“食べ物の味がしない”20〜30代女性が増加中! 「味覚障害」の危険性を専門医が警鐘

mikakushogai 何かを食べたら味がする……その当たり前の感覚が得られなくなる疾患「味覚障害」をご存じだろうか? これまで、中高年や高齢者に多いとされてきたが、最近では若年層にも増えつつあるといい、特に料理などで味覚を使う機会が多い女性は、症状に気がつきやすいといわれている。味覚障害の症状や発症の原因、そしてそのリスクについて、専門医に聞いた。

■味がしない、甘い物を苦く感じる……味覚障害の症状とは

「味覚障害の代表的な症状は、食べたものの味がわからない、薄味に感じてしまうなどの『量的障害』と、本来甘いはずのものを苦く感じてしまう、何も食べていないのに口の中が苦いなどの『質的障害』の2つに分けられます」

 そう話すのは、兵庫医科大学病院で味覚外来を担当する任智美医師。そのほかにも、塩味や甘味など、ひとつの味を強く感じてしまう「味覚過敏」や、何を食べても嫌な味に感じる「悪味症」など、さまざまな症状があるとのこと。

「味覚障害になると、食事の内容や日常生活にも悪影響が表れます。味がわからなくなる量的障害の人は、鈍くなった味覚を補うために塩分や糖分を余計に加えて、味を濃くする傾向があります。それによって、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を引き起こす恐れがあるんです」

 一方、何を食べてもまずいと感じる質的障害の人は、食事を苦痛に感じてしまい、食欲が減退することでうつ症状につながることもあるそう。味覚だけの問題でなく、心身の健康に深くかかわってしまうようだ。

「味覚障害は、これまで中高年から高齢者の女性に多い病気でした。しかし、この数年で、20〜30代の味覚障害患者も増加しているんです。中には、自分の味覚障害に気がついていない人も多くいると考えられています」

 女性に多い理由は、料理をする機会が多く、味の変化を感じやすい環境にあるから、とのこと。実際には、性差はあまり関係なく、誰しも発症する可能性があるが、その原因は多岐にわたるという。

 発症の原因の多くは、舌の表面にある「味蕾(みらい)」という器官に関係している、と任先生。

「私たちは、舌にある味蕾を介して大脳の味覚野に味物質を伝えることで、甘味、塩味、酸味、苦味、旨味という5つの味を認識します。しかし、何らかの原因によって、味が伝わるプロセスが妨げられると、味覚が異常を来してしまうのです」

 味覚障害発症の原因はさまざま。そのひとつとして挙げられるのが、血液中の亜鉛不足だ。

「『亜鉛』は、味蕾の中にある味細胞が、正常に働くために必要な栄養素です。偏った食生活を送り、血液中の亜鉛が不足すると、味を感じることができなくなります。亜鉛はカキなどの魚介類に多く含まれているのですが、食生活の欧米化によって肉を食べる量が増えたり、魚介類を食べる機会が減ったことも原因のひとつとして考えられています」

 また、30〜40代の女性に多いのが、ダイエットによって引き起こされる味覚障害。肉類に含まれる動物性タンパク質には、亜鉛の吸収をサポートする働きがあるにもかかわらず、ダイエットと称して肉を食べなくなると、結果的に亜鉛が不足する原因になるとのこと。また加工食品ばかりを摂るなどの偏った食生活も、亜鉛を含めた栄養バランスを崩す原因となり、味覚障害を引き起こすこともあるという。

「そのほかにも、服用している薬の副作用で亜鉛が体外に出やすくなったり、加齢によって消化吸収の機能が衰えて亜鉛が体に吸収されにくくなるなど、亜鉛が不足する理由もさまざまです。鉄やビタミン不足による貧血や胃腸炎などの消化器疾患の症状のひとつとして味覚障害が表れることもあるので注意が必要です」

 そして、正常な味が感じられない場合は、ストレスやうつ病などの心因性の味覚障害である可能性も。一口に味覚障害といっても、原因の特定が難しい病なのだ。

■まずは亜鉛の摂取から! 味覚障害の治療法

 味覚の低下や変化は、徐々に進行していくケースが多く、自覚しにくいのも特徴だ。そのため、任先生のもとを訪れる患者の中には、家族に“料理の味の変化”を指摘されて発覚するケースが多々あるという。そこで「ひょっとして、自分も味覚障害かも?」と感じている人は、まず以下の項目を確認してみよう。

1:水1リットルに対し小さじ1/2の割合で食塩を入れた塩水10ccを口に含んだときに、塩味をまったく感じない
2:水1リットルに対し小さじ1杯の割合でグラニュー糖を入れた砂糖水10ccを口に含んだときに、甘味をまったく感じない
3:本来の味とは違う味がしてしまう(甘味→苦味など)
4:何も食べていないのに口の中が苦い
5:塩味だけがきつく感じる

「この項目にどれかひとつでも当てはまったら、味覚障害の可能性があります。まずは亜鉛を摂ることを心がけ、牡蠣、うなぎ、牛肉、ごま、大豆やアーモンドなどの食品を積極的に食べたり、サプリメントで亜鉛を補うことをお勧めします」

 ただし、サプリメントの場合は、摂りすぎには注意が必要。亜鉛を過剰に摂ると、貧血や免疫力の低下などの“過剰症”に陥ることもあるので、用量を守って飲むように心がけよう。

「原因が亜鉛不足の場合は、若い人であれば食生活を変えるだけでも味覚機能が改善されます。しかし、1カ月ほど意識的に亜鉛を摂っていても味覚に異常を感じるようであれば、ほかの原因が考えられます。その際は、味覚外来を掲げている耳鼻咽喉科や歯科などの医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けてください」

 味覚障害は生活習慣病の原因となるなど、さまざまなリスクも抱えているが、何より食事をおいしくないと感じるのはツラいこと。普段、あまり“味”を意識していない人も、健康を維持するために自分の味覚を見直してみるといいかもしれない。
(真島加代/清談社)

任智美(にん・ともみ)
兵庫医科大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科医師。現在の日本では数少ない味覚外来を担当し、年間約200人の味覚障害患者を診察。味覚障害に関する論文も多数発表している。

特定機能病院兵庫医科大学病院

「チョコ」「肉」はNGって本当? 婦人科医が「生理中に食べてはいけないもの」を解説

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 多くの女性が毎月繰り返し悩まされている“生理痛”。ネット上には、生理痛をやわらげるさまざまな方法が飛び交い、中でも“食事に気を使うべき”“生理中は食べない方がいいものもある”という説をよく目にする。そこで今回、婦人科医で成城松村クリニック院長の松村圭子先生に、生理痛が起こるメカニズムや、痛みを悪化させる食べ物、また鎮痛剤との付き合い方に関して、話を聞いた。

生理痛はプロスタグランジンが引き起こしていた

――生理痛が起きるメカニズムを教えてください。

松村圭子先生(以下、松村) 生理が始まる少し前から生理中にかけて、子宮内膜で「プロスタグランジン」というホルモンが分泌され、これが子宮を収縮させて経血の排出を促します。生理痛の原因の1つは、この収縮に伴う痛みです。もう1つ、このプロスタグランジン自体が痛みの原因物質のため、血流に乗って全身に回り、頭痛などの痛みを引き起こすのです。

――よく「生理のときは体を冷やしちゃダメ」と聞くのですが、それは何か関係があるのでしょうか?

松村 プロスタグランジンは、血流に乗っていずれ体外に排出されるのですが、冷えて血行が悪くなるといつまでも体内に留まってしまうので、痛みが長引きやすくなるんです。また、冷えると子宮の筋肉が硬くなり、うまく収縮できなくなるため、子宮を収縮させようとプロスタグランジンがさらに分泌されてしまって痛みが強くなる……という悪循環も起きてしまいます。

――よくネットでは、「○○は体を冷やすから、生理中に食べてはダメ!」などと言われているんですが……。

松村 それは特に東洋医学的な発想によるもので、体を冷やしたり、また血行不良を招いたりするとされる食べ物を避けましょうという意味なのではないでしょうか。

――体を冷やすものは生理中に食べてはいけないというと、例えばアイスクリームなどの“冷たい食べ物”でしょうか。

松村 そうですね。それから、糖分や添加物を含む食べ物は、血液をドロドロにするので、血行不良を招きやすい。そうすると、先ほども説明した通り、プロスタグランジンが血液中に留まる期間を長くしてしまうので、例えば、チョコレートやカップラーメンなどは避けた方がいいでしょう。

 また、コーヒーなどに含まれるカフェインは血管を収縮させる作用があり、血流を悪くするので、やめておく方がいいですね。それから、肉に含まれるアラキドン酸はプロスタグランジンの原料になるので、積極的な摂取はおすすめしません。

――では逆に、生理中に食べた方がいいものなどはありますか?

