桃井かおりのカッコイイ女芸と松岡修造のタレント根性でおなかいっぱいになる、「婦人公論」の加齢特集

 今号の「婦人公論」(中央公論新社)の特集は、「かっこよく年を重ねたい」です。久しぶりにやってきた、全編ギャグ&コントのようなインタビューや対談が並ぶ、超お気楽特集。まずは表紙の真矢ミキ。元宝塚トップスターというより、「“あきらめないで”の人」の方が伝わりやすい真矢ですが、インタビュー「人には無限の色がある。ひとつじゃないから面白い」でも、そのサバっとしてポジっとしたパブリックイメージをいかんなく発揮しております。

 「目指したいのは、質のいいニットみたいな人。着ている自分も楽で気持ちいいけれど、まわりの人もほっとするといった感じでしょうか」。なぜ女優という生き物は、なにかをニットとかカシミアとかワインとかにたとえたがるの……。萬田久子の罪は重い。

<トピックス>

◎特集 かっこよく年を重ねたい

◎奈良橋陽子×桃井かおり「経験が支えてくれるから勇気出していい年頃なのよ」

◎松岡修造「『かっこよさ』とは一所懸命から生まれる輝きのこと」

■本当に相槌で「オーマイゴッド」って言ってます

 そんな特集ですので、今号は介護も年金もニートな子どももイヤなご近所も捨てたい夫のことも全て忘れて、サバっとポジっと「年を取るって、素晴らしくない?」と鏡の中の自分に微笑みかけるような気持ちで読みましょう。

 必読はこちら、キャスティングディレクター・奈良橋陽子×女優・桃井かおり「経験が支えてくれるから勇気出していい年頃なのよ」。リードには「54歳でアメリカへ移住、仕事の拠点も移した桃井かおりさん。そのきっかけとなる仕事で、彼女を後押ししたのが奈良橋陽子さんだった。以来、仕事を超えた付き合いだという二人の、“かっこよさ”の基準とは何でしょうか」とあります。60を過ぎても現役バリバリ、海外を拠点に活動する“THEかっこいい女”がお互いを褒めながら、時に軽くディスって仲の良さを匂わせながら、女の生き方を語ります。

 この対談、ものすごくざっくり言うと「LAって最高」「映画も生き方もナチュラルが最高」「この年になってそれ実現している私たちって最高」。2月28日号で、THEかっこいい女界の西の正横綱・夏木マリが「自分の肩書きは『プレイヤー』だと考えています。遊ぶ人です! これからも本気で遊びたいと思います」と高らかに宣言していて無言になりましたが、今号はTHEかっこいいが互いを煽り合っているので、アーティスト的“うっとり”が天井知らず。

 桃井「結婚もして、この辺で静かに遊んで老後ってやつを迎えればいいと思ったりもする。やってみた~いって。でも、まだまだ仕事もやれそう(笑)。映画を撮ったり、文章を書いたり、絵を描いたりしている最中に、『創造の神』が降りて来なくなったらおしまいじゃない?」

 奈良橋「この年になってもバンバン変化球が飛んでくるというか、たいへんな目に遭うのはいいことですよ。年を重ねると、安全や居心地の良さを好みたくなるけど、変化球を好んだほうがいいと思う」

 大半の読者が受け入れるしかない「老後ってやつ」を、「やってみた~い」と言いながら、“だけど創造の神降りてきちゃうから無理~”とアーティストの宿命を説く。加齢とは衰えばかりではないという企画趣旨でしょうが、加齢で自我はますます濃度を上げていくということはよくわかりました。

 さて、続いては今日本の芸能界で最もセルフプロデュースが成功しているであろう2人の男性。偶然にも同特集内にインタビューが並んでいるので、その人気の秘訣を探ってみたいと思います。

 1人は読者モデル・タレントのりゅうちぇる。「好きな服を着続けてかわいいおばあちゃんとおじいちゃんになろうね」で、妻でブランドプロデューサーのぺこと新婚対談しています。もう1人は元プロテニスプレイヤーの松岡修造。インタビュー記事のタイトルは「『かっこよさ』とは一所懸命から生まれる輝きのこと」。2人のインタビューに共通しているのは、隙のなさ。タレントとしては亜流扱いされがちな2人ですが、骨の髄までTHEタレントですよ。

 隙のなさその1は「弱さ」。ハッピーでポジティブなイメージの裏にある苦労や悩みをさらけ出し、読者に「あの人にもそんな部分が……」と思わせる巧さです。りゅうちぇるは「僕は中学まで、自分の見られ方をすごく気にしてたの。しゃべり方がなんか女の子っぽいし、お茶を飲むときに小指立っちゃうし(笑)。だから“ちぇるちぇるランド”の幼稚園や小学校では、からかわれたこともあったの」。中学時代は「普通の男の子っぽく演技して」乗り切っていたようですが、「毎日がものすごくつまらなかったな。自分が好きじゃなかったし」。一方の松岡は「実際の僕はといえば、弱く、消極的な人間です。著書やホームページを通し、悩める子どもたちにアドバイスをしたり、みなさんを励ますメッセージを送ったりしていますが、それらは、僕自身が必要としていたもの」。松岡修造日めくりカレンダーは、彼自身が必要としていたものだったんですね……。

 隙のなさその2は「気遣い」。りゅうちぇるはとにかくぺこを褒めちぎる。最近ダイエットに成功したぺこについて、「あの頃ぺこりんは、急にお仕事が増えたストレスで太っちゃったんだよね。僕をみんなに知ってもらうためにって言ってくれて、ふたりでたくさんお仕事してたから」「ぺこりんが太っていくとき、どんどん外国人みたいになっていってかわいい! と思ってたよ」「ぺこりんは痩せてもかわいい」と、太った理由・過程・ダイエット後まであらゆる方面を完全防備。アンチ虫一匹侵入させまじ。

 松岡の「気遣い」はこれにつきます。若い頃は洋服が好きで、イタリアのものなどをよく買っていたと語りつつ、「今、わが家の洋服ダンスには、僕がイメージキャラクターをしているメーカー2社のものしかありません。(中略)今やそれを着ているのが『自分そのもの』と言えるくらい、両社の服は僕にピタッとなじんでいる」。スポンサーが泣いて喜ぶフレーズを自然と挟み込んでサービスエース。芸能界で生き残るって、大変……。

 「自分らしく生きる」「好きなことをする」、それが「かっこよく年を重ねること」という今号の「婦人公論」。しかし芸能界で「自分らしく生きる」こととは、その本来の意味からは大きく離れ、重大なイメージ管理を課せられるものなのだと、桃井、りゅうちぇる、修造というキャラ芸人たちから学んだ次第です。

(西澤千央)

桃井かおりのカッコイイ女芸と松岡修造のタレント根性でおなかいっぱいになる、「婦人公論」の加齢特集

 今号の「婦人公論」(中央公論新社)の特集は、「かっこよく年を重ねたい」です。久しぶりにやってきた、全編ギャグ&コントのようなインタビューや対談が並ぶ、超お気楽特集。まずは表紙の真矢ミキ。元宝塚トップスターというより、「“あきらめないで”の人」の方が伝わりやすい真矢ですが、インタビュー「人には無限の色がある。ひとつじゃないから面白い」でも、そのサバっとしてポジっとしたパブリックイメージをいかんなく発揮しております。

 「目指したいのは、質のいいニットみたいな人。着ている自分も楽で気持ちいいけれど、まわりの人もほっとするといった感じでしょうか」。なぜ女優という生き物は、なにかをニットとかカシミアとかワインとかにたとえたがるの……。萬田久子の罪は重い。

<トピックス>

◎特集 かっこよく年を重ねたい

◎奈良橋陽子×桃井かおり「経験が支えてくれるから勇気出していい年頃なのよ」

◎松岡修造「『かっこよさ』とは一所懸命から生まれる輝きのこと」

■本当に相槌で「オーマイゴッド」って言ってます

 そんな特集ですので、今号は介護も年金もニートな子どももイヤなご近所も捨てたい夫のことも全て忘れて、サバっとポジっと「年を取るって、素晴らしくない?」と鏡の中の自分に微笑みかけるような気持ちで読みましょう。

