イカ天を彷彿とさせる古くささに痺れる、アメリカ初の少女マンガ『Rock and Roll Love』

<p> 日本に少女漫画が誕生して50年以上が経った。「オンナ子どもが読むもの」と蔑まれていた少女マンガだが、いまや日本を代表する文化の1つだ。特に近年、マンガ家志望の女子が増え、イラストの技量もストーリーの内容も、出版される作品の品質は飛躍的に上がった。</p>

おデブ“だから”イケメンに愛される!?  『ぽちゃまに』に見る、努力を捨てたヒロイン像

<p> 女の願望はわがままだ。何の努力もしないで認められたい。美人じゃなくても、女らしくなくても、心がキレイだったり、正義感にあふれているから魅力的でしょ? 外見じゃなくて中身を見てよね。そんな私を理解して許容してくれる男子こそ、やっぱりイケメンよね~、と。<br /> </p>

33歳OLと21歳大学生の年の差愛――『きょうは会社休みます。』が最高にイラつく理由

<p> 少女漫画に登場する男たちは、いつだってかっこいい。見た目はもちろん清々しく、体脂肪率だって10%未満(推定)だ。たいてい勉強かスポーツができる。その上、一見貧乏そうだけど、実は金持ちだった、という『MARS』(講談社)の樫野くんみたいな例もある。</p>

真央ちゃんや結弦くんよりドラマチック!? 失踪者続出のスケート漫画『愛のアランフェス』

<p> ソチオリンピックが終わった。マンガ脳女のみなさん、お疲れ様でした。君たちは毎晩朝方まで観戦に明け暮れてたはずだ。何よりマンガ脳に響く競技といえば、「フィギュア」だからだ。「逆バレンタイン」という謎の言葉を造成した町田樹選手はともかく、優等生ぶりがBBA心を刺激する羽生結弦選手は少女マンガから抜け出たような風貌。そして「こりゃ本物か!」の結成1年の急造ペア高橋・木原組。男子選手の木原龍一選手は、1年前まではシングルの選手だったそうだ。シングルからアベック競技への転向は、そりゃあもう少女マンガ頻出のパターンなのですもの。</p>

感電、監禁、流血、脳みそ操作まで!? 少女マンガ『出口ゼロ』の異様な鬼畜度

<p> 東京ディズニーランドにそびえるシンデレラ城の地下に、体験型RPG(でも劣化版)という感じのアトラクションがあった。ガイド役のお兄さんお姉さんに連れられて、10数名の客が団体で地下深くに降りていき、ガイドさん以外は何が大変なのかよくわからない障害を乗り越えて、ガイドに指名された客が勇者となり、剣かなんかで魔王を倒してああよかった、という「シンデレラ城のミステリーツアー」というやつだ。</p>

ヒロイン=非処女が前提になった、少女漫画における「セックス」の意味

<p> 数年前、世の中に遊郭ブームが巻き起こった。映画化された安野モヨコの『さくらん』(講談社)、「R‐18文学賞」を受賞し、漫画化もされた『花宵道中』(新潮社)、遊女が主人公のミステリ仕立ての小説『吉原手引草』(幻冬舎)などなど。浮き世を忘れる夢のように華やかな街と、そこで心と体をすり減らしていく女たち。ディズニーリゾートのキャラクターたちが、実は借金を負って売られてきたネズミやらクマやらで、借金返済のために観光客にひたすら身を粉にしてサービスをしていると思ったら、なんだか切ないじゃないか。そんな哀愁が遊郭にはある。自分がなるのはごめんだけど、遠くから見る分には異世界みたいで楽しいという、ワイドショー好きの心をビンビン刺激してくれるのだ。</p>

ウブな高校生カップルに神経が参る! 『ハツカレ』の途方もないドキドキ感の理由

<p> 突然ですが、ものすごーく臭いトイレに入ったとしましょう。「オエッ! クサ!」っとなっても、すぐに最初ほどの刺激はなくなってきます。そのため安心して、しばらく個室で過ごせますね。これは、同じ臭いをかぎ続けると、嗅覚が順応して鈍感になってしまうためです。毎日香水をつけている人が、どんどんつける量が増えていって、そのうちものすごい臭いを発するようになるのも、自分ではその香水の匂いをかぎ分けられなくなって、つける量が増えていくためです。逆に、普段は感じないのに、長期の旅行から帰った時だけ、お家の臭いがするのもコレのせいです。</p>

