検証しようがない「脳」を切り口に、30代女を絶望に落とす「CLASSY.」の恋愛企画

 今月号の「CLASSY.」(光文社)、特集は「2017年は『可愛い大人』を目指そう」です。コンサバとワンピを捨て、こなれに走り、こなれに飽きて、また「可愛い」の路線に戻るというのか。リードには「誰もが振り返るような、『高嶺の花』的存在を目指してきた20代。そして、30代になった今、私たちが理想とする女性像ってどんな人でしょう」とあります。30代は「話しかけやすい親近感」や「ちょっとした遊び心」、「ふとしたときの色っぽさ」などを併せ持つ「可愛い大人」を目指そうということらしいです。これ、ある意味「高嶺の花」より厳しいのではないでしょうか。あと「親近感」「遊び心」「色っぽさ」で真っ先に思い浮かんだのが平野ノラなんですけどよろしいでしょうか。シモシモ~。

<トピックス>
◎特集 2017年は「可愛い大人」を目指そう
◎片想いワンピと両想いワンピ
◎何とかしなきゃ! 30代の恋愛ベタ症候群

■ワンピ次第でどうにでもなる世の中

 昨今ますます混迷を深めている「可愛い」の定義。可愛い服といえば、花柄、レース、リボンなどを想像しがちですが、30代でそれはNGなよう。「30代がハマる“可愛い”の落とし穴」はそんな甘めアイテムの“OKライン”を探ろうという企画。

 例えばリボンは「バッグやハットなど小物でさりげなく取り入れるのがオススメ」、レースは「寒色系」にする、男性座談会で目の敵にされるビジューは「襟付きビジューは幼い印象になりがちなので、シンプルなトップスにビジューネックレスを合わせて」、フリルは「体型カバーできる」ぺプラムトップスが正解なのだそうです。そして花柄。「シックな色味の小花柄を選んで」「落ち感のあるしなやかなロング丈」が大人OKライン。ここまでくるとあえて聞きたい、そこまでして花柄、フリル、リボンを身につけたいか? いくつになっても全身「ピンクハウス」でキメ続ける、森尾由美と大助花子の花子師匠の潔さだけが際立つってもんです。

 30代でも可愛いアイテムを身につけたい、だけど「痛い女」だと思われたくない。しかし色味やデザインに細心の注意を払っても、結局「CLASSY.」が大好きなのは「片想いワンピと両想いワンピ」というワンピース企画。「ワンピースは言わずと知れた鉄板のモテ服。でも実は、恋愛の段階によって男のコが着てほしいワンピースは違っているんです!」ということで、「片想い、両想い、結婚を意識させたい時……etc.その時々の正解ワンピを賢くセレクト」しようではないかという企画。初デートの頃は「まろやかカラーで“優しげワンピ”」、そろそろ告白されそうになったら「レースの透け感で“ちょいセクシーワンピ”」、付き合って半年ぐらいなら「気持ち安らぐ“親近感”ワンピ」、付き合って1年頃には「家族に紹介したくなる“信頼感ワンピ”」。優しげから信頼感へ、壮大でドラマティックなワンピの旅。そして、やはりここでも「今シーズン注目の花柄ワンピですが、男のコからすると、オシャレなレトロ感を古臭く感じてしまうそう」と、森尾由美・花子師匠へのけん制が。もういっそのこと花柄を禁止にしてくれ!

■「最後は孤独死」は既婚者も同じ

 今月号を読み進め、可愛い大人&両想いワンピで身も心もズタボロになってたどり着いたのは、「何とかしなきゃ! 30代の恋愛ベタ症候群」というページ。キャッチコピーには「ときめかない、素直になれない、続かないの三重苦から抜け出すヒント」とあります。恋をしていて当たり前、なんなら本命以外にもしっかり目を向けていたのが20代、しかし30代になると結婚に焦りを感じているためか恋愛がうまくいかない、そもそも男にときめかなくなるのだとか。単に恋愛のことばかり考えてもいられなくなるから……ではなくて?

 これを「CLASSY.」は大胆にも「脳のメカニズム」から紐解きます。そして出ました、「CLASSY.」名物、謎の専門家。今回は「感性アナリスト」なる先生が、「30代は本能で恋愛をすることができない年代なんです」と豪語。こちらの先生によりますと「私たちの脳はパートナーとなれる相手の遺伝子を無意識のうちに厳選しています。つまり、ある男性に惹かれたということは、脳がその男性の遺伝子と相性がいいと判断したということ」「しかし残念なことに、その厳選する力は25歳がピーク」「取捨選択の精度を落とした脳が選んだ相手ですから、“運命の彼”だと確信が持てなくなるのは当然」。ツラい……「精度を落とした脳が選んだ相手」という言葉の力が強すぎて前に進めない……。

 次ページでは「30代の恋愛下手、放っておくとどうなる?」と題して、「ときめけない」「素直になれない」「続かない」という3大お悩みに対し、感性アナリスト先生と婚活コンサルタント先生が大説教。この婚活コンサルタント先生がまぁ辛辣で、「ときめけない=恋愛の末期症状。心が死んで人生自体がお先真っ暗」「ずるずると年を重ね男性が手を出したくない孤高のお局状態に」「誰かと一緒にいることすら面倒に。最後は孤独死かも」と容赦ない砲火を浴びせます。ちなみにこちらの婚活コンサルタント先生、読者からの個別相談には割と温和に対応していて、さすが婚活ビジネスでのし上がっていく女は、舌の枚数が違うなとあらためて思った次第です。

 「CLASSY.」の恋愛ページに絶望感はつきものとわかっていながら、アラサー女性の真剣な悩みに対し検証しようのない「脳」を引っ張り出されると、精度落ちまくりの40代脳もついつい攻撃反応を示してしまいますよ。仕方ないですよね、脳がやってるんだから。20代で直観的に選んだ相手と親の反対を押し切って結婚、しかし夫は働かずに借金、DV、挙句浮気……みたいな話を「婦人公論」(中央公論新社)の読者手記で読みすぎているからでしょうか。「恋愛ベタ」と自覚があるくらいの方が、社会を冷静に見られているような気がするんですけど。

(西澤千央)

検証しようがない「脳」を切り口に、30代女を絶望に落とす「CLASSY.」の恋愛企画

 今月号の「CLASSY.」(光文社)、特集は「2017年は『可愛い大人』を目指そう」です。コンサバとワンピを捨て、こなれに走り、こなれに飽きて、また「可愛い」の路線に戻るというのか。リードには「誰もが振り返るような、『高嶺の花』的存在を目指してきた20代。そして、30代になった今、私たちが理想とする女性像ってどんな人でしょう」とあります。30代は「話しかけやすい親近感」や「ちょっとした遊び心」、「ふとしたときの色っぽさ」などを併せ持つ「可愛い大人」を目指そうということらしいです。これ、ある意味「高嶺の花」より厳しいのではないでしょうか。あと「親近感」「遊び心」「色っぽさ」で真っ先に思い浮かんだのが平野ノラなんですけどよろしいでしょうか。シモシモ~。

<トピックス>
◎特集 2017年は「可愛い大人」を目指そう
◎片想いワンピと両想いワンピ
◎何とかしなきゃ! 30代の恋愛ベタ症候群

■ワンピ次第でどうにでもなる世の中

 昨今ますます混迷を深めている「可愛い」の定義。可愛い服といえば、花柄、レース、リボンなどを想像しがちですが、30代でそれはNGなよう。「30代がハマる“可愛い”の落とし穴」はそんな甘めアイテムの“OKライン”を探ろうという企画。

 例えばリボンは「バッグやハットなど小物でさりげなく取り入れるのがオススメ」、レースは「寒色系」にする、男性座談会で目の敵にされるビジューは「襟付きビジューは幼い印象になりがちなので、シンプルなトップスにビジューネックレスを合わせて」、フリルは「体型カバーできる」ぺプラムトップスが正解なのだそうです。そして花柄。「シックな色味の小花柄を選んで」「落ち感のあるしなやかなロング丈」が大人OKライン。ここまでくるとあえて聞きたい、そこまでして花柄、フリル、リボンを身につけたいか? いくつになっても全身「ピンクハウス」でキメ続ける、森尾由美と大助花子の花子師匠の潔さだけが際立つってもんです。

