「結婚話にはのっておく」「近所に親友を」、「婦人公論」の長寿企画で先輩からガチなアドバイス

 今号の「婦人公論」(中央公論新社)、特集は「『長寿で幸せ』な生き方」です。特集に「あなたの生活は長生きタイプ?」という診断テストがありましたので、恐々やってみましたが……結果は「長寿を妨げる性格の持ち主」とのこと。え~~。これは生活習慣ではなく、「性格」的に長寿か否かを診断するというもので、「真面目さ」や「愛着の安定性」が高い方が「もっとも寿命が長くなる」とのこと。え~~(2回目)。「気質的な部分の『真面目さ』は変えることが難しいかもしれません。しかし『愛着』は努力次第で改善することができます。そのために、まずは身近な人との関係を良くしましょう。夫、子ども、友達など周囲の人たちの良いところを見つける」。いやいや「婦人公論」的に努力でどうにもならないのは、「真面目さ」ではなく「愛着」の方なのでは……?

<トピックス>

◎特集 「長寿で幸せ」な生き方

◎ハッピー高齢者が明かす「40代、50代からやっておきたいこと」

◎がんを恐れない

■実は長い「若くもなく、老人でもない」時間

 「2016年の統計では、100歳以上の高齢者は全国で6万5000人以上。平均寿命が延びるなか、将来、体に衰えを感じてもできるだけ健康で穏やかに暮らしたい」とはリード弁。作家・中島京子と女優・室井滋の対談「あと50年生きるとしたら私たち、どんな老人になろう」や認知症予防のトレーニング法、長寿者が直面している貧困や老老介護問題に焦点を当てたルポもあります。そんな中で注目したいのが、冒頭の読者アンケート「ハッピー高齢者が明かす『40代、50代からやっておきたいこと』」。回答者年齢は75歳~103歳、平均年齢82歳というガチな先輩からのありがたいメッセージが満載です。

 「長生きして良かったことは?」という問いには「杖をついてよぼよぼ歩くようになり、他人様の優しさにふれると嬉しいです。年寄りを見守ってくれてありがとう」(91歳)、「鳥の声やいつもの景色、何気ないことに幸せを感じます。若い頃にはなかったこと」(75歳)といった我々が憧憬する“善なる老い”の姿があれば、「夫に何も逆らえず、自分を抑えて静かに生きてきたが、夫の没後、ようやく本来の私に戻ることができました」(92歳)というTHE婦人公論的なコメント、そして「15歳年下の彼を心から好きになって8年。(中略)私が年上なので何かにつけ嫉妬してしまい、苦しい思いでいっぱいです。彼なしでは生きていけません」(82歳)というパッションほとばしるものまで。「老人」なんて言葉でひとくくりにはできませんな。

 また「若い人へのアドバイス『これをやっておきましょう!』」には、パイセンたちの後悔から生まれた至言がズラリ。「夫に家事をさせましょう。自分のことは自分でできるように」(75歳)、「子どものしつけ。あんなに愛情とお金をかけたのに、今は寄り付きもしない」(77歳)、「結婚話には、のっておく」(80歳)、「夫と仲良くしておくと、歳を取ってから良くしてくれます」(77歳)、「近所に親友を」(83歳)などなど。

 ここでいう「若い人」というのは、50代、60代の人たち。世間的には決して「若い」わけではありませんが、次ページの俳人・宇多喜代子(81歳)のエッセイ「よき哉、懐炉執心の日々」にはこんな一文が。「かつての人生五十年時代からみれば夢のような六十歳だが、九十、百がそう珍しくなくなった今、若者でもない老人でもないという時間をどう設計実践するかということはかなり重大なのではないか」「それまで出来ていたことがそろそろ出来なくなる。かわりにそれまで出来ていたことを基にした新たな時間を授かるようになる。それがその頃かなと思う」。

 「婦人公論」世代をどう生きるかで、老後の在り様はだいぶ変わってくる。貧困老人や老老介護のページは見るもつらい現実ではありますが、若くもない、老人でもない時代にもしかしたらもう一度人生をやり直せるのではないか……といううっすらとした希望も読み取れるのです。

■どう生き直すのか

 続いては、巻末の小特集「がんを恐れない」。「長寿で幸せな生き方」にとって「がん」は敵なのか、それとも長寿の時代だからこそ問答無用に「死」を突き付ける「がん」は必要悪なのか。特集にはさまざまな形で「がん」や「死」と向き合った人が登場します。

 最初のインタビューは女優の仁科亜季子「60代で4度目の手術。それでも健やかに生きているのは」。改めてすさまじい病歴にびっくり。38歳で子宮頸がん、その手術の際にC型肝炎に感染、排尿障害、腸閉そく、盲腸にできた腫瘍、胃がん、大腸がん……「がんは一生ものというか、がん細胞を取り除くことができたとしても、一生つき合っていかなければならないことがあれこれ出てきてしまう。これががんという病気をやっかいなものしているのかもしれません」。そんな、放射線治療も抗がん剤ももちろん外科的手術もすべて行ってきた仁科と対照的なのは、「川島なお美が亡くなる1週間前まで舞台に立てた理由」。夫でパティシエの鎧塚俊彦が、昨年胆管がんで亡くなった妻で女優の川島なお美の死を振り返ります。

 女優として体にメスを入れることを拒み、手術以外のあらゆる方法を模索していたという川島。「自分でつくった腫瘍なのだから、生活を改善し自然治癒力を高めて治す」と専門書を「軽く50冊は読破」し、さまざまな治療法を見つけては試してみたそう。その中には「純金の棒で体をこするマッサージ」のような怪しげなものも。しかしその真剣な姿に、手術をすすめていた鎧塚も「たとえ僕自身が信用しきれない療法であれ、女房が『身体にプラスになる』と心底感じたのなら、止めないでいよう」と心に決めたと言います。

 腹腔鏡手術だけは受けたものの、5カ月でがんが再発。再発を告知されてからは「免疫療法」「霊能者」「O・リングテストを用いる漢方薬医」など、さらに怪しげな代替療法にのめり込む。結局は「肝臓で分解しきれなくなったアンモニアが脳に至ったがために台詞を忘れる症状が表れ」、舞台を降板した1週間後に帰らぬ人となりました。

 仁科と川島。がんに直面して選んだ道は違えど、それぞれのインタビューで出てきたのは同じ「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)」という言葉。「残り少ない人生のQOLを高めたほうがいいなと思い」「子どものために何とか生き延びようとしていた38歳の私とは違う、60代の私の決断」として、仁科もまた負担のかかる抗がん剤治療を打ち切ったと言います。

