『わたし、定時で帰ります。』キャリアシートに結婚・出産時期……吉高百合子が“腰掛けOL”化!?

 吉高由里子主演ドラマ『わたし、定時で帰ります。』の第2話が4月23日に放送され、平均視聴率10.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

 前回から0.9ポイント増となり、好調の兆しを見せていますが……。さあ、今回はどうだったのか。あらすじから振り返りましょう!

定時退社の女vs産休明けママ社員

 結衣(吉高)の先輩・賤ヶ岳八重(内田有紀)がたった1カ月の育休で復帰してきた。もともとは結衣と一緒で定時退社の女だったが、復帰早々クライアントから指名されやる気を見せる八重。しかし、張り切りすぎて同僚たちは困惑し、不満が漏れ始めていた。そんな中、完成したサイトが他社のものと酷似するというトラブルが発生。その対応をチーム総出で取り掛かる。

 一方、八重の代わりに育休取得している夫・陽介(坪倉由幸)から子どもたちが熱を出したという連絡が入り困惑する八重。結衣は自宅に帰るべきだと諭すも、八重は「子どもがいるから」と周りから言われるのが嫌だと拒否。見かねた結衣は八重を帰宅させようと、他の社員に八重の現状と理由を話し、一旦隠れてもらう。

 社員全員が隠れすっからかんのような状態になった職場へ八重が戻ってくると、結衣は「みんな明日でも仕事できるからって帰りましたよ」と告げ、それを聞いた八重は笑顔で早々に自宅へ帰るのだった、というのが今回のストーリーでした。

 今回、産後1カ月で復帰したママ社員の八重がメインの回。休み続けると会社での立場がなくなるという不安からスピード復帰したものの、育児に家事に仕事の両立はやっぱり難しいですよね〜。そこの描き方がリアルすぎて。ネットでも「内田有紀のママ社員がリアル」「同じ体験したわ〜」など共感する声がたくさん上がってました。

 確かに、ママになって仕事復帰って大変ですよね。会社がフォローしても周りの社員も助けてあげないと、復帰してもつらいだけ。現実社会もそれに気づいて欲しいですよね。で、今回の放送最後は、社員全員が席の下に隠れて(八重にはバレてましたが)、八重を帰らせてあげるという、ほっこりシーンが良かった。

 何としても定時で帰ってやるからな! という内容かと思いきや、1話と2話を見て、価値観や働き方がたくさんある中で、自分に合った働き方をちゃんと見つけていこうという内容だなと実感。働き方改革とはこういうことではないかと再認識させてくれるドラマで、本当に面白い! まだ2話ということで、この先、どんな社員の話が出てくるのか、今から楽しみです。

結衣はただの腰掛けOL?

 ただ、今回のストーリーでイラッとした部分が。主人公の結衣がキャリアシートを会社に提出したところ(余談ですが、WEB会社なのに手書きって、え?)、「今年中に結婚」「3年後に出産」といったプランを描き、種田(向井理)に怒られるというシーン。

 ちょっと、あまりにもこのキャリアシートはひどくないですか? 「それはライフプランであってキャリアじゃなくないか? 嘘でもいいから書けよ、大人だろ!」と思わず突っ込んじゃいましたよ。小学生の道徳の授業じゃないんだし、これはひどすぎる。

 いくらちゃんと仕事をこなし、定時帰宅しているからって、ナメすぎ。キャリアシートも評価対象のひとつ。もし今後不景気になったとしたら、真っ先にリストラ候補になるはず。これじゃ、ただの定時退社ばかりを宣言する腰掛けOLにしか見えない! せっかく、定時帰宅推奨している主人公なんですから、できればみんなの手本となるようにここもきちんと描いてほしいと思いました。

放送後のネットが愚痴大会に……

 今週、放送後にネットの声をチェックしたところ、ネットが仕事の愚痴大会みたいになっていたんですが、これが結構面白くて(不謹慎ですみません)。

 というものも、「会社から強制されている研修なのに無給。どうにかしてくれ」とか「お前定時で上がっていいから、◯◯に何時までに書類届けてくれと言われて 自宅に着くのは夜11時……」といった、リアルな労働現状の愚痴がたくさん上がっていたんです。

 愚痴大会と聞くと、あまりいい印象がありませんが、逆に放送を見てここまで次々と愚痴が出てくるということは、このドラマに共感している人がたくさんいるってことで、それは良い傾向かなと。

 このドラマをきっかけに自分の職場環境・労働環境を見直すのもいいかもしれません。

 以上、2話のレビューでした。

 次回はバカッター新入社員がメイン。バカッターは最近の社会問題ですからどう描かれるのか、期待したいです!

(どらまっ子KOROちゃん)

吉高由里子『わたし、定時で帰ります。』“定時帰宅”の主人公はファンタジーでも、リアルな労働問題に共感の声!

 吉高由里子主演ドラマ『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)の第1話が4月16日に放送され、平均視聴率9.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

 お仕事ドラマといえば、ひと昔前は篠原涼子というイメージでしたが、『正義のセ』に続き今回。時代は吉高に変わりそうですね。ではでは、1話を振り返ってみましょう。

定時で帰るがモットー!

 WEB制作会社『NETHEROS』に務める東山結衣(吉高)は入社以来、残業ゼロ(本当かよ!)を貫き、退社後を充実させたいと考えている女性。恋人の諏訪巧(中丸雄一)との関係も良好で、私生活は充実していたが、突然、会社に仕事人間だった元カレ・種田晃太郎(向井理)が来てしまい、結衣は困惑する。

 そんな中、吸収合併された会社からやってきた堅物社員・三谷佳菜子(シシド・カフカ)が新人社員・小泉咲(ついひじ杏奈)と対立。耐えかねた小泉は突然会社を辞め、腹いせに三谷のパソコンのパスワードを勝手に書き換えてしまった。

 困った結衣は小泉に連絡するも、取り合ってくれず。三谷は会社中から責められてショックで無断欠勤してしまう。結衣は三谷の自宅へ赴くと、三谷は本音を吐露。結衣も自分が定時で帰る理由を告白し、2人は仲良く。結衣に説得され、三谷は翌日出社。仕事は種田が穴埋めしてくれ、無事、問題は解決した、というのが今回のストーリーでした。

 当初の予想では「有能な社員が大量仕事を電光石火の如く仕事をこなし、定時帰社するドラマ」だと思い、「それって『ハケンの品格』(日本テレビ系)と同じじゃん!」と思っていたのですが、見たら全然違ってました(笑)。(スタッフの皆さん、すみません……)

 よくあるお仕事ドラマではなく、現代に蔓延する労働問題を取り上げたドラマでして、それが結構リアルだなと。特に三谷が仕事ばかりしているのが、過去に受けたパワハラが原因だったという部分。三谷はゆとり世代で就職氷河期に就職した世代のようで、「休んだら終わり」「バカにされたくない」という気持ちで仕事しかしてこなかったんでしょう。

 世の中にもこういう人たくさんいるんじゃないでしょうか? 特に三谷と同じ世代は。ネットには「わかるわ~、私もそうだもん」「仕事やめても次があるかどうかわからないし、しがみついちゃうんだよね」「バカにされてできないってレッテル貼られたくない気持ちわかる」と共感する声がいっぱいありました。

