元恋人兼マネージャーが証言した歌姫の「ホテル大暴れ事件」…実録・中森明菜伝説<後編>

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『中森明菜 THE LIVE DVD COMPLETE BOX』(ユニバーサル ミュージック)

 年末が近づくと決まって出るのが中森明菜(52)の話題だった。「紅白に出る」「コンサートを開催」と言った話が主だったが、一昨年の「紅白」に米国のレコーディングスタジオから中継で出演したのを最後に、昨年から噂は途絶えた。それでも明菜はディナーショー限定でファンの前で歌うことになった。

「根強いファンの多い明菜がファンの為に歌える場所はホテルのディナーショーが最適。コンサートと違い、歌う楽曲も少なくて済むし、ファンを大切にする気持ちを伝えられる。明菜のディナーショーは値段に関係なく人気が高く、今年もほぼ完売。ディナーショーの売り上げとCDの売れ行きだけで、十分な収入を得られる。今後もテレビに出ることなく、同じやり方で通していくと思います。新しい形の歌手活動ですが、明菜だからできること」(音楽関係者)

 明菜にはデビュー以来、「扱うのが難しい歌姫」と言われ続けた歴史がある。

「キレるとなにをするかわからない」

 歌姫を御することができるのは、彼氏しかいない。彼氏と言われて6年間、個人マネージャーを務めた元・六本木の黒服A氏が「最も衝撃的だった」というエピソードを紹介する。

 97年頃の事だった。A氏に化粧品会社から「明菜さんをCMに使いたい」とオファーがあった。契約金5千万円。売り上げからロイヤリティーとして10%を出すという、当時としては破格の話だった。明菜も乗り気で撮影地のマレーシア・クアルランプールに飛んだのだが—

「撮影の途中で話がおかしいと思い始めました。仕事の仲介役だった代理人がドロンしてしまったのです。これは推測ですが、契約の内容もでたらめで、中間搾取した金を持って逃げたのではないかと思います。とはいえ、異国の地。どうすることもできずにいると、明菜は突然、ホテルの部屋でキレてしまった。夜遅く、明菜の部屋から爆音が響いてきたのです。ガチャガチャどころか、ガラスが割れるような音まで。慌てて部屋に行ってみると、足の踏み場もないほどすべてのものが破壊されている状態。テレビから高そうな壁の絵までなにもかも。明菜も割れたガラスで切ったのか、手が血だらけ。その中で明菜はさらにステレオの音を大音量で響かせていたから、同じフロアーの客が何事かと部屋を覗きに来た。“恐い”と逃げる人までいました。僕は唖然とするだけで、言葉を失ったままでした。明菜に問い詰めるのはとても無理だった。それよりも、この部屋の弁償金はどうなるのだろうと不安になった。海外のホテルの一室。明菜が有名な歌手であることなど誰も知らない。CM契約はご破算。おまけに損害金。1千万円ぐらいは覚悟しました」(A氏)

 ホテル側との話し合いの結果、200万円程度で落ち着いたという。

「ホテルとの話し合いがついたことを明菜に言っても、明菜に悪い事をした意識はなく、平然としていました。で、僕に言った言葉は『オマエが悪い』の一言でした。帰国後、しばらくして明菜から一方的に解雇通告を出されました」

 A氏はそんな明菜との日々をこう振り返った。

「自分なりに明菜の為に一生懸命、マネージャーとして勤めてきましたが、突然の解雇は寂しかった。でも、どこかで明菜から解放されたいという気持ちもありましたから、ほっとした部分もあります」

 最後にA氏は明菜をこう分析した。

「明菜は感情の起伏が激しい人。仕事も私生活も順調なときは、とてもいい子ですが、なにかうまくいかないことが起きると、どうなるか予測不能。芸能界に入り、騙されたり、裏切られたりしたことが、人間不信の原因になっているような感じもしました。だから可哀想だと思うことも多々ありました」

 そんな彼女も最近は、彼氏といわれる個人マネージャーとマンツーマンでうまくいっているという。

(敬称略)

二田一比古
1949年生まれ。女性誌・写真誌・男性誌など専属記者を歴任。芸能を中心に40年に渡る記者生活。現在もフリーの芸能ジャーナリストとしてテレビ、週刊誌、新聞で「現場主義」を貫き日々のニュースを追う。