 先述の「若者でもない老人でもないという時間をどう設計実践するか」という宇多の言葉は、ここでいうQOLに近いのかもしれません。50代、60代での「生き直し」。仁科にとっての子ども、川島にとっての舞台のような、生きる希望をどれだけ持てるかがQOLの鍵になるのでしょう。そう考えると「長寿で幸せ」の意味も少し違って見えてきますね。

(西澤千央)

「結婚話にはのっておく」「近所に親友を」、「婦人公論」の長寿企画で先輩からガチなアドバイス

 今号の「婦人公論」(中央公論新社)、特集は「『長寿で幸せ』な生き方」です。特集に「あなたの生活は長生きタイプ?」という診断テストがありましたので、恐々やってみましたが……結果は「長寿を妨げる性格の持ち主」とのこと。え~~。これは生活習慣ではなく、「性格」的に長寿か否かを診断するというもので、「真面目さ」や「愛着の安定性」が高い方が「もっとも寿命が長くなる」とのこと。え~~(2回目)。「気質的な部分の『真面目さ』は変えることが難しいかもしれません。しかし『愛着』は努力次第で改善することができます。そのために、まずは身近な人との関係を良くしましょう。夫、子ども、友達など周囲の人たちの良いところを見つける」。いやいや「婦人公論」的に努力でどうにもならないのは、「真面目さ」ではなく「愛着」の方なのでは……?

<トピックス>

◎特集 「長寿で幸せ」な生き方

◎ハッピー高齢者が明かす「40代、50代からやっておきたいこと」

◎がんを恐れない

■実は長い「若くもなく、老人でもない」時間

 「2016年の統計では、100歳以上の高齢者は全国で6万5000人以上。平均寿命が延びるなか、将来、体に衰えを感じてもできるだけ健康で穏やかに暮らしたい」とはリード弁。作家・中島京子と女優・室井滋の対談「あと50年生きるとしたら私たち、どんな老人になろう」や認知症予防のトレーニング法、長寿者が直面している貧困や老老介護問題に焦点を当てたルポもあります。そんな中で注目したいのが、冒頭の読者アンケート「ハッピー高齢者が明かす『40代、50代からやっておきたいこと』」。回答者年齢は75歳~103歳、平均年齢82歳というガチな先輩からのありがたいメッセージが満載です。

 「長生きして良かったことは?」という問いには「杖をついてよぼよぼ歩くようになり、他人様の優しさにふれると嬉しいです。年寄りを見守ってくれてありがとう」(91歳)、「鳥の声やいつもの景色、何気ないことに幸せを感じます。若い頃にはなかったこと」(75歳)といった我々が憧憬する“善なる老い”の姿があれば、「夫に何も逆らえず、自分を抑えて静かに生きてきたが、夫の没後、ようやく本来の私に戻ることができました」(92歳)というTHE婦人公論的なコメント、そして「15歳年下の彼を心から好きになって8年。(中略)私が年上なので何かにつけ嫉妬してしまい、苦しい思いでいっぱいです。彼なしでは生きていけません」(82歳)というパッションほとばしるものまで。「老人」なんて言葉でひとくくりにはできませんな。

 また「若い人へのアドバイス『これをやっておきましょう!』」には、パイセンたちの後悔から生まれた至言がズラリ。「夫に家事をさせましょう。自分のことは自分でできるように」(75歳)、「子どものしつけ。あんなに愛情とお金をかけたのに、今は寄り付きもしない」(77歳)、「結婚話には、のっておく」(80歳)、「夫と仲良くしておくと、歳を取ってから良くしてくれます」(77歳)、「近所に親友を」(83歳)などなど。

 ここでいう「若い人」というのは、50代、60代の人たち。世間的には決して「若い」わけではありませんが、次ページの俳人・宇多喜代子(81歳)のエッセイ「よき哉、懐炉執心の日々」にはこんな一文が。「かつての人生五十年時代からみれば夢のような六十歳だが、九十、百がそう珍しくなくなった今、若者でもない老人でもないという時間をどう設計実践するかということはかなり重大なのではないか」「それまで出来ていたことがそろそろ出来なくなる。かわりにそれまで出来ていたことを基にした新たな時間を授かるようになる。それがその頃かなと思う」。

 「婦人公論」世代をどう生きるかで、老後の在り様はだいぶ変わってくる。貧困老人や老老介護のページは見るもつらい現実ではありますが、若くもない、老人でもない時代にもしかしたらもう一度人生をやり直せるのではないか……といううっすらとした希望も読み取れるのです。

■どう生き直すのか

 続いては、巻末の小特集「がんを恐れない」。「長寿で幸せな生き方」にとって「がん」は敵なのか、それとも長寿の時代だからこそ問答無用に「死」を突き付ける「がん」は必要悪なのか。特集にはさまざまな形で「がん」や「死」と向き合った人が登場します。

 最初のインタビューは女優の仁科亜季子「60代で4度目の手術。それでも健やかに生きているのは」。改めてすさまじい病歴にびっくり。38歳で子宮頸がん、その手術の際にC型肝炎に感染、排尿障害、腸閉そく、盲腸にできた腫瘍、胃がん、大腸がん……「がんは一生ものというか、がん細胞を取り除くことができたとしても、一生つき合っていかなければならないことがあれこれ出てきてしまう。これががんという病気をやっかいなものしているのかもしれません」。そんな、放射線治療も抗がん剤ももちろん外科的手術もすべて行ってきた仁科と対照的なのは、「川島なお美が亡くなる1週間前まで舞台に立てた理由」。夫でパティシエの鎧塚俊彦が、昨年胆管がんで亡くなった妻で女優の川島なお美の死を振り返ります。

 女優として体にメスを入れることを拒み、手術以外のあらゆる方法を模索していたという川島。「自分でつくった腫瘍なのだから、生活を改善し自然治癒力を高めて治す」と専門書を「軽く50冊は読破」し、さまざまな治療法を見つけては試してみたそう。その中には「純金の棒で体をこするマッサージ」のような怪しげなものも。しかしその真剣な姿に、手術をすすめていた鎧塚も「たとえ僕自身が信用しきれない療法であれ、女房が『身体にプラスになる』と心底感じたのなら、止めないでいよう」と心に決めたと言います。

 腹腔鏡手術だけは受けたものの、5カ月でがんが再発。再発を告知されてからは「免疫療法」「霊能者」「O・リングテストを用いる漢方薬医」など、さらに怪しげな代替療法にのめり込む。結局は「肝臓で分解しきれなくなったアンモニアが脳に至ったがために台詞を忘れる症状が表れ」、舞台を降板した1週間後に帰らぬ人となりました。