“パスワードを変えてやめる”“口答えする”新入社員に関してですが、「こんな奴いるの?」とみなびっくりしていたよう。ですが、実際問題いるんですよね~。筆者の友人たち(全員アラサー)が毎年4月になると、「今年の新入社員はヤバイ」「仕事できないのに『それ、必要あります?』とか言ってくる」「入社早々、『あと3年したらやめるつもりなんで』と宣言された」など、衝撃的な話をするんですよ(笑)。だから、実際にモンスターな新入社員はたくさんいるです。そういうところもやけにリアル。(ただ、パスワード変えてやめるのは会社に損害を与えているので、賞罰欄に書かれ再就職不利になるだけではなく、損害賠償請求される可能性があるので、これを読んでいる新入社員の皆さんはやめておいたほうがいいと思います)

 ただ、主人公が残業ゼロを貫いているという設定に、ファンタジーかつ“働き方改革”の理想像ではないかという疑問が。しかしながら、その疑問がチャラになってしまう内容がリアルなだけに次回も楽しみです。

中丸と吉高のキスにジャニオタざわつく……

 放送開始早々、結衣と恋人の巧のキスシーンが放送され、びっくり! それも何度もチュッチュするもんだから、「おお! これは、ジャニオタ案件じゃああああ!」とワクワク(?)しながらTwitterを覗いたら、案の定ジャニオタのみなさんがすごい反応していたんですよ(笑)。

ただ、

「結構いい雰囲気! いい感じでよかった!」

「ゆっちと吉高さんっていいコンビ!」

「美男美女のキスシーンだしいいじゃん!」

「嫌ではなかった。むしろ良かった(笑)!」

といった声がある一方で、

「毎日定時で上がって中丸くんとキスして、現実では大倉と付き合ってって、吉高由里子ムカつく」

「ゆっちがキスシーン…………時止まった………」

「軽くじゃないんですね。結構ちゃんとした……」

「中丸くんは最高だけどイライラする」

「一周回って大倉と中丸がキスしたようなものか」

といった声も。さまざま意見はあるようですね。

個人的には、中丸&吉高のキスシーン、嫌いじゃなかったです(笑)。

スタートは良かったけど……終わり方がモヤモヤして残念。

 中盤まではよかったんです。先に言ったように、仕事でのリアルな問題をブッ込んでいて。ですが、終わり方はふんわりして終わってしまい、ちょっとショック。

 というのも、突然やめた新人がパスワードを勝手に変えてしまい大変なことに。さらに新人は意地悪で新しいパスワードを教えてくれず、といったストーリーでしたが、最後にその新人との一件が解決したのか、しなかったのか描かれていないんですよね。

 パスワードが開かない分は種田が代わりに仕事して解決したらしいんですが、セリフひとつで終わらせて。それに、新入社員が正式に辞めたことにも触れず。(放送後、ホームページの相関図を見たら、思いっきり小泉が消去されていましたが(苦笑))

 仕事ドラマならば、その辺の決着を1シーンでいいので、しっかり見せてほしい。モヤモヤが残って気持ち悪い感じがしました。

 以上、1話のレビューでした。

 次回は6カ月という短期間の育休をとり戻ってきた内田有紀演じるママ社員がメインに。最長3年取れるはずの育休を「会社での席がなくなる」不安から6カ月で戻ってきてしまい(筆者の昔の上司は同じ理由で出産後1カ月という脅威のスピードで戻ってきて、会社中から「そんなことしたらあとに続くママたちが困る」と批判を浴びてましたが……)ということで、何かしら問題が起きそう。

 次回も楽しみに放送を待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)

嵐が近藤春菜を“豚イジり”して批判殺到! 女芸人をイジって炎上した芸能人たち

 11月1日に放送された『VS嵐』(フジテレビ系)に、お笑いコンビ・ハリセンボンが出演。嵐のメンバーが近藤春菜を“豚イジり”して、視聴者から「容姿イジりは普通に不快だわ。何も面白くない」と批判の声が上がっている。

 収録時の近藤はピンク色の衣装を着ていたからか、嵐の相葉雅紀が「豚みたいに見える」と発言。このイジりを見た他のメンバーは、近藤に「好きな豚肉料理はしょうが焼きです!」などと言い放って豚イジりをしつこく続けた。

 この様子を見た人たちからは、「春菜はオイシイと思ったかもしれないけど、人を豚呼ばわりするシーンを何度も見せられるのはいい気しない」「テレビでブスイジりとか見た目イジりをするの本当に嫌」「大学生みたいなノリで最悪だった」などの声が。お決まりのやり取りなのかもしれないが、不快に思う視聴者が続出している。

 今回は嵐のように、女芸人を侮辱するような言動で炎上を招いた芸能人たちをご紹介していこう。

 

●向井理

 俳優・向井理は、飲み会で女芸人に「ブス」と繰り返し発言したとされている。このニュースを報じた「東スポWeb」によると、打ち上げに参加した向井は悪酔い。その席にいたお笑いコンビ・ニッチェに、「ブサイクは帰れ~」と発言したという。

 ニッチェは「ブスでも勘弁してくださいよ~」と返し、最初のうちは周りから笑いが。しかし向井は本当に帰ってほしかったのか、その後も「オマエら本当にブサイクだな」「ブスは帰れよ」との発言を連発。ネタとしても返しづらい状況になり、周りの人はドン引きしてしまったそうだ。このニュースにネット上からは、「ニッチェはたしかにブスかもしれないけど、面と向かって言うのは失礼過ぎる」「性格悪いとどんなにイケメンでも霞んでしまうな」「性格悪いから人気でないんだよ! 演技も下手なくせに」などの声が上がっていた。

 

●フットボールアワー・後藤輝基

 フットボールアワー・後藤輝基は、アジアン・隅田美保に「神様に生殖器、返品してこい!」とツッコミを入れて批判が殺到していた。後藤が“返品発言”を繰り出したのは、2011年に放送された『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)でのこと。見た目の美しさを競う企画で、隅田が女装した男芸人にことごとく連敗した時だった。

 後藤のツッコミに視聴者からは、「さすがにブスイジりを越えすぎてる」「人を笑わせるためにどんな発言をしても良いって訳じゃない」「かなり不快だった。笑いといっても限度がある」などの声が続出。しかし一方で、「お笑い番組なら別によくない? 一般の人に言ったわけでもないし」「ネタをネタとして見れないなら、芸人が出る番組を見ないほうがいい」「私は女だけど、あの発言を面白く返せない隅田は芸人やめちまえと思った」などの声も。この後藤のツッコミは、今なおネット上で物議を醸している。

向井理、菜々緖が出演せず! 米倉涼子『リーガルV』、主要キャスト不在で視聴率急降下!

 米倉涼子が主演するテレビ朝日系連続ドラマ『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』第5話が15日に放送され、視聴率は15.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった。前週の第4話は16.5%で、1.1ポイントの大幅ダウンとなった。

 同ドラマは初回15.0%で発進。その後、第2話18.1%、第3話15.9%、第4話16.5%とハイレベルな視聴率を連発してきたが、第5話で、いささか勢いが止まってしまった。初回(10月11日)は、裏のTBS系でオンエアされた『2018世界バレー女子 2次ラウンド 日本×ブラジル』が18.2%と高い数字を記録し、『リーガルV』にも影響を与えたであろうことは想像に難くない。その点、第5話が放送された15日は、強力な裏番組があったわけではなかっただけに、実質的に“自己ワースト”といってもいいかもしれない。

 第5話は、翔子(米倉)の言葉に背中を押された青島圭太弁護士(林遣都)が、以前から抱えていた案件を逆転勝訴に導くため立ち上がる。人気学生ベンチャー企業で代表を務める大学生・町村誠(瀬戸利樹)が激しい暴行を受け、重傷を負った事件で、凶器から指紋が検出されたため、町村の幼なじみで同級生の武藤正洋(戸塚純貴)が傷害容疑で起訴され、青島が弁護することになった。武藤は一審で実刑判決を受け、ネットの誹謗中傷にも耐えながら、息子の無実を証明しようと戦っていた母・武藤望(片岡礼子)が自殺してしまう悲劇を招いた。青島は控訴審に向け、翔子率いる「京極法律事務所」のメンバーにも協力を仰ぎ、有利となる証拠を集めようと駆け回る……という展開だった。

