「Seventeen」上野千鶴子氏、無個性JKに「日本を支えるのはあなたたち」と女性学を説く!

 「Seventeen」(集英社、以下ST)9月号は、「夏休みは毎日が勝負服 JKの夏! 無敵の着回し大作戦」ということで、私服の着回し企画が目白押し。それもそのはず、日々の大半を制服で過ごすST読者にとって、夏休みは私服のおしゃれを楽しむ絶好のチャンスなのです! しかし、毎日のコーディネートに頭を抱えていたとしても、さすがに着回し企画だけで「5本」もあるのは、なんだか多いような気がしてしまいます……。また今号では、東京大学入学式で述べた祝辞が話題になった、社会学者・上野千鶴子氏によるお悩み相談という硬派な企画がネットで話題になっていましたが、早速中身を見ていきましょう~!

<トピックス>
◎今田美桜×横田真悠オトナなシミラールック。
◎JKなんでもスコアブック
◎上野千鶴子先生×花恋×ST読お悩み相談室

「日本一おしゃれな2人組」の“普通すぎる”ファッション感

 初めにチェックするのは「ニホンイチおしゃれな2人組Notコドモななかよしコーデで夏イベ映えしよっ! 今田美桜×横田真悠オトナシミラールック。」。ドラマ『花のち晴れ』(TBS系)で大ブレークした今田と、STの看板モデル・横田が、服や小物の雰囲気と色を統一したコーディネート「シミラールック」を披露した企画です。“ニホンイチ”おしゃれな2人組ということなので、ハイセンスなコーディネートを見せてくれるのかと思いきや、スタイリストが用意した服を着ている“だけ”の普通すぎる内容でした。

 例えば「1枚でキマる花柄ワンピース」を着用した2人は、「黒だとクールに見えるもんだね」「オトナっぽいデザインだったのも、ステキでしたよね」と、さほどファッションに興味がない人でも抱く感想をコメントしています。また、バンダナ&メガネといった小物で「おしゃレトロ」スタイルにチャレンジしているのですが、「この巻き方、かなり上級者っぽくない?」「(バンダナの)結び目を下めにするのがオトナに見せるコツなのかも?」と“初心者”のような発言をしているのです。

 ファッションにあまり興味がなかったり、おしゃれに目覚めたばかりの読者にとっては、わかりやすい内容はあるものの、2人から「ニホンイチおしゃれ」な感じはまったく伝わってこず、タイトル負けの企画でした。

中身がない……1万人の女子高生のデータ!

 次に見ていく「女子高生のありとあらゆるDATAが明らかに! JKなんでもスコアブック」では、読者1万人の平均身長、平均体重、スリーサイズ、ブラのサイズ、足のサイズ、親の呼び方、共学or女子校、好きな言葉などさまざまなデータが掲載されています。

ティーン誌で“やりつくされた感”満載のアンケート企画ですが、「多様性」が叫ばれる昨今、体にまつわる平均値を計算する必要はあるのでしょうか? 小柄な人や大柄な人など、“それぞれ”の特徴に生かすファッションやヘアスタイルを提案する企画を見たいものです。

 ちなみにST読者の好きな言葉は「ありがとう」、尊敬している人は「母親」、飼っているペットは「犬」が1位とのこと。想像通りのひねりがない質問と回答の数々に、「つまらない」を超えて「無」の感情が湧いてくるほどでした。 最後に見ていくのは「女性学のレジェンドがST参上!! 上野千鶴子先生×花恋×ST読お悩み相談室」。東京大学名誉教授で、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワークの理事長を務める上野千鶴子氏と、STモデル・大友花恋と3名の読者モデルが、あらかじめ寄せられたST読者からの悩みに答える企画です。

 上野氏は同大学の平成31年度学部入学式の祝辞で、東京医科大不正入試の件に触れた上で、東大における女子入学者の比率が、長期に渡り「2割の壁」を超えていないことに言及。また、“東大ブランド”は男子学生には「自慢」になるものの、女子学生にとっては“そうではない”と語り、祝辞の内容に共感、感動する人が多くいる一方で、「祝辞にふさわしくない」といた意見も散見され物議を醸し、大きな話題になりました。そんな上野氏は、読者から寄せられた、「友達関係」「女性の学歴について」「学校生活」「家族との関係」といった相談内容に対して、「読者のかたから集まった相談内容を読んで、あぜんとした。だって私たちが悩んでいたことと、ほとんど変わらないだよ? まだこんな状況なのかって、がっくしきちゃったよね」と語っています。

 まず、友達関係について「女子はグループに属していないと、学校に居場所がない。ひとりでいると『変わってる』とかヤバイ人扱いされます」と悩む読者に、上野氏は「蛙の面に小便パフォーマンスで撃退して!」と、何をされてもしれっとした態度をとるようにアドバイスを送ります。そして、「友達なんていつでも捨てられるし、必要ならまたつくれるもの。いなくなっても悲しくない友達は、友達とは呼ばない!」と、ハッとさせられる強い言葉を投げかけていました。

 また、「料理や手芸が好きです。そのことで、友達から、『女子力高いね!』とか『家庭的アピールしてんの?』と言われることにモヤモヤします」という悩みに対して、「そもそも料理や手芸=女子力っていう公式がおかしいよね。男子でもできることなのに」と上野氏。さらに、「相手は、皮肉として言ってることだよね」「内心はどうであれ、にっこり笑って『じゃあ〇〇ちゃんもやったら?』って言い返すのが一番」と回答します。ST読者に限らず、“家事・育児は女の仕事”といったステレオタイプに苦しんでいる女性に向けても、「言い返す」というアドバイスは突き刺さるかもしれません。

 最後に「イヤなことをイヤ、好きなことを好きって、言っていいんじゃない?」「私はこれからの日本を支えるのは、『我慢をしない娘たち』だと信じてる。だからみんな、よろしく頼むよ!」と締めくくった上野氏。「ST」では頻繁に、友達からは嫌われないように、「日常生活やSNSの投稿内容にも気を使いましょう!」といった特集が組まれており、男性目線を意識した、「モテる、守りたくなる」といったファッションやメイクを紹介することもしばしば。もし、“無個性JK”のST読者が「窮屈な思いをして当たり前……」という価値観の中で生きているとしたら、「脱却する方法は、いくらでもある!」と語る上野氏の考え方を知ることは、生きやすくなるための大きな一歩なのではないでしょうか。

 今月号は一味違った「ST」。ST読者は男尊女卑を実感する機会が少ない、または気付いていないかもしれませんが、上野氏の考え方やアドバイスを心に留めておくことで、夏休み明けの学校生活に良い変化があることを願うばかりです。
(藤本なつき)

「an・an」SEX特集「深い愛を育む」というテーマを棒に振る、田中圭の「ヤンチャなエッチ観」

 夏の風物詩、「an・an」(マガジンハウス)の「SEX特集」号が発売されました。今年のテーマは「触れあい、感じあう。ふたりの幸せな時間。 愛とSEX」。冒頭の解説記事によれば、この1~2年で現代人のセックス観は男女ともにますます草食化していて、「ひとりの人と深い愛を育む」方向へ著しく変化しているそう。同誌が行ったアンケートでは、20代女性では38%、30代でも25%がバージンとの結果が出たといい、一因には「SNSの普及で、恋愛のいざこざがすぐに友人間で拡散してしまうこと」があるとしています。

 それによってセフレ文化も衰退しているとのことで、「an・an」では、今が「“愛あるセックス時代”の幕開け」とも表現しているのですが、そんな時代の「SEX特集」には一体何が書かれているのか……早速中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎田中圭 しあわせな体温。
◎心揺さぶる、甘美なひととき…。7人が語る幸福なセックス。
◎気になるトピックを大調査! SEXムーブメント最新事情。

