「親を悪く言うな!」二世タレント・工藤阿須加が性格俳優として覚醒した『明日の約束』第7話

「3回くらい会うと、その人の粗というか鼻につくところが見えちゃったりするわね。本庄さんいい人だろうけど、なんか心がこもってないというか、表面的な感じがするのよ。あーゆータイプは気をつけたほうがいいわよ」

 視聴者を容赦なく人間不信の蟻地獄へと引きずり込む、井上真央主演の社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)。第7話はスクールカウンセラーである日向先生(井上真央)が婚約者・本庄(工藤阿須加)の両親と食事会を開くというエピソードを中心に物語が進んでいきます。

 結納みたいな堅苦しいことは抜きにして、両家が顔合わせする食事会をやりたいと日向先生の自宅まで伝えにきた本庄でした。本庄が帰った直後、コタツでまったりしながら日向の母・尚子(手塚理美)が口の中で梅干しの種でもねぶるかのように吐いた台詞が冒頭のものです。これ、リアルに怖いですね。嫁(夫)の実家って、あーゆーふうに細かくチェックしているものなんですね。

 尚子の毒台詞にうなだれる日向先生ですが、今回ばかりは尚子の眼力が勝っていたと言うしかありません。いつも瞳をウルウルさせ、年上の日向に従順そうだった本庄が、第7話のラストで豹変してしまうわけですから。専業主婦である尚子ですが、毒親だけあって自分に近寄ってくる人間の毒含有率を見抜く能力はハンパありません。

 二世タレントである工藤阿須加はこれまで爽やかな役を演じることが多かったのですが、今回、性格俳優として本格覚醒を果たすことになる本庄の大変身ぶりをじっくり追ってみましょう。

 

■気まずい雰囲気の中で食べる鍋料理の味

 

 第7話で物語を大きく動かすのは、自殺した圭吾の妹・英美里(竹内愛紗)です。母親・真紀子(仲間由紀恵)は長男である圭吾だけを溺愛し、英美里は家の中に自分の居場所がありませんでした。圭吾が亡くなり、真紀子はますます圭吾のことしか考えないようになってしまいました。父親(近江谷太朗)は愛人を囲っており、ほとんど家には帰ってきません。中学生という多感な時期に兄を自殺で失ったのに、誰も英美里のことを気にはしてくれません。父親ぐらいの年齢のオッサン相手に援助交際を試みる英美里でしたが、圭吾が所属していたバスケ部のマネジャー・増田(山口まゆ)にその現場が見つかり、帰宅を促されます。

 一方、本庄のマンション。食事会の段取りが済み、ひと安心した本庄と日向先生は仲良く鍋料理の準備をしていました。ところが本庄が「結婚したら、しばらく仕事は休んだら」「日向も結婚したら、いずれは母親になるわけだし」とストレスを抱え気味な日向のことを心配した言葉を掛けたところ、これに日向先生はカチンと来ます。思わず「結婚と母親になることはイコールじゃない」と言い返しますが、このまま感情を爆発させては自分が憎んでいる毒親・尚子と同類になってしまいます。鍋料理を前にして、それ以上の本音はぐっと呑み込む日向でした。グツグツと煮えたぎる鍋は恋人たちの内面のようです。食事会の前から、すでに導火線に火は点いていたのでした。

 いよいよ食事会当日。日向先生がこの日は早めに帰宅すると、すでに尚子はいません。リビングには「ママが大好きな日向のために選びました」と言わんばかりの白いワンピースが用意されていました。日向は大きなため息をつきながらも、尚子が選んだ勝負服に着替えるのでした。

 食事会が開かれるホテルのロビーに、美容室でドレスアップした和服姿の尚子が到着。「お母さん、お似合いです♪」とブライダル業に従事している本庄だけに、この手のお世辞が板に付いています。そんな社交辞令でも、まんざらでもない尚子は満面の笑みを見せてくれます。この人が笑顔を見せると、その後の反動が実に恐ろしいわけですが……。日向先生ももうすぐホテルに、というところで、視聴者みんなが予測したとおり英美里をめぐるトラブルが再び発生します。まっすぐ食事会に向かえば自分の幸せが手に入るのに、日向先生にはそれができません。

 英美里が援助交際する寸前で辛うじて防いだマネジャー増田と日向先生。奇しくも毒親に苦しんでいる女たち3人です。運命的なものを感じさせます。高校のスクールカウンセラーである日向先生にとって、中学生の英美里は口を出す相手ではないのですが、同じ毒親被害者として放っておくわけにはいきませんでした。日向先生を裁判で訴えるつもりの真紀子から冷たくあしらわれることを承知で、タクシーに英美里を同乗させて真紀子のもとまで送り届けるのでした。

 

■そして、地獄の門の扉が開いた……

 

 英美里がエンコー地獄へと堕ちていくのを救った日向先生でしたが、そんな彼女を待っていたのは見渡す限りの針のむしろ地獄でした。本庄から「食事会、もう解散したから」という素っ気ないメッセージが入り、続いて尚子の罵声がスマホから響き渡ります。

「何やってんの? ママに恥をかかせるために来なかったの? 何がトラブルよ。こっちにトラブル起こしておいて! もう終わりよ! 終わりッ!!」

 スマホの電源をオフにして、本庄のマンションへと猛ダッシュする日向先生。「ごめん、カズ」と素直に謝ろうとしますが、本庄は「僕やうちの両親はいいんだ。でも、お母さんには悪いことをしたと思う。日向のことを心配する、いいお母さんじゃないか」とペコペコ頭を下げ通しだった尚子のことを気遣います。このとき日向は、本庄が自分と目線を合わせようとしないことに気づきません。「あの人、外面はいいから」「両親に愛された人には分からないよ」とついつい日向は普段から溜め込んでいた尚子への不満を年下の本庄の前でこぼしてしまいます。その直後、日向のいる世界は一変したのでした。

「親を悪く言うな!」

 両目をカッと見開いた本庄はテーブルの上に置いてあったコーヒーカップをなぎ払い、次の瞬間には日向先生は壁際まで吹っ飛んでいました。あまりの突発的な出来事に何が起きたのか日向先生には分かりません。さらに本庄は日向先生の髪を鷲掴みにして、紅潮させた顔で睨みつけます。純朴な好青年だと思っていた恋人がDV人間だったという恐怖!!! 恐ろしいことに、尚子の毒予想が当たっていたのです!

 毒親たちと闘う日向先生にとって、唯一の心の拠り所だった恋人・本庄に牙を剥かれてしまった第7話。日向先生が職場の悩みを相談できる相手・霧島先生(及川光博)は、今週もネットの掲示板に真紀子の悪口を書き込むことに夢中です。カフェで真紀子ディスの書き込みに熱中しすぎて、復讐鬼と化した香澄(佐久間由衣)が背後に迫っていることに気づきません。「志村、後ろー!」状態です。

 信頼していた霧島先生が、実は裏で暗躍していたことを知ったら日向先生のショックはどれだけでしょうか。もう誰にも救いを求めることができない日向先生。まるで希望のない展開に、視聴者も絶望感しか感じられずに視聴率はさらにワースト更新となる4.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という結果に。日向先生だけでなく、視聴者もキャストもテレビ局側もみんな地獄を見るという前代未聞のドラマとなりつつあります。最終回まであとわずか。どうせなら、地獄の底まで見てみようじゃありませんか。
(文=長野辰次)

「親を悪く言うな!」二世タレント・工藤阿須加が性格俳優として覚醒した『明日の約束』第7話

「3回くらい会うと、その人の粗というか鼻につくところが見えちゃったりするわね。本庄さんいい人だろうけど、なんか心がこもってないというか、表面的な感じがするのよ。あーゆータイプは気をつけたほうがいいわよ」

