっと、kiiちゃんのように柔らかな世界を手に入れることができるのかもしれません。

70歳男が「恋愛モードどっぶり」、80代の水森亜土が友達にあてた“濃い”手紙……シニアの友情に迫る「婦人公論」

 発売中の「婦人公論」(中央公論新社)の9月28日号、今回の特集は「友達は、歳をとるほどありがたい」です。同誌によれば「年齢を重ねるなかで友達はよりいっそう代えがたい存在になる」とのこと。

 数々の業界人と友情を築いているテレビプロデューサー・石井ふく子氏(95歳)が語る「友だち付き合いの哲学」や、友人と連絡を取るためにスマホを持つべきか? など60代以上特有のお悩みに答える「誌上相談室」など充実の内容で、シニアの友情に迫っています。男女の友情は成立するのか? といった永遠の問いにも触れている同誌の中身、さっそく見ていきましょう!

<トピックス>
◎田村セツコ/水森亜土 なかよし二人の往復書簡
◎読者体験手記 男友達は、いくつになっても厄介で
◎田中圭×中谷美紀 夫婦の衝突を避ける必殺技は?

水森亜土の手紙「キャッホーイ!! 節っちゃん」がスゴイ!

 特集内の企画でもっとも興味深かったのは、1938年生まれの田村セツコ氏と1939年生まれの水森亜土氏による往復書簡「なかよし二人の往復書簡」です。二人はともに60年代からファンシーな少女雑誌の表紙などで活躍し、今も現役の80代イラストレーター。お互いにあてた手紙が公開されているのですが、独自の世界観にあふれていて、読みごたえがあります。

 二人の友達付き合いはいつから始まったのか? 現在はどんな交流があるのか? など具体的なことには一切明らかにされません。「何十年のおつきあい」(田村氏)「付かず離れずのゼツミョウな関係。そこがいいんよねッ」(水森氏)などと触れられるのみで、細かいことは謎に包まれています。

 特に水森氏の手紙「キャッホーイ!! 節っちゃん」は、ファンシーかつミステリアス。書き出しでは「How are ya? この頃、どっか痛いとこないの? 私はあります。腰や肩かな」と体調を自己申告。続けて、いつのことか定かではありませんが、田村氏にスカートをめくられた思い出を回想。「(節ちゃんは)私のフトモモの長いスパッツを見て、ワー、ワーッ、キャーと大きな声で笑ってくださったのでス。ギク! グサッ! ブーッ! となっている私をそのままにして、社交的でチャーミングな節っちゃんは、アッと言う間に他の人の輪の中へ!!」「もともと社交的ではない私(!?)は(ホントよ)、ブーッ! ムッとなって、ただ暗い気持ちで帰りました」とつづっています。

 かなり「ブーッ!」となったことが伝わってきます。カタカタを多用する文章が一周、二周まわってなんだか新しい。

 編集部からは「ずっといい関係でいる理由が伝わってきます」とのコメントが添えられていましたが、いえ、それは伝わってはきません。むしろ、お二人にしかわからない特殊な関係が築かれているのでは……と感じる濃い往復書簡でした。

 次は、読者から寄せられた体験手記のコーナー。今回のテーマは「男友達は、いくつになっても厄介で」です。紹介されているのは64歳女性と70歳女性の二通。

 64歳女性のほうは、亡き夫の墓をお世話してくれた石材店の営業マン(同い年)と、いつしか食事やカラオケに行く関係に。女性は「男友達」という認識だったが、営業マンからのLINEは親密さを増し、やがて「つきあってほしい」と送られてきたそう。「男の人は親密になると、どうして一線を超えたがるのだろう。そして、なぜ恋人か他人かの二者択一にこだわるのか」と悩んだ女性は、結局おつきあいすることに。しかし、交際3年がたった今も、時々「あのままいい男友達として続けられたらそれだけでよかったのに」と思うとのこと。