 必読はこちら、キャスティングディレクター・奈良橋陽子×女優・桃井かおり「経験が支えてくれるから勇気出していい年頃なのよ」。リードには「54歳でアメリカへ移住、仕事の拠点も移した桃井かおりさん。そのきっかけとなる仕事で、彼女を後押ししたのが奈良橋陽子さんだった。以来、仕事を超えた付き合いだという二人の、“かっこよさ”の基準とは何でしょうか」とあります。60を過ぎても現役バリバリ、海外を拠点に活動する“THEかっこいい女”がお互いを褒めながら、時に軽くディスって仲の良さを匂わせながら、女の生き方を語ります。

 この対談、ものすごくざっくり言うと「LAって最高」「映画も生き方もナチュラルが最高」「この年になってそれ実現している私たちって最高」。2月28日号で、THEかっこいい女界の西の正横綱・夏木マリが「自分の肩書きは『プレイヤー』だと考えています。遊ぶ人です! これからも本気で遊びたいと思います」と高らかに宣言していて無言になりましたが、今号はTHEかっこいいが互いを煽り合っているので、アーティスト的“うっとり”が天井知らず。

 桃井「結婚もして、この辺で静かに遊んで老後ってやつを迎えればいいと思ったりもする。やってみた~いって。でも、まだまだ仕事もやれそう(笑)。映画を撮ったり、文章を書いたり、絵を描いたりしている最中に、『創造の神』が降りて来なくなったらおしまいじゃない?」

 奈良橋「この年になってもバンバン変化球が飛んでくるというか、たいへんな目に遭うのはいいことですよ。年を重ねると、安全や居心地の良さを好みたくなるけど、変化球を好んだほうがいいと思う」

 大半の読者が受け入れるしかない「老後ってやつ」を、「やってみた~い」と言いながら、“だけど創造の神降りてきちゃうから無理~”とアーティストの宿命を説く。加齢とは衰えばかりではないという企画趣旨でしょうが、加齢で自我はますます濃度を上げていくということはよくわかりました。

 さて、続いては今日本の芸能界で最もセルフプロデュースが成功しているであろう2人の男性。偶然にも同特集内にインタビューが並んでいるので、その人気の秘訣を探ってみたいと思います。

 1人は読者モデル・タレントのりゅうちぇる。「好きな服を着続けてかわいいおばあちゃんとおじいちゃんになろうね」で、妻でブランドプロデューサーのぺこと新婚対談しています。もう1人は元プロテニスプレイヤーの松岡修造。インタビュー記事のタイトルは「『かっこよさ』とは一所懸命から生まれる輝きのこと」。2人のインタビューに共通しているのは、隙のなさ。タレントとしては亜流扱いされがちな2人ですが、骨の髄までTHEタレントですよ。

 隙のなさその1は「弱さ」。ハッピーでポジティブなイメージの裏にある苦労や悩みをさらけ出し、読者に「あの人にもそんな部分が……」と思わせる巧さです。りゅうちぇるは「僕は中学まで、自分の見られ方をすごく気にしてたの。しゃべり方がなんか女の子っぽいし、お茶を飲むときに小指立っちゃうし(笑)。だから“ちぇるちぇるランド”の幼稚園や小学校では、からかわれたこともあったの」。中学時代は「普通の男の子っぽく演技して」乗り切っていたようですが、「毎日がものすごくつまらなかったな。自分が好きじゃなかったし」。一方の松岡は「実際の僕はといえば、弱く、消極的な人間です。著書やホームページを通し、悩める子どもたちにアドバイスをしたり、みなさんを励ますメッセージを送ったりしていますが、それらは、僕自身が必要としていたもの」。松岡修造日めくりカレンダーは、彼自身が必要としていたものだったんですね……。

 隙のなさその2は「気遣い」。りゅうちぇるはとにかくぺこを褒めちぎる。最近ダイエットに成功したぺこについて、「あの頃ぺこりんは、急にお仕事が増えたストレスで太っちゃったんだよね。僕をみんなに知ってもらうためにって言ってくれて、ふたりでたくさんお仕事してたから」「ぺこりんが太っていくとき、どんどん外国人みたいになっていってかわいい! と思ってたよ」「ぺこりんは痩せてもかわいい」と、太った理由・過程・ダイエット後まであらゆる方面を完全防備。アンチ虫一匹侵入させまじ。

 松岡の「気遣い」はこれにつきます。若い頃は洋服が好きで、イタリアのものなどをよく買っていたと語りつつ、「今、わが家の洋服ダンスには、僕がイメージキャラクターをしているメーカー2社のものしかありません。(中略)今やそれを着ているのが『自分そのもの』と言えるくらい、両社の服は僕にピタッとなじんでいる」。スポンサーが泣いて喜ぶフレーズを自然と挟み込んでサービスエース。芸能界で生き残るって、大変……。

 「自分らしく生きる」「好きなことをする」、それが「かっこよく年を重ねること」という今号の「婦人公論」。しかし芸能界で「自分らしく生きる」こととは、その本来の意味からは大きく離れ、重大なイメージ管理を課せられるものなのだと、桃井、りゅうちぇる、修造というキャラ芸人たちから学んだ次第です。

(西澤千央)

「Domani」、松嶋菜々子の「平凡な私」語りに潜む“芸能界のマミートラック”を生きる術

 毎号毎号、新連載や、連載終了が「Domani」(小学館)は入り乱れています。そんななか、「堂本剛のなら(ず)もん」は2013年の1月からスタートして5年目に突入。ジャニーズパワーなのか、本当に人気があるのかまったくわかりませんが、厳しいリストラも乗り越え続けたことは「すごい」の一言です。自意識過剰具合が、いやいや1979年生まれという年の頃が「Domani」読者と合うのでしょうか。毎号展開される不思議トークは、筆者の頭を優しく素通りしていきます。内容については、今月も、「一生やらないことリストには、合コン、お見合い、自撮りなんかもあります(笑)この連載で少しずつトライしていくかもしれへんので、今後の展開を楽しみにしていてください!」ですって。5年たってもこのゆるい調子ですよ、これほどに「今後の展開」に可能性が感じられない連載も早々ないのでは……。はい、気長に楽しみにしておりましょう!

<トピックス>
◎キレイの事件は現場で起きている!美容刑事
◎松嶋菜々子「平凡な私が居場所を見つけるまで」
◎「マミートラック」をみんなで考えよう

■パステルカラーだけで生きる春、待つ!
 いよいよ春がやってきましたが、「Domani」4月号は世間のムードと逆走するような「春もやっぱり黒が好き 4月の1 か月コーディネート」を出してきました。「春だからって淡色だけじゃ生きていけない」というリードから匂い立つのは、花の香りではなく、強烈な自意識! 着回しの主人公は「総合商社のインフラ投資系部署で働く35歳」。「同じ会社に勤める彼とは、お互いのスケジュールが合いにくく、すれ違いの日々が続いているのがちょっと悩み」ですって。

 この主人公、出社前に英会話レッスンに通い、退社後は週2でヨガ。休日は、友人のハウスウォーミングパーティへ行ったり、昼間から友人と話題のカフェで「お昼からワインがすすむ〜」とはっちゃけたりと、とにかくプライベートのリア充ぷりが羨ましい限り。仕事では、「後輩の資料をチェックしていたら、提案書の内容にミスを発見!さらに、『てにをは』もなってない(汗)」と月初に汗をかきかきし、しかし月末には「朝から後輩のつくった社内資料をレビュー。前回よりも完成度が高い!信頼できる部下が育ってきた(ハート)」ってな調子で、後輩の成長のスピードが早いのなんのって。

 そのうえ、日帰り韓国出張をしたり、シンガポールの取引先とテレビ電話会議をしたり、なんだか華やかで遠い目になってきますよ。悩みの種の「すれ違いの日々が続いている」彼とも4月中に3日会えてますよ。十分じゃない!? 「Domani」が描く、「最近なんだか、仕事もプライベートも順調」な35歳「女」像ってなんだか憎たらしい~~!

