傷んだ髪をサラサラに……「ドライヤー」「洗い流さないトリートメント」の使い方をプロに聞く!

 メイクやファッションと同じくらい、ビジュアルに影響を与える「髪」。スタイルはもとより、髪の毛自体の美しさでも、見た目の印象が大きく変わるだけに、さまざまなヘアケアグッズを揃え、毎日のケアを欠かさないという人も少なくないだろう。特に今の季節、夏の強い日差しにさらされ、ダメージを受けた髪に、大慌てでヘアケアを始めようとしている人もいるはずだ。そんな中、着目したいのが「髪の乾かし方」。どれだけ効果が高いと言われる高価なシャンプーやトリートメントなどを使っていたとしても、「間違った髪の乾かし方をすると、髪を傷めてしまう」と、毛髪診断士で「スキンケアサロンティナロッサ」代表のパーソナルビューティープロデューサー・齊藤あきさんは言う。果たして、ボロボロの髪を整える「正しい髪の乾かし方」とは?

秋口の髪トラブルは夏のダメージが原因

――夏の終わりから秋にかけて、髪がきしんだりパサついたり、抜けやすかったりするのは、やはり夏の強い紫外線のせいでしょうか?

齊藤あきさん(以下、齊藤) 髪の傷みや抜け毛の原因には、栄養バランスの乱れや疲れといった内的ダメージ、そして紫外線などの外的ダメージも大きく影響します。夏場は、紫外線や冷房による外的ダメージに加え、暑さで疲れが溜まったり、冷たいものを摂りすぎて体の中が冷えたり、食欲が落ちて栄養バランスが乱れたりしやすいので、蓄積したダメージが、秋口になって大きく出てしまうんです。

――夏に紫外線だけ予防してもダメなんですね。

齊藤 髪の毛はいわゆる“死んだ細胞”なので、自力で修復ができないんです。傷んだら補うしかありません。美髪を維持するには、紫外線予防やダメージにつながらない過ごし方を意識するとともに、トリートメントでのケアや髪の乾かし方にもきちんと気を配り、夏のうちから傷まないようにするのがベストです。

――夏場は暑いので、ドライヤーを使わず、自然乾燥で済ませてしまうという人もいると思うのですが、あまりよくないのでしょうか?

齊藤 自然乾燥だと、髪が乾燥してパサついたり、頭皮が蒸れてベタつきの原因になったりするので、夏でもきちんとドライヤーで乾かしてほしいですね。また、髪の毛の表面には、コーティングのような役割をするキューティクルがあるのですが、髪が濡れていると、そのキューティクルが開いてダメージを受けやすくなってしまいます。そのため、洗髪後は「20分以内」に乾かすようにしてください。

――では、髪の毛を傷ませない乾かし方を教えてください。

齊藤 基本は「洗髪後、時間をかけずに完全に乾かすこと」。キューティクルが開いた状態でドライヤーをあてると熱のダメージを受けやすいので、ダラダラ時間をかけて乾かすのはNGなんです。そのために何をすべきかと言うと、タオルドライで髪の水分をしっかり取り除くこと。水滴が落ちなくなるくらいまで、念入りにしてほしいですね。このタオルドライをあまりしていない人が結構いるようなんですが、ドライヤーの時短にもつながるので、ぜひやってほしいと思います。髪の長い人は、タオルで押さえるようにしながら、毛先の水分までしっかり吸い取ってくださいね。

――まだ暑い日が続いてるので、できるだけドライヤーをあてる時間を短くしたいという人も多いと思います。そのためにも、タオルドライは大切なんですね。

齊藤 時短という点では、タオル2枚を使ってのタオルドライもオススメ。1枚目は浴室に置いておき、髪を洗い終わってすぐに、水気を切った髪に巻きます。そのまま湯船に浸かったり体を洗ったりして、お風呂から上がったら、2枚目のタオルで巻き直します。そうすると、5分ほどで結構水分を吸い取ってくれるので、最後にワシャワシャっと拭いてからドライヤーをすると、早く乾かせるんです。洗髪後に巻くタオルを吸水性の高いものにするのもいいですね。

――ドライヤーの正しいあて方もあるのでしょうか?

齊藤 タオルドライ後の20分以内に、ドライヤーで頭皮、髪の毛、毛先の順に乾かしていきます。頭皮は髪の密度が高いので、かき分けるようにして、ドライヤーの風をまんべんなくあてて乾かしてください。頭皮がきちんと乾いたら、髪を浮かせながら風をあて、頭頂部の方から順に髪全体をしっかり乾かしていきます。髪の毛を動かすのではなく、ドライヤー自体を揺らしながらあてると、早く乾きますよ。傷みやすい毛先は最後に、キューティクルを毛羽立てないよう、斜め上側45度から風を送って乾かします。短い時間で全体をきちんと乾かすためにも、ドライヤーの風量は最強に。ただ、温度が高いと髪が傷みやすいので、ドライヤーの熱は70度くらいの低温に設定しておきましょう。

――温度設定ができないドライヤーで、熱が高い場合はどうしたらいいですか?

齊藤 ドライヤーを髪から離すと、風が届くまでのあいだに温度が下がるので、10~15センチくらい離してあててみてください。

――髪をしっかり乾かすことの大切さはわかりましたが、朝に髪を洗ったときなどは時間がなく、ととりあえず毛先だけ乾かして出てしまうことも多いです。

齊藤 それは最悪ですね……。洗髪後、皮脂が出るまでに約5時間かかるのですが、この皮脂は頭皮や髪を紫外線からガードする働きがあるもの。朝洗ってすぐ外に出ると、ノーガードで紫外線を浴びてしまい、頭皮も髪も傷めてしまいますよ。なので、朝シャンは良くないんです。さらに、きちんと乾いていない状態だと余計に紫外線の影響を受けやすくなってしまうので、毛先を乾かすくらいなら、頭皮だけでもしっかり乾かす方がまだいいですよ。

――なぜ毛先より頭皮なのでしょうか?

齊藤 紫外線予防というのもありますが、根本が乾いていないと、たとえきちんとスタイリングしても、時間がたつにつれて髪がうねってきてしまいます。何事も、土台からきちんと作っていかないと、崩れやすいということです。

――最近では、ドライヤーをかける前に、「洗い流さないトリートメント」を髪に塗るという人も多いですが、種類がたくさんあるので、いつも迷ってしまいます。選び方のポイントを教えてください。

齊藤 ポイントは、主に2つです。1つは、ダメージに合わせた選び方。髪の毛は、外側が親油性で、内部は親水性になっているので、内側から修復したいときはウォータータイプやミルクタイプなど水分が多いもの、表面を保護したいときは油分の多いクリームタイプやオイルタイプがいいと思います。もう1つは髪質による使い分けで、髪が細い人はペタッとしづらい水っぽいタイプがおすすめで、ハイダメージで髪が広がってしまう人は、オイリーなタイプの方がボリュームを抑えられます。

――正しい塗り方などはあるのでしょうか?

齊藤 髪は毛先が一番傷んでいるので、まずは毛先にしっかり塗り込んでください。上側は、毛先に塗り込んだ余りを馴染ませるくらいで十分です。なお、頭皮につくと、かゆくなったりベタついたりするので、根元から5センチくらいはつかないように気を付けてくださいね。髪全体を「3つくらいの束」に分けると塗りやすいと思います。使用量はタイプや商品によってそれぞれですが、どれも塗り過ぎは良くありません。

――おすすめの使い方があれば教えてください。

齊藤 ミルクタイプは油分と水分のバランスがよく、内側まで浸透しやすいため、髪の修復に向いています。一方オイルタイプは、油分が多いほどコーティング力が強いので、ドライヤーの熱からの保護や、紫外線予防に適しています。なので、タオルドライの直後にミルクタイプを塗り、その上からオイルタイプを重ね塗りしてドライヤーをするとベスト。また、外出前にオイルタイプを塗って紫外線をガードするなど、何種類かの洗い流さないトリートメントを用意して、うまく使い分けるといいと思います。
(取材・文=千葉こころ)

齊藤あき(さいとう・あき)
パーソナルビューティープロデューサー。美容師・毛髪診断士・美養研究家。「スキンケアサロンティナロッサ」代表。5万人以上ものあらゆる肌と髪に向き合ってきた美肌・美髪作りのスペシャリストとして、多くの人たちから支持を集めている。
公式サイト

「熱中症対策グッズ」7品を医師が品評! 「ひんやり感が復活」「持続時間が短い」

 8月23日、気象庁は9月以降も東日本や西日本を中心に30度以上の真夏日が続くと発表し、「引き続き熱中症に警戒してほしい」と呼びかけています。 
 
 そこで今回は、編集部が選んだ熱中症対策グッズ7種を、「女医によるファミリークリニック」院長・竹中美恵子先生(小児科医/小児慢性特定疾患指定医/難病指定医)にジャッジしていただきました。重度の熱中症になると、後遺症が残る可能性があるといい、最悪死亡するケースも。そんな、侮れない“熱中症”ですが、屋内と屋外などシチュエーション別に熱中症対策グッズを使い分け、残暑を乗り切ってみるのはいかがでしょうか。

目次

1熱中症の症状と原因
2医師が熱中症対策グッズ7つをジャッジ
・瞬間爆冷スプレー ミントの香り/アイスノン 
・塩分チャージ タブレッツ/カバヤ
・冷感タオル/Velcare 
・経口補水液OS-1/大塚製薬
・かんたん急冷! ヒヤロン/ロッテ
・しろくまのきもち サマースカーフ/ビッグウイング
・ミニ扇風機

1. 熱中症の症状と原因 内科医・星野優先生(日本医師会認定産業医)監修

「熱吸収の増加」と「熱放出の低下」がいくらか組み合わさることで起こります。具体的には過度の熱吸収は激しい運動や高い環境温度、またはその両方によって生じ、冷却障害は、肥満、高湿度、高い環境温度、厚着、および発汗と汗の蒸発を妨げるあらゆるものによって引き起こされると言われているんです。

 また、熱中症の主な症状としては、「だるさ」「頭痛」「めまい」「吐き気(嘔吐)」などがあり、重度の熱中症になると、「意識がない」「体がひきつる/けいれんする」などの症状も出ます。体の筋肉が壊されてしまったり、肝臓や腎臓に障害が生じ、致死的な状態に至ることも珍しくありません。

2. 医師が熱中症対策グッズ7つをジャッジ

瞬間爆冷スプレー ミントの香り/アイスノン  オススメ度★★★☆☆

◎商品概要
 服の上からスプレーすると、マイナス30度以下のジェット冷気で火照った体を瞬間冷却できる商品。服についた汗のニオイも消臭してくれる。

◎医師・竹中先生によるジャッジ
 ストッキングやUVカット手袋の上からスプレーしても、一気に涼しくなるのでカバンに1つ入っていると便利でしょう。脇の制汗剤やおでこに貼るタイプの冷却シートなどで肌荒れを起こす方が多いのですが、こちらであれば直接肌に触れることもなく、肌荒れを起こしにくい点が素晴らしいです! お肌の弱い方や、お子さんにも安心して使えますよ。

 欠点は、持ち運びタイプとはいえ容器が重い。そして、ひんやり感の持続時間が短いことですね。

塩分チャージ タブレッツ/カバヤ  オススメ度★★★★★

◎商品概要
 汗をかくことで、失われる塩分やカリウムに加え、クエン酸を一粒に凝縮した1粒。日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」プロジェクト公式アイテム。