 30代でも可愛いアイテムを身につけたい、だけど「痛い女」だと思われたくない。しかし色味やデザインに細心の注意を払っても、結局「CLASSY.」が大好きなのは「片想いワンピと両想いワンピ」というワンピース企画。「ワンピースは言わずと知れた鉄板のモテ服。でも実は、恋愛の段階によって男のコが着てほしいワンピースは違っているんです!」ということで、「片想い、両想い、結婚を意識させたい時……etc.その時々の正解ワンピを賢くセレクト」しようではないかという企画。初デートの頃は「まろやかカラーで“優しげワンピ”」、そろそろ告白されそうになったら「レースの透け感で“ちょいセクシーワンピ”」、付き合って半年ぐらいなら「気持ち安らぐ“親近感”ワンピ」、付き合って1年頃には「家族に紹介したくなる“信頼感ワンピ”」。優しげから信頼感へ、壮大でドラマティックなワンピの旅。そして、やはりここでも「今シーズン注目の花柄ワンピですが、男のコからすると、オシャレなレトロ感を古臭く感じてしまうそう」と、森尾由美・花子師匠へのけん制が。もういっそのこと花柄を禁止にしてくれ!

■「最後は孤独死」は既婚者も同じ

 今月号を読み進め、可愛い大人&両想いワンピで身も心もズタボロになってたどり着いたのは、「何とかしなきゃ! 30代の恋愛ベタ症候群」というページ。キャッチコピーには「ときめかない、素直になれない、続かないの三重苦から抜け出すヒント」とあります。恋をしていて当たり前、なんなら本命以外にもしっかり目を向けていたのが20代、しかし30代になると結婚に焦りを感じているためか恋愛がうまくいかない、そもそも男にときめかなくなるのだとか。単に恋愛のことばかり考えてもいられなくなるから……ではなくて?

 これを「CLASSY.」は大胆にも「脳のメカニズム」から紐解きます。そして出ました、「CLASSY.」名物、謎の専門家。今回は「感性アナリスト」なる先生が、「30代は本能で恋愛をすることができない年代なんです」と豪語。こちらの先生によりますと「私たちの脳はパートナーとなれる相手の遺伝子を無意識のうちに厳選しています。つまり、ある男性に惹かれたということは、脳がその男性の遺伝子と相性がいいと判断したということ」「しかし残念なことに、その厳選する力は25歳がピーク」「取捨選択の精度を落とした脳が選んだ相手ですから、“運命の彼”だと確信が持てなくなるのは当然」。ツラい……「精度を落とした脳が選んだ相手」という言葉の力が強すぎて前に進めない……。

 次ページでは「30代の恋愛下手、放っておくとどうなる?」と題して、「ときめけない」「素直になれない」「続かない」という3大お悩みに対し、感性アナリスト先生と婚活コンサルタント先生が大説教。この婚活コンサルタント先生がまぁ辛辣で、「ときめけない=恋愛の末期症状。心が死んで人生自体がお先真っ暗」「ずるずると年を重ね男性が手を出したくない孤高のお局状態に」「誰かと一緒にいることすら面倒に。最後は孤独死かも」と容赦ない砲火を浴びせます。ちなみにこちらの婚活コンサルタント先生、読者からの個別相談には割と温和に対応していて、さすが婚活ビジネスでのし上がっていく女は、舌の枚数が違うなとあらためて思った次第です。

 「CLASSY.」の恋愛ページに絶望感はつきものとわかっていながら、アラサー女性の真剣な悩みに対し検証しようのない「脳」を引っ張り出されると、精度落ちまくりの40代脳もついつい攻撃反応を示してしまいますよ。仕方ないですよね、脳がやってるんだから。20代で直観的に選んだ相手と親の反対を押し切って結婚、しかし夫は働かずに借金、DV、挙句浮気……みたいな話を「婦人公論」(中央公論新社)の読者手記で読みすぎているからでしょうか。「恋愛ベタ」と自覚があるくらいの方が、社会を冷静に見られているような気がするんですけど。

(西澤千央)

「婦人公論」の熟年婚活必勝法が、「CLASSY.」のトンデモ婚活と同じだった絶望感よ……

 「婦人公論」(中央公論新社)、今号の特集は「前向きに生きる感情コントロール」です。表紙は「婦人公論」三福神の1人、美輪明宏(※ちなみにあと二人は瀬戸内寂聴、氷川きよし)。美輪センセイといえば“日本人の精神的劣化を嘆く”芸でおなじみですが、今回もまた嘆きまくっています。「日本人の精神性は完全な栄養失調の状態にあります」「最近の言葉づかいの貧しさと言ったらひどいものです。『あの映画見た? すげぇ、カッケー』ではなく『あの映画ごらんになって? おもしろいことよ。ご覧なさいまし』」などなど。「ご覧なさいまし」と同じくらい「すげぇ、カッケー」と言ってる人もあまり見たことない……。精神を豊かにすること、そして誰もが自分と同じように悩みを抱えていると想像することを説く美輪センセイ。しかしその方法が「『あの人は幸せで羨ましい。それに比べて私は』とひがみたくなったら、通りすがりの人に聞いてみましょう」と、ダイレクトマーケティング。そんな街角問答が許されるの、乱一世くらいじゃないですか!!

<トピックス>

◎特集 前向きに生きる感情コントロール

◎「微表情」がわかればコミュニケーションの達人になれる

◎「熟年結婚」してみたら

■空気を読んでほしい人というのは、そもそもその能力を持ってない

 さて、今号の特集は「前向きに生きる感情コントロール」ですが、最近は「老人性うつ」なんて言葉もよく聞きます。リードにも「いつも楽しく穏やかに過ごしたいと思っていても、ときには怒ったり落ち込んだり悩んだりしてしまうもの。しかも、年齢とともに気持ちの切り替えはしづらくなるとか」とあります。加齢により難しくなる感情のコントロール法を美輪センセイの説法を筆頭に、精神科医のアドバイス、野際陽子×浅野ゆう子の大女優対談などを通して探っていこうという企画のようです。

 その中で紹介したいのは「『微表情』がわかればコミュニケーションの達人になれる」というページ。この聞き慣れない「微表情」とは、「誰の目にも明らかな感情を表す表情とは別に、押し殺した感情が、無意識のうちに微細な顔の動きに現れることがある」。その間「約0.2秒」で、ここに「人の本心が隠れている」とのこと。そしてこれを読み解けば夫婦関係・仕事関係・ご近所付き合いもうまくいくそう。それならば今すぐにでも微表情を習得したいところですが、「非言語の習得は、語学と同様、時間がかかります」……。とはいえ、あきらめないで! 「自分で表情が作れるようになると、読み取り率が高くなる」ということで、同ページには微表情を作る1人レッスン指南もあります。面白いのは実際にこのレッスンを受けたライター氏がわが身を振り返るコラム。「だから、私は男に騙されたのね!」です。

 「空気が読めないがため、私は不用意なことを口走り、『なぜわざわざ波風を立てることを言うの!』と怒られることがしばしば」というこの女性。悲しい生い立ちの追憶が始まり、「大人になってからは、何度も男のウソに騙された。20代後半に離婚した男は、学歴と職歴がウソだった。私と暮らし始めたら、勤めていた会社をすぐに辞めてパチンコ三昧」。そしてこう反省するのです。「結婚していた頃の私には、心の余裕がなかった。相手が“軽蔑”の微表情を浮かべたとき、優越感を満たすようにして、発散させてあげるという発想が、あの時の私にあれば……」。ええええ!!! ウソつきギャンブル男の優越感満たしてどうするの!!!

 これを読んで気づいたのです、空気を読むべき人間は、相手のわずかな表情からその機微を感じ取ろうなど思いもしない、ということを。このページを真剣に読むような真面目な人は、約0.2秒に余計な思いを馳せ、さらに考え込んでしまうことでしょう。空気読み合い合戦は、イチ抜けした人が勝ち……ということでしょうか。

■ラスボス・八千草薫の存在感

 続いては「『熟年結婚』してみたら」。この企画の冒頭のインタビューが「恋に生きる女」の代名詞、女優の荻野目慶子というところから心躍ります。

 「20代、30代に恋愛スキャンダルで好奇の目に晒されたことなどから」トラウマを抱え、男性不信に苦しんでいたという荻野目が結婚したのは48歳のとき。相手は医師。荻野目いわく、今まで付き合ってきた芸術家肌の男たちとは異なるタイプだったよう。お互い大事な人を失ったという共通の経験があり、すぐに惹かれあったものの、「若くはない年齢で出会った私たちは、互いに苦労を重ねてきたため、一緒に暮らし始めてからも結婚相手としてやっていけるか、探り合い、確かめ合っていた気がします」とごく慎重。「夫婦であっても他人です。結婚したら孤独でなくなるというのは幻想」という言葉は、熟年結婚ならではなのかもしれません。

 いやしかし、本当に知りたいのは恋愛経験が芸の肥やしになる女優の熟年結婚論ではなく、実際現場で戦っている女たちの叫び。「写真はプロに、そして個性は消すべし!? オトナ婚活の必勝法は」は熟年婚活真っただ中にいる女の座談会。56歳、59歳、48歳、全員離婚経験あり。

 「気づけば50代半ば、このままトシを取るのも寂しい」「ひとり暮らしも悪くないなあと思うけれど、ふと『こんなときに誰かがいたら』」と、婚活を始めたのは経済的理由よりも「ひとりの寂しさ」が大きいと語っています。女性たちの主戦場は、結婚相談所、マッチングサイト、お見合いパーティーなど。「女性が並ぶなか、男性の視線が私をまたぐのがわかるのよ(笑)。その相手の視線の先にあるのは、明るいピンクのスーツを着た八千草薫っぽい雰囲気の女性」「わかる~。男はホント、八千草薫系が好きですよね」。石原さとみ、新垣結衣、深津絵里、永作博美、檀れいらの後ろに控える、ラスボス八千草。我々は永遠にふんわり美人の呪縛から逃れられないのです。

 そして経験者はこう語ります。「個性を消すこと」「ニコニコしてうなずく。あと、『えっ、ほんと?』『その話、聞かせてくださ~い』を多用する」「こちらから賢いことを言ってはダメ。『人間性を尊重』とか漢字が並ぶ言葉も控える」「メールには、『キャッ』という言葉を入れると、男性は食いつきはいいです(笑)」。マジですか。「キャッ」が「キヤツ」になってる未来しか想像できません……。

  男が放つ微表情を読み取ったり、男が喜ぶよう「キヤツ」……じゃなかった「キャッ」としちゃう女を演じたり。既視感があると思いきや、「まず、女性は30代から結婚の市場価値が落ちるという認識を持つことが重要」「会話の最初に『さ(さすがですね)し(知らなかったです)す(素敵ですね)せ(センスがいいですね)そ(それはすごいですね)」を入れる』」「『笑顔でうなずきながら相槌』を徹底」「声のトーンは『ミ』か『ファ』」と婚活術をアドバイスしていた「CLASSY.」(光文社)と一緒じゃないですか! 結婚って結局、何歳になっても女が同じような自縄自縛を味わわなければ達成されないものなのでしょうか……。

(西澤千央)

難攻不落のガーリーワールド崩壊間近!? 大衆に迎合し始めた「LARME」の危機

 「黒船来航」と筆者が勝手に称した前号のおさらいをします。カリスマ編集長・中郡暖菜さんが引退し、ほぼ男性目線不在のガーリー雑誌であった「LARME」(徳間書店)編集部に、男性の編集長が就任。「甘いホーリーナイトを過ごすための指南書」という、きわどいランジェリー姿のモデルたちが、5ページにわたってポージングをするというハレンチな特集を組む荒業に出たのでした。さて、今号の「LARME」は一体どうなっているのでしょうか!? 怖いもの見たさ半分で、さっそくチェックしていきたいと思います。

<トピック>
◎Make a sweets pretty chocolate girl
◎Cosme Award 2017
◎きものと少女の絵本

■貞操観念を取り戻した「LARME」

 残念。ひとことで言いますと、男ウケ要素のある特集はまったくなく、全体的に健全な誌面でした。期待していたバレンタイン企画も、不発に終わっております。カカオ濃度のパーセンテージ別・チョコレートカラーのコーディネートや、チョコレート風のメイク、おすすめチョコレート菓子特集など甘~い特集しかありません。恋愛要素を感じさせる箇所を、強いて挙げるならば、チョコ特集での「味も見た目もパーフェクトな本命チョコをご紹介♪」というコメントくらいでしょうか。不自然なほどの貞操っぷりです。前号がよっぽど不評だったのでしょうか?

 誌面全体を見てもう1つ感じたことは、今号から、10代後半~20代という本誌の対象年齢を少しだけ低くし、“高校生”に明確なアプローチし始めているように見えるのです。例えば「Street Baby」という公園ロケでの特集があり、「こういう子、原宿とか渋谷で見たことある!」という既視感のあるコーデばかり。これまでの「LARME」が得意としていたちょっとアンニュイで大人っぽいガーリーなコーデではなく、高校生のトレンド服にガーリー要素を足した、といった感じです。淡いグレーのハイネックにピンクのMA-1を羽織り、ワイドパンツをはき、ソックスにファーサンダルを合わせ、キャップをかぶった高校生。街で見かけたこと、一度はありませんか? 

 この特集に限らず、カジュアル、ストリート路線のガーリーなコーデが増えた印象です。また登場ブランドも渋谷109や原宿ラフォーレに入っているものがかなり多く、頭のてっぺんからつま先まで揃えてもそこまで高額ではなさそう。ごく普通の高校生でも、全身真似ができそうです。さらに、「LARME的ベストコスメランキング」というコスメ特集を見ても、誌面でよく紹介されていたYSLやポール&ジョーなどのデパコスより、キャンメイク、セザンヌといったプチプラコスメがランキング上位に多く挙がっています。

■大衆化しつつある「LARME」

 「LARME」の思わぬ変化の理由を考えていたところ、納得させられる特集に出会いました。毎年恒例、「LARME女子の中で本当に流行っているものランキング2016」です。こちらは、「LARME」モデルと読者の総勢1176名にさまざまなアンケートをとり、それをランキング化した内容になっています。

 好きなファッションのテイストは、1位が「甘めガーリー」2位が「甘めカジュアル」。ひと月のファッションにかけるお金は、40%が「1~2万円」。よく買い物するスポットは、1位が「ラフォーレ原宿」2位が「渋谷109」などなど。好きなファッションブランドも、決して高くない、高校生に人気のブランドが並びます。

 そう、今号の「LARME」は、このアンケート結果を反映させているかのような内容に見えるのです。つまり、「LARME」が対象年齢を低くした、もしくは読者自体が低年齢化した、というよりも、「LARME」が大衆読者に迎合する雑誌作りをした結果、低年齢化したように見えたのではないかと、筆者は感じました。

 かつては「LARME」が主体となって、これまで誰も気づかなかった新しい世界観や考えを提示し、一部の読者から強い共感を呼んでいたように思います。大衆読者に迎合するのは手っ取り早く手堅い手法であるとは思いますが、それが「LARME」女子の心をガッチリつかむかは別の話。それに、読者の興味関心なんて常に移ろい変わるものなので、こういったアンケートなどは、長期的に見ればあまりアテにならないのではないでしょうか。「LARME」流ガーリーが暴走するところを見たい読者は大勢いるはずですよ!

■転職サイトの体験記を思わせるモデルインタビュー

 最後に、「LARME」の人気モデル5人が振袖姿で新年の挨拶をする「きものと少女の絵本」を見てみましょう。菅野結以さんは、自身のブランド「クレイミー」について振り返り、「『大手資本と提携するべきか?』とか、ブランド展開の方向性ですごく悩んだ1年だったけど……(略)その結果のSSコレクションでは、過去最高の売上を更新できて、自分の中ですごく自信になった」などと、可愛い振袖とは対照的に、熱い大人のサクセスストーリーを語ってくれています。なんだか転職サイトの体験記にありそう。

 そう、「LARME」の象徴的人物ともいえる人気っぷりで、古くから本誌を支えてきた菅野さんですが、もう29歳。そして事情はわかりませんが、今号はがくんと露出が減っているように見えます。

 低年齢化もしくは大衆化ともいえる変化を見せつつある「LARME」と、彼女なりの信念を持ち、中郡元編集長とタッグを組んで活躍してきた菅野さん。筆者からすると、両者は別の方向へ少しずつ離れていっているように思えます。昔からウォッチしてきた筆者にとっては寂しい気もしますが、本誌は、より根本的な変化を問われている時期なのかもしれません。次号以降も、「LARME」はどのように変化していくのでしょうか。
(小麦こねる)

裸が見たい、と素直に言えない「Domani」だけど……仕事特集で“胸板男子”を強引に脱がせる!