 今話では、法廷で戦う相手が、Felix&Temma法律事務所ではなかったため、同事務所代表の天馬壮一郎弁護士(小日向文世)、海崎勇人弁護士(向井理)、白鳥美奈子(菜々緖)の出演がなかった。同ドラマでのランク付けは、向井は“2番手”、菜々緖は“女優2番手”の位置づけで、小日向を含め、主要キャストがごっそり出演しないというのは連ドラでは異例の措置だ。

「同じ米倉主演ドラマの『ドクターX~外科医・大門未知子~』でも主要キャストの出演がない回がありましたが、さすがに3人まとめてというのは異例の事態。『リーガルV』は出演料などの制作費がかさんでおり、ギャラの高い主要キャストを外して、“経費削減”を図ったといわれても致し方ないでしょうね。いくら米倉が主演とはいえ、向井や菜々緖が見たい視聴者も当然いるわけで、ある意味、“出る出る詐欺”。第5話では、ゲストもしょぼかったですし、向井や菜々緖の出演シーンを楽しみにしている層が、視聴をボイコット、または途中脱落して、視聴率が急降下した可能性もありそうです。米倉だけでドラマが成り立っているわけではありませんし、この先も、こういうことを乱発するようだと、視聴者の信頼を損ないかねません」(テレビ誌関係者)

 予告を見る限り、次回第6話はTemma事務所との対決となり、向井、菜々緖、小日向の出演がありそうだが、主要キャストを外してしまうとの発想は、あまり感心しない。ドラマはワキを固めるキャストがいて成立するものなのだから。
(文=田中七男)

向井理、菜々緖が出演せず! 米倉涼子『リーガルV』、主要キャスト不在で視聴率急降下!

 米倉涼子が主演するテレビ朝日系連続ドラマ『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』第5話が15日に放送され、視聴率は15.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった。前週の第4話は16.5%で、1.1ポイントの大幅ダウンとなった。

 同ドラマは初回15.0%で発進。その後、第2話18.1%、第3話15.9%、第4話16.5%とハイレベルな視聴率を連発してきたが、第5話で、いささか勢いが止まってしまった。初回(10月11日)は、裏のTBS系でオンエアされた『2018世界バレー女子 2次ラウンド 日本×ブラジル』が18.2%と高い数字を記録し、『リーガルV』にも影響を与えたであろうことは想像に難くない。その点、第5話が放送された15日は、強力な裏番組があったわけではなかっただけに、実質的に“自己ワースト”といってもいいかもしれない。

 第5話は、翔子(米倉)の言葉に背中を押された青島圭太弁護士(林遣都)が、以前から抱えていた案件を逆転勝訴に導くため立ち上がる。人気学生ベンチャー企業で代表を務める大学生・町村誠(瀬戸利樹)が激しい暴行を受け、重傷を負った事件で、凶器から指紋が検出されたため、町村の幼なじみで同級生の武藤正洋(戸塚純貴)が傷害容疑で起訴され、青島が弁護することになった。武藤は一審で実刑判決を受け、ネットの誹謗中傷にも耐えながら、息子の無実を証明しようと戦っていた母・武藤望(片岡礼子)が自殺してしまう悲劇を招いた。青島は控訴審に向け、翔子率いる「京極法律事務所」のメンバーにも協力を仰ぎ、有利となる証拠を集めようと駆け回る……という展開だった。

 今話では、法廷で戦う相手が、Felix&Temma法律事務所ではなかったため、同事務所代表の天馬壮一郎弁護士(小日向文世)、海崎勇人弁護士(向井理)、白鳥美奈子(菜々緖)の出演がなかった。同ドラマでのランク付けは、向井は“2番手”、菜々緖は“女優2番手”の位置づけで、小日向を含め、主要キャストがごっそり出演しないというのは連ドラでは異例の措置だ。

「同じ米倉主演ドラマの『ドクターX~外科医・大門未知子~』でも主要キャストの出演がない回がありましたが、さすがに3人まとめてというのは異例の事態。『リーガルV』は出演料などの制作費がかさんでおり、ギャラの高い主要キャストを外して、“経費削減”を図ったといわれても致し方ないでしょうね。いくら米倉が主演とはいえ、向井や菜々緖が見たい視聴者も当然いるわけで、ある意味、“出る出る詐欺”。第5話では、ゲストもしょぼかったですし、向井や菜々緖の出演シーンを楽しみにしている層が、視聴をボイコット、または途中脱落して、視聴率が急降下した可能性もありそうです。米倉だけでドラマが成り立っているわけではありませんし、この先も、こういうことを乱発するようだと、視聴者の信頼を損ないかねません」(テレビ誌関係者)

 予告を見る限り、次回第6話はTemma事務所との対決となり、向井、菜々緖、小日向の出演がありそうだが、主要キャストを外してしまうとの発想は、あまり感心しない。ドラマはワキを固めるキャストがいて成立するものなのだから。
(文=田中七男)

もうゴールデン・プライム帯での復活は無理!? 向井理がNHK土曜時代ドラマで“ひっそり”主演

 19日に放送開始したNHK土曜時代ドラマ『そろばん侍 風の市兵衛』(土曜午後6時5分~)で、向井理が主演を務めている。これまで、ゴールデン・プライム帯で主役を張ってきた男だけに、一抹のさびしさを禁じ得ない。

 同ドラマの原作は、辻堂魁氏の小説『風の市兵衛』シリーズ(祥伝社文庫)で、全9話の3部構成。脚本は第1部が池端俊策氏、第2部が小松與志子氏、第3部は森岡利行氏が担当している。

 清貧を旨とする無欲の侍・市兵衛(向井)が、得意のそろばんで武家、大店などさまざまな家を渡り、風のようにしなやかな剣で悪を退治していく新感覚時代劇だ。

 向井は『ハングリー!』(フジテレビ系)、『サマーレスキュー~天空の診療所~』(TBS系)、『S―最後の警官―』(同)、『遺産争族』(テレビ朝日系)などで主演を務め、クールなイメージで女性ファンをガッチリつかんでいた。

 ところが、2014年12月、国仲涼子と結婚したあたりから、その人気に陰りが見え始めた。16年7月期の『神の舌を持つ男』(TBS系)では、堤幸彦氏の演出の下、“二枚目”のイメージをかなぐり捨てて、ふんどし姿を披露するなど、コメディドラマに挑戦したが、平均視聴率は5.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と壮絶爆死を遂げた。同作は、同12月に映画化が強行されたものの、興行成績は予想通りかんばしくなかった。

 その後、向井は地上波ドラマの主演オファーがパッタリ止まった。今年1月期には、吉岡里帆の連ドラ初主演作『きみが心に棲みついた』(同)で、異例の“悪役”に臨んで、周囲を驚かせたものだ。

 今作『風の市兵衛』は、評価を下げてしまった『神の舌を持つ男』以来の連ドラ主演となるが、ほとんど注目されることがないNHK土曜時代ドラマとあって、その転落ぶりを如実に示す格好となってしまった。

「この枠は16年5月にスタートしましたが、おおむね若手にチャンスを与える場になっています。主演に起用されてきたのは、永山絢斗、武井咲、黒木華、黒島結菜らで、そこに向井が名を連ねるのは違和感があります」(テレビ誌関係者)

