タンポンの広告動画が炎上! 「対人関係の不安を解消できることを伝えたかった」

 4月30日、ユニ・チャームと女性向け動画サイトC CHANNELが共同で制作したタンポンの広告動画がネット上で公開され、瞬く間に炎上した。動画内では、生理中の彼女とのデートで困ったという男性側の意見を紹介。「やたらとトイレに行くから待っている間が寂しい」「隣に座ろうとすると距離をとられる」「旅行の予定がキャンセルになった」などといったもので、「そんな時タンポンなら大丈夫」「旅行もデートもいつも通り楽しめる」といった内容で締めくくられている(現在、動画は削除済み)。

 この広告動画に対し、「まるで生理になる女性が悪いかのよう」「(タンポンを使っても)トイレに行く回数が劇的に減るわけではない」「なんで女性の生理用品に何を使うかが『彼氏』の意見中心?」といった批判的なコメントがネット上で飛び交っている。

 女性の味方と言える商品を販売しているはずのユニ・チャームが、女性を敵に回してしまったともとれる今回の事態。ユニ・チャーム側はどう考えているのか。同社広報担当に動画の制作意図を聞いたところ、次のような回答が返ってきた。

「生理中の不快感を軽減する生理用品の一つとしてタンポンを紹介するという目的でC CHANNELさんにご協力いただき、動画を制作いたしました。生理のときに女性が気になってしまう対人関係の不安を解消できることを伝える、という意味合いで制作をしたのですが、生理に悩む女性に負担を強いるような表現になったと判断しております。不快な思いをさせてしまったことに対しては、大変深くおわびしたいと思っております」

 筆者もつい最近、初めてタンポンを利用したが、ナプキンと比べると格段に動きやすく、ムレによる肌のかぶれを気にすることがないのはうれしい発見だった。しかし、「対人関係の不安解消」に関してはイマイチぴんとこない。タンポンを使用することにより動きやすい分、運動する際に快適という面はあるかもしれないが、生理痛や気分の落ち込みといった、生理によって引き起こされる症状が改善するわけではないし、旅行やプールに行く予定がある場合は、ピルで生理周期をズラす方法の方が、生理を意識せずに楽しめるのではないだろうか。

 また、多くの女性が指摘していたように、自分の体の生理現象への対処方法を男性の都合に合わせるという点に疑問を感じる。ユニ・チャームは7年前にもタンポンと恋愛に関する調査を行っており、「タンポン派はナプキン派よりも彼氏がいる率が2割高い」という結果を発表している。タンポンが便利だと実感して自らの意思で選択・利用しているならともかく、男性の都合に合わせてタンポンを使用することが、本当にモテや恋愛と関係あるのだろうか。

 女性にとって身近な存在であるはずなのに、いまだにタブー視の強い生理。特にタンポンは膣に挿入するので、抵抗を感じる人も少なくないのだろう。また、娘に対して「タンポンを使ってはダメ、ナプキンを使いなさい」と指導する母親の話も耳にしたことがある。そのような意識や、タンポンに対する抵抗を取り払うには、若い女性をターゲットにしたC CHANNELのような媒体で広告動画をアップすること自体は良い手段だったと思われる。

 しかし、動画制作中に違和感を覚える人は誰かいなかったのだろうか。ユニ・チャームの広報担当はこう語る。

「今回の企画は、テレビCMを手がけたスタッフではなく、C CHANNELさんのスタッフが中心となって『対人関係の不安を解消できる』ことを目的に制作したものです。企画内容自体が『男性にアンケートを取ってみた』というものなので、そこに反対意見を述べる人はおらず、その方向で走っていったという形です」

 今後の対策について、広報担当者は次のように説明した。

「広告動画に関していろいろとご意見をいただいております。対応といたしましては広告動画の削除をさせていただきました。今後、タンポンに限らず商品を発信する表現については、いっそう注意をして制作していきたいと思っております。また、『タンポンNavi』というサイトがありまして、こちらでも動画に関する謝罪文を記載させていただいたところです」

 男性の意見に従うことを薦めるのではなく、「今まで試したことはなかったけど、これならすぐに使いたい」と自ら思えるような、そんなメッセージをCMで伝えるのは難しいことだったのだろうか。
(姫野ケイ)

タンポンの広告動画が炎上! 「対人関係の不安を解消できることを伝えたかった」

 4月30日、ユニ・チャームと女性向け動画サイトC CHANNELが共同で制作したタンポンの広告動画がネット上で公開され、瞬く間に炎上した。動画内では、生理中の彼女とのデートで困ったという男性側の意見を紹介。「やたらとトイレに行くから待っている間が寂しい」「隣に座ろうとすると距離をとられる」「旅行の予定がキャンセルになった」などといったもので、「そんな時タンポンなら大丈夫」「旅行もデートもいつも通り楽しめる」といった内容で締めくくられている(現在、動画は削除済み)。

 この広告動画に対し、「まるで生理になる女性が悪いかのよう」「(タンポンを使っても)トイレに行く回数が劇的に減るわけではない」「なんで女性の生理用品に何を使うかが『彼氏』の意見中心?」といった批判的なコメントがネット上で飛び交っている。

 女性の味方と言える商品を販売しているはずのユニ・チャームが、女性を敵に回してしまったともとれる今回の事態。ユニ・チャーム側はどう考えているのか。同社広報担当に動画の制作意図を聞いたところ、次のような回答が返ってきた。

