こなれを捨てた「CLASSY.」が、「男が似合うと思うものが似合うもの」と言い放つ!

  2017年一発目の「CLASSY.」(光文社)レビュー、特集は「その服、ホントに似合ってる?」です。前号で、まさかの“さよなら、こなれ”宣言をした「CLASSY.」。今月号のリードを見ると、「編集部で毎号の『好きな&嫌いなコーディネート』のアンケートを集計していると、必ず目につくのが“私には似合わなそうだから嫌いです”というコメント。たしかに、ページでどんなに素敵に見えたって、いざ買ってみて似合わなければがっかりですものね」ということで、「似合う服」について、とことん考えてみようという趣旨のようです。こなれの次の一手の前に、トレンドや思想があまり関係ない企画を出してきたのかな~。

<トピックス>
◎特集 その服、ホントに似合ってる?
◎男子が思う「似合う服」こそ一番モテる説
◎男子がグッとくる正しいギャップの作り方

■「サイズ感」とか言っちゃう男

 この特集、骨格診断による体形、肌のカラータイプ、髪形、身長……など、さまざまな視点から「似合う」を探っています。「耳・首・指でわかる『似合うジュエリー』の選び方」とか、重箱の隅を突きまくっていて確かに面白いんですけど、でも待って! 「モテる」「結婚できる」という壮大なテーマの前に、かつては「白ワンピ+ピンヒールに巻き髪」、続いてはその反動のような「こなれカジュアル」……読者は自分に似合う似合わないは二の次で「CLASSY.」の教えを妄信してきたのですよ。それを急に、「乙女座O型のあなた似合う彼氏はこちら~」みたいに出してこられても戸惑うでしょうが。急に「自分自身を見つめ直そう」とか言われても困っちゃうでしょうが。こちとら見つめ直したくないから、女性誌に逃げているというのに!

 そんなファッション迷子状態の「CLASSY.」女子たちに、さらに楔を打ち込むのが、「男子が思う『似合う服』こそ一番モテる説」。「自分では似合っているつもりの服。でも、男のコからのリアクションはイマイチ…なんてことありませんか?」。嫌な予感しかしないと思ったら、久々に「CLASSY.」が伝家の宝刀「男子の本音座談会」を召喚していました。外資系通信会社、商社、IT系、広告代理店……女子たちが生唾を飲む職業男性たちが「僕たちが思う『似合う服』ってこういうこと!」と無邪気に語り合っています。

 「せっかく美人なのに『なんでそんな服着ちゃったんだろう』って思う人結構いますね」「若い女性だったら何を着ていても『可愛いね』『似合うね』ってなりやすいけど、CLASSY.世代の大人の女性は、いつまでも自分の好きなものだけ身につけていればいいっていうわけにもいかはないはずですし」と、上げたり下げたりしながらファッション理論を展開する彼ら。「“ダメ出し”まではいかなくとも、もっとキャラ通りの服を着ている方がモテるのになって思っちゃう」と言いながら、「老け顔なのにすごく甘い服を着る人も苦手」「顔に全然合ってないんですもんね。違和感ありまくり!」など、思いっきりダメ出ししとるやないけ。

 「もう若くないんだから」という「CLASSY.」女子の泣き所を存分に刺激した後に、「似合うかどうかはショップの人が知っている」というページがあり、巧妙なデート商法に引っかかったような気分にさせられたのでした……。

(さらに…)

「nina’s」の「男の子ママVS女の子ママファッション」に滲む「子どもは最高のアクセサリー」感

 2カ月に一度のママたちの紅白オシャレ合戦、「nina’s」(祥伝社)。年末年始はオシャレママたちが血沸き肉躍る季節であることをご存じでしょうか。なぜならイベントがめじろ押しだから!! この時期のコストコ/IKEAは、血眼でカートを操るママたちの戦場と化しております。というわけで、今号の特集は「メモリアルイベントをHAPPYプロデュース!」。リードには「子どもが生まれると、記念日は増えるもの。あっという間に過ぎる毎日を大切に刻むために、メモリアルな日を私たちらしくお祝い!」とあります。まさかこんなところで“何でもないようなことが幸せだったと思う”といったTHE虎舞竜理論に出合うとは……!! あっという間に過ぎる毎日や二度とは戻れない夜には、二度と戻らないほうが幸せだったりすると思うのですが、どうでしょう??

<トピックス>
◎特集 メモリアルイベントをHAPPYプロデュース!
◎すてきなママのはじめてイベント
◎男の子ママVS女の子ママ 冬おしゃれ対決SNAP

■これはもう記念日地獄

 リードに絡んでもしょうがないので、さっそく中身を。この「メモリアルイベントをHAPPYプロデュース!」特集、PART1には「すてきなママのはじめてイベント」として、出産後はじめてのイベントをオシャレママたちはどう過ごしたのかというインタビューが掲載され、PART2の「みんなのメモリアルイベントテク拝見」は各イベントをどのように過ごし、どのように記録に収めたのか、人気読者ママたちのイベント写真を使って紹介しています。

 お誕生日、ハロウィン、クリスマス、お正月は当たり前。ハーフバースデー、1000日記念なんて謎なイベントから、お食い初め、節分、端午/桃の節句など“日本の伝統行事も大事にしてます系”まで、みなさん気合入れまくり。とにかく飾りものにこだわるのがオシャレママのお約束で、「壁の文字はウールレターで製作」「娘のイメージに合わせてガーランドも手作り」「インスタ映えするマダムモーの鯉のぼり」と、知らない横文字に支配されています。

 今日びママはここまでやんのかい……と慄くはまだ早い。PART1に出てくる女優・野波麻帆のインタビューでとどめを刺されます。「次女の誕生日は長女のお姉ちゃん1年記念日でもあるから、長女にもプレゼントとしてずっと欲しがっていたシルバニアファミリーの赤ちゃんをあげました」と、冒頭から新しい概念「お姉ちゃん1年記念日」にやられます。さらに夫も「去年のクリスマスはサンタクロースに夫自ら変身して『我が家に忍び込みプレゼントを置いていく』様子を撮影して娘たちを喜ばせていました。細身の夫のお腹にタオルをぐるぐる巻いて太らせて、娘たちには全然バレませんでしたよ」と、新劇の俳優ばりの役作り。「2人とも、初ギフトはバニラの香りのするフランスの赤ちゃん人形」「最近は雨の日にお菓子を作っていて」「1年に1度、おばあちゃんが1人でやっている商店街の写真館で家族写真を撮る」……。資本を大量に投下せずとも、工夫、センス、手間暇で豊かな生活は醸し出される。オシャレママたちにとって、その発表の場が「記念日」なのでしょう。イベントにかこつければ、いやらしさなく家事育児への日々の努力を存分にアピールできる。今更ながら「nina’s」の、その手のママたちの虚栄心のくすぐり方、エゲつないわ~。

■ぶっちゃけ、着たい服とかないのでは……

 あれは16年9月号だったでしょうか……、「nina’s」に現れた「男児持ちママと女児持ちママの着回し企画」。男児持ちワーキングママはドタバタの日々を送っていたのに対し、女児持ち専業主婦は文化度高めのゆったりとした毎日を過ごしており、妄想企画とはいえなんて作為的なのだとビックリしたものです。そちらが好評だったのでしょうか、今号にもまた男児ママと女児ママの対立ページがありました。その名も「男の子ママVS女の子ママ 冬おしゃれ対決SNAP」。「男の子ママ、女の子ママならではの、それぞれのファッションの工夫と楽しみ方、そして、個性が光る親子ファッションにズームしていきます」とはリードの弁。子どもの性別で母親のファッションが変わるなんてあまり聞いたことありませんけど、どうやらヒントは子どもとの「リンクコーデ」にあるようです。