キムタクが東野圭吾の原作にダメ出し!? 迷走するジャニーズ

飯島反旗に困惑のジャニーズ

「週刊文春」(文藝春秋)メリー喜多川氏インタビュー中の、飯島三智氏呼び出し叱責から、SMAP解散報道、そして解散へ。ここ数年で国民的アイドルだったSMAPとジャニーズ事務所を取り巻く環境は大きく変化をしてきた。飯島氏という楔が抜けたことで、大手事務所の運営はぐらついているように見えるが……。

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「オロナミンC」でのエイプのカモフラジャケットや、「ビューティフルライフ」でのティアドロップ。キムタクに憧れたあの頃。

 ジャニーズ事務所を退所した元SMAPの稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾の3人が、アベマTVで72時間の生配信番組に出演。先に脱退した元メンバーの森且行との共演なども相まって、総視聴数が7400万超えし、ツイッターのトレンドでも関連ワードが世界一となるなど、いくつかの伝説を打ち立てた。チャレンジングな企画に好意的な印象を持った視聴者も多く、放送終了後もネットメディアを中心に絶賛の声が相次いでいる。

 だが、単純に動画配信ビジネスとして見た場合には、疑問視するメディア関係者も多いようだ。

「『72時間ホンネテレビ』配信前には、『もしかしたらテレビ局の視聴率を取ってしまうかもしれない』と、関係者はその行方を無視できない状態でした。ただ、蓋を開けてみたら、瞬間視聴数で見れば100万人、視聴率に換算すると1%程度の数字だったようです。3日で7400万視聴は確かにすごい数字ですが、それは、『ネット的には』というカッコがつきますね」(テレビ局社員)

 広告代理店社員も話す。

「同番組の広告枠が強気の値付けだと、広告界隈では一時期評判でした。結局、サイバーエージェントの自社広告ばかりで『埋まらなかったのか』となりましたね。7400万視聴数という数字に関しては、細かく検証が進んでいますが、システム的な面で不明瞭な部分もあって、大体の数字という感じですね。アベマTV側も、『最大同時アクセス数』は把握しているでしょうけど、表に出さないので、余計に疑惑を呼んでいます」

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「オロナミンC」でのエイプのカモフラジャケットや、「ビューティフルライフ」でのティアドロップ。キムタクに憧れたあの頃。

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 だが、単純に動画配信ビジネスとして見た場合には、疑問視するメディア関係者も多いようだ。

「『72時間ホンネテレビ』配信前には、『もしかしたらテレビ局の視聴率を取ってしまうかもしれない』と、関係者はその行方を無視できない状態でした。ただ、蓋を開けてみたら、瞬間視聴数で見れば100万人、視聴率に換算すると1%程度の数字だったようです。3日で7400万視聴は確かにすごい数字ですが、それは、『ネット的には』というカッコがつきますね」(テレビ局社員)

 広告代理店社員も話す。

「同番組の広告枠が強気の値付けだと、広告界隈では一時期評判でした。結局、サイバーエージェントの自社広告ばかりで『埋まらなかったのか』となりましたね。7400万視聴数という数字に関しては、細かく検証が進んでいますが、システム的な面で不明瞭な部分もあって、大体の数字という感じですね。アベマTV側も、『最大同時アクセス数』は把握しているでしょうけど、表に出さないので、余計に疑惑を呼んでいます」

歌姫のマネージャーにして恋人だった男の告白…実録・中森明菜伝説!!

 近年、所属タレントと事務所のトラブルが多い。タレントのローラは事務所との問題が解決せず、独立も棚上げになっている。

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『明菜(通常盤)』(Universal Music =music=)

「タレントは金銭面や仕事の内容に不満が積もれば、独立を画策する。しかし、事務所側はそのタレントにまだまだ価値があり、経営上手放せない存在である場合、やはり独立させまいとする」(芸能関係者)と言われるのが芸能界。独立はいつの時代もややこしく、円満に進むケースは少ない。結果、独立できたとしても元事務所からの目に見えない圧力などで、しばらくはいばらの道が続くという例も多々ある。

 昭和を代表する歌姫・中森明菜(52)も、独立後は決して順風満帆ではなかった。

「デビュー以来、大手プロに所属していた約7年間は次々とヒット曲を飛ばし、歌謡界を席巻した明菜ですが、管理は大変だった。ちょっと気に入らないと、二言目には“マネージャーを代えて”と言いだし、何人も代えられています」(前出・関係者)