 仁科と川島。がんに直面して選んだ道は違えど、それぞれのインタビューで出てきたのは同じ「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)」という言葉。「残り少ない人生のQOLを高めたほうがいいなと思い」「子どものために何とか生き延びようとしていた38歳の私とは違う、60代の私の決断」として、仁科もまた負担のかかる抗がん剤治療を打ち切ったと言います。

 先述の「若者でもない老人でもないという時間をどう設計実践するか」という宇多の言葉は、ここでいうQOLに近いのかもしれません。50代、60代での「生き直し」。仁科にとっての子ども、川島にとっての舞台のような、生きる希望をどれだけ持てるかがQOLの鍵になるのでしょう。そう考えると「長寿で幸せ」の意味も少し違って見えてきますね。

(西澤千央)

ししゃも脚にボトックス! 細くするなら「打てばいい」の“大人すぎる”「Domani」

 「Domani」(小学館)12月号。今年最後の号にもかかわらず、ユースケ・サンタマリアさんの連載が終わり、小泉孝太郎さんの連載のスタートです。人気のない企画は年を跨がず容赦なく仕分け仕分け! なんですかね。休刊に追い込まれないように、小さな企画も常にブラッシュアップが必要な模様です。確かに、ユースケさんは自分語りが過ぎていて、テレビだと抑えられているナルシシストな部分を見せつけられ、驚くこともありました。小泉さんはアラフォーの独身。この世代の独身の男って……とならないことを祈るのみ! さて、どんなお話が聞けることやら。アメリカ大統領選の話とか時事ニュースで攻めて来たりするかしら?

 さてさて今月号は、「7月号で大きな反響を呼んだダイエット企画が満を持して帰ってきました!」とのことで、ダイエット企画再び始動です。終わる企画あれば、人気でリバイバルの企画ありです。「全国各地から応募が殺到した新メンバーの一般募集。ここから選ばれた読者4名と『もっとキレイになる!』と編集部に背中を押された某Domaniメイツ1名が本気でダイエットに取り組み始めました」とのこと。誘惑の多い年末年始の開催ってことが、気の利いているような、利いていないような、もどかしさを感じます。年末年始に少し増やして、ラストスパートで一気に減量ですかね。チャレンジャー5名のダイエット前の体形が「3D風」に確認できるのも面白いです。このシルエット、自分のことは棚上げで言わせてもらいますが、下半身デブ(すいません!)だったり、そもそも全体的にぽっちゃり(重ねてすいません!)だったりと、「Domini」的な「キラキラ女」とはかけ離れている印象の方ばかり。お高い素敵なお洋服、着こなせてたのかしら? 失礼はこのくらいにして、早速トピックスへ!

<トピックス>
◎大人の“きれいめ回帰”には「女優気分」をひとさじ(ハート)
◎私たちはなぜ「フランス女性」に惹かれるのだろう…?
◎Domani式「ヘルスコンシャス」ダイエット・第2章

■なお美さんも「愛とエロスを象徴した鴨とクレソン鍋」食べたのかしら?

 鍋がおいしい季節になりましたね。作るのも簡単ですし、いろいろ食べられて体も暖まるので、毎日忙しい「Domani」読者にはピッタリですね。「いつか映画で見たような…『鍋』のある情景」では、「おもてなし鍋」や「SNS映えする鍋」など、しゃれおつな「鍋」レシピの紹介がありましたよ。でもでも、ほんとにこんな鍋とかホームパーティとか、SNSに投稿しているの、みんな?

「女子会にぴったりなさっぱり系」鍋の隣には、「シンプルだけど豪華な大人鍋」とありまして、映画『失楽園』に登場した鴨鍋が登場。料理名は「愛とエロスを象徴した鴨とクレソン鍋」ですって……! 「不倫をし、愛欲に溺れるふたりが食べる鍋。あえて鴨肉をセレクトするあたりに、そこはかとなく漂うエロス…」とのこと。山の方じゃじっちゃんばっちゃんが普通に鴨肉も鴨鍋も食べてるでしょうけど、そこはノーカウントで「Domani」は続けます。「道ならぬ恋愛に身を焦がす凛子(黒木瞳)が逢引の部屋で初めて久木(役所広司)にふるまう手料理」こそが鴨鍋なのだと。

 どうしても鴨に禁断の愛を投影したくてたまらないようです。皆様方、「不倫」の機会がありましたら、初めてふるまう手料理は「愛とエロスを象徴した鴨とクレソン鍋」でおひとつお願いいたします。「Domani」の流儀のようですので。

 今年は芸能ニュースが「不倫」で賑わってたこともあるのでしょうか。「Domani」も柄になく取り上げてみたものの、いかんせん「キラキラ」人生ばかりを扱っているもので切り口に思案し、結果鴨鍋に落ち着いたのかな~。とか思うと、「Domani」の不倫との距離感に安心感を覚えましたよ、ドンマイ!

■自力は使わず金で解決するのが「Domani」

 仕事や子育てで毎日忙しい、でも金なら持ってる「Domani」読者のチラ見えした連載「『美療の森』の歩き方」。当連載、リードによると、最新の美容医療を35歳の「しらゆきちゃん」(マンガキャラ)が体当たり取材して、ネットでも漁れないレベルまで鬼まとめするコーナーなんだそう。今月号のテーマは、「脱・シシャモ脚」! 脚にボトックスを打つらしいです。初めて聞きました。確かに、これは施術している人も少なそうなので、口コミなど経験者の話しはネットでは漁れなさそうです。

 「ふくらはぎを細くしてミディ丈スカートをはきたいの~」な~んて、しらゆきちゃんは可愛く言っていますが、「筋肉を簡単に落とすマシーンなどは、今のところこの世に存在しない。唯一の方法は、ふくらはぎの筋肉を動かす神経を一時的に麻痺させて、脚の動きを強制的に制限し萎縮させるボトックスのみじゃ!」と物知り博士的なキャラが回答。麻痺、制限、萎縮って字面がコワすぎるんですけど……そして、初めから“マシーン頼み”ありきな答えが大人すぎる! 「Domani」すぎる! ちまちま家でマッサージだのなんだのやるのは「an・an」(マガジンハウス)とか「non・no」(集英社)だけでいいんです。もう努力とかいりませんから!

 迷うことなく施術を試したしらゆきちゃん、使用感はといいますと、「施術から2ヶ月で結果が。ボトックスの効果は2~3ヶ月続く」とのことですが、お値段なんと20万円也。そして、「日常生活は支障ないとされている。ただ、筋肉を動きにくくしているのだから、これまでとまったく同じというわけにもいかないはず」とのこと。どこかおかしくなるけど、不具合が出る部位はわかりません。って、ちょっと……! 携帯電話ですら、いまどきもっとマシな説明文ついてますけど……! 