田中圭の半裸が不気味

 表紙は俳優の田中圭。この特集ではおなじみである「半裸のベッド写真」なのですが、彼の持ち味である“その辺にいる兄ちゃん感”が、隣に寄り添う下着姿の外国人女性モデルと妙にミスマッチ。じっと見ていると、「居酒屋の兄ちゃん×北欧の妖精さん」くらい世界観が違うものをむりやり継ぎ合わせた、合成写真に見えてくる不気味さがあります。

 田中の“筋肉の上に薄く脂肪が乗っていて、猫背がち”という裸体には親しみを覚えるものの、インタビューでも”その辺にいるおちゃらけ兄ちゃん”感がすごいのです。「(相手役のモデルに)来日してどれくらいかと聞こうとして、ハウマッチ?って言っちゃいました(笑)」「(口説くのが苦手なので)相手に『お願いお願いお願い』って頭を下げる方が、完全に自分のキャラ」など、ムードは皆無。

 さらに「昔はすごくピュアだったんで(笑)、お付き合いするところまでいかないとエッチしません、っていうタイプだった」と、思わず「今は!?」とツッコみたくなる発言をし、「体の相性ってあるし、エッチして気づくこともある。付き合ってから、相性が合わなかったって気づくほうがつらくないですか」と、やんわりと“やってみて相性が合わなかったら捨てるぜ”という意味のことを言っています。冒頭で「愛あるセックス時代の幕開け」「セフレ文化が衰退」と書かれていたので、今年は「セックスありきの愛」ではなくて、「愛ありきのセックス」に焦点を当てていくのかな? と思っていたところでのこの発言。田中圭、人選ミスでは……?

 一方、表紙ではないものの、今号ではもうお一方、半裸を披露している俳優がいて、それが志尊淳。志尊は直木賞作家・井上荒野氏の官能小説が原作のドラマ『潤一』(関西テレビほか)に主演中。「an・an」では、そのスピンオフとなる書下ろし小説『「霧人」(二十六歳)』と併せて、志尊のイメージカットが掲載されています。

 この「『霧人』(二十六歳)」の内容をざっくりまとめると、ホストである霧人が、常連客の女性、新人ホストの潤一(志尊)と新大久保のラブホテルに入り、3人で致すというもの。こちらも、「an・an」が提唱したいはずの「ひとりの人と深い愛を育む」とは逆を行くスタイル。

 現実での冒険が難しくなっている現代だからこそ、創作物では刺激を! という趣旨なのだろうか? とも感じました。

 続いては、7人の女性がインタビュー形式で忘れられない性体験を告白する「心揺さぶる、甘美なひととき…。7人が語る幸福なセックス。」。冒頭の記事で「セフレ文化が衰退」「30代女性の25%がバージン」と書かれていたはずが、この7人はかなり奔放です。

 例えば、典子さん(32歳・派遣社員)の経験人数は、「思い出せる限りで」40人。サイパンでダイビングの指導をしてくれた男性との一夜を振り返り、「私は、たまらず『アーーーン』と歓喜の雄叫びをあげてしまったんです」とのこと。

 また、みどりさん(30歳・販売員)は経験人数約30人。アプリで知り合った10歳上のセフレと大人の玩具を使った体験が忘れられないそうで、「私は悶えるように『アーーーン』とはしたない声を出して、史上最高のエクスタシーの中に落ちていきました」と話しています。

 お気づきでしょうか。典子さんも、みどりさんも、「アーーーン」と言っています。7人中2人が、インタビューで「アーーーン」と言うでしょうか。どうも、創作の匂いがします。また、7人の体験談がどれも、芥川賞作家・宇能鴻一郎氏(「あたし〇〇しちゃったんです」などのフレーズによる、告白スタイルの官能小説を確立)の文体を意識した語りになっているあたり、その道のプロが手掛けたのでは、と感じさせました。これが創作物であるなら、多すぎる経験人数や一夜の過ちを武勇伝のようにしているのも納得できます。

 しかし次の女性のインタビューでは”創作疑惑”が少し揺らぎました。経験人数70人以上で現在も更新中という、あおいさん(29歳・会社員)。

 同棲中の彼氏がいながらセフレも2人いるという、体力オバケな彼女の最高の体験のお相手は、舘ひろし似の元上司(推定60歳)。ずっとその舘ひろし似と致してみたかったとのことで、「お店を出る前にトイレへ行き、デリケートゾーン用のシートで拭いて、気合いを入れ直しました」とも話しています。「え、それ要る?」と思わざるを得ない些細な情報で、これが創作であるなら、相当キャラ設定を練ってきたな……と感心すらしてしまいます。謎は深まるばかりです。

 最後に注目したのは、男性のアンダーへア事情。「気になるトピックを大調査!SEXムーブメント最新事情。」のページで紹介されていた、「ハイジ男子」が気になりました。

 アンダーへアをお手入れしている男性のことを表す言葉だそうで、社会学者の栗田宣義氏は「女性の発言力が強くなってきたことで(中略)とりわけ20~30代の男性は、“私も処理しているんだからあなたもやりなさいよ”という女性からの圧を受ける」と解説。誌面では、男性専門美容クリニックの「マタツルコース」(全5回14万円)が紹介されています。

 「マタツルコース」というネーミングのセンスにも驚きですが、女性が男性に除毛の圧をかけるという事例、少なくとも筆者は見たことがないので、「そんなのある?」と信じられない気持ちになりました。

 毛くらい、自分にとって快適がそうじゃないかでお手入れしてくれよ、と思ってしまいましたが、しかし、「女性が求めてるから……」と理由を”創作”せずには「マタツルコース」の申し込みに踏み切れないのも、男心なのかもしれません。

 エロやシモな世界は、常に現実と妄想の背中合わせで、自分の思い通りにはいくことがまずない。だからこそ“創作”とは縁が切れないのかもしれません。それは草食化が進んだ結果の、「ひとりの人と深い愛を育む」「愛あるセックス時代」の今、さらに複雑に結びついていくのかも……と考えさせられた2019年の「SEX特集」でした。
(島本有紀子)

「ar」飯豊まりえとの「同棲妄想」企画……彼氏目線のコメントが、いちいちエモくて寒いワケ

 先々月号から夏に浮かれ続けている「ar」(主婦と生活社)。8月号はデート特集号ということで、恋する乙女の盲目モードが加わって、さらに浮かれっぷりに拍車がかかっています。日本で一番夏を楽しみにしているのは「ar」なのではないか、と微笑ましく思えるほどです。早速、ハッピーな中身を見ていきましょう。

<トピックス>
◎ar的サロンへようこそ デート前に絶対可愛くなれる7days
◎好きだから可愛くなれる 彼と彼女のデート髪
◎飯豊まりえと過ごす夏の日(ハート) 可愛いキミのカメラロール

自称・意識高い系のつまらなさ

 デートまでの7日間で、可愛くなる方法を伝授してくれる企画「ar的サロンへようこそ デート前に絶対可愛くなれる7days」。その内容は、デート6日前には当日のファッションを決め、5日前には体のあらゆるところを保湿し、4日前には会話術を学び、3日前には趣味の話を盛り上げるコツを考え、2日前には次のデートに誘う飲食店をリサーチし……と、尋常ではない気合の入りようが伝わってくるハードスケジュールです。

 中でも最も気になったのは、「テッパン趣味話を盛り上げるコツを知る」ために、「ar男子」なる人物たちにアンケートを取ったという、「女性に言われたらうれしいセリフ集」でした。

 サッカー好きのペンネーム・川崎フロンターレ命さん(27歳)は、「Jリーグ見に行ってみたいんだよね」と言われたいと回答。理由は「W杯や代表戦ではなく、Jリーグのことを話題にしてくれると、ミーハーではなく本気で興味あるのかなって」。まるでJリーグ関係者ヅラです。そんな本気の興味を求められるなんて、川崎フロンターレ命さんの彼女候補は狭き門なのでは。