 独立のきっかけになったのは、近藤真彦との悲恋といわれている。週刊誌のスクープで熱愛関係が公となり「結婚説」も飛び交っていた矢先、明菜は近藤の自宅マンションで自殺未遂を起こし、責任を取る形で事務所を退所。個人事務所を設立し、新たな音楽活動を始めたが、その後も個人事務所を何度となく変更。順調だった活動も滞るようになった。

 当時、芸能関係者の間ではこんな話がしきりに流れていた。

「明菜はアイドルの域を超えたビッグな歌手。歌謡界で息の長い歌手になれる素材だが、マネジメントが難しい。彼女を上手にコントロールできるのは、恋人しかいない。明菜の恋人になる気持ちでいられる男でないと、マネージャーは務まらない」

 現在も明菜は恋人といわれる男性がマネージャーをしていると囁かれており、そのあたりは昔と変わっていないように見える。著者はかつて明菜の恋人となり、93年から約6年間、個人マネージャーをしていた男性と接触して、話を聞いたことがある。そこで聞いた、彼と明菜とのエピソードは、現在の明菜の置かれている立場が垣間見えるようだった。

 ここで、先に放送関係者の話を紹介しよう。「明菜は放送当日にならないと、本当に局に来るかどうかもわからないし、時間通りに来るとも限らないから恐くて使えない。必然的にテレビの仕事が激減する」

 明菜はウォッカなど強いお酒と激辛料理を好み、鞄には常にマイ・タバスコを持っていたほどだった。音楽番組から消えた明菜だが、それでも歌を歌うことは忘れず、知り合いの店でお酒を飲みながらカラオケで歌っていたこともあったという。

 著者の知人は「偶然、お店で明菜と一緒になり、デュエットした」と興奮して話をしていた。普段はスターを気取ることもせず、すごく庶民的な子なのである。

 そんな折、知り合ったのが、当時、六本木のバーで黒服をしていたA氏。韓流スターを彷彿させる甘いマスクで、六本木界隈でもイケメン黒服として女性客に人気だった。明菜とも最初は、お客として知り合った。やがて明菜に気に入られ、次第に客と黒服の関係から恋人関係になったという。A氏は2人の関係について「いや、そんな関係では~…」と濁していたが、黒服を辞めて個人マネージャーとして地方から海外の仕事まで同行。常に行動を共にしていたことから、「恋人だろう」というのが周囲の認識だった。個人マネージャーといってもあくまで明菜に雇われている身。明菜に絶対的な権限がある。明菜社長に使われる1人だけの社員に過ぎない。マネージャーとしてはなんの実績もないズブの素人だが、明菜のブランド力で仕事は順調だった。

 しかし彼は、どんなに仕事が順調でもちょっと気に入らないことがあると、「すぐキレる」と述懐していた。

「キレると恐い。あたりかまわず目の前にある物を投げてくる。ペンぐらいならいいけど、コップや灰皿などが飛んでくる。それが出張先のホテルの部屋でもやる。飛んだ物がテレビや壁に飾った絵画に当たり、多額の弁償金を払ったこともある。相手が明菜ということで穏便に済みましたが、都内のホテルでは明菜に出入り禁止をだしたところもありました」という。

 そして明菜は、海外のホテルでも大事件を起こすことになるのである……。  (以下、次回)

(敬称略)

二田一比古
1949年生まれ。女性誌・写真誌・男性誌など専属記者を歴任。芸能を中心に40年に渡る記者生活。現在もフリーの芸能ジャーナリストとしてテレビ、週刊誌、新聞で「現場主義」を貫き日々のニュースを追う。

ヨウジヤマモトがデザインを担当? ファッションブランドとしての“無印良品”研究

 生活雑貨や食品のほか衣服も多く取り扱い、全世界で700店舗を展開する無印良品。シャツやニットなどのシンプルなアイテムは人気が高く、ユニクロ等の製品と比較されることも多い。では、“ファッションブランドとしての無印良品”はどのような特徴を持っているのか。またファッション業界ではどう評価されているのだろうか。業界関係者に話を聞いた。

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 シャツやデニムなどの製品はユニクロと比較される機会も多い無印良品。そのファッションアイテムは「デザインは極めてベーシック」「価格に対して高品質」というイメージが強く、価格帯はファストファッションと同程度~やや高めという印象だ。