学園ラブコメが南の島のお家騒動に発展、ジェットコースターマンガ『炎のロマンス』

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『炎のロマンス(1)』/講談社

――西暦を確認したくなるほど時代錯誤なセリフ、常識というハードルを優雅に飛び越えた設定、凡人を置いてけぼりにするトリッキーなストーリー展開。少女マンガ史にさんぜんと輝く「迷」作を、ひもといていきます。

 まだまだバブルの残り香がぷんぷんしていた頃、『もう誰も愛さない』(フジテレビ系)というドラマがあった。あらすじはまったく覚えてないんだけど、あれよあれよとめまぐるしく話が展開し、先週敵同士だったのに今日は味方になってたり、脚が動かなくなって車イスに乗ってたかと思えば次の週には立てるようになってたり。1週見逃すと、もう話がわからなくなる展開の早さ故、「ジェットコースタードラマ」などと呼ばれていた。まあ、だから詳細を失念しても仕方ないよね、うん。

 少女マンガにもある。ジェットコースターが。昔のマンガって、コマ割が今よりも小さくて4段組が当たり前、漫画的表現もまだまだ未発達で、細かい部分は読み手の想像力に負うところが大きかったから、1ページあたりの話のスピードが断然速かった。

不倫OLの悲哀を尻目に、主人公の「被害妄想」ネタで引っ張る『クローバー』

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『クローバー 1』/集英社

 OLは大変なのだ。事務職なんかで会社に入った場合、お茶汲みだのコピー取りだの、楽かもしれないけど達成感も面白みもない仕事を延々とやらされたり、社内恋愛のライバルになっちゃって同僚に意地悪されたりする。 そういう仕事を毎日やってて、ぶっちゃけ10年後、自分が会社で活き活きと仕事をする姿が想像できるだろうか。

 そんなOLたちは、夢を見る。「どうにかいい男を見つけて、さっさとこんな厳しい環境からサヨナラしたい……」。そうして男に救いを求めるも、世の中、少女マンガに出てくるようないい男ばっかりじゃないから、彼女たちの夢はいとも簡単に破られてしまうのである。

 『クローバー』(集英社)は、けなげに生きるOLたちの、等身大の奮闘記だ。仕事にやりがいを見いだせず、かといって男との恋愛も平坦ではない。登場するOLたちは、みなひどく男たちに悩まされている(そんであんまり仕事しない)。

鬼との禁じられた恋を描く『銀の鬼』、大掛かりなテーマに潜む“うっかり”の罠

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『銀の鬼』/ 朝日ソノラマ

――西暦を確認したくなるほど時代錯誤なセリフ、常識というハードルを優雅に飛び越えた設定、凡人を置いてけぼりにするトリッキーなストーリー展開。少女マンガ史にさんぜんと輝く「迷」作を、ひもといていきます。

 他人から「いい人だ」と評価されるには、どうしたらいいだろう。休日にはボランティアとかに行って笑顔を振りまいたり、せっせと他人に金つぎ込んだりすればいいだろうか。「他人に優しくする」っていうのは相手の望むことをしてやらなければいけないわけだから、実はとても高度な技術が必要なのである。しかも結構地味な作業だし。

 しかし、いとも簡単に「いい人」を強調できる方法がある。すっごい悪い男に好かれることだ。例えば『王家の紋章』(秋田書店)のキャロル。ひどい暴君メンフィス王に追いかけ回され、「そんな人はイヤ」とか拒絶しながらも、「そんなひどいことをしてはダメよ」とか偉そうに説教するだけでいい人 度跳ね上がり。いい人どころか「悪を許さないから神聖」だ、という簡単な法則ができあがってるんである(まあ彼女の場合は彼女をつけ回す権力者たちからのDVに耐えたり、20世紀の知識を披露して神業発揮したりしてますが )。故に少女マンガでは、悪い男が主人公を追いかけ回す話が結構ある。『花より男子』(集英社)の道明寺も、決して優等生ではないしね。