完璧すぎるスペックと半ズボンが少子化社会を暗示する『CLAMP学園探偵団』

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『CLAMP学園探偵団』(角川書店)

――西暦を確認したくなるほど時代錯誤なセリフ、常識というハードルを優雅に飛び越えた設定、凡人を置いてきぼりにするトリッキーなストーリー展開。少女マンガ史に燦然と輝く「迷」作を、紐解いていきます。

 『毎日かあさん』(西原理恵子、毎日新聞社)を読むと、息子と娘の生物としての違いがよく分かる。母親にとって息子というのは、気が利かなくて乱暴者で、お洒落や勉強に興味がない、未開の地の生き物らしいのだ。この生物をしつけるのにどれだけ大変かという話がゴロゴロ書いてある。以前、ハーフの愛娘を生んだ武田久美子が、「レストランなんかでマナーの悪い子どもを見ると、いったいどんなしつけをしているのかと思う」というようなことを書いていたことを思い出し、きっと世の中の息子を持つ母親らから大バッシングを受けただろうと、目頭を熱くしてしまった。

『覇王愛人』ほど、作者の脳内がダダ漏れになったマンガはない!

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『覇王愛人』(新條まゆ、小学館)

――西暦を確認したくなるほど時代錯誤なセリフ、常識というハードルを優雅に飛び越えた設定、凡人を置いてきぼりにするトリッキーなストーリー展開。少女マンガ史に燦然と輝く「迷」作を、紐解いていきます。

 『ムーンウォーカー』という映画をご存じだろうか。マイケル・ジャクソンが自由奔放な発想でのびのびと制作したファンタジー・ミュージカルである。突然の設定変更は当たり前、「こうだったらいいな」「これやっちゃおうかポーゥ!」と、次から次へとマイケルの脳みそからだだ漏れしたアイデアが詰め込まれているのだ。マイケルへの深い愛を持って見なければ、単なるC級映画である。

元気娘の行動に、周囲がざっぱざっぱと迷惑を被る『アンジェリク』

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『アンジェリク』1巻(木原敏江、
秋田書店)

――西暦を確認したくなるほど時代錯誤なセリフ、常識というハードルを優雅に飛び越えた設定、凡人を置いてきぼりにするトリッキーなストーリー展開。少女マンガ史に燦然と輝く「迷」作を、紐解いていきます。

 『アンジェリク』は面白い。17世紀フランス、美しい緑の目を持った美少女アンジェリクが、波瀾万丈な人生を歩む話だ。実家が夜盗に襲われ、結婚した相手は失墜し、自分は盗賊に成り下がるけれども盗賊団が崩壊。後にまた宮廷に復活し......と、あれよあれよという間に環境が変わる。冒険に次ぐ冒険。事件に次ぐ事件。読者はアンジェリクの行動力と活き活きとした性格に強く惹かれ、そして彼女の人生に憧れ、次々と降りかかる事件をハラハラしながら読むことだろう。

男はもう女を救わない、少女マンガとして夢を与えることを放棄した『こころ』

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『こころ』(ももち麗子、講談社)

――西暦を確認したくなるほど時代錯誤なセリフ、常識というハードルを優雅に飛び越えた設定、凡人を置いてきぼりにするトリッキーなストーリー展開。少女マンガ史に燦然と輝く「迷」作を、紐解いていきます。

 少女マンガというのはもともと、少女たちに夢や希望を与えるために作られた。だからお姫様の話だったり、立身出世してアイドルになったり(女の立身出世というのは、この手のものになるってことである)金持ちと結婚したりという話が多いのだ。

 もちろん今でもその傾向は強く残っており、少女マンガの基本は、愛と成長とたまーに金、である。しかしマンガ文化が発展するに従い、少女にもはや夢を与えない作品が登場するようになった。ももち麗子の描く作品はその筆頭である。

パンツで××したり、●●で街中歩いたり……伝説のマンガ『げっちゅー』

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『げっちゅー』1巻(小学館)

――西暦を確認したくなるほど時代錯誤なセリフ、常識というハードルを優雅に飛び越えた設定、凡人を置いてきぼりにするトリッキーなストーリー展開。少女マンガ史に燦然と輝く「迷」作を、紐解いていきます。

 少女マンガを読んでいる読者の9割は、なんの特技もない平凡な女子のはずだ。そして平凡な女子に与えられる出会いというのは、通常、平凡な男子である。お顔も頭も普通の女子なら、お顔も頭も普通の男子があてがわれるのだ。

『罪に濡れたふたり』の"罪"は近親相姦ではなく、●●としか思えないっ!

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『罪に濡れたふたり』1巻(小学館)

――西暦を確認したくなるほど時代錯誤なセリフ、常識というハードルを優雅に飛び越えた設定、凡人を置いてきぼりにするトリッキーなストーリー展開。少女マンガ史に燦然と輝く「迷」作を、紐解いていきます。

 この作品は、近親相姦という壮大なテーマを持っているように見えるけれど、実は単にサカった尻軽女が運の悪い恋愛をする話である。

変人がメイ作を作る? 『ガラスの仮面』のキャラクターを見直してみよう

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『ガラスの仮面』第1巻/白泉社

――西暦を確認したくなるほど時代錯誤なセリフ、常識というハードルを優雅に飛び越えた設定、凡人を置いてきぼりにするトリッキーなストーリー展開。少女マンガ史に燦然と輝く「迷」作を、紐解いていきます。

 『ガラスの仮面』はすごい話だ。確かに日本マンガ界における名作だ。主人公である北島マヤと姫川亜弓がただただ、「紅天女」という役を得るためだけにしのぎを削るスポ根マンガ。多くの人がその魅力を真面目に分析しちゃうような大作だ。もちろん所々にある(というより全体的にまぶされた)ツッコミ待ちポイントに魅力を感じる人もいるだろうが、それよりもなによりも、主要キャラクターがとんでもない変わり者だという所が、非現実的な世界観を作り上げている。なので、今回はキャラクターを軸に、『ガラスの仮面』の魅力に迫ってみたい。