 では、「アパレルブランドとしての無印良品」は、ファッション業界関係者からはどう見られているのだろうか。メンズファッションバイヤーのMB氏は次のように話す。

「公表はされていませんが、無印の洋服のデザインはヨウジヤマモトが手がけたものもあると言われています。シンプルなシャツやニットの評価はとても高いですね。一方で無印は雑貨や食品も販売していますし、アパレル側の人間からすると、ユニクロやファストファッションのお店とは立ち位置が違う存在なのかな……とも思います」

 では、具体的にはどこが違うのか。

「ユニクロはベーシックを謳いつつも、やっぱりトレンドは追いかけているんです。パンツやシャツなどの定番品も、トレンドに合わせて裾幅や肩幅を変えていますし、最近流行のビッグシルエットのアイテムも積極的に扱っています。一方で無印にはビッグシルエットのアイテムもほとんどなく、定番品のデザインを大きく変えることもない。“本当の意味でのベーシックウェア”を作り続けているイメージです。流行を追いかけないという点で、やはりファッション業界からは一歩身を引いている印象がありますね」

 メンズファッション誌の編集者も、「無印にもビッグシルエットを意識したアイテムは少しありますが、ユニクロほど思い切らないんですよね」と話す。

「価格帯としても、チノパンやデニムはユニクロより高いし、デニムには1万円を超えるものもあります。どの商品もコスパがいいのは間違いないですが、ユニクロやファストファッションの店舗とは一線を画している印象があります」(メンズファッション誌編集者)

 そんな無印良品のアイテムが世の中で大ウケしたのは、ノームコアが大ブームになった2~3年前の時期。ノームコアとは“normal”と“hardcore”などの“core” を組み合わせた造語。普通のアイテム、シンプルなアイテムこそ逆にオシャレ……という考え方だ。

「あの時期の無印はすごい人気でしたね。特にオックスフォードのボタンダウンシャツは雑誌『Begin』でも賞賛されて、『このシャツを毎年買ってローテーションしています』という人も多くいました。ノームコアのブームが一般層に降りてきた去年あたりまでは、ファッション誌が無印のアイテムを取り上げることも多かったです」(メンズファッション誌編集者)

 MB氏も「ノームコアがブームの頃は『変にブランドの服を買うよりも無印のほうがいい』『シャツは無印しか着ない』という人も多かった」と語る。だが、ファッション業界の流行は徐々に変化していった。

「ノームコアのブームで『服はシンプルなものでいい』『シンプルなものこそカッコいい』という価値観が広まりましたが、ファッションは相対評価の世界。みんなが同じものを着ると、その価値は失われていきます。実際、最近のコレクションでは刺繍やプリントを使ったアイテムが増えていて、装飾性を重視するのが1つのトレンドになっています。ユニクロやGUはその点も意識して、シンプルなアイテムにも流行を取り入れた味付けをしていますね」(MB氏)

 一方で無印はノームコアのブームが去っても、製品のデザインを大きく変えることはなかった。

「無印のファッションアイテムはどこまでもノームコア。本当になんのデザインもない、極めてシンプルなアイテムを作り続けています。ファッション屋さんであれば、『トレンドを追わないと価値観の変化に置いていかれる』という恐怖心があると思いますが、無印にはそれがなさそうですよね。だからノームコアの流行が去っても変わらない無印を見て、『やっぱりファッション屋さんではないんだな』と強く感じました」(MB氏)

 そんなファッションブランドとしての無印の強みは、流行とは関係のない部分にある……と考えている人もいるようだ。

「同じベーシックでも、ユニクロは『消耗品としての服を売っている』という印象がありますが、自然な素材感を重視し、環境への配慮なども訴える無印は『ライフスタイルを売っている』という印象があります。実際、リメイク工房を併設している店舗もありますからね。無印の服を買うことは、無印のライフスタイルを身に纏うことであり、『私は自然や環境に配慮しています』というアピールにもなると思います」(メンズファッション誌編集者)

 無印がトレンドを追いかけない裏側には、そのような思想があるわけだ。

「だからデザインを変えるとしても、無印はユーザー視点の機能性を重視している印象です。たとえばジーンズでは、無印はスマホを入れやすいポケットを付けた製品を発売しています。『コンバース以上のクオリティでコンバースより安い』と言われたコットンスニーカーも撥水加工がされていて、インソールが日本人の足に合っていると評判でした。いずれも無印ならではの改良だと思いますね。同じジーンズをリーバイスが作ったら『いらないもん付けやがって!』と怒る人が絶対いますし、コンバースが撥水加工をしたら『キャンバス地がくたびれてくるのがいいんだ!』と言われるはずです(笑)」