 視聴者を容赦なく人間不信の蟻地獄へと引きずり込む、井上真央主演の社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)。第7話はスクールカウンセラーである日向先生(井上真央)が婚約者・本庄(工藤阿須加)の両親と食事会を開くというエピソードを中心に物語が進んでいきます。

 結納みたいな堅苦しいことは抜きにして、両家が顔合わせする食事会をやりたいと日向先生の自宅まで伝えにきた本庄でした。本庄が帰った直後、コタツでまったりしながら日向の母・尚子(手塚理美)が口の中で梅干しの種でもねぶるかのように吐いた台詞が冒頭のものです。これ、リアルに怖いですね。嫁(夫)の実家って、あーゆーふうに細かくチェックしているものなんですね。

 尚子の毒台詞にうなだれる日向先生ですが、今回ばかりは尚子の眼力が勝っていたと言うしかありません。いつも瞳をウルウルさせ、年上の日向に従順そうだった本庄が、第7話のラストで豹変してしまうわけですから。専業主婦である尚子ですが、毒親だけあって自分に近寄ってくる人間の毒含有率を見抜く能力はハンパありません。

 二世タレントである工藤阿須加はこれまで爽やかな役を演じることが多かったのですが、今回、性格俳優として本格覚醒を果たすことになる本庄の大変身ぶりをじっくり追ってみましょう。

 

■気まずい雰囲気の中で食べる鍋料理の味

 

 第7話で物語を大きく動かすのは、自殺した圭吾の妹・英美里(竹内愛紗)です。母親・真紀子(仲間由紀恵)は長男である圭吾だけを溺愛し、英美里は家の中に自分の居場所がありませんでした。圭吾が亡くなり、真紀子はますます圭吾のことしか考えないようになってしまいました。父親(近江谷太朗)は愛人を囲っており、ほとんど家には帰ってきません。中学生という多感な時期に兄を自殺で失ったのに、誰も英美里のことを気にはしてくれません。父親ぐらいの年齢のオッサン相手に援助交際を試みる英美里でしたが、圭吾が所属していたバスケ部のマネジャー・増田(山口まゆ)にその現場が見つかり、帰宅を促されます。

 一方、本庄のマンション。食事会の段取りが済み、ひと安心した本庄と日向先生は仲良く鍋料理の準備をしていました。ところが本庄が「結婚したら、しばらく仕事は休んだら」「日向も結婚したら、いずれは母親になるわけだし」とストレスを抱え気味な日向のことを心配した言葉を掛けたところ、これに日向先生はカチンと来ます。思わず「結婚と母親になることはイコールじゃない」と言い返しますが、このまま感情を爆発させては自分が憎んでいる毒親・尚子と同類になってしまいます。鍋料理を前にして、それ以上の本音はぐっと呑み込む日向でした。グツグツと煮えたぎる鍋は恋人たちの内面のようです。食事会の前から、すでに導火線に火は点いていたのでした。

 いよいよ食事会当日。日向先生がこの日は早めに帰宅すると、すでに尚子はいません。リビングには「ママが大好きな日向のために選びました」と言わんばかりの白いワンピースが用意されていました。日向は大きなため息をつきながらも、尚子が選んだ勝負服に着替えるのでした。

 食事会が開かれるホテルのロビーに、美容室でドレスアップした和服姿の尚子が到着。「お母さん、お似合いです♪」とブライダル業に従事している本庄だけに、この手のお世辞が板に付いています。そんな社交辞令でも、まんざらでもない尚子は満面の笑みを見せてくれます。この人が笑顔を見せると、その後の反動が実に恐ろしいわけですが……。日向先生ももうすぐホテルに、というところで、視聴者みんなが予測したとおり英美里をめぐるトラブルが再び発生します。まっすぐ食事会に向かえば自分の幸せが手に入るのに、日向先生にはそれができません。

 英美里が援助交際する寸前で辛うじて防いだマネジャー増田と日向先生。奇しくも毒親に苦しんでいる女たち3人です。運命的なものを感じさせます。高校のスクールカウンセラーである日向先生にとって、中学生の英美里は口を出す相手ではないのですが、同じ毒親被害者として放っておくわけにはいきませんでした。日向先生を裁判で訴えるつもりの真紀子から冷たくあしらわれることを承知で、タクシーに英美里を同乗させて真紀子のもとまで送り届けるのでした。

 

■そして、地獄の門の扉が開いた……

 

 英美里がエンコー地獄へと堕ちていくのを救った日向先生でしたが、そんな彼女を待っていたのは見渡す限りの針のむしろ地獄でした。本庄から「食事会、もう解散したから」という素っ気ないメッセージが入り、続いて尚子の罵声がスマホから響き渡ります。

「何やってんの? ママに恥をかかせるために来なかったの? 何がトラブルよ。こっちにトラブル起こしておいて! もう終わりよ! 終わりッ!!」

 スマホの電源をオフにして、本庄のマンションへと猛ダッシュする日向先生。「ごめん、カズ」と素直に謝ろうとしますが、本庄は「僕やうちの両親はいいんだ。でも、お母さんには悪いことをしたと思う。日向のことを心配する、いいお母さんじゃないか」とペコペコ頭を下げ通しだった尚子のことを気遣います。このとき日向は、本庄が自分と目線を合わせようとしないことに気づきません。「あの人、外面はいいから」「両親に愛された人には分からないよ」とついつい日向は普段から溜め込んでいた尚子への不満を年下の本庄の前でこぼしてしまいます。その直後、日向のいる世界は一変したのでした。

「親を悪く言うな!」

 両目をカッと見開いた本庄はテーブルの上に置いてあったコーヒーカップをなぎ払い、次の瞬間には日向先生は壁際まで吹っ飛んでいました。あまりの突発的な出来事に何が起きたのか日向先生には分かりません。さらに本庄は日向先生の髪を鷲掴みにして、紅潮させた顔で睨みつけます。純朴な好青年だと思っていた恋人がDV人間だったという恐怖!!! 恐ろしいことに、尚子の毒予想が当たっていたのです!

 毒親たちと闘う日向先生にとって、唯一の心の拠り所だった恋人・本庄に牙を剥かれてしまった第7話。日向先生が職場の悩みを相談できる相手・霧島先生(及川光博)は、今週もネットの掲示板に真紀子の悪口を書き込むことに夢中です。カフェで真紀子ディスの書き込みに熱中しすぎて、復讐鬼と化した香澄(佐久間由衣)が背後に迫っていることに気づきません。「志村、後ろー!」状態です。

 信頼していた霧島先生が、実は裏で暗躍していたことを知ったら日向先生のショックはどれだけでしょうか。もう誰にも救いを求めることができない日向先生。まるで希望のない展開に、視聴者も絶望感しか感じられずに視聴率はさらにワースト更新となる4.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という結果に。日向先生だけでなく、視聴者もキャストもテレビ局側もみんな地獄を見るという前代未聞のドラマとなりつつあります。最終回まであとわずか。どうせなら、地獄の底まで見てみようじゃありませんか。
(文=長野辰次)

イジメ被害者同士による“復讐代行”という深い闇!! 善と悪の境界線が消滅した『明日の約束』第6話

「あなたも子どもを持てば、きっと私の気持ちが分かるはずです。母親にとって子どもの存在は人生のすべてなんです。それを奪われたつらさや苦しみは、子を持つ親にならないと理解できません」