「生理中の不快感を軽減する生理用品の一つとしてタンポンを紹介するという目的でC CHANNELさんにご協力いただき、動画を制作いたしました。生理のときに女性が気になってしまう対人関係の不安を解消できることを伝える、という意味合いで制作をしたのですが、生理に悩む女性に負担を強いるような表現になったと判断しております。不快な思いをさせてしまったことに対しては、大変深くおわびしたいと思っております」

 筆者もつい最近、初めてタンポンを利用したが、ナプキンと比べると格段に動きやすく、ムレによる肌のかぶれを気にすることがないのはうれしい発見だった。しかし、「対人関係の不安解消」に関してはイマイチぴんとこない。タンポンを使用することにより動きやすい分、運動する際に快適という面はあるかもしれないが、生理痛や気分の落ち込みといった、生理によって引き起こされる症状が改善するわけではないし、旅行やプールに行く予定がある場合は、ピルで生理周期をズラす方法の方が、生理を意識せずに楽しめるのではないだろうか。

 また、多くの女性が指摘していたように、自分の体の生理現象への対処方法を男性の都合に合わせるという点に疑問を感じる。ユニ・チャームは7年前にもタンポンと恋愛に関する調査を行っており、「タンポン派はナプキン派よりも彼氏がいる率が2割高い」という結果を発表している。タンポンが便利だと実感して自らの意思で選択・利用しているならともかく、男性の都合に合わせてタンポンを使用することが、本当にモテや恋愛と関係あるのだろうか。

 女性にとって身近な存在であるはずなのに、いまだにタブー視の強い生理。特にタンポンは膣に挿入するので、抵抗を感じる人も少なくないのだろう。また、娘に対して「タンポンを使ってはダメ、ナプキンを使いなさい」と指導する母親の話も耳にしたことがある。そのような意識や、タンポンに対する抵抗を取り払うには、若い女性をターゲットにしたC CHANNELのような媒体で広告動画をアップすること自体は良い手段だったと思われる。

 しかし、動画制作中に違和感を覚える人は誰かいなかったのだろうか。ユニ・チャームの広報担当はこう語る。

「今回の企画は、テレビCMを手がけたスタッフではなく、C CHANNELさんのスタッフが中心となって『対人関係の不安を解消できる』ことを目的に制作したものです。企画内容自体が『男性にアンケートを取ってみた』というものなので、そこに反対意見を述べる人はおらず、その方向で走っていったという形です」

 今後の対策について、広報担当者は次のように説明した。

「広告動画に関していろいろとご意見をいただいております。対応といたしましては広告動画の削除をさせていただきました。今後、タンポンに限らず商品を発信する表現については、いっそう注意をして制作していきたいと思っております。また、『タンポンNavi』というサイトがありまして、こちらでも動画に関する謝罪文を記載させていただいたところです」

 男性の意見に従うことを薦めるのではなく、「今まで試したことはなかったけど、これならすぐに使いたい」と自ら思えるような、そんなメッセージをCMで伝えるのは難しいことだったのだろうか。
(姫野ケイ)

花粉症は「肩コリ」「首コリ」まで引き起こす!? 呼吸器医師が、春特有の“ダルさ”改善に助言

 花粉が本格的に飛散しだした今日この頃、気候よりも先に、咳やくしゃみで春の訪れを感じた人も多いはず。花粉症のピークを迎える春から初夏にかけて起こるつらい諸症状とともに、「季節性アレルギーコリ」を訴える人が後を絶たないという。一見、花粉症とは関連が薄いように感じる「コリ」。しかし、見過ごしてしまうと、花粉症の症状を悪化させたり、全身のダルさを引き起こす可能性もあるようだ。そこで、池袋大谷クリニック院長・大谷義夫先生の「花粉症とコリ」に関する講義を聞きに、ピップ株式会社主催の勉強会に参加した。

■花粉症の発症や悪化を防ぐポイント
 2月に入ると症状が出始め、3~5月にかけてピークを迎えるというスギ・ヒノキの花粉症。発症者数は国民病ともいわれるほど多く、日本人の3人に1人がかかっているのだとか。また、まだ発症はしていないながら花粉の抗体を持っている花粉症予備軍も多く、「花粉症を発症するか否かは、そのときの花粉の飛散量と免疫が関係しているため、バケツ理論(花粉に曝露し続け、ある一定量を超えると発症する)だけでは説明がつきません」と、大谷先生は語る。これから本格的に春を迎えるにあたって、「すでに花粉症の人は悪化させないよう、まだの人は発症しないように、日常生活で心がけるポイントがある」そうだ。

 人間の体は、吸い込んだウイルスやばい菌、アレルゲンなどを、鼻毛、扁桃腺、線毛(粘膜に生えている毛のような突起)の3段階でキャッチして体外へ排出しているが、乾燥すると喉の線毛の働きも悪くなって、ウイルスやアレルゲンが侵入しやすくなる。そのため、空気の乾燥しやすい冬から春は、アレルギー症状が起こりやすい季節なのだそう。「乾燥すると線毛の働きが低下してしまうので、湿度が低いときは加湿器などで50%以上を保つことが大切」なんだとか。

 ただ、この時期は、「激しい寒暖差によって引き起こされる寒暖差アレルギー、中国大陸から偏西風に乗って入ってくる黄砂やPM2.5による呼吸器系や循環器系の疾患なども起こりやすいため、花粉症に似た症状でも区別しなければなりません」という。

■周囲への気遣いが症状を悪化させている!?
 花粉症の主な症状として、アレルギー学会の一部の報告では、鼻水や鼻づまり、目のかゆみは、100%近くの人が実感しているという。そのうち、「咳などの気管支系の症状も伴う人は約40%なのに対し、倦怠感や頭痛など、全身症状を訴える人は80%近くに上る」そうだ。