◎医師・竹中先生によるジャッジ
 体のイオンバランスを崩すことで、気分を悪くされる方が非常に多いですが、塩タブレットの摂取で防ぐことができます。こちらのタブレットタイプであれば口溶けも良いので、すぐに塩分等のチャージが可能ですね。同様の商品に「塩飴」がありますが、食べきるまでに時間がかかりますし、夏場の屋外など高温の場所では溶けてしまうので、持ち運びには不向き。塩タブレットは、たくさん汗をかく運動の前後、屋外はもちろんのこと、暑さを感じにくく熱中症になりがちな高齢者の方にも率先して口にしてほしいです。水分を必要としないため、ライブなど外出先で手軽に摂れることも便利ですね。

 欠点は、2~3歳の幼児の舌だと、塩っ辛さを感じることもあるかもしれません。ただ、お菓子ではなく熱中症対策グッズと考えれば、まずくないと思います。

冷感タオル/Velcare オススメ度★★★★★


◎商品概要
 冷感機能素材を使用しているタオル。水に濡らして絞った後、タオルを振るだけで冷たさを感じることができ、ぬるくなっても水分が残っていれば、振るだけでひんやり感が復活する。

◎医師・竹中先生によるジャッジ
 とても冷たい上に、持続性もなかなかです! 軽いので持ち運びしやすく、使い方も簡単。メイクの上から顔を拭いても、崩れにくいところもポイントが高いです。

 欠点は、水をすぐに使えない状況では、効果を発揮できないところでしょう。

経口補水液OS-1/大塚製薬  オススメ度★★★★★


◎商品概要
 脱水状態時に不足している水と電解質(ナトリウムなどの塩分)を素早く補給できる飲料で、“飲む点滴”とも言われる。

◎医師・竹中先生によるジャッジ
 病院に搬送されるほどの重度の熱中症に陥ってしまった場合、経口補水液を飲んでいるだけで、その後の処置から改善までの道のりが、とても“速く”なります。点滴は病院に行くまでの時間が必要ですし、費用もかかるので、ドラッグストアなどで手軽に購入できる経口補水液は、医師から見てもオススメです。体調が「おかしいな……」と思ったら、「まず、これを飲む」と頭に入れておくといいでしょう。 

 欠点を挙げるとすれば、おいしくない点。ただ、医薬品に準ずる商品ですので、そこはしょうがないのかもしれません。

かんたん急冷! ヒヤロン/ロッテ  オススメ度★★★★☆

◎商品概要
「手で叩いて割る」旧タイプとは違い、「握るだけ」で冷たくなる冷却パック。

◎医師・竹中先生によるジャッジ
 冷たすぎて肌が真っ赤になるといったことがない、ちょうど良い冷たさですし、タオルに包めば温度調節も簡単です。体の不調を感じたら、まずは応急処置として「ワキの下」「首」「太ももの付け根」など、太い動脈が通っているところを冷やしましょう。「手で叩いて割る」旧タイプとは違い、「握るだけ」で冷たくなる冷却パック。

 欠点は、繰り返し使えない点。お財布と環境に優しくないですかね……。

しろくまのきもち サマースカーフ/ビッグウイング  オススメ度★★★☆☆

◎商品概要
 約3~5分水に浸し膨らませ、タオルなどで軽く表面の水を拭き取り首に巻いて使用するサマースカーフ。高分子ポリマーによって、水分がゆっくり気化するため、冷たさが長時間持続。

◎医師・竹中先生によるジャッジ
 首をクーリングすることで、脳に流れる血液を冷やす効果があり、熱中症予防につながります。使い方によっては、手首に巻くことも可能ですし、見た目もオシャレですね。繰り返し洗濯して使える点もエコ。ただ、水を含ませる商品なので、放置するとカビなどの菌が繁殖してしまう心配が……。「手洗い」という点が少々面倒ですが、洗濯・乾燥をきちんとして、衛生面に気を配り使用しましょう。

 院内でサマースカーフの落とし物が目立っているので、紛失しやすいところが欠点と言えます。

ミニ扇風機  オススメ度★★★★☆


◎商品概要
 繰り返し充電が可能なタイプのハンディタイプの小型扇風機。

◎医師・竹中先生によるジャッジ
 風量も強くて申し分ありません。風を当てて体の表面を冷たくすれば体温が奪われるので、熱中症予防に有効かと思われます。扇風機を使用する際は、必ずスプレーなどで肌に“水”をかけることを忘れないでほしいですね。また、汗をかいた際は、あえて“拭かずに”風を当てることで、同様の効果が得られ、結構クールダウンできると思います。

 気をつけてほしい点は、高い気温の中で乾いた肌に風を当て続けないということ。水をかけずに、35度を超える気温の中で、扇風機のみを使用するということは、ドライヤーの熱風を当てるようなものです。熱を奪う前に汗だけが乾き、体温は上がったままになってしまいます。そうすると脱水症状を引き起こす可能性もあるので、注意して使いましょう。

竹中美恵子(たけなか・みえこ)
女医によるファミリークリニック院長。小児科医、小児慢性特定疾患指定医、難病指定医。
2009年金沢医科大学医学部医学科卒業。以後広島市立広島市民病院小児科などで勤務。2016年12月女医によるファミリークリニックを開業。日本小児科学会、日本周産期新生児医学会、日本小児神経学会、日本小児リウマチ学会所属。日本周産期新生児医学会認定 新生児蘇生法専門コース認定取得、メディア出演多数。

「熱中症対策グッズ」7品を医師が品評! 「ひんやり感が復活」「持続時間が短い」

 8月23日、気象庁は9月以降も東日本や西日本を中心に30度以上の真夏日が続くと発表し、「引き続き熱中症に警戒してほしい」と呼びかけています。 
 
 そこで今回は、編集部が選んだ熱中症対策グッズ7種を、「女医によるファミリークリニック」院長・竹中美恵子先生(小児科医/小児慢性特定疾患指定医/難病指定医)にジャッジしていただきました。重度の熱中症になると、後遺症が残る可能性があるといい、最悪死亡するケースも。そんな、侮れない“熱中症”ですが、屋内と屋外などシチュエーション別に熱中症対策グッズを使い分け、残暑を乗り切ってみるのはいかがでしょうか。

目次

1熱中症の症状と原因
2医師が熱中症対策グッズ7つをジャッジ
・瞬間爆冷スプレー ミントの香り/アイスノン 
・塩分チャージ タブレッツ/カバヤ
・冷感タオル/Velcare 
・経口補水液OS-1/大塚製薬
・かんたん急冷! ヒヤロン/ロッテ
・しろくまのきもち サマースカーフ/ビッグウイング
・ミニ扇風機

1. 熱中症の症状と原因 内科医・星野優先生(日本医師会認定産業医)監修

「熱吸収の増加」と「熱放出の低下」がいくらか組み合わさることで起こります。具体的には過度の熱吸収は激しい運動や高い環境温度、またはその両方によって生じ、冷却障害は、肥満、高湿度、高い環境温度、厚着、および発汗と汗の蒸発を妨げるあらゆるものによって引き起こされると言われているんです。

 また、熱中症の主な症状としては、「だるさ」「頭痛」「めまい」「吐き気(嘔吐)」などがあり、重度の熱中症になると、「意識がない」「体がひきつる/けいれんする」などの症状も出ます。体の筋肉が壊されてしまったり、肝臓や腎臓に障害が生じ、致死的な状態に至ることも珍しくありません。

2. 医師が熱中症対策グッズ7つをジャッジ

瞬間爆冷スプレー ミントの香り/アイスノン  オススメ度★★★☆☆

◎商品概要
 服の上からスプレーすると、マイナス30度以下のジェット冷気で火照った体を瞬間冷却できる商品。服についた汗のニオイも消臭してくれる。

◎医師・竹中先生によるジャッジ
 ストッキングやUVカット手袋の上からスプレーしても、一気に涼しくなるのでカバンに1つ入っていると便利でしょう。脇の制汗剤やおでこに貼るタイプの冷却シートなどで肌荒れを起こす方が多いのですが、こちらであれば直接肌に触れることもなく、肌荒れを起こしにくい点が素晴らしいです! お肌の弱い方や、お子さんにも安心して使えますよ。

 欠点は、持ち運びタイプとはいえ容器が重い。そして、ひんやり感の持続時間が短いことですね。

塩分チャージ タブレッツ/カバヤ  オススメ度★★★★★

◎商品概要
 汗をかくことで、失われる塩分やカリウムに加え、クエン酸を一粒に凝縮した1粒。日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」プロジェクト公式アイテム。

◎医師・竹中先生によるジャッジ
 体のイオンバランスを崩すことで、気分を悪くされる方が非常に多いですが、塩タブレットの摂取で防ぐことができます。こちらのタブレットタイプであれば口溶けも良いので、すぐに塩分等のチャージが可能ですね。同様の商品に「塩飴」がありますが、食べきるまでに時間がかかりますし、夏場の屋外など高温の場所では溶けてしまうので、持ち運びには不向き。塩タブレットは、たくさん汗をかく運動の前後、屋外はもちろんのこと、暑さを感じにくく熱中症になりがちな高齢者の方にも率先して口にしてほしいです。水分を必要としないため、ライブなど外出先で手軽に摂れることも便利ですね。

 欠点は、2~3歳の幼児の舌だと、塩っ辛さを感じることもあるかもしれません。ただ、お菓子ではなく熱中症対策グッズと考えれば、まずくないと思います。

冷感タオル/Velcare オススメ度★★★★★


◎商品概要
 冷感機能素材を使用しているタオル。水に濡らして絞った後、タオルを振るだけで冷たさを感じることができ、ぬるくなっても水分が残っていれば、振るだけでひんやり感が復活する。

◎医師・竹中先生によるジャッジ
 とても冷たい上に、持続性もなかなかです! 軽いので持ち運びしやすく、使い方も簡単。メイクの上から顔を拭いても、崩れにくいところもポイントが高いです。

 欠点は、水をすぐに使えない状況では、効果を発揮できないところでしょう。

経口補水液OS-1/大塚製薬  オススメ度★★★★★


◎商品概要
 脱水状態時に不足している水と電解質(ナトリウムなどの塩分)を素早く補給できる飲料で、“飲む点滴”とも言われる。

◎医師・竹中先生によるジャッジ
 病院に搬送されるほどの重度の熱中症に陥ってしまった場合、経口補水液を飲んでいるだけで、その後の処置から改善までの道のりが、とても“速く”なります。点滴は病院に行くまでの時間が必要ですし、費用もかかるので、ドラッグストアなどで手軽に購入できる経口補水液は、医師から見てもオススメです。体調が「おかしいな……」と思ったら、「まず、これを飲む」と頭に入れておくといいでしょう。 

 欠点を挙げるとすれば、おいしくない点。ただ、医薬品に準ずる商品ですので、そこはしょうがないのかもしれません。

かんたん急冷! ヒヤロン/ロッテ  オススメ度★★★★☆

◎商品概要
「手で叩いて割る」旧タイプとは違い、「握るだけ」で冷たくなる冷却パック。

◎医師・竹中先生によるジャッジ
 冷たすぎて肌が真っ赤になるといったことがない、ちょうど良い冷たさですし、タオルに包めば温度調節も簡単です。体の不調を感じたら、まずは応急処置として「ワキの下」「首」「太ももの付け根」など、太い動脈が通っているところを冷やしましょう。「手で叩いて割る」旧タイプとは違い、「握るだけ」で冷たくなる冷却パック。

 欠点は、繰り返し使えない点。お財布と環境に優しくないですかね……。

しろくまのきもち サマースカーフ/ビッグウイング  オススメ度★★★☆☆

◎商品概要
 約3~5分水に浸し膨らませ、タオルなどで軽く表面の水を拭き取り首に巻いて使用するサマースカーフ。高分子ポリマーによって、水分がゆっくり気化するため、冷たさが長時間持続。

◎医師・竹中先生によるジャッジ
 首をクーリングすることで、脳に流れる血液を冷やす効果があり、熱中症予防につながります。使い方によっては、手首に巻くことも可能ですし、見た目もオシャレですね。繰り返し洗濯して使える点もエコ。ただ、水を含ませる商品なので、放置するとカビなどの菌が繁殖してしまう心配が……。「手洗い」という点が少々面倒ですが、洗濯・乾燥をきちんとして、衛生面に気を配り使用しましょう。

 院内でサマースカーフの落とし物が目立っているので、紛失しやすいところが欠点と言えます。

ミニ扇風機  オススメ度★★★★☆


◎商品概要
 繰り返し充電が可能なタイプのハンディタイプの小型扇風機。

◎医師・竹中先生によるジャッジ
 風量も強くて申し分ありません。風を当てて体の表面を冷たくすれば体温が奪われるので、熱中症予防に有効かと思われます。扇風機を使用する際は、必ずスプレーなどで肌に“水”をかけることを忘れないでほしいですね。また、汗をかいた際は、あえて“拭かずに”風を当てることで、同様の効果が得られ、結構クールダウンできると思います。

 気をつけてほしい点は、高い気温の中で乾いた肌に風を当て続けないということ。水をかけずに、35度を超える気温の中で、扇風機のみを使用するということは、ドライヤーの熱風を当てるようなものです。熱を奪う前に汗だけが乾き、体温は上がったままになってしまいます。そうすると脱水症状を引き起こす可能性もあるので、注意して使いましょう。

竹中美恵子(たけなか・みえこ)
女医によるファミリークリニック院長。小児科医、小児慢性特定疾患指定医、難病指定医。
2009年金沢医科大学医学部医学科卒業。以後広島市立広島市民病院小児科などで勤務。2016年12月女医によるファミリークリニックを開業。日本小児科学会、日本周産期新生児医学会、日本小児神経学会、日本小児リウマチ学会所属。日本周産期新生児医学会認定 新生児蘇生法専門コース認定取得、メディア出演多数。

本当は怖い「熱中症」を医師が解説――対策は「涼しくなる秋まで」「エアコンは26~27度程度」

 猛烈な暑さが落ち着きつつある中、「熱中症対策」をしなくなる人も徐々に増えるだろう。しかし、じわじわと汗をかくような残暑の中、対策は引き続き行うべきであるようだ。今回、日本医師会認定産業医/内科医・星野優氏に、9月以降も注意したい熱中症対策のポイントをお聞きするとともに、あらためて熱中症がいかに“怖い”病気かをお聞きした。

熱中症の症状と原因

 まず、「基本」として、「熱中症」はどのような原因で起こるのだろうか。

「熱中症は、『熱吸収の増加』と『熱放出の低下』がいくらか組み合わさることで起こります。具体的に、過度の熱吸収は激しい運動や高い環境温度、またはその両方によって生じ、冷却障害は、肥満、高湿度、高い環境温度、厚着、および発汗または汗の蒸発を妨げるあらゆるものによって引き起こされます」

 熱中症のリスクは、わかりやすく大きく分けると、熱波によってじわじわと高体温になる古典的な「熱射病」と体内の水分が足りなくなってしまう「脱水症」だという。

 また熱中症は、症状によって「Ⅰ度(熱痙攣/熱失神)、Ⅱ度(熱疲労)、Ⅲ(熱射病)に分けられる」(星野氏)という。熱中症の主な症状としては、だるさ、頭痛、めまい、吐き気などがあるが、重度の熱中症Ⅲ度の場合は、「『意識がない』『体がひきつる/けいれんする』などの症状があり、体の筋肉が壊されてしまったり、肝臓や腎臓に障害が生じ、致死的な状態に至ることも珍しくありません。集中治療室での治療を要する場合も多々あります」という。

 星野氏は、あらためて熱中症の恐ろしさを「米国では、若年運動者の死因の上位にもランクしているくらい怖い病気です」と指摘した。

 そんな熱中症だが、星野氏いわく、「ニュースなどでもよく取り上げられてますが、ここ数年明らかに夏場の気温が上がっているようです。湿度の高まる梅雨時から、涼しくなる秋まではいつでも熱中症になりうると考えられます」といい、引き続き熱中症対策は大切と言えるだろう。

 なお、熱中症には「なりやすい人」と「環境」があり、「厚生労働省の指摘によると、熱中症の発生特徴に関しては、『1. 高齢者が急増』『2. 高温多湿の日(高温の日が続く)に多い』『3. 高温の年は高齢者が多い』『4. 急に暑くなった時期に多い』『5. 高齢者は家庭内で、成年は職場で、 若者は運動時に、乳幼児は車内で発症』などが挙げられています」という。こうした特徴を見るに、「熱中症患者の半数は、特に運動時などではない『日常生活』の中で発症していることも留意すべき点です」と星野氏は言う。

 では、日常生活の中で、何に気をつけるべきなのだろうか。

「健康な成人の方でも、運動時に水などばかり飲んでいて、塩分やミネラルが足りないと体内では『脱水』状態になってしまいます。また、風邪や胃腸炎、二日酔いなどの際も脱水になりやすいため、普段以上に『塩分』と『水分』の摂取を心がけるようにしてください。特に熱中症に伴い脱水になると、お小水の回数も極端に減りますので、自ら脱水症に気づく目安となります」

 また、就寝時など、室内で熱中症になるケースも見受けられるというが、その際、気になるのがエアコンの使い方だ。

「特に高齢の方などはエアコンを極端に使わない方も多いように感じますが、ここ数十年で日本の環境もだいぶ変わってしまっていますので、エアコンの風が『直接当たらない』ようにしながら、推奨されている『26~27度程度』の温度管理は必要かと思われます」

 さらに、クーリング(体を冷やす)の際にもポイントがあるといい、「『太い血管を冷やす』イメージが重要です。おでこなどよりも、首や脇など、太い血管が比較的浅い部分に通っている部分を氷のうなどで冷やすと、血液の温度が下がり、全体的に体温も冷えていくと言われています」という。

 天気予報を見ていると、今後も厳しい残暑となる日がありそうだが、完全に涼しくなるまで気を抜くことなく対策を講じていきたい。

こんなの絶対にかぶれる!! パンティライナー12製品、ストリッパー・ファイヤーヨーコが“刺激”調査

伝説のストリッパーとしてステージに立つかたわら、女性の悩みに寄り添う活動も展開しているファイヤーヨーコ。今回、女性たちから寄せられたパンティライナーに関する真偽不明な情報を体当たりで調査した。その結果を報告してくれた。

パンティライナーは無香料でもビリビリする?

 私の親友にオナベがいる。その友人に「エッチの前に女に言いたいこと」を聞いてみた。私がたまに女性向けの「How To SEXセミナー」等を行っている関係で、要は女の子の身だしなみというか、ベッド上のマナーを男目線(友人いわく「FTM寄りのボイタチ」らしいが、いわばオナベ)から教えてほしかったのだ。

 友人が言うには「アソコを洗う時、ついでに軽く力を入れてマン毛を引っ張って抜いてほしい」とのこと。うんうん。それはよくわかる。私も男に言いたい。口の中に入ったら処理に困るんだ。コトの最中に口に指を突っ込んで取り除くのも雰囲気が壊れるし。

 「引かかってオエッてなるねん」。うんうん、完全に同意。オエッてなっても飲み込むわけにもいかず、さりとて簡単に吐き出すこともできないのがアソコの毛。

 「形状的にワシらは女の子の毛を舐めてるようなもんやからさ~抜けてくるとツラいよな~」。まあ、世の男の悩みも、このレズの友人と似たようなものなのだろう。と、何の気なしに相づちを打っていたら衝撃の意見が友人の口から飛び出した。

「あと、デオドラントシートの味! あれはまずいよ。舌がビリビリする味。無香料でも鼻先5センチからでもにおうんや!」
「マジかー!? マ○コ洗ってもにおうんか?」
「洗ったら大丈夫と思う。でも風呂に入らん状況で致す時もあるから」

 そ、そ、そ、そんなん初耳じゃぁぁぁあああ!! 51年生きてきて、驚愕の事実を初めて知った私。そういえば昔々、オブラート状の避妊薬で「マイルーラ」という商品があったが、あれを使用した後の2回戦を行おうとした際、私のアソコを舐めた彼氏が悶絶した。どうやら異常に苦く、舌の味蕾(みらい)をやられたようで、味覚異常が丸一日続いたのだという。

 この避妊薬は非イオン界面活性剤を使った殺精子剤であって、刺激があっても仕方がないっちゃ~仕方ないんだろうが、おりものでパンティを汚さないように使用するパンティライナーに、なんでそんな刺激物が含まれているのか? しかも無香料のものですらにおいがするとか、ビリビリするほどの刺激があるとは信じられん!!

 ……と、いうことで、実験してみたよ。

 近所のスーパーとドラッグストアを回って、無香料のものを中心に12種類のパンティライナーを買ってきた。そして、これらのパンティライナーで舌の裏側も包み込むように巻いたら、そのまま3分間待つ。そういう実験を行ったのである。

 ちなみに私の舌は結構敏感である。人工甘味料のアスパルテームとかアセスルファムKを口に入れたら即座にわかる。甘味が舌にまとわりつき味覚が一日中かく乱されてしまうのだ。アミノ酸調味料を大量にとるとゲロを吐くという特技もある。外食するのも不便な体の持ち主なのだが、その舌で、この疑惑の真偽を確かめてやろうと思い立ったのである。

 なお、話を聞いた友人もにおいには敏感なタチだ。会社を経営しているのだが、エレベーターの残り香でどのバイトが出勤してきたかがわかるとか、名前の書いてないロッカーでも、ロッカーのにおいでどのバイトが使っているロッカーかがわかるという、「利きロッカー師」レベルの嗅覚の持ち主なのだが、それでもパンティライナーに味があるとか絶対に信じられない話ではないか!?

 まずは小林製薬から。

 ちょ!!!! 無香料なのにおいがするとか……友人の言うとおりだった。これは消臭成分なんだろうか? 一体何のにおいなんだ? しかも舌が痺れる刺激というのも本当だった。

 次はユニ・チャームの製品を実験してみる。

 舌が痛い。ビリビリ痛いと言う友人の話も本当だった。抗菌剤とか香料のせいかと思いきや、無香料で無添加の製品でも、舌にしみるものがあるのはなぜなのか? 謎は深まるばかりだが、まだまだこんなものは序の口であると言うことを知らない私は、これから先、あんな地獄を見ることになろうとは思いもしなかった。

花○、こんなの絶対にかぶれる!!

