「Domani」、アラフォー141人のスナップ特集で判明した「ららぽーと」な雰囲気

 新年あけましておめでとうございます。毎号、媚びない企画が多い「Domani」(小学館)は、今年もその路線で進むようです。新年からなんとも背筋が伸びるような企画がありましたよ。それは、「スタイルある女が『してること』「してないこと』」。スタイルある女として登場しているのは、元「Domani」モデル・五明祐子さんをはじめ、ファッションエディター、スタイリスト、ファッションディレクターと、アパレル業界の有名勢が勢ぞろい。みなさん「してること」「してないこと」はもちろん、自分に「似合うもの」「似合わないもの」もハッキリわかってます。こうした賢者による格言、例えば「“好きな色”と“肌映えする色”なら、迷わず後者を選ぶ」「くすみがちな肌は赤リップで明るく見せる」などは年齢対策的に参考になるんですが、「似合う、似合わないの先にある、自分が目ざす自分でいられるか否か(で選ぶ)」というのは、一体……。「獺祭 磨き その先へ」みたいなことですかね……。

 しかし、こうした「スタイルある女」たちは「Domani」やアラフォーが読む「日本のファッション誌」はどう見えているのでしょう。洋服で悩む時代はとっくに終わった彼女たちにしたら、まだ流行やブームを意識して迷走する読者と誌面って、ねえ……。あ、でもスタイルある女が「してないこと」に、「ファッション誌を参考にしない」っていうのはありませんでしたよ!

<トピックス>
◎スタイルある女が「してること」「してないこと」
◎働く女性141人の冬服SNAP「やめた→変えた」おしゃれ
◎犬山紙子の「ピッカピカの! ワーキングマザー一年生」

◎休刊クライシスも考えよう
 今月号の企画は、「働くアラフォーに聞いた『安くていいもの』『高いけどいいもの』」「働く女をラクにした!家電&日用品33」など、この半年に見たことあるような企画がズラッと並んでいます。……筆者の記憶違い?  「Domani」ネタ切れ!?

 そんな中、犬山紙子さんの連載「ピッカピカの! ワーキングマザー一年生」では、「産後クライシスでは片付かない『夫が嫌い』問題」に言及。産後クライシスの文字が、「Domani」に出てくるのは初めてだと思いますけど、これは今後の布石になりそう。例えば、「犬山さんの連載に大反響があったため急遽、産後クライシスについて語ろう」みたいな展開になる気配を感じます。

 それにしても「産後クライシス」、確かに最近よく耳にするようになりました。犬山さん連載の冒頭部分を抜粋しますと……。

「『正直子供を産んでから夫が嫌いになったという人の話をよく聞くのだけど、それは産後クライシスだからで片付くものじゃないことが多い。「子供ができたけど俺はこれまで通り」が通ると勘違いして、妻の犠牲を見て見ぬ振りをして。そりゃ嫌いになって当たり前だよ。いつか妻子に会えなくなる危機感ないのかな』と先日つぶやいたら7,200RT、“いいね”は1.1万、このつぶやきを見た人は100万人弱とかなり拡散されました」

「さらに先日、WEB Domaniの編集長と博報堂キャリジョ研の方とのトークイベントで『WEB Domaniで子供は大好きだけど夫が大嫌いという悩み相談のページのアクセス数がかなり高かった』という話を聞きまして」

 と、小島慶子さんを彷彿させる、熱い語りでございます。母強し。ポスト慶子。Twitterで届かなかった人(筆者含む)にも、こうして誌面で届いていますし、「Domani」の公称部数を加えると150万人くらいにはリーチしたのでは? 犬山さん、さすがヤリ手のエッセイストだけあり、金になりそうなネタを見極めるセンスは一流。今後は、聞いたことのない肩書の専門家(産後クライシスカウンセラーとかですかね)との対談、それを書籍化……まで道はできてそうですね!

筆者、東京・世田谷に住みながらも、「Domani」のファッションページで見るような服装の女性を拝見することがほとんどない毎日なのですが、「働く女性141人の冬服SNAP!」を見て一安心。うん、みんなこういう感じだよね!

登場している女性の印象はなんというか、「ちょっと身なりに気を使ってるアラフォー」といったところで、「ららぽーと」にもチラホラいそうな感じ。ホッと安心しました。「Domani」誌面にいるような仕事バリバリ! ファッション隙ナシ! 髪もネイルもドヤサ! 食も美容も最先端でっせ! みたいな女は、実際浮きますよ。特に地方都市では。もちろん、本人が好きなら胸張って楽しむべきですが。でも、服を買うにもお財布との相談があるし、会社の暗黙のルールや目線もありますし、実際はそう買えないのよ。

このスナップ企画は、「街のアラフォー世代が『今、本当に着ているもの』が知りたい」と編集部が思って始まったとのことなので、「ららぽーと」「イオンモール」なリアルをどう今後反映していくのか気になりますね。
(白熊春)

「GINGER」、“女が惚れる女”のファッションで大迷走!? 「もはや仮装」のトホホな展開に

 ドラマ『失恋ショコラティエ』(フジテレビ系)の小悪魔ヒロイン・サエコさんを皮切りに、映画『シン・ゴジラ』ではバイリンガル米大統領特使カヨコ・アン・パタースン、ドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール』(日本テレビ系)ではド派手ファッション女・河野悦子、そして現在放送中のドラマ『アンナチュラル』(TBS)では悲しい過去を持つ法医解剖医・三澄ミコトと、個性的で癖のある役柄を演じ続けているさとみ。

 どの役も高評価で、まさに今月号のインタビューページに添えられたキャッチコピー「変幻自在。いつも真新しい女(ひと)」通りの演技力に脱帽です。しかし、その姿を読者に対して「自由」で「媚びない」生き方として提示してしまうのは、ちょっと違う気もします。だって彼女は女優の仕事を全うしているだけだから……。もし職場に毎日まったく違うイメージの女がいたら、「自由でカッコイイ!」とあこがれるどころか、「情緒不安定なのかな?」「迷走してるのでは?」と心配になっちゃいますよね。それでは、早速中身を見ていきましょう~。

<トピックス>
◎強さと女っぽさのベストバランス
◎夏木マリという生き方
◎強運にのる9のアクション

■媚びたくないのに媚びてしまう

 最初に見ていくのはメインファッション企画「強さと女っぽさのベストバランス」です。こちらも今月の特集テーマを念頭に「同じ女性で惚れこんでしまうような、キレ味のいい女っぽさはどうすればいいの?」と始まります。「必要なのは、甘さ控えめな色っぽさ」だそうで、「メンズ風味な服をレディに着る」「色で少量のエッジを加える」「柄モノでも品をキープ」といったアドバイスは、まあ、わかります。ゆるいシルエットのカーゴパンツもアシンメトリーの小花柄ワンピースも、可愛い。

 しかし「プレーンな服に小物だけ超トレンド」「甘ディティールは“大袈裟”がルール」「セオリー度外視の自由なMIX感」あたりから、よくわからなくなってきます。紹介されている「コルセットベルト」「ジョッキー帽」「BIGボウ(ボウタイリボン)」といったアイテムは、一般人には使いこなすのが難しそう。一歩間違えば仮装アイテムです。でもオシャレに着こなせていれば女モテ……するのか? とりあえず、男モテは完全に捨ててそう。

 「GINGER」女子が恋愛下手なのは過去のさまざまな企画により明らかですが、ここにきて唐突な「女が惚れる女」特集。ついに恋愛を捨てたということなのでしょうか。まあ、恋愛なんてしたい人がすればいいわけで、趣味みたいなものですから、それは別にいいのです。ただ、やはり「GINGER」女子は「誰かにあこがれられたい」という欲求は捨てきれないものなのですね。もちろん「こんな人になりたい」という目標を立てるのは悪いことではありません。最初は真似をすることから始めるのもいいでしょう。しかし、もっと自由な気持ちで、自分が好きだったり似合う服を着たり、自分の好きなことをすることが、結果として周りの人々から好感を持たれるのではないか、と思わずにいられません。というか、他人に好かれるような服や行動を選択することは、それこそさとみに投影している「媚びない」イメージとは魔逆で、「媚びてる」ってことなのでは……。

 続いてインタビュー企画「夏木マリという生き方」を見ていきましょう。はい、出ました。「GINGER」お得意の極端すぎる企画。「女が惚れる女」の代表格として夏木マリを出してきました。いや、わかるけど! 間違ってないような気がするけど!! 大御所・夏木マリに出てこられた日にゃあ、もう誰も何も言えないじゃないですか!? 