 大谷先生の患者である20代の学生は、授業中に咳やくしゃみが出るたび周囲へ気を使ってしまい、自然と姿勢が前のめりになって、背中や腰にコリを感じているという。また、30代のビジネスマンは、花粉症の症状によって呼吸がしづらくなり、眠りが浅くなった結果、体が疲れ、肩や背中にコリを感じるように。ほかにも、くしゃみを連発することで腹筋や全身が痛くなったり、公共の場で咳やくしゃみを抑えようと力を入れることで、全身に痛みやコリを訴えたりする患者が多いという。

 そこで、大谷先生がピップ株式会社との共同研究として、アレルギー症状とコリに関する意識調査をインターネットで実施。その結果、約8割の人が「咳やくしゃみをする際に体を縮こまらせるため、力が入ってしまう」と回答した。うち7割が、「体を縮こまらせるのは、周囲に迷惑をかけないため」と回答していることから、「インフルエンザを念頭に、ここ数年で咳エチケットという概念が広まり、飛沫を飛ばさないため必然的に体を縮こまらせていることがうかがえる」と、大谷先生。

 さらに、「アレルギー症状が原因でコリの経験があるか」も調査したところ、「ある」と回答したのは4割ほど。中には、激しい咳やくしゃみで体に痛みやコリを覚え、「骨が折れた」「肺炎になった」と勘違いする人もいるそうだ。また、コリを感じている人の4割が、「息苦しい」とも感じているという。

■花粉症で生じるコリのメカニズム
 では、なぜ咳やくしゃみでコリや息苦しさなどの症状が生じるのか? 大谷先生が解説したメカニズムによると、「咳やくしゃみをするとき前傾姿勢になると、肺が圧迫され、呼吸が浅くなって、酸素の取り込み量が少なくなる。それにより、酸素と二酸化炭素の交換が悪くなったり、血行不良を起こしたりと、軽い酸欠のような状態になってしまう」とのこと。また、酸素が足りないと、エネルギーとなるブドウ糖を分解しにくくなって疲れやすくなるため、結果的に、「疲労感や息苦しさ、コリを全身に感じるように」。なお、咳やくしゃみを1回するごとに2キロカロリーほどを消費するというデータもあり、余計に疲れてしまう人もいるようだ。

 なお、大谷先生がピップ株式会社と行った共同研究によると、正しい姿勢と猫背の状態における肺活量の検査では、33歳の被験者が正しい姿勢では肺年齢・18歳だったのに対し、猫背では41歳という結果に。姿勢によって肺が圧迫されただけで、肺年齢に23歳差が生まれたことになる。それにより、「人間は1分間に15回、1日にすると約2万回の呼吸をしているので、呼吸が浅くなるか深くなるかの違いで、1日の酸素摂取量や、酸素と二酸化炭素の交換量はかなり変わってくる」ことが裏付けられる結果となった。

■コリを和らげるための4つの方法
 それでは、花粉症が引き起こすコリなどの全身症状を改善するにはどうすればいいのだろう。大谷先生いわく、「深呼吸をする、鼻呼吸をする、水分をしっかり摂る、磁気治療器を使用するという4つの方法を取り入れるだけで、花粉症に伴う症状が改善されやすい」とのこと。

 鼻で呼吸をすると、鼻毛でアレルゲンなどをキャッチしてもらえるだけでなく、「喉が広がってより多くの空気を一度に吸い込むことができるようになる」そうだ。日々できる呼吸トレーニングとして、「2秒間で鼻から息を吸い、口をすぼめながら6秒かけてゆっくり息を吐く」という方法も紹介していた。

 もし鼻呼吸が難しいようであれば、「口呼吸を強制的に封じるために、口に水をふくんだまま日常生活を送り、鼻呼吸をする方法も有効」とのこと。また、水分をこまめに摂取することは、血流をよくし、乾燥を防いで線毛の働きを促すことにもつながる。「マスクを着用している人は、水分を摂取しそびれることも多いので、脱水を防ぐためにも、こまめな水分補給を意識してほしい」と、大谷先生。なお、磁気治療器は即効性があるため、「コリ解消の強い味方」という。

 花粉症による全身の不調に悩まされる人は、少しでも快適な春を過ごせるよう、今年は「コリ」にも着目した方がよさそうだ。
(取材・文/千葉こころ)

花粉症は「肩コリ」「首コリ」まで引き起こす!? 呼吸器医師が、春特有の“ダルさ”改善に助言

 花粉が本格的に飛散しだした今日この頃、気候よりも先に、咳やくしゃみで春の訪れを感じた人も多いはず。花粉症のピークを迎える春から初夏にかけて起こるつらい諸症状とともに、「季節性アレルギーコリ」を訴える人が後を絶たないという。一見、花粉症とは関連が薄いように感じる「コリ」。しかし、見過ごしてしまうと、花粉症の症状を悪化させたり、全身のダルさを引き起こす可能性もあるようだ。そこで、池袋大谷クリニック院長・大谷義夫先生の「花粉症とコリ」に関する講義を聞きに、ピップ株式会社主催の勉強会に参加した。

■花粉症の発症や悪化を防ぐポイント
 2月に入ると症状が出始め、3~5月にかけてピークを迎えるというスギ・ヒノキの花粉症。発症者数は国民病ともいわれるほど多く、日本人の3人に1人がかかっているのだとか。また、まだ発症はしていないながら花粉の抗体を持っている花粉症予備軍も多く、「花粉症を発症するか否かは、そのときの花粉の飛散量と免疫が関係しているため、バケツ理論(花粉に曝露し続け、ある一定量を超えると発症する)だけでは説明がつきません」と、大谷先生は語る。これから本格的に春を迎えるにあたって、「すでに花粉症の人は悪化させないよう、まだの人は発症しないように、日常生活で心がけるポイントがある」そうだ。