 もはや、完全にゴールデン・プライム帯での主演から外されてしまった感のある向井。『きみが心に棲みついた』での悪役ぶりは意外に好評だっただけに、主役にこだわらず、新たな役どころを受け入れれば、“脇役”での復活もあると思われるのだが……。
(文=田中七男)

吉岡里帆演じるキョドコは死んでしまったのか!? 走馬灯のようにめぐる淡い幸せ『きみ棲み』最終話

 吉岡里帆が連続ドラマ初主演を果たした『きみが心に棲みついた』(TBS系)の最終回の視聴率は8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でした。後半では最も高い数字でしたが、全10話をとおして一度も10%台に乗せることはできませんでした。ヒット作とは呼べませんが、数字以上に吉岡演じるキョドコが心に棲みついてしまった視聴者も少なくないのではないでしょうか。『きみ棲み』最終話とキョドコ&星名がドラマ界に残したものについて振り返りたいと思います。

 第9話で漫画誌編集者の吉崎(桐谷健太)から別れを告げられた小川今日子(吉岡里帆)ことキョドコでした。恋愛相手に依存しているというのが、吉崎の言い分でした。シリーズ序盤のキョドコだったら、失恋のショックで会社も休んでいたはずですが、新ブランドの発売日が迫っていたのが幸いでした。仕事に打ち込むキョドコを見て、彼女をずっと見守ってきた先輩の堀田(瀬戸朝香)は「オガちゃん、変わったね」と温かい言葉を掛けるのでした。相性がまるで合わなかった八木(鈴木紗理奈)の「振った男に感謝やな」という憎まれ口にも「はい」と笑って返すことがキョドコはできるようになったのです。

 数々のパワハラ&セクハラがバレて停職処分となったゲス上司・星名(向井理)のいない職場で、キョドコはせっせと働きます。そんなとき、星名の姉・祥子(星野園美)が会社に電話を掛けてきます。星名の母(岡江久美子)が入院したので、星名に誰か連絡してほしいというものでした。

 星名とはすっぱり縁を切ったキョドコですが、自分の母親(中島ひろ子)に別離宣言した後ろめたさもあって、星名の母親が入院している病院へお見舞いに訪ねます。そんな余計な気遣いこそが、キョドコらしさです。病床の星名の母親が言った「優しいのね。あなたみたいな人があの子の周りにいるのなら、よかった」という言葉が胸に沁みるキョドコでした。

 タワーマンションの自宅で酒浸りの日々を送っていた星名に、キョドコは「お母さんに会いに行ってください」と電話で伝えますが、途中で切られてしまいます。結局、星名は母親の見舞いに行くことはありませんでした。新ブランドの発売日という晴れやかな日に、星名の母親はこの世を去るのでした。星名が完全に音信不通になったことに不吉な予感を感じたキョドコは、星名がひとりで行きそうな場所を探して回ります。星名はいました。大学の部室に篭って、練炭自殺をしようとしているところでした。

「キョドコかよ。あんただけだよ、このクソみたいな世界に。じゃあ、いいや。お前もつきあえよ」

 星名は父親を刺殺したのは母親ではなく、実は自分だったことをキョドコに打ち明け、キョドコとの心中を図るのでした。「星名さんをただ助けにきたんです」というキョドコでしたが、2人とも一酸化炭素中毒に陥り、お互いに心のキズを舐め合った大学の部室で重なるように倒れ込んでしまいます。

 

■ドラマを脇で支え続けたムロツヨシ。こちら側の人間に幸あれ!

 

 キョドコが目を覚ますと、そこは天国でした。というか、天国みたいなメルヘンワールドでした。別れたはずの吉崎がギリギリのところで現われ、病院へ搬送してくれたのです。キョドコが一度死んでからは、素晴しいことばかりが次々と起こります。星名は姿を消し、吉崎が担当した漫画家のスズキ先生(ムロツヨシ)は日本漫画大賞を受賞。その受賞パーティーの帰り道、吉崎は路上に転がっていた靴を拾います。見覚えのある靴でした。すっかり元気になったキョドコがまた盛大に路上でコケていたのです。灰かぶり姫のような悲惨な人生を歩んできたキョドコは、こうして無事に吉崎王子との再会を果たしたのでした。晴れてキョドコは純白のウェディングドレスに身を包み、幸せなエンディングを迎えます。結婚パーティーには仲の悪かった母親も出席し、キョドコとは恋敵だった飯田(石橋杏奈)や為末(田中真琴)も笑顔で参加しています。絵に描いたような大団円です。そして最後の最後に「Happy Wedding キョドコのクセに」とメッセージが添えられた星名からの花束が届くのでした。

 星名の練炭自殺騒ぎ以降、いっきに恋愛ファンタジーと化してしまった『きみ棲み』最終話でした。練炭自殺の巻き添えになったキョドコが、死ぬ間際に脳裏に浮かんだ妄想の世界なのかなと思ってしまうほど、キョドコにとってあまりに都合のいい幕切れです。まぁ、このくらいのハッピーエンドを用意しないと、キョドコの暗い人生を3か月間共にした視聴者も後味が悪いわけですけどね。

 ご都合主義で終わった最終話の中で眩しく輝いたのは、ドロドロの物語における一服の清涼剤としてコメディリリーフを務めてきたスズキ先生役のムロツヨシでした。キョドコをモデルにした『俺に届け 響け!』で漫画大賞を受賞したスズキ先生のスピーチは名言でした。

「この漫画は僕と同じような少数の、こちら側の人間の、淡々とした日常を描いたものです。普通から外れた変だと言われる人の、うれしいなぁとか、つらいなぁとか、まぁまぁだなぁとか、そんなことを思って生きている普通の人生です。最初は今の編集担当さんだけでした、分かろうとしてくれたのは。いや、分からなくても、彼が僕の味方でいてくれたから、僕はここまで描くことができたんです」

 スズキ先生にとって、編集担当の吉崎は恋人でもなければ、家族でもなく、仕事上の関係でしかありません。でも吉崎は仕事仲間として、親身になってスズキ先生と向き合い続けました。ドラマ版『きみ棲み』のいちばんのテーマが、スズキ先生のこのスピーチに凝縮されているようです。幼少期に家族の愛情を感じることができなかったキョドコと星名は、出会う人を自分のことを心から愛してくれる人か、そうでないかで選別していましたが、人と人との繋がり方はもっと多様で濃淡があっていいはずです。

 星名とキョドコが部室で倒れているのを救ったのは吉崎でしたが、その後ろにはバーテンの牧村(山岸門人)もいました。星名とキョドコがいそうな場所を思い出したのは、きっと牧村だったのでしょう。キョドコの校内ストリップを盗撮するなど、決して100%の善人ではない牧村ですが、かといって100%の悪人でもないわけです。「お前のことを一度も友達だと思ったことはない」と星名からも牧村は見下されていましたが、牧村は星名が100%の悪人ではないことを分かっていて、助けに走ったのです。

 ひとりの人間を悪人か善人かに簡単に分けられないように、人間の人生もどこからが幸せで、どこからが不幸かと線引きするのは難しいのではないでしょうか。善と悪も、幸と不幸も、とても微妙な紙一重の違いでしかないことをほのめかして『きみ棲み』全10話は終わりを告げるのでした。

 

■視聴者の心に棲みついたキョドコの正体は……?