 「Domani」(小学館)2月号、「大人のデートと、男の本音。」でユースケ・サンタマリアさんがグラビアに登場です。なんでも12月号にて終了したユースケさんの連載「その男、主役につき」が、人気コラムだったそうな。今月号では、里海さんとのバーでの対談方式をとっており、添えられた一文は、「寒さのピークを迎えるこの季節、素敵な大人の男性とのデートなら、寒さも忘れるほどの情熱を感じる――のはずだったけど、Domaniファミリーのこの男性とのデートは、きっと自然にほころぶ、どこか力の抜けた時間になりそう。」とのこと。さぁさ、自然にほころぶ会話を見させていただきますか~。

里海「デートで食事に行くなら、どんなお店がいいですか?」
ユースケ「相手の好きなものを聞いて決めるけれど、一応、この仕事だから(笑)、個室のある行きつけの店がいいかな。」

里海「恋愛は慎重派ですね?」
ユースケ「慎重になりすぎて、もはやタイミングがわからなくなり、草食系の安心パパみたいになっていますよ。でも全然違うから!45歳はジェントルな大人だと思っていたのに、中身は27歳のころとほとんど変わらないんだもん。」

里海「映画や美術館デートはします?」
ユースケ「映画はよく観てるから、『キミにも観てほしい!』という作品があれば」

 いや〜、だいぶこじらせている45歳にしか見えないのは筆者だけ? 27歳の頃とほとんど変わらないって何のアピール!? もしかして、年下男子好きなDomani女子への警告なのかしら? ちょっぴり上から目線で余裕をふかしつつ、若い時のままだと堂々と主張。“ヤンチャな俺”“少年のままの俺”を出してくる45歳の自意識、かまっていられませんよ~。

<トピックス>
◎いつも心に「名言」を。
◎老けと不幸は「口元」に出る!?今すぐ始める口元美容
◎大人のデートと、男の本音。withユースケ・サンタマリア

■「働く母」は30%のみだった!
 今月号には、「全国のDomaniサポーター300人に大アンケート!Domani世代のリアル白書」があります。「既婚・独身」割合や「年齢」、「年収」「憧れのファッションアイコン」「この顔に生まれたかった憧れの顔は」などを1ページでサラッと紹介。300人にアンケートした割には小さな扱いですね……。

 「年齢」は37.5歳とのことで、「Domani」想定の年代とドンピシャ。「職場では中間管理職になるなど立ち位置が変わったり、起業するなどして働き方を変える人もいれば、結婚や出産について悩んでいる人も多い」とのこと。まぁ、そんなコメントなくても、そりゃそうだって感じですね。同誌は、「働くきれいな母」を推奨してるはずなのに、「母」に関する言及がないのが気になるところですが。

 それもそのはず、読者の現実は既婚53%、未婚47%のうえ、「既婚者のうちワーキングマザーは30%」とのことです。うーん、少なっ! 少数派なのに、「働く母」の声でかし! 「既婚者のうちワーキングマザー」って表現も喉に小骨が引っ掛かったような言い回しですね。シングルマザーや、「ワーキング」していないマザーは「Domaniサポーター」にいらっしゃらなかったのでしょうね、きっと。

 気になる「年収」は約548万円とのこと。「都市部で働く女性や自ら起業している女性が多いからか、全国の30代女性女性の平均年収より高めの結果に」ですって。たしかに、連載「女 妻 母 働くいい女の『火曜14時』」でも、起業家の登場回数は多いです。今月号でも「女」代表の方は、「工学博士・H2L株式会社創業者・JST(国立研究開発法人科学技術復興機構)さきがけ研究員・早稲田大学人間科学学術院助教」と、なんだか想像つかないけれどすごそうな肩書を持っています。こんな方々がきっと、平均年収を上げているのですね。しかも32歳ですって、ワンダホー!

 ちなみに、「憧れのファッションアイコン」は、蛯原友里さん、長谷川潤さん、田丸麻紀さん。「長谷川潤さん、田丸麻紀さんは『インスタグラムが素敵』とのこと」だそうで、近々、田丸さんが誌面でライフスタイルを紹介しに登場する日も近そう!

 「この顔に生まれたかった憧れの顔は」、石原さとみさん、北川景子さん、知花くららさんです。同世代がくるかと思いきや、意外や意外、若手がきました。そこと自分を比較するから、「Domani」読者は美療に並々ならぬ関心とマネーを注ぐことになってるんですね!

■裸が見たい、と素直に言えない女たち
 今月号の特集は「働く自分を好きになる。理想のお仕事スタイル2017」。「働く女性」向けと公言してるだけあり、新年一発目から「日経ウーマン」(日経BP社)も真っ青の労働意識を掲げてます。ライフスタイルページも、「胸板男子の熱血!仕事論」「いつも心に『名言』を。」「2017年は『残業しません』宣言!」など、鼻息荒すぎ!

 しかしながら、中身を見ると少々浮ついたところが散見されました。例えば、「胸板男子の熱血!仕事論」では、「労働」にこじつけて巧妙にメンズの上半身裸の写真を見せるという、トリッキーな編集を行っております。企画意図は、それらしく「仕事に生きる男性が自分の体に求めるものには、その人の生き方を支える熱い想いが込められている」となっていますが、簡潔にいうと「男の上裸が見たい」。尾上松也さん、リオ五輪水球日本代表・保田賢也さん、お笑い芸人・ジャングルポケット斉藤慎二さんの3名の上裸が掲載されています。ヨッ、脱がせ上手!

 なぜこの3人が選ばれたのか、という疑問は、三者三様の体つきを見て納得。楽屋で仕度する松也さんは、柔らかそうな安心ボディ、スウェットパンツのみの安田さんは筋肉くっきりのマッスルボディ、そして斉藤さんは……シャワーの水しぶきで体のラインは見えません。斎藤さんは、番組の企画で約2カ月にわたりハードなトレーニングを行い70キロまで体重を落としたものの、見事にリバウンドした、とのことなので、編集部が自主規制したのかもしれません……。ともかく、ぽっちゃりから筋肉質まで男の体が選べるのはうれしい限りですね!

 そういえば、「Domani世代のリアル白書」では、「次の春までに達成したいことは?」の1位はダイエットでした。男性には「仕事に生きる男性が自分の体に求めるものには(略)」とか言いつつも、「仕事」「仕事」と連呼する「Domani」女子は、「自分の体」に「生き方を支える熱い想い」を託さずにいる方が多いのですね。

 最後に、「働く女性に贈る名言集」をサラッとみましょう。「この言葉に救われた!あの人を支えた珠玉の(!?)名言」では、みうらじゅんさん、ライター、早稲田大学非常勤講師のトミヤマユキコさんなどが登場です。みうらじゅんさんは、「『さよなら私』することで、ある種の“自分教”から脱退できた。今は日々『自分なくし』です」と“自分”がいかに厄介な意識なのか語り、その一方、隣のページではトミヤマユキコさんが「少しでも多くの情報を知ること、その違いで自分らしさが誕生する」と、“自己確立”について上野千鶴子先生の言葉を紹介。この両極端とも言える意見を、「どっちのスタンスでもないですよ~」と載せるのが「Domani」流ですな。
(白熊春)

裸が見たい、と素直に言えない「Domani」だけど……仕事特集で“胸板男子”を強引に脱がせる!