 「私たちも夏木さんに惚れています!」とコメントを寄せているのはシシド・カフカ、LiLiCo、土屋アンナ、香里奈の4名。濃い……。そしてダメ押しの専属モデル・山田優との特別対談。いやもう、読む前からお腹いっぱいです。「この仕事を選んだ時点で普通じゃない満足しない、厄介な性分」「100を目指すから満足しない。一生、その繰り返しなのよ」と次から次へと繰り出す名言に平伏すことしかできませんが、「GINGER」読者へのメッセージが大変に勇気づけられるものでしたので、ご紹介しますね。

 「自分があって、らしく輝けるモノを着ることが一番大事。ただ、ここに来るまでは、私も散々失敗や無駄遣いをしました。失敗しないと本当に自分が好きなものはわからない。GINGER読者もまだまだ失敗していいんですよ」……いやあ、言葉っていうのは、何を言うかではなくて、誰が言うのかが大事なのだと実感しますね。もう、いっそ、夏木マリに「GINGER」の編集長になってもらえばいいのではないでしょうか。

■ゲッターズ飯田の無駄遣い

 最後に見ていくのは「強運にのる9のアクション」です。おなじみ「芸能界最強占い師・ゲッターズ飯田」が2018年上半期の開運のヒントを教えてくれるということで期待高まります。「2018年は、美人の年」ということで「老若男女、誰からも愛される女性を目指す」のが良いそうです。そのヒントはというと、「美人になれる香りを纏う」とのことでティファニー、シャネル、ディオールの新作香水が紹介されているほか、「メイクはポイント1点主義で」と、ローラ メルシエのアイライナーやスリーの口紅が、そして「上質なものを身の回りに置く」ということでSK‐Ⅱが……って、まさかの広告記事!? しまいには開運ヒント「ゴルフをはじめる」って、それ、「GINGER」にゴルフ連載があるからでは? “美人”は関係なくない? っていうか、ゲッターズ飯田必要だった??

 「GINGER」のスピリチュアル企画が、割りといつも雑なのは、なぜなのでしょうか。読者が現実主義だからなのか、はたまた頭でっかちで考えすぎてしまうタイプのため「心で感じろ!」系の企画がウケないせいなのか……。アラサー女性はスピリチュアルが好きなんでしょ! という世間一般のイメージに媚びる必要ないし、ほかの女性誌がみんなやってるからって、自分が好きじゃないなら無理して企画しなくていいよ、と思う筆者でした。
(橘まり子)

夫選びを妥協しても「26~27歳で結婚」すべし? 「non・no」結婚特集がモヤモヤする理由

 今月の「non・no」(集英社)の表紙は嵐! 毎号メンバーが2人ずつ登場する巻頭連載「2/嵐(アラシブンノニ)」が10周年を迎えるということで、12ページの拡大スペシャルだそうです。女子大生にもやっぱり人気なんですね、嵐。今月号には、映画『未成年だけどコドモじゃない』の宣伝として、同じくジャニーズアイドルのSexy Zone・中島健人とHay!Say!JUMP・知念侑李の対談企画も掲載されています。やはり保守的なノンノ女子は、オラオラ系のEXILE派よりも王子様系のジャニーズ派なのでしょうか? それでは、早速、中身を見ていきましょう~!

<トピックス>
◎盛れる! 細見え! 寒くない! 真冬の優勝コーデ
◎non・noカワイイ選抜のアガる「冬イベ」勝負服SNAP
◎26~27歳で結婚した先輩が20歳の時にしていたこと

■唐突な「優勝」ワードが気になる

 まずは、今月号のメインファッション特集は「盛れる! 細見え! 寒くない! 真冬の優勝コーデ」を見ていきましょう。「誰より可愛くおしゃれになって、『優勝!』って言われちゃお(ハート)」と言っているのですが……はて? 「優勝」とは? この「優勝」っていうワード、どっから出てきた? いくら考えてみても、赤裸々なセックス体験談をつづるTwitterアカウント「暇な女子大生(@bored_jd)」による隠語「優勝=セックス」しか思い浮かびませんでした。

 年末には、この「暇な女子大生」の体験談を元にしたテレビドラマも放送されましたが、すでにブームも下火になりつつありますし、それをいまさら? というか、そもそも保守的で貞操観念が高いノンノ女子たちに限って、「優勝=セックス」の隠語を使う? あと考えられるとしたら、これから始まる平昌オリンピックにかけたとか……いや、それは無理やりすぎないか。

 結局、誌面を隈なく探してもヒントは得られず、何事もなかったかのように「真冬のモテ盛り(ハート)コーデ」や「XYIシルエットで毎日スタイルUP着回し30days」といった企画が繰り広げられていました。ついでに言うと、どのコーディネートが優勝したのかもわからずじまい。どなたか、女子大生の流行に詳しい方がいましたら、ご教授願います。

■石原さとみを意識できる自意識

 次にチェックするのは「non・noカワイイ選抜のアガる『冬イベ』勝負服SNAP」です。前号で「2期生」のメンバーも発表された「non・non」の読者モデルである「カワイイ選抜」。今回は、その中の「おしゃれ選抜」10名が、「年末女子会」「クリスマスデート」「同窓会」「夜遊び」といった「冬イベ」におけるコーディネートで対決しています。

 スタイリストやファッションライター、またデートコーデは男性審査員も参加して本気ジャッジ。順位もついて、前号に引き続きアイドルの総選挙並みの誌上バトルが繰り広げられていました。「バッグはちゃんとしたものを選びたい派なので、今日はバーバリーにしました」とブランドアピールする者がいれば、「ザラが好きで、今日もアウター、トップス、スカート全てザラで購入」と、“こう見えて実は全身ファストファッションなんです”アピールする者あり。「足元はパンプスではなくショートブーツを合わせて、脚を出してもちゃんと女子ウケするようなカジュアルさを出しました」と言いつつ、スタイル抜群の脚を惜しげなく披露する者がいれば、「ワントーンでまとめたコーデが好き。白の場合は着ぶくれしないように、縦のラインを意識しています」と言いながら、だからと言ってさすがにその白ニットは太っていたら着られないですよね? という突っ込み待ちな者あり。

 いやー、バチバチですね。っていうか、みんな素人なのに、こんなに強気なコメント書けてすごいなと思いました。「ドラマ『校閲ガール』の石原さとみさんを意識してみました」って! あのドラマで着てたファッションは、さすがの石原さとみでもなんか珍妙だったような!? やはり自ら「カワイイ」選抜に応募できるだけのことはあります。今後も「カワイイ選抜」メンバーの動向に期待しています。

 最後に見ていくのは「26~27歳で結婚した先輩が20歳の時にしていたこと」。タイトルからしてアラサー婚活女子に喧嘩売る気満々ですが、何を隠そうノンノ女子たちの理想の結婚年齢は「26.1歳」! 「2~3年つき合って26歳で結婚が理想」と以前より恋愛企画のアンケート等で公言していました。

 今回の調査では、現在「彼アリ」と答えた読者は53.5%と半数をやや上回る結果に。そのうち約3人に1人が、学校やサークル、バイト先等の身近な出会いから彼氏を見つけており、「出会いがない!」「周りにいい男がいない!」といった巷のタラレバ女子会でよく聞くような悩みとは無縁のようで、羨ましい限りです。また、彼アリ読者のうち8割以上が「現在の彼と結婚したい」と答えており、もしかしてまだ学生だから結婚に夢見がちで、頭がお花畑状態なのかも? と思い、「結婚相手に求める条件」も「ずっと恋人同士のような関係でいられる」「記念日を大切にしてくれる」なのかな……と思いきや、実際には「居心地のよさ」「一般常識がある」「金銭感覚が合う」「自分への愛情」「仕事への理解」など、現実的でまっとうな回答が上位にランクインしました。

 さらに今回は、「26~30歳で未婚の人」にも同様のアンケートを実施するという鬼畜ぶりを見せる編集部。「20歳の頃に考えていた結婚相手の条件は?」という質問には、「居心地のよさ」「一般常識がある」といった現役ノンノ女子と共通する回答とともに「ルックスがいい」「高収入」といった条件がランクインしているのが特徴です。また「結婚願望はなかった」という回答も見受けられました。しかし「今、結婚相手に求める条件は?」と問われると、「性格」「金銭感覚」「食事の好み」など、一緒に暮らす上での現実的な回答が上位を占め、8割以上が「結婚へのプレッシャーを感じる」と答えています。

 一方、「26~27歳で結婚した人」にもアンケートを実施しているのですが、「夫は、理想のタイプ?」という質問になんと約6割の人が「NO」と答えているんです。そして「収入や貯蓄額」「ルックス」「ファッションセンス」を妥協した、という意見が多く挙がっていました。さらに「結婚を決めたきっかけは?」という質問には、「居心地のよさ」「交際期間の長さ」とともに、「26~27歳で結婚するのが理想だったから」という本末転倒な回答がランクインしていることに驚愕!! 要するに、これらの結果を総合すると、高望みをすると理想年齢での結婚は難しいから妥協しろ、と言いたいのでしょうか? 現実的と言えば現実的ですが、なんだか20歳前後のノンノ女子たちに対して、必要以上に「結婚できないかもしれない」という恐怖心を煽っているようにしか思えません。

 また「26~27歳で結婚した人」たちの具体的な「結婚までの道のり」エピソードも紹介されているのですが、話はプロポーズや結婚式までで、まるでおとぎ話のように「めでたしめでたし(ハート)」で終わっています。ノンノ女子、とりあえず結婚できればそれでいいのか? 26歳で理想通りに結婚したとして、その先の人生まだまだ長いよ!? たぶんあと3倍くらいある!! 現実的なのか夢見がちなのかよくわからない結果にモヤモヤだけが残りました。
(橘まり子)

「Zipper」休刊、そして主婦の友社買収……動乱の2017年女性誌トピックスを徹底分析!

