――オンナの花形職業“女子アナ”をウォッチし続けるライターの仁科友里が、2017年、テレビやネットを騒がせた女子アナを“ある視点”からランキング化する。
人は全盛期を引きずるものである。シジュウをすぎても、1月になると元東大生たちが一斉にセンター試験の点数を語りだすのも、若かりし頃の面影がないくらい中年太りした元美少女が、今も男性が自分に注目している前提で話を進めるのも、それだけ甘美な時を過ごしたから。
恵まれし人生を過ごしてきたであろう女子アナの皆さんも素晴らしい過去をお持ちのようだが、常に変化する芸能界の一線に立ち続けようとするのなら、“引きずること”は完全にマイナスである。というわけで、“2017年引きずる(引きずっているように見える)女子アナベスト3”をお届けする。
第1位:宮崎宣子(フリー)
テレビの法則を無視して“おごられ上手な私”をアピール
スタジオで涼やかに微笑んでいるだけでは、仕事が来ないのがフリーというもの。フリーの女子アナが、キャラクターを確立するためにプライベートを公開するのはよくあることだが、宮崎宣子アナはどうもそれがヘタ。大手企業サラリーマンとの離婚原因を「尽くしすぎて」と説明して、女性視聴者の共感を集めようと思ったのかもしれないが、「結婚=幸せ」「離婚=不幸」という二元論でできているテレビの価値観からいうと、インパクトが弱い。相手に浮気されたなど、離婚の理由は、はっきりした“不幸”でないと、テレビ的にしっくりこないのだ。
逆にそこは見せない方がいいのと思ったのが、“おごられ上手”な面である。『友だち+プラス』(TBS系)に出演した宮崎は、有名ウナギ店の店主、有名割烹店のオーナー、高級ブランド牛生産社、タイヤメーカー経営の“社長サン”に高級料理をおごられていた。高級外車で迎えに来てもらってご馳走になるのは、バツなし独身時代からの習慣だろう。しかし、テレビ的にいうのなら、バツイチとなった今の宮崎は、昔のやり方を捨てて、不幸っぽくしないと、視聴者の共感は集まらない。プライベートはともかく、昔のやり方をテレビの前で引きずってはいけないのだ。
ちなみに、『芸能界PTAワケあり芸能人の親大集合SP』(フジテレビ系)に出演した宮崎の母は、離婚の原因を「生活がだらしなく、料理など家のことが何もできない」「金遣いが荒くて、日テレ時代も10万仕送りをしていた」と説明していた。やはり、あらゆる意味で、昔のやり方を引きずるのは、辞めた方がいいと思われる。
第2位:田中みな実(フリー)
“病んでる”設定なのに、オンナには高圧的!
女子アナになって、ジャニーズのタレントとつきあって、「an・an」(マガジンハウス)の表紙までやって、それで「私なんて」「生きてるのがつまらない」っていわれた日には、一般人は死ぬしかないんですけど! とツッコミたくなるくらい、ダウンタウンなど男性司会者の前では“病んでますアピール”が強い、ミナミ・タナカ。
善良なる一般人男性諸氏は、弱々しく見える田中により一層股間を熱くするのだろうが、田中は女性タレントと共演する時は、割と高圧的である。『もしかしてズレてる?』(フジテレビ系)では、交際経験がないハリセンボン・近藤春菜に「幸せになったことがなくて、うらやましい」など言いたい放題である。
後輩にも、当たりはきつい。『ダウンタウンなう』(同)で、タレントのホラン千秋と共演した際は、「しばらく恋愛していない」というホランに「うらやましいよね、こんな(人生が)平坦でいられる人」、写真週刊誌に撮られたことがないというホランに「(撮られたことがないのではなく)張られていないと思う」と暗に芸能人としての価値が低いとでも解釈できる発言を繰り返す。ホランが田中の大学の2年後輩ということもあって言いやすいのかもしれないが、ここで見逃すわけにいかないのが、ホランは就活でキー局のアナウンサー試験に全敗していることである。
田中は「倍率数千倍という女子アナの採用試験をパスしたワタシ」という“22歳の自意識”を引きずっており、故に思ったような仕事が来ないことに落ち込み、女子アナ試験を落ちた自分より“下”の同性には強く出るのではないだろうか。
第3位:高橋真麻(フリー)
お嬢さん育ちならではの自意識過剰
『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)で、ヴィトン柄のコートを披露した高橋真麻。フジテレビ時代、働いている自分へのご褒美として、40万円で買ったそうだが、上司に生意気と思われたらどうしよう、どうせお父さん(俳優・高橋英樹)に買ってもらったと言われると考えてしまい、一度も袖を通さずじまいだったそうだ。「せっかく買ったのに、いくじなし!」と真麻は自らをなじってみせたものの、それは自意識過剰というものではないか。
というのも、フジの女子アナが、ブランド物のコートをうらやましく感じるとは思えないからだ。高給取りであろうアナウンス部の女性は、欲しければ自分の給料でブランド物のコートなど余裕で買えるだろうし、いろいろなお付き合いで安く手に入れることもできるはず。女子アナとお近づきになりたくて、献上する男性も多数いることだろう。
お嬢さん育ちで人を妬む経験が少ない真麻は、単純に「値段が高い=妬まれる」と思っているのかもしれないが、実力のある人間にとってカネで解決できることは、妬みの対象にはならないと私は思っている。妬ましいのは、育ちやチャンスなど、いくら金を積んでも買えない、もしくは努力でどうにもならないものなのである。真麻は入社直後に、コネ入社だとバッシングされたことを引きずっているようだが、そんなことはもうどうでもよい。フリーとなっても仕事が途切れない“今”が全ての答えである。
【総評】TBSのアナウンサーから、タレント、エッセイストに転身を果たした元TBS・小島慶子は、「週刊プレイボーイ」(集英社)の連載において、「女子アナという職業が、なくなればいい」とまで書いていた。1人の女性に、こんなにも愛憎を抱かせる女子アナという職業は、何なのか。来年も注目させてもらいます。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、最新刊は『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの」