ジェイ・Z、「モラハラ男」「束縛がひどい」と批判の嵐! ビヨンセのコラボ相手を「現場から追い出した」過去

 人気ヒップホップデュオ「UGK」のメンバーとして一躍有名になったラッパーのバン・B。ゲスト出演したポッドキャスト番組『The Nostalgia Mixtape』で、ジェイ・Zがビヨンセの仕事に干渉したことを暴露し、話題となっている。

 バンは現地時間7月9日に出演した同番組で、2005年にヒットしたビヨンセとのコラボ曲「Check On It」のミュージックビデオを振り返り、「見てくれたらわかるんだけど、お姉ちゃんたちが露出度の高い衣装ばっか着てるんだよ」と説明。「(妻の)クイーニーもいたから、舌なめずりしながら女の子たちを見てたわけじゃないけど、『おいおい、こりゃすげえな。ビヨンセがミニスカートで踊っていて、あっちの女の子はビキニで踊ってる』って感じにはなるわけよ」「ビヨンセと女の子たちがイスに座って魅惑的に踊るダンスシーンもあってさ。片足をイスに上げた瞬間、目を凝らしたらケツが見えちゃったりして」と、どうしてもいやらしい目で見てしまったと回想した。

 ところが、撮影現場に問題がないか探る電話を、ジェイがビヨンセのアシスタントにかけてきたことで、事態は一変。その頃「ビヨンセの恋人」という立場にすぎなかったジェイだが、「撮影はどんな感じだ? (撮影所に)男は何人いるんだ?」とチェック。

 「その場にいた男は、オレとオレのクルーで。ほかはみんなストレート(異性愛者)じゃなかった」そうで、ジェイはビヨンセの撮影にバンたちを立ち会わせるなと命令。「オレたちは速攻でその場から追い出されたんだ。オレの撮影の番が回ってくるまで、控室で待機してろって。つまり、それ以上はビヨンセのダンスは見るなってことさ」と、あきれ気味に説明していた。

 バンたちが撮影現場から追い払われたことをビヨンセは申し訳なく思い、「本当にごめんなさい。でもジェイが嫌だって言うから……」と謝罪したという。バンは「事情はわかってるから大丈夫だよ。今日、ここに来られただけで光栄なんだからさ」と伝えたそうだ。

 このバンの暴露に、ネット上では、「ビヨンセみたいなセクシーな彼女だったら、心配になるのも当たり前」「ビヨンセも困ったとか思いつつ、ジェイのヤキモチがうれしかったのでは」といった声が上がる一方、「ジェイのビヨンセへの過干渉は本当にひどい」「自分は浮気しておきながら、ビヨンセのことは束縛するモラハラ男」などという批判的な意見も多く上がった。

 実は「ジェイの嫉妬」を物語るエピソードは、これだけではない。

 ビヨンセは03年に、レゲエアーティストとして世界的な人気を誇るショーン・ポールを客演に迎えた楽曲「Baby Boy」を発売。Billboard hot 100(全米シングルチャート)で9週連続首位を記録するメガヒットとなった。曲がヒットすると、コラボしたアーティストがアワードやコンサートなどで一緒にパフォーマンスすることが多い。しかし、ビヨンセとショーンが同じステージでパフォーマンスする機会はほとんどなく、ファンは疑問に思っていた。

 リリースした年にアメリカで開催された「MTV VMA」(ビデオ・ミュージック・アワード)には、ショーンもいくつかの賞にノミネートされ、プレゼンターとしても出席したのに、ビヨンセが「Baby Boy」をパフォーマンスした時にはステージに登場せず。レコーディングされたヴォーカルが使われた。

 このことについて、ショーンのマネジャーが、「(ショーンが所属する)レーベルの社長を通して、ジェイから『ビヨンセとステージでパフォーマンスするのはオレだけ』と言われた。ジェイは、ショーンとビヨンセを一緒のステージに立たせたくないと、はっきり言ったんだ」と暴露したという情報がある。

 「嫉妬なのか、プロアーティストとして敵視しているからなのかはわからない」としつつも、最初は仲良くしてくれていたのに、脅威と感じるようになったら妨害してくるなんて、「偽善者にもほどがある」というマネジャーの怒りの言葉を報じたのは、ショーンの出身地ジャマイカの新聞「ジャマイカ・オブザーバー」電子版。しかしこの記事は削除されたそうで、「ジェイが圧力をかけたに違いない」とささやかれたものだった。

 ビヨンセとショーンは、13年の「MTV EMA」(ヨーロッパ・ミュージック・アワード)では一緒にパフォーマンスしたが、官能的な曲にもかかわらず、2人の絡みはほとんどなし。MVでの絡みも一切なく、これもコントロール・フリークなジェイの妨害によるものだとみられている。

 ビヨンセとジェイは、「Baby Boy」が作られた時期、すでに交際していた。しかし「まだ2人はステディな関係ではなく、セクシー美女が周りにたくさんいるジェイに対抗するような形で、ビヨンセがショーンと浮気したのではないか」というウワサも。ショーンは否定しているが、「そりゃ、ジェイよりもハンサムでセクシーなショーンのほうがいい」「ショーンにビヨンセを奪われると心配になるのも無理ない」とウワサを信じる人は多い。

 ビヨンセだが、その後コラボしたドレイクとの「Mine」MVも別々に撮影し、絡みはなかった。それに関しても、ジェイが命じたと考えている人は少なくない。

 ビヨンセといえば、昔から女性の権利向上について声を上げる「強い女」というパブリックイメージを持たれている。そんな彼女がジェイの干渉をまるっと受け入れるのか、疑問を持つ人もいるだろうが、実際は無理もないとみる向きも。

 ビヨンセの父親で長年彼女をマネジメントしていたマシュー・ノウルズも、相当なコントロール・フリークで、妻ティナに対してモラハラやDVをしていたという報道も。ビヨンセはそんな両親を見て育ち、マシューの熱心なマネジメントのおかげで世界的スターになった。03年にリリースしたシングル「Daddy」では、「将来のダンナさんはパパみたいな人」と明言。だから、ジェイのようなコントロール・フリークを夫に選び、彼の干渉を受け入れているというのだ。