 人間の体は、吸い込んだウイルスやばい菌、アレルゲンなどを、鼻毛、扁桃腺、線毛(粘膜に生えている毛のような突起)の3段階でキャッチして体外へ排出しているが、乾燥すると喉の線毛の働きも悪くなって、ウイルスやアレルゲンが侵入しやすくなる。そのため、空気の乾燥しやすい冬から春は、アレルギー症状が起こりやすい季節なのだそう。「乾燥すると線毛の働きが低下してしまうので、湿度が低いときは加湿器などで50%以上を保つことが大切」なんだとか。

 ただ、この時期は、「激しい寒暖差によって引き起こされる寒暖差アレルギー、中国大陸から偏西風に乗って入ってくる黄砂やPM2.5による呼吸器系や循環器系の疾患なども起こりやすいため、花粉症に似た症状でも区別しなければなりません」という。

■周囲への気遣いが症状を悪化させている!?
 花粉症の主な症状として、アレルギー学会の一部の報告では、鼻水や鼻づまり、目のかゆみは、100%近くの人が実感しているという。そのうち、「咳などの気管支系の症状も伴う人は約40%なのに対し、倦怠感や頭痛など、全身症状を訴える人は80%近くに上る」そうだ。

 大谷先生の患者である20代の学生は、授業中に咳やくしゃみが出るたび周囲へ気を使ってしまい、自然と姿勢が前のめりになって、背中や腰にコリを感じているという。また、30代のビジネスマンは、花粉症の症状によって呼吸がしづらくなり、眠りが浅くなった結果、体が疲れ、肩や背中にコリを感じるように。ほかにも、くしゃみを連発することで腹筋や全身が痛くなったり、公共の場で咳やくしゃみを抑えようと力を入れることで、全身に痛みやコリを訴えたりする患者が多いという。

 そこで、大谷先生がピップ株式会社との共同研究として、アレルギー症状とコリに関する意識調査をインターネットで実施。その結果、約8割の人が「咳やくしゃみをする際に体を縮こまらせるため、力が入ってしまう」と回答した。うち7割が、「体を縮こまらせるのは、周囲に迷惑をかけないため」と回答していることから、「インフルエンザを念頭に、ここ数年で咳エチケットという概念が広まり、飛沫を飛ばさないため必然的に体を縮こまらせていることがうかがえる」と、大谷先生。

 さらに、「アレルギー症状が原因でコリの経験があるか」も調査したところ、「ある」と回答したのは4割ほど。中には、激しい咳やくしゃみで体に痛みやコリを覚え、「骨が折れた」「肺炎になった」と勘違いする人もいるそうだ。また、コリを感じている人の4割が、「息苦しい」とも感じているという。

■花粉症で生じるコリのメカニズム
 では、なぜ咳やくしゃみでコリや息苦しさなどの症状が生じるのか? 大谷先生が解説したメカニズムによると、「咳やくしゃみをするとき前傾姿勢になると、肺が圧迫され、呼吸が浅くなって、酸素の取り込み量が少なくなる。それにより、酸素と二酸化炭素の交換が悪くなったり、血行不良を起こしたりと、軽い酸欠のような状態になってしまう」とのこと。また、酸素が足りないと、エネルギーとなるブドウ糖を分解しにくくなって疲れやすくなるため、結果的に、「疲労感や息苦しさ、コリを全身に感じるように」。なお、咳やくしゃみを1回するごとに2キロカロリーほどを消費するというデータもあり、余計に疲れてしまう人もいるようだ。

 なお、大谷先生がピップ株式会社と行った共同研究によると、正しい姿勢と猫背の状態における肺活量の検査では、33歳の被験者が正しい姿勢では肺年齢・18歳だったのに対し、猫背では41歳という結果に。姿勢によって肺が圧迫されただけで、肺年齢に23歳差が生まれたことになる。それにより、「人間は1分間に15回、1日にすると約2万回の呼吸をしているので、呼吸が浅くなるか深くなるかの違いで、1日の酸素摂取量や、酸素と二酸化炭素の交換量はかなり変わってくる」ことが裏付けられる結果となった。

■コリを和らげるための4つの方法
 それでは、花粉症が引き起こすコリなどの全身症状を改善するにはどうすればいいのだろう。大谷先生いわく、「深呼吸をする、鼻呼吸をする、水分をしっかり摂る、磁気治療器を使用するという4つの方法を取り入れるだけで、花粉症に伴う症状が改善されやすい」とのこと。

 鼻で呼吸をすると、鼻毛でアレルゲンなどをキャッチしてもらえるだけでなく、「喉が広がってより多くの空気を一度に吸い込むことができるようになる」そうだ。日々できる呼吸トレーニングとして、「2秒間で鼻から息を吸い、口をすぼめながら6秒かけてゆっくり息を吐く」という方法も紹介していた。

 もし鼻呼吸が難しいようであれば、「口呼吸を強制的に封じるために、口に水をふくんだまま日常生活を送り、鼻呼吸をする方法も有効」とのこと。また、水分をこまめに摂取することは、血流をよくし、乾燥を防いで線毛の働きを促すことにもつながる。「マスクを着用している人は、水分を摂取しそびれることも多いので、脱水を防ぐためにも、こまめな水分補給を意識してほしい」と、大谷先生。なお、磁気治療器は即効性があるため、「コリ解消の強い味方」という。