 ここで先月号の「35歳からの『結婚できる』体質改善トレーニング」でのカリスマ婚活アドバイザー・植草先生の言葉を思い出しましょう。たしか、植草先生は「男性と同じく働き続けてきた30代後半以上の女性は“仕事脳”になっている人が多いです。仕事優先なのはもちろん、人に甘えるのも下手、洋服も黒っぽくて体のラインを隠すパンツや長いスカートなど、仕事がデキそうな戦闘服ばかり」って言ってましたよ。「白やピンクなどの服で柔らかい印象に」とも書いてありましたよ! そんな言葉からすると、公私ともに順調だから黒ベースの春服を着れるのねぇ……なんて気持ちに。いっそのこと、「婚活中の35歳オーバーの4月の1か月コーディネート」なんていう、植草先生監修の攻めに攻めた企画出てこないかしら〜? 黒を排除し、淡色だけで生きていかなきゃならない春もあるんですよね!?

■芸能界のマミートラック
 先月号の「女」へ向けた婚活指南とはうってかわり、今月号は、「女」「妻」「母」誰しもが興味深く読めるようにと考えられた企画がありました。少々堅めの「マミートラック」のお話。「マミートラック」とは、「働く母親が職場復帰後、仕事のやりがいを失ったり、昇進・昇格から遠ざかったりする現象をさす」とのことです。NHKオンライン『働く女性のリアルマミートラック〜働くママ1300人の声から〜』の調査によるとマミートラックを経験したことのある人は27.8%とのこと。この数字が多いのか少ないのか、いまいちわからないっていうのが本音ですが、今回はワーキングマザーのリアルボイスが7つのケースによって書かれていました。

 7つの内訳は、「手探りでマミートラック」「キャリアビジョンが描けないマミートラック」「能力が発揮できないマミートラック」「“配慮”されない逆マミートラック」「負担増は妻だけマミートラック」「上司の気使い過多マミートラック」「退職せざるを得ないマミートラック」となっています。

 「女」の立場である筆者がこれらを読むと、「キャリアビジョンが描けない」や「能力が発揮できない」は、マミートラックでなくても普通に起こるし、「負担増は妻だけ」は家庭の問題ではないの? と胸がザワザワ。「“配慮”されない」と「上司の気使い過多」は真逆の意見だし、そもそも「思い」は計れないだけに、クレームや不平の種としていくらでも挙げられますよね……。そんな数々のマミートラックに関わる問題の根源は、シンプルに「コミュニケーション不足」だと「Domani」は解説。会社とワーキングマザー双方の「思い込み」と「コミュニケーション不足」が原因だから、話して伝えて話を聞いて、考えて検討してはどうかい、と提案しております。なんでしょう、このなんにも解決してない感……!

 さて、ワーキングマザーつながりなのか、芸能界で働く母・松嶋菜々子さんのロングインタビュー「平凡な私が居場所をみつけるまで」も必読です。ただ、「子育て」や「仕事」という話ではなく、中心は「美しくしなやかに生きるヒント」であります。

「物事にはひとつずつまっすぐに取り組みたい、不器用なタイプです」
「いろんなことを器用に両立できず、ひとつずつ、正面から取り組みたいというタイプですね」
「自分にはユニークな個性がないと、芸能人としてつまらない人間だなと…モヤモヤしていました(笑)」
「経験を重ねた今でも、なかなか自信はもてません。多分一生そう…」
「移動はもっぱら自転車」

 自分がいかに「謙虚」で「平凡」かを語り尽くしているインタビュー。松嶋さんいわく「仕事と家庭を両立することで、どちらも自分の大切な居場所だと思えるように。周囲の方々にも支えられ、今はもう感謝しかないです」。マミートラックのマの字も出てきちゃないですが、芸能人がブログやインタビューでこぞって言う「感謝」。これが芸能界のマミートラックには最も必要なのかもしれません!

■リードで煽りすぎて息切れ!?
 連載「『美療の森』の歩き方」の後釜に収まった新連載「キレイの事件は現場で起きている!美容刑事」。「誕生、ハードボイルド美容刑事!今月から、熱い美容魂を胸に、美女の“虎の穴”に毎月突入!」と、これまで以上の熱い企画が始まりそうな予感がするのに、今月の突入先は「『サラダランチ』の店」。……は?? ネットにいっぱい情報あふれてるから! 『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)でもやってたし!

 内容はと言いますと、「噂の現場を検証だ!」ということで4軒をレポート。現場1には、「キラキラ客層とキラキラサラダで全身が光り出しそう☆」なーんて、テンションかなり高めの意味不明リードがついていても、残る3軒は、「来る人来る人やせた美人!目で見るダイエットのお手本!」「ダイエット、美肌など、明確な目的をもって食べるサラダ!」「ひとり野菜もOK。野菜不足を一気に解消するならココ!」と、勢いがどんどん収束しています。最後なんか、「美容魂」というより、サラダバーのある店に1人で行けない「お一人様用のサラダバー」的スポットの紹介になってるし。やるなら『ヒルナンデス!』に負けない店を取り上げて! 来月の突入先には期待してるから~!
(白熊春)

「介護」で母親との関係を清算し、復讐を果たそうとする娘たち……「婦人公論」の介護特集

 今号の「婦人公論」(中央公論新社)、特集の前に「小保方晴子日記 第五回」からレビューを始めたいと思います。作家・瀬戸内寂聴との“伝説的自分語り対談”から、同誌で日記形式の連載を始めた小保方氏。今回は特別編として、かねて小保方氏が提出していた「STAP細胞報道に対するBPO(放送倫理・番組向上機構)への申し立て」の審理結果とともに、その前後数日間の日記を公開。マスコミのバッシングや世間からの心ない中傷で、心身ともに不調をきたした様子を淡々とつづるのがこの日記の肝。

 あまりの悲劇のヒロイン風情に読者が胸やけを起こさないよう、季節や食べ物の描写を入れ、かえって切なさが強調される完璧な構成に毎度「ドえらい女やで……」とため息が漏れます。ちなみに今回の私的ため息ポイントはこちら。BPOが「人権侵害」の認定を発表した翌日、疲れから「強い眠気に襲われて、沈み込むように眠った。時々目が覚めて、この眠りから覚めたら、もしかして、と思ってまた眠った」。語らずに語る。この連載で小保方氏は新たな自分語りの技術を手に入れたようです。

<トピックス>

◎小保方晴子日記 第五回
◎特集 私の暮らしを守る介護
◎内村周子×杉山芙沙子「世界一を育てるためには『待つ』ことが大切です」

■まったく感じられない、太田光の存在……

 今号の特集は「私の暮らしを守る介護」。誰かの面倒を見るという点では「育児」と同じ「介護」。しかし「できない」から「できる」に移行し少しずつ手が離れていく育児に対して、緩やかに(時に急激に)「できない」ことが増えていく介護は、先の見えない不安や焦りとの戦い。老い、年金、人間関係など「先の見えない不安」が大好物の「婦人公論」にとって、「介護」も読者との共有財産といえます。

 特集冒頭に登場するのは、爆笑問題・太田光の妻にして、芸能事務所タイタンの社長、太田光代。インタビュー「実母と姑を同時に看ることに。その時、私が下した決断は」では、一人っ子同士の結婚ゆえの、双方の親ダブル介護の現実について語っています。義父を看取り、続いて義母が骨折……家に引き取りたいけど「実は、その時すでに我が家には私の実母が住んでいたのです」。現実味を増すダブル介護。そこに待ったをかけたのは意外にも「仲が良くて大好きな姑」への思いだったと言います。

 10代で家を出て自活するほど実母と折り合いが悪かったという光代氏。「人にやってもらって当然」という実母の性格から、2人の老女が同居となると「自分は何もせずに、お義母さんを頼って依存する。そんな光景が容易に目に浮かびます」。結局、義母は環境のいい施設へ入り、体調も回復。人生の最期を趣味に使い、3年後に他界。ちなみに実母は健在で「いい歳をして、いまだに母子ケンカをすることも。だから正直、一緒に暮らすのはしんどいです」。