 たとえば「男の子ママはミリタリーカラーVS女の子ママは柄リンクで楽しむ」などは読んで字のごとし。「ラブリーな花柄や暖色系のチェックなど、女の子ママは柄コーデでお目立ち」「男の子ママは、冬のトレンドミリタリーでcoolめに!」と、子どものスタイルに親が合わせていくタイプ。「スニーカー履きこなし対決」は同じスニーカーというアイテムでありながら、女の子ママは「スリッポンで抜け感」「デニム×ホワイトをベレー帽で冬らしく」と見た目重視なのに対し、男の子ママは「ガチスニーカーでいつでも走れるコーデ!」「男の子ママのアクセは小ぶりで目立つものを(引っ張られる心配のないもの)」と機能優先。その他「デザイン<色が、男の子リンクの法則」「女の子のママだからこそ、ヒールも取り入れるように」など、男の子(のママ)だから女の子(のママ)だからという基準でファッションを決めている方のなんと多いこと!

 オシャレは自由……では決してないことがよくわかった「男の子ママVS女の子ママ 冬おしゃれ対決SNAP」。“ママになっても好きな服を着たい”というオシャレさんの嘆きをよく耳にしますが、「nina’s」におけるオシャレとは、個人の願望や嗜好よりも、“周囲の人にどんな風に見られるか”“幸せなママに見られるか”に重きが置かれているんです。「nina’s」の男の子ママ、女の子ママのジェンダー観はベタですが、そこに自分をハメこむことで型通りの幸せが手に入ったような気持ちになる。子どもに寄せたファッションをする喜びはおそらくそこにあるのでしょう。子どもは最高で最強のアクセサリーになり得ることを、こんな形で「nina’s」は教えてくれます。
(西澤千央)

「婦人公論」の老後資金特集、キリギリスに優越感を抱くアリのコツコツ節約

 今号の「婦人公論」(中央公論新社)の特集は、「老後資金、この先5年でできること」です。そういえば去年の年末特大号は「女の年金スペシャル」でしたね。バタバタ金が出て行きがちなこの時期に、しっかり財布の紐を締め直そうという「婦人公論」の心配りでしょうか。

 ということで今号は、どこを開いてもカネカネカネの実用路線。「『個人型確定拠出年金』で、“節税”しながら年金を増やそう」「50代から始める『3000円投資』」「1日5分書くだけで貯金体質になる魔法の家計簿」など中年女性が飛びつきそうな甘い誘い文句が満載です。お金を守る/増やす術を紹介しながら、「貯蓄を増やそうと、手を出した株。時代の波にのまれ、総額2000万を失って」というトホホな読者体験手記でオトす。そして結局来年も「カネがない」「老後が不安」とうわ言を繰り返す、そんな「婦人公論」が大好きです!

<トピックス>

◎特集 老後資金、この先5年でできること

◎福原愛 家庭を持って、ラケットも握る。彼とならば、できそうです

◎『婦人公論』創刊100周年記念読者ノンフィクション大賞発表!

■貯蓄に秘められた女の人生

 お金特集で面白いのは、やはり読者のお財布事情。「ルポ 1300万から6000万まで 読者10人が明かす資産額と貯め方のコツ」に登場するのは、当たり前のように貯蓄1000万円超えの方ばかり。そこに軽いめまいを覚えながら読み進めますと、「貯蓄上手な読者10人のアンケートを見ると、ほぼ全員きっちりと家計簿をつけている。収支のフローを正確に把握するのは、基本中の基本」と、ズボラな人には二度目のめまいが訪れます。しかし、「給与天引きなどできまった額を貯金に回したり」「家庭菜園で食費を浮かせたり」と、成功の秘訣はおおむねコツコツ型。それで2,000~3,000万貯めるって、もはや家庭菜園というより豪農では……。

 みなさんの“私の貯蓄ライフ”には、それぞれにストーリーと哲学があり、非常に読み応えがあります。特に「人生で2度、貯蓄額が0円になりながらも、現在2600万円まで貯めた」という北海道在住57歳の女性。「結婚する前、私には400万円ぐらい貯金があったんです。それが、夫がギャンブルで作った借金の返済で一度0円に。その後2人で一所懸命働いて、900万円の土地と家を25年ローンで買い、もう一度貯蓄ゼロになったんです」。さだまさしの「アーアー」が聞こえてきそうな、女の壮絶人生from北の国。「北海道は暖房代が結構かかるんですが、うちは薪ストーブで、薪は山で拾ってきます。食費もあまりかかりません。地元金融機関の『100万円預金すると米10キロプレゼント』というキャンペーンを利用したり、親戚の農家が収穫物を持ってきてくれたり」

 そして、ここからが面白い。「夫の職場が牧場で、掃除用のボロ布が大量に必要なんです。そこで、使い古したタオルがあったらほしいと仲のいい友人に頼みました。すると、タオルだけじゃなく、着ない洋服もくれるようになって。そういう人たちはウチよりずっといい生活をしているけど、貯金がないと言います。給料日の少し前になると金欠になって、何か食材ない? と来たりして」。まさに現代版アリとキリギリス。いつもはタグつきの服をくれる人が、恥を忍んで食材をもらいにくる。こういうちょっとした優越感が、彼女をまた貯蓄の道へと駆り立てるのでしょうね。

■例外を例外としないために……

 さて、そんな貯蓄特集に登場する、ナレーター坂上みきのインタビュー「53歳で授かった息子のために、自分の老後は後回し」。坂上といえば10年以上に及ぶ不妊治療の末、2012年に53歳で出産したことが話題になりました。夫は一回り年下のニュージーランド人。超高齢出産ゆえの老後の不安も「夫はたいていのことはなんとかなると考えているので、『いざとなったら、僕がマグロ船に乗って稼ぐ』なんて、冗談めかして言うんです。趣味の域を超えた料理上手なので、彼ならマグロ船のシェフも務まるかもしれません(笑)」と明るく受け流す。このあっけらかんさは外国人特有のものなのか、個人由来のものなのか。

 先日台湾人の男性と結婚した福原愛の表紙インタビュー「家庭を持って、ラケットも握る。彼とならば、できそうです」も、夫に追従することが美徳だと育てられた「婦人公論」世代には考えさせられる内容です。たとえばプロポーズ。以前から台湾で家を探していたという夫(江宏傑選手)。たまたま福原が台湾に遊びに行った際、彼が見つけた物件に連れて行かれ「どう思う?」と聞かれたそう。「すごく素敵だと思う」と答えたら「これ、愛の」と鍵を手渡されて……。それは「この家の主人になっていただきたい」という意味のプロポーズだったのだとか。男性から女性に向けて「主人」という言葉がサラリと出てくるあたり、「婦人公論」世代には衝撃的なプロポーズではないでしょうか。そんな夫だからこそ、福原自身の結婚観も変わったといいます。

「私にとっての『なりたい自分』は、家庭を持って、さらにラケットも握っている、そんな姿です。以前は、そんなことは絶対不可能だと決めつけていました。私は器用ではないし、要領がいいほうでもないから、結婚したら、夢や目標はあきらめるしかないのだろう、と。実際、卓球界の女性の先輩たちはみなさん、結婚を機に引退なさっていました」