 一方でその高評価のスニーカーも「見た目は野暮ったい」(メンズファッション誌編集者)とのこと。トレンドより機能性や自然な素材感を重視する点は、ファッションブランドとしてはやはり弱点でもあるのだ。

「今年になってヴェトモンやオフホワイト、ゴーシャラブチンスキーといったハイストリート系のブランドがはやり始めると、無印はだいぶ戦いづらくなりました。無印はもともとアメカジテイストが強く、良くも悪くもベーシックなので、ハイストリートのブランドとは相性が悪いんです。洗いざらしのシャツなども野暮ったさがありますし、素材感からしてキレイめな雰囲気を装えないんですよね。だから今のトレンドに合わせた着こなしをすると、無印のアイテムを1つでも入れたらバランスが崩れちゃうし、僕も最近は『無印の服を着る』という発想が一切なかったです」(メンズファッション誌編集者)

 無印の服は良くも悪くも日常着で、「“こだわりがないのがこだわり”みたいな感じ」(メンズファッション誌編集者)というわけだ。

「H&Mの服であれば、『サッと全身を揃えてパーティーへ』なんて買い方もできますが、無印ではそれは不可能でしょう。ファッション誌の編集者としても、全身無印での出社は相当キツいですよ。実際にやったときは『休日のパパ?』ってバカにされましたから(笑)」

 MB氏も「全身を無印で固めるとやはり物足りなくなる」と話す。

「特にシンプルなコートなどのアウター全般はちょっと厳しいですね。シンプルなアイテムは、襟のバランスやポケットの位置をうまく調整できていないとビジネスウェアに見えてしまう。無印のアイテムは、そのあたりの調整があまり上手くできていないように見えます」(MB氏)

一方で、頑なにベーシックを追い続け、大きく変化しない点は無印の強みでもある。

「あくまでファッションを商品カテゴリーの一つとしてとらえているからこそ、無印はそのような姿勢を維持できるんだと思います」(MB氏)

 流行に左右されず、品質や機能性を重視して硬派な商品を作るため、業界全体では特異な立ち位置を維持できる。ファッション業界における無印は、テレビ業界におけるNHKのような存在なのかもしれない。

(取材・文/古澤誠一郎)

だらしなさが、実に人間臭くていい――【斉藤由貴】スローな由貴でいてくれ

『斉藤由貴』

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『ETERNITY』(ヤマハミュージックコミュニケーションズ)

「週刊文春」に50代医師との不倫疑惑が報じられる。一度は否定したが、「FLASH」にキス写真や、自宅とおぼしき場所で医師がパンツを被っている写真を掲載され、最終的には認めた。パンツが彼女のものなのか、娘のものなのかは明らかにされていない。


 わ~た~し~♪愚かな~♪女~の~子で~すか~♪

 斉藤由貴の代表作『スケバン刑事』(フジテレビ系)のエンディング曲にして、セカンドシングル「白い炎」の一節である。

 当時小学3年生だった私は、まさか32年の時を経て、この歌詞が本人の生きざまとシンクロするとはつゆ知らず、昼休みの教室で大熱唱していたものだ。「お前は愚かな男の子だよ」という、担任教師からのツッコミにもめげずに。

 まあ、本来であれば1991年に尾崎豊と、93年には川﨑麻世との不倫報道が出ているわけで、とっくにこの歌詞とのシンクロに気づいていてもよさそうなものだが、当時私は、友達のいない高校生活の真っただ中であり、人さまの不倫よりも己の教室での振る舞いに神経を尖らせていたため、世間の動向はまったく追えていなかったのである。

 それが、今回の50代医師との3度目の不倫報道によって、過去の所業までもが改めて報じられてしまい、私のように知らずに過ごしていた人間にまで知られるところとなってしまった。つくづく、下世話な世の中であるなあとゲンナリすると同時に、不倫相手のランクが下がっていっているように思うのは気のせいだろうか。