 11年にビヨンセが父親をクビにしてからは、ジェイがビヨンセのすべてをコントロールしているのだという説もある。ジェイに浮気をされても別れなかったのは、彼なしでは生きていけないほど支配されているからだと、気の毒がる人もいるのである。

 とはいえ、ジェイとの子を3人ももうけながらも厳しいダイエットに励んで第一線に復帰し、反人種差別にも声を上げるなど、ますます「強い女」となったビヨンセ。今ならジェイの干渉にも抵抗できるのかもしれない。

ジェイ・Z、「モラハラ男」「束縛がひどい」と批判の嵐! ビヨンセのコラボ相手を「現場から追い出した」過去

 人気ヒップホップデュオ「UGK」のメンバーとして一躍有名になったラッパーのバン・B。ゲスト出演したポッドキャスト番組『The Nostalgia Mixtape』で、ジェイ・Zがビヨンセの仕事に干渉したことを暴露し、話題となっている。

 バンは現地時間7月9日に出演した同番組で、2005年にヒットしたビヨンセとのコラボ曲「Check On It」のミュージックビデオを振り返り、「見てくれたらわかるんだけど、お姉ちゃんたちが露出度の高い衣装ばっか着てるんだよ」と説明。「(妻の)クイーニーもいたから、舌なめずりしながら女の子たちを見てたわけじゃないけど、『おいおい、こりゃすげえな。ビヨンセがミニスカートで踊っていて、あっちの女の子はビキニで踊ってる』って感じにはなるわけよ」「ビヨンセと女の子たちがイスに座って魅惑的に踊るダンスシーンもあってさ。片足をイスに上げた瞬間、目を凝らしたらケツが見えちゃったりして」と、どうしてもいやらしい目で見てしまったと回想した。

 ところが、撮影現場に問題がないか探る電話を、ジェイがビヨンセのアシスタントにかけてきたことで、事態は一変。その頃「ビヨンセの恋人」という立場にすぎなかったジェイだが、「撮影はどんな感じだ? (撮影所に)男は何人いるんだ?」とチェック。

 「その場にいた男は、オレとオレのクルーで。ほかはみんなストレート(異性愛者)じゃなかった」そうで、ジェイはビヨンセの撮影にバンたちを立ち会わせるなと命令。「オレたちは速攻でその場から追い出されたんだ。オレの撮影の番が回ってくるまで、控室で待機してろって。つまり、それ以上はビヨンセのダンスは見るなってことさ」と、あきれ気味に説明していた。

 バンたちが撮影現場から追い払われたことをビヨンセは申し訳なく思い、「本当にごめんなさい。でもジェイが嫌だって言うから……」と謝罪したという。バンは「事情はわかってるから大丈夫だよ。今日、ここに来られただけで光栄なんだからさ」と伝えたそうだ。

 このバンの暴露に、ネット上では、「ビヨンセみたいなセクシーな彼女だったら、心配になるのも当たり前」「ビヨンセも困ったとか思いつつ、ジェイのヤキモチがうれしかったのでは」といった声が上がる一方、「ジェイのビヨンセへの過干渉は本当にひどい」「自分は浮気しておきながら、ビヨンセのことは束縛するモラハラ男」などという批判的な意見も多く上がった。

 実は「ジェイの嫉妬」を物語るエピソードは、これだけではない。

 ビヨンセは03年に、レゲエアーティストとして世界的な人気を誇るショーン・ポールを客演に迎えた楽曲「Baby Boy」を発売。Billboard hot 100(全米シングルチャート)で9週連続首位を記録するメガヒットとなった。曲がヒットすると、コラボしたアーティストがアワードやコンサートなどで一緒にパフォーマンスすることが多い。しかし、ビヨンセとショーンが同じステージでパフォーマンスする機会はほとんどなく、ファンは疑問に思っていた。

 リリースした年にアメリカで開催された「MTV VMA」(ビデオ・ミュージック・アワード)には、ショーンもいくつかの賞にノミネートされ、プレゼンターとしても出席したのに、ビヨンセが「Baby Boy」をパフォーマンスした時にはステージに登場せず。レコーディングされたヴォーカルが使われた。

 このことについて、ショーンのマネジャーが、「(ショーンが所属する)レーベルの社長を通して、ジェイから『ビヨンセとステージでパフォーマンスするのはオレだけ』と言われた。ジェイは、ショーンとビヨンセを一緒のステージに立たせたくないと、はっきり言ったんだ」と暴露したという情報がある。

 「嫉妬なのか、プロアーティストとして敵視しているからなのかはわからない」としつつも、最初は仲良くしてくれていたのに、脅威と感じるようになったら妨害してくるなんて、「偽善者にもほどがある」というマネジャーの怒りの言葉を報じたのは、ショーンの出身地ジャマイカの新聞「ジャマイカ・オブザーバー」電子版。しかしこの記事は削除されたそうで、「ジェイが圧力をかけたに違いない」とささやかれたものだった。

 ビヨンセとショーンは、13年の「MTV EMA」(ヨーロッパ・ミュージック・アワード)では一緒にパフォーマンスしたが、官能的な曲にもかかわらず、2人の絡みはほとんどなし。MVでの絡みも一切なく、これもコントロール・フリークなジェイの妨害によるものだとみられている。

 ビヨンセとジェイは、「Baby Boy」が作られた時期、すでに交際していた。しかし「まだ2人はステディな関係ではなく、セクシー美女が周りにたくさんいるジェイに対抗するような形で、ビヨンセがショーンと浮気したのではないか」というウワサも。ショーンは否定しているが、「そりゃ、ジェイよりもハンサムでセクシーなショーンのほうがいい」「ショーンにビヨンセを奪われると心配になるのも無理ない」とウワサを信じる人は多い。

 ビヨンセだが、その後コラボしたドレイクとの「Mine」MVも別々に撮影し、絡みはなかった。それに関しても、ジェイが命じたと考えている人は少なくない。

 ビヨンセといえば、昔から女性の権利向上について声を上げる「強い女」というパブリックイメージを持たれている。そんな彼女がジェイの干渉をまるっと受け入れるのか、疑問を持つ人もいるだろうが、実際は無理もないとみる向きも。