 とんでもない展開を迎えつつある井上真央主演の社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)。息子を自殺で失った毒親・吉岡真紀子(仲間由紀恵)とスクールカウンセラーとして自殺の真相に迫る日向先生(井上真央)が、第6話の冒頭で直接対決を果たします。お互いに話し方こそ穏やかですが、言葉の裏側には敵意が隠されており、素人の目には見えない激しいジャブの応酬が繰り広げられます。

 これまでにも日向先生と真紀子は、吉岡家や葬儀場でも火花を散らしましたが、今回は日向先生のホームグラウンドである高校の相談室でのタイマン対決です。日向先生は落ち着いた口調で、真紀子の亡くなった息子・圭吾(遠藤健慎)が送った「僕は、先輩のせいで死にます」というラストメールと死亡時刻が合わないという矛盾点を指摘します。「お前の企みは、すべてまるっとお見通しだ」と言わんばかりの日向先生を前にして、真紀子がついにモンスターとしての本性を現わすのでした。

「私が送りました。それが圭吾の本当の気持ちだったからです。あの子は遺書を残さず、誰のことも責めず、理由も言わずに命を絶ちました。あの子のことをいちばん理解している私が気持ちを代弁して何が悪いんでしょうか?」

 日向先生にとって聖なる職場である学校の相談室が、モンスターマザーの毒気と理不尽さが渦巻く恐怖の底なし沼へと変貌していきます。モンスターを覚醒させてしまった日向先生の背筋に悪寒が走ります。折しも、日向先生は恋人である本庄(工藤阿須加)からプロポーズされたばかり。日向先生が抱いていた結婚や家庭といった理想像まで、真紀子が振りまく毒素によって汚染されていくかのようです。

 真紀子は、圭吾が自殺する前夜に日向先生と2人っきりで秘密の会話をしていたことが許せません。「あの子の心を乱したのは、あなたです」「何を話したんですか?」「ふざけないでください。圭吾を死なせたことへの負い目があるんじゃないですか?」と日向先生へ畳み掛けるようなボディブローの連打を浴びせます。裁判前の前哨戦でズタボロにされてしまった日向先生。「ま、今日はこのへんで勘弁しといたろ」と池乃めだか級のギャグで返せる人だったらよかったのですが……。

 

■尚子の背中を見るだけで、日向先生も視聴者もドキドキ!

 

 日向先生が対峙しなくてはいけない毒親は、真紀子だけではありません。実の母親である尚子(手塚理美)に、そろそろ本庄から結婚を申し込まれたことを伝えなくてはいけません。日向の看病の甲斐あって、すっかり体調を取り戻した尚子。文鳥のピッピちゃんの世話をしている尚子の背中に向かって、日向は本庄からプロポーズされたことを報告します。振り返った瞬間、尚子の表情が鬼顔なのか優しい母親顔なのか、日向先生も視聴者もドキドキです!

「ふ~ん、よかったじゃない。おめでとう! ピッピ、結婚だって~」

 尚子が鬼顔じゃなくて、ホッとひと安心です。母娘で盛り上がるはずのプロポーズ報告シーンですが、日向先生は心の中で「母は自分の決めた理想からはみ出さない限り、怒らない人だから」と呟くだけで、素直に喜ぶことができません。自分の行動基準が、母親である尚子を怒らせないかどうかになっていることを恨めしく感じる日向先生でした。尚子の毒は、今なお日向先生の心を侵蝕したままなのです。

 そして本庄の実家に、あいさつへと出向く日向先生。本庄の優しく温和そうな両親に迎え入れられ、胸を撫で下ろします。ところが11年前に交通事故で亡くなったという本庄の兄のことが話題に上がると、その途端に本庄が顔をしかめます。日向が仏壇に手を合わせることすら嫌がっているようです。いつも明るく裏表のない本庄にも、実は暗い影が差し込んでいることを知って、むしろ日向先生は安心したようです。

 本庄家のダークサイドを知った日向先生は、ついつい過去の自分のWARU自慢に走ります。尚子と日向との最大のトラウマとなっている神社の石段からの転落事故ですが、尚子の入院中に日向は志望校をこっそり変え、東京の大学を受験したことを本庄に明かします。母親の不幸に付け込むことで、日向先生は臨床心理士という道を見つけ、本庄とも出会ったのでした。生徒たちの心の闇に向かい合う日向先生も、決して純粋無垢な善の存在ではなかったのです。

 

■暗い情熱をほとばしらせるミッチー!

 

 バスケ部顧問の辻先生(神尾佑)とキャプテンの長谷部(金子大地)を血祭りにした謎の襲撃犯の続報です。長谷部が襲われた現場にいたマネジャー・増田(山口まゆ)の証言によって、逃げ出したのは背の高い痩せた女性だったことが分かります。これで襲撃犯=圭吾の幼なじみ・香澄(佐久間由衣)説がほぼ確定しました。さらに香澄が2年途中で退学したときの担任だった宮崎先生(馬渕英里何)からも「香澄のことが心配」と相談されます。いつも日向先生を邪険にしていた宮崎先生ですが、実は生徒想いの情の深い教師でした。『白線流し』(96年/フジテレビ系)の頃の輝いていた馬渕を見ていたファンにはうれしいひとコマです。香澄に言わせれば「不器用だけど、いい先生」とのこと。逆に、すべてソツなくこなす霧島先生(及川光博)に対しては、香澄は心を閉ざしていたようです。

 何度もスマホに連絡を入れ、ようやく香澄を捕まえた日向先生。そこは歩道橋の上でした。その歩道橋は、香澄をイジメていた女子生徒が何者かに突き落とされて重傷を負った事件現場でもあったのです。当初は香澄が犯人として疑われていたのですが、香澄はバイト中だったというアリバイがあり、無罪放免となったのでした。

 ところが、香澄の口からヒッチコック映画ばりの巧妙な犯罪トリックが明かされます。香澄がイジメられていることを知った年下の圭吾が復讐代行したのです。動機のない人間は容疑者リストに上がりません。そのことを恩義に感じていた香澄は、圭吾が亡くなった後、圭吾をイジメていたとネット上で噂された辻先生や長谷部を襲ったのです。イジメられっ子同士による“復讐同盟”が存在したという驚がくの展開です。しかも、香澄は「もう1人、やらなくちゃいけない」と不気味な犯行予告を残して歩道橋から駆け下りていくのでした。

 気になるのは、ミッチー演じる霧島先生の動向です。超マジメ教師と思われていた霧島先生ですが、第5話では長谷部が校内で暴れている動画をマスコミにリークした疑いが浮上してきました。体育の授業中に生徒たちの所持品をひとつずつ舐めるように検査していたのでしょうか。今回の霧島先生は誰もいない職員室で、せっせと2ちゃんねるのようなネット掲示板に「悪いのは母親。母親は毒親。モンスターペアレント」と真紀子ディスのコメントを熱心に書き連ねています。暗い情熱をほとばしらせるミッチー。2ちゃんねるに一心不乱に書き込む姿が絵になるスターって、ミッチーぐらいでしょうね。

 もはや『明日の約束』の登場人物たちは、善と悪の二元論では語ることができなくなってしまいました。善人面した人々よりも、ハイエナのように事件にたかる週刊誌記者・小嶋(青柳翔)のほうが「記事のネタになるなら何でも美味しくいただく」というブレのない姿勢に思えてきます。人間は誰もが、表の顔と裏の顔を使い分けることでこの社会を生きているようです。圭吾はそのことを受け止めることができずに、この世を去っていったのかもしれません。大人たちは憎しみ、傷つけあう中で、圭吾だけが永遠に16歳のままなのです。