「でも、その考えは彼と出会ったことで変わりました。『愛のやりたいことを僕は全力で応援する、愛は何も変わらなくていい』おつきあいの中で彼が口にしたこの言葉を、折に触れて思い返し、どうしたら自分の好きな自分でいられるかを、考え続けています」

「そして、できれば、卓球界の後輩たちが、好きな人に巡り合い『結婚したいな』と思ったとき、『福原さんみたいなやり方もあるよね』と参考にしてもらえるような存在になれたらいいなあ、と思います」

 江選手の「何も変わらなくていい」は器の大きい言葉である一方で、相手に「自分の人生のビジョンは自分で描け」と通告するような厳しさもあるのでしょう。「福原さんみたいなやり方もあるよね」という“例外”を“原則”にできるほど、いまの社会は寛容なのか。それを阻止しているのは誰なのか。それを突き詰めない限り、“例外”は“例外”であり続けるような気がします。

(西澤千央)

「婦人公論」の老後資金特集、キリギリスに優越感を抱くアリのコツコツ節約

 今号の「婦人公論」(中央公論新社)の特集は、「老後資金、この先5年でできること」です。そういえば去年の年末特大号は「女の年金スペシャル」でしたね。バタバタ金が出て行きがちなこの時期に、しっかり財布の紐を締め直そうという「婦人公論」の心配りでしょうか。

 ということで今号は、どこを開いてもカネカネカネの実用路線。「『個人型確定拠出年金』で、“節税”しながら年金を増やそう」「50代から始める『3000円投資』」「1日5分書くだけで貯金体質になる魔法の家計簿」など中年女性が飛びつきそうな甘い誘い文句が満載です。お金を守る/増やす術を紹介しながら、「貯蓄を増やそうと、手を出した株。時代の波にのまれ、総額2000万を失って」というトホホな読者体験手記でオトす。そして結局来年も「カネがない」「老後が不安」とうわ言を繰り返す、そんな「婦人公論」が大好きです!

<トピックス>

◎特集 老後資金、この先5年でできること

◎福原愛 家庭を持って、ラケットも握る。彼とならば、できそうです

◎『婦人公論』創刊100周年記念読者ノンフィクション大賞発表!

■貯蓄に秘められた女の人生

 お金特集で面白いのは、やはり読者のお財布事情。「ルポ 1300万から6000万まで 読者10人が明かす資産額と貯め方のコツ」に登場するのは、当たり前のように貯蓄1000万円超えの方ばかり。そこに軽いめまいを覚えながら読み進めますと、「貯蓄上手な読者10人のアンケートを見ると、ほぼ全員きっちりと家計簿をつけている。収支のフローを正確に把握するのは、基本中の基本」と、ズボラな人には二度目のめまいが訪れます。しかし、「給与天引きなどできまった額を貯金に回したり」「家庭菜園で食費を浮かせたり」と、成功の秘訣はおおむねコツコツ型。それで2,000~3,000万貯めるって、もはや家庭菜園というより豪農では……。

 みなさんの“私の貯蓄ライフ”には、それぞれにストーリーと哲学があり、非常に読み応えがあります。特に「人生で2度、貯蓄額が0円になりながらも、現在2600万円まで貯めた」という北海道在住57歳の女性。「結婚する前、私には400万円ぐらい貯金があったんです。それが、夫がギャンブルで作った借金の返済で一度0円に。その後2人で一所懸命働いて、900万円の土地と家を25年ローンで買い、もう一度貯蓄ゼロになったんです」。さだまさしの「アーアー」が聞こえてきそうな、女の壮絶人生from北の国。「北海道は暖房代が結構かかるんですが、うちは薪ストーブで、薪は山で拾ってきます。食費もあまりかかりません。地元金融機関の『100万円預金すると米10キロプレゼント』というキャンペーンを利用したり、親戚の農家が収穫物を持ってきてくれたり」

 そして、ここからが面白い。「夫の職場が牧場で、掃除用のボロ布が大量に必要なんです。そこで、使い古したタオルがあったらほしいと仲のいい友人に頼みました。すると、タオルだけじゃなく、着ない洋服もくれるようになって。そういう人たちはウチよりずっといい生活をしているけど、貯金がないと言います。給料日の少し前になると金欠になって、何か食材ない? と来たりして」。まさに現代版アリとキリギリス。いつもはタグつきの服をくれる人が、恥を忍んで食材をもらいにくる。こういうちょっとした優越感が、彼女をまた貯蓄の道へと駆り立てるのでしょうね。

■例外を例外としないために……

 さて、そんな貯蓄特集に登場する、ナレーター坂上みきのインタビュー「53歳で授かった息子のために、自分の老後は後回し」。坂上といえば10年以上に及ぶ不妊治療の末、2012年に53歳で出産したことが話題になりました。夫は一回り年下のニュージーランド人。超高齢出産ゆえの老後の不安も「夫はたいていのことはなんとかなると考えているので、『いざとなったら、僕がマグロ船に乗って稼ぐ』なんて、冗談めかして言うんです。趣味の域を超えた料理上手なので、彼ならマグロ船のシェフも務まるかもしれません(笑)」と明るく受け流す。このあっけらかんさは外国人特有のものなのか、個人由来のものなのか。

 先日台湾人の男性と結婚した福原愛の表紙インタビュー「家庭を持って、ラケットも握る。彼とならば、できそうです」も、夫に追従することが美徳だと育てられた「婦人公論」世代には考えさせられる内容です。たとえばプロポーズ。以前から台湾で家を探していたという夫(江宏傑選手)。たまたま福原が台湾に遊びに行った際、彼が見つけた物件に連れて行かれ「どう思う?」と聞かれたそう。「すごく素敵だと思う」と答えたら「これ、愛の」と鍵を手渡されて……。それは「この家の主人になっていただきたい」という意味のプロポーズだったのだとか。男性から女性に向けて「主人」という言葉がサラリと出てくるあたり、「婦人公論」世代には衝撃的なプロポーズではないでしょうか。そんな夫だからこそ、福原自身の結婚観も変わったといいます。

「私にとっての『なりたい自分』は、家庭を持って、さらにラケットも握っている、そんな姿です。以前は、そんなことは絶対不可能だと決めつけていました。私は器用ではないし、要領がいいほうでもないから、結婚したら、夢や目標はあきらめるしかないのだろう、と。実際、卓球界の女性の先輩たちはみなさん、結婚を機に引退なさっていました」

「でも、その考えは彼と出会ったことで変わりました。『愛のやりたいことを僕は全力で応援する、愛は何も変わらなくていい』おつきあいの中で彼が口にしたこの言葉を、折に触れて思い返し、どうしたら自分の好きな自分でいられるかを、考え続けています」

「そして、できれば、卓球界の後輩たちが、好きな人に巡り合い『結婚したいな』と思ったとき、『福原さんみたいなやり方もあるよね』と参考にしてもらえるような存在になれたらいいなあ、と思います」

 江選手の「何も変わらなくていい」は器の大きい言葉である一方で、相手に「自分の人生のビジョンは自分で描け」と通告するような厳しさもあるのでしょう。「福原さんみたいなやり方もあるよね」という“例外”を“原則”にできるほど、いまの社会は寛容なのか。それを阻止しているのは誰なのか。それを突き詰めない限り、“例外”は“例外”であり続けるような気がします。

(西澤千央)