 ふくらはぎにボトックス。読んでいて、怖くて痛みが伴うレポートですが、可愛いイラストのおかげか、お手軽エステのように感じてしまいます。きっと「Domani」にとっては「マシーンがないなら打てばいいじゃない」くらいの感覚で、己の体も美容医療の進化に捧げるようなお気持ちなのでしょう! 姐さん方、これからもこの分野を支えていってくださいませ!
(白熊春)

サバサバした人間関係は寂しさしかもたらさない……「婦人公論」で60代作家が漏らす切実な本音

 今号の「婦人公論」(中央公論新社)、特集は「人づき合いは楽しく、賢く、細長く」です。リードには「無理なく心地よい関係を築くための方法を探ります」とありますが、そんな夢のような方法あったらそもそも「婦人公論」が100年も続いていない気が……。

 

 特集冒頭のインタビューには脚本家・大石静が登場。「誰かに癒されるより、一人でヒリヒリした時間を過ごしたい」というタイトルからもわかるように、大石の人づき合い法は、ベクトルが最終的に「自分」へと向く、極めてクリエイター的なもの。「苦しい時、他人に相談するのではなく、自分と向き合うことが、私にとってはかけがえのない時間」「大人にとって本当に大事なことは、他人とのつき合い方をみつめ直すことより、この先、自分とどうつき合うか、ではないかという気がします」。自分の人生がうまくいかないのは、自分以外の誰かのせいだと思いたい「婦人公論」読者に、大石先生のお言葉はどのように届くのでしょうか。

<トピックス>

◎特集 人づき合いは楽しく、賢く、細長く

◎親友と呼び合えるのはめったに会わない仲だから

◎若い人に誘われなくなったら要注意。60歳からは、謙虚に誠実に

■自分たちだけは「面倒くさくない」と思いたい

 確かにこの世はめんどくさい人づき合いばかり。自分自身と向き合い「そのつき合い、本当に必要?」と精査していくことは必要な作業なのでしょう。「婦人公論」でも取り上げている、“人間関係の断捨離”というやつです。

 さて続いては「親友と呼び合えるのはめったに会わない仲だから」。こちら「毒舌辛口トークなのに視聴者から好感度の高い」島崎和歌子とマツコ・デラックスの親友対談です。「私たちどこか似ている部分があったのよ。世間や人に対して、少し斜に構えて生きているところとか」とマツコが言えば、島崎も「私はアイドル時代、仲間との関係が苦痛だった記憶があるの。あの頃のアイドルは、みんなでつるまなきゃいけないことが多かったのよ。私にはそういう関係があまり向いてなかったんだと思う。まわりから浮いていたもの」。ともに“べったりとした関係は無理”と話すアラフォーの2人が、友達とのちょうどいい距離感について語っています。2人の対談でよく出てくるのが「面倒くさい」という言葉。

島崎「主婦をしている年下の友だちから、ママ友づき合いの苦労話をよく聞かされる」

マツコ「子どもをどこの学校へ入れるかで張り合ったりするんでしょう? 人として大切なのはそういう問題じゃないのに、バカらしい!」

島崎「そういう関係って、聞いているだけで面倒くさいなって思う」

マツコ「そこまでしないとつき合えない友だちなんて、こっちから願い下げって言ってやればいいのよ」

島崎「子どものことを考えたりすると、それも難しいんじゃない。でも、無理して関係を続けるのは、無駄よね」

マツコ「アンタと私との間には、そういう面倒くささがない」

島崎「主婦の友だちの愚痴を聞いていると、家庭も子どもも持たずにいてよかったとつくづく思っちゃう」

(さらに…)

「CLASSY.」の“雑談力アップ”のための合コン実況中継、地獄が地獄を呼ぶ展開に……

 今月号の「CLASSY.」(光文社)、特集は「『パリっぽい』のが今っぽい!」です。このところ“女の欲望ロンダリング”の役割をハワイに取って代わられた感のあるパリですが、ここにきて古豪の強さを見せつけるのか。

 リードを見る限りでは「そろそろ、しっとりと上品で女のコらしいスタイルが恋しくなってきませんか? そんな気分を叶えるのは“パリっぽい”コーディネート」とあっさり。しかしながら「パリジェンヌのオシャレをテーマにしたイラストエッセイを多数発刊」しているイラストレーターによるコラムでは、「お気に入りの定番アイテムをとことん着込んで、自分の体に馴染ませる」「流行に左右されず、自分のライフスタイルや個性に合う服を日々選びとっていく、彼女たちのそんなブレがない“買い方”や“着方”がパリスタイルを作っている」などなど。それ「CLASSY.」女子が最も苦手とするところちゃいますの……?

<トピックス>
◎特集 「パリっぽい」のが今っぽい!
◎冬のモテ服対決!「細いい女VSゆるいい女」
◎モテる女は雑談上手

■「レザーパンツ=海外セレブ」という謎の偏見

 これまで、「モテそう」「結婚できそう」と不純な理由で「白ワンピだ」「いや、こなれだ」とファッション価値観を二転三転させてきた「CLASSY.」ですよ。今さら「ブレないパリスタイル」と言われても。しかし特集名をよく見てみれば「パリっ“ぽい”」が「今っ“ぽい”」。「パリ」じゃなくても「今」じゃなくてもいいのか!

 ということで、エルベシャプリエやらアニエスベーやらアラフォー世代にも懐かしいブランドが多数登場するパリっぽい企画はスルーして、「冬のモテ服対決!『細いい女VSゆるいい女』」を見てみましょう。これは「冬の2大モテスタイル、タイトシルエットの『細いい女』とふんわりシルエットの『ゆるいい女』」が、「合コン」「キレイめデート」「カジュアルデート」の各シチュエーションで展開するコーデバトル。「ふわふわのモヘアの質感が優しく女らしさを引き立てると同時に、ほどよい肌見せでさりげない色気も漂います」とか「タイトスカートのスリットから覗くセクシーな脚に目を奪われない男子はいません!」とか、やっぱりパリとか全然関係ない。圧倒的モテの前で、エスプリのなんと無力なことか。

 さらに次のページには「話しかけやすいコの服には“優しげ”がある」という、タイトルだけで身震いするような企画が。出会いはあっても仲良くなれない人は、服を見直せばいいそうです。「男女アンケートで判明!コレが優しく見える/見えないの差だった!」によりますと、優しく見えるのは「流行感のあるカジュアルでも白ベースの柔らかい色合わせなら親しみやすく話しかけやすい」「ひらひら揺れるボトムスは男にも分かる優しげオーラが」「小動物みたいなホワホワのニットはデートに着てきてほしい服」、一方優しく見えないのは「オシャレなんだと思うけどレザーパンツはハードすぎ。海外セレブみたいで近寄りがたい」「難易度の高いオシャレをしているコは、人のオシャレにも厳しそうで話しかけるのが怖いです」とのこと。白くて、ホワホワして、ひらひら揺れる……そんなのジュディ・オングくらいしか思い浮かばない!!