 

 最後に『きみ棲み』がドラマ界に残したものについて考えてみたいと思います。視聴率的にはいまひとつだった『きみ棲み』ですが、2つの大きな鉱脈を探り当てたのではないでしょうか。ひとつは地上波テレビで、SMテイストなドラマが成立できたということ。吉岡里帆が下着姿やセミヌードになったことが話題となりましたが、吉岡の肌の露出以上に向井理との精神的なサド&マゾヒスティックな関係がドラマを盛り上げたように感じられます。大沢伸一のソロプロジェクトMONDO GROSSOが楽曲提供した「偽りのシンパシー」が流れると、職場が急にエロいムードになる展開は、大人の視聴者をゾクゾクさせるものがありました。

 TBSサイドは、ハリウッドが女性向けにつくったSM映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(15)っぽい世界を意識したのでしょう。ちなみにスズキ先生の描いた漫画『俺に届け 響け!』の作画・監修を担当したのはSMコメディ漫画『ナナとカオル』(白泉社)で知られる甘詰留太先生です。TBSが開発したソフトSM路線、深夜枠かBSドラマとして再挑戦すれば充分成功するのではないでしょうか。

 もうひとつ、『きみ棲み』が掘り当てた鉱脈は、アンチヒーローものには大きな可能性があるということです。向井理演じる星名が、暗い過去を封印して大学や企業内であくどい手を使いながら成り上がり人生を突き進むくだりは、松田優作主演のハードボイルド映画『蘇える金狼』(79)のようなピカレスクな魅力に溢れていました。

 大手芸能プロダクションが幅を利かせている現代のテレビ&映画界では、人気俳優たちの目標設定は、いい作品や面白い役に出会うことではなく、多くのCM契約を結ぶことになってしまっています。多くのCMに出るためには高視聴率ドラマに出演し、好感度の高いキャラクターを演じることが求められます。汚れ役や悪役に挑戦して、演技力を磨きたいという俳優本人の希望は、芸能プロダクションの方針にはなかなか反映されません。

 でも善人だらけのドラマほど、つまらないものはありません。NHKの朝ドラ『ゲゲゲの女房』のヒロインの夫役でブレイクした向井理ですが、同じく朝ドラ出身の国仲涼子と結婚し、いいタイミングでクセの強い星名役がオファーされました。女を利用するだけ利用して、ポイ捨てする星名は女性視聴者から嫌われて当然のゲスキャラクターでしたが、哀しい過去が多くの女性の母性本能を刺激するという非常に美味しい役となりました。星名のような二面性を持ったキャラクターは、今後のドラマでも大いにニーズがあるはずです。

 キョドコに振り回され続けた3カ月間でした。吉岡里帆演じるキョドコが幸せを手に入れてドラマは終わりを迎えましたが、視聴者の中には心の奥にもうひとりのキョドコの存在を感じている人もいるのではないでしょうか。キョドコはもしかしたら、視聴者の心に宿るトラウマのメタファーなのかもしれません。家族とずっと不仲だったり、学生時代の人間関係や別れた恋人のことを今も引き摺ってしまったり、みんなそれぞれ大なり小なりのキョドコを心に抱えているようです。そんなキョドコと、今後どう接すればいいのか。すごくうざいけれど、気になって仕方ない存在。その名はキョドコ。これからも長い長い付き合いとなりそうです。
(文=長野辰次)

吉岡里帆演じるキョドコは死んでしまったのか!? 走馬灯のようにめぐる淡い幸せ『きみ棲み』最終話

 吉岡里帆が連続ドラマ初主演を果たした『きみが心に棲みついた』(TBS系)の最終回の視聴率は8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でした。後半では最も高い数字でしたが、全10話をとおして一度も10%台に乗せることはできませんでした。ヒット作とは呼べませんが、数字以上に吉岡演じるキョドコが心に棲みついてしまった視聴者も少なくないのではないでしょうか。『きみ棲み』最終話とキョドコ&星名がドラマ界に残したものについて振り返りたいと思います。

 第9話で漫画誌編集者の吉崎(桐谷健太)から別れを告げられた小川今日子(吉岡里帆)ことキョドコでした。恋愛相手に依存しているというのが、吉崎の言い分でした。シリーズ序盤のキョドコだったら、失恋のショックで会社も休んでいたはずですが、新ブランドの発売日が迫っていたのが幸いでした。仕事に打ち込むキョドコを見て、彼女をずっと見守ってきた先輩の堀田(瀬戸朝香)は「オガちゃん、変わったね」と温かい言葉を掛けるのでした。相性がまるで合わなかった八木(鈴木紗理奈)の「振った男に感謝やな」という憎まれ口にも「はい」と笑って返すことがキョドコはできるようになったのです。

 数々のパワハラ&セクハラがバレて停職処分となったゲス上司・星名(向井理)のいない職場で、キョドコはせっせと働きます。そんなとき、星名の姉・祥子(星野園美)が会社に電話を掛けてきます。星名の母(岡江久美子)が入院したので、星名に誰か連絡してほしいというものでした。

 星名とはすっぱり縁を切ったキョドコですが、自分の母親(中島ひろ子)に別離宣言した後ろめたさもあって、星名の母親が入院している病院へお見舞いに訪ねます。そんな余計な気遣いこそが、キョドコらしさです。病床の星名の母親が言った「優しいのね。あなたみたいな人があの子の周りにいるのなら、よかった」という言葉が胸に沁みるキョドコでした。

 タワーマンションの自宅で酒浸りの日々を送っていた星名に、キョドコは「お母さんに会いに行ってください」と電話で伝えますが、途中で切られてしまいます。結局、星名は母親の見舞いに行くことはありませんでした。新ブランドの発売日という晴れやかな日に、星名の母親はこの世を去るのでした。星名が完全に音信不通になったことに不吉な予感を感じたキョドコは、星名がひとりで行きそうな場所を探して回ります。星名はいました。大学の部室に篭って、練炭自殺をしようとしているところでした。

「キョドコかよ。あんただけだよ、このクソみたいな世界に。じゃあ、いいや。お前もつきあえよ」

 星名は父親を刺殺したのは母親ではなく、実は自分だったことをキョドコに打ち明け、キョドコとの心中を図るのでした。「星名さんをただ助けにきたんです」というキョドコでしたが、2人とも一酸化炭素中毒に陥り、お互いに心のキズを舐め合った大学の部室で重なるように倒れ込んでしまいます。

 

■ドラマを脇で支え続けたムロツヨシ。こちら側の人間に幸あれ!

 

 キョドコが目を覚ますと、そこは天国でした。というか、天国みたいなメルヘンワールドでした。別れたはずの吉崎がギリギリのところで現われ、病院へ搬送してくれたのです。キョドコが一度死んでからは、素晴しいことばかりが次々と起こります。星名は姿を消し、吉崎が担当した漫画家のスズキ先生(ムロツヨシ)は日本漫画大賞を受賞。その受賞パーティーの帰り道、吉崎は路上に転がっていた靴を拾います。見覚えのある靴でした。すっかり元気になったキョドコがまた盛大に路上でコケていたのです。灰かぶり姫のような悲惨な人生を歩んできたキョドコは、こうして無事に吉崎王子との再会を果たしたのでした。晴れてキョドコは純白のウェディングドレスに身を包み、幸せなエンディングを迎えます。結婚パーティーには仲の悪かった母親も出席し、キョドコとは恋敵だった飯田(石橋杏奈)や為末(田中真琴)も笑顔で参加しています。絵に描いたような大団円です。そして最後の最後に「Happy Wedding キョドコのクセに」とメッセージが添えられた星名からの花束が届くのでした。