 雑誌不況時代の現在、2017年も休刊や廃刊となった女性誌が続出した出版界。しかし、市場が狭まる中、売上が好調な女性誌も存在しているのもまた事実。そんな今年の動向の総まとめを、女性ファッション誌の研究歴21年、『新社会学研究』(16年創刊、新曜社)の編集同人である甲南大学・栗田宣義教授にうかがった。

 

女性誌版元の雄・主婦の友社買収が象徴すること

――今年、最も印象的だった女性誌に関する出来事を教えてください。

栗田宣義氏(以下、栗田) なんといってもTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が出版社の主婦の友社を買収すると発表したこと。これはファッション誌業界において、すごく大きな意味を持っていると思います。

というのも、主婦の友社は女性向け雑誌を多く手掛ける老舗出版社で、「Ray」(88年創刊)や「mina」(01年創刊)や「S Cawaii!」(00年創刊)、その他にも主婦の友社の支援を経て復刊された「小悪魔ageha」「姉ageha」などがあります。日本の女性向け雑誌版元の良心ともいえる存在だったんですね。

――CCCの狙いはどういうところにあるのでしょうか。

栗田 CCCは動画配信サービスなどが流行している昨今、レンタル事業を中心に行うTSUTAYAの店舗が続々閉店に追い込まれるなど苦戦しています。しかし、新規展開の蔦屋書店に関しては、16年の販売額が約1308億円だったり、書籍を扱う店舗数が800軒を超えるなど書店としては急成長を遂げています。CCCは主婦の友社のほかにも、徳間書店や美術出版社を買収し、傘下に入れています。そういう意味で、CCCは今後の書店展開において、出版社買収によって足りない部分を充足させようという意欲的な行動なのでしょう。しかし、CCCも紙媒体での女性誌運営はまだまだ未知の領域でしょうから、そこが懸念する点ですよね。主婦の友社の編集権が今まで通りなのかも含め、持ち前の雑誌のカラーがきちんと今後出せるのかなど、動向を見守りたいと思います。

CCCは現在、ネットでの情報発信が中心です。主婦の友社の優秀な編集スタッフを、CCCのネットマガジンなどに投入して展開していくというのは予想できますが、果たしてそれが成功するのか。今まで休刊した雑誌の多くは「ネットに力を入れるから、紙媒体はお休み」というパターンが多いのですが、その後に成功しているかというと、必ずしもそうではありません。

――主婦の友社も、買収されるくらい厳しい状況だったと?

栗田 今年上半期のABC販売部数公査(以下、ABC公査)で数字を見てみると、なかなか厳しいんですよね。「Ray」「mina」ともに4万6,000部。「S Cawaii!」にいたっては3万4,000部なんです。ほかの赤文字系の数字を見てみますと、「CanCam」(81年創刊、小学館)は10万部、「JJ」(75年創刊、光文社)が6万3,000部、「ViVi」(83年創刊、講談社)は8万8,000部。赤文字系で唯一5万部を割っていたのが「Ray」ということになりますね。また、「mina」が競合する「non-no」(71年創刊、集英社)は12万6,000部ですから、その3分の1くらいの実売しかなかったということになります。これを見ると、「Ray」「mina」ともにかなり他誌に水をあけられていたことがわかります。ファッション誌は5万部を割ると厳しいといわれている中、主婦の友社の雑誌はすべてそうでした。そうするとやはり、相当の整理が生じてくる可能性があります。今もっとも苦しいのは、雑誌刊行を主体とした版元なのは間違いないですね。

――そんな中、好調な女性誌はあるのでしょうか。

栗田 やはり宝島社は強い。旗艦誌である「sweet」(99年創刊)が26万部。ボーイッシュファッションの先駆的存在「mini」(00年創刊)が14万部、「SPRiNG」(96年創刊)が12万部と圧倒的な部数を誇ります。「リンネル」(10年創刊)を含めた4誌がファッション誌ランキングのベスト4までを独占していますが、いずれも有名ブランドとコラボレーションした豪華付録付きの雑誌ばかりです。

しかし宝島社以外は弱いのかといえばそうでもなく、集英社はかつて20世紀には100万部を誇った「non-no」が13万部弱、「MORE」(77年創刊)が12万部、「Seventeen」(68年創刊)が14万部と好調で、“女性誌の集英社”のプライドにかけて部数を守っている印象です。ほかにも「MORE」のライバル誌である講談社の「with」(81年創刊)は10万部、「VERY」(95年創刊、光文社)は8万6,000部ですから、集英社や講談社、小学館に光文社といった大手老舗出版社はいずれも踏ん張っている印象です。なので残念ながら主婦の友社のひとり負けといった印象。他の老舗出版社はファッション誌以外に、漫画などの売れ線分野を持っています。主婦の友社は女性誌に特化した出版社でしたから、戦いに負けてしまった理由はそこにあるのかもしれません。

――ローティーン誌に関してはいかがでしょうか。

栗田 新潮社が強いですね。「nicola」(97年創刊)が15万部で、この数字は3年前と変わりません。子どもの数が減ってきている中、市場が小さくなっているのに数字が横ばいどころか上向きというのは驚異的なこと。ということは「nicola」を読む小学生の比率が増えているということになります。ほかにも姉妹誌である「ニコ☆プチ」(06年創刊・隔月刊)は7万部なので、足したら22万部。この数字は宝島社の旗艦誌「sweet」の26万部に近いですが、「sweet」は購買層が20〜30代と幅広いのに比べ、「nicola」は10代前半と狭いですからね。世代への浸透率がすさまじいのがよくわかります。

ここから読みとれるのは、「nicola」や「Seventeen」などのティーン誌は、ファッション系統が細分化されていないこと。赤文字系や青文字系やストリート系、すべて網羅しています。ですから、そういう意味でファッションの流行へ対応がしやすいのでしょう。

――ファッション系統が細分化しているほうが厳しいということでしょうか。

栗田 そうなります。4~5年前にギャル雑誌の休刊が相次いだわけですが、今年は、古着リメイクで一世を風靡し、月刊から季刊になっていた「Zipper」(93年創刊、祥伝社)が休刊を発表。またゴスロリファッションの代名詞だった「ケラ!(KERA)」(98年創刊、ジェイ・インターナショナル)が紙媒体での発行をやめ、デジタル版に移行しました。つまり今年はストリート系雑誌の休刊が相次いだといえます。同じくファッション専門誌である「装苑」(36年創刊、文化出版局)も部数が下火で隔月刊化しました。文化出版局は大学や専門学校を背景に持った大きな会社ですから、今後も旗艦誌として発行はしていくのでしょうけれど。隔月というのは、賢い選択ではあるんですよね。月刊ですと編集部も第一編集部、第二編集部というように複数並行体制が必要になってきますが、隔月なら1つで大丈夫ですし、色んなメリットはあると思います。

――ストリート系の雑誌が休刊になってしまったのは、そっち系のファッションが飽きられてきたからなのか、それとも違う何かを読んでいるのか、どっちなのでしょうか。

栗田 WEARやインスタグラムとか、アプリのほうに行ってるんでしょうね。雑誌を買わないからといって情報にお金を払わないのではなく、いままで雑誌代に支払ってきた分が通信料に代わってきたということが言えます。SNSの情報充実度はすごいものがあり、何人かのインフルエンサーをフォローしていれば情報は十分、というのが現在です。特にストリート系ファッションを好む女子は、情報収集が活発で上手な層なので、雑誌への見切りが早かったのでは。逆に「non-no」などを読む層は、保守的だから、一番最後まで雑誌を買い続ける客層がしっかりついているのではないでしょうか。ですので、集英社が「Seventeen」を読む層を囲い込み、そのまま「non-no」、さらに「MORE」へと移行させていくように、新潮社も「nicola」を読む層を囲い込んで、そのまま少女たちが大人になった際に読む雑誌を自社のファッション誌にスライドさせるべく新雑誌を創刊していけば安泰でしょう。

 

アイドルがファッションモデルに抜擢される動きは今後も続く?