 「Domani」(小学館)2月号、「大人のデートと、男の本音。」でユースケ・サンタマリアさんがグラビアに登場です。なんでも12月号にて終了したユースケさんの連載「その男、主役につき」が、人気コラムだったそうな。今月号では、里海さんとのバーでの対談方式をとっており、添えられた一文は、「寒さのピークを迎えるこの季節、素敵な大人の男性とのデートなら、寒さも忘れるほどの情熱を感じる――のはずだったけど、Domaniファミリーのこの男性とのデートは、きっと自然にほころぶ、どこか力の抜けた時間になりそう。」とのこと。さぁさ、自然にほころぶ会話を見させていただきますか~。

里海「デートで食事に行くなら、どんなお店がいいですか?」
ユースケ「相手の好きなものを聞いて決めるけれど、一応、この仕事だから(笑)、個室のある行きつけの店がいいかな。」

里海「恋愛は慎重派ですね?」
ユースケ「慎重になりすぎて、もはやタイミングがわからなくなり、草食系の安心パパみたいになっていますよ。でも全然違うから!45歳はジェントルな大人だと思っていたのに、中身は27歳のころとほとんど変わらないんだもん。」

里海「映画や美術館デートはします?」
ユースケ「映画はよく観てるから、『キミにも観てほしい!』という作品があれば」

 いや〜、だいぶこじらせている45歳にしか見えないのは筆者だけ? 27歳の頃とほとんど変わらないって何のアピール!? もしかして、年下男子好きなDomani女子への警告なのかしら? ちょっぴり上から目線で余裕をふかしつつ、若い時のままだと堂々と主張。“ヤンチャな俺”“少年のままの俺”を出してくる45歳の自意識、かまっていられませんよ~。

<トピックス>
◎いつも心に「名言」を。
◎老けと不幸は「口元」に出る!?今すぐ始める口元美容
◎大人のデートと、男の本音。withユースケ・サンタマリア

■「働く母」は30%のみだった!
 今月号には、「全国のDomaniサポーター300人に大アンケート!Domani世代のリアル白書」があります。「既婚・独身」割合や「年齢」、「年収」「憧れのファッションアイコン」「この顔に生まれたかった憧れの顔は」などを1ページでサラッと紹介。300人にアンケートした割には小さな扱いですね……。

 「年齢」は37.5歳とのことで、「Domani」想定の年代とドンピシャ。「職場では中間管理職になるなど立ち位置が変わったり、起業するなどして働き方を変える人もいれば、結婚や出産について悩んでいる人も多い」とのこと。まぁ、そんなコメントなくても、そりゃそうだって感じですね。同誌は、「働くきれいな母」を推奨してるはずなのに、「母」に関する言及がないのが気になるところですが。

 それもそのはず、読者の現実は既婚53%、未婚47%のうえ、「既婚者のうちワーキングマザーは30%」とのことです。うーん、少なっ! 少数派なのに、「働く母」の声でかし! 「既婚者のうちワーキングマザー」って表現も喉に小骨が引っ掛かったような言い回しですね。シングルマザーや、「ワーキング」していないマザーは「Domaniサポーター」にいらっしゃらなかったのでしょうね、きっと。

 気になる「年収」は約548万円とのこと。「都市部で働く女性や自ら起業している女性が多いからか、全国の30代女性女性の平均年収より高めの結果に」ですって。たしかに、連載「女 妻 母 働くいい女の『火曜14時』」でも、起業家の登場回数は多いです。今月号でも「女」代表の方は、「工学博士・H2L株式会社創業者・JST(国立研究開発法人科学技術復興機構)さきがけ研究員・早稲田大学人間科学学術院助教」と、なんだか想像つかないけれどすごそうな肩書を持っています。こんな方々がきっと、平均年収を上げているのですね。しかも32歳ですって、ワンダホー!

 ちなみに、「憧れのファッションアイコン」は、蛯原友里さん、長谷川潤さん、田丸麻紀さん。「長谷川潤さん、田丸麻紀さんは『インスタグラムが素敵』とのこと」だそうで、近々、田丸さんが誌面でライフスタイルを紹介しに登場する日も近そう!

 「この顔に生まれたかった憧れの顔は」、石原さとみさん、北川景子さん、知花くららさんです。同世代がくるかと思いきや、意外や意外、若手がきました。そこと自分を比較するから、「Domani」読者は美療に並々ならぬ関心とマネーを注ぐことになってるんですね!

■裸が見たい、と素直に言えない女たち
 今月号の特集は「働く自分を好きになる。理想のお仕事スタイル2017」。「働く女性」向けと公言してるだけあり、新年一発目から「日経ウーマン」(日経BP社)も真っ青の労働意識を掲げてます。ライフスタイルページも、「胸板男子の熱血!仕事論」「いつも心に『名言』を。」「2017年は『残業しません』宣言!」など、鼻息荒すぎ!

 しかしながら、中身を見ると少々浮ついたところが散見されました。例えば、「胸板男子の熱血!仕事論」では、「労働」にこじつけて巧妙にメンズの上半身裸の写真を見せるという、トリッキーな編集を行っております。企画意図は、それらしく「仕事に生きる男性が自分の体に求めるものには、その人の生き方を支える熱い想いが込められている」となっていますが、簡潔にいうと「男の上裸が見たい」。尾上松也さん、リオ五輪水球日本代表・保田賢也さん、お笑い芸人・ジャングルポケット斉藤慎二さんの3名の上裸が掲載されています。ヨッ、脱がせ上手!

 なぜこの3人が選ばれたのか、という疑問は、三者三様の体つきを見て納得。楽屋で仕度する松也さんは、柔らかそうな安心ボディ、スウェットパンツのみの安田さんは筋肉くっきりのマッスルボディ、そして斉藤さんは……シャワーの水しぶきで体のラインは見えません。斎藤さんは、番組の企画で約2カ月にわたりハードなトレーニングを行い70キロまで体重を落としたものの、見事にリバウンドした、とのことなので、編集部が自主規制したのかもしれません……。ともかく、ぽっちゃりから筋肉質まで男の体が選べるのはうれしい限りですね!

 そういえば、「Domani世代のリアル白書」では、「次の春までに達成したいことは?」の1位はダイエットでした。男性には「仕事に生きる男性が自分の体に求めるものには(略)」とか言いつつも、「仕事」「仕事」と連呼する「Domani」女子は、「自分の体」に「生き方を支える熱い想い」を託さずにいる方が多いのですね。

 最後に、「働く女性に贈る名言集」をサラッとみましょう。「この言葉に救われた!あの人を支えた珠玉の(!?)名言」では、みうらじゅんさん、ライター、早稲田大学非常勤講師のトミヤマユキコさんなどが登場です。みうらじゅんさんは、「『さよなら私』することで、ある種の“自分教”から脱退できた。今は日々『自分なくし』です」と“自分”がいかに厄介な意識なのか語り、その一方、隣のページではトミヤマユキコさんが「少しでも多くの情報を知ること、その違いで自分らしさが誕生する」と、“自己確立”について上野千鶴子先生の言葉を紹介。この両極端とも言える意見を、「どっちのスタンスでもないですよ~」と載せるのが「Domani」流ですな。
(白熊春)

男を「競走馬」に見立ててダービーごっこ! 「an・an」恋愛特集が、えげつなすぎる!?