 花粉症による全身の不調に悩まされる人は、少しでも快適な春を過ごせるよう、今年は「コリ」にも着目した方がよさそうだ。
(取材・文/千葉こころ)

皮膚科医が“顔ダニ恐怖症”に警鐘! 「駆除石けんはやりすぎ」「敏感肌は存在しない」

 昨年末、読者モデルのりゅうちぇるが、「顔のニキビが治らないのは“顔ダニ”が原因だった」と告白して話題となった。イメージも相まってか、「顔ダニがいる=汚い」「顔ダニがいるとニキビが増える」などと認知されており、最近では、顔ダニを疑って皮膚科を来院する患者や、殺傷する洗顔フォームなども発売されているという。その一方で、作家の辻仁成は、顔を洗わずに顔ダニをキープすることで、美肌を保つ「顔ダニ美容法」を実践していると報じられたことも。一体、顔ダニとは何ものなのか。肌にいいのか悪いのか。立川皮膚科クリニックの伊東秀記先生に、顔ダニについて話をうかがった。

■ニキビが治らない原因は顔ダニだけではない

――まず最初に、「顔ダニ」とは何ですか?

伊東秀記先生(以下、伊東) 毛穴や皮脂腺に住んでいる毛包虫です。顔全体で400万匹ほどいるといわれており、肌のpHを保つなどの役割を果たしている可能性が高いと考えられています。ただ、どのくらい増えすぎると肌に害があるのかなど、詳細はわかっていません。というのも、顔ダニは細菌や真菌(カビ)などと共存している常在菌に似たようなものなので、取りたてて調査するような種ではないんです。そのため、顔ダニを専門に調べる医師もおりませんし、顔ダニに特化して実験などをしたデータやエビデンスもありません。

――では、なぜ今こんなにも顔ダニが話題になっているのでしょうか?

伊東 実は、火付け役は私なんですよね(笑)。そもそもテレビ番組で、いろいろ治療しても治らないニキビについてお話をさせていただいたとき、「もし抗生物質の薬剤耐性ができていたら、抗生剤の種類を変えただけでは治らない。また、その他の原因として、顔ダニが関与している可能性も考えないといい治療ができない」と話題に挙げただけなんです。それなのに、顔ダニだけがクローズアップされ、間違った情報が広まってしまい、“顔ダニ恐怖症”のような方も出てきて、困惑しています。

――りゅうちぇるは、「治らないニキビは顔ダニが原因」と診断されたそうです。

伊東 顔ダニがいるからといって病気なのではなく、なにかの原因で増えてしまったときに病原性を発揮するだけです。一部のニキビに顔ダニが関与していて、駆除することで治りが早くなるという事例もありますが、全ての治らないニキビの原因が顔ダニということは、ちょっと考えられません。りゅうちぇるさんのケースもクエスチョンが残りますね。

――最近では、顔ダニを駆除する洗顔フォームなども発売されているようです。

伊東 おそらく、メトロニダゾールという原虫や菌を殺す成分と、油分を取り除く成分が入っているのだろうと思いますが、その成分が顔ダニの住む毛穴の中や皮脂腺まで届かなければ意味がありません。洗顔フォームの泡が毛穴の奥まで届くはずはありませんし、皮脂腺まで洗うとなると、皮膚をべろっと剥かない限り不可能。つまり、顔ダニを完全に駆除する石けんなどあり得ないのです。

 ちなみに、ニキビの原因を顔ダニといって、実費扱いの高い薬を出す悪徳な医師もいるようです。目に見えないものだけに、患者さんも信じてしまいやすいとは思いますが、冷静に考えて判断してほしいと思います。

――では逆に、辻仁成のように「顔を洗わないで顔ダニをキープする」という美容法はどうなのでしょうか?

伊東 顔ダニは皮脂をエサにしますが、毛穴から出てきて肌の表面をうろつくわけではないので、顔を洗わなかったところで肌表面に油分が溜まって、ただ汚いだけです。その油分が酸化すると、顔ダニとは関係のないほかの肌トラブルに巻き込まれる可能性も高まります。過度に洗う必要はありませんが、寝汗や脂、付着した汚れをきちんと落とさないとニキビやその他の皮膚炎を起こす原因となるので、昔からの通り朝夕の2回くらいは洗うべきです。

■敏感肌は存在しない? 間違ったケアが招く肌トラブル

――顔ダニが増えたり減ったりするのには、どのような原因が考えられますか?

伊東 減りすぎてしまうと何らかの害が出るので、ある程度のところでブレーキがかかるはずです。なので、顔ダニが減るとすれば駆除薬を使ったときでしょう。逆に増える場合は、油分が必要以上に多い肌環境を作ってしまったり、化粧を落とさずに寝てしまったりしたときといわれています。

――顔ダニ以外の常在菌も、バランスが崩れると何らかの影響がでるのでしょうか?

伊東 顔ダニと共存しているカビの一種であるマラセチア菌は、増えすぎると脂漏性皮膚炎を起こしやすくなります。また、顔ダニによる毛包虫性皮膚症といって、顔ダニ(毛包虫)に対するアレルギーを持ってしまうと、アレルギー反応を起こすこともあります。ただ、顔ダニにしても、そのほかの常在菌にしても、それほど心配することではありません。

――肌トラブルが怒らないように、日ごろから気をつけておくべきことはありますか?

伊東 よく規則正しい生活や一定量の睡眠、バランスのとれた食事、ストレスのない生活などを推奨されますが、今の時代、現実的に無理な人が大半でしょう。そのため、「自分の肌に合った正しいスキンケア」を意識するだけでも、おのずと肌トラブルも減っていくと思います。

――「自分の肌に合った正しいスキンケア」を知るにはどうすればいいですか?