 また、仕事好きのペンネーム・意識高いって言わないでさん(30歳)は、「仕事内容についてもっと教えて!」と言われたいそう。「芸能人のゴシップやドラマの話をダラダラされるより、建設的な話ができるほうがまた会いたいって思う」とのこと。芸能ゴシップやドラマの話は建設的ではないという、視野の狭さ。めちゃくちゃ話がつまらなそう、かつ仕事もできなさそうです。

 「ar男子」は一体どこから集めてきているのか、気になるところです。このような、つまらない男たちに「ar」読者が引っ掛からないことを祈ります。

 次に見ていく「好きだから可愛くなれる 彼と彼女のデート髪」は、男性美容師がヘアメイクを担当した読者モデルとデートしている体の写真が並んでいます。美男美女のデート風景を、11パターンも見せつけられるのです。

 デートコースは「公園」「映画」「下町」「ガード下」など身近な場所ばかり。ですが、美容師も読モも、読者が怖気づきそうなほどシャレオツなヘアとファッションなので、なんとなく様になります。それぞれに添えられたキャッチフレーズも素敵です。

「君のウエーブを風が揺らすたび“好き”の気持ちが積もるんだ…」
「ほつれウエーブに夏の光が踊る、僕だけのマドンナ」
「エアリーウエーブが夏の恋を七色に輝かせる」

 “好き”が積もったり、夏の光が踊ったり、夏の恋が七色に輝いたりと、ウエーブが大忙しです。しかし、一般人&一般人のやらせデート風景を見せるって、一体、誰得な企画なのだろう……という疑念も最後まで拭えない企画でした。

これぞ新ジャンル「エモ寒い」

 最後に見ていくのは、飯豊まりえと同棲している彼氏の目線で1日を中継する企画「飯豊まりえと過ごす夏の日(ハート) 可愛いキミのカメラロール」です。注目は、彼氏目線のコメント文。これがものすごくエモ寒く(エモくて、しかし同時にサムい)、味わいたっぷりです。

 例えば、起き抜けの姿の描写は「二の腕がふわっと見えておりまして。さらにそこに、朝陽がサーっと差し込んでおりまして、ええ、わかりますか? これを幸せと呼びます」。ええ、よくわかりません、すみません。

 またメイク中の様子は、「僕は彼女に『ねえほんと、美しいおでこランキング世界1位じゃん』とか雑に口説いて、彼女がうるさいって僕のことを軽く蹴っ飛ばしてきて、ああホント毎日この展開がいいなって」。……「て」で文章をつなげていく感じ、やっぱりエモ寒いなって。

 さらにアイスを食べるカットには、「もしかして彼女、夏の権化なんじゃないかって思うくらい似合ってるから好きという惚気です」と書かれています。ニュアンスはすごく伝わってくるものの、本来の日本語としては崩壊しているこういった文章は、短文で表現するSNS世代特有の文体なのだなあと、日本語の進化を見せつけられました。

 しかし、透明感あふれる飯豊まりえには、このような軽薄そうな口調の男に騙されず、堅実な恋愛をしてほしい、という老婆心も芽生えました。暑い夏に、清涼剤としてのこのエモ寒さ、みなさんもいかがでしょうか。
(島本有紀子)

King&Princeと「妄想デート」、モテテクニックは「昭和」! 「Seventeen」の夏は純粋?

 「Seventeen」(集英社、以下ST)8月号の表紙を飾るのはKing&Princeです! STでの男性グループ単独表紙は嵐以来の14年ぶりといい、9ページにわたり妄想デート企画やクロストークが掲載されています。また表紙には「最新最可愛夏私服NEWS」「HOT SUMMERな水着トレンド」「あまナツコーデが気分」といった文字が並び、夏を意識しまくった企画が目白押しですが、表紙の色も文字も、さらにはキンプリの衣装も夏のさわやかさに欠けるドぎつい“ピンク色”……。なんとも暑苦しい色味の表紙で目がチカチカしてきたので、早速、中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎King&Princeとラブラブ夏でーと
◎友達脱出モテク
◎新種発見! モテZOO

嵐を意識しまくるKing&Prince

 初めにチェックするのは「今いちばん会いたいキミと最高にエモい夏を。King&Princeとラブラブ夏でーと。」です。各メンバーが花火大会や制服デート、ドライブデートなど、さまざまなシチュエーションでのあま~い妄想を繰り広げます。

 まず、平野紫耀との「助手席ドライブでーと。」を見ていくと、平野は「おしゃべりをたくさんしたい」らしく「目的地を通りすぎるぐらい質問攻めにしたい」と語っていましたが、筆者としては運転に集中し、とにかく安全運転を心がけてほしいと、妄想デート企画にもかかわらず、現実的なことを考えてしまいました。しかし、女子高生のST読者からすれば、免許を持っているだけで“大人の男”を感じ、クラクラ~と甘い妄想を抱くのかもしれません。

 また、永瀬廉との「カフェで宿題でーと。」では、STからの「どんな場所を選ぶ?」という質問に、「家。理由は……休憩しやすいから(笑)ゴロンと床に寝転んでまったりできるから」と回答する永瀬。カフェデートの設定をなぜぶち壊すのか、ツッコミを入れたくなりましたが、それよりも家で休憩って“エロすぎ”はしないか!? とよからぬ想像をしてしまい、「平野とドライブでーと」よりも下世話で夢のない妄想を掻き立てられました。

 そして、妄想デート企画が終わると、キーワードに沿って5人がしゃべる「夏のクロストーク」が続きます。まず、雑誌にちなんで「Seventeen」について、メンバーたちは「今JKにハヤってるモノとかわかんな〜い」「タピオカがハヤってることしかわかんない」など、すっかり大人目線の発言を連発。しかし、そんなキンプリは20代前半のグループでして、「君たちも十分若いだろ!」と思わずにはいられませんが、JKとはジェネレーションギャップを感じている様子。

 また、嵐以来、14年ぶりの単独男性表紙について、神宮寺勇太から「オレらも嵐を起こしちゃう?」との発言が飛び出しましたが、ST読者からすれば、20歳以上年上の嵐よりもキンプリとの“甘酸っぱい”妄想を膨らませる方が健全なのは確かです。
 次に見ていく「恋愛対象に昇格するワザ教えます! 友達脱出モテク」では、「バイト友」「塾友」「あいさつ友」など、友達関係を7種に分類し、関係性に応じた“効くモテク”を指南。例えば、「あいさつ友」を脱出する方法として、「登校時間を合わせる」や「文化祭の準備は同じ作業をする」が挙げられていますが、平成いや昭和から続いているであろう王道のアドバイスに、これを「モテク」にするのはいかがなものかと思ってしまいます。

 もちろん、現代っぽい「LINEのBGMを彼の好きなバンドの曲にする」や「彼が好きなバンドのMVの感想をインスタグラムのストーリーに投稿する」というSNSを駆使する“今っぽい”テクも載っていたものの、「好きな人の趣味に寄せていく」という意味では、こちらもド定番かもしれません。新鮮さに欠ける企画でしたが、時代が変わっても「モテク」は変わらないことがうかがい知れます。

令和になっても「〇〇系」にとらわれる女子

 最後に見ていくのは「令和男子は動物系女子にムチューらしい(ハート)新種発見! モテZOO」。女子を10種類の動物に分けて分析し、自分に近いタイプの動物の行動を真似て「モテ」を狙おうという企画ですが、どうやら動物の生態からヒント得るわけでも、1999年頃に大流行した「動物占い」に似た類でもなさそう。「ドクターフィッシュ女子」「クラゲ女子」「インコ女子」「ハリネズミ系女子」「黒ウサギ女子」など10種の動物が羅列され、“イメージだけ”で動物系女子を分析していました。

 例えば、「モグラ女子」は「モデル体型かつおしゃれでかっこいい。でも内面はオタク」で、「男子のような趣味」を持ち、「ツッコミがするどい」女子のことを指すそう。しかし、実際のモグラは警戒心が強く攻撃的、また1日の食事量は体重の半分程度とかなりの大食漢とされているのでまったく違います。また、「ドクターフィッシュ女子」は「ひとなつっこさと癒し力は、もはや女神(ハート)」で、「まわりの変化を見逃さない」気配りに優れ、「バンソウコウやティッシュ」を常備している女子のことを示すようです。「ドクター」という単語に引っ張られすぎな上に、実際のドクターフィッシュは、まともなエサがない時に、空腹をしのぐために人間の角質を食べるそうなので「ドクターフィッシュ女子」とはだいぶかけ離れています。そもそも、女子を“たかが”10種に分類することなんて不可能ですし、好きな人へのアプローチ方法だって人それぞれ。「〇〇系」にとらわれることなく、自分流の「モテ」を見つけていく方がいいのでは?