「Domani」の美容はもはや『ロボコップ』ノリ!? 「マシーン所有」の字面に見える信頼

 「Domani」(小学館)1月号。「占い」には興味が薄いと思われていた超現実主義の「Domani」にも、この時期だからでしょうか、別冊にて「2017年 女・妻・母のための『占い』BOOK」がついていましたよ。イヴルルド遙華、キャメレオン竹田、李家幽竹×青木良文、ゲッターズ飯田と、この時期、各女性誌で頻繁に見る面々の名が並んでいます。

 イヴルルドさんに関しては「2037年までの運勢カレンダー付き」でございます。20年後ですか……東京オリンピック開催が決まった際に、7年後の自分自身さえ想像できなかった私に20年後を突きつけるとは……。20年後……55歳。「女」のままなのか「妻」になってるのか、それとも「母」に……? 占いなんてあいまいなものでなく、神から直接今後の人生をズバッと教えてもらいたいものです! そして、モデルや編集部員によるお勧め占い師情報もあります。気になったのは、里海さんオススメの「沖縄『カフェサンフランシスコ』の顔相占い」。「沖縄」で「サンフランシスコ」って、辺見えみりさんの手がけるブランドコンセプト「モダンなPARISに住みながら、生まれ育ったLAの高い空と青い海を想う」に匹敵するポエミー感ですが、里海さんいわく「特に恋愛面はかなり当たっていました!今でも、一緒に行った友人と盛り上がる鉄板ネタになっています」とのこと。ネタかい!

<トピックス>
◎働く女性を応援し続けて創刊20周年!
◎「美療の森」の歩き方
◎2017年 女・妻・母のための「占い」BOOK

■不穏な人選が並ぶ「Domani」の歴史
 いつもと変わらぬ「Domani」に見えますが、実は今号、創刊20周年にあたるメモリアル号なんだそう。女性誌のアニバーサリー号というと、大体が浮かれモードだったり、専属モデル&スタッフで盛り上がってる内輪ウケ企画が多い印象ですが、さすがデキる女「Domani」。あくまで控え目に、「20th Anniversary」と表紙に打つ程度に気持ちを抑えていて、好感です。

 「Domani」は“働く女性”の雑誌として創刊されたそう。「創刊当時のテーマは“グローバルキャリア”。働く女性として、海外も視野に入れたアクティブな女性像が理想とされていました」とのこと。ちなみに、20年前の1996年は月9『ロングバケーション』(フジテレビ系)が大ヒット、プリクラやアムラーファッション、ルーズソックスがはやっていました。いわゆるコギャル全盛期ですが、そんな中「Domani」は、表紙モデルに「文化人のジュリー・ドレフェスさん」を起用し、「N.Y.で知るコートの流行」や「ノンエイジ・キャリアの安らぎの部屋」「ノンエイジ・キャリア1万人のアンケートからわかった 私たちが本当に欲しいスタイルは『シック・シンプル』」など、今読んでも遜色なさそうな現実的な企画を連発していたんですね。残念ながら、筆者はグローバルとは程遠い、半径数キロの世界で生きてるので、ノンエイジ・キャリアもジュリー・ドレフェスさんも理解できないので、薄目でページを捲りましたが……。

 「Domaniにも人にも歴史あり。20年、あんな人もこんな人も出演!」には、藤原紀香さんが登場してるんですが、「豪華な披露宴も話題となった藤原さんは、連載を担当」と、思わぬ黒歴史まで振り返られてしまってましたよ。ほかにも、米倉涼子さんにアンジェリーナ・ジョリーさん、福山雅治さんが同じページに納まってて、不吉感が漏れ出ています。ある意味、「Domani」の嗅覚にハズレなし、の証明にもなってますが……。今後の人選に期待してます!

 最後に、20年間の人気コーナーをピックアップしたものを見てみましょう。「デニム」や「温泉旅」という鉄板ネタと並んで「美容医療」がランクイン。美容医療については特に思い入れが強いようで、「Domaniでは世間の流れより早く、創刊当初から」大注目していたと口調もアツい! 20年前はプラセンタやピーリングが主流だったけど、現在はいろいろな技術がある……などと語り、なぜ紀香さんが「Domani」で連載を続けられたのか合点。「紀香バディ!」を支えてるのは、最先端の美療と水素水ですもんね! 

■マシーンか手術かボトックスから選びなさい
 「Domani」の美療への関心の高さが窺い知れる、連載「『美療の森』の歩き方」。日本の美療はうちが牽引してきたと「Domani」が自負してるほどですので、今月もチェックしてみましょう。今テーマは、みんな興味津々「リフトアップ」です。来年36歳を迎えるという「しらゆきちゃん」は、困り顔で「目力の低下をストップさせたい」と言っております。わかる、わかるわ。こりゃ、よく読み込まないと!

 指南役である「鏡」は早くもハッキリ断言。「第一の選択肢は手術。(中略)これは、激的な目力アップ効果が期待できるぞ! 10年は持続するしな。最大の難点は人相が激変することかな」と、第一の選択肢から手術きたー! しらゆきちゃんは、見かけは姫でもどうやら「働く女」のよう。顔の激変は仕事への影響が大きいことをわかってるので、「ダメ、ダメ。それじゃ、会社に行けないじゃないっ!」。そんなしらゆきちゃんの声を華麗に無視して「鏡」は続けます。「しかし、年齢を重ねて症状が進んだ場合、手術でなければ改善できないこともあるぞ。まぁ、40代以降の話だがな」。え……、終着駅は結局そこ!? そのうえ「40代以降の話」って、一寸先じゃん!

 「もっと、気楽な方法を提案してよ。」という、しらゆきちゃんの言葉に、「第二の選択肢は、ボトックス(中略)眉が妙に上がってしまうなど、仕上がりにはバラつきもあるようじゃ。効果はおよそ3カ月」と、先月号の「ふくらはぎ痩せ」でも紹介されたボトックスが再登場。先月号はボトックスに乗り気だったしらゆきちゃんも、顔に施術するのは怖いのか、「いや、怖い!もっと気軽にトライできるのは?」と、三番目の教えを請います。

 「第三の選択肢はマシーン。マシーンといってもイロイロだが。今流行っているのは、痛みも赤みもヒリヒリ感もなく、効果は即日!(中略)ただし、ライトなだけに、実感は短くピークは3~4日」とのこと。やっと、今回の結論が出てきました! 紹介されているのは、「世の中に出回るほぼすべてのマシーンを所有する石川浩一先生」率いる「クロスクリニック銀座」でございます。って、いやいや、「世の中に出回るほぼすべてのマシーンを所有」って。字面からするとマッドサイエンティストか整備工場、はたまた『ロボコップ』かって雰囲気ですけど! ま、女体を調整すると考えれば、整備工場と意味的には同じってことなのか!? しかし、こちらの施術代金は初回3万円。目をやったら頬もおでこも……ってキリがないこと間違いなし。そして気がついた頃には、紀香さんや叶姉妹的なファビュラスなメカニックバディに……。うーん、グローバルな女になるってそういうことだったの!?
(白熊春)

あれほど妄信していたのに、「主婦っぽい」「コンビニ服」と「CLASSY.」がこなれを卒業

 ようやく長い戦いに終止符を打つのでしょうか。今月号の「CLASSY.」(光文社)、特集は「そろそろオシャレの気合いを入れ直さなきゃ!」。あれほど“コンサバを捨てよ、こなれに走れ!”と流布してきた「CLASSY.」がついに、ついにカジュアルからの卒業を宣言しました。リードでは「“こなれ感があってカッコいい”と思って着ていたコーディネートも、冷静になってみると近所のコンビニに行く服に見えてきたり」と、数年妄信してきたにもかかわらず、急に冷静になってしまったよう。そんなこと言ったら「近所のコンビニに行く服」のために慣れないコンバースをはき、正解がわからないままスエットをはき、ぐりんぐりんに巻きたい気持ちをグッとこらえて髪の毛をボッサボサに仕上げた素直な読者たちが往生しまっせ……!!