伊東 「正しいスキンケア」とは、どこのメーカーの何がいいとかではなく、自分の肌質に合う成分でケアを行うということです。例えば脂漏性皮膚炎は、その症状からよく乾燥肌と勘違いされやすいんです。皮脂の過剰分泌でマラセチアが増えている可能性もあり、本来ならば、皮脂を洗い流すタイプの洗顔フォームを使うべきなのですが、勘違いしたまま、乾燥肌用のケアをしていて、改善しないというケースもあります。そうすると、だいたいみなさん、オイル系統の保湿剤を使い始めて、その結果、症状を悪化させてしまうという事例も多いです。困ったときは自己判断せず、皮膚の専門医に相談するのが一番でしょう。

――まずは自分の肌質を知ることが大切なんですね。でも、自分の肌質をきちんと把握している女性は少ないように思います。

伊東 伊東 よく「私は敏感肌」とおっしゃっている患者さんがいますが、体だって同じ皮膚なのに、顔だけ敏感肌になるのはおかしいですよね。それはつまり、自分の肌に合わないケアをして、脂漏性皮膚炎などを悪化させていたり、じんましんの様な反応を起こしていることが多いのです。「敏感肌」という分類はあり得ません。今まで長年使っていた化粧品が合わなくなったという場合も、年齢とともに肌のコンディションが変わってきたことが原因だったりするんですよ。

 困ったときは気軽に専門医に相談してほしいのですが、中にはニキビの原因を特定できずに「チョコレートは一切食べるな」など食生活に対して極端なアドバイスをしたり、詳しい説明もせず「この薬を飲んでおけばいい!」と叱責したり、保険の効く薬を実費扱いで出したりする医師も、残念ながら存在するようです。受診する際は、信頼できる医師を選ぶようにしてください。
(取材・文/千葉こころ)

伊東秀記(いとう・ひでき)
日本皮膚科学会皮膚科専門医、医学博士。立川皮膚科クリニック院長。皮膚に関するあらゆるトラブルの原因を徹底的に追究し、トータル的な治療でお悩みに対応。先生の治療を受けたいと、多くの患者が集っている。
立川皮膚科クリニック

「ワキの黒ずみは突然できることも」皮膚科医が、肌トラブルを起こさないためのワキ毛処理を解説!

 冬も終わりに近づくにつれ、気になりだすのがワキの黒ずみ。これからやってくる薄着の季節、不意にワキを見られてしまうことも多いだけに、きちんとケアしたいもの。そこで、「よしき皮膚科クリニック銀座」院長の吉木伸子先生が行う「ワキの黒ずみ対策」の講演を聞きに、デオナチュレの勉強会へ参加した。

■ワキ毛を抜く行為は「皮膚を引きちぎっている」

 「実に2人に1人の女性が悩んでいるというデータもある」というワキの黒ずみ。それは、毛の処理と密接な関係があるという。

 ワキ毛の処理方法は主に2つ。毛抜きや家庭用脱毛器、テープやワックスで毛を根元から抜く“脱毛”と、カミソリやシェーバーで皮膚からのぞいた部分を剃る“剃毛”があるものの、「どちらの方法も、ある程度は肌に負担をかけています」と、吉木先生。中でも脱毛は、肌に与えるダメージが大きいのだとか。

「毛根は神経や血管の通う生きた組織です。“毛を抜く”という行為は、皮膚組織の一部を引きちぎることになるので、毛穴の奥は傷つき、出血もしているんですよ」(吉木先生/以下、同)

 なお、傷が治ると新しい毛が生えてくるが、その毛を抜くと、再び毛根へダメージを与えてしまうことになるそうだ。

 女性は1年を通してワキ毛処理している人も多いため、ダメージと治癒を繰り返すこととなり、「だんだんと皮膚が傷んで、ダメージが蓄積されていきます」とのこと。つまり、10代の頃から毛を抜き続けていると、何十年分ものダメージが蓄積されてしまうということなのだ。

 その結果、皮膚が繊維化して、毛の出口が硬くなったり変形したり、鳥肌のようになったりする「瘢痕化」や、「埋没毛」などのトラブルを起こしやすくなり、さらに、毛穴の中や周辺には雑菌も多いため、傷口から雑菌が侵入すると、ニキビのような発疹ができて化膿する「毛嚢炎」を招くことも。それらの痕が「炎症性色素沈着」を起こし、くすみや黒ずみになるのだという。

■黒ずみは、一度できると消せない

 しかも、誤った除毛方法で、肌トラブルを繰り返してできた黒ずみは、簡単に消すことができないようだ。

「紫外線でできたシミとは違い、炎症性色素沈着はレーザーでは消えません。ピーリングや美白クリームなどを1~2年ほど続ければ薄くなることもありますが、沈着が深い場合は、消すのがかなり困難な場合も」

 吉木先生の元には、結婚式目前に「ワキの黒ずみをどうにかしてほしい!」と駆け込んでくる女性も少なくないそうだが、「年月をかけて蓄積してきたダメージを、2~3カ月でキレイにするのは無理難題」。そのため、黒ずみ対策には、“肌トラブルを起こさないような除毛方法”を取り入れなければいけないのだ。

 ところが、ワキの肌トラブルを起こした女性の中には、「昔から同じ方法でワキ毛処理をしてきたけど、一度もトラブルになったことがない」との理由から、除毛方法に問題があると気づいていない人が多いのだとか。

「長年同じ除毛方法を続けていても、ある年齢から肌トラブルを起こしやすくなることはあります。それは、ダメージの蓄積で皮膚が傷む以外に、年齢とともに回復力自体も衰えていくからです」

 また、トラブルが起こるのは、新しい毛が生えてきたタイミングのことが多く、「除毛した日から炎症が起こるまでタイムラグがあることも、除毛方法に問題があると気づきにくい理由の1つ」のようだ。

■生理前の除毛はNG!?