 星名の練炭自殺騒ぎ以降、いっきに恋愛ファンタジーと化してしまった『きみ棲み』最終話でした。練炭自殺の巻き添えになったキョドコが、死ぬ間際に脳裏に浮かんだ妄想の世界なのかなと思ってしまうほど、キョドコにとってあまりに都合のいい幕切れです。まぁ、このくらいのハッピーエンドを用意しないと、キョドコの暗い人生を3か月間共にした視聴者も後味が悪いわけですけどね。

 ご都合主義で終わった最終話の中で眩しく輝いたのは、ドロドロの物語における一服の清涼剤としてコメディリリーフを務めてきたスズキ先生役のムロツヨシでした。キョドコをモデルにした『俺に届け 響け!』で漫画大賞を受賞したスズキ先生のスピーチは名言でした。

「この漫画は僕と同じような少数の、こちら側の人間の、淡々とした日常を描いたものです。普通から外れた変だと言われる人の、うれしいなぁとか、つらいなぁとか、まぁまぁだなぁとか、そんなことを思って生きている普通の人生です。最初は今の編集担当さんだけでした、分かろうとしてくれたのは。いや、分からなくても、彼が僕の味方でいてくれたから、僕はここまで描くことができたんです」

 スズキ先生にとって、編集担当の吉崎は恋人でもなければ、家族でもなく、仕事上の関係でしかありません。でも吉崎は仕事仲間として、親身になってスズキ先生と向き合い続けました。ドラマ版『きみ棲み』のいちばんのテーマが、スズキ先生のこのスピーチに凝縮されているようです。幼少期に家族の愛情を感じることができなかったキョドコと星名は、出会う人を自分のことを心から愛してくれる人か、そうでないかで選別していましたが、人と人との繋がり方はもっと多様で濃淡があっていいはずです。

 星名とキョドコが部室で倒れているのを救ったのは吉崎でしたが、その後ろにはバーテンの牧村(山岸門人)もいました。星名とキョドコがいそうな場所を思い出したのは、きっと牧村だったのでしょう。キョドコの校内ストリップを盗撮するなど、決して100%の善人ではない牧村ですが、かといって100%の悪人でもないわけです。「お前のことを一度も友達だと思ったことはない」と星名からも牧村は見下されていましたが、牧村は星名が100%の悪人ではないことを分かっていて、助けに走ったのです。

 ひとりの人間を悪人か善人かに簡単に分けられないように、人間の人生もどこからが幸せで、どこからが不幸かと線引きするのは難しいのではないでしょうか。善と悪も、幸と不幸も、とても微妙な紙一重の違いでしかないことをほのめかして『きみ棲み』全10話は終わりを告げるのでした。

 

■視聴者の心に棲みついたキョドコの正体は……?

 

 最後に『きみ棲み』がドラマ界に残したものについて考えてみたいと思います。視聴率的にはいまひとつだった『きみ棲み』ですが、2つの大きな鉱脈を探り当てたのではないでしょうか。ひとつは地上波テレビで、SMテイストなドラマが成立できたということ。吉岡里帆が下着姿やセミヌードになったことが話題となりましたが、吉岡の肌の露出以上に向井理との精神的なサド&マゾヒスティックな関係がドラマを盛り上げたように感じられます。大沢伸一のソロプロジェクトMONDO GROSSOが楽曲提供した「偽りのシンパシー」が流れると、職場が急にエロいムードになる展開は、大人の視聴者をゾクゾクさせるものがありました。

 TBSサイドは、ハリウッドが女性向けにつくったSM映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(15)っぽい世界を意識したのでしょう。ちなみにスズキ先生の描いた漫画『俺に届け 響け!』の作画・監修を担当したのはSMコメディ漫画『ナナとカオル』(白泉社)で知られる甘詰留太先生です。TBSが開発したソフトSM路線、深夜枠かBSドラマとして再挑戦すれば充分成功するのではないでしょうか。

 もうひとつ、『きみ棲み』が掘り当てた鉱脈は、アンチヒーローものには大きな可能性があるということです。向井理演じる星名が、暗い過去を封印して大学や企業内であくどい手を使いながら成り上がり人生を突き進むくだりは、松田優作主演のハードボイルド映画『蘇える金狼』(79)のようなピカレスクな魅力に溢れていました。

 大手芸能プロダクションが幅を利かせている現代のテレビ&映画界では、人気俳優たちの目標設定は、いい作品や面白い役に出会うことではなく、多くのCM契約を結ぶことになってしまっています。多くのCMに出るためには高視聴率ドラマに出演し、好感度の高いキャラクターを演じることが求められます。汚れ役や悪役に挑戦して、演技力を磨きたいという俳優本人の希望は、芸能プロダクションの方針にはなかなか反映されません。

 でも善人だらけのドラマほど、つまらないものはありません。NHKの朝ドラ『ゲゲゲの女房』のヒロインの夫役でブレイクした向井理ですが、同じく朝ドラ出身の国仲涼子と結婚し、いいタイミングでクセの強い星名役がオファーされました。女を利用するだけ利用して、ポイ捨てする星名は女性視聴者から嫌われて当然のゲスキャラクターでしたが、哀しい過去が多くの女性の母性本能を刺激するという非常に美味しい役となりました。星名のような二面性を持ったキャラクターは、今後のドラマでも大いにニーズがあるはずです。

 キョドコに振り回され続けた3カ月間でした。吉岡里帆演じるキョドコが幸せを手に入れてドラマは終わりを迎えましたが、視聴者の中には心の奥にもうひとりのキョドコの存在を感じている人もいるのではないでしょうか。キョドコはもしかしたら、視聴者の心に宿るトラウマのメタファーなのかもしれません。家族とずっと不仲だったり、学生時代の人間関係や別れた恋人のことを今も引き摺ってしまったり、みんなそれぞれ大なり小なりのキョドコを心に抱えているようです。そんなキョドコと、今後どう接すればいいのか。すごくうざいけれど、気になって仕方ない存在。その名はキョドコ。これからも長い長い付き合いとなりそうです。
(文=長野辰次)

愛された記憶のない人は一生幸せにはなれない? キョドコと星名が地獄へ墜ちる『きみ棲み』第9話

 3カ月にわたって慎重に築いてきた積み木の塔が、完成直前に大崩壊してしまった。そんな衝撃です。恋に仕事にトライ&エラーを繰り返しながら、少しずつ社会人として成長しつつあった吉岡里帆演じるキョドコでしたが、恋人である吉崎の口からは別れの言葉が飛び出したのでした。最終回を直前に控え、風雲急を告げる『きみが心に棲みついた』(TBS系)の第9話を振り返りましょう。

 小川今日子(吉岡里帆)は下着メーカーに勤めるOLです。子どもの頃から母親(中島ひろ子)にも、学校でも無視され続けてきました。自分に自信が持てず、いつも言動が挙動不審なため「キョドコ」と呼ばれてきました。そんなキョドコにも、漫画誌編集者の吉崎(桐谷健太)という誠実な恋人がようやくできたのです。キョドコは大学時代からずっと精神的に依存してきた会社の上司である星名(向井理)と手を切るために星名のマンションへ向かったのですが、その様子を職場の同僚である飯田(石橋杏奈)に盗撮されてしまいます。

 吉崎は匿名で郵送されてきた映像データを再生し、キョドコが星名に連れられてマンションへ入っていく姿を見てしまいました。第3話で起きたキョドコの下着姿でのランウェイウォーキング騒ぎ、吉崎が解決したばかりの大学時代の校内ストリップ映像をめぐるトラブルに続く、衝撃映像です。キョドコのあまりの脇の甘さには唖然とさせられます。我慢強い吉崎も忍耐の限界に達していました。漫画家のスズキ先生(ムロツヨシ)とのネームの打ち合わせに集中することもできません。