 もうお一人、70歳女性の場合は、いつも割り勘で「割り勘男」と呼ばれる高校時代の同級生がお相手。その割り勘男と二人きりで居酒屋で飲むことになった女性。帰り道で割り勘男に手を握られ、「いやー。一度君と手をつないで大通りを歩いてみたかったんだ、昔から」と言われたそう。「割り勘男、70歳。青春一直線モード、恋愛モードどっぷりである」という冷静な描写がお見事です。その後も割り勘男からは何度か電話があったそうですが、一切出ていないとのこと。

 10代20代でぶち当たりがちな、“男女の友情は成り立つのか問題”。婦人公論世代になってもその問題は解決しないということが伺える読者手記でした。

 最後に見ていくのは、田中圭×中谷美紀の対談「夫婦の衝突を避ける必殺技は?」。夫婦役でダブル主演を務める映画『総理の夫』(9月23日公開)のPR対談なのですが、二人のかみ合わなさが、よい味を出しています。

 「中谷さんは言葉遣いがとてもきれいで上品なので、どう接すればいいのかとドキドキしていたんです。(中略)たまに、お話が難しくて、『今の、どういう意味だったんだろう』ってなることもありました(笑)」と言う田中。

 撮影について「いや~、待ち時間が長かったですよね」と言えば、中谷からは「え? むしろ短いほうだと思ってました」と真逆のことを言われ、働く女性について「僕自身は女性が働くことになんの違和感もない」と言うと、「でも日本のジェンダーギャップ指数は、156ヵ国中120位、政治においてはなんと147位です」と教えられています。

 細かいデータをスラスラ言えた(ように誌面では読める)中紀もすごいですが、「そんなに遅れているんだ!」と素直に驚いてあげられる田中もすごい。

 最後は“何から何まで違うから絶妙のコンビネーションで夫婦を演じられた”と、うまくまとめられていました。ツーショットの写真の雰囲気にもかみ合わなさが漂っているので、ぜひ見てみては。

江原啓之、熱海支援を「霊界の力」と結び付ける意図は!? 『婦人公論』で語る「災害から身を守るための心得」の違和感

 「婦人公論」(中央公論新社)の9月14日号が発売中になりました。沢口靖子が表紙を飾る今号の特集は「『夏バテ』放置は危険がいっぱい」。

 冷え、脱水、不眠……といった、婦人公論おなじみの不調への助言が盛りだくさんですが、それ以外の読み物もバラエティーに富んでいます。さっそく中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎読者体験手記 ああ、エアコン狂騒曲
◎みのもんた パーキンソン病を得た今も女性と連れ立って歩きたいね
◎江原啓之 災害から身を守るために私たちに必要な心構え

エアコンについて2,400字もつづる読者の熱意

 最初に見ていくのは、読者から寄せられる体験手記のコーナー。今回のテーマは、夏のエアコンをめぐるひと悶着にスポットを当てた「ああ、エアコン狂騒曲」。なんとピンポイントなお題でしょうか。

 今回、採用されているのはお二人。一人目は美術館の監視員として働く方。貴重な美術品を劣化から守るため、展示室の室温は常時18度に保たれているそうで、冷え症のこの方にとっては大変つらいとのこと。そのつらさについて、約2,400字を使って表現しています。すごい。“職場が寒い”というたったそれだけのことを両親、亡き祖母、同僚、自らの性格などのエピソードを挟みながら、こんなに熱くボリューミーに書ける人は、そうそういません。

 もう一人は家電量販店に勤めて18年という方。主にエアコン売り場が担当だそうで、店頭で見たエアコンをめぐる家族ゲンカあれこれを紹介。各家族の人間模様を写し取っています。「婦人公論」の読者手記にかかると、どんな出来事もドラマチックかつエモーショナルになりがちですが、エアコンという一家電さえも胸に迫るモチーフに変換する読者の手腕、恐るべしです。

みのもんた、久々の“お嬢さん転がし”芸

 次に気になったのは、みのもんたのインタビュー「パーキンソン病を得た今も女性と連れ立って歩きたいね」。昨年春に『秘密のケンミンSHOW』(読売テレビ系)を降板し、「現在、テレビの仕事はゼロ」という彼が、ひさびさに読者の前に登場しています。