 最後のメーカーは花○。

 な、な、な、なんだこれは!? 舌が痛い痛い痛い!! 3分我慢した後に、慌ててコーヒーで口の中を洗い流す(コーヒーには刺激物の辛さや痛みを和らげる作用があるとされます)。ちょ!! 舌の真ん中までビリビリしてきた。30分ほど時間を置いたら、やっと舌の不快感が消えたので実験を再開した。

 舌に乗せた瞬間から、しみるしみるしみる!!!! グリーンノートっぽいにおいとかすかな金属臭。どこが無香料だ!? こんなのパンティにつけたら絶対にかぶれる!! ワシ絶対にマンコかきむしる自信あるわ!!

 舌にパンティライナーを巻き付けた1分後。舌先が熱い!! マジ苦い!! なんじゃこれ?? 2分たった時には、あまりの不快感に耐えかねて実験を中断した。今までなんともなかった舌の裏側もヒリヒリする上に、コーヒーを飲んでも全く消えないこの刺激。最強&最悪のパンティライナー。

 友人が舐めたのも、このパンティーライナーの残り香だったのか? と考えつつ、次の実験のために舌をリセットしようと歯を磨く。

 痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!!!! 歯磨き粉が舌にしみる!! 舌も真っ赤っかじゃねーか、私の体に一体何が起こっているんだ!?

 今までのパンティライナーは、30分もすれば、舌に残る刺激も消えた。しかし、こいつはダメだ!!実験中断から1時間後には舌全体が痺れてきた。いつまでたっても舌の感覚をリセットできないので、横になって本を読んでいた、実験から3時間後……。急に何かが胃からこみ上げてきた。大量のよだれを流しながらトイレに駆け込んだら、便器に顔をうずめる間もなく、立ったままマーライオンした。

 だばばばばばばーーーーーーーっ。っと飛ぶ胃液。この実験のために朝から何も食べずに、胃を空っぽにして挑んでいた結果が、胃液マーライオン。この日は実験を続ける気力もなく、トイレを掃除する元気もなく、布団に崩れ落ちた私であった。

 明日が怖い……。だって明日実験する製品には「Agデオドラント」って書いてある。「清涼感あふれる無香料」にこれだけのダメージを喰らったというのに、ヤバくないはずがないじゃないかぁ!!!!

 怖い、怖い。明日が怖い……。こんな実験を思いついた自分自身を呪うわ。

 ムカムカする胃、吐き気と戦いながらやっとのことで就寝した翌朝。マーライオンしたトイレを泣く泣く掃除しながら私は決断を下した。

「くっそ~実験は中止じゃ~っ!!!」

 だって、昨晩実験できなかった残りの一つ。最期のパンティーライナーには「Agデオドラント」って書いてあるんじゃあ! 「清涼感あふれる無香料」という思いも寄らぬ伏兵に、試合開始直後にアッパーカットを喰らい、ゲロを吐きながらの1ラウンドKO負けを喫したワシなのである。屁でもないわと思っていた階級にコテンパンにやられたワシが、同じメーカーの「Agデオドラント」に勝てるわけがないのだ! 「銀+消臭」、もう舐めんでもわかるわ! こいつは絶対スーパーヘビー級なのは間違いない!! 

 もう舐める前から「カンカンカンカンカーーーーン♪」という、ドクターストップのゴングが鳴らされ、リング上で痙攣しながら卒倒している、ゲロまみれの自分自身の姿が目に浮かぶ。

 完敗だ……

 あわよくば無香料でないパンティライナーも、財布に余裕ができれば生理ナプキンも「総舐め」してやろうかと企んでいたが、絶対無理だ。実験から半日後の今ですらまだムカムカ吐き気が残り、舌の違和感も取れていない、メシも食えんわ酒も飲めんわの状態なのだ。この実験を続けるのは拷問に等しいのである。

 トイレ掃除をしながらふと気付く。今まで、生理中やけにマンコが痒かったのはこういうことだったのか? 特に蒸れやすい1日目や2日目にマンコをかきむしることもあった。あの痒みは生理ナプキンのせいだったのか? おまけに出血量が多い私が愛用していたのは、「清涼感あふれる無香料」と同じメーカー花○の、パンツ型のナプキンだった。パンツ型で密封されて蒸れやすい上に同じメーカーかよ。そりゃ~、かきむしるわな。

 この実験でパンティーライナーを舌に巻き付けたのはたった3分間だったが、結果はこの有様だ。舌と同じような粘膜部位であるマンコに24時間×5日間=120時間も蓋をしていなければならない生理ナプキン。これらのパンティーライナーと同じような刺激があったのなら、たまったものではない。いや、同じメーカーならば同じような素材が使われていると思っていた方がいいだろう。舌でゲロを吐くのなら、マンコならかきむしった揚げ句真っ黒になりそうだわ。そういやワシのマンコも黒みがかった色じゃねーか。

 ここは世のため、人のため、読者のマンコを守るため、「生理ナプキン総舐め実験」を行うべきではないのか? 

 イヤ、もう、いい。結構だ。絶っ対、無理無理無理無理……。ここで私は声を大にして言う。読者諸君よ! 実験結果で「◎」がついたオーガニックコットンのナプキンを買うことで、自分の身は自分で守ってくれ! マンコを掻きむしりたくなければ、自分でその身を守ってくれぇ~!! 

 ワシはこんな実験、二度とやらんからなぁ~~~!!!!

※この記事は2018年に執筆したため、現在は終売になっている商品も含まれます。
※あくまで個人的な見解であり、 特定の商品等を誹謗中傷するものではありません。
※今回の検証は筆者の自己責任において実施しています。 決してマネをしないようにご注意願います。

ファイヤーヨーコ
高知県生まれ。年齢不詳。20代後半でホステスからショーパブに転身。日本各地をショーパブで行脚するなか、30歳でストリップデビュー。以降、マンコで鉛筆を折り、アソコでスプーンを曲げ、アソコで火を吹くなどの「花電車」芸で伝説の人物となる。著書に『21世紀の「性器考」 』(河出書房新社)。現在は、全国のストリップ劇場やライブハウスのステージに立つかたわら、自身が考案した尿もれトラブル改善の「お尻プルプル体操」の講習を行う。指南DVD『ヨーコのお尻プルプル体操』も好評発売中。

「日本女性は恐ろしい状況にいる」避妊の選択肢が示す“女の人権”とは?【早乙女智子×福田和子対談】

  望まない妊娠を防ぐ“避妊”。女性の体やライフプランを形成する上で、大切な行為であるにもかかわらず、「ピルを飲むのは遊び人」「コンドームは男性に着けてもらうもの」などのイメージから、女性が主体的に行いにくい面もあります。しかし、多くの国で避妊について考えることは、「自立」した女性の証しとして当たり前に受け止められており、避妊の種類も豊富で無料で配布される場合や低価格で提供する国もあるほど。そんな日本と海外の避妊事情の違いを、前回、公益社団法人ルイ・パストゥール医学研究センター研究員で産婦人科医の早乙女智子医師と、日本の性を考える「#なんでないの」プロジェクト代表の福田和子さんに対談していただきました。後編となる今回は、日本の避妊事情をクローズアップしながら、女性主体の避妊について考えていきます。

(前回:日本の避妊は「途上国」以下――ガーナ人女性が激怒した現実

コンドームは避妊方法にカウントされていない!

――前回、海外の避妊法を一覧にしたシートを拝見して、選択肢の多さに驚きました。

福田和子さん(以下、福田) 日本で選べるのは、コンドーム、低用量経口避妊薬ピル(以下、ピル)、子宮内避妊システムのIUSとか(以下、IUS)くらいですよね。ただ、IUSは使っている人も少ないし、避妊目的なら原則で経産婦が対象になっているから、出産経験のない女性だとピルかコンドームのほぼ2択になってしまいます。「#なんでないの」プロジェクトの活動をしている中で「ピルが体に合わなくて、でも自分で避妊したい」という相談をいただくこともありますが、すごい切実な問題だと感じています。

――ピルが体質に合わないなら、コンドームを使用すればいいのでは?

早乙女智子医師(以下、早乙女) そもそもコンドームをちゃんと使用しても避妊の失敗率は2%もあり、正しく使えていなければ失敗率は15%とされているため完璧とは到底言えません。例え話ですが、雨が降っている日に会議をするとしたら、傘をさしながら野外で話すのと室内のどちらを選びますか? みなさん当然のように室内を選択すると思いますが、言い換えるとコンドームは傘でしかないんです。傘をさしても雨に濡れるでしょう。つまり、それが避妊失敗ということ。いかにコンドームの避妊率が低いのかわかると思いますが、何も特別なことを言ってるのではなく、当たり前の選択として「室内=成功率の高い避妊法」を使おうという話なんです。

福田 この表は13種類の避妊法が避妊の効果別に3列に分けられていて、一番上の方法が避妊効果の高いもので、下に行くほど低くなっています。多くの日本人が使用しているコンドームは一番下の列に表示されていますが、同列にある膣外射精やオギノ式は“伝統的”や“昔ながらの習慣”という意味の「トラディショナル」と呼ばれているんです。つまり、海外での認識としては、コンドームによる避妊はものすごく遅れていて、避妊法としてカウントされてないようなもの。

――日本では最もポピュラーな避妊法なのに、避妊効果がこんなに低いんですね。

福田 2015年にWHOが発表したTrends in Contraceptive Use Worldwide2015を参考に、現代的避妊法が用いられている場合、どういった方法が使用されているのかを円グラフ化(表1)すると、世界的にはIUDや避妊注射、避妊インプラント、ピルなどいろいろな避妊法に分散している様子がわかります。しかし、日本だけに絞ったグラフを見るとほぼコンドーム一色。さらに、同資料を元に作成した、現代的避妊をする場合の男女主体率を表す棒グラフ(表2)では、日本だけ男性主体率が90%以上になっています。

早乙女 恥ずかしいですよね。確実な避妊法がいくつもある21世紀に、旧態依然として20世紀の避妊法にしがみついている理由がわからない。「男性も避妊に責任を持つべきだから、コンドームを使う」と言っている人もいるけど、それはもう「勝手に使え」って話で、女性が“自分”で避妊を考えることとはまったく別の話。それに、男性が避妊することについては「どうぞ」と思いますが、決して女性がお願いするものじゃない。私たちは自分で自分を守る選択を、確実な選択肢の中からすればいいんだから。

福田 日本は「男の人が避妊をしてくれる素敵な国」っていう考え方の女性もいるけど、逆を言えば、男性が最後の最後で避妊をしないって決めたら、女性はどうしようもないという脆弱性があるんですよね。そもそもコンドーム自体の成功率って一番下なわけじゃないですか。そう考えると、日本女性は恐ろしい状況下にいるよな……と私は思います。女性が主体的にライフプランを組んで、キャリアを積んでかつ家庭やパートナーを持つことって難しすぎますよ。

――産婦人科の現場感覚でも、日本ではコンドームの使用者が大半だと感じますか?