 夜遅くにキョドコのアパートを訪ねた吉崎は、星名のマンションに行ったことを黙っていたキョドコに本音をぶつけます。「仕事って嘘ついて、他の男と会って。俺は今日子の何を信じればいいの? おかしいだろ? 言ってることと、やってることが無茶苦茶なんだよ」。あまりにも正論です。全視聴者がキョドコに対して感じていたことを、吉崎は正しくキョドコ本人に伝えるのでした。

「俺たち付き合ってるんだよね? いや、怒ってるわけじゃないんだ。でも実際は、嫉妬で頭の中がどうかなりそうなんだよ」

 いつも自信満々で自分が正しいと思ったことしかやらない吉崎ですが、その夜はキョドコを前にして頭を掻きむしり、悶え苦しむ姿がありました。キョドコと交際するようになってから、吉崎は弱々しい男に変わってしまったようです。

 吉崎の誤解を解こうと、キョドコは小さい頃から母親の愛情を感じることがなかったこと、大学時代の星名がそんな自分を初めて受け入れてくれた存在だったことを打ち明けるのでした。吉崎から「お母さんとの関係を克服しないと、また星名さんのところに戻るんじゃない?」と指摘されたキョドコは早速有休をとり、5年ぶりに日吉にある実家を訪ねるのでした。里帰りなのに、キョドコはひどく緊張してしまいます。

 長女であるキョドコがひとり暮らしを始めて以来、久々に実家に戻ってきたのに、母親はとても冷ややかです。お茶も出さずに、「(キョドコの妹の)菜穂子が友達を連れて来るから、その前に帰ってちょうだい」と、あまりにもつれない言葉です。そんな母親に、子どもの頃から感じてきた不満をぶつけるキョドコでした。親から愛された記憶のないキョドコは、家庭でも学校でも自分の居場所を見つけることができなかったのです。「何を今さら」と聞く耳を持たない母親に、キョドコは星名に続いて決別の言葉を吐くのでした。

「私のことを嫌いでもいいけど、せめて親なら隠してほしかった。小さい頃から、ずっと傷ついてきたんだよ。でも、私は前に進むから。昔の自分とは違うから。それを言いに来ただけ」

 言うべきことを言い、実家を後にするキョドコでした。星名の10年ごしの洗脳からも、親は子どもを無条件で愛するものだという常識という名の呪縛からも解き放たれたキョドコでした。新ブランドの成功と恋人・吉崎を手に入れたことで、キョドコは自分に自信が持てるようになったのです。これで、すべてのケジメはついた。あとはもう、吉崎の胸に飛び込んでいくだけ。そう確信していたキョドコでしたが……。

 

■この世で最もつらく、哀しい誕生日

 

 一方、会社では星名のこれまでの悪行の数々が社内メールとなって暴露され、大問題となっていました。人事部の部長(阿南健治)がキョドコたち女子社員を会議室に呼び出し、星名のパワハラ&セクハラ被害の実態について聞き取り調査を行います。この席で爆弾発言をしたのは、それまでずっと星名のことを慕ってきた飯田でした。会社でエリートコースを驀進中の星名は、実は少年時代は父親から虐待されていたこと、同級生たちからもイジメられていたこと、母親は殺人罪で服役していたこと、星名は中学のときに顔を整形手術して別人になったこと。星名の過去をすべて知った飯田が、星名の企業内での生殺与奪権を握っていたのです。

 飯田が星名のセクハラ被害の証拠として開示したのは、「愛のないセックスほど興奮する」という星名の名台詞が記録されたICレコーダーでした。つい数日前までは星名への執着を見せていた飯田ですが、星名が自分には心を開かないと悟るや、星名が地獄へ墜ちていく様子を見届ける立場へとポジションチェンジしたのでした。飯田の心の中では、星名への愛情が憎しみへと反転してしまったのです。

 キョドコが下着姿でランウェイウォーキングした件も、星名に強要されたのではないかと聞き取り調査で取り上げられますが、キョドコはなぜかこれを否定します。最終的に判断したのは自分だった、断ることのできなかった自分に非があると自己批判するキョドコでしたが、この言動が取り返しのつかない悲劇を呼び寄せてしまいます。

 折しも、この日はキョドコの28歳の誕生日でした。母親、そして星名とのドロドロの過去を断ち切ったキョドコは、吉崎にプレゼントされたネックレスをつけて吉崎のマンションを訪ねます。多分、バッグの中にはお泊まりセットも忍ばせていたことでしょう。ところが2人だけの甘い甘い誕生日の夜とはなりません。吉崎からの贈り物は、キョドコの誕生日を祝うものではなく、「もう別れよう」という冷たい言葉でした。聞き取り調査で星名のことを断罪しなかったキョドコのことを、星名を庇ったと吉崎は解釈したのです。キョドコがいくら「私が好きなのは吉崎さんだけ」と主張しても、もう吉崎の心の中にはキョドコの居場所はどこにもないのでした。

「もし、この先も付き合っても、それは恋愛じゃなくて、依存する相手が俺に変わるだけじゃないかと思う」と吉崎は冷静に語るのでした。ここにきて吉崎は、キョドコへの想いは実は珍獣のようなキョドコに対する好奇心と暗い過去に悩む弱者に対する同情心だったことに気づいたのでした。吉崎の真面目さが裏目に出てしまいます。恋愛にはいろんな形があるはず。言ってみれば、恋愛のゴールのひとつでもある結婚にも、精神的もしくは経済的な依存が含まれるケースは多いのではないのでしょうか。お互いに完全に自立している男女ならば、一緒に暮らす必要はありません。でも、曲がったことが嫌いな吉崎は、そのことが受け入れられなかったのです。

 吉崎に励まされ、ここまで積み木の塔を懸命に登ってきたキョドコにとっては、いきなりハシゴを外されたような驚きしかありません。いちばん信頼していた吉崎によって、キョドコが登っていた積み木の塔はジェンガのように根底から突き崩されてしまったのです。すっかり星名のことを見限った飯田が「小川さん、すごいね。地獄まで星名さんと一緒に墜ちていくつもり?」と笑っていたとおりの展開となってしまいます。

 結局、子どもの頃に親から愛された記憶のない人間は、どれだけ努力を重ねても、本当の愛を手に入れることができないのでしょうか? 人間はその生い立ちに、一生苦しみ続けなくてはいけないのでしょうか? 漫画家のスズキ先生が言うところの「あちら側の人間」は「こちら側の人間」とは心から交わることはできないのでしょうか?