 アイドルと妄想デートしたり、モテ行動を分析するなど、恋愛に興味津々なST読者でしたが、「登校時間を合わせる」や「バンソウコウを持ち歩く」を“モテク”とする純粋っぷり。先月号の企画「男子の脳内☆解体新書」では、男子高校生が“エロい”妄想ばかりしていたので、身近なヤリチンに遊ばれるより、目の保養になるKing&Princeを追いかける“夏”もアリだと思いました。
(藤本なつき)

「Domani」登場の「世田谷ママ」はなぜキャラが薄い!? オシャレな街の知られざる凡庸さ

 ワーキングマザー向けにリニューアルされた「Domani」(小学館)。最新の8・9月号の特集は「10日間で(頑張らずに)かっこいいママになる方法。」です。

 リニューアル後のキャッチフレーズは「脱ママ! 脱モテ! 脱真面目!」だったはずなのに、今回は「かっこいいママになる」……。「脱ママ」路線は完全になかったことにしたようです。この迷走っぷりは「かっこいい」とは真逆に感じますが、早速中身を見ていきましょう。

<トピックス>
◎高島彩の「ママ時間」「ノーママ時間」
◎「10日間で(頑張らずに)かっこいいママになる10の法則。」
◎実録!? 東京23区・働く母の生態ファイル「世田谷区の女」

高島彩、詩的に子育て武勇伝

 妙に味のある文章で読む人を惹き付ける、連載エッセイ「高島彩の『ママ時間』『ノーママ時間』」。連載のテーマ自体が「ママ時間」なので、当然と言えば当然ですが、今号でも“子育て武勇伝”が披露されています。

 まず冒頭では、このエッセイの原稿を書いている背景について、「右側の次女と左側の長女が二人して私の体に足を乗り上げてくるものだから、私の代わりに大きなプーさんのぬいぐるみを置いてそっとベッドを抜け出して、この原稿を書くことにしました。でもその前に、明日の朝ごはんの準備と、お弁当用の肉団子を作って、昆布を水につけて」……と、長々と説明。暗に「このような苦労の上で書いたエッセイなのだから、心して読め」と言われているようで、背筋が伸びますね。

 そのように人を引き込む術を持つ高島彩さん、さらに話は娘の乳児期まで遡ります。粉ミルクではなく母乳で育てたい「絶対的母乳信者だった」と回想し、「娘を薄暗い世界の中で抱きかかえ、カーテンの襞の数を1,2,3,4…右から左、そしてまた右へ。この時間が永遠に続くにちがいない。朦朧としながらどうしようもない不安に駆られたあの夜」「満足に母乳が出ないおっぱい。1時間近くかけて絞った、搾乳機の中にわずかに滴る母乳をこぼしてしまった時の絶望感。止まない泣き声に焦って手が震え、夜中の調乳で熱湯がかかって爛れた左手の甲」と、“頑張った自分”をやけに詩的に振り返ります(「襞」や「爛れた」という漢字を、高島さんは普段から使っているのだろうか)。

 その上で、昨年から日本でも発売開始された「液体ミルク」については、「まだまだ抵抗感の強いお母さんも多いかとは思う」とも書いています。

 子育て武勇伝を知りたい人もいるかもしれないけれど、液体ミルク派のお母さんがこれを読んだとき、「抵抗感のない私っておかしいのだろうか」と要らぬ罪悪感を抱いてしまうのではと心配になりました。

 続いては特集の「10日間で(頑張らずに)かっこいいママになる10の法則。」です。

 「Domani」の言う“かっこいいママ”の定義が気になって読んでみると、その法則は「会社帰りにバーニーズ、エストネーションで買い物をしている」「体がきれいに見える服を知っている」「海パンをショーパン代わりにしている」「かばんを夫婦でシェアしている」「ファストファッションをかしこく選んでいる」等、ファッション絡みばかり。「かっこいいママになる」というよりは、「かっこいいママコスプレ」のための10の法則といった感じでした。

 しかも、よく考えてみれば、どれも別にママでくくらなくてもいいような内容ばかり。「ママ」というレッテルの難しさを感じます。男性ものの海パンをショーパン代わりにして街ではく、というのだけは、一体どんな気持ちになるのか、少しやってみたいと思いました。

キャラが薄い世田谷ママ

 毎号注目している連載読み物「実録!? 東京23区・働く母の生態ファイル」。今回取り上げられているのは世田谷区です。三軒茶屋、下北沢、二子玉川……と、地名を並べるだけでおしゃれ感が漂う地に住むママにインタビューを行い、その生態を紹介しています。

 ですが今回、最も多く発言が取り上げられている人物は、インタビュー取材に向かう途中に乗ったというタクシーの運転手のおじさん。世田谷情報を豊富に提供してくれ、ライターも「もうこれで世田谷区の取材できたんじゃない? というくらいの情報量。すごいよ、運転手さん」と書いています。

 その後、数人の世田谷ママのインタビューも載っていますが、これまでのギラギラした港区ママや豊洲タワマンママに比べると、みんなキャラ弱め。世田谷区に住むメリットを聞いたところ、なんと全員が「おいしいお店がいっぱいなところ(ハート)」と答えたそうです。え、そこだけ?

 「私は、座敷がある居酒屋が好き。リラックスしてワイワイ飲めますから」(Dさん)との声が紹介されていますが、そのような居酒屋は日本中どこにでもあるということを、もしかしてDさんは知らないのでしょうか。

 そのほかにも「パルシステムやオイシックスを活用中」「(スーパーマーケットの)オオゼキがあるかないかで日々の食材の質が変わる」など、世田谷色の薄いエピソードが続きます。オオゼキは世田谷区だけではなく、板橋区にだって江戸川区にだって、なんなら府中にだって千葉の市川にだってあります。

 今回インタビューしたママのうち7割が、実家も世田谷区内だそう。代々お金持ちという余裕がこの大らかで薄いキャラを形成し、さらに「世田谷という場所だけが地球」という世界線で生きることを可能にしているのかもしれません。
(島本有紀子)

「ar」SEXY特集が迷走! 「自分ウケ」と「男ウケ」で揺れる女子に、坂口健太郎が救いの一言

 「ar」(主婦と生活社)の7月号はSEXY特集号。先月号でもすでに、「夏のヒロイン」「夏の主人公」などの言葉を多用して夏に浮かれていた「ar」ですが、今月も引き続き、TUBEの歌詞に負けない勢いで夏に向けて盛り上がっています。

 坂口健太郎が登場するインタビューページのタイトルも、「アツいのは夏のせい? 全部、坂口健太郎のせいだ。」です。この妙なテンションの責任を全て坂口に押し付けるとは、彼も荷が重いとは思いますが、早速中身を見ていきましょう。

<トピックス>
◎胸ギュン情熱女Forever
◎命中SEXYしか欲しくない!
◎この夏、私はカジュエロで生きる!