 関係が良好な義母は施設へ。一方仲の良くない実母は自宅へ。そこには他人の預かり知らぬ事情があるのでしょう。子どもが抱えざるを得ない大きな荷物――捨てきれない血縁関係とでも申しましょうか、その深刻さを感じて少し怖くなったのも事実。血縁関係のない義母に対しては「どのような最期が最も本人にとって心地よいか」を俯瞰で見られるのに、実母には「母も施設で暮らしたほうが幸せかな、と感じるときもあり」ながら、その一歩が踏み出せない。それは若いうちに家を出てしまった贖罪なのか、自分の助けなしには生きていけない母親への復讐なのか。一口に介護といっても、そこには平均化できないたくさんの「ノイズ」があるように思います。

■「反抗期」ではなく「過渡期」

 そんなことを考えたのは、こちらの読者体験手記「私は介護をしません!」を読んだからかも。「幼い頃、弟ばかりを可愛がった母とは深い溝が。今さらのご機嫌うかがいに対して、復讐心に燃えた私が取った行動は」は、タイトルそのまま。かわいがっていたはずの弟との同居に疲弊し、急に自分を頼ってくるようになった母親の「面倒をみてほしい」という思いを、あえてスルーする娘。「自分の性格では、老人ホームに入ったとたん他の入居者から嫌われる者になることを、母は知っている。その姿を見るのが楽しみなのだ」「単に親孝行を望むのではなく、親孝行をしてもらえるような人間になるのが大切なのではないだろうか」と、厳しい物言いで母親を断罪します。これもまた介護の現実。

 それまでの親子関係の歴史をすべてなかったことにして「子どもだから親を看るのが当たり前」とするのは、あまりにも酷な話です。そう考えると「育児」から介護は始まっているのかも……。読者体験手記に出てきた母親ははたして「弟ばかり可愛がっていた」自覚はあったのか、娘にそんなふうに思わせてしまった原因はなんなのか。

 続いては、内村周子と杉山芙沙子の対談「世界一を育てるためには『待つ』ことが大切です」。え? 誰? とお思いの貴方、体操の内村航平とテニスの杉山愛の母親たち……と言った方がわかりやすいですよね。子どもを世界的スポーツ選手に育てた2人の母が「世界一を育てる思考と行動」をテーマに語り合っています。

 「子どもは人生の中で優先順位1番。もう愛して愛して、子どもがしたいということをさせてあげたい」という内村母と、「私も、子どもは社会からの預かりものだと思って子育てをしました」という杉山母。スクールへの送り迎えはもちろん、ときに学校のルールとも戦いながら、子どもたちをサポートしてきたと話します。現在は、杉山母が中心となった設立した「ジャパンアスリートペアレンツアカデミー(JAPA)」(内村母も講師として参加)で、「子どもの能力を最大限に伸ばしたい」と願う親たちのサポートに回っているそう。

 興味深かったのは、子どもの「反抗期」について。「反抗期ではなく、『過渡期』だったのだととらえています」と杉山母。内村母は「応援に来るな」と息子から告げられるも「いいえ。『あなたを産んだのは私なのだから、そういうわけにはいかない。もし事故が起きたとき、見ていなかったでは済まないんだ』」と言い張り、結局息子が根負け。「勝ったと思いました」と内村母。「反抗」ではなく「過渡期」、思春期の息子に「勝った」……こんな表現にアスリート母たちの支配欲を感じずにはいられませんでした。

 自分の時間を全て捧げてきたという自負が、母親に「子どものことは自分が一番よくわかっている」という自信を与えるのでしょうか。読者体験手記のように、子どもが「介護」を前に親との関係に落とし前をつけようとするのは、「子どもの人生は自分の人生」と思い込む母親の悲しい性のせいかもしれません。
(西澤千央)

“隙のある女”になるために涙ぐましい努力をしてしまう「GINGER」女子のズレ

 今月の「GINGER」(幻冬舎)の表紙は、春らしいピンク! これまでの地味……ではなく、クールな印象の表紙デザインとは一線を画し、コンサバ系女性誌と比べても遜色ない華やかさ。もしかして、“他人に舐められたくない!”というプライドを感じさせる、これまでの情報量満載の誌面から、ゆるふわ甘々の誌面に路線変更? 早速、中身をチェックしていきましょう。

<トピックス>
◎COVER WOMAN 水原希子 自分らしく、自分であるために。
◎これやれば、誰でもおしゃれになれる!
◎GINGER的 マインドフルネス案内

■「GINGER」女子の目指す場所とは?

 まずは、今月号のカバーモデル・水原希子の巻頭インタビューから見ていきましょう。筆者のイメージでは、希子はキリッとした鋭い目線で、周囲に決して媚びない印象でしたが、今回の表紙や誌面のカットでは、始終柔らかな印象の写真が使われています。

 インタビューでは、「“モテ”とか“癒やし“とか、男ウケの思想に寄り添っている女性の方が、お茶の間的にウケるし、求められるから。別にそれも否定しないけれど、もっといろんな女性がいてもいい。たとえば、私なら、モテ系じゃないけど(笑)、恋愛とかファッションとかプライベートをすごく楽しんでいるから」「私と同じように生きてほしいわけじゃない。生き方は人それぞれです。モードよりも、モテ服が好きなら着ればいい。愛よりお金が欲しい人生もアリです。それが自分の選択ならば。いろんな人に伝えたいのは、すべては自分で自由に選択できるということ」と語っている希子。彼女の発言を読んで、イマイチ本心の見えにくかった「GINGER」女子たちが目指すべき場所がわかった気がしました。

 それは、「自分は自分」と堂々と語れる言葉やブレない軸を持つことなのではないでしょうか。「GINGER」を読んでいると、都会で働き、流行のファッションも友人に引けをとらないくらいのちょうどよさで取り入れ、女子会やゴルフなどに明け暮れる、とにかく多忙なアラサー女子像が浮かび上がってくるのですが、彼女たちは、結局自分が何をしたいのかがわからなくなっているのかもしれません。それだけに、「GINGER」女子たちが総じてあまり楽しそうではなく、お疲れ気味なのも納得です。希子のインタビューが、そんな「GINGER」女子たちに何かしらの示唆を与えてくれるかもしれないと、勝手に希望を持ちました。

 しかしそれにしても希子……一瞬、26歳にしてこんな当たり前で、でも体現するのはなかなか難しい境地によくぞ辿り着いたと思いましたが、正直言って実際の彼女には、“仕事一筋”という印象も、かといって“恋愛や結婚に積極的”な印象もなく、最近では炎上タレントのイメージが強いです。希子の言葉とは裏腹に、「一体何がしたいんだ」とツッコみたくなることもしばしば。「GINGER」女子が、実態のない自己啓発に溺れませんように!

■ファッションにはとにかく自信がない「GINGER」女子

 続いて、メインファッション企画「これやれば、誰でもおしゃれになれる!」。「あなたに必要なのは、センスじゃなくて、ちょっとの勇気」という謳い文句と相まって、「GINGER」女子のオシャレに対する自信のなさを感じます。いつも通り、まるで教科書のようなファッションテクニックがびっしりと誌面を埋めているのですが、ページを追うごとに着こなしの難易度が上がっていくため、だんだん読むうちに混乱してきます。

 特に「この春、目指すのは“隙のある女”」というページでは、「ヘルシーな肌見せ(“適度”なさじ加減が大事)」、「甘くないリボン(うっかりほどけてしまいそうな危うさが鍵)」、「品格のあるスリット(トゥーマッチな色気にならないように)」など、“ちょっともう何を言っているのかわからない”アドバイスが連発され、もしかして「ミスターチルドレン(大人の部分と子どもの部分を持って!)」を目指せということなの? と混乱してしまいました。計算して「隙」を作るという矛盾に、センスではなく勇気をもって真正面から向き合うと、こういう方向性の努力が必要になるのでしょうか。眉間にシワを寄せながら誌面片手に鏡の前でコーディネートの確認をする「GINGER」女子が目に浮かびます。そんな人、実際いるのか。

 ちなみに今回一番よくわからなかった“小ワザ”は、「アウター肩落とし」。「これは何も、“落とした状態をキープしよう”という提案ではなく、あくまで偶発的に肩を撫で落ちてしまうくらい、ラフに着るのが今っぽいよね、ということです」とのことですが、偶発的に肩を撫で落ちてしまうくらいのラフさって具体的にどうやれば出せるんでしょうか。何センチくらいずり落とせばいいの? それって結局「センス」なのではと思ってしまう筆者でした。

 すっかり迷走してしまっているファッションページですが、これもやはり、「GINGER」女子たちに「私はこんな服が着たい!」という芯がないせいなのでは。他人よりちょっと抜きん出たオシャレがしたい、センスがあるって思われたい、という強い意志は感じますが、それは結局、他人の視線・社会性を意識しているからでしょう。冒頭で希子が言うように、それが自分で納得して選んでいるのならば問題ないのですが……。「GINGER」女子が、「お茶の間ウケ」から抜け出すには、まだまだ時間がかかりそうです。

■瞑想で自分の心と向き合え?