 77歳にしてTシャツ、ジーンズ、素足にローファーというシンプルなファッションを着こなしているみのもんた。昨秋、「週刊文春」(文藝春秋)でパーキンソン病であることを公表していますが、見る限り元気そうです。

 読者に向けては、「男はみんな若い女性が好みのように言われるけれど、そんなことはないですよ」「素敵な歳の重ね方をしている女性は、僕にとって『お嬢さん』です」とメッセージ。「あらためて、みなさんに言いましょう。『あなた、男たちに見られていますよ!』『狙われていますよ!』」と呼びかけています。若干うさん臭いのも相変わらずですが、やはり「お嬢さん」がたの潜在的ニーズを汲むのが上手いようです。この“お嬢さん転がし芸”、テレビでもう見られないのかと思うと一抹の寂しさも感じました。

 最後に見ていくのは、スピリチュアリスト・江原啓之の「災害から身を守るために私たちに必要な心構え」。昨年、静岡県熱海市に本格移住した江原は、今年7月に熱海で発生した記録的豪雨に遭遇。その経験から「災害から身を守るために私たちに必要な心構え」を語るという趣旨のインタビューです。

 災害の専門家ではないのに、なぜ江原が……? という疑問も浮かびつつ読んでいくと、江原が呼びかけているのは主に“テレビは土砂崩れの映像だけでなく現地の人に必要な情報を伝えるべきだった”という苦言、あとは“普段から防災意識を高めておきましょう”“被災地に寄付を”という提言でした。熱海在住のみなさんが言いたいことを江原が代表して話した、ということなのでしょうか。

 熱海移住といえば、江原は今年1月26日号で「新型コロナウイルス感染拡大の時期と私の完全移転が重なった」「『熱海』『熱海』という文字がお告げのように私の頭に浮かんだ」「『熱海』というメッセージは霊界の導きだったのだと思います」と語っていました。まるで“コロナを予知し、霊界のお導きで熱海に移住していた”と言っているよう。

 そんな力を持つ江原でも自然災害は予知できないんだな、それほど怖いものだからこそ、地道に防災意識を高めることが大事なんだな……と納得しかけたのですが、江原は最後の最後で、次のように語っています。

「7月22日に沼津市・熱海市復旧支援チャリティとして講演会(ライブ配信)を行いました。また10月に発売予定のCDの売上げも寄付する予定です。どちらも災害が起こる前から決まっていた講演会やアルバム制作ですが、まるで『お役に立ちなさい』と霊界の力が働いたかのようです」

 いやこれは霊界、関係ないんじゃ? こじつけすぎでは? と違和感。もし本当であるのなら霊界も霊界で、もっと早い段階で江原に働きかけてほしいものだと感じました。

 

「婦人公論」怪奇特集がアツい! オカルト界の重鎮・室井滋が語るヤバイ部屋の見分け方とは……? 

 「婦人公論」(中央公論新社)の8月24日号が発売中です。第1特集は同誌おなじみの“ていねいな暮らし系”の「暮らしを小さく整える」ですが、気になるのは第2特集「真夏の怪奇ファイル」。読者から寄せられた奇妙な実話、心霊体質の女優・室井滋やホラー作家・川奈まり子の恐怖体験談など、オカルト誌「月刊ムー」(ワン・パブリッシング)に張り合うがごとく盛りだくさん。

 その中には「婦人公論」ならではの怪奇特集の特徴も見られました。さっそく中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎読者体験手記傑作選 見た、聞いた、感じた、あれは――
◎室井滋 お稲荷様に呼ばれてずっとお祀りする覚悟を決めた
◎川奈まり子 亡くなった方の魂が生きる者にかかわろうとする

霊にも優しい目線を忘れない「婦人公論」

 まずは読者から寄せられた怪談手記をまとめた「見た、聞いた、感じた、あれは――」から。人の死の臭いを感知できるという読者、若いカラスと心が通じ合った体験をつづる読者、妊娠中のおなかを亡き祖母が撫でに来てくれた体験を持つ読者、金縛りののち鎧兜の武者に話しかけられた読者。合計4編の手記が掲載されています。