<トピックス>

◎特集 そろそろオシャレの気合いを入れ直さなきゃ!

◎“主婦っぽい”と言われないカジュアルの正解

◎小泉里子、35歳の決意

■誰も幸せにしなかった、こなれ

 ファッションの揺り戻しは、女性誌の醍醐味でもあります。特集の導入ページには、匿名の「スタイリストA/B」「CLASSY.読者C/D」「ビジネスマンE/F」がコソコソヒソヒソと、こなれカジュアルが終わったファッションであることを証言していますが、それがまぁひどい言われよう。ビジネスマンたちが「昨日の合コンさぁ、パーカにニットキャップ被って来たコがいたんだよね」「カジュアルって子供っぽく見えるし華やかさが足りないよね」と批判すれば、プロであるスタイリストたちは「そもそも、こなれカジュアルって読者には難しかったかもしれない」「ハズし方とか絶妙なさじ加減って、読者にはわかりにくかったかも」と、ウソでしょ……的発言、主役の読者までも「カジュアルって楽だけど、やっぱり地味だし野暮ったく見えちゃう」「カジュアルアイテムをハンサムに着こなせる人がオシャレだと思っていたけど、実際にやってみると、すごく難しかったかも」と本音をぶちまけます。恐ろしいくらい誰も幸せにしていなかった、こなれ。まさに“昨日のカジュアルは今日の敵”。

 なぜこうも急に「CLASSY.」が方向転換を始めたのか。もちろん流行とはそういうものでしょうが、こんなページにそのヒントが。それが「“主婦っぽい”と言われないカジュアルの正解」。読者緊急座談会では4人の主婦がカジュアルな服に付きまとう「主婦見え」の悩みを告白。いやだって主婦ちゃいますのん……というツッコミはさておき、気になったのはその中の1人が話していた「ちょっと前の流行を着ていたり、楽ちんさ優先の服を着ていると主婦感が出ちゃう」。

 そうです。こなれカジュアルがその特性「動きやすい」「楽」「アイテムが比較的リーズナブル」から主婦層に広く行き渡り、その結果「こなれカジュアル=生活感」というイメージが強く出るようになってしまったのです。はやりすぎてダサくなってしまう、それは90年代後半~00年代初頭、母親が「DKNY」と書いてあるTシャツを着ているのを見た時、誰しもが痛感したのではないでしょうか。とにかく、こなれブームの終焉に、結婚したくてたまらない「CLASSY.」読者のコンプレックスである「主婦っぽさ」が起因していたとは、ファッションとはなんて皮肉で趣深いものなのでしょう。

■表紙モデルを変えないことで生まれた「加齢への希望」

 以前本レビューで「オーバーCLASSY.」問題を書きました。年齢的には「VERY」(光文社)読者だけど、セレブママがターゲットの「VERY」には移行できず、「CLASSY.」に留まる読者たち。かわいいが命題のコンサバではストレートに勝負できない、だからこそ彼女たちには「こなれ」という変化球が有効だったのだと思います。しかしそれが「主婦じゃないのに主婦っぽく見える」という、最悪のシナリオを呼んでしまったよう。

 さて、続いてご紹介したいのは、意外にも「クラッシィを始めて7年目にして初のロングインタビュー」という表紙モデル・小泉里子の独白「小泉里子、35歳の決意」です。まさか表紙モデル卒業宣言……? と思いきや「女性にとってのターニングポイントである“35歳”を迎えた彼女にも、大きな迷いや葛藤があったとか」とのことで、どうやらそちらの動きではない様子。

「ほんと、実際になってみて『35歳ってこんなふうに迷うんだ』って自分でも驚いたくらい(笑)。だから今回のインタビューは、私の考えを伝えると同時に、機会があれば同世代である読者のみんなが、今どんなふうに感じ、どんなふうに過ごしているのか聞いてみたい、という思いもあったの」

 この発言からまず2つの驚きました。小泉里子ももう35歳ということ。さらに「CLASSY.」の想定読者が、小泉里子と同年代になっていたということです。既婚者である小泉は読者の憧れの先輩だと思っていたからです。「CLASSY.」は、当時の想定読者年齢そのもののの20代後半だった小泉とともに年を取ってきた。だから自ずと志向するファッションも企画内容も上へと引っ張り上げられていたのですね。

 インタビューではつらつらと「35歳里子の生まれいづる悩み」がつづられています。「35歳にもなると、本当に人それぞれ、全く違う人生のパターンが出てくるのを目の当たりにもする。将来に向けて決断すべきことが増える半面、何かを始めるにしてもまだ遅くはないという中途半端な年齢。選択肢が増える分、仕事においても、女性としても、迷いや欲が出てくるのかも」。

 そこで里子は「理想の40代」になるために一つの決断をします。それが「1年間N.Y.で生活する」。「私にとっては、この“35歳の決断”がまさにベストなタイミング。早すぎもしないし、遅すぎもしない(中略)この時期に、何を選択して、どう過ごすか、というのはこれからの人生にとってすごく大切な影響が出るはず」。悩みも漠然なら解決法も漠然としていますが、この漠然とした不安や迷いこそ、35歳女性のリアルなのかなとも思いました。「とにかくN.Y.に行けばなにかが変わる」と信じられる、最後のタイミングかもしれません。

 先月号で「婚活市場で30代に価値はない」と結婚アドバイザーに言わせて読者を震え上がらせたと思えば、今月号ではカバーモデルの「35歳は何も遅くない」という言葉で勇気づける。このバランスこそ「CLASSY.」の命なんですよ。アクやクセの類いを前世に置いてきたとしか思えない小泉を、このネタの宝庫のような女性誌の表紙に長く据え続ける意味を痛感した1月号でした。

(西澤千央)

「クリスマスセックス」のハウツーに衝撃!! 「LARME」男性編集長就任で何が変わった!?

 ――筆者は思いました。今月の「LARME」(徳間書店)は、なんだか全体的にパンチが足りない……。そして巻末にあるスタッフ一覧を見て衝撃を受けたのです。

 編集長、代わっとるがな。男性になっとるがな!

 カリスマ(元)編集長・中郡暖菜氏を先頭に「男ウケ度外視」の旗を掲げ、ほぼ男性目線不在のままガーリー街道を突き進んできた「LARME」。女の子が持つ繊細さ、憂鬱や毒などをエッセンスにした、甘くてかわいい独特の世界観は、一部の女子から熱狂的な共感と支持を得てきました。そんな元編集長という「帝」を擁立して巨大ガーリー帝国を築き上げ、迷走しつつも4年間鎖国していたようなあの「LARME」にですよ! 男性の編集長が就任しているんです! まさに黒船来航ともいえる事態であり、ファン界隈の方々は意外に思われたでしょう。筆者もそのうちの1人です。

 思い返せば前号の「筆者は、その様子に、少し笑ってしまいつつも、最終的には元編集長の手腕とセンスに脱帽していたのですが、やはり今号は、そう思わせてくれるページが少ないせいか、何だか物足りない気がしますね。

 ただし、「LARME」的ガーリーの領域に男性が入るのは、恐らく大変であることと勝手にお察ししております。新編集長の人物像も編集部の事情も存じないまま申し上げるのは無責任かもしれませんが、新体制の「LARME」も応援しておりますので。では、さっそく中身を見てまいりましょう!