――「MORE」といえば、いち早く元AKB48の篠田麻里子さんを専属モデルに抜擢し、成功した印象があります。現在ではAKB48や乃木坂46、欅坂46のメンバーたちが続々とファッション誌の専属モデルになっていますが、この動きは今後も続くのでしょうか。

栗田 女性アイドルが女性誌の専属モデルをすることは、女性票を獲得するのに有効なやり方です。実際「Ray」の専属モデルである乃木坂46の白石麻衣さんは、今年2月に出版した2nd写真集『パスポート』(講談社)が推定売り上げ23万部という莫大な数字を叩き出しましたが、同写真集は女性の購入者が多いことでも話題となっています。これはファッションモデルをやることによって、女性票を獲得した証しと言えると思います。雑誌の実売数に関して、現役女性アイドルの出演がどれだけ具体的に貢献しているのかの特定は難しいですが、どの雑誌に出るかによって影響力が違ってきます。ですので、そういった話があればどこでも出ますという時代では無いでしょうね。

栗田 2017年の総まとめとしては、ファッション系統ごとにカテゴライズされた雑誌を成立させるのが、難しくなってきた時代だということがいえるでしょう。これからは、ファッション総合誌が売れていた、90年代半ばの頃に回帰していくのではないでしょうか。総合誌が良かった時代といえば、「non-no」が100万部発行されていた95〜96年あたり。それが90年代終わりになると、ギャル系やストリート系など雑誌が細分化され、総合誌である「non-no」の部数が落ちてきたという流れがありました。しかし今はまた、「non-no」や「MORE」のように、総合的な側面を持つ女性誌が生き残るだろうということがいえます。

――ファッションだけでなく、情報も充実した、保守層に好まれる内容の誌面づくりということですね。

栗田 これまでは、出版社という枠組みを超えて、赤文字系雑誌、青文字系雑誌とカテゴライズすることが可能でした。一時の「cancam」など赤文字系雑誌は、4つ子かなというくらい内容が似ていたりもしましたが、今後はそういうこともないでしょう。現在、宝島社が他社の女性誌と一線を画しているように、出版社ごとの個性が際立ってくる流れになるのではないでしょうか。雑誌の作り手である編集者のアイデアやスキル、人脈が効いてくるようになり、そういう意味では出版の本来の紙という在り方が生きる時代になるのでは。“編集部がすばらしいから雑誌が売れる”を体現しているのが新潮社でして、ローティーン誌の市場が活況だというわけではないのに、売れているというのはすごいことですからね。

――出版社と編集の底力が試される市場になる、ということですね。

栗田 赤文字系、青文字系、ストリート系、ギャル系といったファッション系統の多様化バブルが、90年後半から10年後半の、ほぼ20年続いていたわけですが、今年はその終焉といえるのでは。00年代初頭から06年くらいまでは、ファッション誌バブルで各社が参入し、ファッション誌の数が一番多く、一番雑誌を買う層である10代後半から25歳の若年層向けの雑誌が35誌ほどありました。しかし現在では10誌ほどがなくなり、25誌くらい。ファッション誌を作れば売れるだろうという時代は終わり、弱い雑誌は淘汰され、現在は“本物”が残っているといえます。しかし、今後はさらに淘汰される可能性があり、将来的にはおそらく10数誌になるでしょう。そこに入れるか試されるのが2018年だと思うんですね。やはりそういった時にファッション誌以外にヒットジャンルを持つ集英社、小学館、講談社、光文社といった大手老舗出版社の底力は強いわけでして。そういう意味で女性誌に特化していた主婦の友社の買収は、時代を象徴する出来事だったのかなと思います。

(取材・文/犬塚左恵)

 

栗田 宣義(くりた・のぶよし)

1958年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業、社会学者、甲南大学教授。専門分野はファッションとメイクの社会学、ポップカルチャーの社会学など。女性ファッション誌の研究歴は21年、『新社会学研究』(16年創刊、新曜社)の編集同人。近著に『マンガでわかる社会学』(オーム社)がある。

「Domani」の「アラフォー婚活」ルポ、後悔と失敗まみれ! 寂聴は「離婚推奨」のカオス

 「Domani」(小学館)1月号、新カバーモデルは小泉里子さんに決定したようです。蛯原友里さんがカバーを務めてたときの、甘~い印象とはまったく異なり、クールな表紙に仕上がっています。小泉さんが10月までカバーモデルを務めていた「CLASSY.」(光文社)と似てるような……当たり前ですね。ちなみに「CLASSY.」は最近甘い雰囲気の表紙で、なんだか「Domani」っぽくなってきてます。

 先月号までは、「ハンサム系」「フェミニン系」「こなれ系」とファッションを3種に分けていましたが、今月号からはどうやら「カジュアル系」の一本推し。「カジュアル」イメージの強い小泉さんをカバーモデルに迎え、そこに「Domani」の「大人の女」らしさをふりかけ、「大人のカジュアル通勤服」を仕掛けてくるようです。この戦略方針、吉と出るか凶と出るか! 

 それにしても、「大人のカジュアル通勤服」って難しいですよね。「体型お悩み別、おしゃれ術25」にもありますが、「洋服でカバーしたいところは?」は「お腹、ヒップ、太もも」がトップ3。「『最近変わってみたな…』と思う体型の変化は?」は、「やせにくくなった」「太った、太りやすくなった」「お腹の肉が出ている」で過半数を占めています。要は、年々、ぽっちゃり、もしくは、ゴツくなってきているんですね。ぽっちゃり×カジュアル×加齢。それは危険な香りしかしないっ!

<トピックス>
◎小泉里子、Domaniの“顔”になります。
◎できる女の仕事服はきちんと感よりカジュアル感!
◎アラフォーの婚活がうまくいかない理由

■年末年始の酒の肴にどうぞ!
 「アラフォーの婚活がうまくいかない理由」ですって。う~ん、「働くいい女」ならば、仕事同様、「うまくいかない理由」は、とっくのとうに分析済みだと思うのですけど……。それを踏まえてのビンタ企画!?

 Part1では、「アラフォー婚活 悲喜こもごもリアルレポート」と題しまして、「2 週間でやれるだけやってみました アラフォーに勝算のある4つの婚活を厳選!“結婚こじらせ女子”のガチ婚活ダイアリー」があります。パチパチパチパチ~! 37歳メーカー専門職の方が、「40代女性でも怖じ気づかない」「自分のフィールド」である、「(40代の成婚率が高い)結婚相談所」「個室プチお見合い」「寺コン」「婚活居酒屋」に殴り込み! よし、アラフォーのホームで勝利をもぎとってこい!

 さて「結婚相談所」では、仕事がデキるアドバイザーに「仕事を極めてきたように、結婚も極めるつもりで頑張りましょう」「結婚も仕事と同じ!努力すればちゃんと幸せになれます」と、仕事=結婚と言われ、契約ダン! 初期費用の18万円をご献上。

 が、実際の紹介は2週間後からとのことで、今回の特集では結果出ず。残念! しかし、ライザップ、いやいや「結婚相談所(サンマリエ)」では「疑似お見合い体験」なるものをやっていただけるようです。早速、体験したこの女性「自分の話と仕事の話ばかり。アラフォー女性にありがちなクセです。男性と張り合おうとせず、謙虚に相手の話を聞きましょう」と叱られる……の巻。

 次に向かった「個室で8分間×9人の男性と話す」という「個室プチお見合い」では、「話が弾んだ男性にマッチングを希望するも玉砕。いい感じだっただけに衝撃…」と肩を落とします。マッチングがうまくいかなかった点を反省するのかと思いきや、「『本気で結婚したいですか?』など核心をつく質問をすればよかったと後悔」との答えを導き出す始末。えーっと、この8分間は、核心をぶち込む、じゃなくて、「もっとこの人と話してみたいな」と、マッチングにつながるようにお話することが正解ですよね? 誰かこの方にアドバイスを……! アドバイザー来てーーー!

 その後の「寺コン」でも突っ込みどころ満載なことが起きていますが、割愛。ぜひ誌面でご確認を! 最後は、「2週間ではデートまでこぎつけられなかったけど、自分のこじらせ具合が見えただけでも大進歩!」と、スーパーポジティブに幕は閉じています。このヤル気のままクローズまで持ち込んでもらいたい! 応援したくなる!

 また、Part2「婚活アプリ編 アプリ婚活リアル“後悔”誌上再録」や座談会「リアルな成功者に聞きました!『結婚してから、相手を好きになればいい!」も、控えめに言って読み応え抜群。女友達と年末年始に集うときこれが1冊あれば、盛り上がること請け合いですよ! ただ、気になるのは、「女性側」からの一方的な記事になってるので、3カ月くらいの男女密着プロジェクト(ダイエット特集みたいな)や、「覆面男子座談会」をやってみてもらいたいなと。でもそれって、ガラスのハートが砕け散る可能性大。婚活市場と読者を忖度ですね~。

 「働く女性の先駆者・瀬戸内寂聴さんに聞く 大人の女にとっての“自立”」。「現役の作家であり僧侶でもある瀬戸内寂聴さん。戦後の激動を乗り越え、仕事に恋に生きた30代、40代。時代を超えて、働く女性の共感を集め続ける寂聴さんから、ドマーニ世代へのエールをいただきました。」ですって。不倫の報道が多かったこの1年。どのようなお話が聞けるのでしょうか?