 ビヨンセの父親で長年彼女をマネジメントしていたマシュー・ノウルズも、相当なコントロール・フリークで、妻ティナに対してモラハラやDVをしていたという報道も。ビヨンセはそんな両親を見て育ち、マシューの熱心なマネジメントのおかげで世界的スターになった。03年にリリースしたシングル「Daddy」では、「将来のダンナさんはパパみたいな人」と明言。だから、ジェイのようなコントロール・フリークを夫に選び、彼の干渉を受け入れているというのだ。

 11年にビヨンセが父親をクビにしてからは、ジェイがビヨンセのすべてをコントロールしているのだという説もある。ジェイに浮気をされても別れなかったのは、彼なしでは生きていけないほど支配されているからだと、気の毒がる人もいるのである。

 とはいえ、ジェイとの子を3人ももうけながらも厳しいダイエットに励んで第一線に復帰し、反人種差別にも声を上げるなど、ますます「強い女」となったビヨンセ。今ならジェイの干渉にも抵抗できるのかもしれない。

YouTube、ネトフリ、アマプラで今すぐ見られる! ビヨンセ、テイラー、ジャスティンの等身大ドキュメンタリー

 ここ数年増えている、セレブのドキュメンタリー作品。2013年に公開されたワン・ダイレクション『This Is Us』(Amazonプライムで配信中)のように、ツアー中のアーティストを追い、バックステージや素顔の彼らを紹介するもの、昨年リリースされたケヴィン・ハート『ケヴィン・ハートのやらかした!?』(Netflixで配信中)のように、裏舞台を見せるだけでなく内面を掘り下げるようなインタビューを重視したものなど、さまざまな作品が制作されている。

 長期間カメラと一緒に行動するため、本音や等身大の姿が垣間見えると評判のドキュメンタリー作品。今回は、現在視聴可能な作品から厳選して紹介したい。

ジャスティン・ビーバー『Justin Bieber:Seasons』(20) YouTubeで配信

 YouTubeに投稿したパフォーマンス動画が現在のマネジャー、スクーター・ブラウンの目に留まり、世界的なスターへと上り詰めたジャスティン。そんな彼が、原点であるYouTubeで、スーパースターとなった自身の苦悩を赤裸々に語っているのがこのドキュメンタリーシリーズだ。

 大好きだったステージに立ちたくないと思ったこと、大勢のファンに愛されながらも孤独に苦しんでいたこと。思春期にドラッグに手を出して「このままだと死ぬ」と怖くなるまでハマり、断薬を決意したこと。機能不全家庭に育ち「家庭で学ぶべき社会における大事なことがわからず」、人気絶頂期にはボロボロだった精神状態について明かしている。

 この4年間は薬物依存を根本的に断ち切る治療と、ライム病とエプスタイン・バーウイルス感染症の治療を受けており、治療中の姿も披露。「よりいい人間になりたい」と吐露する姿は切なく、ここまで語るのかと驚かされた。

 18年に電撃婚約・結婚した妻ヘイリーとの関係も、「決して軽いノリで一緒になったわけではない」と説明。クリスチャンである2人が、心の深い部分でつながっていると感じられる映像もたくさん登場する。

 

デミ・ロヴァート 『Simply Complicated(単純に複雑)』(17) YouTubeで配信

 6枚目のアルバム『Tell Me You Love Me』(17)の発売に合わせ、YouTubeで公開された公式ドキュメンタリー。

 10年にバックダンサーを殴って更生施設に入り、双極性障害と診断されるまでの経緯を赤裸々に告白。美少女コンテスト、子役、ディズニー・チャンネルのドラマ主演と、とんとん拍子にキャリアを積み上げてきた彼女だが、アルコール/薬物依存症だった父親の言動に傷つき、学校でのいじめも相まって、小さい頃にうつ病を発症。自殺願望に加え、名声が高まるにつれて精神的なプレッシャーを感じ、アルコール・ドラッグに手を出して18歳の時には依存症になっていた。完璧主義者のため、理想のアイドルになりたいとして摂食障害に陥った過程を生々しく語っている。

 また、6年間交際した俳優ウィルマー・バルデラマへの、「別れた後も持ち続けている愛情」を包み隠さず告白。酒やドラッグは断ち切れたが、彼と別れてから過食嘔吐が再発し、苦しんでいると明かしていた。「さびしくなると、おなかがすくの」という言葉もリアルだ。

 ドキュメンタリーでは、キックボクシングや柔術に励み、摂食障害を克服しようと奮闘する姿も映されていた。

 しかし、この作品の公開翌年、残念ながらデミはドラッグの過剰摂取で緊急入院してしまった。そのため、さっそくこの作品が引き合いに出され、「最近までこんなにがんばっていたのに。何度も繰り返してしまう依存症は、やはり怖いものだ」と大きな話題になった。

ジョナス・ブラザーズ 『ジョナス・ブラザーズ 復活への旅』(19) Amazonプライムで配信

 長男ケビン、次男ジョー、三男ニックのジョナス三兄弟が結成したバンド「ジョナス・ブラザーズ」。このドキュメンタリーで、結成秘話、家族の苦悩、人気バンドとしてのプレッシャーや気持ちのすれ違いから13年に解散するまでの経緯、19年に再結成を決心した理由を、3人が自分たちの言葉で語っている。

 05年にコロムビア・レコードと契約し、バンドとしてのスキルを楽しく磨いていたが、ニックが糖尿病を発症したり、教会の牧師をしていた父親が「子どもたちにロックをさせてるなんて!」と職を追われたりと、苦労も多かったジョナス・ブラザーズ。レコード会社から契約を打ち切られ大ピンチに陥ったが、ディズニー(ハリウッド・レコード)から契約をオファーされ、「Year 3000」が大ヒット。さらにディズニー・チャンネルのドラマ『キャンプ・ロック』に主演し、爆発的に売れるようになった。

 SNSを活用し、同世代のファンを一気に増やした彼ら。しかし、ある時期から人気が異常に膨れ上がり、スターとしての生活を楽しめなくなってしまう。人気を失うのを恐れ、来る仕事はすべて受け、ディズニーの番組にも出続けたことから「子ども向けのバンド」扱いされるように。教会で育ったため、キャリア初期には、結婚するまで童貞を守る誓いの指輪をはめていたことをネタにされるなど、つらい思いをした。