 残念なことに、第6話の視聴率は過去最低の4.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)とついに禁断の5%台を切ってしまいました。凝ったミステリー構成と高尚すぎるテーマ性が仇となってしまったようです。視聴率的には今秋のプライムタイム枠の連ドラの中で最下位を独走する『明日の約束』ですが、ここまで来たら従来のTVドラマが到達できなかった深遠なる境地を目指し、伝説のドラマになってほしいと願います。今週の『明日の約束』も最後までしっかり見届けることを約束します。

(文=長野辰次)

嘘だといってよ、ミッチー! 衝撃的すぎる展開に視聴者が引いてしまった『明日の約束』第5話

「僕と結婚してほしい。僕は日向(ひなた)の味方だから。今はそんなタイミングじゃないと分かっているけど。いや、やっぱり今のはなしにしよう。どこか夜景の見えるレストランを予約して、指輪も用意して……」

 井上真央主演の社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)の第5話。スクールカウンセラーである日向先生(井上真央)が、息子を自殺で失ったセレブ主婦・真紀子(仲間由紀恵)と実の母親である尚子(手塚理美)からW“毒親”攻撃をくらっているのを見かねた恋人の本庄(工藤阿須加)はついにプロポーズの言葉を。いきなり求婚の言葉を口にしながら、「プロポーズはシャレたシチュエーションで婚約指輪をさりげなく渡し、一生の甘い思い出に」という理想像にこだわってすぐに撤回しようとする本庄の慌てんぼうぶりは、日向先生にはちょっと頼りないけど愛らしい存在として映ります。尚子が文鳥のピッピちゃんを飼っているように、日向先生にとっては年下の本庄は図体のでかいペットみたいなものなのかもしれません。

「いいよ、結婚しよう。でも、学校のことが落ち着いてからね」

 大学時代からの先輩でもある日向は、常に本庄に対して上から目線で接しています。尚子が少女時代の日向をずっとコントロールし続けたように、日向もまた邪気のない本庄をコントロールする立場に立とうとしているようです、しかも無意識のうちに。プロポーズの返事にドキドキしていた本庄ですが、とりあえず日向の合意をもらえ、ひと安心。その直後の日向とのラブシーンですが、今回もキスはお預けでハグ止まりでした。最高にハッピーなはずのプロポーズシーンながら、結婚後の日向の将来像を感じさせる一抹の怖さがありました。日向は自分が母親になったとき、自分も毒親になるのではないかとかなり苦しむのではないでしょうか。

 みなさんお待ちかね、今週の尚子の時間です。前回は“大魔神”に瞬間変身してみせるなど張り切りすぎたため、今回は省エネモードの尚子でした。生徒たちへの聞き取り調査を行った晩、日向が自宅に帰ってくると、尚子は風邪を引いているらしくリビングのソファーで静かに横になっていました。そんな尚子のために、日向はリンゴを擦り下します。日向と尚子との初めての母娘らしい心温まるシーンでした。

 毎週楽しみにしていた恐怖の洗脳ノート「明日の約束」は読み上げられませんでしたが、「病気のときだけ、母は優しくしてくれた」と数少ない尚子との幸せだった記憶を日向は懐かしみます。毒親の体調が悪いときだけの束の間の幸せですが、人生とはこんな小さな幸せを噛み締めながら生きていくことなのかもしれませんね。

 

■盗聴、偽装メールは当たり前!? 毒親という名の家庭内独裁者

 

 第5話はこのまま日向先生の幸せモード全開で逃げ切れるかと思いきや、最凶毒親・真紀子がそれを許してはくれません。「鎌倉からイジメを根絶する会」の顧問弁護士と子どもがイジメの被害にあった不幸そうな母親たちを従え、記者会見を堂々と開きます。「息子・圭吾が自殺したのはバスケ部内のイジメとそれを知りながら不適切な対応しかしなかった高校側の責任」と公的に攻撃を開始したのです。仲間由紀恵の真紀子用メークは真っ白い顔に目のフチだけ赤くなっていて、泣きはらした悲劇の母親にも、目だけ赤く濡れ光っているモンスターのようにも映り、妙に怖いんですよ。

 記者会見の場で真紀子は、「圭吾がバスケ部の先輩からタバコを吸うことを強要されていた証拠があります」と圭吾(渡辺健慎)の部屋でバスケ部のキャプテン・長谷部(金子大地)がタバコを吸っていた際の音声データを流します。どよめく記者たち。視聴者もどよめきました。やっぱり真紀子は、息子・圭吾の部屋を盗聴&録音していたのです。しかも、週刊誌記者の小嶋(青柳翔)の情報によれば、圭吾が自殺したのは夜中の2時から朝方の5時の間。つまり、長谷部が登校中に受け取った圭吾からのラストメール「僕は、先輩のせいで死にます」は圭吾本人が送ったものではないことが判明します。真紀子は圭吾の部屋を盗聴していただけでなく、圭吾に成り済まして偽メールも送っていたようです。息子の自殺した責任を、バスケ部や学校側に全部押しつけようという真紀子の恐るべき陰謀が明るみになったのでした。

 第5話の衝撃はまだ終わりません。長谷部が校内で暴れていた様子を動画に撮ったのは圭吾と同じクラスだった1年B組の渡辺(堀家一希)だったことが発覚します。バスケ部員たちに取り囲まれた渡辺は「動画は撮ったけど、ネットにはアップしていない。データが盗まれたんだ。多分、翌日の体育の時間に」と素直にゲロします。

 体育の授業中に、誰もいない教室に入っても不自然ではないのは、担任教師である霧島先生(及川光博)だけです。なんと、ミッチーが影で騒ぎを操っていた!? 確かに、ただの善意の塊のような教師役に、トリックスターであるミッチーをキャスティングするのは不自然です。映画『僕だけがいない街』(16)でも二面性のある教師役を嬉々として演じていた過去があります。ミステリーとしては意外性のある展開は評価されるものですが、常にトラブルの最前線に立つ霧島先生のことをすっかり信用していただけに、これは日向先生ならずとも視聴者も大ショックです。『相棒13』(テレビ朝日系)の最終回でダークナイトの正体が成宮寛貴だった級の衝撃です。お願いだから、嘘だといってよ、ミッチー!

 さらにラスト近く、圭吾が自殺したのは自分のせいではないことが分かってうれし泣きしていた長谷部ですが、いつものように個人練習に励んでいた夜の公園で黒づくめの人物からスタンガンで襲われます。ハロウィンの夜にバスケ部顧問の辻先生(神尾佑)が襲われたのと同じ手口です。この襲撃犯はてっきり圭吾の自殺事件を知った愉快犯、しかも屈強な男性と思っていたのですが、ここに来て視聴者の頭の中の容疑者リストの筆頭に、圭吾の幼なじみだった香澄(佐久間由衣)が急浮上。たしかに佐久間由衣は身長170cmあるので、夜間にもったりした衣服を着ていれば男性にも見えるでしょう。香澄は毒親・真紀子と直接繋がっているとは思えませんが、動画のマスコミへの流失事件も含め、真紀子の思惑どおりにすべての物事が進んでいるではありませんか。

 もはや、誰が日向先生の味方で、誰が敵なのか、まるで分からなくなってきた『明日の約束』第5話。視聴率は先週微増した5.8%から再び下降して5.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)に。テーマ性のはっきりしたドラマなので途中打ち切りはないと信じたいところですが、5%を切ってしまうと打ち切り説も噴き出しかねない超危険水域となってしまいます。また、今後このような意欲的な社会派ドラマは製作されにくくなるでしょう。視聴率にも見放された感のある『明日の約束』。日向先生の明日はいったいどっちでしょうか?
(文=長野辰次)

