アラフィフ女が陥った、セックスという名の悦びと底なし沼地獄

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(C) ドルショック竹下

 彼女との出会いは一枚のアンケートハガキ。私が執筆していた某官能レディースコミック誌に、編集者も驚く性豪エピソードをしたためてきたのが彼女、ツヤコさん(仮名・当時49歳)だった。編集者とともに彼女の地元まで取材に赴くと、待ち合わせ場所に立っていたのはとてもアラフィフとは思えない、若々しい容姿の女性。小柄でほどよい肉付きの体型に、ショートヘアとパンツスタイルがよく似合っている。肌のハリもツヤも30代と言って通用するみずみずしさ。そして何よりも、そのエネルギッシュな生活に私たちは圧倒されたのだった。

「機械のように正確に動く」セックスは40男の悲哀が満ち満ちていた!

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「上司から『お前、機械みたいによく働くな』って言われたんだ」

 自嘲気味に男は言った。2年前の秋、mixiで出会った彼は、30代後半の外資系金融マン。趣味はスポーツサイクル。彼の日記には通常私が足を踏み入れることのない恵比寿、白金、目黒あたりの店のシャレオツな料理の写真がこれでもかと並んでいた。いわゆる「独身貴族」というやつである。長めの髪に、身体にフィットしたピンストライプのスーツ。シャツの襟は若干開き気味という、港区周辺によくいるタイプだ。

我々は本当にSMを知っているのか? 日本で5本の指に入るM男との"一戦"

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 世の中にSを自称する男性は多い。合コンはおろかテレビのバラエティー番組でさえ「あいつドSだから」「アタシMなんですぅ~」という発言が飛び交う現状に、いつから日本はこんな乱れた国になってしまったのだと溜め息をつくこともしばしばだ。だが、それ以上に私が憂えているのは、世間で認識されるSとMという属性が、実際のそれとは大幅に違っていることである。

浮世離れしたメガネに油断。男の性欲を舐めてしまった、戦慄の1日

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「このバス、女子医大の方まで行きますか?」

 10年ほど前の夏。猛暑の最中、新宿のバス停で「練馬車庫」行きを待っていると背後から声をかけられた。振り返ると22、3歳の大学生らしき青年。ボサボサの髪に、さえないカーキ色のTシャツと半端な丈のズボン。痩せ型でメガネをかけているところが知的と言えないこともないが、なんだか異様なオーラを放っている。そのオーラは「厭世的なゆるさ」とでも言うべきか、私の通う大学にも少なからずいる「多留生(複数年度にわたり留年する学生)」と同種のそれだった。

グッバイ、私のプライバシー……フェティッシュイベントで露わになった●●

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 親愛なる読者の皆さまは、「フェティッシュイベント」なるものをご存知だろうか。フェティッシュイベントとは、様々な性的嗜好を持つ者が集い、SMボンデージやラバースーツ、コスプレなどのフェティッシュ・ファッションに身を包んだり(或いは具を露出したり)、緊縛やストリップ、キャットファイトのショーに興じたりして交流、情報交換がはかられる催しである。国内では毎月第一土曜の夜に行われる「D」というイベントが最も有名で、近頃では性的倒錯者のみならず、アートやサブカルに傾倒した若者や外国人観光客も訪れ、まさに「変態どものコミケ」といった様相を呈している。

イッちゃってる習慣さえ許してしまう……巨根過ぎる男とのビターメモリーズ

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 女は弱いのではなく、強くしぶといからこそ世間において不利な役回りを甘受しているのではないか......年を追うごとにそのような思いが募りますが、皆さんはいかがお考えでしょうか。

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 英雄色を好む、という言葉があるように、上昇志向の強い男ほど性豪であるとか、セックスへの執着が強いと言われる。東大院生だった4歳上の彼もご多聞に漏れず、絶倫だった。彼のことは仮に「駒場君」と呼ぶことにしよう。

"味のあるチ●コ"を持つ男との夜が、今でも忘れられなくて……

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 初夏の夜。時刻はまもなく午前1時をまわろうとしていた。終電で鶯谷駅へ降り立った当時大学2年の私は、改札を出たところで呆然と立ち尽くしていた。

「騙された......」

 正確にいえば、騙されたのではない。「ごくわずかで曖昧な情報をもとに、都合よく妄想を膨らませ、欲望のままに突っ走った」だけである。

女に生まれたからには、一度は味わいたい……童貞食いの思わぬ末路

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 汚れを知らない乙女にイケナイことを教え込む、いわゆる「処女食い」は少なからぬ男性にとってドリームと言われております。ではその逆の「童貞食い」は果たしていかがなもんでしょうか。

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 22歳の夏。ある程度の経験人数をこなした私は、とある願望を抑えきれずにいた。

「童貞が、食いたい」

『WALL-E』を横目に●●する、という不道徳に燃えたのは一瞬だけだった……

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 夏といえば家族みんなで楽しめる、愛と涙の長編映画が欠かせません。が、見る状況を誤れば、せっかくの感動巨編もしょっぱい記憶を呼び覚ます装置にしかなり得ないのです――。

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 時刻は早朝。私はえもいわれぬ高揚感に包まれながら、ある男性と熱い吐息を交わしていた。広いワンルーム、テレビとラグとベッドだけのシンプルなリビングスペースに「Francfranc」でオーダーしたという大胆なアラベスク模様のカーテン......多少、嫌味に思えるほどのスタイリッシュな空間で今まさにまぐわいが始まろうとしていた。