 誌面側と寂聴さんとの対談形式で話は進みます。「未婚の読者からは、結婚したくても失敗がするのが怖くて恋愛に踏み込めなくなってきた…という声もあります」に対し、「今は、離婚なんてもう女の勲章!」と軽く檄を飛ばしてきます。よし、とりあえず結婚してみよう! サンマリエ行こう! このお説法、婚活特集の布石だったのか!

 恋愛に続くは仕事の話。「働くアラフォーにとっては、後輩世代とのコミュニケーションも悩みのタネ。ここ数年、20代スタッフ2名との体制で仕事を楽しんでいる寂聴さんに、気を付けていることを尋ねてみると、『ない!』と即答」とのこと。インタビュアーさんの遠い目が見える……! 「みなさんがそんな気を使っても、相手はそれを知らないでしょう(笑)? だから気を使うだけ損ですよ。そんなところで疲弊するよりも、自分の能力を存分に発揮することが、会社なり組織のためになるというものです」。間違いないっ! だけど……その心境にはまだなれない……あと50年生きたら見える境地なのか?  いや、その頃にはもう働いてないことを祈りたい!

 肝心の「自立」については、最後に壮大すぎる愛の説法が。「これからの人生、もつべきものは、やっぱり愛する力。それは恋愛にかぎりません。人を愛し、愛されるということが、いちばん生きている実感があると思います。ただし、相手に利息をつけて愛を返してほしいと求める愛は、本物ではない。ほかのだれかを自分よりも愛すること。相手が幸せになることを望むゆとり。それがあれば、どんな時代でも自立した心をもっていられます」。

 幸せホルモンを分泌させるために、動物やアイドルなど愛する対象を持つというのは、聞きますが、寂聴さんが言うには「人」限定。そんなところに95歳を感じますね~。わかっちゃいるけど難しいのよ、それは! これも、あと50年生きりゃわかることなのか? その前に仏門も叩かねばならないのか?
(白熊春)

 

「1人映画は恥ずかしい」炎上を経て……「GINGER」女子の“自意識過剰”が大暴走!!

 去る11月、とあるネット記事が炎上騒動を起こしたのを知っていますか? 「映画をひとりで観ても哀しくならないテクとは? ~独女時間の正しい過ごし方~」……そう、何を隠そう、我らが「GINGER」(幻冬舎)のwebサイト「GINGER web」の記事です!  1人で映画を見たいけれど、周囲の人々に「あの人さ、ひとりで観にきているんだね、えらいよね(=かわいそう)」と思われるのがイヤ! というなんとも自意識過剰な内容。「おひとりさま」と思われないように、「館内が薄暗くなった予告編の【途中】から他のお客さんの邪魔にならないように、そっと端っこの席に静かに座る」「3D眼鏡で周りの状況や視線をシャットアウト」「映画エンドロールの途中で、身をかがめてこっそり立ち去ろう」などなど、思わず「それ何の修行だよ?」とツッコミたくなるような「ひとり映画術」が紹介されています。

 もちろんネットでも「遅れて入って来たり、エンドロールの途中で帰るなんて迷惑」「そもそも映画館に来る人は、映画を見に来ているのであって、客席に誰がいるのかなんてことは気にしていない」「1人の何がいけないの? 1人=寂しい人みたいな考えがダサい」「いい歳して1人で行動もできないとか痛い」と批判コメントが噴出。以前から「GINGER」女子の“自分軸のなさ”は指摘していましたが、これほどまでだったとは頭を抱えてしまいました。今月の本誌はいかに!? 早速中身をチェックしていきましょう〜!

<トピックス>
◎贅沢は素敵だ!
◎お気に入りジュエリーがあれば、いつだって印象美人(ハート)
◎幸せのカタチと、見つけ方

■雰囲気ポエムで押し切る「贅沢」特集
 今月の「GINGER」のテーマは「贅沢は素敵だ!」ということで、「一生モノのコート」「一点豪華バッグ」「ダイヤモンド」などラグジュアリーな商品や、「美食」「自然」「旅」など「センスを刺激する『贅沢体験』」を紹介。「倹約は美徳」「ボーナスの使い道は貯金」と言った価値観を持つというアラサー読者に、「そんな生き方で、本当に幸せになれる?」と問いかけます。「『今』の投資が『未来』を変える」「価値ある贅は、女は美しく輝かせる」という編集部による煽りコピーもさることながら、この特集の何がすごいって、冒頭3ページが丸々全部、著名人たちによる格言(?)なんですね。

「私にとっての贅沢は、人との出会いがすべて。――女優 黒木瞳」「“お気に入り”とともに時を重ね、風合いを慈しむこと。――タレント・女優 MEGUMI」「何年経ってもすぐに蘇る、鮮烈な記憶。――タレント・モデル 田丸麻紀」「ものじゃない、心や五感で感じること。――アーティスト 清川あさみ」「心から満ち足りること。例えばショコラを口に含んだ瞬間。――フリーアナウンサー 田中みな実」「生きていることが、もうすでに贅沢。――歌手・モデル・女優 土屋アンナ」……

 一体これらの格言(?)から何を受け取るのが正解なのか。白背景にこれらの格言(?)がオシャレに配置されたせいで、“ほぼ空白”という贅沢な構成の誌面を見つめながら、しばしフリーズしてしまいました。これまで、このレビューで、「GINGER」女子は頭でっかちなところのある優等生女子で、コスパ重視の現実主義な部分が強めと何度か指摘しましたが、突然こういった「考えるよりも感じろ!」方向へ極端に振り切った企画を入れ込んでくるんですよね。そりゃ、こんなに振れ幅が大きかったら、読者も何が自分の軸なのか、いつまでたっても確立できないだろうよと思ってしまいました。

 続いて「お気に入りのジュエリーがあれば、いつだって印象美人(ハート)」を見ていきましょう。カルバン・クラインのジュエリーを纏ったアラサーOLの香里奈が、4つのシーンを演じます。シーン1では「付き合って2年目」の彼氏とカフェデート。「会うだけでドキドキする気持ちはなくなってきたけれど、一緒にいるとホッとできる、大切な人。」とのことで、「GINGER」を読んでいて初めて「安定した彼氏」という存在が出てきたような気がします。前号の“恋愛LINE企画”では、中学生レベルのコミュニケーション力を露呈していた「GINGER」女子だっただけに一安心。「今年の誕生日に彼が選んでくれた、特別なジュエリー」を身に着け、ゆったりとしたニットスタイルで穏やかな休日を演出します。

 しかしシーン2では一転、ドレスアップして夜の街へ繰り出す香里奈。「もうアラサーだし、合コン相手に過度な期待を持ったりはしない(笑)」「メイクアップのお直しとエレガントなジュエリーは最低限の女のたしなみ。第一印象はいい方がいいし、男の人だって一緒にごはんを食べるなら、きれいな女性と食べたいよね?」と、いざ「合コン」へ! シーン1とのテンションの落差に面食らいますが、結婚前のアラサー女子にとっては、どちらの立場も経験し、共感できる恋愛あるあるシーンなのでしょう。もしくは彼氏がいたとしても、まだ結婚の話が出ていない段階では合コンくらい行く……という“アラサー女子あるある”なのかもしれませんが。

 シーン3では、大学時代の親友たちと「毎月恒例のおしゃれ女子会」へ。「チェックの目が厳しい女友達だからファッションにも手は抜けない!」と気合を入れて、めかしこむ香里奈。そして最後のシーン4では、オフィスで「デスクワーク」。「恋人の存在や将来の結婚も大事だけれど、同じくらい大切なのは、仕事の充実。」「結婚しても子供を産んでも、働き続けていたいと思っている。」と急に熱く語り出します。「だから職場環境や人間関係には人一倍敏感」だそうで、同性の先輩が「それ素敵ね」とほめてくれたジュエリーは、「私を“デキる女”に見せてくれるお守り」と締めくくります。

 彼氏、合コン相手、女友達、職場の同性の先輩……一緒に過ごす相手や場面に合わせて、コーディネートや見せる自分を適宜変えられる姿は確かに“印象美人”なのでしょう。もちろんTPOに合った服装はマナーですし、相手への最低限の気遣いは必要だと思いますが、「相手にどう見られるか」「相手にどう見られたいか」「こうした方が相手も喜ぶはず」という意識ばかりが強くなり、ややひとりよがりな印象も受けました。本人は気を使っているつもりなのかもしれませんが、冒頭の炎上記事同様、自意識過剰と思われても仕方ないかも!?

 最後に見ていくのは「幸せのカタチと、見つけ方」です。またしても冒頭2ページを使って、精神科医の名越康文氏から、「なりたい自分になるため」の「ネガティブな思考をプラスに変換する8つの思考」が羅列されています。「期待を半分にすることが、自分らしく過ごす第一歩」「ありのままを認めて自分目線で考えよう」「未来を考えるのはポジティブなときだけ!」「ひとりの時間こそが逆に孤独感を解放させる」「世間的な基準よりも納得できる道を選ぶ勇気を持って」などなど、まあ、どこかで一度は聞いたことのあるような紋切り型のアドバイスばかり。というか、「GINGER」女子たちが、最初から「1人の時間」を楽しめるようなタイプだったら、1人で映画だって余裕で楽しめますからね!