松村 アジやイワシなどの青魚に豊富に含まれるDHAやEPAは、プロスタグランジンを合成するのに必要な酵素の働きを抑えるため、生理痛の軽減が期待できます。あと、ビタミンEは血管を拡張して血流を良くしてくれるので、カボチャやゴマ、アボカド、ナッツ類を摂るのもいいでしょう。そもそも東洋医学では、白米や白砂糖のように精製された食べ物は体を冷やすとされているので、玄米や黒糖など、精製度の低いものにした方がいいですね。

――食べるものに気をつけるのは、生理が始まったら……と考えればいいのでしょうか。

松村 生理中に気を配るのはもちろんですが、正直、糖分や添加物などで血流がとどこおってしまうのは日々の積み重ねも大きいので、日ごろから食生活を意識しておくことが大切かと思います。逆にカップラーメンを食べると、すぐに血流が悪くなって痛みが増す……というものではありませんからね。

――そもそも生理痛を起こさない方法などはありますか?

松村 血行不良を招いたり、子宮の収縮を強めたりする“冷え”を起こさないことです。慢性的な冷え性になると、当然生理痛にも影響するので、食生活と一緒で、日ごろから体を冷やさないような心がけが大切ですね。生理中は、バスタブにゆっくり浸かって体を温めたり、適度な運動をしてプロスタグランジンの体外への排出をスムーズにしたりするのもいいと思います。

――食事や運動による生理痛対策は、なかなかハードルが高いという人もいると思います。一方で、鎮痛剤も飲み続けると効かなくなると言われるだけに、あまり飲みすぎるのもよくないと躊躇してしまいます。

松村 それは誤解です。生理痛の薬を飲み続けても、効きにくくなるということはありませんよ。もし薬を飲んでも痛みが緩和されないとか、薬が効かなくなってきたなどであれば、子宮筋腫や子宮内膜症など、何らかの病気を疑った方がいいでしょう。

――薬はいつ飲むのがベストなのでしょうか?

松村 痛みがピークになる前に服用しましょう。早めに薬を飲むことで、プロスタグランジンの分泌が抑えられて痛みにくくなるんです。日本人は我慢を美徳とする傾向がありますが、生理痛を我慢することのメリットって何でしょう? 我慢を重ね、痛みがピークになってからでは、薬に頼ったところでプロスタグランジンを抑えきれません。なので、痛みが本格的になる前に、用法用量を守って薬を服用することが大事です。
(取材・文=千葉こころ)

「1日400錠」「ドス黒腸」女性に多い下剤依存の実態は!? 便秘の医師が「自律神経を整える」食事術を伝授

gezai01 「便秘を解消したい」「少しでも痩せたい」――こう願って“下剤”を服用する女性は、少なくないのかもしれない。中には毎日大量の下剤を服用する“下剤依存”の女性もいるというが、医療関係者などからは、危険性を指摘する声が上がり、依存状態の当事者からも「できればやめたい」といった悲痛な声が漏れているようだ。下剤依存の女性の実態、また下剤に頼らず生きることはできるのか? 『自律神経を整える最高の食事術』(宝島社)の著者で、大学病院として日本で初めて便秘外来を開設した、順天堂大学医学部付属 順天堂医院の教授・小林弘幸先生に話を伺った。

「下剤1日400錠」という依存者も

――世間には、下剤依存の女性がいるようなのですが、なぜそのような状態に陥ってしまうのでしょうか?

小林弘幸先生(以下、小林) 確かに下剤依存の女性はザラにいます。ベースにあるのは、やはり排便できなくなること、また排便できずに太ることへの“恐怖心”ですね。下剤を飲み始めるきっかけは、痩せたいとか便秘を解消したいといったことなのですが、飲み続けていくうちに、「下剤を飲まないと排便しない」「下剤を飲んでいないと太ってしまうのではないか」といったような強迫観念に駆られて、手放せなくなっていくようです。

 ただ実際には、下剤ですでに排出されて、腸内に出るものが残っていないから排便がないだけ。にもかかわらず、「出ないのは下剤の量が足りていないからだ」との思考に至って、服用量が増えていく傾向があります。私のところへ訪れる患者の方でも、たくさんいますよ。ダイエット目的で下剤を服用するようになった20~30代の女性では、1日100錠なんてザラ。中には1日400錠服用しているという人もいました。

――ちなみに、どの程度下剤に頼っていると“下剤依存”と言えるのでしょうか?

小林 たとえ2~3錠でも、毎日飲んでいる時点で依存しているといえるでしょうね。下剤は市販品で簡単に手に入りますが、本来は便秘の症状があるときだけ服用するものです。使用量も、説明書などに書かれた量で留めなければなりません。もしそれでも改善しないときは、飲み続けたり量を増やしたりするのではなく、医療機関を受診するようにしてください。

――下剤を毎日飲むことで起こるリスクを教えてください。

小林 下剤にも種類があり、“大腸を刺激して排便を促すタイプ”のものがあるのですが、これを大量に服用すると、大腸が炎症を起こし、水膨れを経て、やがて真っ黒に変色します。やけどのあとの“かさぶた”と似た状態ですね。腸の働きも悪くなるので、太りやすくなったり便秘になったりして、逆効果になってしまいます。肌荒れや疲労感など、さまざまな症状も出てきますし、依存しているメンタル面も見逃せません。また、下剤の刺激は大腸がんの引き金にもなります。大腸がんは女性の死因第1位で、30~40代の患者さんも多いです。

――間違った方法で薬を飲むことで、体により深刻な悪影響を与えるのは恐ろしい話です。

小林 この“大腸を刺激して排便を促すタイプ”の下剤は、ドラッグストアなどで簡単に購入することができるだけに、依存を深めてしまうという面もあります。病院では、下剤を大量に処方することはありませんから。下剤に依存しているようなら1日も早く受診してください。一度真っ黒に変色した大腸でも、下剤をやめれば元に戻ります。依存期間が短いほど、また、年齢が若いほど、より早いですよ。

――下剤に頼らずに、便秘解消やダイエットにつながるには、どうしたらいいのでしょうか?

小林 自律神経を整えること、そのために重要な役割を果たす腸内の環境をよくすることです。となると、やはり食事が大切です。中でも朝食は大事。朝しっかり食べると、副交感神経優位から交感神経優位に変わり、ホルモンバランスや腸内環境が整うので、カラダもちゃんと目覚めるし、リズムも整って、下剤に頼らなくても排便できるようになります。旅館で食べる朝ごはんくらいの量や内容がベスト。あと、牛丼チェーンの朝定食もいいですね。私もよく朝に食べています。

――朝はそこまで食欲がわかないという人も多いと思うんのですが……。

小林 それは、夜遅くに夕食を食べているから、おなかが空かないんです。理想的な夕食の時間は、午後6~7時くらい。それで12時くらいまでに就寝すると、朝起きたときに、ものすごくおなかが空いているので、無理なく量を食べられると思います。

 夕食は、やはり早い時間にとってほしいですね。遅くとも8時くらいまでに済ませれば、たくさん食べても太る心配はありません。逆に午後9時以降はNG。例えば、5時に焼肉10人前食べても太らないですが、午後9時以降だったら、焼肉1人前でも太る……くらいのことが言えるかもしれません。

――ちなみに、夕食は量を減らした方がいいのでしょうか?

小林 そんなことはありません。私は、朝昼夜の食事量を「4:2:4」くらいの比率にすることをおすすめしています。昼食を食べ過ぎると、胃腸に負担がかかり、副交感神経が優位になって、眠くなってしまうんです。この比率を実践するためにも、やはり朝食が肝心になってきます。

 朝食をしっかり食べていれば、昼時はそんなにおなかが空かないので、昼食を控えめに済ませられます。すると、夕方にはおなかが空いてきて、おのずと夕食を食べる時間も早くなり、翌朝もおなかが空いてしっかり朝食を食べられるようになります。私はこの食事時間とバランスで高校時代から体形をキープしていますよ!