<トピックス>
◎Ready to vintage baby
◎Tokyo City Girls in Fur
◎CAT BOOM SCHOOP!

■「LARME」に登場できた唯一の男性でさえも……
 もう1人、お節介ながら「大変そうだな」と思った男性がいました。ロックバンドSuGのボーカリスト・武瑠さんです。今号では「もなかの人間関係」で、レギュラーモデル・西もなかさんの友人として紹介されています。「LARME」誌上初の男性ゲストとして界隈をざわつかせた彼も、2回目の登場ですね。

 普段の彼は、「女の子の中に男が1人でも全然平気なタイプ」だそう。しかし前回の撮影でモデル7人の恋人役を務めたときの様子に触れ、「女子校に紛れ込んだ気分」「『LARME』っていうチームができあがっている中に溶け込むのは難しかった(笑)」などともらしていました。西さんも、「待合室で見たときすごく気まずそうに見えた(笑)」と証言。

 やっぱり、「LARME」的ガーリーの世界に紛れ込むのは、多くの男性にとってなかなか難しいことなのかもしれません。こうなると、巻末で淡々とコラムの長期連載を続ける漫画家・渋谷直角さんが、いかに異彩を放っているのがわかりますね!

■本屋で立ち読みできない「ファッション絵本」
 さてお次は、「甘いホーリーナイトを過ごすための指南書」を見てみましょう。要するに、「クリスマスセックスに関するハウツー記事」ってことですね! こちらの内容、一言でいうとエロいです。全体的にピンクっぽくて薄暗い照明の下で、きわどいランジェリーを身に纏ったモデルたちが、セクシーなポージングしている様子が5ページにわたって続きます。

 「女の子のファッション絵本」を謳う「LARME」ですよ。柵につかまって後背位を想起させるようなポーズで、ブラの背中リボンをアピールした女の子が誌面に登場するとは思っていませんでした。「バックスタイルも抜かりなく、かわいいものをセレクト。特別なムードを演出して」だそうですよ。これはもう、ガーリーじゃなくて完全にアダルトなレディです! 7月号で「グラビアガール直伝! えっちなカラダの作り方。」という記事が掲載されたとき以上の衝撃ですが、あちらはまだ、ガーリーの残滓のようなものがあったような……。こうした企画も、男性編集長が就任したがゆえの変化なのでしょうか。

■ガーリー語彙力の高い逸材が揃う「LARME」編集部
 最後に、「Sweet Girly Pink」という特集を見てみましょう。こちら「ベビーピンク」「ホットピンク」「シュガーピンク」「ピーチピンク」など、ビミョーな違いのある6色のピンクをテーマに誌面を組んでいます。

 この微細な変化に着目する「ガーリー五段活用」みたいな手法に既視感があったのですが……そう、元編集長がよくやっていました。ボブ特集で「ボブ、黒ボブ、ウォブ、ロブ、ボブディ」と素人目にはわからない分類を展開しており、思わず「間違い探しか!」とツッコんでしまったことを思い出します。

 記事の内容の良し悪しについては言及しませんが、着想自体は元編集長っぽいなと勝手に思いました。思わず元編集長に想いを馳せてしまいますね。今まで本当にお疲れさまでした。そして、ありがとうございました……。

 さて新体制になった「LARME」ですが、次号以降どのような雑誌に変化していくんでしょうかね。わくわくしながら、見守っていきたいと思います! 
(小麦こねる)

「LINEのやり取りですら面倒」アラサーの恋愛描写がシビアすぎる「GINGER」ジュエリー特集

 今月の「GINGER」(幻冬舎)の表紙は、なんとなく全体的にボンヤリとした印象。アンニュイな表情をしたレギュラーモデル・宮田聡子が、ふわふわニットに身を包み、小指をくわえ、視点の定まらない目線でカメラの向こう側を見つめています。前号では、「モテ」や「愛され」に依存しない超現実主義だったアラサーの「GINGER」姉さんも、冬場だからやっぱり彼氏に甘えたいのかな? と思いきや、彼女の写真の上には、デカデカと「限られた予算を活かして、おしゃれに生きる! お値段以上の服とインテリア」という身も蓋もない欲望をさらけだしたキャッチが……。過不足なく情報が伝わってきて、大変わかりやすいですが、もっとオブラートに包んでもいいと思うよ? 一番目立つ場所に太字で書かれた「石井ゆかり開運手帳 120名プレゼント」にも商魂のたくましさを感じつつ、さっそく中身をチェックしていきましょう~。

<トピックス>
◎お値段以上の服とインテリア
◎12月だから欲しい服、したい着こなし
◎お気に入りのジュエリーと奏でる4つのWINTER STORY

■ときめきを全否定!?
 まずは身も蓋もないメイン特集「お値段以上の服とインテリア」ですが、前号同様、「◯◯なのにお値段以上! おしゃれサプライズ36」「あのブランドのお値段以上な実力アイテム」「セレブのおしゃれテク、プチプラで完コピ!」「『あなたの私服HOW MUCH?』SNAP!」「大人の『モト取れ』傑作図鑑」……と期待を裏切らない「コスパ」重視のファッションページが淡々と続きます。それにしても、女性誌で「モトを取る」っていう言葉、あんまり聞かないですよね。

 しかし、前号のレビューでも指摘したとおり、コスパ優先とはいえ「無難に見えて無難ではない」という絶妙ラインを保つプライドを持っている「GINGER」女子のこと。「私たちは単に安いモノばかり求めているワケじゃない。満足度に見合った価格であれば、納得がいくというもの。大事なのは『それなら買い!』と思える理由があるかどうか」だそうです。恐らく、「GINGER」女子にとって、“ときめきによる衝動買い”はタブーなのでしょう。

 続くインテリアのページでも、「グッドプライスなインテリアガイド」「ニトリ&無印良品の知っ得情報大公開!」と堅実すぎる「GINGER」。別に夢見るくらいタダなんだから、カッシーナのソファとか載せてもいいのでは? せっかく「おしゃれ業界人の自宅を訪問!」しても、「まとめて見せてひとつの世界観に」「必要なものだけをディスプレイして効率よく生活する」「白8割・黒2割のモノトーン収納ですっきりと」「ボックスの中はタテ収納が基本」「プチプラ家具も色を揃えて空間に統一感を」などなど、夢を見るより先に、勉強熱心になってしまう真面目な「GINGER」女子。その生き方、息詰まっちゃうよ!?

 【番外編】の「感動&号泣間違いなし!お値段以上のハピネス体験」に、「GINGER」読者の夢見る力を見いだそうと淡い希望を託したのですが、「東京ドーム貸し切りで草野球をする」「無人島をまるごと借りて、大規模鬼ごっこ大会」「宇宙旅行」など、金さえ積めば実現できるかな……という夢ばかり!! ご丁寧にもしっかり予約サイトまで紹介されているという、どこまでも現実主義な「GINGER」です。

■追い詰められた「GINGER」女子が行き着くスピリチュアル
 ファッション特集「12月だから欲しい服、したい着こなし」においても、その超現実主義は徹底しています。「女子会にデートに忘年会にと、年末につれて増えていくイベントに今なら何を買ってどう着こなすべき?予定と場所にふさわしい華やかなおしゃれセンス」とうたい、「白のレースブラウスはカラーパンツでほどよくモードに」「こっくり色スカートは個性派ニットでキャッチーに」など、細かいルールびっしり! 何かの試験でも受けるつもり? おしゃれするって、こんなに細かな気配りが必要なんですね! 