 今週の「an・an」(マガジンハウス)は、「恋と相性。」特集! 本誌での「相性」企画というと、定番のように「血液型」を扱っていましたが、さすがにネタ切れなのか、今回は一切登場しないようです。「代わりにどんな切り口で来るのかしら?」と思い表紙を見てみると、「ピッタリ男子を導く、恋のダービー開催!」や「年下の男を理想に育てる方法。」などと、何やらキナ臭いキーワードがチラホラ……。これは期待できそうですね。早速、紹介していきたいと思います。

<トピックス>
◎ディグラム診断で分かる、好相性男子。
◎「オレ、この子と相性いいかも!」。彼の心をこっそり盗む15の秘策。
◎年下の男を理想に育てる方法。

■ギャグとしか思えない「男ダービー」

 本誌冒頭の導入文を見てみると、「女の幸せは『自分なりの』男選びにかかっている」とし、女性は男性のルックスや収入などのスペックにとらわれるのでなく、「相性」で選んでこそ幸せにつながるのだと、大真面目なトーンで力説しています。

 正直、「これは一理あるかもしれない……」などと感慨にふけっていた単純な筆者。しかしこの直後、「ピッタリ男子を導く、恋のダービー開催!」というフルカラーの特集が目に飛び込み、危うくズッコけるところでした。企画が突飛すぎます。「スペックよりも相性が大事!? じゃあ、ダービーで相性を診断してみようか!」なんて考える女性は、日本中に何人いるのでしょうか。やはり「an・an」は、真面目に考えるスキをなかなか与えてくれませんね。

 こちらはまず、身近にいる男性の名前を「出走馬」として7人レーンに入れます。「既婚者はダメだけど、彼女持ちはOK!」などとサラっと書かれているあたりがおそろしい限り。そしてカーブにある設問に答えるたびに、1人ずつ脱落させて、勝ち残った1人を「生涯の伴侶候補」にするというなんとも一方的で身勝手な……ではなく、画期的な仕様の企画となっていました。設問をいくつかピックアップします。

・「話に最も興味を持てない人」を1人落としましょう。
・あなたが思わず、「心の中で“ツッコミ”を入れる回数が多い人」を1人落としましょう。
・相手との未来を想像したときに、「“末広がり感”が感じられない人」を1人落としましょう。

 ――えげつないですね。この設問文の周りには、脱落した苦しそうな馬たちの絵が描かれており、そのえげつなさがさらに際立っています。アオリ文には「ダービー形式で選ばれた“君の名は”……!?」とあり、編集部の方々も完全に悪ノリしていることが予想されます。応用編で、「合コン時、相手の男性を全員レーンに入れてみる」「元カレたちを全員レーン入りさせ、恋の弱点をさぐる」などの使い方もできるそうなので、気になる方は要チェックですよ!

■相性ピッタリの男がいなければ、育てればいいじゃない!
 お次は、「年下の男を理想に育てる方法」を見てみましょう。2カ月前に発売された本誌「大人の男」特集号では、ひたすらに年上の男を崇拝する一方で、年下の男をさんざんにこきおろしていたものでした。しかしいつの間にか、年下の男を「ディスる」方向から「育てる」方向へとシフトチェンジしたようです。何が起きたのかはわかりませんが、短期間でずいぶん辛抱強くなったんですね!

 「ほとんどの男性を、自分好みに育成できます」というマユツバものの見出しで始まるこちらの特集。「イケダン」(=イケてる旦那)育成のスペシャリストが、「“子育て”感覚で、理想の男性に育てればいい」などと発言し、男性を完全にお子さま扱い、さらに「できる男に育てたい」「社交的な男に育てたい」など、計5つの理想別に、守るべき鉄則を3ページにわたって詳しく解説していました。

 内容を詳しく読んでみると、「男性は元来気が付かない生き物なので……」「男性は論理的でプライドの高い生き物なので……」などと“生き物”を連発。この手の企画ではよくある表現かもしれませんが、お子さまというよりも、何かの(ちょっと野蛮な)生物として扱っているように感じられますね。

 そしてこの企画には「今、一番育てたい男たち」として、志尊淳さん(21)や高杉真宙さん(20)など、20歳そこらの若手俳優が登場しています。「育てたい男」として呼ばれた彼らの心情を想像して、思わず「余計なお世話だわ!」と声に出してツッコんでしまいそうでした。

 彼らは「年上女性が好きで、20歳くらい上でももちろん恋愛対象です~」などと「“育てられる恋”の良さ」について語ってくれているのですが、「無理やり言わせているのではないか!?」と筆者はハラハラしてしまいます。年上女性から「育てたい」男として呼ばれ、年上女性のスタッフたちに囲まれながら、年上女性から「育てられる」良さについて語らなくてはいけないプレッシャー、相当のものだったと思います。若手俳優のみなさん、お疲れさまっした!!

 さてさて今号はこのほかにも、「彼の心をこっそり盗む15の秘策。」という、SNSなどを駆使して意中の男性を狙うというテクニック特集もあります。そう、今号全体からは、「モテ」とか「ウケ」のようなある種受動的な概念よりも、「相性のいい男を見定める!」「見定めたら、テクを駆使して手に入れる!」「いなければ、自分で育てる!」という、女性主体でガッツあふれる心意気が感じられるのです。

 男性を競走馬に見立てたり、子どもに見立てたりと、男性の人格を一切無視して好き放題立ち振る舞うのも褒められた行為ではないと思いますが……こういう特集も、「an・an」女子たちがさらに勢いづいてきた証拠なのかもしれません。先日の「大人の男」特集では、芸人の加藤浩次さんに「女性が強くなりすぎている。もっとやさしく接しろ!」なんて叱られた「an・an」女子たちですが、この「男vs女」の戦いは一体どうなっていくのでしょうね。今後の展開が楽しみです。
(小麦こねる)

「コリドー街で婚活」も不発? 恋愛に浮かれられない「GINGER」のサガ

 落ち着いたモノトーンの配色でまとめられた表紙デザインに「総額200万円以上177名様豪華プレゼント!」「本当に『効く化粧品』発表」など、相変わらず身も蓋もない現実主義な力強い見出しが並ぶ今月の「GINGER」(幻冬舎)。その一方、白ニットを着て、ボーっとした表情を読者に向けるカバーガール・綾瀬はるかは、「最新!深堀インタビュー  今、揺れています」という不穏なタイトルの企画に登場しているとのこと。何やら胸騒ぎを覚える表紙ですが、早速、本誌の中身をチェックしていきましょう~。

<トピックス>
◎読者8000人が本当に知りたかったコト!SNSじゃわからない おしゃれの裏側
◎話題の銀座コリドー街って本当に出会いがあるの!?
◎香里奈主演! 年末年始スーパーリアルな着回しSpecial

■GINGER女子とSNS

 まず見ていきたいのが、メイン特集の「SNSじゃわからないおしゃれの裏側」です。なんと読者8,000人にアンケートを行い、「真冬のリアルコスパ服、何買う?」「厚着の冬でも女っぽい配色って?」「ほっこりしがちな防寒アイテム、どう着る?」「トレンド冬服をこなれ見えさせる方法は?」といったファッションに関する疑問を集めたとのこと。編集部も「単なるファッション誌ではなくなっている」と自信満々で、「おしゃれなコーデを見るだけなら、SNSでも十分かもしれない。でも、雑誌でこその切り口や独自の提案がきっとある、と信じています」と熱く語っています。

 しかし、コスパ服として「ZARA」を推したり、今季の注目色「スモーキーブルー」コーディネートを紹介するなど、“ありがち”なページが続きます。はて? 一体どこらへんが「SNSじゃわからない」箇所なの? と思ったのですが、よくよく誌面を読み込んでみると、とにかく尋常じゃないほどに、説明が具体的で丁寧。例えば、「流行のマキシ丈コート。バランスよく着こなす方法は?」という読者からの質問に、誌面2ページを割いて徹底回答しているんですが、「1.縦ラインが強調される落ち感素材をセレクト」「2.チェックストールで目線を上に集める!」……といった具合に、コーディネートを完成させるための8つのプロセスを、それぞれどういった理由でその手順が必要なのかという解説まで付けて紹介しています。確かにSNSでおしゃれコーディネートを発信する人も、普通ここまでの長文投稿はしないだけに、こういった細部のテクニックは、「SNSじゃわからない」かもしれません。

 そもそもSNS上で見られるオシャレコーディネートは、キラキラした“完成系”として発信されているものだと思います。もちろんその“裏側”には、完成系に至るまでの泥臭い過程(例えば、予算と相談しながら服をお得にゲットする、鏡の前でああでもないこうでもないと1人ファッションショーを繰り返す、写真を上手に加工する……など)があるわけです。その部分にフォーカスを当てるのは、やはり現実主義を貫く「GINGER」ならではの視点かもしれませんが、裏を返せば、「GINGER」読者には「センスがない」と言い切っているような気も? さすがは夢を見させてくれない女性誌です。

■待ちに待った恋愛企画なのに……ときめき要素ゼロ!?