 肌トラブルの原因を知り、正しい除毛を行うことが、黒ずみ対策への第一歩。しかし、毛穴へのダメージが少ない剃毛でも、「刃物が肌の表面を削り取り、見えない傷が無数についている」そうで、やはりトラブルの原因になる可能性はある。

 とはいえ、ワキ毛を処理しないというわけにはいかないだけに、除毛の際には、少しでもダメージを減らすため、「体と剃毛用の器具ともに、清潔な状態で行う」「剃る前に蒸しタオルなどで温めて、毛と皮膚を柔らかくする」「除毛が終わったら、冷やして炎症を抑える」「体調の悪いときは行わない」という4つの点を心がけるべきだという。

「除毛による傷を治すのは自身の回復力なので、体調が悪いと回復も遅くなります。疲れているときや風邪気味のとき、生理前などは特に膿みやすいので、体調のいい日に行うようにしましょう。また、カミソリを使う場合は替え刃式を選び、こまめに刃を取り換えることが大切です」

 ただ、肌トラブルを起こすか否かは個人差が大きく、トラブルとは無縁の人もいるそう。反対に、どう工夫しても肌トラブルを起こしてしまう人は、「肌への負担が少ない医療脱毛を検討してみましょう。医療脱毛をして自己処理をやめれば、肌トラブルは回復していきます」と語る。

 吉木先生が、最後に「ワキの黒ずみのような炎症性色素沈着は、簡単に消せる手立てがありません」と繰り返し、「トラブルが起きたときは、早めに皮膚科を受診して相談してください」と、注意を呼びかけ、講演は終了。今はまだ黒ずんでいないという人も、今後のワキのことを視野に入れて、正しい除毛方法を始めてみるのはいかがだろう。
(千葉こころ)

「耳掃除をやめろ!」米学会が緊急警告~耳垢には取ってはいけない大事な役目が

 入浴後の仕上げに<耳掃除>をするのが好きな人は多いだろう。親子や夫婦、恋人同士が膝枕でスキンシップを兼ねて耳掃除をする風景はごく日常的なものだし、街に出れば「耳かき専門店」なるサービスも存在する。

 実はこれ、耳掃除にこだわりの強い日本ならでは。欧米の人々にとって耳掃除は、ここまで身近なものではないらしい。

 耳掃除に対して癒やしやリフレッシュまで求めてきた日本人。ところが、そんな我々が困惑するニュースが海外から届いた。<耳掃除が耳の損傷につながる可能性がある>という強い警告が、アメリカの専門機関から発せられたのだ。

◎綿棒での掃除は耳垢を押し込むだけ

 その警告は、米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会(AAO-HNSF)が『Otolaryngology-Head and Neck Surgery』(1月3日号)で発表した、最新の臨床診療ガイドライン。

 ガイドラインでは、耳垢の役割として、耳の中を適度に保湿し、外部からのホコリやチリを捉えて奥に入り込まないようにブロックするという大切な役割があると説明。つまり、耳垢を単なる汚れと捉えて除去し過ぎれば、耳を保護する機能が失われてしまうということだ。

 さらに、私たちは食事で咀嚼するなどの日常的な動作で、新しくできた耳垢が古い耳垢を順番に外へ押し出して、最後は剥がれ落ちるか入浴中に洗い流されるというサイクルがもともと備わっている。

 これは持続的に生じる正常なプロセスであり、正常な状態であれば、何もしなくても耳の中の環境は常に保護される。何らかの原因でこの自浄プロセスがうまく働かなくなって耳垢がたまり、部分的または完全に外耳道を塞ぐことがある。

 その原因のひとつが「耳掃除」だ。過度の耳掃除は外耳道を刺激して感染を引き起こすことがあり、かえって耳垢が蓄積する危険を高めてしまう。

 今回のガイドライン更新グループのSeth Schwartz氏は、「耳掃除をすると耳垢が奥に入り、外耳道に詰まってさらに問題が生じるだけだ。耳に何かを入れることは、鼓膜や外耳道に深刻な害を及ぼす可能性がある」と話す。

 そのうえで「耳を守るためのポイント」として、次の項目を挙げている。

◎実はあの人気セラピーも厳禁だった!

「耳を守るためのポイント」

●耳掃除をしすぎないこと。

●耳に何かを入れないこと。綿棒、ヘアピン、楊枝などを入れると外耳道を傷つけたり、鼓膜に穴を開けたり、耳の骨のずれを生じさせたりする危険があり、難聴、めまい、耳鳴りなどを引き起こすことがある。

●「イヤーキャンドル」(耳の穴の上でロウソクを灯すセラピー)は禁止。外耳道や鼓膜に重い損傷を与えることがある。

●難聴、耳詰まり、排液、出血、痛みがあれば医師を受診すること。

●耳垢の掃除が必要な人は、自分で行っても大丈夫か医師に相談する。

入り口から1㎝をぬぐうだけでOK

 AAO-HNSFは過去にも、綿棒で耳垢を奥に押し込む問題を重要視して、耳掃除に関する公式の意見書を医者と患者の両方に向けて発表している。

 それでも外耳道が詰まる「耳垢栓塞」に悩まされる患者が少なくないため、さらに今回のガイドライン更新に至ったという。

 毎日掃除しないと気がすまない「耳掃除愛好家」は、複雑な心境だろう。良かれと思ってしているお手入れが、耳のかゆみや耳垢の量産につながる悪循環を招いているかもしれないのだ。