嘘だといってよ、ミッチー! 衝撃的すぎる展開に視聴者が引いてしまった『明日の約束』第5話

「僕と結婚してほしい。僕は日向(ひなた)の味方だから。今はそんなタイミングじゃないと分かっているけど。いや、やっぱり今のはなしにしよう。どこか夜景の見えるレストランを予約して、指輪も用意して……」

 井上真央主演の社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)の第5話。スクールカウンセラーである日向先生(井上真央)が、息子を自殺で失ったセレブ主婦・真紀子(仲間由紀恵)と実の母親である尚子(手塚理美)からW“毒親”攻撃をくらっているのを見かねた恋人の本庄(工藤阿須加)はついにプロポーズの言葉を。いきなり求婚の言葉を口にしながら、「プロポーズはシャレたシチュエーションで婚約指輪をさりげなく渡し、一生の甘い思い出に」という理想像にこだわってすぐに撤回しようとする本庄の慌てんぼうぶりは、日向先生にはちょっと頼りないけど愛らしい存在として映ります。尚子が文鳥のピッピちゃんを飼っているように、日向先生にとっては年下の本庄は図体のでかいペットみたいなものなのかもしれません。

「いいよ、結婚しよう。でも、学校のことが落ち着いてからね」

 大学時代からの先輩でもある日向は、常に本庄に対して上から目線で接しています。尚子が少女時代の日向をずっとコントロールし続けたように、日向もまた邪気のない本庄をコントロールする立場に立とうとしているようです、しかも無意識のうちに。プロポーズの返事にドキドキしていた本庄ですが、とりあえず日向の合意をもらえ、ひと安心。その直後の日向とのラブシーンですが、今回もキスはお預けでハグ止まりでした。最高にハッピーなはずのプロポーズシーンながら、結婚後の日向の将来像を感じさせる一抹の怖さがありました。日向は自分が母親になったとき、自分も毒親になるのではないかとかなり苦しむのではないでしょうか。

 みなさんお待ちかね、今週の尚子の時間です。前回は“大魔神”に瞬間変身してみせるなど張り切りすぎたため、今回は省エネモードの尚子でした。生徒たちへの聞き取り調査を行った晩、日向が自宅に帰ってくると、尚子は風邪を引いているらしくリビングのソファーで静かに横になっていました。そんな尚子のために、日向はリンゴを擦り下します。日向と尚子との初めての母娘らしい心温まるシーンでした。

 毎週楽しみにしていた恐怖の洗脳ノート「明日の約束」は読み上げられませんでしたが、「病気のときだけ、母は優しくしてくれた」と数少ない尚子との幸せだった記憶を日向は懐かしみます。毒親の体調が悪いときだけの束の間の幸せですが、人生とはこんな小さな幸せを噛み締めながら生きていくことなのかもしれませんね。

 

■盗聴、偽装メールは当たり前!? 毒親という名の家庭内独裁者

 

 第5話はこのまま日向先生の幸せモード全開で逃げ切れるかと思いきや、最凶毒親・真紀子がそれを許してはくれません。「鎌倉からイジメを根絶する会」の顧問弁護士と子どもがイジメの被害にあった不幸そうな母親たちを従え、記者会見を堂々と開きます。「息子・圭吾が自殺したのはバスケ部内のイジメとそれを知りながら不適切な対応しかしなかった高校側の責任」と公的に攻撃を開始したのです。仲間由紀恵の真紀子用メークは真っ白い顔に目のフチだけ赤くなっていて、泣きはらした悲劇の母親にも、目だけ赤く濡れ光っているモンスターのようにも映り、妙に怖いんですよ。

 記者会見の場で真紀子は、「圭吾がバスケ部の先輩からタバコを吸うことを強要されていた証拠があります」と圭吾(渡辺健慎)の部屋でバスケ部のキャプテン・長谷部(金子大地)がタバコを吸っていた際の音声データを流します。どよめく記者たち。視聴者もどよめきました。やっぱり真紀子は、息子・圭吾の部屋を盗聴&録音していたのです。しかも、週刊誌記者の小嶋(青柳翔)の情報によれば、圭吾が自殺したのは夜中の2時から朝方の5時の間。つまり、長谷部が登校中に受け取った圭吾からのラストメール「僕は、先輩のせいで死にます」は圭吾本人が送ったものではないことが判明します。真紀子は圭吾の部屋を盗聴していただけでなく、圭吾に成り済まして偽メールも送っていたようです。息子の自殺した責任を、バスケ部や学校側に全部押しつけようという真紀子の恐るべき陰謀が明るみになったのでした。

 第5話の衝撃はまだ終わりません。長谷部が校内で暴れていた様子を動画に撮ったのは圭吾と同じクラスだった1年B組の渡辺(堀家一希)だったことが発覚します。バスケ部員たちに取り囲まれた渡辺は「動画は撮ったけど、ネットにはアップしていない。データが盗まれたんだ。多分、翌日の体育の時間に」と素直にゲロします。

 体育の授業中に、誰もいない教室に入っても不自然ではないのは、担任教師である霧島先生(及川光博)だけです。なんと、ミッチーが影で騒ぎを操っていた!? 確かに、ただの善意の塊のような教師役に、トリックスターであるミッチーをキャスティングするのは不自然です。映画『僕だけがいない街』(16)でも二面性のある教師役を嬉々として演じていた過去があります。ミステリーとしては意外性のある展開は評価されるものですが、常にトラブルの最前線に立つ霧島先生のことをすっかり信用していただけに、これは日向先生ならずとも視聴者も大ショックです。『相棒13』(テレビ朝日系)の最終回でダークナイトの正体が成宮寛貴だった級の衝撃です。お願いだから、嘘だといってよ、ミッチー!

 さらにラスト近く、圭吾が自殺したのは自分のせいではないことが分かってうれし泣きしていた長谷部ですが、いつものように個人練習に励んでいた夜の公園で黒づくめの人物からスタンガンで襲われます。ハロウィンの夜にバスケ部顧問の辻先生(神尾佑)が襲われたのと同じ手口です。この襲撃犯はてっきり圭吾の自殺事件を知った愉快犯、しかも屈強な男性と思っていたのですが、ここに来て視聴者の頭の中の容疑者リストの筆頭に、圭吾の幼なじみだった香澄(佐久間由衣)が急浮上。たしかに佐久間由衣は身長170cmあるので、夜間にもったりした衣服を着ていれば男性にも見えるでしょう。香澄は毒親・真紀子と直接繋がっているとは思えませんが、動画のマスコミへの流失事件も含め、真紀子の思惑どおりにすべての物事が進んでいるではありませんか。

 もはや、誰が日向先生の味方で、誰が敵なのか、まるで分からなくなってきた『明日の約束』第5話。視聴率は先週微増した5.8%から再び下降して5.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)に。テーマ性のはっきりしたドラマなので途中打ち切りはないと信じたいところですが、5%を切ってしまうと打ち切り説も噴き出しかねない超危険水域となってしまいます。また、今後このような意欲的な社会派ドラマは製作されにくくなるでしょう。視聴率にも見放された感のある『明日の約束』。日向先生の明日はいったいどっちでしょうか?
(文=長野辰次)

ついに明かされた毒親・尚子の洗脳テクニック!! 視聴率もわずかに上昇の『明日の約束』第4話

「小学生のころ、私の持ち物はすべてお母さんが選んでいた。中学生のときは、おしゃれ禁止だった。高校生になると、進学も就職も決められそうだった。みんな、私のことを嫌いなんだって、あの人が言うからそう思ってた。毎日オドオド、ビクビクして、人と話すのが怖かった」