 「パリ」ではなく「パリっぽい」、「今」ではなく「今っぽい」、そして「優しい」ではなく「優しげ」。こういうところに「CLASSY.」の“思想”なきファッション観はあると思うのです。あと「オシャレな人は人のオシャレにも厳しそうで話しかけるのが怖い」とのたまう32歳メーカー勤務の男性、「オシャレで傷つきたくない」というこの感じは「CLASSY.」の根底にありますよね。

■「お茶目」って褒め言葉だっけ?

 続いては「モテる女は雑談上手」です。今月号は怒涛の「モテ」づくし。リードには「ファッションやメークには程々の自信がある。『可愛い』と言われることもある。でも、なぜかモテない……と感じているあなた」「見た目だけでチヤホヤされるのは20代前半まで」「アラサーになったら雑談力を身につけて、モテ街道を進みましょう」と手厳しい言葉が並びます。

 「雑談力」と言っても、その範囲は広い。「CLASSY.」のいうところの「雑談力」は、「相手に気持ち良く話をさせる『聞き方』」と「その場を適度に盛り上げる『話し方』」の2つ。ビジネスコミュニケーションを説く男性コンサルタントと、「銀座No.1ホステスの経験と心理学の知識を合わせた」心理カウンセラー女性がレクチャーしているのですが、イヤな予感しかしない肩書……。

 「まず、女性は30代から結婚の市場価値が落ちるという認識を持つことが重要」「会話の最初に『さ(さすがですね)し(知らなかったです)す(素敵ですね)せ(センスがいいですね)そ(それはすごいですね)』を入れる」「『笑顔でうなずきながら相槌』を徹底」「相手が興味を持つことをトピックスに」「声のトーンは『ミ』か『ファ』」……、とりあえず「相手の太ももに手を置きながら」などは出てこなくて一安心。それにしても「私は結婚市場において価値の低い女」と自覚しながら相手を気持ちよくさせることに心を砕かなければいけないなんて、雑談ってとんでもない苦行ですね。

 しかしこの企画の見どころはここではなく、次ページの「雑談が苦手な読者が、合コンでテクニックを実践してみました!」ですよ。3対3の合コン実況中継に、前述の元No.1ホステスカウンセラーさんが「合格/不合格」の判定を下すというもの。担当ライターのテープ起こしがキツそうな案件です。

 雑談力を意識しながら男性陣と会話を繰り広げるアラサー読者。「カッコいい声で名前を呼んでもらえて嬉しかったです」「〇〇さんってなんだかお茶目ですよね」と、まぁ女子は持ち上げる持ち上げる。そして「低温のハスキーボイスで呼ぶと女のコはグラっとくるってクラッシィに載ってたもんな」「ギャップは大事って話も、この前クラッシィに載ってたもんね」「その冗談、二回目だから!」と、まぁ男子はスベるスベる。こんな地獄のようなやり取りを見て、気付きました。女性がここでいう「雑談力」を身につければ身につけるほど、男性は大して面白くもない話を面白くないと気づかず、この地獄は果てしなく続いていくことを。

 レクチャーされるがままに相手を褒める、生真面目な「CLASSY.」女子。ただ、月ごとに言うことが変わる「CLASSY.」に付いて行っていいのか、今一度よく見直したの方がいいかと……。
(西澤千央)

「an・an」が大泉洋に背負わせた、「大人の男はかわいくあるべき」という十字架

 今号の「an・an」(マガジンハウス)は、「大人の男」特集・第三弾! セックス特集、美乳特集に続き、こちらも定番化されつつあるようですね。ちなみに「an・an」の定義する「大人の男」とは、「’16年11月時点で、35歳以上の男性/ある程度の社会経験を積んでいる/現在も、仕事や趣味など、社会との接点がある/結婚経歴は問わず」だそうです。ふむふむ。

 目次を飾る男性陣は、阿部寛、織田裕二、高橋一生、反町隆史、松重豊などなど、錚々たる顔ぶれです。そしてどのページをめくってみても、有名な俳優やタレントに始まり、歌人や天才シェフに至るまで節操なく……いえ、幅広い分野から、読者や編集部が選定した才能あふれる「大人の男」が特集されています!! さあ、「an・an」が主張する、「大人の男」の魅力とは一体何なのでしょうか。さっそくチェックしていきましょう!

<トピックス>

◎私たちの惹かれる“大人の男”が持つ、7つの魅力。

◎知的なオーラで魅了する大人の男。

◎部門別、大人の男セレクション。

■時代は「かっこよさ」よりも「かわいさ」?

 2014年は西島秀俊さん、15年は長谷川博己さんと、正統派イケメンの俳優を表紙に据えてきた「大人の男」特集号。今年はなんと、個性派俳優の大泉洋さんが登場です。高身長でスーツをビシっとキメた大泉さんの(意外な?)イケメンショット満載の巻頭インタビューを見てみましょう。

 まずは「かっこよさ」が求められそうな「大人の男」特集の表紙に自分が登場していることに対し、照れる大泉さん。

「自分でも珍しいと思うのは、かわいくありたい気持ちがあるんですよね。私服を選ぶ時の基準もそこですし。無邪気と言っていただけるのも、僕の目指す“かわいさ”からくるんだと思います(笑)」「自分を客観視するタイプの人間なんで、(略)ジャングルでお腹壊して、カメラの前でトイレしてた奴が何やってんだ? って思って」

 と、自分の経歴やキャラを認識したうえで、「かっこよさ」よりも「かわいさ」を目指していることを茶目っ気たっぷりに語ります。「an・an」編集部も、「いつまでも無邪気で素敵」と絶賛していました。

 このあとは大泉さんの役者としてのキャリアや理想の大人の男像などについても語られますが、仕事に対する姿勢は真剣そのものでも、語り口はあくまでナチュラルで気取らないもの。このシリアスさと茶目っ気のギャップが、「an・an」読者の胸を打つんでしょうか。