イガリシノブ不在の夏

 「ラブな最強パワーをとことん見せつける、超楽しい2019年の夏はもうすぐそこ(ハート)!」というご機嫌な一文から始まるメイク企画。タイトルは、「彼を焦がしちゃお(ハート)胸ギュン情熱女Forever」です。

 「胸ギュン情熱女」というワードセンス的に、「おフェロメイク」で人気のヘアメイク・イガリシノブ氏によるページかと思っていたのですが、今回のヘアメイク担当は中山友恵さんという方でした。そうわかってから読み進めると確かに、メイクのネーミング(「ジリジリ女」「ムンムン女」「秘め肌」等)は、イガリシノブ氏よりパンチが弱い。

 先月号のイガリメイク(「陽気な肌ベイべ!」「あふれちゃう実っちゃう DAKUDAKU娘」「ナツ恋必勝祈願【閲覧!推奨】顔からボンキュッボン!! arマル秘SUMMER NUDE顔」等)と比べたら、かなり寂しいネーミングです。名付けているのが本人か編集者かわかりませんが、ハイテンションなイガリ節に慣れた身としては、物足りません。

 メイクそのものも、イガリメイクよりナチュラルで、モデルの森絵梨佳の素材そのものが生きた仕上がりになっています。なんだか一気に、イガリシノブ氏のことが恋しくなってきました。知らぬ間に、すっかりイガリファンになっていたことに気づかされます。

 続いては、総勢50名の男性に「色気を感じる服」をアンケート調査したというファッション企画「命中SEXYしか欲しくない!」。初対面で落とす「初対面SEXY」、付き合う前のデートで落とす「デートSEXY」、男友達を落とす「昇格SEXY」、マンネリ打破の「惚れなおしSEXY」の、それぞれのコーデが紹介されています。

 例えば、「『オンナを武器にしてます』的な、あからさまな肌見せは苦手、との声多数」とのアンケート結果を分析し、「見せるより隠してほしい。“その先”を感じたい。そこにストーリーがあるから。(31歳・出版)」という、なんだかスカした男性の謎意見を取り上げ、3つのコーディネートを紹介しているのですが、袖ありの服は1着のみで、ほか2着はがっつりノースリーブで肌見せしています。「これくらい、ただのファッションなんだわ。勘違いして武器呼ばわりすんなや。勝手にストーリー感じんなや」と男どもに釘を刺す、「ar」の心意気と受け取りました。

 その他、「スカートはくならロンスカ」「がさっと大きなバッグはムードがない」「スニーカーはローテクデザインで女子力は死守」等、それぞれの男性による勝手な理想を反映したアドバイスが散りばめられていました。“ハイテクスニーカー=女子力低い”説は、「#KuToo論争」にも通じてきそうです。夏はSEXYにハジけたい「ar」読者と男性陣の距離を感じる内容でした。

一部、坂口健太郎のせいだ

 続いてのファッション企画「この夏、私はカジュエロで生きる!」。「デニムをエロく」「ワークパンツをエロく」「ショートパンツをエロく」「シャツをエロく」「ボタニカルをエロく」「ボーダーをエロく」「アニマルをエロく」……と、とにかくあらゆるカジュアルなアイテムをエロく着こなす術を教えてくれています。

 「スウェットをエロく」では、赤いダボダボの長袖スウェットに太もも丈のレギンス(というより昔ながらのスパッツ)を合わせたコーデに「燃えるような赤にそぐわない華奢さ。そのアンバランスが男心に刺さる」との説明が。「Tシャツをエロく」では、グラフィックTシャツにロンスカというフツーなコーデを紹介し、「スニーカーをおともに散歩にいこー」とのコメントが書かれています。読み進めるほどに、エロとは何なのか、どんどんわからなくなる仕様になっています。

 今月号は夏に浮かれつつも、「男性ウケ」を意識して「カジュアルなエロ」を求め、その結果何がSEXYで何がエロなのか、よくわからなくなってしまった印象です。

 最後は結局、坂口のインタビューに救われます。「女性の“あざとい”って、きっと好きな相手によく見られたいと考えているわけで(中略)。そういう気持ちって可愛いなと思います」。

 自分の好きなファッションを自由に楽しみたいのに異性ウケも気にして、今月号の「ar」のように迷走してしまうこと、「ar」読者世代には結構あると思います。そういう時って、「ファッションが好きなのに異性ウケなんて気にしちゃってる自分」が恥ずかしくて、すごく嫌になる瞬間も……。そんな時に「好きな相手によく見られたいと考えている、そういう気持ちって可愛い」と肯定してもらえると、肩の力が抜けて楽になれるのではという気がします。

 坂口の「そういう気持ちって可愛い」という言葉で、夏のファッションを楽しめる女子がまた増えたのかも。そう考えれば、夏がアツいのは、「(全部とは言わないまでも)坂口健太郎のせい」とも言えるかもしれません。
(島本有紀子)

経験人数200人超えの高校生ヤリチンが、童貞の悩み相談! 「Seventeen」男子企画はどう読むべき?

 「Seventeen」(集英社)7月号は、「みんなー! 準備はOK? 女子高生の夏を最高おしゃれに始める7のアイデア」と銘打って、“安くてきゅんな”水着や浴衣、Tシャツなど、夏を楽しむファッションアイテムがたくさん掲載されています!  “大人っぽくなりたい願望”があるという「セブンティーン」(以下ST)読者のために、「テクしだいで簡単に叶う(ハート)」と大人見えコーディネート術をレクチャーする企画もありますが、“若く見られたい願望”が強くなる一方の筆者には、突き刺さる言葉です……。夏の太陽よりもまぶしい女子高生たちに圧倒されながら、早速中身見ていきましょう!

<トピックス>
◎横田真悠は編集長だいありー
◎男子の脳内☆解体新書
◎友テロ警報発令中――っ!!

ティーン編集長、地獄の鬼働き

 初めにチェックしていくのは「ティーン編集長が目指すのはベストセラー!? 横田真悠は編集長ダイアリー」です。“ティーンのカリスマ”として、ST専属モデルの中でも人気があるという横田は、6月22日発売の自身のスタイルブック『#まゆうだけ』(同)で、実際に編集長を務めているとのこと。同企画は同書と連動し、「編集長・横田の着回しコーディネート」を紹介するという内容になっています。着回しのストーリーはあくまでフィクションではあるものの、「編集者の仕事内容も超リアルに紹介しちゃうよ」だそうです。

 ストーリーは「企画会議で上司にプレゼン」というところから始まります。ティーン編集長・横田は「大人ウケ」を狙い、自ら“かわいい”ピンクのTシャツを着用するなど、仕事を楽しんでいるご様子ですが、その後のストーリーはなかなか過酷な展開に。横田は、水色のトップスを着用し、「テンション上げてこー!」と頑張ってはいるものの、「カメラマンさん、スタイリストさん、ヘアメイクさんなどに撮影日の予定があいてるか問い合わせ」する傍ら、「撮影で使うアイテムをショップやプレスでリース!」と、自ら洋服や小物の搬入をこなすなど、ハードな仕事が続きます。