 その後、音楽に情熱を注ぐニックは、ソロアーティストとしても成功を収める。結婚して家庭を優先するようになったケビン、ソロデビューしたもののいまいちで覇気のなかったジョーと温度差を感じるようになり、「もう一緒に仕事はできない」と解散を決意。ケビンとジョーは裏切られたと感じ、兄弟仲は険悪になってしまった。

 ジョーはバンド「DNCE」を結成し、人気がブレイク。ニック、ジョー共に人生の伴侶を見つけたことで家族の大切さに気づく。そしてもう一度兄弟で音楽を楽しみたいとバンドを再結成。そこまでに至る気持ちを、それぞれが包み隠さず語る。「今だから語れる」ドキュメンタリーとして、アメリカで大ヒットした。

ビヨンセ 『Homecoming』(19) Netflixで配信

 18年、アメリカ最大の野外フェス『コーチェラ・ヴァレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル』で、黒人女性ソロアーティストとして初のヘッドライナーを務めたビヨンセ。今作では、その時の迫力あるパフォーマンス映像と共に、なぜ黒人ミュージシャン、ダンサー、バックシンガーばかりを集めたのか、なぜ「ホームカミング(アメリカの高校や大学が毎年開催する、卒業生を招待する同窓会的な伝統行事のこと)」というテーマにしたのかを、ビヨンセが自分の言葉で説明。ステージに込められた熱い思いを聞くことができる。

 17年にもコーチェラのヘッドライナーが決定していたのに、予想外の双子の妊娠でドクターストップがかかり、出演を1年延期したビヨンセ。出産時体重が98kgにまで増え、妊娠高血圧症候群を発症。体内で双子のひとりの心拍が数回停止したため、緊急帝王切開になったことを告白している。激増した体重、帝王切開の傷の痛み、体調を考慮しながら慎重に、なおかつコーチェラに間に合うように体を絞らねばならず、想像を絶する努力を重ねる姿も紹介されている。

 完璧主義なアーティストの顔、一人の母親・妻の顔も見せており、リハーサルには夫のジェイ・Zや長女ブルー・アイビーが立ち会ったり、休憩中に授乳できるよう控室に双子を連れてきたりと、仕事と家庭を両立させるべく奮闘するレアな姿も見ることができる。

 ビヨンセは16年にリリースしたビジュアル・アルバム『レモネード/Lemonade』で、ジェイの浮気など夫婦の問題について赤裸々に語っていたが、『Homecoming』では夫婦仲はとても良く、「関係修復に成功し、落ち着いた良い家族を築いているように見える」と、ファンを安心させた。

レディー・ガガ 『Five Foot Two』(17) Netflixで配信

 16年10月に発売した、通算5枚目となるスタジオアルバム『ジョアン』の制作、17年にパフォーマンスしたNFL優勝決定戦『スーパーボウル』のハーフタイムショーへの準備を中心に、ガガが本音を語るドキュメンタリー。

 楽しみながらレコーディングを進めるものの、完成間際になると情緒不安定になる姿。また、女優としても素晴らしいキャリアを積み重ねているのに、「成功するたびに、付き合っていた男性とダメになる」と気弱になる一面も見せる。

 カメラは、持病の線維筋痛症によって全身に痛みが走り、苦しむ姿も撮影。涙を流しながら耐える姿は痛々しく、ステージでは圧倒的な存在感を放つ彼女がとても小さく見える。直後に控える仕事のため、注射を打ってからメイクに取り掛かるといった、信じられないような姿も包み隠さず見せている。

 タフ/弱い面、家族思いの優しい娘、友人の赤ん坊を見つめる顔など、さまざまなガガが垣間見える貴重なドキュメンタリー。数秒だがトップレスになる映像も入っており、文字通り、裸の彼女を見ることができる。

テイラー・スウィフト 『ミス・アメリカーナ』(20) Netflixで配信

 本作は最新アルバム『Lover』の制作中に撮影されたものだが、プロモーションを目的としたドキュメンタリーという印象は受けない。16歳という若さでデビューし、イメージを守るためにどれだけ抑圧されてきたのか、大人の女性になっても少女のようなスリムな体形をキープしようと摂食障害に陥ったことなど、等身大のテイラーが描かれているからだ。

 「ME!」「Only The Young」といった曲が誕生する瞬間もカメラは捉えており、楽しみながら音楽を作っている様子が伝わってくる。「Only The Young」の歌詞には、これまで彼女が口にすることがなかった、民主党を強く支持するような内容が含まれている。政治的な発言はイメージダウンやバッシングにつながると禁じられていたが、もう30歳。大人の女性として、若者にいい影響を与えたいと強く思うようになったという本音も明かされる。

 彼女がどんなふうに曲作りをしているのか、どんな格好で移動をしているのか、素顔のテイラーもふんだんに映されている。「本当の私を知ってほしいから作った」という言葉通り、ファンにとってはたまらない作品となっている。

キース・リチャーズ 『アンダー・ザ・インフルエンス』(15) Netflixで配信

 イギリスの伝説的ロックバンド「ローリング・ストーンズ」のギタリストで、ギターの神様とあがめめられることも多いキース。ジョニー・デップは、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズで演じた気ままな海賊ジャック・スパロウについて、キースをイメージして役作りしたと公言しているが、このドキュメンタリーを見れば納得だ。

 音楽好きの母親に大きく影響された幼少期や、アフリカ系アメリカ人によって生まれたブルースを聴いてきた若き日のこと、共演した黒人アーティストたちの思い出などを笑顔で語る姿が紹介されており、根っからのミュージシャンだとわかる。

 ローリング・ストーンズが、初めてアメリカを訪れたとき、黒人への人種差別が残っている地区があり、「ブラザーたちとトイレに並んだら笑われるんだよ。『有色人種用』って看板を指して、みんなが笑うんだ」「そんなクソみたいなアメリカも体験することができたんだ」という貴重な話も披露。ブルースを信奉するバンドのメンバーたちは、アメリカの黒人から根強い人気を得ているが、その理由がわかるエピソードも随所で紹介されている。

 プライベートな話も自ら開けっ広げに語り、「オレはギターよりベースのほうがうまく弾ける」といった一言も飛び出している。ファンにとっては、まさにお宝級のドキュメンタリーといえるだろう。