 どの手記も、ただ「怖い」だけでなく、どこか温かいまなざしもあるのが特徴。例えば、カラスと15分ほど見つめあうなど、カラスとの不思議な交流をつづった読者は、そのカラスを「顔のシュッとした、ちょっと小柄で若そうなカラス」と、イケメン俳優かのように表現。そんなイケメンカラスと心の交流が生まれ、「優しいカラスには感謝の気持ちさえ湧いてきます」とのこと。この読者とカラス、来世では恋に落ちそうな予感です。

 4編の中で最も怪談らしさが強かったのは、鎧兜の武者の霊を見た読者の手記。午前2時、金縛りにあい、現れた武者から「私のことを覚えておいてほしい。私のことを忘れないでほしい」と話しかけられたというゾッとする内容ですが、読者はその体験後、土地の歴史を調べ上げます。そして、そこで無念の思いを抱いたまま亡くなったのであろう武者に思いを馳せ、「たった一人でもその魂の存在を覚え忘れないことが供養」となるのではないか……と思いやる気持ちから、手記を書いています。

 若い世代が「怪談=エンタメ」的に面白がるのに対し、「婦人公論」読者層は霊的な存在をどこか自分ごととして考えているのかもしれません。人間、年を重ねて身近な人の死や自身の病気に接するごとに、死後の世界と仲良くなっていけるのかも。だとすれば、年を取るのも悪くないと思えるような気もしてきます。

 続いては幼いころから不思議な出来事に遭遇しやすいという女優・室井滋のインタビュー「お稲荷様に呼ばれてずっとお祀りする覚悟を決めた」。室井といえば、心霊体験を中心につづったエッセイ「あなたが怖い」(文春文庫)を出していたり、オカルト好きの間でよく知られた都市伝説「偽の警察官」を生み出していたりと、この界隈のベテランといっていい存在。

  今回のインタビューでは、お稲荷様を祀る土地に引っ越した不思議な縁や、ロケ先で体験した恐怖体験などを語っています。室井いわく、地方ロケでの宿では「薄気味悪い部屋」にあたることもあるとか。「私の場合、そのような部屋に入ったとたん、鉄錆を舐めさせられたような感覚が唾液腺から出てくる」と心霊現象の予兆を語ります。

 ここで注目なのが「鉄錆」というワード。実は、先に取り上げた読者体験手記の中の、人の死の臭いがわかるという読者も実は、翌日死ぬ人からは「錆臭さ」を感じると書いているのです。

 信じやすい筆者は、死後の世界のものって錆臭いのか!? とインプットされてしまいました。

怪談のプロが説く「あの世」とは……

 こういった怪奇現象について、プロ目線で見解を寄せてくれているのが、実話系ホラーを得意とする作家・川奈まり子氏です。5,000件以上の怪談を取材し、自らも数々の不思議な体験をしている川奈氏。

 インタビュー「亡くなった方の魂が生きる者にかかわろうとする」では、「いわゆる『あの世』を信じ込んでいるわけではありません。『そういうものがあるとされている』と知識として捉えています」と冷静に語り、実際に心霊現象を目の当たりにした際には、「もしかすると『あの世』と『この世』の境には、本当に三途の川みたいなものが横たわっているのかもしれないと、柔軟に考えることにしています」としています。川奈氏の考えでは、その「境界線」の向こうから、亡くなった方たちが生きている側に「かかわろうとすることがあるかもしれない」とのことでした。

 もう一つの世界を否定するのではなく知識として取り入れ、説明のつかない現象は正常バイアスにとらわれず柔軟に、あるがまま受け入れる――。怪談だけでなく、今の時代に必要な考え方であるような気がし、陰謀論などにハマる人々にも読んでほしいインタビューです。

 いやしかし、「死後の世界=錆臭い」問題についても、川奈氏の意見を聞いてみたかったです。今号のおかげで、これからは錆臭さを感じるたびにびくびくすることになる読者も多いのではないでしょうか。