今月号の「CLASSY.」(光文社)、特集は「2017年は『可愛い大人』を目指そう」です。コンサバとワンピを捨て、こなれに走り、こなれに飽きて、また「可愛い」の路線に戻るというのか。リードには「誰もが振り返るような、『高嶺の花』的存在を目指してきた20代。そして、30代になった今、私たちが理想とする女性像ってどんな人でしょう」とあります。30代は「話しかけやすい親近感」や「ちょっとした遊び心」、「ふとしたときの色っぽさ」などを併せ持つ「可愛い大人」を目指そうということらしいです。これ、ある意味「高嶺の花」より厳しいのではないでしょうか。あと「親近感」「遊び心」「色っぽさ」で真っ先に思い浮かんだのが平野ノラなんですけどよろしいでしょうか。シモシモ~。
<トピックス>
◎特集 2017年は「可愛い大人」を目指そう
◎片想いワンピと両想いワンピ
◎何とかしなきゃ! 30代の恋愛ベタ症候群
■ワンピ次第でどうにでもなる世の中
昨今ますます混迷を深めている「可愛い」の定義。可愛い服といえば、花柄、レース、リボンなどを想像しがちですが、30代でそれはNGなよう。「30代がハマる“可愛い”の落とし穴」はそんな甘めアイテムの“OKライン”を探ろうという企画。
例えばリボンは「バッグやハットなど小物でさりげなく取り入れるのがオススメ」、レースは「寒色系」にする、男性座談会で目の敵にされるビジューは「襟付きビジューは幼い印象になりがちなので、シンプルなトップスにビジューネックレスを合わせて」、フリルは「体型カバーできる」ぺプラムトップスが正解なのだそうです。そして花柄。「シックな色味の小花柄を選んで」「落ち感のあるしなやかなロング丈」が大人OKライン。ここまでくるとあえて聞きたい、そこまでして花柄、フリル、リボンを身につけたいか? いくつになっても全身「ピンクハウス」でキメ続ける、森尾由美と大助花子の花子師匠の潔さだけが際立つってもんです。
30代でも可愛いアイテムを身につけたい、だけど「痛い女」だと思われたくない。しかし色味やデザインに細心の注意を払っても、結局「CLASSY.」が大好きなのは「片想いワンピと両想いワンピ」というワンピース企画。「ワンピースは言わずと知れた鉄板のモテ服。でも実は、恋愛の段階によって男のコが着てほしいワンピースは違っているんです!」ということで、「片想い、両想い、結婚を意識させたい時……etc.その時々の正解ワンピを賢くセレクト」しようではないかという企画。初デートの頃は「まろやかカラーで“優しげワンピ”」、そろそろ告白されそうになったら「レースの透け感で“ちょいセクシーワンピ”」、付き合って半年ぐらいなら「気持ち安らぐ“親近感”ワンピ」、付き合って1年頃には「家族に紹介したくなる“信頼感ワンピ”」。優しげから信頼感へ、壮大でドラマティックなワンピの旅。そして、やはりここでも「今シーズン注目の花柄ワンピですが、男のコからすると、オシャレなレトロ感を古臭く感じてしまうそう」と、森尾由美・花子師匠へのけん制が。もういっそのこと花柄を禁止にしてくれ!
■「最後は孤独死」は既婚者も同じ
今月号を読み進め、可愛い大人&両想いワンピで身も心もズタボロになってたどり着いたのは、「何とかしなきゃ! 30代の恋愛ベタ症候群」というページ。キャッチコピーには「ときめかない、素直になれない、続かないの三重苦から抜け出すヒント」とあります。恋をしていて当たり前、なんなら本命以外にもしっかり目を向けていたのが20代、しかし30代になると結婚に焦りを感じているためか恋愛がうまくいかない、そもそも男にときめかなくなるのだとか。単に恋愛のことばかり考えてもいられなくなるから……ではなくて?
これを「CLASSY.」は大胆にも「脳のメカニズム」から紐解きます。そして出ました、「CLASSY.」名物、謎の専門家。今回は「感性アナリスト」なる先生が、「30代は本能で恋愛をすることができない年代なんです」と豪語。こちらの先生によりますと「私たちの脳はパートナーとなれる相手の遺伝子を無意識のうちに厳選しています。つまり、ある男性に惹かれたということは、脳がその男性の遺伝子と相性がいいと判断したということ」「しかし残念なことに、その厳選する力は25歳がピーク」「取捨選択の精度を落とした脳が選んだ相手ですから、“運命の彼”だと確信が持てなくなるのは当然」。ツラい……「精度を落とした脳が選んだ相手」という言葉の力が強すぎて前に進めない……。
次ページでは「30代の恋愛下手、放っておくとどうなる?」と題して、「ときめけない」「素直になれない」「続かない」という3大お悩みに対し、感性アナリスト先生と婚活コンサルタント先生が大説教。この婚活コンサルタント先生がまぁ辛辣で、「ときめけない=恋愛の末期症状。心が死んで人生自体がお先真っ暗」「ずるずると年を重ね男性が手を出したくない孤高のお局状態に」「誰かと一緒にいることすら面倒に。最後は孤独死かも」と容赦ない砲火を浴びせます。ちなみにこちらの婚活コンサルタント先生、読者からの個別相談には割と温和に対応していて、さすが婚活ビジネスでのし上がっていく女は、舌の枚数が違うなとあらためて思った次第です。
「CLASSY.」の恋愛ページに絶望感はつきものとわかっていながら、アラサー女性の真剣な悩みに対し検証しようのない「脳」を引っ張り出されると、精度落ちまくりの40代脳もついつい攻撃反応を示してしまいますよ。仕方ないですよね、脳がやってるんだから。20代で直観的に選んだ相手と親の反対を押し切って結婚、しかし夫は働かずに借金、DV、挙句浮気……みたいな話を「婦人公論」(中央公論新社)の読者手記で読みすぎているからでしょうか。「恋愛ベタ」と自覚があるくらいの方が、社会を冷静に見られているような気がするんですけど。
(西澤千央)