早乙女 カップルでも夫婦間でもコンドーム。ある程度クローズな関係であれば、性感染症のリスクも少ないので、コンドームより“確実”な避妊法を取り入れたほうがいいと思います。リサーチしてみたところ、コンドームを“好き”で使っているという人はほぼおらず、みんな「なんとなく」とか「ほかに方法がないから」という理由で使い続けているようです。

――ピルやIUSという選択肢にはつながらないんですね。

早乙女 特にIUSは、子宮の中に入れるのが怖いという人が結構多いんですよね。でも、ピアスも開けるし、コンタクトも入れるのに(笑)。それに、“みんな”コンドームだからという人もかなり多い印象です。でも、あなたの人生において、どんな仕事をするか、どんな人とお付き合いをするか、どのタイミングで子どもを持つかなど、全部含めて考えたときに、「あなた」のその避妊で、「あなたの人生完結しますか?」 ということを本当に聞きたい。仕事だってみんな違うんだから、避妊法だって“人それぞれ”でいいはずです。「あなたはどうなんですか?」と聞かれたときに、「私はね」と言える女性になってほしいと思いますね。
――日本でコンドームが絶対的になっているのは、どうしてなんでしょうか?

早乙女 性教育の中で“ちゃんと”大事な情報が省いてあるからですよ(笑)。

福田 保健体育などの教科書を調べてみると、最初に出てくるのがコンドームについてで、ピルはその後ろ。しかもその説明も、「コンドームは副作用なし、ピルはあり」とか「コンドームはすぐ買えて安い、ピルは高くて医療機関に行かなきゃいけない」などのお粗末な書き方。避妊をよく知らない学生が授業で習ったら、「絶対にピル買わない」と思ってしまうような説明です。コンドームばかり推されて、全然フェアじゃないんです。

早乙女 ピルは値段とハードルもバカ高いと思わせれば、「コンドームは簡単で手軽」という結論に導かせられます。そして、男性主体の避妊が当たり前になれば、女性を“管理”しやすくなる。

福田 ピルが承認される前夜の国会答弁でも、「コンドームは安くて簡単だし、ちゃんと使えば避妊効果も十分に高いからいいんじゃない?」という内容の発言がありましたよね。でも、世界的に見るとコンドームは最低ランクの避妊法ですし、それを十分って言われてしまうのは、女性の切実さがないがしろにされているような気がして、おかしいと思いました。

早乙女 バイアグラは半年で認可が下りたけれど、ピルは40年かかっています。そのことからもわかるように、日本は「女性に人権」がないんですよ。以前、IUS治験の段階で、すべての女性を対象にしましょうよって提案したことがあるんだけど、「とりあえず経産婦で」って怒られたこともありますよ。

福田 その「とりあえず」で奪われた私の選択肢はいつ手に入れられるの? って感じですね。アメリカのアラバマ州では、人工妊娠中絶が実質ほぼ全面的に禁止されたことに対して、プロテストの女性たちが声を上げたのですが、そのワードの一つに「私の子宮に踏み込まないで」というものがありました。その言葉を借りれば、「日本はめちゃくちゃ子宮に踏み込まれている」のに、女性がそれに気付いていないような気がします。

海外ではアフターピルを薬局でも買えるのに……。遅れすぎの日本

――先日、アフターピルのオンライン処方に関する厚生労働省の検討会が話題になりましたが、そこでも“子宮に踏み込まれた”出来事があったと聞きました。

福田 検討員12人中女性は1人だけで、しかも、「3週間後の受診をどう確保するか? 首に縄付けて引っ張っていくわけにはいかないし……」とか、「オンラインなら確実にトラッキングできる」など、人権を無視した発言を平気で言えちゃう感覚の下に検討会が進んでいたんです。

早乙女 検討員に女性が1人って、ピルの検討会をしていた20年以上前と、ほとんど状況が変わっていないじゃないですか。

福田 そうなんです。女性だからわかる、男性だからわからないとは言わないけれど、女性の使う薬の検討会の場であるのに、女性の検討員が勇気をもたないと発言できない環境って、すごくおかしいことだと思います。

早乙女 通販でピルを購入している女性がいるようなので、女性の健康管理をちゃんとしたルートに乗せませんかって話なのにね。

福田 緊急避妊が必要になるのって、若い人や高校生だって少なくない。日本だと、その年齢で産婦人科に行くのってすごくスティグマが強いから、オンライン診療や薬局で購入できるのは、精神的ハードルの面から見ても大切だと思うんです。私が調べた中でも、そう感じている人は多かった。でも、結局は「条件付きオンライン診療」(※)しか通らず、「世界だとその辺の薬局で普通に買える薬なのに、なんなの?」 って思いましたね。

※条件付きオンライン診療:厚生労働省は、緊急避妊薬を求める女性に「近隣の対面診療可能な医療機関」の受診を原則としているが、例外的に「地理的な事情のある場合」「心理的な状態に鑑みて対面受診が困難な場合」などを条件としてオンライン処方を検討中。

――この先、日本の避妊事情が改善されていくにはどうしたらいいと思いますか?

早乙女 何でも選ぼうと思えば選べる今の時代ですし、まずは日本で使えるピルやIUSから選んでいき、「自分の人生ってなんだろう」、「自分の人生の中でセックスってなんなんだろう」と突き詰めて考えていくということを、「一人ひとり」女性がやっていくことが大切です。製薬会社からしてみれば、ピルも売れていないのにほかの避妊法が売れるのだろうか? と疑問にもなりますし、それが避妊法が増えない理由のひとつになっていますからね。

福田 大学の卒論を書く時に、「何で日本にパッチがないんですか」と製薬会社へ問い合わせたのですが、「ピルが売れてから」という返事がすごく多かった。ピルの普及率が4%ということもあり、女性主体の避妊はマーケットがないと見られているんです。ただ、知らないものが求められないのは当然ですし、勝手に市場がないと判断されるのはちょっと違うかな。

早乙女 そこもスティグマを作り出すのに十分で、「ないなら認可されるように動いて行こう」という方向より、「コンドームしかない」という話に追い込まれちゃうんだよね。

福田 これだけ避妊法があるという話を女性にしたら、パッチを試してみたいとか、いろいろな避妊法に手が挙がるから、まずは知ることから広げていって、「ほしい」という声が出てくれば、女性の願いがかなえられていない現状も変えられるのではないかと思います。今の日本には、“普通”に“当たり前”にあっていいはずのものがないということにまずは気付いてほしい。そんな思いでやっている「#なんでないの」プロジェクトの活動やこの対談などが、多くの女性のマインドセットが変わるきっかけになってくれたらと思います。

早乙女智子(さおとめ・ともこ)
日本産科婦人科学会専門医。日本性科学会認定セックスセラピスト。1986年筑波大学医学専門学群卒業。2015年京都大学大学院医学研究科単位取得退学。2019年京都大学博士(人間健康科学)取得。世界性の健康学会(WAS)学術委員、厚生労働省社会保障審議会人口部会委員。1997年に経口避妊薬の認可に向けて結成した一般社団法人性と健康を考える女性専門家の会代表理事。ジョイセフ理事。現在は、倖生会身原病院産婦人科常勤医および公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター研究員。著書『避妊』(主婦の友社)、監訳『ピル博士のピルブック』(メディカルトリビューン)他。

福田和子(ふくだ・かずこ)
#なんでないのプロジェクト代表、世界性の健康学会(WAS)Youth Initiative Committee委員、I LADY.ACTIVIST、性の健康医学財団機関誌『性の健康』編集委員、国際基督教大学
大学入学後、日本の性産業の歴史を学ぶ。その中で、どのような法的枠組みであれば特に女性の健康、権利がどのような状況にあっても守られるのかということに関心を持ち、学びの軸を公共政策に転換。その後、スウェーデンに1年間留学。そこでの日々から日本では職業等にかかわらず、誰もがセクシャルヘルスを守れない環境にいることに気付く。「私たちにも、選択肢とか情報とか、あって当然じゃない?」 との思いから、17年5月、『#なんでないのプロジェクト』をスタート。

日本の避妊は「途上国」以下――ガーナ人女性が激怒した現実【早乙女智子×福田和子対談】

 「あなたはどうして避妊にコンドームを使っているんですか?」――買いやすいから、便利だから? では、コンドームと同じくらい買いやすく、便利で、避妊成功率がより高いものがあったら、あなたは使ってみたいですか? 

 一般社団法人日本家族計画協会の調査(2016年)によると、日本で用いられる避妊方法の82%が男性用コンドームによるもの。しかし女性にとっては「つけてもらう」「つけてくれた」など、“男性主体”の避妊法というイメージがどうしても拭えません。日本国内には避妊方法が複数あるものの、低用量ピルの服用率は4.2%、女性の体内に入れる子宮内避妊システムIUDやIUSなどを使っている人は1%と普及率が低いのが実情。しかし、世界に目を向けると、多くの選択肢の中から女性が自分に合った避妊方法を選び、“バースコントロール”を行うことが当たり前の時代となっている様子です。そこで、公益社団法人ルイ・パストゥール医学研究センター研究員で産婦人科医の早乙女智子医師と、スウェーデンへの長期留学で日本に世界と同レベルの避妊法や性教育がない現状を知り、日本の性を考える「#なんでないの」プロジェクトを起ち上げた、同プロジェクト代表の福田和子さんに、日本の避妊事情が抱える問題点と女性主体の避妊について対談していただきました。

ピルの普及を阻む「スティグマ」とは

――日本の避妊事情は、世界的に見てどのような感じなのでしょうか?

早乙女智子医師(以下、早乙女) 統計上で、日本の避妊実行率は約44%といわれています。方法としては、コンドームが40%(避妊実行率の中では80%程度)で、低用量経口避妊薬ピル(以下、ピル)が4%。そして、子宮内避妊システム・IUSは2%と一握りなので、日本全体でコンドームによる避妊が主流といえるでしょう。ピルが認可されたのは1999年なので、国連加盟国の中でも本当に最後の方だったのですが、そこから20年たっても一向に普及していないということですね。

福田和子さん(以下、福田) やっと4%って感じですよね。普及しない理由として、経済的な問題や副作用などの漠然とした不安もあるかもしれませんが、女性主体の避妊に対する「スティグマ」も強いと思います。

――日本では聞きなれない言葉ですが、「スティグマ」とはなんでしょうか。

福田 汚名や負の烙印という意味のほかに、社会的にそのグループに属することで受けるマイナスのイメージです。ピルで言うなら、ピルを飲んでいることで「遊んでいる」といったイメージを持たれてしまうことがスティグマです。

早乙女 月経困難症でピルを服用していても、「彼氏がいないのに飲んでいるなんて、遊び人だな」とか言われるんだもんね。本当に面倒くさい。それに、もし避妊のために服用しているなら「私はしたい時にするし、産みたい時に産む。今妊娠は困るからピルが必要なんです。それが何か?」と言い返せばいいだけなのに、それもできないのが今の日本。

福田 スティグマは同性内でも根強いし、言い返すのはまだ無理ですよね。日本ではスティグマという言葉自体が普及していないから、概念としても薄いのかも。

避妊は「する」「しない」ではなく、継続的に行うもの

――なぜ日本では「ピル=性交渉」というイメージが先行してしまうのでしょうか?