 最後は、「GINGER」では恒例のスピリチュアル企画「GINGER的マインドフルネス案内」を見ていきましょう。全6ページとは、スピ企画にしては大特集といえるでしょう! 「GINGER」的には、「瞑想は決して特別なことではなく、現代女性に必要な“心のトレーニング”」とのこと。特に「意識が高い人はすでに始めている」そうで、「人の意見に流されず、自分軸がぶれなくなる」という効果があるそうです。やはり「GINGER」女子の目指すべき境地は、ここなのでしょう。

 ちなみに「マインドフルネス」とは「宗教的な要素を取り払い、瞑想の心身に有効性をもたらす機能だけを抽出」したもので、その1つの方法が「瞑想」だそうです。早速試してみようと思いきや、ファッションページ同様、「呼吸法」についての細かな注意事項もビッシリと書かれており、瞑想前に勉強しなければならないことに辟易。「GINGER」女子たちは形から入るくらいでちょうどいいのかも? 次号ではどんなスピリチュアル企画を提案してくれるのか今から楽しみです!
(橘まり子)

 

防寒するな・パステル色を着ろ・他人に気を使え! 「CLASSY.」の花見コーデ企画が怖すぎ

 「CLASSY.」(光文社)今月号の特集は、「その仕事服、もっとオシャレにできるはず!」です。リードには「『毎日のことだから手抜きしがちで…』。わかります。でも、だからこそチャンスなんです」と相変わらず深夜のテレビ通販のようなフレーズが並んでいます。

 特集の冒頭に登場するのは「『里子、4月からチームリーダーになる』の巻」。表紙モデルでもある小泉里子が「上司、同僚、後輩、取引先…誰からも好感度が高い仕事服の正解」を探すというもの。男性は一律スーツで「ちゃんとしてる」の基準を満たすのに、女は「上司から信頼され、同僚から認められ、後輩から慕われ、取引先から好かれる」スタイルを、それこそ七変化のように提示しなければいけないなんて。好感度、きちんと感、今っぽさ……そんなに求めるならもっと金をくれ。文句を言うなら金をくれ。心の中の安達祐実がそう叫んでおります……。

<トピックス>

◎特集 その仕事服、もっとオシャレにできるはず!

◎GUでトレンド お試しの3月着回しDiary

◎ピンクでモテる お花見コーディネート

■「CLASSY.」のカップ麺に対する謎の偏見

 そう、世間が女に求める基準を満たそうとするには圧倒的にお金が足りないのです。そんなあなたに朗報。「CLASSY.」久々の着回し企画「GUでトレンドお試しの3月着回しDiary」がやってきました。「トレンドお試し」の「お試し」に、「いつもなら買わないけど……」といういやらしさが漂います。今月の主人公は「デザイン事務所に勤めるグラフィックデザイナー。一見オシャレではあるが、入院中の母の治療費や弟の学費を負担しているため、支出を切り詰めた生活を送る」という、おそらく着回し企画初の貧乏設定。主食はどん兵衛で玉の輿を夢見る29歳が、合コンを抜け出したときに遅れてきた彼と目が合って……。

 こちらの女性、家族への仕送りで生活がキツキツの割には、合コンだの合コンの反省会だの広告代理店とカラオケだの派手に遊びまくっています。時々「やばっ、貧乏設定だった」と思い出すのか、脈絡もなくどん兵衛を食べさせられる主人公。どん兵衛を貧乏のアイコンにするところ自体、世間からズレにズレた感覚です。あ、また女性誌の着回し企画につっこむなんて野暮なことを……。

 そして「留学経験もある医者」のはずのイケメン男性が、実はただの売れない絵描き志望だったことが発覚。この男性に合わせようと「近所に実家があってヴァイオリンが趣味」などと結構なウソを並べていたどん兵衛女子は、自分のことを棚に上げてドン引き。しかし、その後代理店マンとデートしても、商社マンと合コンしてもあの人のこと考えちゃう。これってもしや……そう、完全にドラマ『やまとなでしこ』(フジテレビ系)のオマージュでした。

 まぁそれはいいのですが、デイリーブランド中のデイリーブランドであるGUの着回しに、無理やりな設定を持ってこなければいけない女性誌の息苦しさですよ。これは以前掲載された、「劇団員が役作りのためにペヤング食べまくって体重増。太ってもかわいく見える着回し」企画と同じ流れ。貧乏も太ることも言い訳なしには許されない世界。同時に全身GUでもオシャレに見えるためには、美貌とスタイルとセンスがなくてはならないという、世にも悲しい真実を突き付けられたのでした。

■お花見の意義が覆る

 こなれはダメ、仕事服は好感度とトレンドを両立させろ、太るな、安い服はあくまでお試し……あまりの注文の多さに宮沢賢治センセイもびっくりの「CLASSY.」ワールドですが、まだまだこんなものじゃありません。「ピンクでモテる お花見コーディネート」はリードからしてすごい。「毎年楽しみでもあり、寒さに震える行事でもあるお花見。寒いからってオシャレに気を抜いたり、いろんな人が来るからと気合いを入れすぎたりしていませんか? 男性目線でベストなお花見オシャレの鍵は色にあります」。お花見の意義を根底から揺さぶるような物言いが光ります。

 この企画のメインは、こういった危うい企画で論拠にされてしまう男性座談会です。「お花見の時って結構その人の性格が分かる気がする」「大勢の場ならみんなの食べ物や飲み物に気を使えるかどうかとか」「確かに。地面に座るガチ花見なのにミニスカートで来ちゃうコとかちょっとどうなのかな? って思う」「人のために動く気ないでしょ」と、まずは地蔵状態のミニスカ批判。さらに「あと寒いのは分かるんだけど防寒のことだけ考えました! みたいな服装も萎えるな~」「ダウンにムートンブーツにニット帽ね。春らしい桜を楽しみに来てるのに、ムード台無し」だそうです。ウサギは寂しいと死ぬなどと言いますが、女は冷えると死ぬんですよ。

 結局何がいいのかというと「花見だったらやっぱりパステル系の明るい色を着てほしいよね」「若いコが着るピンクってあざといけど、大人がさりげなく着てるとオシャレに見えるしね」とのことです。そうですか。そのセリフ、林家パー子氏の前でも言えますか。そしてあらためて最後の一文「やっぱ女性の服装は男のテンションも左右するんだよ(笑)」「そう! だから、花見にはきちんと気合いを入れて着てほしい!」に、女性が背負わされた荷物の大きさを思ったのです。

 花を見ながら、酒を飲む。そんなニッポンの年中行事であっても、男性のテンションを上げるような服装を着なければならない。誰の飲み物がないか、食べ物は足りているかチェックしなければいけないし、冷えると神経痛が出るのにわかりやすい防寒をすることは許されない。希望に満ちあふれた春の号に、絶望要素をこれでもかとぶち込む「CLASSY.」。しかし筆者の怒りや心配はよそに、読者女子たちはこう思うのでしょう。「お花見にはピンク着とけばいいのか」。だって、そこに「モテ」があるのだから。

(西澤千央)