 ここで最初のページに戻ると、「大人の男」に惹かれる理由について「肩の力が抜けて醸し出される色気と“かわいさ”」が挙げられていました。本誌中ほどには「渋くてかわいい男。」特集もあります。「余裕・野心・色気」がキーワードだった例年の「大人の男」ですが、今年でどうやらこの「かわいさ」が仲間入りしそうですね。

 余裕と野心を持ち、色気を醸し出しつつ、かわいさを忘れない――。注文多いよ!! 年々、「an・an」が「大人の男」に要求するレベルが上がっている気がするのは、筆者だけではないはずです。

■「“大人の男”アゲ」の裏に隠された、壮大な「“34歳以下の男”ディス」

 次に「私たちの惹かれる“大人の男”が持つ、7つの魅力」を見てみましょう。魅力的な「大人の男」が持つ特徴について、2人の識者(歌人・加藤千恵さん、マーケティング評論家・牛窪恵さん)が、ドドーンと見開きで語る記事です。長いのでかいつまんで紹介しますね。

・いざというときに決断力がある。

「若い世代の男性に比べて、単純に選択の経験が多いのもあるでしょうし、以前よりも一昔前のほうが、仕事でもなんでも選択を迫られることが多かったのでは」

・キュンキュンさせる力がある。

「今の20代~30代前半の男性は、コスパのよさを重視して仕事から直帰したり、自宅でネットばかりするなどひとりの世界にこもりがち」

・リスクを恐れない強さがある。

「傷ついたり恥をかくことを恐れる若い男性が増えています。彼らは恋愛でも“引かれたらどうしよう”と思い、リスクを避け、相手を喜ばせることに消極的」

 ――と、「大人の男」を称賛する記事とみせかけて、女性サイドのことは棚にあげつつ、識者が、34歳以下の読者と同世代の男性をこき下おろすトンデモナイ雰囲気の内容になっています! 主軸の記事がこの調子なので、「大人の男」特集号というのは、消極的で頼りなく感じられる「34歳以下の男」への批判やフラストレーションが裏テーマにあるのでは? と感じずにはいられませんでした。

 今号も相変わらず好き放題やってくれている「an・an」。そんな本誌読者に、当事者である「大人の男」が一言モノ申していたので、最後に紹介させてください。

 それは特集後半のインタビュー、「おもしろくてカッコよくて、ちょっとコワい!? 加藤浩次という生きざま。」に掲載されていました。加藤さんは「アンアン読者にこれだけは言っておきたいこと」として、以下のように発言しています。

「自分の考えてることがすべて正しいと思うなよ。軽はずみに発信するんじゃねえ! 咀嚼しろもっと! (略)丁寧にいうと、みなさんが気軽に発信することで、傷ついてる男性はいっぱいいるんです。そこはちょっと考えてください。いま、20代30代の男性はどんどん弱くなっているんです。女性がどんどん強くなっているから」

 と、雑誌まるごと1冊を使って、「34歳以下の男」そっちのけで「大人の男」を崇拝している編集部や読者に対し、「それではダメだ!」と断言する加藤さんなのでした。どちらが正しいかは置いておいて、本誌の主張と対立したり矛盾したりするようなこういった発言も気にせず掲載してしまうあたりが、「an・an」のお家芸らしくて最高だなと感じる筆者であります。しかしまぁ、男性の抱く夢見がちな女性観に「自分の考えてることがすべて正しいと思うなよ」と感じたことがある女性はきっと多いはず。核心を突くような加藤さんの説教を受け、「大人の男」特集号はどう変わるのか? 来年もぜひやっていただきたいですね! 編集部の方、よろしくお願いします!!

(小麦こねる)

12月号なのに「クリスマス」のワードほぼナシ! 超現実主義「GINGER」女子像とは?

 「GINGER」(幻冬舎)12月号を購入するために、書店の女性誌コーナーに足を運んだのですが、カバーガールの桐谷美玲の圧に思わず怯んでしまいました。というのも、美玲が普段とはまったく違うスタイルに仕上がっていたからです。月9『好きな人がいること』(フジテレビ系)や映画『ヒロイン失格』などの胸キュンラブストーリーで見せた、ちょっとドジで隙のある“愛され美玲”や、『NEWS ZERO』(日本テレビ系)での清楚で好感度の高い“女子アナ風・美玲”からは想像できないダークカラーに身を包み、ガッツリアイラインの強めメイク。今にも「舐めんなよ!」とガンを飛ばしてきそうです。

 表紙タイトルの上にある「Spark GINGER」という唐突なロゴは、「GINGER」のウェブサイトの名称だそうですが、まさに“スパーク”な仕上がりの美玲を見て、筆者は勝手に、この「舐めんなよ!」とスパークする気合こそ「GINGER」の精神なのだと理解。そんな強気な中身を早速チェックしていきましょう~。

<トピックス>
◎今月は3万円でおしゃれする!
◎クリスマス・ティーパーティーへ、ようこそ。
◎今月のGINGERさん

■「3万円」の使い方に賭けるセンスとプライド
 「アラサー女子の“リアルおしゃれ”大調査」「月刊30歳美容委員会」「今月のアラサー女子に効く!映画」などなど、全編に渡り「アラサー」を自称している「GINGER」。ただ、そこに過剰な自虐や、逆に開き直った「30歳女子(はぁと)」といった自意識は感じられません。年齢はただの数字であり、「それ以上でも以下でもない」と捉えているのでしょうか。

 それはファッションについてもいえるようで、「GINGER」には、夢見がちなストーリーとともに展開される“着回し企画”が一切ありません。「同じプロジェクトの先輩とうっかり恋仲になった」「学生時代から付き合っている彼氏に、サプライズなプロポーズをされた」などの、恋愛とファッションを絡ませる演出はゼロ! その代わり、「全身3万円コーデを楽しむ!実践アイデア集」「UNDER¥30,000で探す『着回せる旬服』1点買い」「おしゃれ業界人の『今月は3万円で何を買う?』」など、実用的で無難なファッションページが淡々と続きます。

 表紙のスパーク魂はどこにいったんや!? と思いきや、よくよくキャッチを読んでみると「“普通の人”印象に終わらないほんの少しのエッジが必要」「チラ見せインナーでセンスに差をつける」「1点投入で脱・コンサバ。こなれ感が上がる!」といった文言が並び、「GINGER」女子たちのファッションに対する微かなプライドが垣間見えました。働く女子の間では、“THE無難”なファッションブランドとして知られる「NATURAL BEAUTY BASIC」の服が一着も紹介されていないことも、「GINGER」が「無難に見えて、実は無難じゃない」女を目指していることの裏付けになるのではないでしょうか。