――ちなみに、「便秘にはヨーグルトがいい」というイメージがあるんですが、やはりいいのでしょうか?

小林 はい。ただ、ヨーグルトには、その人自身の腸内環境によって合う/合わないがあるので注意が必要です。ヨーグルトは、メーカーによって含まれる菌が異なるんですよ。ヨーグルトに含まれる菌自体の作用云々ではなく、既存の腸内細菌が刺激されて、活性化するかどうかがポイントになります。たとえるなら、ヨーグルトに含まれる菌って“転校生”みたいなもの。その転校生が、クラス(腸内細菌)をざわつかせるようなイケメンなのか、そうではないのかといったイメージですね。自身の腸にとってイケメンの転校生となる菌の入ったヨーグルトが、合っている種類というわけです。合うヨーグルトであれば、便がバナナ状になったり、肌が明るくなったりします。2~3種ほどのメーカーを食べ比べれば、すぐに合うヨーグルトが見つかると思いますよ。

――低炭水化物ダイエットがはやっていますが、そのような食事法はいかがですか?

小林 炭水化物にも食物繊維が入っているし、抜くと肝臓に大きな負担もかかってしまうので、適度に摂取するべきだと思います。朝食は普通に摂って昼夜は減らすなど、全体的なバランスで調整すれば食べても太りませんよ。そもそも、何かを抜くような食事法は、自律神経を乱れさせて、かえって太ったり健康を害したりするので、健康的に痩せるには、毎日3食バランスよく、「楽しく」食べることが大切です。

『自律神経を整える最高の食事術』(宝島社)著:小林弘幸先生
自律神経研究の第一人者である順天堂大学医学部の小林弘幸教授が解説する、肥満や疲労、体の不調で悩む人に向けた食事メソッド集。「休日の夕食は2時間かけてゆっくりと」「間食は必ずしも絶対悪ではない」「好きなものを食べるのはOK」など、今日からすぐに実行にできる食事術が目白押し。レシピ集ではなく“食事のとり方”がテーマの1冊なので、「料理は苦手」という人にも最適な1冊となっている。

「その塗り方NGです」皮膚科医が、間違いだらけの「日焼け止めの塗り方」をぶった斬り!

 本格的に紫外線対策を始める人が増える今の季節、何となく“マイルール”で日焼け止めを塗っている人は少なくない。「朝、SPFの高い日焼け止めを塗れば、1日中問題なし」「UVファンデーションを使っていれば、顔に日焼け止めを塗らなくてOK」「日焼けしにくい体質だし、肌が荒れそうだから、日差しの強いところに行くときしか、日焼け止めは塗らない」という人などさまざまだが、果たして、これらのルールは正しいのだろうか。美容皮膚科「AOHAL CLINIC」の医師・矢沢真子氏に、今一度、正しい日焼け止めの塗り方と紫外線対策について話を聞いた。

紫外線には白内障やがんのリスクも

――近年、「日焼けはとにかく良くない」といわれるようになり、女性を中心に紫外線対策に精を出す人が増えている印象です。具体的に、どのような悪影響があるのでしょうか?

矢沢真子氏(以下、矢沢) 紫外線は光老化の原因になるので、シミやくすみができたり、肌の張りが低下してシワやたるみになったり、赤ら顔やニキビの悪化を招いたりもします。ただ、一番危惧されるのは皮膚がんです。「10歳までに当たった紫外線量が多ければ多いほど、皮膚がんになりやすい」ということが最近わかってきたので、お子さんがいる方は、子どものうちからしっかり対策をしてほしいと思います。健康面では、免疫機能が低下して疲れやすくなることも。また、目の日焼けは、角膜炎や白内障、加齢黄斑変性などの原因になるほか、目から入った紫外線によって活性酸素が作られ、メラノサイトを活性化させてシミができたりするので、UVカットの入ったサングラスをかけるなど、目の紫外線対策もしっかり行ってほしいと思っています。

――同じ紫外線量を浴びても日焼けしづらい、肌に影響が出にくいなど、個人差はあるものですか?

矢沢 スキンタイプによるので、個人差はありますね。メラニンは紫外線による肌のダメージを防いでくれるので、日に焼けて黒くなる人は、その抵抗力があるということです。一方、黒くはならないという人は、焼けていないように見えて、実はより紫外線のダメージを受けている可能性が大きいんです。「私は日焼けしにくいから」と対策を怠ると、のちのちシミやしわになることもあるので、油断しないようにしてほしいですね。

――日焼け止めの効果でSPFとPAというものがありますが、どのような意味ですか?

矢沢 SPFはUV‐B波を防ぐ効果を表しています。紫外線に当たってから日焼けするまでは、個人差はありますが20分ほどです。その時間をどのくらい遅らせられるかを示しているのがSPFの数値。SPF20であれば、20分の20倍の約400分、SPF50なら約1,000分遅らせることができるということです。PAはUV‐A波を防ぐ効果を表していて、「+」の数が多いほど効果が高くなります。

――SPFの数値やPAの効果が高いほど、より紫外線を防いでくれるということでしょうか?

矢沢 はい。SPFの数値が高く、PAの「+」が多いほど、紫外線を防ぐ効果が高いと考えていいです。通勤時はSPF20~30、レジャーならSPF50といったように、自分が紫外線に当たる時間を基準にして数値を決めるのが望ましいでしょう。とはいえ、きちんと塗れていなければ意味がありません。塗り方や塗り直すタイミング、塗る量をもっと意識してほしいですね。

――日焼け止めはどのように塗ればいいのでしょうか?

矢沢 効果の高さがどのくらいであれ、基本は2~3時間おきに塗り直しましょう。顔など凹凸のある部分に塗る際は、まずパーツごとに日焼け止めを乗せ、ムラにならないように均等に伸ばします。鼻や頬など骨が出っ張っているところは、重ね塗りすると効果的です。塗る量は、顔全体でだいだい500円玉大。よく、少量を薄く延ばして塗っている人を見かけますが、日焼け止めメーカーが効果を確認した量より少ないと、パッケージに記載しているほどの効果を得られなくなってしまうので、表示通りの量を塗るようにしてくださいね。逆に多すぎると、たっぷりつけた安心感で塗り直しを怠りやすいので、塗り過ぎにも注意です。

――SPFの数値が高いものでも、2~3時間おきに塗り直す必要があるのですか?

矢沢 数値が高いほど日焼けを先送りできますが、汗や擦れで落ちることもあるし、日焼け止めに含まれる紫外線吸収剤は一定量の紫外線を吸収したら効果が弱まるので、こまめに塗り直した方が確実です。ウォータープルーフも、汗や水にある程度の耐性はあるものの、洗ったり擦ったりすれば落ちるので、やはりこまめに塗り直す必要があります。効果を過信していると日に焼けてしまいます。

――顔の場合、ファンデーションに含まれるUVカットだけでは物足りないですか? メイクをしていると塗り直すのは大変なのですが……。

矢沢 ファンデーションにUVカット機能があるものでも効果はあります。また、パウダータイプのファンデーションは、パウダーの成分が紫外線を跳ね返すとされているので、日焼け止め同様の効果があるといわれています。近所の買い物などわずかな時間であれば、わざわざ日焼け止めを塗らなくてもパウダーファンデーションだけで十分と言っている先生もいますね。なので、塗り直しはパウダーファンデーションで対応すると、メイクをしたまま、こまめに対策できると思いますよ。

――日焼け止めを塗っていても、日傘や帽子、アームカバーなどでの対策は必要ですか?

矢沢 頭皮のように日焼け止めが塗れない部分もあるし、塗りムラがあったり、汗や摩擦などで落ちたりすることもあるので、あわせ技の方がより確実に紫外線をカットできると思います。なお、グッズを使う場合は「遮光率100%」にこだわるのがおすすめです。遮光を謳っている商品の中には完全ではないものも多いので、遮光率がわからない場合は、日にかざしてみて透けていないものを選ぶとよいですね。もし光が透けていたら、それだけ紫外線を通しているということです。皮膚がんのリスクや免疫力の低下、またシミやしわになるという悪影響を考えると、やはり紫外線対策はしておいて損はありません。できる限りの対策はした方がいいと思います。

――日焼け止めで肌荒れを起こすという話も聞きますが、そのようなことはあり得ますか?