 ともあれ、結婚し、母になり、仕事をセーブしていた時期があったものの、ここ数年の活躍ぶりに「50歳で再ブレイク」などと評されていたタイミングでの不倫報道は、なかなかの痛手だ。だがその半面、中年男性層のファンがグッと増えたことも事実である。特に文春の報道を受けて開かれた1回目の記者会見は、“神回”との呼び声が高い。「えーと」「あの~」を繰り返すユルいしゃべり方に萌え、服装や髪がボサボサにもかかわらず、その憔悴しきった表情からは色気すら感じられた。なんなら、1回目の記者会見を見て好きになったという人もいたほどだ。

 まあ、いつもの流れなら、私もこのタイミングで……と言いたいところだが、なぜかこの時はノレなかった。多分、『スケバン刑事』でいうと、初代より三代目の浅香唯派だったため、自制心が働いたのかもしれない。

 では、私がどのタイミングで惹かれたかといえば、「FLASH」の続報2連発を受け、公式に不倫を認めてからである。さすがに不倫相手とのキス写真および“パンツ被り”写真まで掲載されてしまっては、ごまかしようがない。お相手のパンツの被り方については、彼のように頭から被る派と『変態仮面』のように顔から被る派の2つの流派があり「不倫相手のパンツ、上から被るか? 横から被るか?」といった岩井俊二的な論争が巻き起こっているので、そちらに譲るとして、というか巻き起こってもいないので無視するとして、大事なのは「不倫を認めた」というところである。

 というのも、斉藤由貴が夫婦共々入信しているモルモン教では、基本的に離婚が禁止されているという。夫婦間が冷めきり、「バレたら離婚しちゃえばいいや」と思ってする不倫とは、リスクの大きさが違いすぎる。特に今回、内容がヘビーだ。家庭内の空気は相当重苦しいものだろう。でも、逃げられない。そんなリスクが頭の片隅にありながら、それでも「ヤッてしまった」という、そのだらしなさが、実に人間臭くていいではないか。しょせん、人は欲望に翻弄されて苦しむ生き物。アダムとイブ、スケバンと医師なのである。

 加えて、不倫関係が始まった時期と彼女の再ブレイクのタイミングが微妙にシンクロしており、コメントからもなんとなくそのへんのニュアンスが感じられた。つくづく、女優は、いや女性は恋をして輝くのだなあと不謹慎ながら感じてしまった。不謹慎ついでに言えば、死に物狂いで頑張ろうとするとき、人によるのかもしれないが、心の支えになるのは宗教よりも人のぬくもりなんじゃないだろうかということだ。不倫云々は置いといて。その点を、清水富美加はどう感じているのだろう。

 なんにしろ、しばらく彼女への逆風は続くだろう。だが、これだけ人間の“業”を背負った女優はほかにいない。むしろ、この騒動を経てどう成長するのか見たくないだろうか。それが、4度目の不倫報道が出る時だとしても。

 そんな彼女へのエールも込めて、最後はこの曲でお別れです。アニメ『めぞん一刻』の主題歌。斉藤由貴で「悲しみよこんにちは」。

 平気~♪涙が乾いた跡には~♪夢への扉が~あるの♪ 悩んでちゃ~♪行けない~♪

西国分寺哀(にしこくぶんじ・あい)
今回の原稿は、JASRACに申請が必要なのかどうかがわからず、ビクビクしている40代会社員。パンツは部屋の照明で透かす派。

だらしなさが、実に人間臭くていい――【斉藤由貴】スローな由貴でいてくれ

『斉藤由貴』

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『ETERNITY』(ヤマハミュージックコミュニケーションズ)

「週刊文春」に50代医師との不倫疑惑が報じられる。一度は否定したが、「FLASH」にキス写真や、自宅とおぼしき場所で医師がパンツを被っている写真を掲載され、最終的には認めた。パンツが彼女のものなのか、娘のものなのかは明らかにされていない。


 わ~た~し~♪愚かな~♪女~の~子で~すか~♪

 斉藤由貴の代表作『スケバン刑事』(フジテレビ系)のエンディング曲にして、セカンドシングル「白い炎」の一節である。

 当時小学3年生だった私は、まさか32年の時を経て、この歌詞が本人の生きざまとシンクロするとはつゆ知らず、昼休みの教室で大熱唱していたものだ。「お前は愚かな男の子だよ」という、担任教師からのツッコミにもめげずに。