 さらにストーリーは進み、「10日連続で撮影&取材! スタッフさんたちの朝ごはんとか小道具も、ぜ~んぶ自分で手配したんだよ、えっへん! 撮影中はモデルとしても撮影されるし、モニターで写真チェックもしなきゃだし、撮影の進行も考えなきゃだし、もう大変っ‼」と地獄のような働き方をする横田……。撮影後の写真選びも横田が行い、ようやく出版記者会見までたどり着いたものの、ティーン編集者のブラックな働き方ばかりに目がいってしまい、着回しコーディネートの内容が頭に入ってきませでした。編集者の仕事が“大変”ということはわかりますが、「華やかに見えて、甘くないぞ!」と言わんばかりのストーリーに、JKたちの夢を壊さないか心配になりました。 次に見ていくのは「ラブからエロまで……おバカでかわいいメンズのこと、ネホハホ‼︎ 男子の脳内☆解体新書」。現役の男子高校生が登場して、彼らのLINEのスクリーンショットを公表したり、妄想キスシチュエーションを紹介しているほか、童貞とチャラ男のクロストークも行うなど、計12のコーナーで男子を丸裸にしていきます。しかし、ここに掲載されている内容は、“ド”が付くほどの下ネタばかり……。わかってはいましたが、どうやら男子高校生の頭の中は、「エロ」と「女子」でいっぱいのようです。

 例えば、男子高校生たちが自分の脳内グラフを直筆で作成するコーナー「オレらの脳内解析」を見ると、エロいことと女子のことが脳内の80%を占める男子が多数。そのほか、男子高校生たちのLINEのスクリーショットが12枚も載っている「リアルな会話が知りたい! 男子のLINE覗き見!!」を見ると、「おはようさん!」に「ま○こっち」と、唐突に女性器名を返信しているのです! いくら思春期真っ只中の男子とはいえ強烈で、筆者苦笑です。人のLINEなんて、芸能人の不倫報道があった時の週刊誌ぐらいでしか見ませんが、男子高校生ってなかなか下品なんですね……。

 そんな「エロ」と「女子」の話題が飛び交う中、最も目を引いたのが「童貞×チャラ男クロストーク」というコーナー。高3にして経験人数200人弱と100人弱というチャラ男チーム、童貞の高校1年生2名の童貞チームが、トークを展開していきます。チャラ男Aは中1で童貞を捨てたといい、高校に入学後、友達と経験人数を競ってヤリまくるようになったとのこと。そのことを全部知っている親からは「止めないから、避妊だけはしなさい」と言われているそうですが、さすがに親御さんも「人数を競う」ことは注意した方がいいと思ってしまいました。

 ヤリチンが童貞に対して上から目線なのも気になります。キスをしたことがない童貞2人に「君たちは(彼女を)大切にしてるつもりでも、『自分に魅力がないのかな』って悩んでるかもよ?」とおせっかいなことを言うのです! さらにヤリチンは「首に手を添えるといいらしいよ。エロくなるツボが刺激される」などとアドバイスを送るのですが、性感帯は“人それぞれ”では? とつっこまずにはいられません。

 一方、こんなヤリチンに触発されたのか、童貞たちも「どうやったらモテますか?」なんて質問をする始末。ヤリチンは「手軽に出会いを探すならSNSだね。とくに動画系」と言い、好きなタイプをこまめにプロフィールに書くと、相手からDMが来るなどと回答していました。ヤリチンは自慢気に語っていますが、ST読者世代の女子たちがドン引きするであろうことに気が付かないのでしょうか。このヤリチンたちは、確かに性体験は多いものの、やみくもに性行為の相手を見つけているだけのようですし、“モテ”とまた別の話だと思ってしまいました。

 とにもかくにも、この記事からST読者は何を受け取ればいいのでしょうか? 少なくとも意中の男子へのアプローチの仕方などを読み取ることはできなさそうです……。「男子はバカでエロいということを知って、ヤリチンには気をつけるのよ!」という注意喚起の企画だとしたら、荒療治ながら効き目はありそうです。

これはムカつく! モンスター系女友達のイラっと行動

 最後に見ていく「友テロ警報発令中――っ!!」では、仲間外れ、自虐、自慢、マウンティング、……など、モンスター系女友達の問題行動が掲載されています。テッパン中のテッパンである「テスト超悪かったー」というイラっとする謙遜から、仲良しグループの中で「自分のインスタにだけ“いいね”をつけてくれていない」など現代っ子らしい悩みまで、ST読者の愚痴が止まりません! そのほかには、好きなアイドルの話になった時「ニワカだね~」と言ってくる女友達や「SNSに商品の(高額な)値段が見えるようにのせる」など、たしかに腹が立つことばかり。

 どの世代にも周囲をイラつかせる人間は居ますが、10代のST読者であれば改善の余地があるはず。モンスターJKが肥大化する前に自分の“ヤバさ”に気付き、言動を改めてほしいですね!!

 開放的になる夏に向けた企画が多かったように思う今回のST。ファッションやメイク、制服の着こなしに加え、水着や浴衣に気を配り、“かわいい”を頑張るST読者たちが、「男子の脳内☆解体新書」に出てきたヤリチンたちに遊ばれませんように! と願うばかりです。
(藤本なつき)

経験人数200人超えの高校生ヤリチンが、童貞の悩み相談! 「Seventeen」男子企画はどう読むべき?

 「Seventeen」(集英社)7月号は、「みんなー! 準備はOK? 女子高生の夏を最高おしゃれに始める7のアイデア」と銘打って、“安くてきゅんな”水着や浴衣、Tシャツなど、夏を楽しむファッションアイテムがたくさん掲載されています!  “大人っぽくなりたい願望”があるという「セブンティーン」(以下ST)読者のために、「テクしだいで簡単に叶う(ハート)」と大人見えコーディネート術をレクチャーする企画もありますが、“若く見られたい願望”が強くなる一方の筆者には、突き刺さる言葉です……。夏の太陽よりもまぶしい女子高生たちに圧倒されながら、早速中身見ていきましょう!

<トピックス>
◎横田真悠は編集長だいありー
◎男子の脳内☆解体新書
◎友テロ警報発令中――っ!!

ティーン編集長、地獄の鬼働き

 初めにチェックしていくのは「ティーン編集長が目指すのはベストセラー!? 横田真悠は編集長ダイアリー」です。“ティーンのカリスマ”として、ST専属モデルの中でも人気があるという横田は、6月22日発売の自身のスタイルブック『#まゆうだけ』(同)で、実際に編集長を務めているとのこと。同企画は同書と連動し、「編集長・横田の着回しコーディネート」を紹介するという内容になっています。着回しのストーリーはあくまでフィクションではあるものの、「編集者の仕事内容も超リアルに紹介しちゃうよ」だそうです。

 ストーリーは「企画会議で上司にプレゼン」というところから始まります。ティーン編集長・横田は「大人ウケ」を狙い、自ら“かわいい”ピンクのTシャツを着用するなど、仕事を楽しんでいるご様子ですが、その後のストーリーはなかなか過酷な展開に。横田は、水色のトップスを着用し、「テンション上げてこー!」と頑張ってはいるものの、「カメラマンさん、スタイリストさん、ヘアメイクさんなどに撮影日の予定があいてるか問い合わせ」する傍ら、「撮影で使うアイテムをショップやプレスでリース!」と、自ら洋服や小物の搬入をこなすなど、ハードな仕事が続きます。

 さらにストーリーは進み、「10日連続で撮影&取材! スタッフさんたちの朝ごはんとか小道具も、ぜ~んぶ自分で手配したんだよ、えっへん! 撮影中はモデルとしても撮影されるし、モニターで写真チェックもしなきゃだし、撮影の進行も考えなきゃだし、もう大変っ‼」と地獄のような働き方をする横田……。撮影後の写真選びも横田が行い、ようやく出版記者会見までたどり着いたものの、ティーン編集者のブラックな働き方ばかりに目がいってしまい、着回しコーディネートの内容が頭に入ってきませでした。編集者の仕事が“大変”ということはわかりますが、「華やかに見えて、甘くないぞ!」と言わんばかりのストーリーに、JKたちの夢を壊さないか心配になりました。 次に見ていくのは「ラブからエロまで……おバカでかわいいメンズのこと、ネホハホ‼︎ 男子の脳内☆解体新書」。現役の男子高校生が登場して、彼らのLINEのスクリーンショットを公表したり、妄想キスシチュエーションを紹介しているほか、童貞とチャラ男のクロストークも行うなど、計12のコーナーで男子を丸裸にしていきます。しかし、ここに掲載されている内容は、“ド”が付くほどの下ネタばかり……。わかってはいましたが、どうやら男子高校生の頭の中は、「エロ」と「女子」でいっぱいのようです。