メンタルの問題を公表したセレブたち――うつに悩んだビヨンセ、不安障害を抱えるケンダル、摂食障害に苦しむデミ

 少し前までは、精神的な病に偏見を持つ人が多かったため、患っても隠す人がほとんどだった。しかし近年、若いセレブたちが、次々とメンタルの問題を抱えていることを公表している。

 歌手のレディー・ガガは、うつ病や不安神経症、そして19歳の時にレイプされたことの心的外傷後ストレス障害を放置していたため線維筋痛症を発症してしまったと告白し、「トラウマはすぐに治療しなくちゃダメ」と声を上げた。アイドル出身のマイリー・サイラスは、薬はあまり好きではないといいつつ、抗うつ剤で症状が改善されたようで、「人に話したり薬を飲んだりすることに抵抗を感じる人が多いけど、大丈夫だよ」と、同じような症状を持つ人を励ましている。同じくアイドル出身の歌手セレーナ・ゴメスは、難病・全身性エリテマトーデスの副作用として、不安障害、うつ病を発症。悪化する前に精神医療施設に入院し、そのことをファンにもきちんと公表している。

 世界保健機関(WHO)によると、うつ病に悩んでいる人は世界で約2億6,400万人。メンタルの問題は一人で抱え込んでしまいがちだが、セレブが自身の精神疾患をオープンに語ることにより、「悩んでいるのは私だけじゃないんだ」と勇気づけられる人が世界中にいるのである。今回はそんな、メンタルの問題をカミングアウトしたセレブたちを紹介したい。

双極性障害に悩んだ、キャリー・フィッシャー

 偏見をもたれやすい双極性障害の罹患だけでなく、精神科病棟に入院して治療を受けたこともオープンにしたキャリー。米社会で双極性障害に対する理解度が上がったのは彼女のおかげだといわれている。

 『スター・ウォーズ 』のレイア姫として知られるキャリーだが、もともとは2世女優。ハリウッドで絶大なる人気を博した女優デビー・レイノルズと、人気歌手エディ・フィッシャーの間に誕生。赤ん坊のころに、父は大女優エリザベス・テイラーと不倫し、彼女と結婚するためにデビーと離婚。母親に引き取られたキャリーは、大人に振り回されながら成長した。メンタルの問題は子どものころから抱えており、1999年に受けたインタビューでは、「15歳のころからセラピストの世話になり、今は3人のセラピストに診てもらっている」と明かした。

 17歳で映画デビューを果たし、その2年後に『スター・ウォーズ』で大ブレーク。女優として活躍する一方、作家としても頭角を現し、ベストセラーとなった自叙伝『崖っぷちからのはがき』(87)は映画化までされ、同書でキャリーは自身の薬物・アルコール乱用を包み隠さず告白した。そもそも依存症になったのは、双極性障害が原因だった。コカインなどのドラッグや鎮痛剤など薬物を乱用したのも、躁うつ症状を抑えるため。精神的な安定を求めて薬物依存になっていたのだと語った。

 キャリーは、97年に精神科病院に入院。退院後も5カ月間通院した。薬物治療を受け、薬はずっと飲み続けていることを公にしていた。08年にリリースした自叙伝『Wishful Drinking』では、「双極性障害を抱えて生きるということは、全身全霊を尽くさなければならない挑戦であり、とんでもないスタミナや、それを超える勇気も必要なの。だから、この病を抱えてなんとか日常を送っているとしたら、それは誇りに思うべきことよ。恥じるなんてとんでもない」とつづり、双極性障害に苦しむ多くの人に勇気を与えた。

 精神疾患と共に生きるのは容易なことではないが、上手に折り合いをつけて生きられるようになったと自負していたキャリー。世界中の人々に愛された彼女は、16年12月、心臓発作により60歳で死去。体内からはアルコールやコカイン、MDMAなどの薬物が検出され、最期まで双極性障害に苦しんでいたのではと同情を集めた。

 いまやトップモデルの一員となったケンダル。世界を股にかけて活躍する彼女だが、2018年、家族で出演しているリアリティ番組『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』で、母親でマネジャーのクリスに「飛行機を降りたい」と泣きついている姿を見せ、世間を驚かせた。

 ケンダルは、飛行中にパニック発作を起こし、クリスにテレビ電話をかけた。「飛行機に乗っていると頭がふらふらする。失神しそうになるの」「みんな『大丈夫だよ』って言うんだけど。私自身は大丈夫だなんて感じられないのよ」と訴え、不安障害からパニックを起こしたという。

 彼女は、小さいころから健康なのに「病気ではないか」と心配する心気症だったとのこと。成長にするにつれ症状は薄れてきたが、16年にフランス・パリで異父姉キム・カーダシアンが拳銃強盗に遭ったことがきっかけで、不安障害を発症。その後、自宅に泥棒が入ったり、待ち伏せしていたストーカーに追いかけられたりと立て続けに怖い思いをしたことから重症化。「だから、あまり外出しなくなった。Twitterやインスタグラムもあまりやらなくなった。やってるだけで不安になっていくから」とクリスに訴えていた。

 雑誌のインタビューでもメンタルの問題について赤裸々に語っており、18年1月に米誌「Harper’s Bazaar」のインタビューで、「衰弱性の不安症持ちなの。精神的に追い詰められると、真夜中にパニック発作を起こして目を覚ましてしまう」「どうしていいか、わからなくなる。何が原因かわからなくなるほど」と語り、ファンを心配させた。

 その後、受けた米誌「Love」のインタビューでは、18年2月末~3月頭に開催されたパリ・ファッション・ウィーク(2018/19年秋冬パリコレクション)に出なかった理由について、「ロスで仕事をしていて、“あぁ、もうだめだ。このままだと自分がおかしくなってしまう”と思った」と説明。6月にはミラノのメンズ・ファッション・ウィークのランウェイを歩いたものの、「崖っぷちの精神状態だったから」いつでもキャンセルできるようにしていたのだと明かした。

 ケンダルは、“体の上に置いて鳴らすおりんの音で精神状態を整える”というサウンド・バスやはり治療、座禅を組み20分間マントラを唱える超自然瞑想など、不安症やパニック障害を乗り越えるためのさまざまな方法に挑戦しているという。

人気上昇中にうつ病を告白したリリ・ラインハート

 今も昔もイメージが大切なハリウッド。そのためメンタルの問題については、人気が定着した後に公にするセレブがほとんどだ。だが、リリは、若者に人気のドラマ『リバーデイル』で知名度が上がり出したころから、自身が抱える精神疾患についてオープンに語っていた。