 そんな「GINGER」の街角スナップショットに登場する女性たちの職業は、事務OLや受付嬢といった一般職ではなく、営業、マスコミ、商社、IT、デザイナー……などがメイン。そこからも、“私は自分にしかできない仕事をして自立している”と誇りを持つ「GINGER」女子像が浮かび上がってきます。

 そんな彼女たちは、社内恋愛を狙って、ゆるふわ愛されファッションをする必要も、ハイスペ彼氏の自慢の彼女でいるために、女子アナ風コンサバファッションをする必要もないのかもしれません。だからと言って、個性を押し出すモード系やハイブランドに走るわけではなく、社会性を保ちつつ、適度に流行を取り入れるというスタンスからは、やはり「(職場でもプライベートでも)舐められたくない!」という気概を感じます。

 しかし、そのバランス感覚は、自然と身につくものではないようで、当初「3万円」という値段の縛りしかなかったはずのファッション特集には、「堅苦しすぎるのも、地味すぎるのもNG!」「得意アイテムが確定したら色違い買いをしてもOK!」「複雑なレイヤードは不要。小物で色柄をON」など細かなルールがビッシリ! まさにリアルファッションの参考書。読者には、「舐められたくない」というただ一点のために、堅実な努力を重ねている真面目女子が多いのかもしれません。スパークするのも、そんなに簡単ではないようですね……。

■恋愛に夢を見ない超現実主義
 もう1つ気になったことは、「GINGER」には男の影が一切ないこと。普通、アラサー女性誌の12月号といえば、クリスマス一色のロマンティック浮かれモードな特集ばかりで、彼に買ってもらいたいおねだりアクセサリー企画のほか、プロポーズを期待してなのか、真冬なのにウェディング特集が多いのも特徴です。そうでなくても、自分へのご褒美として、クリスマス限定のコフレセット特集やスイーツ特集などが組まれたり、とにかく誌面が「キラキラ」「女子力全開!」な作りになっているもの。

 しかし、「GINGER」姐さんときたら、クリスマスという単語が出てきたのはウェッジウッドと女優の比嘉愛未(ナゼその組み合わせ……)のタイアップ記事「クリスマス・ティーパーティーへ、ようこそ。」、ニトリと脚本家・渡辺千穂(やっぱりナゼ……)のタイアップエッセイ「親友へのメリークリスマス」のみ。しかも、どちらも女友達とのホームパーティーの話で、『東京タラレバ娘』(講談社)の登場人物のようにグダグダと酒を飲みつるんでいるわけでもなく、キラキラ女子たちのようにシャンパン片手にリムジン女子会を開くでもなく、ノンアルコールのティーパーティーって!? さらに「私に贈るメリー・クリスマス」というアオリと共に紹介される自分用のプレゼントも、ブランドバッグやルブタンのハイヒールではなく、ウェッジ・ウッドのマグカップ(全柄セット)……。 堅実な「GINGER」女子たちはクリスマスだからって浮かれたり、心を乱されたりしないようです。

 ちなみに誌面を通して登場した男性は、岩ちゃん(三代目J Soul Brothers・岩田剛典)のみ。おそらく、読者にとっては“愛でる対象”の男性なのでしょうが、それにしたって写真集の宣伝記事なわけで、潔いほど、恋愛に夢を見させない超現実主義な女性誌です。追い討ちをかけるように「今月のGINGERさん」として紹介されているのが、世界を股にかけてグローバルに働くシングルマザー……。確かに彼女の経歴や生き方は素晴らしいし、見習うべき部分もあるかもしれませんが、ちょっと極端すぎやしませんか!? 子どもや夫が登場しないことからも、独身アラサーがターゲットの雑誌であることは明白なんですが、「結婚」「恋愛」というワードはザッと見た限り見当たらず、ファッションページにかろうじて、「彼とのデート設定」のコーディネート写真が1枚だけ発見できました。ちなみに「モテ」というワードについては「モテライナーリキッド」の広告記事のみ!!

 レギュラーエッセイ陣は、山田詠美と田中みな実という色恋沙汰を語らせるのにピッタリな2人にもかかわらず、それぞれ「岩井志麻子のヒョウ柄の話」と「一人でゴキブリを倒した話」をしていて……ねぇ! もっと話すことあったよね? 一体編集部はどんな依頼しているのか気になるばかりです。それとも、それが「GINGER」の正解なんでしょうか。

 今のアラサー世代といえば、物心ついた頃から日本はずっと不景気で、世間を揺るがす事件や震災をリアルタイムで経験してきた世代です。もしかすると、超現実主義なのはそのせいもあるのかもしれませんが、もっと夢を見させてくれないと、ちっともスパークできないと思うのは私だけでしょうか。
(橘まり子)

12月号なのに「クリスマス」のワードほぼナシ! 超現実主義「GINGER」女子像とは?

 「GINGER」(幻冬舎)12月号を購入するために、書店の女性誌コーナーに足を運んだのですが、カバーガールの桐谷美玲の圧に思わず怯んでしまいました。というのも、美玲が普段とはまったく違うスタイルに仕上がっていたからです。月9『好きな人がいること』(フジテレビ系)や映画『ヒロイン失格』などの胸キュンラブストーリーで見せた、ちょっとドジで隙のある“愛され美玲”や、『NEWS ZERO』(日本テレビ系)での清楚で好感度の高い“女子アナ風・美玲”からは想像できないダークカラーに身を包み、ガッツリアイラインの強めメイク。今にも「舐めんなよ!」とガンを飛ばしてきそうです。

 表紙タイトルの上にある「Spark GINGER」という唐突なロゴは、「GINGER」のウェブサイトの名称だそうですが、まさに“スパーク”な仕上がりの美玲を見て、筆者は勝手に、この「舐めんなよ!」とスパークする気合こそ「GINGER」の精神なのだと理解。そんな強気な中身を早速チェックしていきましょう~。

<トピックス>
◎今月は3万円でおしゃれする!
◎クリスマス・ティーパーティーへ、ようこそ。
◎今月のGINGERさん

■「3万円」の使い方に賭けるセンスとプライド
 「アラサー女子の“リアルおしゃれ”大調査」「月刊30歳美容委員会」「今月のアラサー女子に効く!映画」などなど、全編に渡り「アラサー」を自称している「GINGER」。ただ、そこに過剰な自虐や、逆に開き直った「30歳女子(はぁと)」といった自意識は感じられません。年齢はただの数字であり、「それ以上でも以下でもない」と捉えているのでしょうか。