 せっかく、第8話で視聴率7.9%(ビデオリサーチ、関東地区調べ/以下同)まで盛り返したものの、キョドコの28歳の誕生日があまりにも悲惨すぎたためか、第9話は7.0%と再びダウンしてしまいました。支離滅裂な言動で吉崎だけでなく視聴者も惑わせてきたキョドコですが、最終回はどんなサプライズを見せてくれるのでしょう。星名と一緒に地獄の底まで転げ落ちるのか、吉崎を翻心させることができるのか、それとも……。キョドコ最後の決断に注目が集まります。
(文=長野辰次)

ゲスマニアたちが歓喜した向井理の外道っぷり!! 吉岡里帆が泥棒猫扱いされる『きみ棲み』第8話

 いやんいやんも好きのうちと言いますが、吉岡里帆演じるキョドコのあまりの挙動不審ぶりが気になって、ついつい火曜の夜10時になるとTBSにチャンネル設定してしまう自分がいます。吉岡里帆&TBSの思うツボ状態ですね。そんな『きみが心に棲みついた』(TBS系)も、最終回まで残すところ2話のみとなりました。ロストヴァージンを果たしたキョドコがどうなったのか、第8話をプレイバックしてみましょう。

 漫画誌編集者・吉崎(桐谷健太)の手によって、10年間にわたって貞操帯として機能してきたネジネジストールをついに解除された小川今日子(吉岡里帆)ことキョドコでした。勤務先の下着メーカーではデザイナーの八木(鈴木紗理奈)と堀田(瀬戸朝香)を中心にした新ブランドの第1弾ランジェリーの発表会が開かれ、大盛況。処女を捧げた吉崎からは、バレンタインのお返しにネックレスをプレゼントされました。恋に仕事に、キョドコは絶好調です。

 ところが、好事魔多しです。これまでの暗かった28年間の人生をストールと一緒に脱ぎ捨てたキョドコは全身から幸せオーラを発散させていたのですが、そのことで墓穴を掘ってしまいます。せっかく新ブランドチームの素材担当としての責任を担っていたものの、人気タレントの山藤アイカ(石田ニコル)とのコラボ企画のスタッフへと異動を命じられてしまうのです。キョドコが調子に乗っているのが面白くない、ゲス上司・星名(向井理)の陰謀でした。

 せっかく軌道に乗り始めた新ブランドのチームから離れたくないキョドコは、タクシーに乗ろうとしていた星名を見つけ、強引に同乗します。まさに飛んで火に入る夏の虫とは、このことです。「吉崎と別れるなら、上と掛け合ってもいい」「あいつじゃ、物足りないと思うようになる」とタクシーの後部シートで星名に迫られた挙げ句、吉崎からプレゼントされたばかりのネックレスを引きちぎられてしまいます。

 キョドコはなぜ懲りもせず、星名と2人きりになるシチュエーションを自分から作ってしまうのでしょうか。まったく学習しようとしないキョドコの行動には空いた口が塞がりません。人間は同じ過ちを何度も繰り返す生き物であるという、典型的なサンプルだとしか言いようがありません。

 星名からの「最後に1日、俺と付き合えよ。それで全部終わりにしよう」という提案にまんまと応じるキョドコでした。もちろん、交際相手である吉崎には内緒です。会社の休日、大学時代に通ったボロボロの定食屋を店先で冷やかした後、ハンバーガーをテイクアウトして、野球場へと向かう星名とキョドコ。懐かしい風景に、キョドコは星名を慕っていた大学生の頃にしばしタイムスリップするのでした。ガラガラの客席、キョドコの膝枕で昼寝する星名の無邪気な寝顔には、いつものサディストぶりは微塵も感じられません。キョドコが気を許した瞬間を狙って、星名はキョドコの唇を奪うのでした。キョドコの唇からは、きっと食べたばかりのハンバーガーの肉汁の味がしたことでしょう。

■「何もしないから」は「何かすると思う」の隠語

 

 胸騒ぎの球場を後にした星名は、キョドコを連れて立ち呑み屋へと入っていきます。コップ酒をあおりながら、星名は自分の秘密をキョドコにだけ打ち明けるのでした。星名の母親(岡江久美子)は不倫相手だった星名の実の父親を殺害し、刑務所暮らしを送っていました。大学時代、星名がひとりぼっちで泣いている姿を見て、キョドコは「私、星名さんのために生きます」と誓ったことがあります。星名が泣いていたのは、刑務所にいた母親が自殺未遂騒ぎを起こしたことが原因でした。キョドコはずっと自分は星名に支配されてきたと思い込んでいたのですが、本当は星名がキョドコに依存していたのでした。そのことに、キョドコは初めて気づきます。

 自分を洗脳し、ずっと苦しめ続けてきた星名ですが、大学時代の一時期とはいえ、子どもの頃から孤独だったキョドコに生きる希望を与えてくれた存在だったことは確かです。肉体関係こそなかったものの、キョドコが心の底から好きになった初めての男性でした。酔った星名をこのままひとりで帰すのが心配になったキョドコは、ほいほいと星名のマンションまで付いて行くのでした。何度も繰り返しますが、キョドコには学習能力がまるでありません。

 大学時代から星名は女遊びが派手でしたが、なぜかキョドコにだけは手を出しませんでした。そんな星名から「上がれよ、コーヒー淹れるから。何もしねえよ」と言われ、キョドコは部屋へと入っていきます。ちなみに「何もしない」という誘い言葉は、「多分、何かすると思うよ」の隠語です。キョドコも28歳の社会人なので、さすがにそのことは分かっていたはずです。案の定、部屋に入ったキョドコはソファーで星名に押し倒されるのでした。

 これが大学時代、いや数週前までのキョドコだったら、星名に抵抗することなく、そのまま受け入れていたことでしょう。でも、今のキョドコには吉崎という交際相手がいます。さすがに吉崎を裏切ることはできず、ギリギリのところで星名を拒絶するキョドコでした。ずっとキョドコにとってのご主人さまだった星名ですが、いつの間にかキョドコにお預けを喰らわせられる立場に逆転していたのです。「冗談だよ」と軽口を叩くのが、今の星名には精一杯でした。でも、キョドコとこの日SEXしていたら、星名はきっと行為中に大号泣していたことでしょう。

 キョドコにSEXを拒まれ、さらには「もう、星名さんとは分かりあえる日はこないと思います」と最終通告までされてしまいます。母親からも手紙で「もう私とは関わらないでください」と告げられていた星名には、誰も依存できる相手がいません。広くて、おしゃれなマンションでひとりぼっちになった星名は、「ハハハ、ハハ……。死にてぇ……」とつぶやくことしかできませんでした。

 星名のマンションを出たキョドコには、待ち人がいました。吉崎ではなく、職場の同僚である飯田(石橋杏奈)です。用済みとなって星名に棄てられた飯田は、星名のストーカーと化し、キョドコがマンションから出てくるのをじっと待っていたのです。「弱いふりして、他人の男に手を出して、どこまで卑怯な女なの!?」と見た目はお嬢さんっぽい飯田は髪を振り乱し、ハンドバッグでキョドコをバンバン叩きまくるのでした。どうも、“マゾヒスト”キョドコはいろんな業を呼び込んでしまう体質のようです。「絶対、地獄に突き落としてやる~ッ!!」という飯田の叫び声が、夜の街に響き渡る『きみ棲み』第8話のラストでした。

 さらに第8話のエンディングでは、編集部でお仕事していた吉崎のところに、郵送で映像データが届けられます。キョドコの校内ストリップに続く、衝撃映像第2弾です。映像データを吉崎が会社のパソコンで再生すると、そこには星名と連れ立ってマンションへと消えていくキョドコの姿が。交際疑惑が発覚した芸能人は、よく「部屋で一緒にゲームしていた」「演技論について語り合っていた」みたいな言い訳をしますが、キョドコは吉崎にどう説明するのでしょうか?

 デーモン星名こと向井理が、女心を弄ぶサディストぶりと母犬とはぐれた子犬のような心細そうな表情との二面性を存分に見せつけた第8話。次週予告を見ると、星名のパワハラ&セクハラが社内でようやく問題になるようです。第1話の視聴率9.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)をピークに、数字的にはなだらかに下降し、第7話では6.5%まで下がってしまいましたが、第8話は7.9%と初めて盛り返しを見せました。世の中にはイケメンの外道っぷりを、さらにはその破滅する姿までをたっぷり楽しみたいというゲスマニアがかなり多いと思われます。残り2話、向井理がゲス野郎の断末魔をどう見せてくれるのか楽しみで仕方ありません。
(文=長野辰次)