 男性は、長らく顔見知りだったクリエイター。サ○リオのキャラクター「たあ坊」を髣髴とさせる愛嬌ある容姿の彼とは、飲みの席で久々に再会した。同じ業界の人間とプライベートで同衾(どうきん)することに抵抗はあるものの、同業の気安さと、バツ1アラフォー男特有の可愛らしさに心をくすぐられた私は、酔い潰れたたあ坊を彼の自宅まで送り、そのままベッドへとなだれ込んだのであった。

"心のコスプレ"を害され、高級ホテルでセックスマシーンと化した夜

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 割り切った関係、というのは一見安定しているようですが、実は非常に不安定かつ厳しい条件下で成り立っている砂上の楼閣なのではないでしょうか。

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「銀座とか麻布のお姉ちゃんたちもいいけどさ~、たまにはこういうところにいる素人の女の子もいいかなと思ったわけよ」

 バブルは某有名石油会社の営業部長、42歳既婚。明るい茶色の短髪と日焼けした肌、椎名桔平似のキリッとしたマスクという、モテる中年の代表格のような容姿である。某週刊誌増刊の取材で、お見合いパブに入ったところ指名を受けて出会った、仕事に家庭に遊びにと、脂の乗り切ったサラリーマン。彼の口から繰り出される発言もそのプロフィールからブレることなく、

「金ならある」
「別れた女には必ず手切れ金を渡してる」

 などと景気のいいものばかり。祭りのふんどしやビッグマグナム、勢いのある射精など、「景気のいい」ものに目がない私は速攻で心を奪われた。歌舞伎町のハプニングバーへ向かった私たちは、あれよあれよとプレイルームになだれ込み、同行した友人・H子の眼前で激しい騎乗位セックスを展開したのだった。

 それから、私とバブルは定期的に会うようになった。夜7~9時に待ち合わせ、食事をしラブホでセックス。3時間の休憩の後、それぞれタクシーで帰宅。「味気ない」と言ってしまえばそれまでだが、私にはそれが心地よかった。彼と会う数時間だけ、極上の愛人を演じる。バブルもまた、最高にかっこよくて頼れる「パパ」になりきる。互いの生活に支障の出ない範囲で行われる「心のコスプレ」。タクシーに乗るときに手渡される5,000円~1万円が、プレイ代のようなものだった。私としては、それすらも余計に思われるほど愉しんでいたのだが......。

 ある日、バブルから「半休取ったから、たまには昼からデートしない?」とメールが届いた。フリーランスの私としては平日昼間の方がむしろありがたい。二つ返事でOKし、特別に気合の入った愛人風ワンピースで待ち合わせ場所へ。映画を観、ホルモンをつつき、友人を交えて酒を飲む......普通の恋人同士のようなデート。夜10時をまわったところでバブルは言った。「そろそろ、行こうか」

 当然「これからセックスをする」という合図である。ラブホでの3時間を濃密にするために、昼から甘酸っぱいデートを演出する、この「じらし作戦」。ベタではあるが大いにアリだ。私は「待て」を命じられた犬のように今か今かとセックスへの期待を高めていた――。ところが、先を歩くバブルが向かうのは、ラブホ街とは反対方向。新宿駅を越え、ビジネス街を抜け、たどり着いたのは「K王プラザホテル」。エレベータに乗り込み向かう先は40数階。え? え? まさかここからバーラウンジで一杯でもあるまいし......。

 「じゃーん!」満面の笑みで部屋のドアを開けるバブル。シックなトーンで統一された室内。窓からは都庁をはじめとするビル群の灯りがきらめいている。バブルは私のために部屋を用意してくれていたのだ。「わぁ、すごぉい......」と驚きの言葉を口にした私。だが内心は、寒々しい気持ちに満ちていた。

 私は、バブルと「生活に支障の出ない範囲で行われる心のコスプレ」を愉しんでいたのである。なのに、昼に待ち合わせて散々デートした挙句、朝まで一緒に拘束されるとはどういうことか。仕事の締め切りだってあるというのに!

 私のそんな憤りに気付くこともなく、バブルはニヤけながら「朝まで寝かさないよ」などと耳元で囁く。冗談じゃない。今夜寝なかったら明日の仕事にも支障が出る。

 突如として、私は怒りのセックスマシーンへと変貌した。睡眠時間を確保し、自らの生活ペースを乱さないために。「射精のタイミングはコントロール可能」とうそぶくバブルの16センチ砲にまたがり、激しいグラインドと「九浅一深」の上下運動を繰り返す。いつもは余裕綽々のバブルもこのときばかりは「あっ、駄目だよっ! ちょっ、待っ......」とあっけなく3回果てて眠りについた。

 翌朝、十分な睡眠をとった私が見たのは、朝日に映える都庁を悠々と眺めるバブルの姿だった。ゴルフで鍛えた上半身に光を受けながらドヤ顔で彼は言う。

「戦国武将がなんで天守閣を作るか知ってるかい?」

 瞬間、私は戦慄した。あまりのダサさに。まさかこの男、一介のサラリーマンであるにも関わらず、戦国武将と自分を重ね合わせちゃってるのではないだろうか? 弱肉強食の出版フリーランス業界をサバイブしてきたこの私を前にして? 大体この部屋だって、お前の持ち家じゃなくて一泊いくらで泊まってるだけだろ!

 「おめでてーな! この足軽が!」とツッコミを入れたい衝動を必死で抑え、笑顔でバイバイした私。直後に彼のアドレスを携帯から削除したことは、言うまでもない。

ドルショック竹下(どるしょっく・たけした)
体験漫画家。『エロス番外地』(「漫画実話ナックルズ」/ミリオン出版)、『おとなり裁判ショー!!』(「ご近所スキャンダル」/竹書房)好評連載中。近著に「セックス・ダイエット」(ミリオン出版)。


「HOTEL シーズン3 前編 DVD-BOX 」


バブル+ホテル=高嶋政伸、という黄金式♪


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