 井上真央がスクールカウンセラーを演じる社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)。視聴率は5~6%代に低迷していますが、サスペンス要素が強まった前回に続き、第4話は井上真央演じる日向(ひなた)先生がスクールカウンセラーになった経緯、毒親・尚子(手塚理美)の左手が不自由になった過去が明かされる重要な回となりました。

 恋人の本庄(工藤阿須加)から日向が母親・尚子のことを異様なまでに嫌っている理由を問われ、できれば親しい人には話したくなかった自分と尚子の関係について日向は打ち明け始めます。それが冒頭の言葉です。

 日向は幼い頃から尚子の徹底した管理下に置かれ、尚子との交換日記という形で、「明日の約束」という名の反省文を毎日書かされていたのです。これはもはや教育や躾ではなく、母親が子どもを支配するための洗脳タイムでした。日向は自分の意思を持つことは許されず、常に独裁者である母親の顔色を気にしながら少女時代を過ごしたのでした。大学に入って心理学を学び始めたのも、親元を離れ、自分自身の心をケアするためだったのです。

「じゃあ、なんで一緒に暮らしているの?」と本庄は例によって子犬のようにつぶらな瞳で、日向が大人になってからも尚子と同居している理由を尋ねます。このストレートな質問に日向はすぐには答えることができません。母親のことは大嫌いですが、100%母親のことを嫌いになれないのが毒親の底なし沼のような恐ろしさなのです。彼女のお陰で大学に進学することができ、ある意味ではスクールカウンセラーというやりがいのある仕事を見つけることもできたわけです。母親のことを全否定することは、日向自身のアイデンティティーも否定することに繋がり、そう簡単には割り切ることができないのです。

 今回も手塚演じる尚子の毒親ぶりから目が離せません。先週は終始ニコニコ顔で「風月庵」の新作和菓子をせっせと配りまくっていた尚子ですが、今週の尚子は「あなたは二重人格者ですか?」と思わせるほどの、豹変ぶりを見せる大サービス。二面性を持つ女の怖さをこれでもかと見せつけます。

 いつものように恐る恐る自宅に帰ってきた日向ですが、リビングで文鳥のピッピちゃんを相手にしているはずの尚子がいません。おかしいなと思いつつ、日向が二階の自室へ上がると、そこには日向の買い置きの文具品を勝手に使い、子どものように無邪気に遊んでいる尚子の姿が。

「ひなちゃんのことが心配だったのよ~。本庄さんに嫌われたら大変だと思って」

 

■CGなしで、手塚理美の顔が大変身!!

 

 本庄に無断で会ったことを詫びる尚子ですが、それでも日向がそっけない態度をしていると、日向が振り返った瞬間には尚子のもうひとつの顔、毒親顔に変身しているではありませんか。思わず、子どもの頃に観た特撮映画『大魔神』(1966)の変身シーンを思い出しました。

「いい加減にしなさいよ! 誰のお陰で生きてきたと思ってるのッ。あんたのそーゆーとこ、死んだお父さんも嫌がってたわ」

 娘を口撃するのに死んだ父親まで持ち出す尚子のえげつなさ。これこそが、尚子が実の娘を洗脳するための常套パターンでした。日向に何でも話し合える親しい友達ができないようにし、親戚やご近所さんの名前も出して、「みんな、日向のことを嫌っている。日向の味方は母親である自分だけなんだ」と我が子をずっと洗脳し続けたのです。

 普段は耳を塞いで自分の部屋に逃げ込んでいた日向ですが、この夜は部屋の中に尚子がズカズカと上がり込んでいるため、どこにも逃げ場がありません。自殺してしまった圭吾(遠藤健慎)のためにも、スクールカウンセラーである自分がいつまでも毒親に逆らえない子どものままではいられません。意を決した日向はついに尚子に反撃します。

「怒るなら自分の言葉で怒ってよ。はっきり言って。その腕のことだって……」

 日向にとって重く暗いトラウマとなっていた、尚子の左手が不自由になった過去が、日向の回想シーンとして明かされます。日向が高校生のとき、近くの神社の石段から転げ落ちそうになったのを庇ったのは尚子でした。そのときの怪我で尚子の左手は今も障害が残っているのです。自分の身体を犠牲にしてまで娘を守った尚子ですが、そのことで尚子は一度も日向を責めたことがないのです。これもまた、毒親ならではの不可解さです。でもそれゆえ、日向はひとりぼっちで暮らすことになる尚子のことが見捨てられずにいるのでした。日向の恋人・本庄は、こんな2人の共依存関係をどこまで受け止めることができるのでしょうか。

 

■EXILE系で、いちばん長生きしそうな男

 

 前回から本格的に登場した週刊誌記者・小嶋を演じる青柳翔は、今週も絶好調です。圭吾の自殺はバスケ部内でいじめがあったからだという噂にバスケ部のキャプテン・長谷部(金子大地)がブチ切れ、校内で長谷部が暴れている様子を映した投稿動画をネットにアップする小嶋。そのせいで、長谷部の実名と顔がネット上でさらされる結果に。校長(羽場裕一)、日向先生、バスケ部の臨時顧問となった北見先生(白洲迅)の3人が編集部に乗り込みますが、数々の事件を取材してきた小嶋はまったく動じません。

「今さらうちが削除しても意味ないでしょ。デジタルタトゥーって言葉はご存知ですか? 今は疑わしきは罰せられる時代です。正義に満ち満ちた素晴しい社会じゃないですか」

 劇団EXILE所属の青柳翔のこの憎々しさ! まさに「憎まれっ子世に憚る」です。EXILE系のメンバーの中でも、いちばん長生きしそうじゃないですか。我が子・圭吾を自殺に追い詰めた真紀子(仲間由紀恵)、日向の懸命な反撃を笑ってスウェーバックしてみせた尚子、それに続く第3のヒール・小嶋記者の本格始動に日向先生は大ピンチです。

 尚子や小嶋の見事な暴れっぷりによって、出番が限られてしまっている最凶毒親である仲間由紀恵演じる真紀子ですが、今週も短い出番でインパクトのある効果的な出演となっていました。久々に高校に現われた真紀子は、圭吾と仲のよかった同級生の沢井(渡邉剣)を見つけ、あいさつ代わりのポイズン攻撃です。

「久しぶりね、沢井くん。圭吾がいなくなったバスケット部は楽しいかしら?」

 自殺した親友の遺族から浴びせられるこの口撃は、思春期の少年にはつらすぎます。さらに真紀子は「鎌倉からいじめをなくす会」の顧問弁護士を同伴し、校長や日向先生を威嚇します。マスコミや弁護士を味方につけた真紀子は裁判に訴え出るとのこと。あまりにもハードな展開に、日向先生だけでなく、視聴者もついていくのに必死です。

 圭吾の自殺、バスケ部顧問・辻先生(神尾佑)の襲撃事件……と暗い内容が続き、視聴率も泥舟のように沈みつつあった『明日の約束』ですが、第4話は5.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と前回の5.4%よりわずかですが微増しました。ドラマの後半、自暴自棄になった長谷部は「辻先生を襲ったのは俺です」と虚偽の自供によって警察に連れていかれますが、日向先生やバスケ部の仲間たちが力を合わせ、長谷部のアリバイを証明する動画を警察に提出します。ビバ、青春! なんという学園ドラマの王道的な展開でしょう。

 警察から解放された長谷部は「動画でピンチになった俺が、動画に助けられるなんて」と苦笑しますが、これは『明日の約束』にも言えそうです。従来の学園ドラマとは異なる超ハードで斬新なドラマを目指してきた『明日の約束』ですが、分かりやすく視聴者に安心感を与える学園ドラマのフォーマットを使ったところ、視聴率がアップしたわけです。