福田 大学入学後、日本の性産業の歴史について学んでいた中で感じたことがあって。性産業従事者の女性は「男性を楽しませる」ためにセックスをしますが、家庭内の女性は「子どもを産むため」のセックスであり、女性が「楽しむ」という概念がなかったと思うんです。そういう考え方が、当時から現在まで続いたことにより、女性がセックスを楽しむことや、回数が多いことに対してのスティグマが生じたのではないでしょうか。その結果、「ピルを飲んでまでセックスをする物好き」とか、反対に「私は遊んでいないからピルは必要ない」っていう感覚になっちゃうのかなって思いますね。

早乙女 「私は遊んでいないからピルは必要ない」と言う人もいますが、1回のセックスで妊娠することだって普通に起こることなので。そして、避妊は性交1回ごとに「する、しない」ということではなく、自分の人生の中で「“今”は妊娠している場合じゃない」とか、「この男性の子どもを産んでもいいか」と考えた上で行うこと。避妊をしなくてもいいのは、妊娠をしたい時だけで、避妊はライフプランを形成する上で“継続的”に行うという概念に気付いてほしいです。

福田 セックスの回数が多いこと自体は問題じゃないし、ピルを飲むだけでヤリマンとかって定義されるのもおかしいですよね。

早乙女 ヤリマンやビッチ、遊んでいる女とか、陳腐なワードが固定化されているけれど、どれも男性が女性を貶めて、優位に立った気分でいるだけ。そんなくだらない自己満足のために“女”が使われているんだけど、男と女を入れ替えて成り立たないものはすべてジェンダーバイアスだから、丸めてポイしていい。常に「男女を入れ替えて成り立つか」で考えていくと、バイアスは簡単に見えてきますよ。そして、自分の体や人生に向けられていることなんだから、「ピル飲んでいるのは遊び人」とか言ってくるヤツには、「遊ぶためで何が悪いんですか? アンタとはしないけどね!」って言ってやれ(笑)。

――海外の避妊事情はどうなんでしょうか?

福田 上の表は、カナダ・バンクーバーで開催されたWomen Deliver 2019 Conferenceで無料配布された、避妊の種類をまとめたシートです。日本で選べる避妊法は、コンドームとピル、IUDやIUSくらい。でも、海外だとパッチや注射、インプラントなどさまざまな種類があるんです。

早乙女 海外の場合は、かかりつけ医や若者が気軽に相談できるユースクリニック(※25歳以下なら、避妊、セックスの話や人間関係の悩みまでプライバシーも守られながら専門家に相談できるクリニック)も充実しているから、医師と相談しながら自分に合った避妊法を選択できるんです。オランダではピルを飲んだことのある人が80~90%だし、アメリカには校内にアフターピルの自動販売機を置いている大学もあるとか、ピルや中絶費用が無料の国も多いです。

福田 学校の保健室でピルがもらえたり、緊急避妊薬のアフターピルを薬局で売っている国もたくさんありますよね。スウェーデンでは、効果が3~5年持続するIUSが3,000円ほどで、出産経験がない女性も使っています。韓国はアフターピルに処方箋が必要ですが、それでも3,000円くらいと聞きました。日本だと診察が必要な上に金額は1~3万円前後しますし、低用量ピルを飲む場合だって検査料や初診料が必要なので、初診だけで1万円は用意して行くぐらいかかります。その後は薬代だけで毎月2~3,000円くらいを払い続けることになりますが、そんな話は日本以外で聞いたことないですよ!

――日本は避妊具の選択肢が少ないうえ、女性側への負担も大きいんですね。

早乙女 すごくトリッキーなんだけど、日本ではピル自体も避妊用と治療用に分かれていて、避妊用は自費なんです。でも、治療用は「避妊用ではありません」という体をとっているから、中身は同じなのに保険が適用されるんですよ。IUSも、過多月経などの治療目的であれば年齢に関係なく入れられて、保険適用で1万円以下なのに、避妊のためだと自費で5万円以上。しかも、主に経産婦が対象なので使用できる人が制限されています。つまり、それくらい日本では避妊に対するアクセスのハードルが高いんです。

福田 そういうところもスティグマを生んでいますよね。日本は治療費の多くを保険でカバーできる国ですが、適用外なのは美容整形や予防医療などの個人が選択する“アディショナル”なもの。そこに避妊が含まれていることで、「自分の好み」でやるものというイメージになってしまう。重要な医療とか、当たり前の医療として捉えられていないんだと思います。

――福田さんは「#なんでないの」プロジェクトの代表として、日本の性事情を世界に向けて発信されていますが、海外と比較してどのような印象を受けますか?

福田 以前、セクシュアルヘルス(性の健康)やジェンダーの平等に関する国際会議で登壇する機会があったので、性教育がない、避妊具も少ない、中絶も手術で行われるという日本の現状を話したら、「残念な国なんだね……」みたいに静まり返っちゃったんです。そして、中絶手術の費用が10万~20万円っていうと、みんなキレていました。私の話を聞いたガーナ人の女性は日本の現状に衝撃を受けたらしくて、「なんで怒らないの!?」ってすごく怒っていて、ネパールの看護師さんには、「私が日本へ行って、産婦人科医に避妊具の種類を教えようか?」とも言われたんですよ。どこの国も同じようなリアクションで、日本の避妊事情の遅れを肌で感じました。

――発展途上国といわれる国の方が、日本より避妊事情が充実しているんですね。

早乙女 私たちが途上国だと思っている国は先進国から援助を受けているので、経済格差や文化的差異はあっても、避妊のベースは先進国と一緒なんですよ。ちなみに、ジェンダーギャップ指数で日本は110位(149カ国中)。この領域で日本は先進国ではなく、完全に途上国です。女性の性に関する問題は、「途上国として」というスタンスで考えないといけないと思います。

福田 国際会議で避妊の問題が語られるとき、話題になるのは、ヘルスケアセンターが少ないことや、物流の問題で避妊具のストックが不足していることなど、必要な女性にうまくデリバリーできていない現状なんですよね。そもそも、日本のように「認可されない」という議題がないんです。参加した際、誰にもわかってもらえず、ただ驚愕されるだけという苦しみを味わって、すごく絶望しましたね。

避妊は自立した女性の証し

――日本では女性主体の避妊に対して、スティグマが強いようですが、海外ではどんな雰囲気なのでしょうか?

早乙女 「大人はセックスするものでしょう?」という感覚なので、普通に受け入れられています。

福田 逆に、女性が何かしらの“バースコントロール”を考えていないと、自立した女性として見てもらえないですね。私がスウェーデンでピルをもらいに行った時、医師の対応が「自分や相手のことをきちんと考えているってことだから、すごくいいことだよ」と褒めてくれたんです。そして、「どれにする?」と多くの避妊法を説明してくれて、「自分のライフプランや相手との関係性を考えて選んでね」とポジティブな姿勢で向き合ってくれます。なので、自分自身が受け入れられている気持ちになりますし、すごく良いことをしているんだと思えました。

早乙女 日本は相談窓口に、もれなくスティグマが置いてありますね。高校生カップルが学校の性教育でピルを知って病院にもらいに行ったら、「高校生には出さない」と言われたという事例が去年もありました。海外はユースクリニックもあるから、学生でも、親からも学校からもフリーで、プライバシーを守られながら相談ができるのに。

福田 ピルでもアフターピルでも、親の署名が必要とか、高校生お断りと書いてある病院が、日本にはありますよね。正しい性教育が必要なのはもちろんですが、せっかく知った知識を活用できない方が、知らずに対策できないより残酷。性教育の先のアクセスも守られないといけないなと思います。

(後編につづく)

早乙女智子(さおとめ・ともこ)
日本産科婦人科学会専門医。日本性科学会認定セックスセラピスト。1986年筑波大学医学専門学群卒業。2015年京都大学大学院医学研究科単位取得退学。2019年京都大学博士(人間健康科学)取得。世界性の健康学会(WAS)学術委員、厚生労働省社会保障審議会人口部会委員。1997年に経口避妊薬の認可に向けて結成した一般社団法人性と健康を考える女性専門家の会代表理事。ジョイセフ理事。現在は、倖生会身原病院産婦人科常勤医および公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター研究員。著書『避妊』(主婦の友社)、監訳『ピル博士のピルブック』(メディカルトリビューン)他。

福田和子(ふくだ・かずこ)
#なんでないのプロジェクト代表、世界性の健康学会(WAS)Youth Initiative Committee委員、I LADY.ACTIVIST、性の健康医学財団機関誌『性の健康』編集委員、国際基督教大学
大学入学後、日本の性産業の歴史を学ぶ。その中で、どのような法的枠組みであれば特に女性の健康、権利がどのような状況にあっても守られるのかということに関心を持ち、学びの軸を公共政策に転換。その後、スウェーデンに1年間留学。そこでの日々から日本では職業等にかかわらず、誰もがセクシャルヘルスを守れない環境にいることに気付く。「私たちにも、選択肢とか情報とか、あって当然じゃない?」 との思いから、17年5月、『#なんでないのプロジェクト』をスタート。

日本の避妊は「途上国」以下――ガーナ人女性が激怒した現実【早乙女智子×福田和子対談】

 「あなたはどうして避妊にコンドームを使っているんですか?」――買いやすいから、便利だから? では、コンドームと同じくらい買いやすく、便利で、避妊成功率がより高いものがあったら、あなたは使ってみたいですか? 

 一般社団法人日本家族計画協会の調査(2016年)によると、日本で用いられる避妊方法の82%が男性用コンドームによるもの。しかし女性にとっては「つけてもらう」「つけてくれた」など、“男性主体”の避妊法というイメージがどうしても拭えません。日本国内には避妊方法が複数あるものの、低用量ピルの服用率は4.2%、女性の体内に入れる子宮内避妊システムIUDやIUSなどを使っている人は1%と普及率が低いのが実情。しかし、世界に目を向けると、多くの選択肢の中から女性が自分に合った避妊方法を選び、“バースコントロール”を行うことが当たり前の時代となっている様子です。そこで、公益社団法人ルイ・パストゥール医学研究センター研究員で産婦人科医の早乙女智子医師と、スウェーデンへの長期留学で日本に世界と同レベルの避妊法や性教育がない現状を知り、日本の性を考える「#なんでないの」プロジェクトを起ち上げた、同プロジェクト代表の福田和子さんに、日本の避妊事情が抱える問題点と女性主体の避妊について対談していただきました。

ピルの普及を阻む「スティグマ」とは

――日本の避妊事情は、世界的に見てどのような感じなのでしょうか?

早乙女智子医師(以下、早乙女) 統計上で、日本の避妊実行率は約44%といわれています。方法としては、コンドームが40%(避妊実行率の中では80%程度)で、低用量経口避妊薬ピル(以下、ピル)が4%。そして、子宮内避妊システム・IUSは2%と一握りなので、日本全体でコンドームによる避妊が主流といえるでしょう。ピルが認可されたのは1999年なので、国連加盟国の中でも本当に最後の方だったのですが、そこから20年たっても一向に普及していないということですね。

福田和子さん(以下、福田) やっと4%って感じですよね。普及しない理由として、経済的な問題や副作用などの漠然とした不安もあるかもしれませんが、女性主体の避妊に対する「スティグマ」も強いと思います。

――日本では聞きなれない言葉ですが、「スティグマ」とはなんでしょうか。

福田 汚名や負の烙印という意味のほかに、社会的にそのグループに属することで受けるマイナスのイメージです。ピルで言うなら、ピルを飲んでいることで「遊んでいる」といったイメージを持たれてしまうことがスティグマです。

早乙女 月経困難症でピルを服用していても、「彼氏がいないのに飲んでいるなんて、遊び人だな」とか言われるんだもんね。本当に面倒くさい。それに、もし避妊のために服用しているなら「私はしたい時にするし、産みたい時に産む。今妊娠は困るからピルが必要なんです。それが何か?」と言い返せばいいだけなのに、それもできないのが今の日本。

福田 スティグマは同性内でも根強いし、言い返すのはまだ無理ですよね。日本ではスティグマという言葉自体が普及していないから、概念としても薄いのかも。

避妊は「する」「しない」ではなく、継続的に行うもの

――なぜ日本では「ピル=性交渉」というイメージが先行してしまうのでしょうか?