 まあ、本来であれば1991年に尾崎豊と、93年には川﨑麻世との不倫報道が出ているわけで、とっくにこの歌詞とのシンクロに気づいていてもよさそうなものだが、当時私は、友達のいない高校生活の真っただ中であり、人さまの不倫よりも己の教室での振る舞いに神経を尖らせていたため、世間の動向はまったく追えていなかったのである。

 それが、今回の50代医師との3度目の不倫報道によって、過去の所業までもが改めて報じられてしまい、私のように知らずに過ごしていた人間にまで知られるところとなってしまった。つくづく、下世話な世の中であるなあとゲンナリすると同時に、不倫相手のランクが下がっていっているように思うのは気のせいだろうか。

 ともあれ、結婚し、母になり、仕事をセーブしていた時期があったものの、ここ数年の活躍ぶりに「50歳で再ブレイク」などと評されていたタイミングでの不倫報道は、なかなかの痛手だ。だがその半面、中年男性層のファンがグッと増えたことも事実である。特に文春の報道を受けて開かれた1回目の記者会見は、“神回”との呼び声が高い。「えーと」「あの~」を繰り返すユルいしゃべり方に萌え、服装や髪がボサボサにもかかわらず、その憔悴しきった表情からは色気すら感じられた。なんなら、1回目の記者会見を見て好きになったという人もいたほどだ。

 まあ、いつもの流れなら、私もこのタイミングで……と言いたいところだが、なぜかこの時はノレなかった。多分、『スケバン刑事』でいうと、初代より三代目の浅香唯派だったため、自制心が働いたのかもしれない。

 では、私がどのタイミングで惹かれたかといえば、「FLASH」の続報2連発を受け、公式に不倫を認めてからである。さすがに不倫相手とのキス写真および“パンツ被り”写真まで掲載されてしまっては、ごまかしようがない。お相手のパンツの被り方については、彼のように頭から被る派と『変態仮面』のように顔から被る派の2つの流派があり「不倫相手のパンツ、上から被るか? 横から被るか?」といった岩井俊二的な論争が巻き起こっているので、そちらに譲るとして、というか巻き起こってもいないので無視するとして、大事なのは「不倫を認めた」というところである。

 というのも、斉藤由貴が夫婦共々入信しているモルモン教では、基本的に離婚が禁止されているという。夫婦間が冷めきり、「バレたら離婚しちゃえばいいや」と思ってする不倫とは、リスクの大きさが違いすぎる。特に今回、内容がヘビーだ。家庭内の空気は相当重苦しいものだろう。でも、逃げられない。そんなリスクが頭の片隅にありながら、それでも「ヤッてしまった」という、そのだらしなさが、実に人間臭くていいではないか。しょせん、人は欲望に翻弄されて苦しむ生き物。アダムとイブ、スケバンと医師なのである。

 加えて、不倫関係が始まった時期と彼女の再ブレイクのタイミングが微妙にシンクロしており、コメントからもなんとなくそのへんのニュアンスが感じられた。つくづく、女優は、いや女性は恋をして輝くのだなあと不謹慎ながら感じてしまった。不謹慎ついでに言えば、死に物狂いで頑張ろうとするとき、人によるのかもしれないが、心の支えになるのは宗教よりも人のぬくもりなんじゃないだろうかということだ。不倫云々は置いといて。その点を、清水富美加はどう感じているのだろう。

 なんにしろ、しばらく彼女への逆風は続くだろう。だが、これだけ人間の“業”を背負った女優はほかにいない。むしろ、この騒動を経てどう成長するのか見たくないだろうか。それが、4度目の不倫報道が出る時だとしても。

 そんな彼女へのエールも込めて、最後はこの曲でお別れです。アニメ『めぞん一刻』の主題歌。斉藤由貴で「悲しみよこんにちは」。

 平気~♪涙が乾いた跡には~♪夢への扉が~あるの♪ 悩んでちゃ~♪行けない~♪

西国分寺哀(にしこくぶんじ・あい)
今回の原稿は、JASRACに申請が必要なのかどうかがわからず、ビクビクしている40代会社員。パンツは部屋の照明で透かす派。

ハリウッドプロデューサーのセクハラ騒動は対岸の火事じゃない! 日本芸能界におけるセクハラの歴史

 米ハリウッドで大物プロデューサーによる女優へのセクハラ横行事件が発覚した。1人の女優の告発をきっかけに「こんなにいたのか」と驚くほど、次々と女優が「私も」と告発してきた。数多くの名画を世に送り出した敏腕プロデューサーとはいえ、アカデミー賞の主催者は即座に会員資格をはく奪する厳しい処分を下した。