矢沢 吸収剤の入ったタイプだと、吸収剤が紫外線を吸収した際に起きる化学反応によって、肌荒れを起こす場合があります。とはいえ、吸収剤に比べれば荒れにくいとされる散乱剤も、肌の乾燥を招くので、絶対に荒れないというわけではありません。いろいろ試してみて、自分の肌に合ったものを選ぶといいでしょう。

――紫外線対策はビタミンD不足を招くというウワサもあるのですが、実際はどうなのでしょうか?

矢沢 どんなに対策をしていても、完全に紫外線をカットできるほど完璧な人はそういないでしょうから、普通に生活していれば少なからず紫外線には当たっているものです。それに、ビタミンDは食事からも摂取できるので、そこまで意識しなくて大丈夫だと思いますよ。

――最近は「飲む日焼け止め」というものもあり、日焼け止めを塗るのが面倒くさいという人に人気のようですが、やはり体内からのUVケアも意識した方がいいのでしょうか?

矢沢 飲む日焼け止めは、紫外線を浴びた時に、体内で発生する活性酸素を除去してくれる抗酸化作用が期待できるというもの。そもそも日焼け止めと同じ土俵には立っていないんですね。なので、飲んだからとそれだけで安心してはいけません。あくまで塗るタイプの補助的な物として捉え、上手に活用しててほしいと思います。

皮膚科医が「日焼け止めを塗らない」ワケ

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――紫外線対策は、雨の日や冬場、室内でも必要なのでしょうか?

矢沢 室内でも紫外線にはあたるし、晴れの日を100とすると、曇りで60、雨でも30くらい紫外線量があるので、1年を通して対策はしてほしいですね。将来シミになってもしわになっても皮膚がんになってもいい! という覚悟があるなら、何もしなくていいですけど(笑)。ただ、そういう私は普段あまり日焼け止めやファンデーションを塗っていないんです。なぜなら、日焼け止めを塗ることで、肌のバリア機能が破壊されて肌トラブルを起こしたり、日焼け止めが毛穴を塞いで毛穴が開いたり、塗ったり落としたりで肌を擦る回数が増えるなど、日焼け止めによる肌荒れリスクがないわけではないと思うから。その代り、遮光を徹底しています。

――徹底的に遮光するというと?

矢沢 冬場もニット帽にサングラス、マスクなどで完全防備していますが、特に紫外線の強い夏場は、日傘、つばの広い帽子、サングラスはもちろん、遮光率100%のフェイスガードとネックガード、手袋、タイツなどで、全身を完全に覆っています。サウナ状態で暑いし、見た目も『プロゴルファー猿』(小学館)に出てくる「ミスターX」みたいでかなり怪しいですが(笑)、紫外線はカットできていますよ!

矢沢真子(やざわ・まさこ)
2001年、東京女子医科大学医学部卒業。北里大学形成外科・美容外科に入局し、日本形成外科学会専門医取得。北里大学メディカルセンター、上尾中央総合病院、北里研究所病院などの勤務を経て、16年AOHAL CLINICに勤務(非常勤)し、現在に至る。
アオハルクリニック公式サイト

「毎日シャンプー」でも9割の人に毛穴汚れ!? 現代人は「髪洗いすぎ」「潔癖」の真偽をプロに聞く!

cyzowoman_kami 「月2回は髪を洗って下さい」「夏の髪洗いは5日に1度!」――先日、ネット上で昔のシャンプー広告に記載された洗髪頻度が話題となった。その広告によると、約90年前(昭和初期)の洗髪頻度は月に1回、約50年前でも5日に1回程度で、“毎日シャンプー”が浸透し始めたのはたかだか40年前らしいのだ。

 これに対し、ネット上では「今では考えられない」「夏は毎日洗わないと匂いが気になるけど、昔の人は気にならなかったのかな?」などの意見のほか、「今の日本人は清潔になりすぎ」「洗いすぎて逆に頭皮を傷つけ、髪にダメージを与えている」「昔にならって、洗髪頻度を落とそうかな」などといった意見もあり、物議を醸したのだ。

 とはいえ、今はカラーやパーマと、ヘアスタイルも多様化している上、ヘアスタイリング剤も日常的に使用したり、大気汚染や食の欧米化など、昔とは違う面も多く、「昔にならって洗髪頻度を落とす」というのはいささか疑問。そもそも現代人は“髪を洗いすぎている”のだろうか? 髪や頭皮に一番良い洗髪頻度とは、一体どの程度なのだろうか?

 今回、パーソナルビューティーアドバイザーとして、毛髪診断士、美容師、アロマセラピストなどの資格を持ち、多数メディアで活躍中の齊藤あき氏にお話を伺った。

人によっては、2日に1回でも問題ない

 “毛髪診断士”とは、「毛髪に関する知識と、顕微鏡などを使って毛髪の状態を的確に観察する技術を習得した者。毛髪についての悩みを持つ人の相談を受けて適切な髪の手入れ方法などをアドバイスする(公益社団法人日本毛髪科学協会より)」資格を有した人のこと。齊藤氏は毛髪診断士以外にも、東洋医学やアロマラピーなどの豊富な知識も生かし、延べ5万人以上に施術やアドバイスを行った、まさしく“髪の毛のプロ”である。

 そんな齊藤氏に、現代人にとって髪や頭皮に一番良い洗髪頻度を聞くと、「髪も頭皮も一人ひとりまったく違うので、『何回が一番いい』とは断言できないんですよ」という回答を得た。

「その人の年齢、頭皮の状態、髪の状態、スタイリング事情、生活習慣、どんなシャンプーを使っているのか、などを総合的に考えて、自分に合った頻度で洗うことが一番です。例えば、空気の悪いところで働いていたり、毎日外で汗をかくような職業の方だと、やはり頭皮の汚れはたまりやすいので1日1回はシャンプーした方が良いです。逆に、在宅やデスクワークでまったく外に出ないという方は2日に1回でも問題ありません」

 とはいえ、年齢や生活習慣は自分でわかっても、「自分の頭皮がどんなタイプなのかわからない」という人も多いだろう。齊藤氏は「自分の頭皮は肌質と一緒なので、肌がかさつきやすかったら頭皮もかさつきやすい、肌がべたつきやすかったら頭皮もべたつきやすいと考えて大丈夫ですよ。自分での判断だと不安だという人は、通っている美容院で聞くのもいいですね」と提言した。

 現代人、特に若い世代は、「1日に1回」少なくとも「2日に1回」髪を洗うのが主流であろう。齊藤氏の話からは、個人差はあれど、総じて、現代人が洗いすぎではないことがわかるが、一方で、「1日2回」という人は、齊藤氏はいわく「さすがに潔癖になりすぎかもしれません」と感じるそうだ。

「洗いすぎは頭皮へのダメージにつながり、結果的に皮脂分泌を増やして臭いがでてしまうことも。『こんなに洗っているのに頭皮の臭いがするのはなんで?』と思っている方は、洗いすぎが原因かもしれません」

 しかし、齊藤氏は“洗髪頻度”よりも“洗髪の質”が気になるとのこと。というのも、日々マイクロスコープで頭皮をチェックしていると、「実は『毎日シャンプーしてる』という人の9割は毛穴に汚れが詰まった状態」であるという。

「毎日、適当に洗うくらいなら、2日に1回でもしっかりと丁寧に。“何度も洗うより、1回1回をていねいに”を心がけることが大切です」

 また、洗髪のタイミングも大切で、齊藤氏いわく、おススメは“夜”だという。

「“髪の生まれ変わり”は夜に行われます。日中、体が動いている時は、血液が内臓にいくので、頭皮やお肌にまで回らないんですよ。体を休ませている時間帯に、ようやく頭皮やお肌に血液が行き渡るので、その時間帯に頭皮の状態をきれいにしておくことが大事です。汚れがついたまま寝てしまうのはよくありません」

 また、「 “朝シャン”には気を付けてください」と齊藤氏。“朝シャン”は寝癖も直り、シャンプーのいい香りで出かけられるなどのメリットがあるものの、裏にはこんな落とし穴もあるそうだ。

