いま、テレビ界で“リアクション芸人”の代名詞的存在といえば出川哲朗になるだろう。でも、その前はダチョウ倶楽部の上島竜兵だった。時代の流れというか、お株を奪われたというか。まあ、もっとさかのぼれば、稲川淳二や片岡鶴太郎という存在に行き着くのだが。
Amazonプライム・ビデオで8月12日より配信中の『内村さまぁ~ず』が行った企画は、題して「ここ最近の上島竜兵を内さま3人に知ってもらいたい土田晃之!!」である。
内村光良とさまぁ~ずを前に、かつて「竜兵会」の一員だった土田が唐突に切り出した。
「ここ最近、上島竜兵を見ていますか?」
見ている気がする。CMではよく見る。何かのイベントに呼ばれ、キレたふりして若い俳優にキスを迫る姿もワイドショー等でよく見ている。
「みんな『CMで』ってよく言うんですよ。でも、番組とかでご覧になったことはありますか?」
確かに、そんなには見ないかもしれない。言われてみたら。
「イベントで若い女の子にキスしようとして、止められてお金を稼ぐっていう現状です」
最近の上島の動向は謎に包まれている。そんな彼に迫るべく、居酒屋に隠しカメラを設置してプチドッキリを敢行。みんなでモニタリングして、上島の生態に迫るというのが今回の趣旨だ。
その前に、土田が最近の上島の様子、言動を紹介した。まずは見た目について。
「裸が笑えなくなってきた。手足が細くて、白ブリーフ姿はまさに昆虫。あと、目の下のクマが尋常じゃない」
続いて、酒の飲み方について。
「昔は朝7時まで飲んでいたが、最近は夜9時でベロベロ。夜9~10時は、だいたい目をつむったまま話している」
「休肝日を設けており、その日は後輩からの電話に出ない。誘いに弱いので、出ると飲みに行ってしまうから」
飲みの場で、上島はどんなことを話しているのだろう? 最近の上島の口癖は以下だ。
「ウッチャン、ついに紅白の司会だよ。スゲエな、ウッチャン。うれしいなぁ」
上島は若手時代の話をするのが大好きだという。ウッチャンナンチャンとダチョウ倶楽部は同期で、営業では彼らに加え、B21スペシャルがよく顔を合わせていた。戦友をねたむでもひがむでもなく「ウッチャン、スゲエだろ」と言ってグラスを傾ける上島。
ほかに、最近の彼にはこんな口癖もある。
「あの哲っちゃんが世間に認められて、本当にうれしいよ」
実は上島、高いところが苦手だ。何かにチャレンジすることが本当に嫌い。リアクションのオファーが来たのに、断ることも少なくないという。でも、オファーされた現場に出川がいると知った途端、「哲っちゃんがやるなら俺もやる!」と返答するそうだ。盟友・出川との絆。大ブレークした出川を自分のことのように喜び、人目もはばからず大号泣したこともあった。
内村「いい話。俺、泣いちゃうよ(笑)」
大竹「もうすぐ死んじゃうんじゃねえの? 大丈夫かな、これ」
三村「死ぬ前のエピソードだもん」
土田「過去を走馬灯のように振り返りだしてるから、死ぬんでしょうね(笑)」
肉体的にも精神的にも哀愁が漂っている、最近の上島。近頃は五十肩の痛みで腕が上がらず、「どうぞ、どうぞ」のギャグで挙手することさえつらいらしい。ある意味、以前の上島とは違う次元に入った感がある。
土田からの飲みの誘いで、都内の某居酒屋に1人でやってきた上島。土田は仕事で遅れるというテイにし、遅れて到着した後輩2人と飲む上島をカメラは捉え続けた。
最近の上島の飲み方は、焼酎ロック&チェイサーが基本だ。後輩のストレッチーズ・福島敏貴に「ボトル入れませんか?」と促され、焼酎ボトルをオーダーした上島。運ばれてきたボトルの中身は、実は水100%というのが今回のプチドッキリである。グラスに氷を入れ、ただの水をグラスいっぱいに注ぐ後輩たち。それを受け取り、グイッと飲む上島は果たして気づくのか? ……ノーリアクションだった。構わず気づかず、上機嫌で会話を続けている。
福島「おいしいですね、三岳」
上島「うん」
氷が入った水のグラスを手に、いい調子で乾杯する芸人たち。一種、異様な光景である。酒が進むほど目をつむるはずなのに、飲めば飲むほど目がパッチリしてきた上島。肉体的にはどんどん酔いがさめていっている。でも、一向に気づかない。ロックで飲んでいるのに……。
土田「あんなにテーブルに水並ぶことあります? 腹パンパンになっちゃうよ」
水攻めとは別のイタズラも上島を襲った。後輩が注文した枝豆のさやの中身が何も入っていないというプチドッキリである。問題の枝豆を口にした上島。果たして気づくのか? ……やはり、ノーリアクションだった。構わず、後輩と楽しく会話し続ける。
三村「どういうことよ(笑)」
大竹「『バレるんじゃないか?』とか、ドキドキした意味ないね」
ネタばらしされた後の上島を見ると、すでに次のフェーズへ突入しているのだと確信した。
上島「おかしいと思ってたよ。枝豆がないんだよ(笑)」
大竹「なんで言わないん ですか(笑)」
上島「店に言っても悪いかなと思って」
何かあれば必要以上に騒ぎ立て、痛みや苦しみをアピールするリアクション芸人。しかし、上島は「リアクションしないことが面白い」という境地にたどり着いていた。
大竹「何も気づかず、吸収していく」
土田「ツッコむとかってないですね。すべてを受け入れる」
新しい意味でのリアクション芸人誕生! 久々に同期・上島の姿を目の当たりにした内村は「すごい素敵な人生ですよね」と、しみじみ。ポツリと真顔で言っていた。
(文=寺西ジャジューカ)