 例えば、男子高校生たちが自分の脳内グラフを直筆で作成するコーナー「オレらの脳内解析」を見ると、エロいことと女子のことが脳内の80%を占める男子が多数。そのほか、男子高校生たちのLINEのスクリーショットが12枚も載っている「リアルな会話が知りたい! 男子のLINE覗き見!!」を見ると、「おはようさん!」に「ま○こっち」と、唐突に女性器名を返信しているのです! いくら思春期真っ只中の男子とはいえ強烈で、筆者苦笑です。人のLINEなんて、芸能人の不倫報道があった時の週刊誌ぐらいでしか見ませんが、男子高校生ってなかなか下品なんですね……。

 そんな「エロ」と「女子」の話題が飛び交う中、最も目を引いたのが「童貞×チャラ男クロストーク」というコーナー。高3にして経験人数200人弱と100人弱というチャラ男チーム、童貞の高校1年生2名の童貞チームが、トークを展開していきます。チャラ男Aは中1で童貞を捨てたといい、高校に入学後、友達と経験人数を競ってヤリまくるようになったとのこと。そのことを全部知っている親からは「止めないから、避妊だけはしなさい」と言われているそうですが、さすがに親御さんも「人数を競う」ことは注意した方がいいと思ってしまいました。

 ヤリチンが童貞に対して上から目線なのも気になります。キスをしたことがない童貞2人に「君たちは(彼女を)大切にしてるつもりでも、『自分に魅力がないのかな』って悩んでるかもよ?」とおせっかいなことを言うのです! さらにヤリチンは「首に手を添えるといいらしいよ。エロくなるツボが刺激される」などとアドバイスを送るのですが、性感帯は“人それぞれ”では? とつっこまずにはいられません。

 一方、こんなヤリチンに触発されたのか、童貞たちも「どうやったらモテますか?」なんて質問をする始末。ヤリチンは「手軽に出会いを探すならSNSだね。とくに動画系」と言い、好きなタイプをこまめにプロフィールに書くと、相手からDMが来るなどと回答していました。ヤリチンは自慢気に語っていますが、ST読者世代の女子たちがドン引きするであろうことに気が付かないのでしょうか。このヤリチンたちは、確かに性体験は多いものの、やみくもに性行為の相手を見つけているだけのようですし、“モテ”とまた別の話だと思ってしまいました。

 とにもかくにも、この記事からST読者は何を受け取ればいいのでしょうか? 少なくとも意中の男子へのアプローチの仕方などを読み取ることはできなさそうです……。「男子はバカでエロいということを知って、ヤリチンには気をつけるのよ!」という注意喚起の企画だとしたら、荒療治ながら効き目はありそうです。

これはムカつく! モンスター系女友達のイラっと行動

 最後に見ていく「友テロ警報発令中――っ!!」では、仲間外れ、自虐、自慢、マウンティング、……など、モンスター系女友達の問題行動が掲載されています。テッパン中のテッパンである「テスト超悪かったー」というイラっとする謙遜から、仲良しグループの中で「自分のインスタにだけ“いいね”をつけてくれていない」など現代っ子らしい悩みまで、ST読者の愚痴が止まりません! そのほかには、好きなアイドルの話になった時「ニワカだね~」と言ってくる女友達や「SNSに商品の(高額な)値段が見えるようにのせる」など、たしかに腹が立つことばかり。

 どの世代にも周囲をイラつかせる人間は居ますが、10代のST読者であれば改善の余地があるはず。モンスターJKが肥大化する前に自分の“ヤバさ”に気付き、言動を改めてほしいですね!!

 開放的になる夏に向けた企画が多かったように思う今回のST。ファッションやメイク、制服の着こなしに加え、水着や浴衣に気を配り、“かわいい”を頑張るST読者たちが、「男子の脳内☆解体新書」に出てきたヤリチンたちに遊ばれませんように! と願うばかりです。
(藤本なつき)

「内面ってよくわからないじゃん?」若い女に“外見至上主義”の呪いをかける「S cawaii」

 「S Cawaii! 2019 SUMMER号」(主婦の友社、以下エスカワ)は、「自分のことが好きになる顔とカラダ」と銘打って、美白や小顔、ダイエットなど「自分磨き」にまつわる情報をぎゅっと詰め込んでいます。「コンプレックスをカワイイに変える」と意気込む「エスカワ」ですが、「5cm脚を長く見せる神尻トレ」や「全力小顔辞典」という言葉に、自力で変えられるものなの? と疑問を抱いてしまいます……。早速中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎もっと自分らしく、もっと女の子を楽しみたい!
◎スキニーぼいんプロジェクト
◎性格別BESTダイエット

「外見至上主義」という歪んだモチベーション

 冒頭の「もっと自分らしく、もっと女の子を楽しみたい!」というページには、読者の意識を今号のテーマである“自分磨き”に向けさせるような“檄文”がズラ~っと並んでいます。

 まず読者に、「この世界は、女だけが外見が(ついでに年齢も!)占めるウエートが高すぎっ! 男が生きる場合といろいろ違いすぎない?」という言葉を投げかけます。外見だけで判断されるのは腹が立つし、納得いかないこともあると共感しながら、なぜかその後には「外見こそ、てっとり早く自分次第で変えられる。内面って言われてもよくわからないじゃん。性格? 頭のよさ?」と“外見至上主義”を肯定しているとも取れる文章が。

 また、「明日すぐ石原さとみになることをめざす」のではく、「昨日よりちょっと小顔になった」と、一歩ずつ前に進んでいることを実感することが大切だと訴えているのですが、石原は過去の記者会見で「外見よりも内面を伴わないと皆さんに求めてもらえなくなる」と話していましたよ! 美のお手本である石原は、「外見」だけではなく、「内面」も磨いているようなので、一般人が“外見だけ”一歩ずつ前に進んでも、一生追いつけない存在であることは間違いありません。

 最後は、「目標地点は人それぞれで、なんでもOK。自分らしさを手に入れるために、自信を持って行こう!」という言葉で締めくくられていましたが、「エスカワ」の論調だと「自分らしさ=外見」なので、どうしても違和感を覚えてしまいます。「自分らしさ」「人それぞれ」と言いつつも、周囲の評価を気にしているのではないでしょうか? なんだか、「良いことを話しているふう」でお馴染みのお笑い芸人キングコング・西野亮廣を彷彿とさせる、危うい自己啓発の香りが漂うページでした。

  次に見ていく「スキニーぼいんプロジェクト」では、セクシー女優・明日花キララに体形キープの秘密を聞いています。「エスカワ」読者から、「細くて、カワイくて、胸も大きくて、女の完全体」と、崇められている明日花ですが、“カラダ”が資本の彼女らしく、並々ならぬ努力をしているよう。読者からの「おっぱいを保ちながらどうやって細くなるんですか?」という質問には、「筋トレと月2回の育乳エステに通っている。痛いけどワンカップは余裕で大きくなります!」と回答していました。一般人からすると、筋トレを続けることすら難しい上に、痛みに耐えるエステに定期的に通うことも苦行に思えてしまうので、美を手に入れることは簡単ではないし、金もかかるのだと、現実を突きつけられます。