「大体、朝は時間がない方が多いですよね。急いでいる時に髪を洗うと、必然的にシャンプーの仕方が雑になります。洗ったつもりでも、髪の汚れや皮脂を落とし切れていないことが多いんです。さらに、皮脂分泌は紫外線から頭皮を守ってくれるのですが、頭皮に皮脂分泌が行き渡るには最低でも1時間はかかるので、洗った後は当然まだ準備できていません。髪の毛を洗ってすぐ外に出てしまうと頭皮が直で紫外線を浴びてしまい、頭皮の老化につながります。そういうダメージが蓄積されると“薄毛”にもつながりますから、注意が必要です」 

 洗髪は頻度だけでなく、質や時間帯なども重要であることがわかったが、女性の間では、髪や頭皮に良いとされている“ヘアケア用品”を用いて髪や頭皮のケアをしている人は多い。それらは髪の毛のプロの目にどう映るのだろうか。

 例えば、主にシリコンでできており、手で洗うよりも楽なことから、一時期はやった“頭皮ブラシ(シャンプーブラシ)”について、齊藤氏はこう説明する。

「正直、電動のもの以外はオススメできません。というのも、自分の手で動かすと力が入りすぎて、知らない間に頭皮を傷つけている方が多いんです。電動なら均一に力が入るので、効果的に頭皮をケアできると思いますよ」

 また、シャンプー前に使用する“頭皮クレンジング”は「最低でも週に1回はしてほしいケア」だという。理由としては、「頭皮の毛穴に蓄積されている“酸化した皮脂”は普通にシャンプーをするだけじゃもはや落ちません。ガスコンロにこびりついた油が簡単にはとれないのと同じこと。油(皮脂)には油(頭皮クレンジング)。これをやるだけで(マイクロスコープだと)毛根が奥まで見えるようになり、毛もうねらずキレイに生えてきます」と説明した。

 頭皮クレンジングを選ぶポイントとしては、「界面活性剤が入っていない植物オイル系」。シャンプーと同じ界面活性剤が入っていると、頭皮の水分や皮脂を取りすぎて乾燥させてしまうからだそうだ。

 さらに、じわじわと人気が高まっている“低温ドライヤー”については、「良いと思います」と明言。「髪は熱に弱く、熱い風を当て続けてしまうとたんぱく質が変性して、切れ毛などの原因になりますからね。低温ドライヤーは熱より風で乾かすので乾燥もしづらく、早く乾きます。早く乾くことは髪にも良いです」とのこと。

 ちなみに、通常のドライヤーについているクールモード(冷たい風)でも良いとのことだが、乾くのに時間がかかるため、髪の長い人にはオススメしないそう。しかし、扇風機や自然乾燥については、「髪の表面だけ乾いて頭皮は乾いてないので、臭いやべたつきの原因になります」とのことなので、「夏は暑いしドライヤーなんて使わない」「自然乾燥の方がドライヤーより髪にいい」という人は、これを機に気をつけた方がよさそうだ。

 髪の毛も頭皮も、千差万別。「絶対に毎日洗わなくてはいけない」わけでも、「昔と同じように5日に1回でいい」わけでもない。大事なことは、“自分の髪や頭皮についてよく知り、自分に合ったケアを正しい方法でする”こと。それはきっと、昔も今も変わらないはずだ。
(ヨコシマリンコ)

「毎日シャンプー」でも9割の人に毛穴汚れ!? 現代人は「髪洗いすぎ」「潔癖」の真偽をプロに聞く!

cyzowoman_kami 「月2回は髪を洗って下さい」「夏の髪洗いは5日に1度!」――先日、ネット上で昔のシャンプー広告に記載された洗髪頻度が話題となった。その広告によると、約90年前(昭和初期)の洗髪頻度は月に1回、約50年前でも5日に1回程度で、“毎日シャンプー”が浸透し始めたのはたかだか40年前らしいのだ。

 これに対し、ネット上では「今では考えられない」「夏は毎日洗わないと匂いが気になるけど、昔の人は気にならなかったのかな?」などの意見のほか、「今の日本人は清潔になりすぎ」「洗いすぎて逆に頭皮を傷つけ、髪にダメージを与えている」「昔にならって、洗髪頻度を落とそうかな」などといった意見もあり、物議を醸したのだ。

 とはいえ、今はカラーやパーマと、ヘアスタイルも多様化している上、ヘアスタイリング剤も日常的に使用したり、大気汚染や食の欧米化など、昔とは違う面も多く、「昔にならって洗髪頻度を落とす」というのはいささか疑問。そもそも現代人は“髪を洗いすぎている”のだろうか? 髪や頭皮に一番良い洗髪頻度とは、一体どの程度なのだろうか?

 今回、パーソナルビューティーアドバイザーとして、毛髪診断士、美容師、アロマセラピストなどの資格を持ち、多数メディアで活躍中の齊藤あき氏にお話を伺った。

人によっては、2日に1回でも問題ない

 “毛髪診断士”とは、「毛髪に関する知識と、顕微鏡などを使って毛髪の状態を的確に観察する技術を習得した者。毛髪についての悩みを持つ人の相談を受けて適切な髪の手入れ方法などをアドバイスする(公益社団法人日本毛髪科学協会より)」資格を有した人のこと。齊藤氏は毛髪診断士以外にも、東洋医学やアロマラピーなどの豊富な知識も生かし、延べ5万人以上に施術やアドバイスを行った、まさしく“髪の毛のプロ”である。

 そんな齊藤氏に、現代人にとって髪や頭皮に一番良い洗髪頻度を聞くと、「髪も頭皮も一人ひとりまったく違うので、『何回が一番いい』とは断言できないんですよ」という回答を得た。

「その人の年齢、頭皮の状態、髪の状態、スタイリング事情、生活習慣、どんなシャンプーを使っているのか、などを総合的に考えて、自分に合った頻度で洗うことが一番です。例えば、空気の悪いところで働いていたり、毎日外で汗をかくような職業の方だと、やはり頭皮の汚れはたまりやすいので1日1回はシャンプーした方が良いです。逆に、在宅やデスクワークでまったく外に出ないという方は2日に1回でも問題ありません」

 とはいえ、年齢や生活習慣は自分でわかっても、「自分の頭皮がどんなタイプなのかわからない」という人も多いだろう。齊藤氏は「自分の頭皮は肌質と一緒なので、肌がかさつきやすかったら頭皮もかさつきやすい、肌がべたつきやすかったら頭皮もべたつきやすいと考えて大丈夫ですよ。自分での判断だと不安だという人は、通っている美容院で聞くのもいいですね」と提言した。

 現代人、特に若い世代は、「1日に1回」少なくとも「2日に1回」髪を洗うのが主流であろう。齊藤氏の話からは、個人差はあれど、総じて、現代人が洗いすぎではないことがわかるが、一方で、「1日2回」という人は、齊藤氏はいわく「さすがに潔癖になりすぎかもしれません」と感じるそうだ。

「洗いすぎは頭皮へのダメージにつながり、結果的に皮脂分泌を増やして臭いがでてしまうことも。『こんなに洗っているのに頭皮の臭いがするのはなんで?』と思っている方は、洗いすぎが原因かもしれません」

 しかし、齊藤氏は“洗髪頻度”よりも“洗髪の質”が気になるとのこと。というのも、日々マイクロスコープで頭皮をチェックしていると、「実は『毎日シャンプーしてる』という人の9割は毛穴に汚れが詰まった状態」であるという。

「毎日、適当に洗うくらいなら、2日に1回でもしっかりと丁寧に。“何度も洗うより、1回1回をていねいに”を心がけることが大切です」

 また、洗髪のタイミングも大切で、齊藤氏いわく、おススメは“夜”だという。

「“髪の生まれ変わり”は夜に行われます。日中、体が動いている時は、血液が内臓にいくので、頭皮やお肌にまで回らないんですよ。体を休ませている時間帯に、ようやく頭皮やお肌に血液が行き渡るので、その時間帯に頭皮の状態をきれいにしておくことが大事です。汚れがついたまま寝てしまうのはよくありません」

 また、「 “朝シャン”には気を付けてください」と齊藤氏。“朝シャン”は寝癖も直り、シャンプーのいい香りで出かけられるなどのメリットがあるものの、裏にはこんな落とし穴もあるそうだ。