「nina’s」に“北欧流の子育てをするママ”が登場! うっとりと「のびのび子育て」を語る

 2カ月に1度やってくるママたちのオシャレ確定申告、「nina’s」(祥伝社)のお時間です。特集は「家族が笑顔になるおうちづくり」。「nina’s」では定番の“オシャレは家から”企画。今号も自然あふれる広い庭、古民家リノベーション、パパのお手製ブランコ、標準装備の落書き用黒板など、期待を裏切らないお宅が大集合。なにより素晴らしいのが、それぞれの家につけられたキャッチフレーズで「築50年の鎌倉古民家を再生。家族の笑顔で命を吹き込む」「前オーナーの思い出も継いだ、英国風な葉山のリノベハウス」「森の中に建てた、DIY好きパパの遊びが詰まった木の家」……。しみじみ思いました。オシャレ民、葉山と鎌倉に吸い寄せられすぎ。オシャレパパ、家づくりで遊び心発動させすぎ。

<トピックス>

◎特集 家族が笑顔になるおうちづくり
◎のびのび賢く育つ「北欧の子育て」って?
◎車でおでかけday スナップ

■「北欧」と「nina’s」の危険なコラボ

 他人である前オーナーの思い出を引き継ぐのはかなり勇気がいることだと思うのですが、特集のキャッチフレーズは「素敵な家にはストーリーがある!」。「nina’s」では高いブランド物より、祖母、母と受け継がれたアンティークのワンピースにこそ価値がある。「前オーナーの思い出」が「念」に思えて「なんか怖ぇ~」などとのたまう輩(※筆者)に、オシャレな家を語る資格はありません。

 さて、家づくり特集でもオシャレママパパたちの口からしばし語られる、「子どもをのびのびと育てたい」という思い。「nina’s」お家特集名物・大人が先回りして作る「子どもの秘密基地」もその思いが結晶化したものでしょう。そんな「nina’s」読者が大好きな「のびのび」を冠するページが、「のびのび賢く育つ『北欧の子育て』って?」。「のびのび」に加えて、個性派オシャレママたちの昇天ワード「北欧」が入ってるんだから奥様、どうかご覚悟を。

 「実際に北欧で子育てされている方や、北欧人と結婚されご家庭に北欧流の子育て術を取り入れている方の生の声」と「専門家のお話」で構成されているこの企画。「平日の朝食は夫が担当。夕食はほぼ私が作りますが、夫は食事の片付けや皿を洗浄機に入れたり子どもをお風呂に入れて、ベッドで絵本を読んだりしてくれます」「休日は夫がいつもより豪華な朝食を用意してくれ、掃除機もかけてくれます」「スウェーデンはほとんどの家庭が共働きなので、『主婦』という言葉がありません。男性も家事や育児をするのが当然なので、『イクメン』という概念もあり得ないです。『育児を手伝う』って日本独特な言い方だと思いますね(笑)」……事実をありのままに、しかしどこかうっとりと勝ち組の風を漂わせながら語るジャパニーズママin北欧。

 「特にスウェーデン流の子育てを取り入れているつもりはない」と言いながらも、「絵を描くのが私も子どもたちもすごく好きなので、花を見ながら写生をしたり、落ち葉を拾ったらコラージュをしたり、旅行に行った思い出を描いてみたり。『このキレイな夕日をパパに見せたいから描く!』って娘たちが言い出すこともあるんですよ」と、読者ママたちが興奮のあまり卒倒しそうなクリエイティビティあふれた子育てエピソードを披露するのです。

 よくできた夫、広い家、自然あふれる環境、整った制度、子育て家庭に優しい周囲の眼差し……読めば読むほどため息しか出てこない北欧子育て記事。そりゃ子どもたちものびのび育ちますわな。これはもう一生行かないであろう「世界の三ツ星レストラン特集」と同じ気持ちで読んだほうが良さそう。精神衛生上。

 ここジャパンで問答無用に北欧を振りかざすのはもはや暴力に近いと感じると同時に、海外に赴いた日本女性が突如欧米的なものに開眼したときの「日本(笑)」といった嘲笑に、実は一番深い闇があるなと思いました。週末IKEAに行ってかりそめのスウェディッシュに浸るというのが、正しい北欧との距離感なのかも。

■3世代リンクコーデは幸せ地獄の象徴

 さて続いてご紹介するのは、みんな大好き「nina’s」街角スナップ。今号はこれがなきゃ不便な立地のIKEAに行けやしない、「車でおでかけday スナップ」。リードには「車移動だからこそできる親子ファッションや便利なアイテムなど、ママ達のおでかけの工夫が目白押し!」とあります。親子スナップもくるところまできた感ありますね。

 「四駆ファミリー」「コンパクト&軽派ママ」「ファミリーカー&セダン派」……自慢のマイカーをバッグに、微笑むオシャレ親子たち。どのママも「車移動だと防寒を気にせず思いっきりオシャレを楽しめる」と満足そう。

 通常の3倍の濃度でリンクコーデにも気合が入っています。「白ニット×キャメルで三世代リンク!」「今日は4世代でショッピングモールにお出かけ!(中略)大人は黒を基調にコーデ」など、パパはもちろん、ばあちゃんたちもリンクコーデの標的に。ばあちゃんたちは出かける前に娘(オシャレママ)から「今日は黒で」「白ニットにキャメル縛り」など本日のドレスコーデが送られてくる、まさに幸せ地獄……。

 こんな方もいらっしゃいます。車に対するこだわりは割と実用的なものが並ぶ中、こちら古着店のオーナーパパ。車種は古いメルセデスベンツ。「カセットしか聴けないのも味があって◎」なんだそうです。ドライブの強制リンクコーデを喜べるか、カセットしか聴けないことに「◎」できるか。それがこの雑誌を楽しめるかどうかのわかれ道だと痛感しました。

 家と車。幸せな家族の象徴たるアイテムをドドーンと披露した今号の「nina’s」。昭和の価値観にオシャレのガワを着せてポップに見せるのが天才的にうまい「nina’s」の真骨頂がいかんなく発揮されておりました。オシャレなママと呼ばれるためには、ファッションも家も車も子どもも夫もばあちゃんもオシャレでなければいけない。やっぱりたまにIKEAでミートボールにジャムつけて食べるくらいがちょうどいいかな……。
(西澤千央)

高橋一生の腕毛は“甘い情緒”なのか? 「an・an」官能特集がまさかのドンデン返し!

 今週の「an・an」(マガジンハウス)のテーマは、「大人の女は知っている、官能の流儀」。ファンの間では言わずもがな、表紙ではあの高橋一生がヌードになり、裸の外国人女性に抱きつく姿を披露しています。

 14ページにもわたるこちらの冒頭特集。アンニュイな表情をしたヌードの高橋一生が、時折素朴な笑顔を見せながら、女性とハグやキスをしたり、あんなことやこんなことをしたりしています。ちなみにさきほどTwitterで「高橋一生」と検索しようとしたら、サジェストで「腕毛」と出ました。「腕毛」って!

 つぶやきをのぞいてみると、「顔に似合わず腕毛が濃いところ、男らしくて素敵……」派と、「こんなに腕毛濃かったの? ないわー」派の2つに世論が分かれておりました。筆者は見ていてまったく気にならなかったのですが、世の女性ってそんなに男性の腕毛を気にするものなのですか!? 少し不安になりました……。

 なんにせよ、「この腕毛の濃さはアリか、ナシか?」なんて平和な論争を起こせるのは、いまの日本では彼1人だけに違いありません。高橋一生の注目度、恐るべしです。さあ、早速中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎大人の女は官能の嗜み方を知っている。
◎告白。私が男に官能を感じる瞬間。
◎官能カルチャー最前線。

■セックス特集ではなく、「官能」特集
 毎年夏頃に、「セックス特集号」を発売する「an・an」ですが、今回は「官能」と、あえて「セックス」とは区別したテーマを設定しています。冒頭にある漫画家・峰なゆかたちの解説を読むと、どうやら「an・an」のいう官能とは、肉体的な快楽を露骨に追い求めたりアピールしたりせず、知性や強さ、慎みを備えたところにある甘い情緒ということがわかります。ということは、高橋一生の腕毛もまた、“甘い情緒”ということでしょうか。

 夏のセックス特集では、食い気味に「性衝動に正直になろうぜ!」「ガンガンセックスしようぜ!」なんて提唱していたのに、大違いですね。そういえば、その後の号でも、「同世代の男はダメだから大人の男がいい!」などと言った2カ月後に、「やっぱり年下の男を育てるのが一番」などと言い出したり、「an・an」的イデオロギーはこのところ、変化が激しいご様子です。