 また、「自分を追い込むための3カ条」として、「1スタイルのいい外国人のモデルさんを見る。2自分を客観視する。3努力をあきらめない!」と答えていましたが、不自然なほど“アップデート”を繰り返す彼女は自分を客観視できているのか? と、ツッコミを入れたくなりました。

 そして、「体型をキープし続ける理由」を聞かれた明日花は、「劣化したね」と言われたくないからと回答。ネット上でよく見かける、芸能人に対する「劣化」という言葉ですが、それをスタイル維持のモチベーションに変換できるなんて、明日花のメンタルの強さには恐れ入ります。しかし、あの“アップデート”も、「劣化」という言葉への恐怖からきているのものだと仮定すれば、少々真に受けすぎなのでは? と言葉を投げかけたくなります。

 「エスカワ」読者にとってあこがれの存在である明日花だけに、周囲からの心無い「劣化」という言葉に突き動かされるのではなく、「自己満足」を得るための“美”を追求してほしいと願うのは筆者だけでしょうか。

「男とムフフ!」要はモテたい「エスカワ」読者

 最後に見ていく「性格別BESTダイエット」は、4種のダイエット法から、心理チャートを使って自分に合ったダイエット方法を見極めるという企画です。ダイエットを始める前にメンタルアプローチをすることで、確実に理想のカラダを手に入れることができらしいのですが、ここに取り上げられたダイエットの目標例は「やせたら好きな人に告白したい」「好きな人とムフフ」「やせたら男友達と海へ行って、夏を満喫する!」と、どれも「男性」とどうにかなりたいというものばかり。「自分らしさ」を手に入れるための手段の一つが「ダイエット」として紹介されているのにもかかわらず、結局「モテたい」だけなんかい! と思ってしまいますし、矛盾が生じているような……。確かにモテたいという気持ちが、「美」への原動力になることを否定はしませんが、例えば「好きな服を着こなしたい」というような、“自分自身で完結”する目標があってもいいのでは?

 冒頭で「この世界は、女だけが外見が(ついでに年齢も!)占めるウエートが高すぎっ!」という言葉を取り上げましたが、結局ウェートを高くしているのは、「女性を見た目で評価する男性」と「そんな男性の評価を気にしすぎている女性」なのでは? 想定される「エスカワ」読者は20代とまだまだ若いので、「加齢」という悩みが加わる前に、「ルッキズム」の呪縛から解かれるよう願わずにいられません。
(藤本なつき)

『テラハ』モデル起用の「おフェミなヤンキー」はギャグ!? 「ar」の努力とセンスが滲む迷コピー

 「ar」(主婦と生活社)6月号はBODY特集号。表紙に掲げられたタイトルは「LOVE MY BODY 痩/せ/ず/に/く/び/れ/、触/る/と/こ/だ/け/す/べ/す/べ」。このスラッシュの嵐にどういう意味が込められているのかは、最後のページまで読んでもわからなかったことだけは先にお伝えしておきます。早速、中身を見ていきましょう。

<トピックス>
◎太陽が似合う女がエロい SUMMER NUDE娘
◎やせるよりイイことしよ(ハート) たった3か条でアゲBODY
◎おフェミなヤンキーがハートに響く!

夏に期待しすぎでは?

 おフェロでエモくてラブいものに目がない「ar」が大得意の季節といえば夏。人気ヘアメイク・イガリシノブ氏によるメイク企画、今回のタイトルはずばり「太陽が似合う女がエロい SUMMER NUDE娘」です。

 「夏・夏・夏!! どフェロなサマーフェロモン!!」と大きな文字であおっていますが、そのすぐ下には「『フェロモンどば~!』じゃなく、動くたび、話すたびにこぼれ落ちるようなちら見せ系で攻める」とも書いてあります。そんなフェロモンの微調節が人間にできるのだろうかと、1ページ目から腰が引けます。

 しかし、紹介されているようなメイクをすれば「振り返られる真夏のヒロインになれる」とのことで、「夏はいつだって準備万端&前のめりに迎えなきゃ!」と明るく発破をかけ、読者を誘導していきます。

 イガリ氏の提案する「SUMMER NUDEメイク」は6種類。それぞれに付けられたタイトルは「とことんネアカに(ハート) 陽気な肌ベイべ!」、「夏の主人公 オラヌードな彼女」、「あふれちゃう(ハート)実っちゃう(ハート) DAKUDAKU娘」などなど、どれもテンション高め。

 中でも最も興味をそそられたのは、「ナツ恋必勝祈願【閲覧!推奨】顔からボンキュッボン!! arマル秘SUMMER NUDE顔」でした。タイトルが長すぎることはさておき、ブルーのラメシャドウなどで顔の隅々まで「夏のステキ感」を盛るのがポイントだそう。

 「夏のステキ感」というなんとも抽象的な言葉が、「ar」の夏への根拠なき期待、膨らみすぎている幻想をよく表していると感じました。「真夏のヒロイン」や「夏の主人公」を目指す方は、ぜひこの「夏のステキ感」とは何なのか、追求してみてほしいです。

 次に紹介するのは「やせるよりイイことしよ(ハート) たった3か条でアゲBODY」。薄着になる夏に向けて、「今よりちょっとキレイでエロい魅せBODY」を目指すため、ar girl(読者モデル)や専門家(整骨院院長)からのアドバイスを紹介する企画です。その3か条として挙げられているのは、「1 ぽわんとする 2 キュッとする 3 ぴかっとする」でした。抽象的な擬音語で、読者の読み取る力に挑戦してきます。

 「ぽわん」とは、「ふわふわおっぱい」と「上向きヒップ」のことだそうですが、その「ふわふわおっぱい」になる方法について「お風呂上りに、背中の肉をおっぱいに流すようにしただけでカップがあがった(ハート) まいまいさん24歳」との意見が。この「寄せて流してバストアップ!」系は、「ar」のバスト企画で毎回のように上がってくる方法です。もうほとんど誰も信じていない都市伝説的なバストアップ法だと思うのですが、それでもこの意見を読むたびに、わずかな希望を抱いてしまう貧乳の気持ちを編集部はもてあそんでいるのかな? とも思ってしまいます。

 「キュッとする」では、鏡で全身をチェックしよう、フィット感のある服を着てウエストを強調しようというアドバイスが紹介されています。また「ぴかっとする」では、オイルやボディパウダーで体をぴかっとさせよう、という提案がされていました。

 きつい筋トレで美ボディを目指す派からは「ふざけんな」という声が飛んできそうな内容ですが、読んでいるだけで気持ちが「ぽわん、キュッ、ぴかっ」としてきて、これくらいゆるい考え方もあっていい気もしてくる、不思議な企画でした。

テラハメンバーが夜露死苦!?

 最後は、ファッションブランド「FUR FUR」の紹介ページで、こちらのタイトルは「おフェミなヤンキーがハートに響く!」。80年代のヤンキーがテーマだそうで、チンピラ風開襟シャツ、薄ピンク色の短ラン&ボンタン、スケバン風のセーラーワンピースなど、ファッションセンスを持ち合わせていない筆者から見ればギャグのような服ばかり。それを難なく着こなしているモデルは、5月から始まったテラハ新シリーズ『テラスハウスTOKYO 2019-2020』(Netflix)のメンバー、春花でした。

 彼女のインスタには、決定版以前のページ写真が掲載されているのですが、それを見ると「おフェミなヤンキーがハートに響く!」の仮タイトルは「鬼カワ上等! FUR FUR見参。ヤンキー娘で夜露死苦」だった模様。このままでは完全なるギャグです。オシャレに限りなく近付けるように推敲を重ねたのであろう編集部の努力とセンスに頭が下がります。

 それにしても、6月号にして早くも夏真っ盛りの様相を呈していた「ar」。来月号はどうなってしまうのか心配ですが、楽しみにしています。
(島本有紀子)