 次ページからは、著名人のインタビュー。女優の安達祐実は、脚光を浴びた子役時代から、女優へのステップアップに苦労した20代の時期を経て、現在、公私共に充実した日々を送っている自身の半生について語っています。「彼に出会って、私の人生すべてが変わった」「(夫と)出会うまでは、自分を労らず、今考えるとめちゃくちゃな生活をしていました」「美味しいものを誰かと一緒に食べることがこんなにも幸せなんだって人生で初めて気がついたんです」「今は主人にとって私がいる意味があれば、それでOKかなって思うようになりました」とのこと。確かに“幸せ”をつかんではいると思うのですが、それって結局は、良きパートナーと巡り合えたおかげ? それはもはや運なのでは? とついつい穿った見方もしてしまいます。

 書籍の表紙を担当するなど、イラストレーターとして活躍する松尾たいこさんは、30代でイラストレーターに転身。それまでは「人の意見に流されるタイプ」で、なんとなく「地元の会社に勤めて」いたそうですが、「すごく仕事ができる先輩が会社を辞めた」ときに、人生を真剣に考え直し、以前から好きだった絵を本格的に学びたいと学校に通い始めたそう。最後に登場するのは、オグシオの愛称で親しまれたバドミントンの元オリンピック選手で、現在はインストラクターや解説者、タレントとしても活動している小椋久美子さん。「現役引退後、どん底まで落ちた」時期もあったけれど、「ある人に“頑張る努力を放棄している”と言われて目が覚めました」と語ります。そこから活動を再開し、現在のキャリアを築くまでになったそう。

 3人に共通するのは、自分らしく生きられるようになったきっかけは、自分の中ではなく、他人の言動にあったということです。「ありのままの自分を肯定しよう」「自分を好きになろう」「自信を持とう」と言葉で言うのは簡単ですが、もしかするとそれって、自分1人で考えても解決しない問題なのかもしれません。「GINGER」女子たちに必要なのは、他人にどう見られているかを気にして自意識過剰になったり、逆に相手に喜んでもらおうという気持ちから周囲に気を使うことではなく、ただ他人の声に耳を傾けて対話をする、ということなのかもしれないな、と思いました。
(橘まり子)

「1人映画は恥ずかしい」炎上を経て……「GINGER」女子の“自意識過剰”が大暴走!!

 去る11月、とあるネット記事が炎上騒動を起こしたのを知っていますか? 「映画をひとりで観ても哀しくならないテクとは? ~独女時間の正しい過ごし方~」……そう、何を隠そう、我らが「GINGER」(幻冬舎)のwebサイト「GINGER web」の記事です!  1人で映画を見たいけれど、周囲の人々に「あの人さ、ひとりで観にきているんだね、えらいよね(=かわいそう)」と思われるのがイヤ! というなんとも自意識過剰な内容。「おひとりさま」と思われないように、「館内が薄暗くなった予告編の【途中】から他のお客さんの邪魔にならないように、そっと端っこの席に静かに座る」「3D眼鏡で周りの状況や視線をシャットアウト」「映画エンドロールの途中で、身をかがめてこっそり立ち去ろう」などなど、思わず「それ何の修行だよ?」とツッコミたくなるような「ひとり映画術」が紹介されています。

 もちろんネットでも「遅れて入って来たり、エンドロールの途中で帰るなんて迷惑」「そもそも映画館に来る人は、映画を見に来ているのであって、客席に誰がいるのかなんてことは気にしていない」「1人の何がいけないの? 1人=寂しい人みたいな考えがダサい」「いい歳して1人で行動もできないとか痛い」と批判コメントが噴出。以前から「GINGER」女子の“自分軸のなさ”は指摘していましたが、これほどまでだったとは頭を抱えてしまいました。今月の本誌はいかに!? 早速中身をチェックしていきましょう〜!

<トピックス>
◎贅沢は素敵だ!
◎お気に入りジュエリーがあれば、いつだって印象美人(ハート)
◎幸せのカタチと、見つけ方

■雰囲気ポエムで押し切る「贅沢」特集
 今月の「GINGER」のテーマは「贅沢は素敵だ!」ということで、「一生モノのコート」「一点豪華バッグ」「ダイヤモンド」などラグジュアリーな商品や、「美食」「自然」「旅」など「センスを刺激する『贅沢体験』」を紹介。「倹約は美徳」「ボーナスの使い道は貯金」と言った価値観を持つというアラサー読者に、「そんな生き方で、本当に幸せになれる?」と問いかけます。「『今』の投資が『未来』を変える」「価値ある贅は、女は美しく輝かせる」という編集部による煽りコピーもさることながら、この特集の何がすごいって、冒頭3ページが丸々全部、著名人たちによる格言(?)なんですね。

「私にとっての贅沢は、人との出会いがすべて。――女優 黒木瞳」「“お気に入り”とともに時を重ね、風合いを慈しむこと。――タレント・女優 MEGUMI」「何年経ってもすぐに蘇る、鮮烈な記憶。――タレント・モデル 田丸麻紀」「ものじゃない、心や五感で感じること。――アーティスト 清川あさみ」「心から満ち足りること。例えばショコラを口に含んだ瞬間。――フリーアナウンサー 田中みな実」「生きていることが、もうすでに贅沢。――歌手・モデル・女優 土屋アンナ」……

 一体これらの格言(?)から何を受け取るのが正解なのか。白背景にこれらの格言(?)がオシャレに配置されたせいで、“ほぼ空白”という贅沢な構成の誌面を見つめながら、しばしフリーズしてしまいました。これまで、このレビューで、「GINGER」女子は頭でっかちなところのある優等生女子で、コスパ重視の現実主義な部分が強めと何度か指摘しましたが、突然こういった「考えるよりも感じろ!」方向へ極端に振り切った企画を入れ込んでくるんですよね。そりゃ、こんなに振れ幅が大きかったら、読者も何が自分の軸なのか、いつまでたっても確立できないだろうよと思ってしまいました。

 続いて「お気に入りのジュエリーがあれば、いつだって印象美人(ハート)」を見ていきましょう。カルバン・クラインのジュエリーを纏ったアラサーOLの香里奈が、4つのシーンを演じます。シーン1では「付き合って2年目」の彼氏とカフェデート。「会うだけでドキドキする気持ちはなくなってきたけれど、一緒にいるとホッとできる、大切な人。」とのことで、「GINGER」を読んでいて初めて「安定した彼氏」という存在が出てきたような気がします。前号の“恋愛LINE企画”では、中学生レベルのコミュニケーション力を露呈していた「GINGER」女子だっただけに一安心。「今年の誕生日に彼が選んでくれた、特別なジュエリー」を身に着け、ゆったりとしたニットスタイルで穏やかな休日を演出します。

 しかしシーン2では一転、ドレスアップして夜の街へ繰り出す香里奈。「もうアラサーだし、合コン相手に過度な期待を持ったりはしない(笑)」「メイクアップのお直しとエレガントなジュエリーは最低限の女のたしなみ。第一印象はいい方がいいし、男の人だって一緒にごはんを食べるなら、きれいな女性と食べたいよね?」と、いざ「合コン」へ! シーン1とのテンションの落差に面食らいますが、結婚前のアラサー女子にとっては、どちらの立場も経験し、共感できる恋愛あるあるシーンなのでしょう。もしくは彼氏がいたとしても、まだ結婚の話が出ていない段階では合コンくらい行く……という“アラサー女子あるある”なのかもしれませんが。

 シーン3では、大学時代の親友たちと「毎月恒例のおしゃれ女子会」へ。「チェックの目が厳しい女友達だからファッションにも手は抜けない!」と気合を入れて、めかしこむ香里奈。そして最後のシーン4では、オフィスで「デスクワーク」。「恋人の存在や将来の結婚も大事だけれど、同じくらい大切なのは、仕事の充実。」「結婚しても子供を産んでも、働き続けていたいと思っている。」と急に熱く語り出します。「だから職場環境や人間関係には人一倍敏感」だそうで、同性の先輩が「それ素敵ね」とほめてくれたジュエリーは、「私を“デキる女”に見せてくれるお守り」と締めくくります。

 彼氏、合コン相手、女友達、職場の同性の先輩……一緒に過ごす相手や場面に合わせて、コーディネートや見せる自分を適宜変えられる姿は確かに“印象美人”なのでしょう。もちろんTPOに合った服装はマナーですし、相手への最低限の気遣いは必要だと思いますが、「相手にどう見られるか」「相手にどう見られたいか」「こうした方が相手も喜ぶはず」という意識ばかりが強くなり、ややひとりよがりな印象も受けました。本人は気を使っているつもりなのかもしれませんが、冒頭の炎上記事同様、自意識過剰と思われても仕方ないかも!?