■モロに色気を出さないのが「an・an」流
 「私が男に官能を感じる瞬間。」という特集には、「真冬で物凄く寒い日の寝起きに、冷えた500mlのペットボトルの水を一気に飲み干したりする瞬間。」という意見があり、思わず1人でツッコみました。そんな男、めったにいなくないですか!? しかもそこに官能を感じるなんて、通すぎる気も……。さらっと読み飛ばし、「意中の人を虜にする“媚薬”的活用術。」にいってみましょう。

 こちらの特集では、「香りつきの紙を名刺入れに入れておき、名刺交換のときにふんわり香らせて印象づけする」「バーカウンターでお酒を頼むときは、指先を可憐に見せる脚つきのグラスのお酒をチョイス」「寝間着をスリップにし、色気を高める」などのアドバイスが掲載されていました。大人は露骨なアピールはせず、香り、酒、ランジェリーを用いつつ、日常のささいなひとコマでさりげなく男性の心をつかもう! ということなのでしょう。

 そして「an・an」らしく、カルチャー面からも官能に迫っていましたよ! 編集部の熱を感じた「小説で浸る、官能の世界。」では、作家・花房観音などの著名な文化人が7人も登場し、おすすめの官能小説を3冊ずつ紹介しています。どの作品も扇情的なシーンが抜粋されており、読んでいてドキドキしました。「世界も認める日本の誇り!? 官能カルチャー最前線。」では、江戸幕府公認の遊郭であった吉原や、最近は女性人気も出てきたストリップショーなどが紹介されています。

■結局、モロに迫った方が手っ取り早いの?
 そんな多方面から官能を探求する「an・an」ですが、最後に、「男が女に官能を感じるとき。」という男性100人へ実施されたアンケートが面白い結果になっていたので紹介します。

 それは「女性に官能を感じるのはどんなとき?」という質問に対する回答で、「日常の何気ない仕草を見たとき」が52%、「色気ムンムンで迫られたとき」は48%と大接戦していました。今週号は、まず女性が男性のする「日常の何気ない仕草」に官能を感じていることをあらためて示唆し、男性にも露骨でないアピールをして官能を感じさせようと、推しに推していたわけです。しかし、そういったアピールが好きな男性と同じくらい、「モロな色気」にグッとくる男性がいるとのこと。また「女性に官能を感じるパーツは?」という設問の1位は胸で、コメントに「男にとって女性の胸は生きる糧に匹敵」とあり、直接的すぎてもはや脱力感すらあります。ひょっとすると、「an・an」の提唱する官能と男性の思う官能には、ズレがあるのかもしれませんね。

 「an・an」編集部のみなさん。ここまで紹介しておいてアレなのですが、男性の心をつかむにはもう、まどろっこしいことをせず、バーン! と色気を出した方が、手っ取り早くはあるんじゃないですかね? そういう特集も見てみたいので、よろしくお願いします!
(小麦こねる)

「Domani」、100人中99人を見捨てる婚活企画が登場! でも誰も結婚できなそうなワケ

 「Domani」(小学館)3月号、「野獣アイドルから、大人の男へ。たくましくて優しい、こんな年下彼氏がいたら…(妄想)」なんて大胆な文章から始まる企画がありました。しかも、「素顔のテギョン(2PM)に大接近」と続けてきたので、裸に脱がせたのかと思いきや、しっかりお洋服をお召しになっていましたよ。残念! しかし、相変わらず年下男子に「Domani」はうつつを抜かしてますね。年下男子との妄想企画が、隔月くらいの勢いで、手を替え品を替え登場しているのを見ると、よっぽど読者に人気があるのでしょう。

 そんなお気楽隔月(のような)企画とは正反対に、こちらの隔月企画「高島彩のしごと日和、こそだて日和」はどんだけ「真面目かっ!」。仕事と母親業の両立について、仕事は「私のわがまま」だから「仕事以外の用事なんて家族に申し訳ない、と美容院にも行けませんでした」と語り、ベビーシッターの利用についても「これまで何度も二の足を踏んでいた」と、それはそれは生真面目に語っていて、“シッターを頼む自分”を必死に正当化するような内容でした。

 逆に、高島さんは今まで、フルタイムで働くワーキングマザーについてどう思っていたのでしょう。フルタイムでもそうでなくても、シッターさんを上手に利用して夫婦でデートしたり、気晴らししてる「母」はいっぱいいますよね。いくら旦那さんが、会社勤めの男性より時間が融通できる職業だとしても、シッターさんや保育園、ジジババの助けなしに「母」が働くのは難しいと、高島さんはやっと実感したようです。それにしても、この連載、女性からの好感度が落ちそうですけど、この路線でいいんでしょうか?

<トピックス>
◎宣言!週に2回は「湯シャン」でいい!
◎35歳からの「結婚できる」体質改善トレーニング
◎Domaniダイエット倶楽部、結果発表!

■結婚できる人は100人に1人
 先月号の読者アンケート企画にて、未婚比率が47%と判明したせいでしょうか? 今月号では婚活特集が見参です。その名も「35歳からの『結婚できる』体質改善トレーニング」。読者のケツを叩くように、タイトルに付けられた文章も熱がこもっていて、「枯れてる場合じゃないし、こじらせてるならなお問題」「結婚に対する基本姿勢を立て直し、幸せをつかむための方法をお届けします!」とのこと。

 まずは結婚できないタイプを、仕事好きすぎ体質・プチバブル体質・フェロモン女子体質・趣味こじらせ体質と4つに分けたところで、次ページから実践アドバイスがスタートします。カリスマ婚活アドバイザーと、その指導を受け40過ぎで結婚した編集者・Tが対談しながら、極意を伝授しているのですが、その前に、カリスマアドバイザーと編集者Tが語る“現実”も……。

「35歳を過ぎてから結婚できる人は100人に1人」(カリスマアドバイザー)
「現実を受け止められない人や自分を変える気がまったくない頑固な人は、正直、結婚させるのは難しいんです」(カリスマアドバイザー)
「全国の結婚相談所に登録している男性のうち6万人から40人選んでお見合いを申し込んだんです。でも1件も成立せず、婚活市場での自分の価値を思い知りました」(Tさん)

 なんでも、Tさん、このカリスマ氏と初めて会った席で号泣したそうです。初っ端から読者を置いてきぼりにするほどの、カリスマ氏への心酔ぶりがどうも気になりますが、読み進めましょう! するとありましたよ、秘蔵テクの教えが! 「結婚できるファッション」「結婚できるメーク」「結婚できるしぐさ」「結婚できる香り」……ここで、緊急事態発生です。なにひとつカリスマ氏ならではのテクが見当たりません……。

 例えば、「面白くて笑うときは口に手を当てて『プフッ』とかわいらしく」「トレンドや自分の好みはひとまず忘れて、最大公約数の男性が好む外見で」って、そんなのスマホで婚活サイト見ればいくらでも書いてありますよね。

 とにかく、カリスマ氏の言葉を要約すると、婚活服は「衣装」、仕草は「演技」! そんなふうに挑めってことですね。「結婚できる人は100人に1人」と断言するだけある、通り一遍のテクでした。ここで「Domani」にご提案。100人のうち1人を救うより、99人向けの「お一人様」企画作って~! 

■キラキラサポーター、偽りの経歴疑惑
 「5人が3ヶ月チャレンジでいちばん変わったこと」、そんなリードとともに、「Domaniダイエット倶楽部、結果発表★」です。皆さん、さまざまな方法により、体重やおなかまわり、ヒップのダイエットに大成功でございます。ダイエット方法は、「知ってはいるけれど実行できない」ということを、ただ単にきちんと実行しただけのため、ここでは省略。それよりも、自炊写真やトレーニングウエア、それらは「これでいいのか?」と気になりました。

 というのも、全然キラキラじゃない! 「Domani」といえば、みんなに「キラキラ女子」と思われて困ってるんですよね!?  なのに自炊写真は、「あぁ自分だけが食べるのね……。親近感湧くは、この感じ」という雑さだし、トレーニングウエアはナイキのCMやいわゆる雑誌に出てくる美ジョガー風ではなく、ただただ黒い。中学ジャージみたいなのを着ている人もいるんですが、写真の撮り方が悪いだけ? あんなにフォトジェニックの企画をやってきて、なんですかこの手の抜きようは! そんなとこばかり小姑のように気になってしまいましたが、そういう細部が媒体に統一感をもたらすと思うのです。

 もう1つ、キラキラ女子を疑うような企画が「宣言!週に2回は『湯シャン』でいい!」。たしかに「タモリ式入浴法」でも、「湯船に10分つかれば汚れの80%は落ちるから、石鹸、ボディソープは使わない」とあり、それを福山雅治やローラなどなども実践し、お肌ツヤツヤを維持しているとウワサの時代。美髪アドバイザー田村さんの「1日の汚れの7~8割はお湯だけで落ちると言われています」の言葉も支持されそうです。週に2回どころじゃなく、毎日湯シャンもイケそうですよ!