 17年4月に女性誌「コスモポリタン」のインタビューで、メンタルな病との闘いを話すのは、恥ずかしいことではないと発言。「学校で普通に話すべきだと思う。ティーンは、メンタルに問題があること自体、特殊だと感じて『隠さなきゃ』とプレッシャーを感じてしまう」といい、もっとオープンになるべきだと訴えた。

 19年11月、英誌「Glamour」では、「私はうつ病と不安症を抱えている」「やる気がまったく起きない日があるの」「ストレスとうまく付き合えない」と、今も苦しんでいることを明かした。「自分の経験をシェアすることで『私だけじゃない』と認識する。自分にとっては素晴らしいセラピーだわ」と、今どき時の若いセレブらしい発言をし、話題を集めた。

 重度の社交不安障害に見舞われたことがきっかけで、10代のころからセラピーに通っているというリリは、「学校がダメで、毎朝行く前に泣いていた。でもセラピーを受けて、いろんなことが理解できるようになった。問題をどう解決するかを学び、つらい気持ちが軽減された」「私はクレイジーじゃない。問題は私じゃないんだと思えるようになった」と、セラピーで自信をつけることにより症状が改善されたとも明かしている。

 “自信にあふれた力強い女性”というイメージが強いビヨンセ。ソロキャリア初期は、ステージ用の別人格サーシャになりきってパフォーマンスを続けていたというほど、シャイな性格であることはあまりにも有名だ。だが、子どものころのいじめによりメンタルに大きなダメージを受けたことはあまり知られていない。

 2009年に発売された伝記本『Beyonce Knowles』によると、子どものころは学校で「耳が大きくてダンボみたい」「バカ、ブス!」といじめられていたとのこと。そんな彼女は、7歳の時に教師に勧められて参加したタレントショーで、歌う楽しみを知る。ビヨンセの才能を信じた両親は、ガールズグループ「デスティニーズ・チャイルド」を結成。父親はマネジャー、母親はスタイリストとしてグループを応援するようになった。

 しかし、そのデスティニーズ・チャイルドを初期に去ったメンバー2人が父親を訴えたことで、ビヨンセは人間不信に陥ってしまう。06年に米誌「Parade」で、2年間うつに苦しんだことを告白。「食べられなくなってしまって。自分の部屋にこもるようになった」と述べ、メディアに追いかけ回されたことも「攻撃を受けているよう」で精神的に参ったと吐露した。

 自分自身さえも信じられなくなったビヨンセだったが、母親の「あなたは頭が良くて、優しくで、美しいのよ。みんなに好かれるに決まってるじゃない!」という言葉で自信を取り戻し、グループは大成功を収めた。グループ解散後もソロアーティストとして活躍。しかし、大ブレイクして多忙を極めるようになった10年に、ビヨンセは突然活動を停止。半年以上、表舞台から姿を消した。

 11年の英紙「ザ・サン」のインタビューで、ビヨンセは、この活動停止について精神崩壊を回避するためだったと告白。「自分がどこにいるのかわからなくなった。セレモニーや授賞式の席に座りながら、頭の中は次のパフォーマンスのことでいっぱいで」と語り、母のアドバイスに従って長期休養を取る決断を下したそう。

 活動停止中、ビヨンセは博物館を巡ったり、世界遺産の万里の長城を訪れたり。ゆっくりと休養したおかげで、心の健康を取り戻せたよう。「私は母親から、心の健康に気を配るように言われ続けてきたのよね」と感謝しながら、思い切って休む大切さを伝えた。

 ビヨンセだが16年に女性誌「ELLE」で、女性が完璧を追い求めることは危険だとも警告。「女性は自分のメンタル・ヘルスについて、じっくり考える時間が必要。自分のために時間を作って。後ろめたいとか、自分勝手だと思うことなく」と熱弁し、大きな話題を呼んだ。

「21歳まで生きられないと思っていた」デミ・ロヴァート

 子役からキャリアをスタートさせ、米ディズニー・チャンネルの人気青春コメディ『サニーwithチャンス』に主演したことで一躍アイドルスターとなったデミ。しかし、人気絶頂だった2010年に、摂食障害、双極性障害、自傷癖で精神医療施設に入院。明るく元気なイメージを持たれていたため、世間に大きな衝撃を与えた。

 14年、デミはTwitterに「摂食障害は命を奪う深刻な病。単なるダイエットなんかじゃないのよ」「絶食しているみんながダイエットしているわけじゃないし、過食嘔吐するのはガリガリにやせている人だけじゃない。摂食障害は人を選ばない病気なの」と投稿。「拒食症の人に『もっと食べればいいのに』、過食症の人に『吐かなきゃいいのに』って言うけれど、そんな単純な問題じゃない。精神障害への無知・無学が、メンタルの問題に対するケアを後回しにさせている。毎日のように悲劇が起きているというのに」と、世間が摂食障害に対して持っている誤解を指摘した。

 16年には米誌「American Way」で、入所前にはメンタルの問題から薬物を乱用したり、過度な飲酒をしたりと最悪な状態だったと激白。「自分は21歳まで生きられないと思っていた」「(07年に)ブリトニー・スピアーズが精神崩壊した時、『3年後の私の姿』だと思った」と赤裸々に語った。

 同年末には米誌「People」で、「家族、友人、治療をしてくれる専門家たちが、私のメンタルが回復するまでサポートしてくれた」「専門家たちとの関係は今も続いている。精神科医やセラピストに1回会うだけじゃ、終わらない。治療を続け、精神疾患とうまく付き合いながら生きていかなければならないから」と継続治療の重要性を訴え、「双極性障害持ちでも、ちゃんと立派に生きていける。私がよい見本だよ」とメンタルの問題を抱える人たちを励ました。

 ポジティブな姿勢を見せていたデミだが、18年7月には、薬物過剰摂取で意識不明となり、病院に緊急搬送。再び療養生活を送るようになった。

 だが直前に書いた、“精神的に追い詰められ、切実に助けを求める”という内容の新曲「Anyone」で見事復活。今年のグラミー賞授賞式で力強く歌い上げ、拍手喝采を浴びた。デミはその後、ポッドキャストで「薬物依存に陥った原因は摂食障害。克服したと思ってたけど、エクササイズ依存になり、健康的な食事からまた遠ざかってしまった」と告白。摂食障害がいかに恐ろしい病なのかを世間に訴えた。