「仕事をあげるから寝ろ」という映画プロデューサーの立場を利用した行為だが、決して珍しい事ではなく、日本の芸能界でも少なくない。ただ、告発には至らず、逆に、泣き寝入りする人もいるという。

「レイプと同じで、告発するのが恐い。無名の女優と力のあるプロデューサーとなれば、告発が事実でもハリウッドのように音声テープなり確かな証拠がないと、握りつぶされてしまうし、むしろ、そんな世界と割り切り、自ら一夜を共にして仕事を得る子もいる」(芸能関係者)

 著者も何度となく「セクハラされた」という話を聞いたことがある。

 原宿で石を投げればモデルに当たると言われていた時代。A子も売れないモデルだった。事務所に所属しているが、たまにある仕事はチラシ広告のモデル。日当は事務所にマージンを引かれると1万円程度。モデルをきっかけに女優になりたいと願い、夜は芸能関係者との出会いを求めて六本木のクラブでバイトしていた。本業がホステスでバイトがモデルのようなものであるが、「私はモデルよ」というのがお客には受けた。確かにスタイルはバツグンだった。

 事務所から香港映画のオーディションを薦められた。個人的に推薦していたということでいきなり赤坂のホテルの一室に呼ばれたという。2人の男の前で彼らが用意した極小のビキニ水着を着て、歩かされたり、座ったり、さらには開脚と、様々なポーズを取らされ、時には胸やお尻を当たり前のように触ってきたという。仕方なくされるままにすると、「決まり。明日から香港に行こう」と言われた。「怪しい」と悟り、怖くなって逃げ帰ったという。後日、モデル仲間から同じ話を聞いたという。結局、彼女は香港に渡り、プロデューサーと一夜を共にした。それで得たのはB級映画で台詞一言のチョイ役だったそうだ。まさにオーディションという名のセクハラ。

 東映京都撮影所。ヤクザ映画を中心に撮影所が全盛の時代だった。チョイ役でもいいから人気映画に出たいという女優の卵が溢れていた。「みんな出演するきっかけが欲しいのよ。そのためなら多少の我慢はしないと、役なんか回ってこない」と大部屋女優は言っていた。事務所も売り込みに必死だった。オーディションを受ける子も後を絶たない。といっても正式なオーディションではない。個人的なツテで売り込む。来るもの拒まず。むしろ女性は歓迎だった。

 こんな光景を見たことがある。撮影所の一室。何人かの男の前に巨乳系の卵が来た。本人もプロポーションを売りにしているようで白のミニワンピース。

「服を着たままでいいからそのまましゃがんでテーブルの上に胸をのせてみて」の指示。屈んで胸をテーブルに乗せる。自然に脚は広く。後ろからでも前からでもパンチラが拝める。吹き出しそうな格好にも本人の顔からは緊張感が漂っている。横から見ると服の上からでも胸の形がくっきりとわかるのは事実だが、指示した男はスタッフ。プロデューサーが来る前の余暇として楽しんでいただけだった。後にプロデューサーが来ると、彼女の話などほとんど聞かず、当たり前のように服の上からではあるが、いきなり胸とお尻をわしづかみ。

「いいんじゃない。キャバレーのシーンでホステスとして使おう」で決まりである。簡単に出演が決まってしまう。ある女優が笑いながら言っていた。「役もホステスなら、撮影後の宴会も出張ホステスしないとならないのよ。中には個人的な付き合いをする子もいた。そういう子は翌日、いきなり台詞のある役になって顔も大きく映してもらえたりする」

 宴席だったが、セクハラ疑惑のあった映画プロデューサーに聞いてみたことがある。

「映画の世界もセクハラはあるのですか」

 返ってきた答えは、「俺はセクハラなんかしていないよ。俺が寝ていると勝手に女が股を広げて乗っかってくるんだ。中には頼んでもいないのに腰を振ってくる人もいる」と冗談っぽく言っていた。ある種の名言だと思う。

(敬称略)

二田一比古
1949年生まれ。女性誌・写真誌・男性誌など専属記者を歴任。芸能を中心に40年に渡る記者生活。現在もフリーの芸能ジャーナリストとしてテレビ、週刊誌、新聞で「現場主義」を貫き日々のニュースを追う。

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