 恋愛要素がほぼゼロの「GINGER」に、待ちに待った恋愛企画が登場です! 首都圏に住む働くアラサー女子を読者層に想定しているのか、「気になる婚活スポット」として「銀座コリドー街」を紹介し、「話題の銀座コリドー街って本当に出会いがあるの!?」と題して、女性2名が潜入取材を敢行しています。

 早速ページを開いてみると、最初は、男性に声をかけられて一緒にお酒を飲んだり、大企業勤めの男性の名刺をゲットしたり、LINE交換したりと楽しげなレポートだったものの、途中からどんどん雲行きが怪しくなっていきます。2軒目に向かう道中で酔っ払いに絡まれたり、チャラい男から自宅飲みに誘われたり、終電を逃してタクシー難民になったり……と、あまりに夢のない展開が続き、ときめき要素は皆無……! そもそもコリドー街って、婚活スポットというよりはナンパスポットですよね? 編集部も「(男性は)彼女というより、飲み友達を探しに来ている」「友達を探すくらいの軽い気持ちで行ってみて!」と前置きしつつ、「ステキな人と出会えたら朝までコースも正解!」などと、身も蓋もなくワンナイトラブをオススメする始末でした。

 確かに東京の真ん中で働くアラサー女子には、そんな夜の思い出が1つや2つあるだろうし、もはや結婚に夢もあこがれも抱いていないかもしれません。しかし女性誌の恋愛企画としては、やはり夢というか、純愛度数が低すぎますし、まったく心が踊りません! 読者がこのページを読んでも、「楽しそー!コリドー街行きたーい!」とはならないのでは? しかし、最後に書かれたアドバイスは大変現実的で参考になりますので、もしコリドー街に繰り出す機会があれば参考にしてみてください。「タクシー乗り場は長蛇の列。電車が賢明」「駅まで少し距離があるので、時間に余裕を」……ですって!

■スーパーリアルなローテンション

 最後に、タイトルだけでおなかいっぱいになりそうな「香里奈主演!年末年始スーパーリアルな着回しSpecial」を見ていきましょう。タートルネックニット、ボーダーカットソー、ロングカーディガンなど、読者サポーター8000人が選んだ、わりと地味めなリアルクローズアイテムを使った30コーデを紹介しているのですが、なんというか、香里奈が着てもやっぱり地味なんです!

 「デート」や「イベント」のシチュエーションで紹介されているコーデも、確かにほかのページより“ちょっとだけ”いいもの、“ちょっとだけ”垢抜けてはいるものの、全体的に地味めな色合いで見てるこちら側としても、テンションが上がりません。女性誌なんだから、もう少し華やかで気持ちの上がる誌面にしてもいいんじゃないかしらと思うのですが、そこは「スーパーリアル」にこだわった結果なのかもしれません。

 写真に添えられているキャッチは、読者アンケートからの抜粋だそうですが、これまた「大晦日は友達集まってカウントダウンに参加する予定です」「早めに帰省して高校の同級生たちと集まる予定。一年に一度の楽しみです」「仕事を忘れてオフモード。ずっと忙しかったので家でのんびり過ごします!」などなど、本当に普通の、リアルな読者の声。あこがれは一切抱かず、わかるわかる~と共感を覚えてしまいました。

 そんな毎回“これでもか!”というほどに、現実的な企画を浴びせてくる「GINGER」ですが、今月号では、それとは対極にある非現実的な“占い”を3本立ての大ボリュームで掲載していました。ラストで突然スピリチュアルをかましてくるあたり、「GINGER」女子は現実世界に疲弊しているのでは。彼女たちの心中が少々心配になってしまいました。
(橘まり子)

「コリドー街で婚活」も不発? 恋愛に浮かれられない「GINGER」のサガ

 落ち着いたモノトーンの配色でまとめられた表紙デザインに「総額200万円以上177名様豪華プレゼント!」「本当に『効く化粧品』発表」など、相変わらず身も蓋もない現実主義な力強い見出しが並ぶ今月の「GINGER」(幻冬舎)。その一方、白ニットを着て、ボーっとした表情を読者に向けるカバーガール・綾瀬はるかは、「最新!深堀インタビュー  今、揺れています」という不穏なタイトルの企画に登場しているとのこと。何やら胸騒ぎを覚える表紙ですが、早速、本誌の中身をチェックしていきましょう~。

<トピックス>
◎読者8000人が本当に知りたかったコト!SNSじゃわからない おしゃれの裏側
◎話題の銀座コリドー街って本当に出会いがあるの!?
◎香里奈主演! 年末年始スーパーリアルな着回しSpecial

■GINGER女子とSNS

 まず見ていきたいのが、メイン特集の「SNSじゃわからないおしゃれの裏側」です。なんと読者8,000人にアンケートを行い、「真冬のリアルコスパ服、何買う?」「厚着の冬でも女っぽい配色って?」「ほっこりしがちな防寒アイテム、どう着る?」「トレンド冬服をこなれ見えさせる方法は?」といったファッションに関する疑問を集めたとのこと。編集部も「単なるファッション誌ではなくなっている」と自信満々で、「おしゃれなコーデを見るだけなら、SNSでも十分かもしれない。でも、雑誌でこその切り口や独自の提案がきっとある、と信じています」と熱く語っています。

 しかし、コスパ服として「ZARA」を推したり、今季の注目色「スモーキーブルー」コーディネートを紹介するなど、“ありがち”なページが続きます。はて? 一体どこらへんが「SNSじゃわからない」箇所なの? と思ったのですが、よくよく誌面を読み込んでみると、とにかく尋常じゃないほどに、説明が具体的で丁寧。例えば、「流行のマキシ丈コート。バランスよく着こなす方法は?」という読者からの質問に、誌面2ページを割いて徹底回答しているんですが、「1.縦ラインが強調される落ち感素材をセレクト」「2.チェックストールで目線を上に集める!」……といった具合に、コーディネートを完成させるための8つのプロセスを、それぞれどういった理由でその手順が必要なのかという解説まで付けて紹介しています。確かにSNSでおしゃれコーディネートを発信する人も、普通ここまでの長文投稿はしないだけに、こういった細部のテクニックは、「SNSじゃわからない」かもしれません。

 そもそもSNS上で見られるオシャレコーディネートは、キラキラした“完成系”として発信されているものだと思います。もちろんその“裏側”には、完成系に至るまでの泥臭い過程(例えば、予算と相談しながら服をお得にゲットする、鏡の前でああでもないこうでもないと1人ファッションショーを繰り返す、写真を上手に加工する……など)があるわけです。その部分にフォーカスを当てるのは、やはり現実主義を貫く「GINGER」ならではの視点かもしれませんが、裏を返せば、「GINGER」読者には「センスがない」と言い切っているような気も? さすがは夢を見させてくれない女性誌です。

■待ちに待った恋愛企画なのに……ときめき要素ゼロ!?

 恋愛要素がほぼゼロの「GINGER」に、待ちに待った恋愛企画が登場です! 首都圏に住む働くアラサー女子を読者層に想定しているのか、「気になる婚活スポット」として「銀座コリドー街」を紹介し、「話題の銀座コリドー街って本当に出会いがあるの!?」と題して、女性2名が潜入取材を敢行しています。

 早速ページを開いてみると、最初は、男性に声をかけられて一緒にお酒を飲んだり、大企業勤めの男性の名刺をゲットしたり、LINE交換したりと楽しげなレポートだったものの、途中からどんどん雲行きが怪しくなっていきます。2軒目に向かう道中で酔っ払いに絡まれたり、チャラい男から自宅飲みに誘われたり、終電を逃してタクシー難民になったり……と、あまりに夢のない展開が続き、ときめき要素は皆無……! そもそもコリドー街って、婚活スポットというよりはナンパスポットですよね? 編集部も「(男性は)彼女というより、飲み友達を探しに来ている」「友達を探すくらいの軽い気持ちで行ってみて!」と前置きしつつ、「ステキな人と出会えたら朝までコースも正解!」などと、身も蓋もなくワンナイトラブをオススメする始末でした。

 確かに東京の真ん中で働くアラサー女子には、そんな夜の思い出が1つや2つあるだろうし、もはや結婚に夢もあこがれも抱いていないかもしれません。しかし女性誌の恋愛企画としては、やはり夢というか、純愛度数が低すぎますし、まったく心が踊りません! 読者がこのページを読んでも、「楽しそー!コリドー街行きたーい!」とはならないのでは? しかし、最後に書かれたアドバイスは大変現実的で参考になりますので、もしコリドー街に繰り出す機会があれば参考にしてみてください。「タクシー乗り場は長蛇の列。電車が賢明」「駅まで少し距離があるので、時間に余裕を」……ですって!