 最後に見ていくのは「幸せのカタチと、見つけ方」です。またしても冒頭2ページを使って、精神科医の名越康文氏から、「なりたい自分になるため」の「ネガティブな思考をプラスに変換する8つの思考」が羅列されています。「期待を半分にすることが、自分らしく過ごす第一歩」「ありのままを認めて自分目線で考えよう」「未来を考えるのはポジティブなときだけ!」「ひとりの時間こそが逆に孤独感を解放させる」「世間的な基準よりも納得できる道を選ぶ勇気を持って」などなど、まあ、どこかで一度は聞いたことのあるような紋切り型のアドバイスばかり。というか、「GINGER」女子たちが、最初から「1人の時間」を楽しめるようなタイプだったら、1人で映画だって余裕で楽しめますからね!

 次ページからは、著名人のインタビュー。女優の安達祐実は、脚光を浴びた子役時代から、女優へのステップアップに苦労した20代の時期を経て、現在、公私共に充実した日々を送っている自身の半生について語っています。「彼に出会って、私の人生すべてが変わった」「(夫と)出会うまでは、自分を労らず、今考えるとめちゃくちゃな生活をしていました」「美味しいものを誰かと一緒に食べることがこんなにも幸せなんだって人生で初めて気がついたんです」「今は主人にとって私がいる意味があれば、それでOKかなって思うようになりました」とのこと。確かに“幸せ”をつかんではいると思うのですが、それって結局は、良きパートナーと巡り合えたおかげ? それはもはや運なのでは? とついつい穿った見方もしてしまいます。

 書籍の表紙を担当するなど、イラストレーターとして活躍する松尾たいこさんは、30代でイラストレーターに転身。それまでは「人の意見に流されるタイプ」で、なんとなく「地元の会社に勤めて」いたそうですが、「すごく仕事ができる先輩が会社を辞めた」ときに、人生を真剣に考え直し、以前から好きだった絵を本格的に学びたいと学校に通い始めたそう。最後に登場するのは、オグシオの愛称で親しまれたバドミントンの元オリンピック選手で、現在はインストラクターや解説者、タレントとしても活動している小椋久美子さん。「現役引退後、どん底まで落ちた」時期もあったけれど、「ある人に“頑張る努力を放棄している”と言われて目が覚めました」と語ります。そこから活動を再開し、現在のキャリアを築くまでになったそう。

 3人に共通するのは、自分らしく生きられるようになったきっかけは、自分の中ではなく、他人の言動にあったということです。「ありのままの自分を肯定しよう」「自分を好きになろう」「自信を持とう」と言葉で言うのは簡単ですが、もしかするとそれって、自分1人で考えても解決しない問題なのかもしれません。「GINGER」女子たちに必要なのは、他人にどう見られているかを気にして自意識過剰になったり、逆に相手に喜んでもらおうという気持ちから周囲に気を使うことではなく、ただ他人の声に耳を傾けて対話をする、ということなのかもしれないな、と思いました。
(橘まり子)

「non・no」セックス企画はエロくない!?  女子大生の悩みに寄り添う“真っ当さ”

 今月の「non・no」(集英社)1月号ファッション特集は「12月は可愛げを盛る(ハート)」ということで、「ふわもこニット」「萌え袖」「パステルカラー」「ミニスカート」「背中あき」と、“モテコーデ”が満載。いや、可愛いんですよ……本当に可愛いくて眼福なんです! ただファッション誌というより、なんかもう“可愛い女の子たちをただひたすらに眺めることができる雑誌”という感じでして。正直これらのアイテムって、「若くて可愛い」が前提のアイテムですし、そもそも特集テーマが「可愛げを盛る(ハート)」ですからね! 「可愛げ」があるのは前提で特集組まれてますから!! ノンノ女子、前からうっすら気づいてはいましたが、自分のこと、そこそこ可愛いと思っていますよね。それでは、早速中身を見ていきましょう~。

<トピックス>
◎今、いちばん気になる女の子。新木優子を全部見せ(ハート)
◎non・noカワイイ選抜2期生はこの5人!
◎誰にも聞けなかった! 実は困ってる「Hのコミュニケーション」

■変なあだ名の裏に潜む女子の世界のルール

 今月の 「non・no」の表紙は、月9『コード・ブルー‐ドクターヘリ緊急救命‐THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)に出演するなど、今年は女優としての活動の幅を広げた新木優子。今月号では「今、いちばん気になる女の子。新木優子を全部見せ(ハート)」ということで、大特集されているのですが、気になったのは彼女の雑誌内でのあだ名が「ゆんぴょ」ということ。甘くて可愛いらしい雰囲気のノンノモデルが多い中、涼しげな目元が印象的な美人タイプの新木は、スタイルも抜群で男性からの支持も高く、決して「ゆんぴょ」なんてふざけたあだ名で気軽に呼べるようなタイプではないように感じます。

 しかしフリマで見つけたアイテムも活用する私服コーデ、プチプラコスメを使ったセルフメイク、日常で見つけた面白いものや食べた物の自撮り写真などなど、本特集で公開されたプライベートな部分は、同世代のノンノ女子が身近に感じるような内容ばかり。確かに親しみを込めて「ゆんぴょ可愛い~!」と呼びたくなってしまいます。

 同様のことは、同じく専属ノンノモデルである本田翼にもいえます。男性ファンからは「天使」とまで評されるほどのルックスを誇る彼女ですが、雑誌内でのあだ名は「ばっさー」。なんというか、面白枠のあだ名ですよね!? さらに連載エッセイやインタビューでの一人称は「本田」で、ゲームや漫画好きでオタクな一面をアピールするなど、決して美人売り一辺倒というわけではありません。また今号では、映画『鋼の錬金術師』で共演したHay!Say!JUMP・山田涼介との対談が掲載されているのですが、山田は「オレも中身を知るまでは“モデル様”だと思ってたよ。でも知れば知るほど、異性として見られなくなって(笑)」「異性としては見られないけど、友達としては最高にいいヤツ」と語っています。

 これらを見ていくと、本田が「non・no」内では、女子ウケを狙ったキャラに設定されていることは間違いありません。新木も本田も単にモデルという仕事に徹するならば、プライベートの情報を公開する必要もありませんし、変なあだ名をつけられる必要もないはず。しかし、それでは「みんなと同じ」「みんな仲良く」がモットーの保守的な女子大生であるノンノ女子たちの共感は得られず、男ウケだけを狙った女として反感を買ってしまう恐れがあるのでしょう。何気ないあだ名の裏に女の園における微妙なポジション取り戦略が見え隠れするなんて、「non・no」、意外と闇深い雑誌……しかし、Hay! Say! JUMPファンのノンノ女子は、「まあ、ばっさーなら大丈夫でしょ!」「山田に色目使うはずない」などと流してくれるものなのでしょうか。気になるところです。

 続いて気になったのは「non・noカワイイ選抜2期生はこの5人!」です。「non・noカワイイ選抜」とは、誌面や同誌webで活動する読者モデルのことなのですが、まずネーミングがすごい。オーディションに応募する時点で、「カワイイ」って自分で申告しちゃってますからね。まあ、もちろん、自分のことを可愛いと思っていないことには応募できないでしょうが、なかなかのメンタルをお持ちだと思います。

 また「選抜」「2期生」という言葉からは、アイドルグループを連想するものの、現に「non・no」の専属モデルには、乃木坂46の西野七瀬や欅坂46の渡邉理佐がいます。ノンノ読者である現役女子大生にとっては「選抜」に残るための勝ち抜きオーディションという形式は、身近で、興味を惹かれるものだったのかもしれません。

 グランプリに輝いた藤本万梨乃さんは、なんと東京大学医学部在籍! まさに才色兼備です。そのほかにも、審査員特別賞に選ばれたメンバーの中には、東京医科大学、東京理科大学と高学歴なメンバーがいました。その一方で、「青山学院女子短期大学」(来年2019年度より学生募集の停止が決定)という華やかなイメージを前面に押し出してくるメンバーも。「カワイイ選抜」といいながら、ルックスだけでなく、大学名で勝負しようとしている感があります。

 「non・no」は同じく女子大生雑誌である「JJ」(光文社)と違って、あまり大学名にこだわっていないと思っていたため、プロフィールに大学名が記載されていたことは意外でした。しかし、その中に1名、「私立女子大」としか記載していないメンバーも。彼女がどういった意図で大学名を伏せたのかはわかりませんが、アイドルの選抜争いさながら、誌上で“大学名マウンティング”が繰り広げられていたのは間違いありません。

■セックスそのものに抵抗感あり?