 大ヒット映画シリーズ『トワイライト』でヒロインを演じ、一躍ブレイクしたクリステン。同シリーズで恋人役を演じたロバート・パティンソンとのロマンスや、映画『スノーホワイト』(12)でのルパート・サンダース監督との不倫、ロバートと破局後は女性と交際するなど、私生活でタブロイドをにぎわせることも多い人気女優だ。

 そんな彼女は、『トワイライト』で突然有名人になったことで「自分自身でコントロールできない状況に陥った」ことがストレスとなり、不安症から慢性的な胃痛に苦しんだと、16年に英誌「ELLE」のインタビューで告白。「私はコントロール・フリークなの。物事をコントロールできないと、パニック発作を起こしてしまう。だから常に胃が痛かった」「(人気者となり)自分でコントロールできない、予想できないことばかりで。『このままだと病んでしまう』と思っていたら、本当に体調を崩してしまったの」と回想した。

 クリステンは、「年を重ねるにつれ、強迫性障害にも悩まされるように」とも明かし、「物事がメチャクチャになってしまうと、すべてを見失ったような感覚に陥るの」「だから、自分自身に『今は、必要なことだけをしなさい! すべてを整理整頓する必要はないのよ!』と言い聞かせるの」と語った。

 苦しみながらも、メンタルの問題とどう付き合って生きていけばよいかを身につけたとのこと。「ある時、恐怖がなくなっていたことに気がついたの。多くの苦しみを経験してきたけど、私はなんとか生きているし」「不安は尽きたんだと理解したわ。もう悩むようなエネルギーは残っていないんだ、って」と吐露し、「苦しんだ先に希望が見える」と、メンタルの問題を抱える人たちを励ました。

ビヨンセ&ジェイ・Z、スーパーボウルの「国歌斉唱」で大炎上! 「軽蔑する」と批判噴出

 現地時間2月2日にフロリダ州マイアミで開催された、米NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の王者決定戦「第54回スーパーボウル」。今回のハーフタイムショーは、コロンビア出身の歌手シャキーラとラテン系アメリカ人歌手の中で最も成功しているジェニファー・ロペスが、踊りまくりながら熱唱。片面がジェニファーの両親の出身国プエルトリコ、もう片面がアメリカの巨大な国旗を掲げたり、子どもたちが光で作られた檻の中に入るパフォーマンスをしたことで、「不法入国した移民の親子分離など、アメリカの移民政策に対して問題提起したものだ」と論議を呼んだ。彼女たちのど迫力パフォーマンスは絶賛されたものの、演出に関しては「スポーツの祭典なのに政治色が強い」「余計な色をつけすぎた感じ」と、微妙な反応も少なくない。

 今回のスーパーボウルでは、キックオフ前に国歌斉唱を務めたのも、ラテン系アメリカ人歌手のデミ・ロヴァート。アメリカ人にとって、国歌や国旗(星条旗)は特別なもの。プロスポーツリーグでは試合前に国歌が演奏/斉唱されるのが通例で、観客のほとんどが起立し、手を胸に手を当てたりして敬意を示す。スーパーボウルの国歌斉唱は、海外に駐留する兵士が直立不動で聞き入る姿が紹介されたり、最後にアメリカ空軍のアクロバティックチーム「サンダーバーズ」がスタジアムの上空を通過する演出が施されることも多く、国民の愛国心を最大限に鼓舞するシーンともいわれている。

 デミの国歌斉唱時もスタジアム中の人がほとんど起立。歌詞を口ずさんだり、その見事な歌声に聞き入ったりしていた。そんな中、米ニュースサイト「TMZ」が、ビヨンセ、夫のジェイ・Z、長女ブルー・アイビーの3人が、VIP席に着席しながら無言で国歌斉唱を聞く動画を公開した。

 3人が着席していたのは、フィールドがよく見え、なおかつ一定のプライバシーが守られている特等席。サングラスをかけたビヨンセは、声量豊かなデミの歌声に合わせて左右に小さく体を揺らしているが、ジェイは周囲を見回すなど聞き流しているように見える。ブルー・アイビーはいつものように行儀よく座り、微動だにせず前を見つめている。その横にはボディガードとみられる男性が立っており、周りの人たちもほとんどが起立しているため、座っている3人はかなり目立つ。

 アメリカ社会に強い影響力を持つビヨンセとジェイ夫婦が、近くに娘もいるのに国歌斉唱時に着席していることに、ネット上では非難する声が続出。「TMZ」には7,000を超えるコメント、米「FOX News」には1万2,000を超えるコメントが書き込まれ、たちまち大炎上した。

 ジェイは2016年に、黒人に対する警察の暴力や人種差別を訴えるため、国歌斉唱中に起立せずに膝をつく抗議行動を開始したサンフランシスコ・フォーティーナイナーズの元選手コリン・キャパニックをNFLが事実上リーグから追放したことを批判。コリン支持を示すため、18年のハーフタイムショーのパフォーマンスのオファーも固辞したと伝えられている。NFL側も、18年5月に「国歌斉唱中に起立せず、国旗と国歌に敬意を示さないリーグ関係者には、適切な処置を下す」と発表したことから、ジェイがハーフタイムショーでパフォーマンスすることはもうないだろうと悲しむファンも少なくなかった。

 しかし、19年8月。ジェイが代表を務めるレコードレーベル「ロック・ネイション」とNFLがパートナーシップ契約を結んだと発表。「ロック・ネイション」は、NFLの新しいポジション「ライブミュージック・エンターテインメント・ストラテジスト」を担当し、ハーフタイムショーなどのライブイベントや、NFLの社会正義に関するプロジェクトを主導することを明かしたのだ。

 ジェイは、契約発表会見でコリンをプロジェクトに参加させるかと質問され、「自分は彼のボスではない。それは彼が決めること」と冷たくコメント。「大金に目がくらんでNFLと契約したに違いない」と、世間からの批判を浴びた。ジェイは1日に米紙「ニューヨーク・タイムズ」が掲載したインタビュー記事の中で、「金もうけのためにNFLと契約したのではない」と改めて主張。「社会的に公正な世界を目指す運動を広めるために契約した」と説明したが、今なお「金目当てでしょ」と冷ややかな目で見られている。