 ちなみに、耳掃除の仕方3箇条を挙げると……。

1:正常な状態なら耳垢は自然に外へ排出されるので、耳掃除は月に1〜2回ほどで十分。しすぎると、耳鳴りの原因にもなる。

2:耳垢は耳の奥には溜まらないので、綿棒で耳の入り口から1㎝ほどを、内壁に沿って円を描くようにそっとぬぐうだけでOK。

3:耳かきや綿棒を奥まで入れると中の壁を傷つける恐れがあるので、見えない部分の掃除はしないこと。

 とにかく、耳垢をグイグイ奥に押し込んでしまうような自己流のお手入れは御法度だ。もし奥に耳垢が詰まって取り切れないときは、無理をせず耳鼻咽喉科を受診し、取ってもらうようにしよう。
(文=編集部)

※初出/健康・医療情報でQOLを高める「ヘルスプレス」

「耳掃除をやめろ!」米学会が緊急警告~耳垢には取ってはいけない大事な役目が

 入浴後の仕上げに<耳掃除>をするのが好きな人は多いだろう。親子や夫婦、恋人同士が膝枕でスキンシップを兼ねて耳掃除をする風景はごく日常的なものだし、街に出れば「耳かき専門店」なるサービスも存在する。

 実はこれ、耳掃除にこだわりの強い日本ならでは。欧米の人々にとって耳掃除は、ここまで身近なものではないらしい。

 耳掃除に対して癒やしやリフレッシュまで求めてきた日本人。ところが、そんな我々が困惑するニュースが海外から届いた。<耳掃除が耳の損傷につながる可能性がある>という強い警告が、アメリカの専門機関から発せられたのだ。

◎綿棒での掃除は耳垢を押し込むだけ

 その警告は、米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会(AAO-HNSF)が『Otolaryngology-Head and Neck Surgery』(1月3日号)で発表した、最新の臨床診療ガイドライン。

 ガイドラインでは、耳垢の役割として、耳の中を適度に保湿し、外部からのホコリやチリを捉えて奥に入り込まないようにブロックするという大切な役割があると説明。つまり、耳垢を単なる汚れと捉えて除去し過ぎれば、耳を保護する機能が失われてしまうということだ。

 さらに、私たちは食事で咀嚼するなどの日常的な動作で、新しくできた耳垢が古い耳垢を順番に外へ押し出して、最後は剥がれ落ちるか入浴中に洗い流されるというサイクルがもともと備わっている。

 これは持続的に生じる正常なプロセスであり、正常な状態であれば、何もしなくても耳の中の環境は常に保護される。何らかの原因でこの自浄プロセスがうまく働かなくなって耳垢がたまり、部分的または完全に外耳道を塞ぐことがある。

 その原因のひとつが「耳掃除」だ。過度の耳掃除は外耳道を刺激して感染を引き起こすことがあり、かえって耳垢が蓄積する危険を高めてしまう。

 今回のガイドライン更新グループのSeth Schwartz氏は、「耳掃除をすると耳垢が奥に入り、外耳道に詰まってさらに問題が生じるだけだ。耳に何かを入れることは、鼓膜や外耳道に深刻な害を及ぼす可能性がある」と話す。

 そのうえで「耳を守るためのポイント」として、次の項目を挙げている。

◎実はあの人気セラピーも厳禁だった!

「耳を守るためのポイント」

●耳掃除をしすぎないこと。

●耳に何かを入れないこと。綿棒、ヘアピン、楊枝などを入れると外耳道を傷つけたり、鼓膜に穴を開けたり、耳の骨のずれを生じさせたりする危険があり、難聴、めまい、耳鳴りなどを引き起こすことがある。

●「イヤーキャンドル」(耳の穴の上でロウソクを灯すセラピー)は禁止。外耳道や鼓膜に重い損傷を与えることがある。

●難聴、耳詰まり、排液、出血、痛みがあれば医師を受診すること。

●耳垢の掃除が必要な人は、自分で行っても大丈夫か医師に相談する。

入り口から1㎝をぬぐうだけでOK

 AAO-HNSFは過去にも、綿棒で耳垢を奥に押し込む問題を重要視して、耳掃除に関する公式の意見書を医者と患者の両方に向けて発表している。

 それでも外耳道が詰まる「耳垢栓塞」に悩まされる患者が少なくないため、さらに今回のガイドライン更新に至ったという。

 毎日掃除しないと気がすまない「耳掃除愛好家」は、複雑な心境だろう。良かれと思ってしているお手入れが、耳のかゆみや耳垢の量産につながる悪循環を招いているかもしれないのだ。

 ちなみに、耳掃除の仕方3箇条を挙げると……。

1:正常な状態なら耳垢は自然に外へ排出されるので、耳掃除は月に1〜2回ほどで十分。しすぎると、耳鳴りの原因にもなる。

2:耳垢は耳の奥には溜まらないので、綿棒で耳の入り口から1㎝ほどを、内壁に沿って円を描くようにそっとぬぐうだけでOK。

3:耳かきや綿棒を奥まで入れると中の壁を傷つける恐れがあるので、見えない部分の掃除はしないこと。

 とにかく、耳垢をグイグイ奥に押し込んでしまうような自己流のお手入れは御法度だ。もし奥に耳垢が詰まって取り切れないときは、無理をせず耳鼻咽喉科を受診し、取ってもらうようにしよう。
(文=編集部)

※初出/健康・医療情報でQOLを高める「ヘルスプレス」

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