 最後に、「誰にも聞けなかった! 実は困ってる『Hのコミュニケーション』」を見ていきましょう。真面目なノンノ女子だけに、性の話題はタブーな感じがしていたので、興味津々で中身をチェック。しかし「Hをしたくない時、どうすれば断れる?」「Hが恥ずかしくて、楽しいと思ったことがない」「Hが“痛い”と感じることが多い」「Hが好きじゃない私。彼を本当に好きではないということでしょうか」などなど、わりと切実な上に、やはりセックスそのものに抵抗感を覚えているお悩みが多いのが印象的でした。

 それに伴い回答も、「自分で納得せず、彼のキモチを知るのが第一歩」「周りに合わせず、自分たちらしい形でいい」など回答者に寄り添った真摯なものに。AV女優・佐倉まなでさえ、「痛さに関しては、誰にでもあることで少数派じゃないから安心して。摩擦の痛みを軽減するにはローションが効果的です」と淡々とアドバイスしています。

 読んでいても、エロい気持ちが湧いてこない特集でしたが、「男はそういうものだから受け入れよう」「こうした方が男は喜ぶ!」といったような女性側に我慢を強いる方向に若いノンノ女子たちを誘導したり、「もっと開放的になって!」と過剰に性を謳歌するように勧めるよりも、よっぽど真っ当な企画だなあ、と思いました。
(橘まり子)

男の“体目当て”をまったく見抜けない!? 「GINGER」アラサー向け片想い企画が「中学生レベル」

 「GINGER」(幻冬舎)12月号の付録は「IENA 大人の秋色ネイル4色セット」です。この秋冬にピッタリな「くすみベージュ」「くすみネイビー」「カーキ」「ボルドー」の大人色はネット上でも好評。さすが実益性という点においては右に出るものはない「GINGER」。こと付録に関しては毎回ハズレなしです! しかし本誌は相変わらず迷走続き……というか、毎号雑誌のコンセプトが変わりすぎて、パッと見では同じ雑誌とは思えません。固定読者がいるのかどうかも不安になってくる今日この頃です。

<トピックス>
◎恋もおしゃれも人生も! 最近、ドキドキしてますか?
◎LINEでドキドキする方法
◎美容資産の蓄え方

■突然のゆるふわフレーズで「ときめき」のリハビリ!?

 「GINGER」12月号のメイン特集は「恋もおしゃれも人生も! 最近、ドキドキしてますか?」。まず冒頭には、「本当に手に入れるべきものは、理屈なしに心が動く」「リップひとつで、女は生まれ変われる」「新しい私を楽しもう」といったふんわりポエムに、視線の定まらない柔らかな表情を浮かべた桐谷美玲の雰囲気写真で繰り広げられる“日常の小さな冒険”がテーマの着回しストーリーが登場しています。これまでの「GINGER」に見られた、文字情報びっしりで、所狭しと具体的なコーディネート写真が配置された、教科書のようなファッションページとは一転、まるでオシャレな写真集のようです。

 続く「大人が恋する冒険アイテム」では、なんと「着回し、コスパ、好感度……気づけば最近、頭で考えるファッションばかりに囚われていませんか? 今一度おしゃれの楽しさを取り戻すためには、ダイレクトに心を刺激する“冒険アイテム”が必要です!」と、これまでのリアル路線を一蹴。「キラキラとフワフワに心ときめく」「愛するモノに囲まれて、毎日満たされた気分に(ハート)」「女子は永遠にKawaiiものが好き(ハート)」といった、ゆるふわフレーズで彩られています。確かに可愛い誌面に気分は高まりますが、一体どうした「GINGER」!?

 さらに、レギュラーモデルの山田優ほか、ファッション通がひと目ボレ商品を紹介する「あの人をトリコにした名品リスト」、前田敦子やAAAの宇野実彩子など「GINGER」世代のタレントが趣味について語る「〇〇マニアなあなたを今、ときめかせているモノって何ですか?」といった企画でも、自分の直観や「好き」という気持ちを大事にしようと言っています。さらに、普段は男っ気ゼロ雑誌のくせに、瑛太、井浦新、菅田将暉、竹内涼真、賀来健人、そして嵐の二宮和也まで、ここぞとばかりに男性芸能人を投入しているのは、恋愛が苦手な「GINGER」女子に、まずは「ときめき」という感情そのものを思い出してもらおうという意図なのかもしれません……って、リハビリかよ!

 最後に見ていくのは「美容資産の蓄え方」です。美容業界で活躍する「年齢不詳のビューティエキスパート」たちが、その「キレイ」の秘密を大公開してくれます。「肌のポテンシャルが落ちても30代ならクリームで戻るし、自分の肌の潜在能力を知る目安にもなる。エイジング対策を考えるなら、クリームを必ず使ってほしい」「肌の調子がよくないときや、バリア機能が乱れる花粉症シーズンには積極的にタンパク質を補給」「お金をかける価値があるとすれば、美容液」などなど超具体的なアドバイスが淡々と語られています。これらの情報は、年齢不詳の美女たち(アラフォーに見えるアラ還女性など!)のお写真で、さらに説得力を増している気がします。

 商品の紹介も細かく、大変充実していて、ついついお勉強モードで読みふけってしまった同企画。「ときめき」要素はまったくないけど、めっちゃためになります。今を楽しむファッションや目の前の男性とのLINEのやりとりよりも、「30年後のお肌のために今できることを頑張ろう!」というストイック企画の方がなんとなく「GINGER」にハマっている気がするのは、筆者だけでしょうか。
(橘まり子)

男の“体目当て”をまったく見抜けない!? 「GINGER」アラサー向け片想い企画が「中学生レベル」

 「GINGER」(幻冬舎)12月号の付録は「IENA 大人の秋色ネイル4色セット」です。この秋冬にピッタリな「くすみベージュ」「くすみネイビー」「カーキ」「ボルドー」の大人色はネット上でも好評。さすが実益性という点においては右に出るものはない「GINGER」。こと付録に関しては毎回ハズレなしです! しかし本誌は相変わらず迷走続き……というか、毎号雑誌のコンセプトが変わりすぎて、パッと見では同じ雑誌とは思えません。固定読者がいるのかどうかも不安になってくる今日この頃です。

<トピックス>
◎恋もおしゃれも人生も! 最近、ドキドキしてますか?
◎LINEでドキドキする方法
◎美容資産の蓄え方

■突然のゆるふわフレーズで「ときめき」のリハビリ!?

 「GINGER」12月号のメイン特集は「恋もおしゃれも人生も! 最近、ドキドキしてますか?」。まず冒頭には、「本当に手に入れるべきものは、理屈なしに心が動く」「リップひとつで、女は生まれ変われる」「新しい私を楽しもう」といったふんわりポエムに、視線の定まらない柔らかな表情を浮かべた桐谷美玲の雰囲気写真で繰り広げられる“日常の小さな冒険”がテーマの着回しストーリーが登場しています。これまでの「GINGER」に見られた、文字情報びっしりで、所狭しと具体的なコーディネート写真が配置された、教科書のようなファッションページとは一転、まるでオシャレな写真集のようです。

 続く「大人が恋する冒険アイテム」では、なんと「着回し、コスパ、好感度……気づけば最近、頭で考えるファッションばかりに囚われていませんか? 今一度おしゃれの楽しさを取り戻すためには、ダイレクトに心を刺激する“冒険アイテム”が必要です!」と、これまでのリアル路線を一蹴。「キラキラとフワフワに心ときめく」「愛するモノに囲まれて、毎日満たされた気分に(ハート)」「女子は永遠にKawaiiものが好き(ハート)」といった、ゆるふわフレーズで彩られています。確かに可愛い誌面に気分は高まりますが、一体どうした「GINGER」!?

 さらに、レギュラーモデルの山田優ほか、ファッション通がひと目ボレ商品を紹介する「あの人をトリコにした名品リスト」、前田敦子やAAAの宇野実彩子など「GINGER」世代のタレントが趣味について語る「〇〇マニアなあなたを今、ときめかせているモノって何ですか?」といった企画でも、自分の直観や「好き」という気持ちを大事にしようと言っています。さらに、普段は男っ気ゼロ雑誌のくせに、瑛太、井浦新、菅田将暉、竹内涼真、賀来健人、そして嵐の二宮和也まで、ここぞとばかりに男性芸能人を投入しているのは、恋愛が苦手な「GINGER」女子に、まずは「ときめき」という感情そのものを思い出してもらおうという意図なのかもしれません……って、リハビリかよ!

 最後に見ていくのは「美容資産の蓄え方」です。美容業界で活躍する「年齢不詳のビューティエキスパート」たちが、その「キレイ」の秘密を大公開してくれます。「肌のポテンシャルが落ちても30代ならクリームで戻るし、自分の肌の潜在能力を知る目安にもなる。エイジング対策を考えるなら、クリームを必ず使ってほしい」「肌の調子がよくないときや、バリア機能が乱れる花粉症シーズンには積極的にタンパク質を補給」「お金をかける価値があるとすれば、美容液」などなど超具体的なアドバイスが淡々と語られています。これらの情報は、年齢不詳の美女たち(アラフォーに見えるアラ還女性など!)のお写真で、さらに説得力を増している気がします。

 商品の紹介も細かく、大変充実していて、ついついお勉強モードで読みふけってしまった同企画。「ときめき」要素はまったくないけど、めっちゃためになります。今を楽しむファッションや目の前の男性とのLINEのやりとりよりも、「30年後のお肌のために今できることを頑張ろう!」というストイック企画の方がなんとなく「GINGER」にハマっている気がするのは、筆者だけでしょうか。
(橘まり子)