「大体、朝は時間がない方が多いですよね。急いでいる時に髪を洗うと、必然的にシャンプーの仕方が雑になります。洗ったつもりでも、髪の汚れや皮脂を落とし切れていないことが多いんです。さらに、皮脂分泌は紫外線から頭皮を守ってくれるのですが、頭皮に皮脂分泌が行き渡るには最低でも1時間はかかるので、洗った後は当然まだ準備できていません。髪の毛を洗ってすぐ外に出てしまうと頭皮が直で紫外線を浴びてしまい、頭皮の老化につながります。そういうダメージが蓄積されると“薄毛”にもつながりますから、注意が必要です」 

 洗髪は頻度だけでなく、質や時間帯なども重要であることがわかったが、女性の間では、髪や頭皮に良いとされている“ヘアケア用品”を用いて髪や頭皮のケアをしている人は多い。それらは髪の毛のプロの目にどう映るのだろうか。

 例えば、主にシリコンでできており、手で洗うよりも楽なことから、一時期はやった“頭皮ブラシ(シャンプーブラシ)”について、齊藤氏はこう説明する。

「正直、電動のもの以外はオススメできません。というのも、自分の手で動かすと力が入りすぎて、知らない間に頭皮を傷つけている方が多いんです。電動なら均一に力が入るので、効果的に頭皮をケアできると思いますよ」

 また、シャンプー前に使用する“頭皮クレンジング”は「最低でも週に1回はしてほしいケア」だという。理由としては、「頭皮の毛穴に蓄積されている“酸化した皮脂”は普通にシャンプーをするだけじゃもはや落ちません。ガスコンロにこびりついた油が簡単にはとれないのと同じこと。油(皮脂)には油(頭皮クレンジング)。これをやるだけで(マイクロスコープだと)毛根が奥まで見えるようになり、毛もうねらずキレイに生えてきます」と説明した。

 頭皮クレンジングを選ぶポイントとしては、「界面活性剤が入っていない植物オイル系」。シャンプーと同じ界面活性剤が入っていると、頭皮の水分や皮脂を取りすぎて乾燥させてしまうからだそうだ。

 さらに、じわじわと人気が高まっている“低温ドライヤー”については、「良いと思います」と明言。「髪は熱に弱く、熱い風を当て続けてしまうとたんぱく質が変性して、切れ毛などの原因になりますからね。低温ドライヤーは熱より風で乾かすので乾燥もしづらく、早く乾きます。早く乾くことは髪にも良いです」とのこと。

 ちなみに、通常のドライヤーについているクールモード(冷たい風)でも良いとのことだが、乾くのに時間がかかるため、髪の長い人にはオススメしないそう。しかし、扇風機や自然乾燥については、「髪の表面だけ乾いて頭皮は乾いてないので、臭いやべたつきの原因になります」とのことなので、「夏は暑いしドライヤーなんて使わない」「自然乾燥の方がドライヤーより髪にいい」という人は、これを機に気をつけた方がよさそうだ。

 髪の毛も頭皮も、千差万別。「絶対に毎日洗わなくてはいけない」わけでも、「昔と同じように5日に1回でいい」わけでもない。大事なことは、“自分の髪や頭皮についてよく知り、自分に合ったケアを正しい方法でする”こと。それはきっと、昔も今も変わらないはずだ。
(ヨコシマリンコ)

果物は「果糖で太る」「朝食べるのがいい」はウソ!? 管理栄養士が「果物の食べ方」に喝!

 糖質制限ダイエットのブームをきっかけに、多くの人が意識し始めた“糖質”。食事に含まれる糖質で血糖値が急激に上がると、血中の余分な糖が脂肪として蓄えられてしまうため、糖質の摂取量を控えて血糖値の上昇を抑えるべき……そんな考えの元、米やパンなどを省いた食生活を送る人も少なくない。しかし、管理栄養士で臨床栄養実践協会の理事長でもある足立香代子先生は、「血糖値の上昇を抑える食べ方ができれば、糖質を制限する必要はない」ときっぱり。そこで、足立先生が登壇される「栄養のプロが実践 糖質を味方につける『果物のズルい食べ方』」の講演に足を運んだ。

糖質は制限すればいいものではない

 糖質制限を行っている人の多くは、“糖質”と名の付くもの全てを敬遠する向きがあるものの、足立先生は「糖質には種類があります。全ての糖質をカットするのではなく、“質”で判断することが大切です」という。

 一般的に“糖質”と呼ばれるものには、糖の最小単位である単糖類の「ぶどう糖」や「果糖」、この2つがつながった二糖類の「砂糖(しょ糖)」など、成り立ちも異なるいくつもの種類があるとのこと。それぞれ血糖値への影響も異なる上、食品によって含まれる糖質の構成もさまざまなので、血糖値の上がりにくい種類の糖質を選べば、制限することなく食事を楽しめるそうだ。

 「糖質全てが悪いように言われますが、それは誤解。意識すべきは、食後の血糖値の上昇率です。食後過血糖とされる140㎎/dLを越えると、太りやすいのはもちろん、糖尿病や認知症の発症、心血管疾患による死亡リスクも高まるので、“血糖値の上昇が低い糖質”を選びましょう」と足立先生は忠告する。

 そのようなリスクがあるなら、やはり全ての糖質をカットした方が楽ではないかと思ってしまうが、「生涯において何かを制限することは良くないし、そもそも誰もが続けられることではありません。糖質制限を行った人の多くが、1年ほど後にストレスなどからリバウンドを起こし、結果的に制限していない人と変わらない数値に戻ったというデータもあります。『糖質制限は長期の効果が見込めない』という論文も出ているんですよ」と、足立先生。そのため、糖質を制限せずに血糖値を急上昇させない上手な食べ方を推奨しているという。

 では、制限を必要としない食事にふさわしい糖質とは何なのだろう。足立先生の研究によれば、身近な糖質である「ぶどう糖・果糖・砂糖(しょ糖)」の中では、「果糖」がもっとも血糖値が上がりにくいとのこと。

 果糖が含まれる代表的な食品といえば果物だが、果物の種類によって含有量が異なるため、足立先生はさまざまな果物で血糖値の上昇率を計測してみたという。対象となったのは、「キウイフルーツ緑肉種160g」「りんご皮付き130g」「オレンジ180g」「みかん180g」「パインアップル150g」「バナナ100g」。その結果、「どの果物も食後過血糖を起こすことはありませんでした。ただ、上昇率はそれぞれ異なり、血糖値の上昇を大幅に抑えられたのは、果糖と食物繊維を多く含むキウイやリンゴです」(足立先生)。

 キウイは摂取量を2倍に増やしても大きく上昇することはなかったそうで、「よく言われる『果物は果糖があるから太る』『食べすぎは良くない』というのは、誤った説であることが証明されました」とのことだった。

 ただ、注意が必要なのは、スポーツ飲料などに含まれる「果糖ぶどう糖液糖」。とうもろこしから取れるでんぷんを酵素分解して果糖を加えた人工の液糖のため、大量に摂取すると食後過血糖を起こしやすいそうだ。「動脈硬化性疾患予防のガイドラインでも、生鮮食品である果物の摂取は推奨する一方で、果糖を含む加工食品の摂取は減らすことが望ましいとされています」(同)。

 なお、果物の栄養面に着目した実験も行ったそう。おにぎり、サラダ、ゆで卵という栄養素に偏りのあるコンビニ食にキウイをたった1個プラスすることで、ビタミンや食物繊維、カリウムなどの栄養素が30%以上増加し、1食分の栄養摂取推奨量をほぼ満たすことができたという。足立先生は、「このように果糖の多い果物は、血糖値の上昇を抑えつつ、不足しがちな栄養素も補えるんです。いつもの食事に手軽にプラスして食べるのが望ましいと思います。健康のために何かを“食べない”という引き算ではなく、何かを“食べる”という足し算をすべき」といい、理想的とされる1日の果物摂取量の半分にも満たない日本人の果物摂取量の少なさに警鐘を鳴らしながら、積極的な摂取を勧めた。

 「勘違いしている人もいるかもしれませんが、“血糖値を上げてはいけない”わけではないんです。というか、食べて血糖値が上がるのは当たり前。上がらなければ生きていけませんから(笑)。意識するのは、“食後過血糖にならない上昇率で抑えられるかどうか”なんです。糖質制限のように引き算の食事ではなく、足し算で健康的になるズルい食べ方を考えてほしいと思います」という足立先生の言葉で、講義は終了した。