 しかーし、「読者組織・Domaniサポーター300人に聞いた!」によると、「Q.シャンプーの頻度は?」「A.2日に1回」の人がすでに6.7%もいるんですけど! これは湯シャンではなく、ノー洗髪デーですよね……? こんなに洗わない人がいるとは「Domani」のキラキラに偽りありですよ。

 しかし残念ながら、田村さんいわく「理想はもちろん『毎日ブラッシングし、きちんと洗って、頭皮用美容液で保湿、マッサージすること』」ですって。やっぱりね。「大人の髪と頭皮をいたわり、時短にもなる」湯シャンって、聞こえはいいけど、これって、結婚が遠のく気がしませんか……? カリスマ氏、教えて~!
(白熊春)

“いい病院の見分け方”特集に「主治医に恋した」読者体験手記を持ってくる「婦人公論」

  今号の「婦人公論」(中央公論新社)の特集は、「生きがいとお金を得て輝く人」です。キャッチコピーには「一生現役の時代が来た!」とあります。延びる寿命、なくなる年金……悠々自適な老後なんて、もはや夢か幻。しかしリードの「少しでも収入を増やしたい」「けれどお金のためだけに働くのは味気ない」「達成感や生きがい、新たな出会いなど、収入以外の何かもほしいはず」って、ちょっと欲張りすぎ!! 回答者平均年齢62.4歳の読者アンケート、「あなたが働くのは何のため?」の回答の第1位が「生活のため」。2位の「社会と繋がりたいから」以外は、「自由に使えるお金が欲しいから」「子どもの学費のため」「老後が心配だから」と、全てマネーなモチベーション。20歳前後から働き始めて、65歳くらいで定年、労働から解放されたその後の生活を「老後」と呼ぶのなら、今後はもう悠々自適な「老後」どころか、「老後」という概念すら無くなっていくような予感がします。

<トピックス>
◎特集 生きがいとお金を得て輝く人
◎夏木マリ「好きなことを続けるために私は、お金から目を背けない」
◎巻末特集 いい病院、悪い病院の見分け方

■うっとりと精神論を語ることでがっぽり稼ぐ人たち

 先の読者アンケート、「現在の月収は?」を見ると「10万円以下」が圧倒的に多くて43%。「得られる収入にばらつきはあるものの、おおむね収入に対する不満は少ない」とのことで、ここで急に不安に襲われます。持ち家で、ある程度は年金や貯金があってのこの金額だから「不満は少ない」わけで、「家なし年金なし貯金なし」世代が“老後”になったときはどうなるのか。「家なし年金なし貯金なし」の1人として一句詠ませていただきます。「生きがいも 出会いもいらない カネをくれ」。

 さて、「婦人公論」の特集の傾向として、ガッチガチの実用に重きを置く系と、インタビューを中心にしたマインド系と2パターンありますが、今回の「生きがいとお金を得て輝く人」は後者。あのお家騒動バッシングから不屈の美白精神で立ち上がった君島十和子がド根性美容論を語り、脳出血で現在リハビリ中の河合美智子がそれでも演じずにはいられない女優魂を語り、レキシとみうらじゅんがサブカル界隈で生き残る術を語る。はっきり言いましょう……これ一般の人ひとっつも参考になんねぇな(カミナリのフルツッコミ風に再生)!! 特殊な業界のさらに特殊な人々ですからね。お金は後からナンボでもついてきましょう。

 しかし、この特集は「お金」だけでなく「生きがい」も求める、老後の働き方指南。そう考えると、やはりうっとりと精神論を語ってもらうほうがいいのでしょう。夏木マリの「好きなことを続けるために私は、お金から目を背けない」を読んでそう思い直しました。

 大ヒット曲「絹の靴下」を引っ提げてキャバレー回りをしていた20代、思い切って演劇の世界に飛び込んだ30代、理想の舞台を追い求めてストイックになりすぎた40代、お金の大事さに気づきバランスの取れる仕事法を模索し始めた50代、そして今。「本気でおもちゃで遊んだ子どもの頃のような感覚に戻れるのが、まさに60代なのではないか。だから60代以降は遊びの適齢期、遊ぶチャンスだと思いませんか」「自分の肩書きは『プレイヤー』だと考えています。遊ぶ人です! これからも本気で遊びたいと思います」と高らかに宣言する夏木。60歳を「ロクマル」と呼び、人生の分岐点を「チェンジマインド」という夏木マリを、一生現役のお手本に……やっぱりどう考えてもなんねぇな!!

■いい病院・悪い病院ではなく、面倒な患者がメインに

 寿命が延びても、健康でなければ働けない。来るべきセカンドライフに向けて気になるのは、巻末特集「いい病院、悪い病院の見分け方」です。先ほどの「一生現役」企画と対照的にガチガチの実用ページが並びます。「危ない病院と医師を見極める13のチェックポイント」「夫・大橋巨泉の最期に今も悔いが残ります」「<覆面座談会>医療のプロが打ち明ける『こんな病院には絶対に行きたくない』」。そりゃそうです。人の命がかかっているんです。しかし特集最後のページを見て、膝からガックリ崩れ落ちました。察しのいい方はもうおわかりでしょう。「<読者体験手記>主治医に恋して」。恋!?

 「病で心身ともに弱ったとき、一番の心の支えとなるのは担当医!? 信頼が特別な感情へと変化することも珍しくないようで……」という言い訳リードに導かれながら紹介されている、2篇のホスピタルラブストーリー。特に注目は、52歳・主婦による「がん宣告で落ち込んでいた私の心の支えとなったのは、夫ではなく、純粋でお茶目な年下の外科医だった」です。セカンドオピニオンで訪れた病院で出会った2人。自分の言うことにイチイチ頬を赤らめ、本来看護師が担当するような身の回りの世話までしてくれる担当外科医。その様子を見て態度を急変させ、主婦にキツく当たり続けるベテラン看護師、そして手術後の一番つらい状態なのにデリカシーのない言葉ばかり浴びせる夫……平日13時半の東海テレビ制作の昼ドラ枠がまだあったら、即採用されそうな話なのに!!

 「『ちょっと傷口を見せてください』と、ベッドサイドに腰掛け、私のパジャマのボタンをはずし始めました。そんな大胆なことをしながらも、先生の顔は真っ赤です」「私は、先生の両手に自分の手を重ねて……」といったエピソードが延々とつづられています。そして極め付きはこちら。退院の前日、ベテラン看護師から受けたさまざまな嫌がらせを告白し、「イスから立ち上がり、握りこぶしを作る」ほど怒りに満ちた外科医を、「もう7か月経ちましたから、時効です。その看護師さんの名前も言いません」となだめる女性。いやいや、けしかけたのオマエやないか~い。

 こんな昼ドラ的愛憎の間に「『あんた美人だから、診察の時間が私よりも長いんじゃない?』とからかわれることがありますが」「一回りくらい若く見られることもあるけれど」と、自らのプロフィールを挟むことも忘れない。「婦人公論」っぽいといえばそれまでですが、どんなつらい状況に置かれても「生」と「性」への強い業からは逃れられない。いや、こういう心持ちこそ病に打ち勝つ活力の源なのかもしれません。病院特集にこの体験手記を持ってきた「婦人公論」の奥深くも生々しいメッセージにしばし言葉を失いました。
(西澤千央)