福田 大学入学後、日本の性産業の歴史について学んでいた中で感じたことがあって。性産業従事者の女性は「男性を楽しませる」ためにセックスをしますが、家庭内の女性は「子どもを産むため」のセックスであり、女性が「楽しむ」という概念がなかったと思うんです。そういう考え方が、当時から現在まで続いたことにより、女性がセックスを楽しむことや、回数が多いことに対してのスティグマが生じたのではないでしょうか。その結果、「ピルを飲んでまでセックスをする物好き」とか、反対に「私は遊んでいないからピルは必要ない」っていう感覚になっちゃうのかなって思いますね。

早乙女 「私は遊んでいないからピルは必要ない」と言う人もいますが、1回のセックスで妊娠することだって普通に起こることなので。そして、避妊は性交1回ごとに「する、しない」ということではなく、自分の人生の中で「“今”は妊娠している場合じゃない」とか、「この男性の子どもを産んでもいいか」と考えた上で行うこと。避妊をしなくてもいいのは、妊娠をしたい時だけで、避妊はライフプランを形成する上で“継続的”に行うという概念に気付いてほしいです。

福田 セックスの回数が多いこと自体は問題じゃないし、ピルを飲むだけでヤリマンとかって定義されるのもおかしいですよね。

早乙女 ヤリマンやビッチ、遊んでいる女とか、陳腐なワードが固定化されているけれど、どれも男性が女性を貶めて、優位に立った気分でいるだけ。そんなくだらない自己満足のために“女”が使われているんだけど、男と女を入れ替えて成り立たないものはすべてジェンダーバイアスだから、丸めてポイしていい。常に「男女を入れ替えて成り立つか」で考えていくと、バイアスは簡単に見えてきますよ。そして、自分の体や人生に向けられていることなんだから、「ピル飲んでいるのは遊び人」とか言ってくるヤツには、「遊ぶためで何が悪いんですか? アンタとはしないけどね!」って言ってやれ(笑)。

――海外の避妊事情はどうなんでしょうか?

福田 上の表は、カナダ・バンクーバーで開催されたWomen Deliver 2019 Conferenceで無料配布された、避妊の種類をまとめたシートです。日本で選べる避妊法は、コンドームとピル、IUDやIUSくらい。でも、海外だとパッチや注射、インプラントなどさまざまな種類があるんです。

早乙女 海外の場合は、かかりつけ医や若者が気軽に相談できるユースクリニック(※25歳以下なら、避妊、セックスの話や人間関係の悩みまでプライバシーも守られながら専門家に相談できるクリニック)も充実しているから、医師と相談しながら自分に合った避妊法を選択できるんです。オランダではピルを飲んだことのある人が80~90%だし、アメリカには校内にアフターピルの自動販売機を置いている大学もあるとか、ピルや中絶費用が無料の国も多いです。

福田 学校の保健室でピルがもらえたり、緊急避妊薬のアフターピルを薬局で売っている国もたくさんありますよね。スウェーデンでは、効果が3~5年持続するIUSが3,000円ほどで、出産経験がない女性も使っています。韓国はアフターピルに処方箋が必要ですが、それでも3,000円くらいと聞きました。日本だと診察が必要な上に金額は1~3万円前後しますし、低用量ピルを飲む場合だって検査料や初診料が必要なので、初診だけで1万円は用意して行くぐらいかかります。その後は薬代だけで毎月2~3,000円くらいを払い続けることになりますが、そんな話は日本以外で聞いたことないですよ!

――日本は避妊具の選択肢が少ないうえ、女性側への負担も大きいんですね。

早乙女 すごくトリッキーなんだけど、日本ではピル自体も避妊用と治療用に分かれていて、避妊用は自費なんです。でも、治療用は「避妊用ではありません」という体をとっているから、中身は同じなのに保険が適用されるんですよ。IUSも、過多月経などの治療目的であれば年齢に関係なく入れられて、保険適用で1万円以下なのに、避妊のためだと自費で5万円以上。しかも、主に経産婦が対象なので使用できる人が制限されています。つまり、それくらい日本では避妊に対するアクセスのハードルが高いんです。

福田 そういうところもスティグマを生んでいますよね。日本は治療費の多くを保険でカバーできる国ですが、適用外なのは美容整形や予防医療などの個人が選択する“アディショナル”なもの。そこに避妊が含まれていることで、「自分の好み」でやるものというイメージになってしまう。重要な医療とか、当たり前の医療として捉えられていないんだと思います。

――福田さんは「#なんでないの」プロジェクトの代表として、日本の性事情を世界に向けて発信されていますが、海外と比較してどのような印象を受けますか?

福田 以前、セクシュアルヘルス(性の健康)やジェンダーの平等に関する国際会議で登壇する機会があったので、性教育がない、避妊具も少ない、中絶も手術で行われるという日本の現状を話したら、「残念な国なんだね……」みたいに静まり返っちゃったんです。そして、中絶手術の費用が10万~20万円っていうと、みんなキレていました。私の話を聞いたガーナ人の女性は日本の現状に衝撃を受けたらしくて、「なんで怒らないの!?」ってすごく怒っていて、ネパールの看護師さんには、「私が日本へ行って、産婦人科医に避妊具の種類を教えようか?」とも言われたんですよ。どこの国も同じようなリアクションで、日本の避妊事情の遅れを肌で感じました。

――発展途上国といわれる国の方が、日本より避妊事情が充実しているんですね。

早乙女 私たちが途上国だと思っている国は先進国から援助を受けているので、経済格差や文化的差異はあっても、避妊のベースは先進国と一緒なんですよ。ちなみに、ジェンダーギャップ指数で日本は110位(149カ国中)。この領域で日本は先進国ではなく、完全に途上国です。女性の性に関する問題は、「途上国として」というスタンスで考えないといけないと思います。

福田 国際会議で避妊の問題が語られるとき、話題になるのは、ヘルスケアセンターが少ないことや、物流の問題で避妊具のストックが不足していることなど、必要な女性にうまくデリバリーできていない現状なんですよね。そもそも、日本のように「認可されない」という議題がないんです。参加した際、誰にもわかってもらえず、ただ驚愕されるだけという苦しみを味わって、すごく絶望しましたね。

避妊は自立した女性の証し

――日本では女性主体の避妊に対して、スティグマが強いようですが、海外ではどんな雰囲気なのでしょうか?

早乙女 「大人はセックスするものでしょう?」という感覚なので、普通に受け入れられています。

福田 逆に、女性が何かしらの“バースコントロール”を考えていないと、自立した女性として見てもらえないですね。私がスウェーデンでピルをもらいに行った時、医師の対応が「自分や相手のことをきちんと考えているってことだから、すごくいいことだよ」と褒めてくれたんです。そして、「どれにする?」と多くの避妊法を説明してくれて、「自分のライフプランや相手との関係性を考えて選んでね」とポジティブな姿勢で向き合ってくれます。なので、自分自身が受け入れられている気持ちになりますし、すごく良いことをしているんだと思えました。

早乙女 日本は相談窓口に、もれなくスティグマが置いてありますね。高校生カップルが学校の性教育でピルを知って病院にもらいに行ったら、「高校生には出さない」と言われたという事例が去年もありました。海外はユースクリニックもあるから、学生でも、親からも学校からもフリーで、プライバシーを守られながら相談ができるのに。

福田 ピルでもアフターピルでも、親の署名が必要とか、高校生お断りと書いてある病院が、日本にはありますよね。正しい性教育が必要なのはもちろんですが、せっかく知った知識を活用できない方が、知らずに対策できないより残酷。性教育の先のアクセスも守られないといけないなと思います。

(後編につづく)

早乙女智子(さおとめ・ともこ)
日本産科婦人科学会専門医。日本性科学会認定セックスセラピスト。1986年筑波大学医学専門学群卒業。2015年京都大学大学院医学研究科単位取得退学。2019年京都大学博士(人間健康科学)取得。世界性の健康学会(WAS)学術委員、厚生労働省社会保障審議会人口部会委員。1997年に経口避妊薬の認可に向けて結成した一般社団法人性と健康を考える女性専門家の会代表理事。ジョイセフ理事。現在は、倖生会身原病院産婦人科常勤医および公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター研究員。著書『避妊』(主婦の友社)、監訳『ピル博士のピルブック』(メディカルトリビューン)他。

福田和子(ふくだ・かずこ)
#なんでないのプロジェクト代表、世界性の健康学会(WAS)Youth Initiative Committee委員、I LADY.ACTIVIST、性の健康医学財団機関誌『性の健康』編集委員、国際基督教大学
大学入学後、日本の性産業の歴史を学ぶ。その中で、どのような法的枠組みであれば特に女性の健康、権利がどのような状況にあっても守られるのかということに関心を持ち、学びの軸を公共政策に転換。その後、スウェーデンに1年間留学。そこでの日々から日本では職業等にかかわらず、誰もがセクシャルヘルスを守れない環境にいることに気付く。「私たちにも、選択肢とか情報とか、あって当然じゃない?」 との思いから、17年5月、『#なんでないのプロジェクト』をスタート。

フォースコリー、メリロート、はとむぎエキス……専門家が「人気美容サプリ」の落とし穴を解説

 美容意識が高い女性たちの間では、サプリを日常的に摂るという人も少なくない。最近SNSを中心に流行しているのが、「フォースコリー」「メリロート」そして「はとむぎエキス」で、それぞれ「ダイエット」「むくみ」「美肌」に効果が期待できるという。しかし、最近では、効果のほどが疑わしいサプリの存在が取りざたされることも多々あるだけに、果たしてこれらが、実際に信頼できるものなのか、気になるところ。今回、『そのサプリ、危険です!』(経済界)の著者である、予防医療サプリメントアドバイザー・柴田丞氏に話を聞いた。

フォースコリーは運動しなければ意味なし

――まず、「フォースコリー」について教えてください。化粧品やサプリのメーカーであるDHCから発売されているダイエットサプリで、パッケージでは「除脂肪体重(筋肉や骨、内臓など、体脂肪以外の組織の総量のこと)に着目」と紹介されています。

柴田丞氏(以下、柴田) フォースコリーの成分「フォルスコリン」は、もともと外国で「医薬品」に使用されているものです。インド大陸の伝統医学「アーユルヴェーダ」において、喘息やガン、はたまた高血圧など、さまざまな治療に用いられています。その中の一つとして、ダイエット効果に着目したのが、このサプリというわけです。