 これまで「果糖で太る」と言われていた果物だが、実際は種類を選んで積極的に摂取するのが望ましいとのこと。となると、摂取方法についてもいくつか疑問が湧いてくる。そこで、講義終了後、足立先生に個別で話を聞いた。

 まず、過去に流行したりんごダイエット、バナナダイエットのように、血糖値上昇が緩やかな果物だけを摂取するのはどうなのだろう。足立先生いわく、「いくら栄養が豊富で血糖値の上昇を抑えられる果物でも、単体では不足する栄養素が出てきてしまうので、それだけを食べ続けるというのはよくありません。また、例えば『果物に含まれるビタミンB1が脂肪の燃焼を促す』といったように、いくつかの成分が補い合って効果を発揮するものもあるので、果物は食事にプラスして摂ってくださいね」とのこと。

 また、果物を食べる理想的な時間について聞いてみたところ、「フルーツは朝のイメージが強いですが、何時に摂っても効果は変わりません」。寝る前に何かを食べるのはNGとよくいわれることだが、足立先生は、「摂取は推奨しないものの、私も深夜に果物を食べることはありますよ(笑)。消化吸収に時間がかかり眠りの質を下げてしまう脂肪よりは、果物を摂った方がいいと思いますので、おなかが空いて眠れないようなときは、我慢せずに果物を食べていい」との回答を得た。

 糖質制限が一般的になっている昨今だからこそ、いま一度、「糖質とは何か」「ただ制限すればいいのか」について、じっくり考えてみるべきなのかもしれない。
(取材・文=千葉こころ)

果物は「果糖で太る」「朝食べるのがいい」はウソ!? 管理栄養士が「果物の食べ方」に喝!

 糖質制限ダイエットのブームをきっかけに、多くの人が意識し始めた“糖質”。食事に含まれる糖質で血糖値が急激に上がると、血中の余分な糖が脂肪として蓄えられてしまうため、糖質の摂取量を控えて血糖値の上昇を抑えるべき……そんな考えの元、米やパンなどを省いた食生活を送る人も少なくない。しかし、管理栄養士で臨床栄養実践協会の理事長でもある足立香代子先生は、「血糖値の上昇を抑える食べ方ができれば、糖質を制限する必要はない」ときっぱり。そこで、足立先生が登壇される「栄養のプロが実践 糖質を味方につける『果物のズルい食べ方』」の講演に足を運んだ。

糖質は制限すればいいものではない

 糖質制限を行っている人の多くは、“糖質”と名の付くもの全てを敬遠する向きがあるものの、足立先生は「糖質には種類があります。全ての糖質をカットするのではなく、“質”で判断することが大切です」という。

 一般的に“糖質”と呼ばれるものには、糖の最小単位である単糖類の「ぶどう糖」や「果糖」、この2つがつながった二糖類の「砂糖(しょ糖)」など、成り立ちも異なるいくつもの種類があるとのこと。それぞれ血糖値への影響も異なる上、食品によって含まれる糖質の構成もさまざまなので、血糖値の上がりにくい種類の糖質を選べば、制限することなく食事を楽しめるそうだ。

 「糖質全てが悪いように言われますが、それは誤解。意識すべきは、食後の血糖値の上昇率です。食後過血糖とされる140㎎/dLを越えると、太りやすいのはもちろん、糖尿病や認知症の発症、心血管疾患による死亡リスクも高まるので、“血糖値の上昇が低い糖質”を選びましょう」と足立先生は忠告する。

 そのようなリスクがあるなら、やはり全ての糖質をカットした方が楽ではないかと思ってしまうが、「生涯において何かを制限することは良くないし、そもそも誰もが続けられることではありません。糖質制限を行った人の多くが、1年ほど後にストレスなどからリバウンドを起こし、結果的に制限していない人と変わらない数値に戻ったというデータもあります。『糖質制限は長期の効果が見込めない』という論文も出ているんですよ」と、足立先生。そのため、糖質を制限せずに血糖値を急上昇させない上手な食べ方を推奨しているという。

 では、制限を必要としない食事にふさわしい糖質とは何なのだろう。足立先生の研究によれば、身近な糖質である「ぶどう糖・果糖・砂糖(しょ糖)」の中では、「果糖」がもっとも血糖値が上がりにくいとのこと。

 果糖が含まれる代表的な食品といえば果物だが、果物の種類によって含有量が異なるため、足立先生はさまざまな果物で血糖値の上昇率を計測してみたという。対象となったのは、「キウイフルーツ緑肉種160g」「りんご皮付き130g」「オレンジ180g」「みかん180g」「パインアップル150g」「バナナ100g」。その結果、「どの果物も食後過血糖を起こすことはありませんでした。ただ、上昇率はそれぞれ異なり、血糖値の上昇を大幅に抑えられたのは、果糖と食物繊維を多く含むキウイやリンゴです」(足立先生)。

 キウイは摂取量を2倍に増やしても大きく上昇することはなかったそうで、「よく言われる『果物は果糖があるから太る』『食べすぎは良くない』というのは、誤った説であることが証明されました」とのことだった。

 ただ、注意が必要なのは、スポーツ飲料などに含まれる「果糖ぶどう糖液糖」。とうもろこしから取れるでんぷんを酵素分解して果糖を加えた人工の液糖のため、大量に摂取すると食後過血糖を起こしやすいそうだ。「動脈硬化性疾患予防のガイドラインでも、生鮮食品である果物の摂取は推奨する一方で、果糖を含む加工食品の摂取は減らすことが望ましいとされています」(同)。

 なお、果物の栄養面に着目した実験も行ったそう。おにぎり、サラダ、ゆで卵という栄養素に偏りのあるコンビニ食にキウイをたった1個プラスすることで、ビタミンや食物繊維、カリウムなどの栄養素が30%以上増加し、1食分の栄養摂取推奨量をほぼ満たすことができたという。足立先生は、「このように果糖の多い果物は、血糖値の上昇を抑えつつ、不足しがちな栄養素も補えるんです。いつもの食事に手軽にプラスして食べるのが望ましいと思います。健康のために何かを“食べない”という引き算ではなく、何かを“食べる”という足し算をすべき」といい、理想的とされる1日の果物摂取量の半分にも満たない日本人の果物摂取量の少なさに警鐘を鳴らしながら、積極的な摂取を勧めた。

 「勘違いしている人もいるかもしれませんが、“血糖値を上げてはいけない”わけではないんです。というか、食べて血糖値が上がるのは当たり前。上がらなければ生きていけませんから(笑)。意識するのは、“食後過血糖にならない上昇率で抑えられるかどうか”なんです。糖質制限のように引き算の食事ではなく、足し算で健康的になるズルい食べ方を考えてほしいと思います」という足立先生の言葉で、講義は終了した。

 これまで「果糖で太る」と言われていた果物だが、実際は種類を選んで積極的に摂取するのが望ましいとのこと。となると、摂取方法についてもいくつか疑問が湧いてくる。そこで、講義終了後、足立先生に個別で話を聞いた。

 まず、過去に流行したりんごダイエット、バナナダイエットのように、血糖値上昇が緩やかな果物だけを摂取するのはどうなのだろう。足立先生いわく、「いくら栄養が豊富で血糖値の上昇を抑えられる果物でも、単体では不足する栄養素が出てきてしまうので、それだけを食べ続けるというのはよくありません。また、例えば『果物に含まれるビタミンB1が脂肪の燃焼を促す』といったように、いくつかの成分が補い合って効果を発揮するものもあるので、果物は食事にプラスして摂ってくださいね」とのこと。

 また、果物を食べる理想的な時間について聞いてみたところ、「フルーツは朝のイメージが強いですが、何時に摂っても効果は変わりません」。寝る前に何かを食べるのはNGとよくいわれることだが、足立先生は、「摂取は推奨しないものの、私も深夜に果物を食べることはありますよ(笑)。消化吸収に時間がかかり眠りの質を下げてしまう脂肪よりは、果物を摂った方がいいと思いますので、おなかが空いて眠れないようなときは、我慢せずに果物を食べていい」との回答を得た。

 糖質制限が一般的になっている昨今だからこそ、いま一度、「糖質とは何か」「ただ制限すればいいのか」について、じっくり考えてみるべきなのかもしれない。
(取材・文=千葉こころ)

そのムダ毛、どうにかして! 父親&パートナーに“体毛”処理を促すスムーズな方法

 誕生日、バレンタイン、クリスマス、記念日……。パートナーへプレゼントを贈る機会は、年に何度もやってきますよね。1年目、2年目はベタなものでクリアできても、何度もイベントを重ねていくうちにネタは切れ、「男性 プレゼント」で検索してみても出てくるものはなんだかパッとせず。

 男性への贈り物といえば、6月の“父の日”もプレゼントを要するイベントの1つ。毎年しっかりあげている方の中には、「あ~今年はどうしようかな~?」とお悩み中の方も結構いるんじゃないでしょうか?