 日向先生は恋人・本庄と無事に結ばれるのか、それとも母親・尚子との新しい関係性を模索するのか。そして関西テレビは社会派ドラマとしてのテーマ性に徹底的にこだわるのか、それとも視聴率アップによろめくのか。次回の『明日の約束』もいろんな意味で見逃せません。
(文=長野辰次)

高級和菓子は毒親の味!? 視聴率は下降するもメディアの暴力に斬り込んだ『明日の約束』第3話

「楽しければいいって人間も、世の中にはいるんです。理由があれば騒げるし、憂さを晴らすこともできる。ハロウィンも事件を楽しむのも同じですよ。無関係な奴らは、当事者や関係者たちを叩くのが楽しいんです。世間にとって、あなたたちは生徒を殺した悪者だ」

 高校生の息子を自殺で失ったことから、セレブ主婦・吉岡真紀子(仲間由紀恵)から「息子は学校に殺された」と犯人扱いされているスクールカウンセラーの日向先生(井上真央)。他のドラマにはない人間のダークサイドをじわじわと描いてみせるのが社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)の魅力です。この暗さ、一度ハマると病み付きになります。冒頭の台詞は、週刊誌記者・小嶋(青柳翔)が初対面の日向先生に向かって放った言葉です。

 下校中の日向先生を呼び止め、話を聞かせろと取材を迫る小嶋記者に対し、日向先生は毅然とした表情で「真実を伝えるのがマスコミじゃないんですか? 事実確認もできていないのに、一方的に学校を悪者扱いする方にお答えすることはないと思います」と取材を断ります。これまでマスコミの取材攻勢にさんざん振り回されてきただろう井上真央がこの台詞を口にすると、すごくリアリティーを感じさせます。ところが、まぁ、帰りの駄賃とばかりに小嶋記者も「あなたたちは社会悪なんですよ。だから覚悟しといたほうがいい」と捨て台詞を吐いて去っていきます。学校という性善説の世界で暮らしている人間は、事件やゴシップをニュースにして生活の糧にしているマスコミ業界人にはネギを背負った鴨のように映って見えるようです。

 初回でも触れましたが、このドラマのベースとなっているのは、2005年に長野県で起きた自殺事件の真相を追ったノンフィクション小説『モンスターマザー 長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』(新潮社)。同著の中で、息子が自殺した原因は学校側にあると高山さおり(仮名)は殺人罪で息子が通っていた高校を訴えています。有名なジャーナリストも、人権派弁護士も、県会議員も、息子を失った悲劇のヒロインである高山さおりの虚言癖に、すっかり翻弄されてしまったのです。亡くなった高校生が強豪バレー部に所属していたことから、体育会系の部活=いじめ&しごき、地方の高校=事なかれ主義の隠蔽体質……とすごく分かりやすい図式の中に、ひとりの高校生が抱えていた心の闇を安直にはめ込んでしまったわけです。マスコミ、そして世論を味方につけたモンスターマザーはさらにモンスター化し、担任教師や校長、バレー部の顧問や部員たちをさんざん苦しめ続けました。

 実在の事件が迷走したのは、テレビによる報道も大きな要因となっていたのですが、『明日の約束』の中ではどう扱うのかな、もしかしたらスルーするのかなと思っていたのですが、関西テレビはそこから逃げずに、ちゃんと描こうという姿勢を見せました。校長(羽場裕一)が開いた記者会見は、テレビ番組の演出によって本意が歪められ、学校側はひとりの生徒の自殺を重く受け止めていないものとして視聴者に広まっていきます。人のよい校長は慣れない記者会見の場で、緊張のあまり思わずカメラに向かって明るい表情を見せようとしてしまい、その部分だけがテレビに映し出され、「生徒が自殺したのにニヤついている不謹慎な校長」というイメージが拡散されていったのです。メディアの暴力の怖さを、まざまざと描いた第3話でした。

 バスケット部の顧問・辻先生(神尾佑)は「生徒の自殺は、バスケ部内でいじめがあったからでは?」という疑惑がどんどん大きくなっていくことに責任を感じ、退職届を出して学校を去っていきます。折しも、第3話が放映された10月31日はハロウィンの真っ最中。家族が待つ自宅へと急ぐ辻先生は、ハロウィンの仮装をした謎の人物からスタンガンで襲われるはめになります。多分、この謎の襲撃犯はバスケ部とも、自殺事件とも直接的には関係のない人物ではないでしょうか。テレビからネットへと拡散されていった情報を鵜呑みにして、辻先生をいじめの元凶と思い込み、義侠心から凶行に及んだのではないかと察します(ハズレてたら、ごめんなさい)。メディアの暴力が生み出した、名前も顔もなく、増殖性の高い恐ろしいモンスターです。

 一方、日向先生の母親・尚子(手塚理美)はすこぶるご機嫌な第3話でした。日向に対してヒステリックに叫んでいた先週の毒親ぶりがまるで嘘のよう。いつも恐る恐る自宅のドアを開けている日向ですが、「この間はごめんね。気持ちの整理がつかなくて。本庄さん、素敵な人じゃない。ひなちゃん、幸せになるのよ」とニコニコ顔の尚子に迎えられました。うかつに地雷を踏まないよう、早々に自分の部屋に引き揚げようとする日向に、地元の名店と思われる「風月庵」の新作和菓子を手渡します。「風月庵」の和菓子に罪はありませんし、きっとさぞ美味しいことでしょう。でも、日向には、その和菓子の美味しさすら、つらいのです。母親である尚子のことを100%嫌いになれれば、さっさと自宅を出ていく決心がつくのですが、尚子は感情を爆発させたかと思えば、この日のようにとても優しい表情も見せるのです。毒親とはいえ、母は母。そんな尚子を日向は切り捨てることができません。

 エロ要素はまったくなさげに思えた『明日の約束』ですが、今回は一瞬だけ「おや?」と期待させるシーンがありました。息子の自殺にはスクールカウンセラーも関係していると思い込んでいる真紀子の圧力や、真紀子によって遠隔操作されている小島記者の言動が怖くなった日向先生は、恋人である本庄(工藤阿須加)のマンションへ。ドアが開くなり、「何かあった?」と心配する本庄のたくましい胸板へとしなだれかかる日向。スクールカウンセラーである前に、彼女もひとりの女でした。「今日、泊まってく?」と言いながら顔がほころぶ本庄。フツーの恋愛ドラマなら、次は熱いキスシーンでベッドルームへと雪崩れ込むのがお約束ですが、日向の目に留まったのはテーブルに置かれていた「風月庵」の紙袋!! 尚子は日向が知らない間に、こっそり本庄と接触していたのです。本庄のマンションですら、尚子の影がちらついているように思え、日向は「あの人は、いい母親なんかじゃないよッ」という言葉と共にマンションから飛び出したのです。お預けをくらった本庄は、この夜どのように過ごしたのでしょうか。

 かなり濃い内容の第3話でしたが、視聴率は第1話8.2%→第2話6.2%→第3話5.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という非常に残念な結果に。第3話のラストは、ハロウィン当日ということで仲間由紀恵が死者の霊を呼び出そうとするホラー映画仕立てになっていましたが、これはいかがなものかと。小嶋記者のように目先の視聴率に踊らされずに、社会派ドラマとして迷走することなく最終回まで突き進んでほしいものです。
(文=長野辰次)