 具体的にフォースコリーが体にどのように作用するのかについてですが、リパーゼとアデニリルシクラーゼという酵素が、脂肪を燃えやすい形にしてくれます。なので、フォースコリーを飲むと体重が減るのではなく、フォースコリーを飲んで「運動する」と、脂肪が燃えやすくなるというわけです。「除脂肪体重に着目」というのは、除脂肪体重を減らさず――つまり筋力を維持しながら体脂肪率を減らすことに着目しているといった意味になります。

――「これさえ飲めばダイエットはばっちり」といった、ぐうたら思考の人には向かないサプリですね。

柴田 はい、運動は必須です。ダイエットサプリにはさまざまな種類があり、例えば「炭水化物を吸収しにくくするもの」「胃袋で膨らんで満腹感を与えてくれるもの」などもあるのですが、フォースコリーはそれらとは別で、食前に飲めばいいといったものではありません。あくまで体脂肪を燃やしやすくするもの、運動の効率を上げるもの、体形を維持しながらダイエットしたい人向けのものと考えてください。論文にも「これを飲みさえすれば痩せる」と書かれているものはなかったです。「体脂肪は減少したが、体重は減少しなかった」といったものはありましたが……。ほかにも、ある国の実験で、23人の太りすぎ女性を対象に、12週間フォースコリーを投与したところ、「体重減少はしなかったが、実験期間中、体重増加はしなかった」という結果になった論文も見ました。

――危険性についてはどうでしょうか。

柴田 調べてみたところ、安全性に関する論文が出されているので、危険性は低いのではないかと考えられます。しかしフォースコリーの成分は、さまざまな薬効がある中で、主に「血圧を下げるため」に使用されており、となると、低血圧の人や、すでに血圧を下げる薬を飲んでいる人はあまり飲まない方がいいかもしれません。

――続いて「メリロート」についても教えてください。こちらもDHC、また大手だとFANCLも販売しています。メリロートはマメ科のハーブで、利尿作用を持つことから、むくみに効果があると広く知られています。

柴田 フォースコリーと同じく、メリロートエキスは、ヨーロッパだと、慢性静脈不全の治療として、脚の血流を良くするために使用される医薬品で、確かに利尿作用があります。それが、「脚のむくみを軽減するサプリ」という名目で売られているのです。ちなみに調べたところ、メリロートエキスはもともと、主に「いぼ痔の緩和」にも使われているものだといいます。

 メリロートで着目したいは、過去に肝障害の被害報告が上がっている点です。メリロートエキスの中に含まれ、効果のもとになっている「クマリン」という成分があるのですが、肝障害の報告を受けて調べた結果、このクマリンの含有量が医薬品の摂取目安量を超えており、これが原因なのではないかと疑われたそうです。メリロートエキスをサプリとして売る際、このクマリンの含有量について規制がなかったのが原因でしょう。

――それで販売停止にはならなかったのですか。

柴田 肝障害の報告が出たのが2003年で、DHCの「メリロート」だったのですが、1日の摂取目安量を3粒から2粒に減らすことで販売を続けているようですね。それで特に、被害報告が出ていないのであれば、問題はないのでしょうが、飲めば飲むほど利尿作用があると思い、大量に摂取するのは絶対に避けるべき。そういった飲み方をする人は、むくみ対策というより、体重減少を目的にしているかもしれませんが、そもそもメリロートにダイエット効果は期待できません。

――では、「はとむぎエキス」はどうでしょうか。肌に透明感やなめらかさを与えるという効果が期待できるとのことで、こちらはDHC、アサヒグループ食品などから販売されています。

柴田 はとむぎは、イメージがいいですよね。よく知られる植物なので、天然のものであることが想像できやすいし、はとむぎ茶などもポピュラーですから。効果があるとされるのは、はとむぎエキスに含まれる「ヨクイニン」という成分で、ウイルス感染によるイボの治療薬として使われるものです。確かに、美肌効果は期待できるのではないでしょうか。メリロートのように被害報告が出ているものではないですし、安全性に関しては問題ないかと思いますが、「摂れば摂るほどよい」というものでもないですね。

 しかし気になるのは、実際に商品として売られている「はとむぎエキス」のサプリを見てみると、はとむぎエキス以外に、さまざまな成分が入っていることです。例えば、アサヒグループ食品の「はとむぎエキス」は、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB2、ビタミンB6、さらにはヒアルロン酸とコラーゲンまで配合されている。もしアサヒの「はとむぎエキス」を飲んで、実際に肌が綺麗になった人がいたとして、「本当にはとむぎエキスの効果なのか?」と思ってしまうところはあります。

――ほかの成分によって肌が綺麗になったのではないか、ということですか。

柴田 そうです。ビタミンCは、たんぱく質をコラーゲンにするために必要ですし、ビタミンEは抗酸化作用によって細胞の健康維持に役立ちます。ビタミンB2・B6は、皮膚や粘膜を維持するもので、これだけ飲んでいても、肌への効果は期待できます。こうした疑問は、フォースコリーにも抱きますね。DHCの「フォースコリー」には、ビタミンB1・B2・B6も配合されており、これらにも脂肪燃焼作用があるので、効果があったとしたら、フォースコリーの成分ではなく、もしかしたらビタミンB1・B2・B6によるものなのかもしれません。こういう「保険を打っているサプリ」って、結構多いんですよ。なお、FANCLの「メリロート」に関して言うと、分岐鎖アミノ酸(BCAA)が配合され、これは筋トレをする人がよく摂取している、たんぱく質を作る成分。なぜメリロートサプリに、BCAAが入っているのか謎なのですが、ダイエット目的で飲んでいる人に向けてなのかもしれませんね。

――すでによく知られたサプリの中に、同様の効果が期待できるものがあるんですね。

柴田 やはり「目新しいもの」の方が手を伸ばしてもらいやすいのでしょう。例えばビタミンCが肌にいいというのは一般的に知られていますが、はとむぎエキスのサプリと一緒に並んでいたとしたら、「どんなサプリなんだろう?」と、はとむぎエキスの方に興味を示す人が多いのでは。ちなみに、売るためには値段設定も重要で、皆さん「値段が高い」と買うんですよ。フォースコリーは、30日分3,000円弱の値段で、同様の脂肪燃焼作用があるビタミンB1・B2・B6のサプリより割高ですが、よくわからないサプリの値段がそれなりに高いと、「効果があるのではないか」と期待する人は少なくない。そういったサプリのからくりを知っておいてもいいかもしれませんね。

柴田丞(しばた・たすく)
1980年、東京都生まれ。2007年、東京農工大学大学院応用生命化学専攻修了。大手外資系製薬会社アストラゼネカなどを経て、株式会社柴田丞メディカル総合研究所を設立、代表取締役に就任。予防医療サプリメントアドバイザーとして活躍中。著書に『そのサプリ、危険です!』(経済界)がある。

女性が悩む便秘対策、「市販薬漬け」で腸が真っ黒に!? 医師に聞く「食物繊維の摂り方」新常識

 厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査」の調べで、日本人の500万人以上が悩まされているという便秘。特に女性の方がかかりやすいと言われ、20~50代では男性に比べて3.6倍も便秘の悩みを訴えているとのこと。

 手軽な改善方法として、市販の便秘薬や漢方薬を服用するという選択肢もあるが、それらに頼りすぎると効果が出にくくなるというウワサも。そこで今回、健康的な便秘解消方法を探るべく、ゼスプリインターナショナルジャパン株式会社が主催する勉強会に足を運び、内・胃腸科医で医学博士、松生クリニック院長・松生恒夫先生による「新常識、便秘を予防する食物繊維の摂り方」の講演を聞くことにした。

便秘が“国民病”と言われる理由

 現在、日本人の多くが便秘症に悩んでいるというが、「食生活の変化が要因の一つ」と松生先生は話す。1960年代頃までは、食物繊維を多く含む麦ご飯や野菜が食生活の中心だったものの、80年頃からは肉類や乳製品が増え欧米化。それと同時に食物繊維の摂取も減少傾向になったという。その頃から、大腸がんが増え始め、国立がん研究センターがん情報サービスによる「2017年日本人のがんによる部位別死因」を見ると、大腸がんは男性の3位、女性に至っては1位を占めている。松生先生は「大腸がんの予防の一つとして、老廃物を出す便通が大切になります。腸内環境を整えるという意味で、食生活の改善が重要」と指摘する。

 また、女性の場合は、排卵後から生理開始前まで増加する女性ホルモンの一種「黄体ホルモン」が便秘に関係しているそう。「黄体ホルモンには、大腸の動きを低下させる作用があるほか、体内に水分や塩分を溜め込む作用も。そのため、大腸の腸壁から便の水分が吸収されて便が硬くなり便秘を引き起こします」と松生先生。

 そんな不快な便秘に悩まされた時に、まず頼りたくなるのが市販の便秘薬なのではないだろうか。しかし、日本で販売されている便秘・漢方薬の多くにはセンナや大黄、アロエといった成分が含まれ、これらを毎日1年以上服用し続けると、腸が黒に変色する「大腸黒皮症」を引き起こすことがあると松生先生は語る。大腸黒皮症は「自覚症状が出ないため、大腸内視鏡検査を受けないと発見できません。また、大腸の機能が低下しているため、センナなどに頼り“続けない”と排便が困難になります」とのことだ。
 リスクがある便秘薬に頼りすぎることなく、自然な排便を促すにはどうすれば良いのだろうか。

 松生先生は、「食物繊維が便秘に良いということは知られていますが、その中でも『水溶性食物繊維』を“意識的”に摂取すると腸内環境が整い、便秘解消につながります」と教えてくれた。一口に食物繊維と言っても、果物や海草に含まれる「水溶性食物繊維」と、穀類やきのこ類に含まれる「不溶性食物繊維」に分けられ、「水溶性食物繊維」の方に、便を柔らかくする作用があるとのこと。便秘症改善のために食物繊維を摂る際、「より効果が期待できる方」を知っておくことは重要だろう。

 また、水溶性食物繊維は、腸内に“酪酸”という物質を増やすという。松生先生によれば、酪酸は、「1:腸内環境を整える」「2:腸の病気の改善」「3:アレルギー性疾患を抑制」「4:肥満予防」「5:血糖値をコントロールする」といった5つの作用があり、全身の健康維持につながるそう。しかし、酪酸という物質は口から摂取しても腸に届かず、体内で作る必要があり、そのために「水溶性食物繊維」を食べることが必要になってくるという。「水溶性食物繊維」が体内で「腸内細菌」により分解され、「酪酸」が生成されるのだという。

 では「水溶性食物繊維」を手軽に摂るにはどうすればいいのだろうか。その方法として、松生先生は、水溶性食物繊維を含むフルーツや海藻類を食べることを推奨。なかでも食物繊維のバランスが良いというキウイフルーツをおすすめする。「“キウイフルーツ”は『水溶性食物繊維』を豊富に含んでいます。さらに栄養豊富でビタミンCやカリウムも多く含んでいるため、腸内環境だけではなく健康にも良いです」と話す。

 なお、フルーツを食べるタイミングについては、「オススメしているのは朝食です。多忙な朝に手軽ですし、さっぱりと食べられます。また、満腹感を得るためにも300ml程度の水分を一緒に摂ると良いでしょう」とのこと。

 苦しい張り感やぽっこりおなかに悩んでいても、なんとなく見過ごしがちな便秘。生活習慣に少しプラスするだけで、健康増進さらには不快感から解放されるのであれば、一度取り入れてみるといいのかもしれない。