 春というには微妙で、かといって夏というほど暑くもない今の時期、プレゼント選びは難しいところですが「夏に向けての準備期間」と捉えたら、私はだんだん内容が固まってきました。

 そう、夏といえば薄着の季節。男性でもTシャツ短パンは当たり前、プールや海となればもちろん上半身裸。そこで気になるのが、わき毛や胸毛、ギャランドゥなどのいわゆる“男のムダ毛”です。

 今でこそ女性には脱毛が浸透していますが、男性はまだまだ。ヒゲや眉毛、鼻毛まではギリギリケアをしているけど、体毛は気にも留めてない男性って、結構いますよね。でも、パートナーや身内に対して「体のムダ毛ケアをしてほしい」なんて言うのは、ハードルが高い方も多いはず。かくいう私もその1人で、「どうすれば自然にムダ毛ケアを促せるのだろう……?」と考えあぐねた結果、「そうか、プレゼントでケア用品をあげちゃえばいいんだ!」とひらめいて、調べつくしました。

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 そして見つけたのが、フィリップス メンズグルーミングシリーズの「Bodygroom series7000防水ボディグルーマー(TT2040/15)」です!

 このボディグルーマー、女性の私からみても、めちゃめちゃ使いやすそうなんです。首から下の、あらゆる部位のムダ毛処理がこの1台で可能という便利さで、コームは5段階に調整可能。長さが整っていない毛でも好みの長さに仕上げられ、もちろん深剃りもOK。さらに、丸みを帯びた刃先なので「切って出血」なんて心配もなさそうですし、シャワー中でも利用できる防水仕様だから、使い終わりにさっと丸洗いするだけでお手入れ終了。しかも、1時間の充電で約50分間コードレス使用ができるみたいなので、ずぼらな人でも安心です。

 実際に使った男性が書いた口コミを見てみても、「前に使っていたトリマーやヒゲ剃り用シェーバーと比べると、仕上がりは雲泥の差!」 「T字カミソリのように切ってしまい出血することがなくなったので、無駄なストレスを感じなくなった」 「除毛後のチクチク感がまったくない」など、違いに驚く人が多いみたいです。
 
 普段、「T字カミソリで十分」なんて強がっているパートナーやお父さんも、これだけ高性能なボディグルーマーをもらえたら虜になること間違いなしで、次の日には全身がツルツルになっているかも……? 肌荒れやカミソリ負けの悩みとも、きっとさよならできるでしょう。

 さらに、フィリップスでは「ソリかえ割」というキャンペーンを開催しており、対象商品のシェーバーを買って応募した方、なんと全員に“最大1万円キャッシュバック”をやっているようです! 「ボディの前に、まず顔のケアすら完璧じゃない……」というパートナーには、まずはお得に電気シェーバーをプレゼントでも良いかもしれませんね!
(ヨコシマリンコ)

フィリップス・ジャパン メンズグルーミング

・当記事はPRです

専門医に聞いた「ホクロ」の真実! 知らないと恐い、ホクロを生む“生活習慣”

 鏡を見ているときに「あれ? こんなところにホクロなんてあったっけ?」と、驚いた経験はないだろうか。特に顔にできてしまったホクロは、悩みのタネになることも。なぜこんな所に……と悩んでいるだけではホクロは増える一方なので、今回はホクロができるメカニズムや最新治療法を専門医に聞いてみた。

■ホクロには「先天性」と「後天性」のものがある

 東京イセアクリニック総院長の吉種克之医師によれば、ホクロには「先天性」と「後天性」のものがあるという。

「先天性のホクロは胎児期、つまりお母さんのおなかの中にいるときにできます。先天性のホクロには遺伝性と非遺伝性のものがありますが、どちらも生まれたときにはすでにあるものなので、予防することはできません」

 先天性のものと後天性のホクロを見分けるのは難しいが、赤ちゃんの頃からあるホクロは、先天性の可能性が高いという。一方、後天性の場合はホクロができてしまう原因があるため、防ぐことも可能、と吉種医師。

「後天性ホクロの主な原因となるのは『紫外線』。肌が紫外線を浴びることで、メラニンという色素が皮膚の内側で生成されます。通常ならば、皮膚の生まれ変わりを意味する『ターンオーバー』によって、メラニンは体の外に排出されます。しかし、メラニンがたくさん生成されたにもかかわらず、排出がうまくいかずに皮膚に残ったものがホクロになってしまうのです」

 ホクロを生み出すメラニンを増やす要因は、紫外線のほかにもホルモンバランスの乱れや加齢、ストレス、食生活など、日常のありとあらゆる事柄が関係しているという。

「特に女性は洗顔やメイク時など、外からの刺激を受ける機会が多いので、ホクロができる可能性が高いといえます。ホクロのできやすさは、もともとの体質も関係していますが、これ以上ホクロを増やさないためには、生活習慣を改善するに越したことはないですね」

 食生活からメイクの方法に至るまで、さまざまな原因が絡み合って後天性のホクロはできてしまうようだ。さらにホクロの種類によっては皮膚の悪性腫瘍、いわゆる皮膚がんなど手術が必要な重い皮膚病を患っていることもあるそう。危険なホクロの特徴とは、どういうものだろうか?

「急に大きくなったり、形や硬さが変わったりしたホクロや、痛みやかゆみを感じたり、出血を伴うホクロがある場合は、早めに皮膚科を受診することをオススメします」

 たかがホクロと軽視せず、その変化にも気を配る必要がありそうだ。

 生活習慣や体質が原因とはいえ、一度できてしまったホクロを自然に消すことは困難。どうしても気になる場合は、どうしたらよいのだろう?

「医療機関で除去するのが確実ですね。代表的な施術方法は『レーザー焼却法』と『切除法』の2つ。レーザー焼却法は、レーザーの熱を1分ほどホクロに当てて焼く治療法です。比較的浅いところにあるホクロであれば肌への負担も軽く、ダウンタイム(回復までに要する期間)もほとんどありません。傷痕も気にならない程度なので、肌トラブルがなければ再診の必要もないのがレーザー焼却法の特徴ですね」

 もう一方の「切除法」は、その名の通りメスを使ってホクロの周りを切り取り、丁寧に縫合する手術だ。手術は約30分で完了し、抜糸と術後の経過を見る必要があるので、3回ほどの通院が必要とのこと。

「隆起したホクロや、レーザー焼却法でキレイに取り切れない大きさのホクロは、切除法で治療します。どちらの手術法も局所麻酔を使用するので、手術中に痛みを感じることはほとんどありません」

 切除法の場合は術後「細いライン状の傷」が残るが、2〜3カ月ほどで傷の色が赤色から白に変わり、目立たなくなるそう。

「ただ、ホクロの根が深いところにあると、再発する可能性や、ホクロを取りきった部分に新たなホクロができることもあります。同じ場所にできたホクロを除去することは可能ですが、ホクロを増やしたくないという方は、日に当たりすぎず、日焼け止めを塗るなどの紫外線対策が必須です」

 また、晴れの日はもちろんのこと、曇りの日も紫外線は降り注いでいるとのこと。曇りの多くなる梅雨時も、油断は禁物だ。

「ホクロにコンプレックスを抱えている方は多いと思います。今はさまざまな方法でホクロを取り除くことができるので、気になっている方は、ぜひ近くの医療機関に相談してみてください」

 特に顔面にあるホクロは、除去するだけで驚くほど印象が変わってくるという。鏡を見てため息をついているなら、早めに除去したほうが心の健康にもつながってくるはずだ。
(真島加代/清談社)

吉種克之(よしたね・かつゆき)
美容外科「東京イセアクリニック」総院長 兼 銀座院院長。東京医科大学卒業後、昭和大学形成外科で研修、専門医を取得。大手美容外科クリニックの理事を経て、2010年に東京イセアクリニック診療部長に就任、現在に至る。

東京イセアクリニック