■スーパーリアルなローテンション

 最後に、タイトルだけでおなかいっぱいになりそうな「香里奈主演!年末年始スーパーリアルな着回しSpecial」を見ていきましょう。タートルネックニット、ボーダーカットソー、ロングカーディガンなど、読者サポーター8000人が選んだ、わりと地味めなリアルクローズアイテムを使った30コーデを紹介しているのですが、なんというか、香里奈が着てもやっぱり地味なんです!

 「デート」や「イベント」のシチュエーションで紹介されているコーデも、確かにほかのページより“ちょっとだけ”いいもの、“ちょっとだけ”垢抜けてはいるものの、全体的に地味めな色合いで見てるこちら側としても、テンションが上がりません。女性誌なんだから、もう少し華やかで気持ちの上がる誌面にしてもいいんじゃないかしらと思うのですが、そこは「スーパーリアル」にこだわった結果なのかもしれません。

 写真に添えられているキャッチは、読者アンケートからの抜粋だそうですが、これまた「大晦日は友達集まってカウントダウンに参加する予定です」「早めに帰省して高校の同級生たちと集まる予定。一年に一度の楽しみです」「仕事を忘れてオフモード。ずっと忙しかったので家でのんびり過ごします!」などなど、本当に普通の、リアルな読者の声。あこがれは一切抱かず、わかるわかる~と共感を覚えてしまいました。

 そんな毎回“これでもか!”というほどに、現実的な企画を浴びせてくる「GINGER」ですが、今月号では、それとは対極にある非現実的な“占い”を3本立ての大ボリュームで掲載していました。ラストで突然スピリチュアルをかましてくるあたり、「GINGER」女子は現実世界に疲弊しているのでは。彼女たちの心中が少々心配になってしまいました。
(橘まり子)

最強の“自分語り”降臨! 「婦人公論」小保方晴子氏の新連載に見る、完璧な自己プロデュース

 2017年最初の「婦人公論」(中央公論新社)、特集は「今年こそ幸福体質になる!」です。年始になると、うわごとのように「幸運体質」「福を招く体質」と言っている「婦人公論」ですが、なかなかその望みは達成されないよう。特集冒頭を飾るのは、登場するたびに負の爪痕を残していくことでおなじみの作家・曽野綾子センセイ。新年だからか、それとも年齢が綾子パワーを減退させているのか、今回はややおとなしめ。ただ、テレビで見たという「家でやることがないから毎日ゲーム喫茶で遊んでいる」親子を、「どんなに狭いおうちでも、毎日することがないなんてことはないでしょう。私だったら、どこかをぴかぴかに磨きます。(中略)その方は目的を持たずにいられるという才能を持った方なんですね」と、皮肉る元気はまだおありのようで安心しました。しかし曽野センセイ、それ本当にゲーム喫茶だった? ネットカフェでもゲーセンでもなく、ゲーム喫茶!?

<トピックス>
◎特集 今年こそ幸福体質になる!
◎新連載 小保方晴子日記
◎2017年「傾斜宮占い」運勢篇

■「神様」便利に使われすぎ

 そんな曽野センセイ「幸運は与えられるものだから、当てにはしないこと」と前置きつつ、ご自身は、過去に初めて行ったマダガスカルのカジノで二度の大当たりをしたことを激白しています。そのとてつもない大金を元手に、海外で働くシスターたちを支援するNGO団体を立ち上げたというのですから、やはり幸運はデカイ肝に吸い寄せられるのだなぁと痛感。「普通、神様は教会にいらっしゃるけど、私の場合はカジノにもいらっしゃった」とは、名文ですわ。

 しかし誰しもが曽野センセイのような鬼のバイタリティを持っているわけではなく、大抵の方は、ささやかなハッピーでもいいから引き寄せたいと考えているのではないでしょうか。「浸かってパワーチャージ 吉方位の温泉で“ツキ”を得る!」「『ポジティブ変換言葉』で、いつも気分上々に」etc……すぐマネできそうな体質改善プログラムが今号に並んでいます。

 その中でひときわ目を引いた企画がこちら、「みるみるうちに人生が好転する『神様ごはん』のつくり方」です。登場するのは「『食を変えると人生が変わる』ことを会得し、『声なき声を聞き、香りなき香りを聞く』ゆにわ流を確立」したという「開運料理人」。この方が「運を巡らせるための食のルール5カ条」について語っているのですが、開運というよりほぼ宗教。「縁あって私のもとに届いた食材に感謝を捧げ、丁寧に扱うのが流儀。そして、食べる人が心から喜んでくれる姿をイメージしながら料理をするのです。私はこれを『神様ごはん』と呼んでいます」「ざわざわした気持ちで料理をすると、食べた人にもそれが伝染します。(中略)私たちはそれを『毒』と呼んでいるのです」。多くの主婦たちが、この開運料理人が作る料理を食べ「私は間違っていました!!」と、イヤイヤおさんどんしていた自分を反省し、“神様ごはん”信者になっていくようです。

 「水で研ぐ前のお米に手を合わせる」「ごはんを炊く際も、必ず『このごはんが食べる人の力になりますように』と祈りを」「炊飯器で炊く場合も『気』を込めてスイッチを入れる」など、誌面は「気」と「感謝」のオンパレード。365日3食ごはんを作っていたら、そりゃ絶望的な気持ちになることもございましょうや。こういう料理への過大な“意味づけ”が、かえって主婦を追い詰めていくとしたら、やっぱ神様っていけずですね。

■平成の和泉式部誕生か

 さて、今号のビッグニュースといえばこちらかもしれません。昨年「婦人公論」で瀬戸内寂聴と対談し、世間の話題をかっさらった小保方晴子さん。その対談中「第二の瀬戸内寂聴に」なんて話も飛び出していた小保方さんですが、なんと、満を持して「婦人公論」で連載を持つことになったようです。その名も「小保方晴子日記」。サブタイトルは「『あの日』からの記録」。「彼女は理研を退職した2014年12月から、身の回りに起きた出来事と心情を日記に書き留めていました」とのことで、今回ここに日記の連載が実現!

 初回特別版は「近況報告を兼ね、連載を始めるまでの経緯が綴られた2週間の記録」が公開されています。淡々とつづられる日常の中に、潜んでいますよ、小保方節。おもわしくない体調や不安定な精神状態、自分を支えてくれる人々への思い、アメリカ時代の思い出……それらを季節が移り変わる様子や、作った料理(かなり凝っている)の話から喚起させるという、かなり高度なテクを駆使しております。例えば11月24日の日記は、こんな一文で始まるのです。

「いつもより日の出が遅いような気がして窓の外を見ると雪が降っていた」。雪を見ながら朝風呂に入り、「玄米の栗ごはんとフルーツを入れた豆乳ヨーグルト」を食べ、なかなか送ることのできなかった「『婦人公論』に最初の原稿を送った」。「降り続く雪がすごく綺麗に見えた。こんなに劇的に、しかも綺麗に景色を変えてしまうなんて雪は凄い。魔法のようである。雪の降る中、外に出て雪だるまを作った。久しぶりに触った雪は記憶にあるより柔らかくて温かかった」。

 徐々に変わっていく心境を「雪」になぞらえる小保方さん。入試の国語で使われそうな良作です。「作者は『雪』にどんな思いを込めていますか?」とか、ありそう。編集の手もいくらか入っているのでしょうが、「日記」という内なるものを語るメディアでも、自分の見せ方を完璧に心得た、過剰ともいえるセルフプロデュースをさく裂させていました。

 何度もレビューでは書いている気がしますが、「婦人公論」で大事なのは「善悪」ではないのです。自分をいかに語れるか。たとえ世間的に「悪」の烙印を押されたとしても、「世間で悪の烙印を押されてしまった自分」をストーリーとして語ることができれば、「婦人公論」では勝ちなんです。小保方さんの自分語りは、“私はゼッタイに悪くない”が真骨頂の「婦人公論」読者のヒロイニズムをどう刺激してくるのか。今後の展開が楽しみでなりません。
(西澤千央)