 しかし、紹介されているコーディネートは、思わず目を引くようなスタイルではないことから、「GINGER」女子は別に、ズバ抜けてファッションセンスのある人になりたいわけではなさそう。周りと、“ちょっとだけ”差をつけたい……そのために努力とこだわりを発揮しているように感じるのです。そしてそこには、「他人から愛されたい」「よく見られたい」という欲望も、あまり見えません。

 「GINGER」女子たちは、社会性を重んじる真面目なタイプなのではないでしょうか。誌面に登場する読者たちは、責任ある仕事を持って自立しているタイプが多いし、また、雑誌全体を通して、恋愛にまつわる企画が限りなく少ないことからも、男に依存するタイプではないように感じます。決して主体性なく流されているわけでもないし、ゆるふわな甘い夢を見て思考停止しているわけでもない。ちゃんと自分の力で、現実を真面目に生きている。そんな彼女たちのオシャレを楽しむ方法が、“周囲とちょっとの差をつける”なのかもしれません。

 そんな「GINGER」女子像が如実に表れていたのが、働くアラサー女性の物語仕立てになっている、レギュラーモデルの香里奈とカルバン・クラインのタイアップ記事「お気に入りのジュエリーと奏でる4つのWINTER STORY」。

 主人公女子のセリフを一部抜粋すると……「(彼氏と)会うのは3週間ぶり。お互い仕事が忙しくて、ここだけの話LINEのやり取りですら面倒に感じることもある」「予定のない休日に思うこと。携帯電話の電源をオフにして、今日は絶対のんびりするって決めた。でも……頭の中を空っぽにして何も考えないでいるのって、案外難しい。月曜に持ち越してしまった仕事、大丈夫かなぁ?彼とはこれからどうなるんだろう?(以下続くモヤモヤ。中略。)ゆっくりしたかったのに、ふだんよりもなんだかいろいろ考えてしまう」……なんてリアルすぎるストーリーなのでしょうか!? 女性誌の着回しストーリーって、もっと夢があるから! 「IT社長に突然見初められてプロポーズ!? 学生時代から6年付き合っている彼氏もいるのに……どうしよう(はぁと)」とか、そういう頭がお花畑のトンデモストーリーで全然いいから! と叫びそうになりました。服だって、インテリアだって、「自分には何が見合っているか」や「コスパは高いか」に固執せず、自分の心がときめくものを選べばいいのにと、思わずはいられません。

 そんな「GINGER」女子の窮屈そうな生き方を思うと、表紙の宮田のうつろな目は、「男に甘えていた」のではなく「死んでいた」のかもしれません。そして本誌には特集ページが組まれていないにもかかわらずガッツリ宣伝されていた「石井ゆかり開運手帳」、謎のスピリチュアル企画「アストロビューティー活用術」、旅行企画「大島優子、京都で食べて、祈って、恋をして」……これら全ては、真面目がゆえにTPOをわきまえすぎて疲れ果てた「GINGER」女子たちを癒やすためにあった企画なんですね。

 そんな彼女たちに朗報なのか、「GINGER エージェンシー」なる、夢あふれるオーディションが開催される模様。モデル、カメラマン、記者など「人生を変えるような新しいことに挑戦したい!」女性を大募集しているそうです。今後の展開が期待されます!
(橘まり子)

「AneCan」10年の歴史がついに終焉! 最終号に響いた古舘伊知郎の「成功パターンをやめろ」

 「AneCan」(小学館)12月号は、「AneCan FINAL」。最終号のカバーを飾るのはもちろんこの方、押切もえさんです。歴代のカバーをバックに、「10年間ありがとう(ハート) Aneladies , be ambitious!」の言葉と共に、輝く笑顔を振りまいています。2007年4月の創刊号カバーも押切さんが飾っており、唯一、姉モデルズで“始まりから終わりまで”を見届けてきたわけですね。結婚して一足先に卒業していった蛯原友里さんや高垣麗子さんより、頼れるのは、ギャル精神の根付いた情の厚い押切さんです。“男よりダチと仲間は一生モン!”的な、ギャル精神を感じ取りましたよ!  今月号は、ファッション雑誌というよりも、「ありがとう・さようなら」を、いろいろな角度からこれでもかと詰め込んだものになっています。もちろん、この時期お決まりの「クリスマスコフレ」「コート」といった特集も、キチンとページを割かれではおりますが、こんなものはどう見てもオマケ! チラシと一緒! さぁ、一緒に10年間をプレイバックしましょう。

<トピックス>
◎もえの間に道はない、もえの後に道はできる。
◎愛と激動のザ・プレイバック AneCan
◎AneCan10年の歴史からわかった 私たちが幸せになれる服

■アネサーを呪わないで……
 FINAL号ということで、以前連載をしていた湯山玲子さんを始め、「美肌の先輩10名」や古舘伊知郎さんなどなど、人生の先輩方から「AneCan」、アネサーへメッセージが寄せられています。  

 まず、湯山さんから見てみましょう。っと、その前に、連載時にも言ったのですが、「AneCan」と湯山さんって、こう、水が違いますよね? 湯山さんは、めっちゃファンキーでカッコいい女性ですが、アネサーが目指す50代像ではないだろうし、髪形からしてまず違うし……! そして、湯山さんのアラサー時代と、今のアネサーは大きく違うはず。「時代」という意味ではないですよ。そんな湯山さんは、こう語ります。今までの人生で30代が一番ハードだったと断言し、「30代はいいことなんかひとつもない。自分と社会との戦いの中で、『いい(カッコいい)傷』をいっぱい受けて、それを直してきた人は、必ず40代以降に大きな花を咲かせます!ホントだよ!」。30代半ばの筆者、今のところ人生ハードモードでもなく傷も負ってないのですが……戦慄。戦いで傷つくことを宣告されたような、なんとも呪いのようなメッセージをちょうだいしました。

 そして古舘さん。テレビ番組が始まったので、宣伝で登場でしょうか。これまたアネサーから遠い人間を連れてきましたね。しかし、これがなかなか強烈なメッセージを送っているんですよ。「AneCan」が終わっても、その精神はどこかで受け継がれていくとし、「成長したいなら得意技を捨てろ、と。AneCanも“ピンコッタ(ピンク系テラコッタ)”みたいな言葉遊びで興味を引くとか、流行を作るような成功パターンをいったんやめないと、新しいものが生まれてこない。この草を引き抜けば、次の芽が生えてくるんじゃないでしょうか」。正直、「いまさら言われても……」感はぬぐえませんが、「CanCam」の成功体験からスタートした「AneCan」が、こうして迷走に終わったことの原因をズバリ指摘しているようです。

■“ちゅん顔”……あったなあ(遠い目)  
 「AneCan」レビューの最後は、愛する押切さんの話題にしましょう! まずは連載「押切美道」をチェック。最終回のタイトルは、「もえの前に道はない。もえの後に道はできる。」。まさかの高村光太郎の「道程」トリビュートを投げてきました。押切さんは結婚されたことですし、絵や小説という芸術方面にも進出していますし、自分と高村光太郎が重なったとのかもしれません。