毒親の呪詛攻撃にピッピちゃんは耐えられるか? 喪服ウォーズも勃発した『明日の約束』第2話

「ランドセルの中にしまってあったラブレターは破って、捨てておきました。日向(ひなた)がこんなにいやらしい子だったなんて、ママはショックです」

 井上真央主演の社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)。なんか古臭くて野暮ったいタイトルだなぁと思っていたら、日向が小学生の頃に母親の尚子(手塚理美)から強制的に書かされていた交換日記の名前だったんですね。第1話に増して、第2話のエンディングで明かされる交換日記の内容がキョーレツ。尚子の毒親ぶりに、視聴者もショックです。どうやら、その回のテーマとリンクする形で日向と尚子の過去の因果関係が明かされていく模様です。

 かなり綿密に練られた脚本ですが、残念なことに第2話の視聴率は初回の8.2%からさらに下がって、6.2%に(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。自殺した高校生の心の闇を探るという重たいストーリーに付いていけない人は、早々に去っていったようです。毒親バトルがこれから本格的に始まり、ドラマとしてはぐんぐん盛り上がりそうな気配なんですけどね。一度去った視聴者とゴミ回収車は待ってはくれません。

 前回、不登校が続いていた高校1年生の吉岡圭吾(遠藤健慎)から「先生のことが好きになりました」と告白されたスクールカウンセラーの日向先生(井上真央)ですが、自宅に帰った圭吾はなんと首吊り自殺! 日向先生は圭吾の担任・霧島先生(及川光博)と校長(羽場裕一)と3人で吉岡家へ向かいます。ここで圭吾の父親(近江谷太朗)が初登場。「妻が取り乱すので、お引き取りを」と門前払いを喰らわせます。圭吾に過干渉していた母・真紀子(仲間由紀恵)とは対照的に、長男が自宅で死んだにもかかわらず、感情を乱すことなく冷たい対応に終始する父親。圭吾はクラスメイトたちからは無視され、家庭にも居場所がなく、日向先生に懸命にSOSを発信していたことが分かり、日向先生はどんよりと落ち込みます。

 綾瀬はるかの弾むおっぱいで視聴率も弾き出している『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)のようなエロ要素はまるでなさげな『明日の約束』ですが、第2話は井上真央、仲間由紀恵、さらにNHK朝ドラ『ひよっこ』で注目された佐久間由衣が、喪服ウォーズを繰り広げます。森田芳光監督の葬儀に喪服姿の北川景子がノーメイクで現われ、すっぴんでの美形ぶりが大変な話題になりました。普段と違ったナチュラルメイクと泣き崩れた表情にセクシーさを感じるマニアは少なくありません。

 いつにも増して地味に、ブラックフォーマルでまとめてきた日向先生は、校長と霧島先生の後ろに隠れるようにして圭吾のお通夜会場を訪ねますが、ここでも圭吾の母・真紀子から「圭吾の棺の前で土下座してくれますか」と凄まれ、焼香できないまますごすごと退却します。泣きはらした表情ながら、しっかりとパールのネックレスとイヤリングで飾り立てている真紀子の存在感ったら。井上真央主演ドラマですが、お通夜シーンの主役は完全に仲間由紀恵です。後からひょこひょこ現われた、圭吾の幼なじみ・香澄役の佐久間由衣はそれこそ、ひよっこレベルです。喪服の着こなしに、女優陣の視殺線が交叉する怖い怖いシーンでした。
 喪服姿のまま疲れきって自宅に帰ってきた日向先生は、玄関を開けてさらにドッと疲れるはめに。驚いたことに恋人の本庄(工藤阿須加)がリビングで母親の尚子と楽しげに談笑しているではありませんか。自殺騒ぎを聞きつけ、日向のことを心配して本庄は駆け付けてきたようですが、本庄と交際していることを尚子に伝えていなかった日向は、どちらに対しても気まずくて仕方ありません。本庄にはまったく悪気はないのですが、純粋な善意が日向を追い詰めてしまいます。

 子犬のようにキラキラした眼差しで「連絡しても、日向は『心配ない』と言うでしょ?」と訴える本庄を怒るわけにはいきません。圭吾の自殺で動揺している生徒や霧島先生には「感情を抑えるのはよくない」と説いていた日向先生ですが、日向先生自身がどんどんストレスを溜め込んでいく結果に。本庄を最寄り駅まで送っていく日向先生ですが、駅名が「極楽寺」とはあまりにも皮肉です。日向先生の心はすでに地獄の一丁目に差し掛かっています。

 そして第2話最大の見せ場へ。本庄を駅まで見送った日向が自宅に戻ると、本庄の前ではニコニコしていた尚子が毒親モードで待っていました。文鳥のピッピちゃんを相手に「ひどいわよねぇ、ピッピ。3年も付き合っていたのにママに内緒にしてたなんて。あぁ、イヤらしい! ママに隠れてコソコソと付き合って」。

 さらには尚子の口から耳を疑うような暴言が……。

「えらそうにスクールカウンセラーなんて言ってるけど、そんなことやってるから生徒を自殺させちゃうのよ!」

 成人して働いている娘の職業から恋愛まで、日向の人生を全否定です。実の母親の容赦ない仕打ちに、日向はひと言も返せません。ただ二階の自室に逃げ込み、「母は人の心を傷つける天才です」と心の声でつぶやくことしかできません。

 自殺した圭吾は「明日が来るのが怖い」という言葉を残していたそうですが、日向先生も同じ心境でしょう。日向先生の明日が心配です。そして、もっと心配なのが、尚子が飼っている文鳥のピッピちゃんです。日向先生が家にいない間もずっと尚子のポイズントークを浴び続けて、体調に悪影響を与えないか気になります。植物だったら枯れてしまいそうなくらい、尚子のポイズン度は高いです。最終回までピッピちゃんが元気なことを祈ります。

 エンディングに流れる次回予告を見ると、第3話では真紀子はジャーナリスト(青柳翔)を味方に取り込み、日向先生のいる高校に宣戦布告する模様。ついにモンスターマザーとしてフル稼働です。仲間由紀恵vs井上真央vs手塚理美の三つ巴女優バトルの行方に大注目です。
(文=長野辰次)

『相棒』、4代目候補・仲間由紀恵が19.9%獲得も「相棒就任の可能性は低い」ウラ事情

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仲間由紀恵公式サイトより

 現在、3代目の“相棒”を務めている成宮寛貴が、3月放送の最終回で卒業することが話題となっている『相棒』(テレビ朝日系)。2月11日放送の第15話には、次期相棒の最有力候補として取り沙汰されている仲間由紀恵が登場し、視聴率は今シリーズ最高の19.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を獲得。相棒候補としては“合格ライン”といえる高視聴率を稼いだ。

 寺脇康文、及川光博に続き、2012年から3代目の相棒として甲斐享役を演じている成宮。かねてより『相棒』のキャスティングについては杉下右京役・水谷豊による「独裁」だと伝えられているが、今回の卒業発表を機に成宮の出演は「2年の約束だった」と説明し、「どうしても1年延長してほしいとの思いを申し入れた」と、異例のコメントを出したことも大きな注目を集めた。

仲間由紀恵の夫は“度を越した”共演者キラー!? 事務所社長が結婚に猛反対した裏事情

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『サキ Blu-ray BOX』/ポニーキャニオン

 本当は言いたいのに、言えないネタを持ってる芸能記者さん、集まれ! 芸能ニュースの摩訶不思議なお話からウソか真か分からないお話まで、記者さんたちを酔わせていろいろ暴露させちゃった☆

A......スポーツ紙記者 グラドルからジャニーズまで、芸能一筋17年の芸能記者
B......週刊誌デスク 日中はラジオでタレントの発言をチェック、夜は繁華街に繰り出し情報収集を行う事情通
C......WEBサイト記者 通常ニュースから怪しいBBSまで日参、膨大な資料を作り続ける駆け出し記者