 それはファッションについてもいえるようで、「GINGER」には、夢見がちなストーリーとともに展開される“着回し企画”が一切ありません。「同じプロジェクトの先輩とうっかり恋仲になった」「学生時代から付き合っている彼氏に、サプライズなプロポーズをされた」などの、恋愛とファッションを絡ませる演出はゼロ! その代わり、「全身3万円コーデを楽しむ!実践アイデア集」「UNDER¥30,000で探す『着回せる旬服』1点買い」「おしゃれ業界人の『今月は3万円で何を買う?』」など、実用的で無難なファッションページが淡々と続きます。

 表紙のスパーク魂はどこにいったんや!? と思いきや、よくよくキャッチを読んでみると「“普通の人”印象に終わらないほんの少しのエッジが必要」「チラ見せインナーでセンスに差をつける」「1点投入で脱・コンサバ。こなれ感が上がる!」といった文言が並び、「GINGER」女子たちのファッションに対する微かなプライドが垣間見えました。働く女子の間では、“THE無難”なファッションブランドとして知られる「NATURAL BEAUTY BASIC」の服が一着も紹介されていないことも、「GINGER」が「無難に見えて、実は無難じゃない」女を目指していることの裏付けになるのではないでしょうか。

 そんな「GINGER」の街角スナップショットに登場する女性たちの職業は、事務OLや受付嬢といった一般職ではなく、営業、マスコミ、商社、IT、デザイナー……などがメイン。そこからも、“私は自分にしかできない仕事をして自立している”と誇りを持つ「GINGER」女子像が浮かび上がってきます。

 そんな彼女たちは、社内恋愛を狙って、ゆるふわ愛されファッションをする必要も、ハイスペ彼氏の自慢の彼女でいるために、女子アナ風コンサバファッションをする必要もないのかもしれません。だからと言って、個性を押し出すモード系やハイブランドに走るわけではなく、社会性を保ちつつ、適度に流行を取り入れるというスタンスからは、やはり「(職場でもプライベートでも)舐められたくない!」という気概を感じます。

 しかし、そのバランス感覚は、自然と身につくものではないようで、当初「3万円」という値段の縛りしかなかったはずのファッション特集には、「堅苦しすぎるのも、地味すぎるのもNG!」「得意アイテムが確定したら色違い買いをしてもOK!」「複雑なレイヤードは不要。小物で色柄をON」など細かなルールがビッシリ! まさにリアルファッションの参考書。読者には、「舐められたくない」というただ一点のために、堅実な努力を重ねている真面目女子が多いのかもしれません。スパークするのも、そんなに簡単ではないようですね……。

■恋愛に夢を見ない超現実主義
 もう1つ気になったことは、「GINGER」には男の影が一切ないこと。普通、アラサー女性誌の12月号といえば、クリスマス一色のロマンティック浮かれモードな特集ばかりで、彼に買ってもらいたいおねだりアクセサリー企画のほか、プロポーズを期待してなのか、真冬なのにウェディング特集が多いのも特徴です。そうでなくても、自分へのご褒美として、クリスマス限定のコフレセット特集やスイーツ特集などが組まれたり、とにかく誌面が「キラキラ」「女子力全開!」な作りになっているもの。

 しかし、「GINGER」姐さんときたら、クリスマスという単語が出てきたのはウェッジウッドと女優の比嘉愛未(ナゼその組み合わせ……)のタイアップ記事「クリスマス・ティーパーティーへ、ようこそ。」、ニトリと脚本家・渡辺千穂(やっぱりナゼ……)のタイアップエッセイ「親友へのメリークリスマス」のみ。しかも、どちらも女友達とのホームパーティーの話で、『東京タラレバ娘』(講談社)の登場人物のようにグダグダと酒を飲みつるんでいるわけでもなく、キラキラ女子たちのようにシャンパン片手にリムジン女子会を開くでもなく、ノンアルコールのティーパーティーって!? さらに「私に贈るメリー・クリスマス」というアオリと共に紹介される自分用のプレゼントも、ブランドバッグやルブタンのハイヒールではなく、ウェッジ・ウッドのマグカップ(全柄セット)……。 堅実な「GINGER」女子たちはクリスマスだからって浮かれたり、心を乱されたりしないようです。

 ちなみに誌面を通して登場した男性は、岩ちゃん(三代目J Soul Brothers・岩田剛典)のみ。おそらく、読者にとっては“愛でる対象”の男性なのでしょうが、それにしたって写真集の宣伝記事なわけで、潔いほど、恋愛に夢を見させない超現実主義な女性誌です。追い討ちをかけるように「今月のGINGERさん」として紹介されているのが、世界を股にかけてグローバルに働くシングルマザー……。確かに彼女の経歴や生き方は素晴らしいし、見習うべき部分もあるかもしれませんが、ちょっと極端すぎやしませんか!? 子どもや夫が登場しないことからも、独身アラサーがターゲットの雑誌であることは明白なんですが、「結婚」「恋愛」というワードはザッと見た限り見当たらず、ファッションページにかろうじて、「彼とのデート設定」のコーディネート写真が1枚だけ発見できました。ちなみに「モテ」というワードについては「モテライナーリキッド」の広告記事のみ!!

 レギュラーエッセイ陣は、山田詠美と田中みな実という色恋沙汰を語らせるのにピッタリな2人にもかかわらず、それぞれ「岩井志麻子のヒョウ柄の話」と「一人でゴキブリを倒した話」をしていて……ねぇ! もっと話すことあったよね? 一体編集部はどんな依頼しているのか気になるばかりです。それとも、それが「GINGER」の正解なんでしょうか。

 今のアラサー世代といえば、物心ついた頃から日本はずっと不景気で、世間を揺るがす事件や震災をリアルタイムで経験してきた世代です。もしかすると、超現実主義なのはそのせいもあるのかもしれませんが、もっと夢を見させてくれないと、ちっともスパークできないと思うのは私だけでしょうか。
(橘まり子)

「BAILA」のミューズは謎の外国人モデル!? 自分探しに奔走するアラサーの盲点

<p> うつろな表情でミリタリーブルゾンを羽織り、ワイルドかつアンニュイに決めた梨花が表紙の「BAILA」5月号(集英社)。あまりに漂うスモーキー感に、間違えて「Gina」(ぶんか社)を買ってきてしまったのかと思いました。</p>

「将来のお金が心配」アラフォー「DRESS」読者の悩みに子どもが答える! そのトホホな結末

<p> もうすぐ「DRESS」(幻冬舎)創刊2年を迎える4月号です。春になってだいぶ暖かくなり、デニムのトレンドにも乗っかって、デニム特集あり、パンプス履いて走る特集ありと、全体的に「アクティブに過ごしましょう」という号でした。さて、読者はどれだけアクティブに過ごせるでしょう?</p>