 「高村芸道」、いやいや最終回の「押切美道」の中身は、「特に印象深かった企画や撮影」の振り返りと、エッセイの二本立て。2015年2月号の撮影を振り返りながら、押切さんは「脱・欲張り過ぎな自分!肩の力を抜いて、ゆるめる」とコメントしています。そして今号でも、263万6,000円のヴァレンティノのドレスを着ながら語ります。「今まで全速力で生きてきたぶん、最近は、少しスピードを緩めることも大切だと感じています」。デジャブか! 肩の力を抜けない女、それこそ我らが押切さんですね。永遠に「欲張らない、頑張らない、力を抜く」とお題目を唱え続けてほしいです。

 「愛と激動の10年間 ザ・プレイバックAneCan」では、全てのカバーが網羅されており、創刊号の押切さんが、マッキーで目の縁を塗りつぶしたかのような真っ黒なアイメイクをしていることにギョっとしました。10年で、押切さんの顔面の“圧”はだいぶ緩和されたように思いますよ。メイクのせいか、今の方が優しい雰囲気が漂い素敵です。そして、押切さんお得意の“ちゅん顔”。すっかり忘れていましたが、アヒル口がはやった当時、「AneCan」が創作したオリジナル表情です。目を見開き、口をスズメのように「ちゅん」とする表情……説明しながら悪寒がしてきました! 古館さんが言うところである、「言葉遊びや流行を作る」ってパターンですが、実際には、まったく流行にならず、押切さんが火傷を負っただけでしたね……。

 では、最後は、連載「Check!AniMen」の最終回ゲスト、嵐・松本潤さんのおなじみの言葉で、押切さんにお別れの言葉を……「もえちゃん、幸せになる準備はできてるか~?」。……はい、余計なお世話ですね! だって、きっと今は最高に幸せなはず!
(白熊春)

「AneCan」10年の歴史がついに終焉! 最終号に響いた古舘伊知郎の「成功パターンをやめろ」

 「AneCan」(小学館)12月号は、「AneCan FINAL」。最終号のカバーを飾るのはもちろんこの方、押切もえさんです。歴代のカバーをバックに、「10年間ありがとう(ハート) Aneladies , be ambitious!」の言葉と共に、輝く笑顔を振りまいています。2007年4月の創刊号カバーも押切さんが飾っており、唯一、姉モデルズで“始まりから終わりまで”を見届けてきたわけですね。結婚して一足先に卒業していった蛯原友里さんや高垣麗子さんより、頼れるのは、ギャル精神の根付いた情の厚い押切さんです。“男よりダチと仲間は一生モン!”的な、ギャル精神を感じ取りましたよ!  今月号は、ファッション雑誌というよりも、「ありがとう・さようなら」を、いろいろな角度からこれでもかと詰め込んだものになっています。もちろん、この時期お決まりの「クリスマスコフレ」「コート」といった特集も、キチンとページを割かれではおりますが、こんなものはどう見てもオマケ! チラシと一緒! さぁ、一緒に10年間をプレイバックしましょう。

<トピックス>
◎もえの間に道はない、もえの後に道はできる。
◎愛と激動のザ・プレイバック AneCan
◎AneCan10年の歴史からわかった 私たちが幸せになれる服

■アネサーを呪わないで……
 FINAL号ということで、以前連載をしていた湯山玲子さんを始め、「美肌の先輩10名」や古舘伊知郎さんなどなど、人生の先輩方から「AneCan」、アネサーへメッセージが寄せられています。  

 まず、湯山さんから見てみましょう。っと、その前に、連載時にも言ったのですが、「AneCan」と湯山さんって、こう、水が違いますよね? 湯山さんは、めっちゃファンキーでカッコいい女性ですが、アネサーが目指す50代像ではないだろうし、髪形からしてまず違うし……! そして、湯山さんのアラサー時代と、今のアネサーは大きく違うはず。「時代」という意味ではないですよ。そんな湯山さんは、こう語ります。今までの人生で30代が一番ハードだったと断言し、「30代はいいことなんかひとつもない。自分と社会との戦いの中で、『いい(カッコいい)傷』をいっぱい受けて、それを直してきた人は、必ず40代以降に大きな花を咲かせます!ホントだよ!」。30代半ばの筆者、今のところ人生ハードモードでもなく傷も負ってないのですが……戦慄。戦いで傷つくことを宣告されたような、なんとも呪いのようなメッセージをちょうだいしました。

 そして古舘さん。テレビ番組が始まったので、宣伝で登場でしょうか。これまたアネサーから遠い人間を連れてきましたね。しかし、これがなかなか強烈なメッセージを送っているんですよ。「AneCan」が終わっても、その精神はどこかで受け継がれていくとし、「成長したいなら得意技を捨てろ、と。AneCanも“ピンコッタ(ピンク系テラコッタ)”みたいな言葉遊びで興味を引くとか、流行を作るような成功パターンをいったんやめないと、新しいものが生まれてこない。この草を引き抜けば、次の芽が生えてくるんじゃないでしょうか」。正直、「いまさら言われても……」感はぬぐえませんが、「CanCam」の成功体験からスタートした「AneCan」が、こうして迷走に終わったことの原因をズバリ指摘しているようです。

■“ちゅん顔”……あったなあ(遠い目)  
 「AneCan」レビューの最後は、愛する押切さんの話題にしましょう! まずは連載「押切美道」をチェック。最終回のタイトルは、「もえの前に道はない。もえの後に道はできる。」。まさかの高村光太郎の「道程」トリビュートを投げてきました。押切さんは結婚されたことですし、絵や小説という芸術方面にも進出していますし、自分と高村光太郎が重なったとのかもしれません。

 「高村芸道」、いやいや最終回の「押切美道」の中身は、「特に印象深かった企画や撮影」の振り返りと、エッセイの二本立て。2015年2月号の撮影を振り返りながら、押切さんは「脱・欲張り過ぎな自分!肩の力を抜いて、ゆるめる」とコメントしています。そして今号でも、263万6,000円のヴァレンティノのドレスを着ながら語ります。「今まで全速力で生きてきたぶん、最近は、少しスピードを緩めることも大切だと感じています」。デジャブか! 肩の力を抜けない女、それこそ我らが押切さんですね。永遠に「欲張らない、頑張らない、力を抜く」とお題目を唱え続けてほしいです。

 「愛と激動の10年間 ザ・プレイバックAneCan」では、全てのカバーが網羅されており、創刊号の押切さんが、マッキーで目の縁を塗りつぶしたかのような真っ黒なアイメイクをしていることにギョっとしました。10年で、押切さんの顔面の“圧”はだいぶ緩和されたように思いますよ。メイクのせいか、今の方が優しい雰囲気が漂い素敵です。そして、押切さんお得意の“ちゅん顔”。すっかり忘れていましたが、アヒル口がはやった当時、「AneCan」が創作したオリジナル表情です。目を見開き、口をスズメのように「ちゅん」とする表情……説明しながら悪寒がしてきました! 古館さんが言うところである、「言葉遊びや流行を作る」ってパターンですが、実際には、まったく流行にならず、押切さんが火傷を負っただけでしたね……。

 では、最後は、連載「Check!AniMen」の最終回ゲスト、嵐・松本潤さんのおなじみの言葉で、押切さんにお別れの言葉を……「もえちゃん、幸せになる準備はできてるか~?」。……はい、余計なお世話ですね! だって、きっと今は最高に幸せなはず!
(白熊春)