 今回、家族3人で国歌斉唱中に起立しなかったことに対して、ファンは「『我々はコリンを支持している』という意味があるのでは」と深読みしているが、ネット上では「コリンのことを支持しているなら、NFLと一切の関わりを持たないはず」「全米に放送されると知ってたら、起立し、胸に手を当ててただろうけど、撮影されてないと油断してたんだろう」などとバッシングする声が圧倒的に多い。

 ちなみにジェイは、「ニューヨーク・タイムズ」の中で、2年前にハーフタイムショーのオファーを断った理由について、「NFLから、リアーナ、カニエ・ウェストと共に『Run This Town』をパフォーマンスしてくれと提案されたから」と告白。ネット上は、「コリンを支持し、NFLを嫌ってたからじゃなかったの?」「引き受ける方向で話をしてたんだ……」などと驚く人が多い。オファーをされた時点で、すでにジェイはカニエと不仲だったことから、「カニエの名前を出されて、カッとして断ったのだろう」「カニエの名前が出なかったら、引き受けていたに違いない」と物議を醸したばかりだった。

 「ロック・ネーション」は今回のハーフタイムショーにも関わっていることから、「社会風刺を超えた政治的な色が出ており、嫌な感じがした」「反トランプ的な演出のように見えて、スポーツを利用して政治的なメッセージを発信しているのかと不愉快になった」とジェイ自身も叩かれている。コリンの膝つき抗議行動は、トランプ大統領が「愛国心に欠けた行動」と批判していたことから、「ビヨンセとジェイが国歌斉唱時に起立しないことも、政治的な意味合いがあるのかも。スーパーボウルを政治的なメッセージを送る場として利用しているのなら、軽蔑する」という声も上がっている。

 ひょんなことで大バッシングを浴びたビヨンセとジェイ。ネット上では「ブルー・アイビーや、留守番させている双子を、愛国心のある子どもたちに育ててほしい」という余計なお世話といわんばかりの意見も飛び交っており、炎上騒ぎはまだ当分、続くものとみられている。

ビヨンセ&ジェイ・Z、スーパーボウルの「国歌斉唱」で大炎上! 「軽蔑する」と批判噴出

 現地時間2月2日にフロリダ州マイアミで開催された、米NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の王者決定戦「第54回スーパーボウル」。今回のハーフタイムショーは、コロンビア出身の歌手シャキーラとラテン系アメリカ人歌手の中で最も成功しているジェニファー・ロペスが、踊りまくりながら熱唱。片面がジェニファーの両親の出身国プエルトリコ、もう片面がアメリカの巨大な国旗を掲げたり、子どもたちが光で作られた檻の中に入るパフォーマンスをしたことで、「不法入国した移民の親子分離など、アメリカの移民政策に対して問題提起したものだ」と論議を呼んだ。彼女たちのど迫力パフォーマンスは絶賛されたものの、演出に関しては「スポーツの祭典なのに政治色が強い」「余計な色をつけすぎた感じ」と、微妙な反応も少なくない。

 今回のスーパーボウルでは、キックオフ前に国歌斉唱を務めたのも、ラテン系アメリカ人歌手のデミ・ロヴァート。アメリカ人にとって、国歌や国旗(星条旗)は特別なもの。プロスポーツリーグでは試合前に国歌が演奏/斉唱されるのが通例で、観客のほとんどが起立し、手を胸に手を当てたりして敬意を示す。スーパーボウルの国歌斉唱は、海外に駐留する兵士が直立不動で聞き入る姿が紹介されたり、最後にアメリカ空軍のアクロバティックチーム「サンダーバーズ」がスタジアムの上空を通過する演出が施されることも多く、国民の愛国心を最大限に鼓舞するシーンともいわれている。

 デミの国歌斉唱時もスタジアム中の人がほとんど起立。歌詞を口ずさんだり、その見事な歌声に聞き入ったりしていた。そんな中、米ニュースサイト「TMZ」が、ビヨンセ、夫のジェイ・Z、長女ブルー・アイビーの3人が、VIP席に着席しながら無言で国歌斉唱を聞く動画を公開した。

 3人が着席していたのは、フィールドがよく見え、なおかつ一定のプライバシーが守られている特等席。サングラスをかけたビヨンセは、声量豊かなデミの歌声に合わせて左右に小さく体を揺らしているが、ジェイは周囲を見回すなど聞き流しているように見える。ブルー・アイビーはいつものように行儀よく座り、微動だにせず前を見つめている。その横にはボディガードとみられる男性が立っており、周りの人たちもほとんどが起立しているため、座っている3人はかなり目立つ。

 アメリカ社会に強い影響力を持つビヨンセとジェイ夫婦が、近くに娘もいるのに国歌斉唱時に着席していることに、ネット上では非難する声が続出。「TMZ」には7,000を超えるコメント、米「FOX News」には1万2,000を超えるコメントが書き込まれ、たちまち大炎上した。

 ジェイは2016年に、黒人に対する警察の暴力や人種差別を訴えるため、国歌斉唱中に起立せずに膝をつく抗議行動を開始したサンフランシスコ・フォーティーナイナーズの元選手コリン・キャパニックをNFLが事実上リーグから追放したことを批判。コリン支持を示すため、18年のハーフタイムショーのパフォーマンスのオファーも固辞したと伝えられている。NFL側も、18年5月に「国歌斉唱中に起立せず、国旗と国歌に敬意を示さないリーグ関係者には、適切な処置を下す」と発表したことから、ジェイがハーフタイムショーでパフォーマンスすることはもうないだろうと悲しむファンも少なくなかった。

 しかし、19年8月。ジェイが代表を務めるレコードレーベル「ロック・ネイション」とNFLがパートナーシップ契約を結んだと発表。「ロック・ネイション」は、NFLの新しいポジション「ライブミュージック・エンターテインメント・ストラテジスト」を担当し、ハーフタイムショーなどのライブイベントや、NFLの社会正義に関するプロジェクトを主導することを明かしたのだ。

 ジェイは、契約発表会見でコリンをプロジェクトに参加させるかと質問され、「自分は彼のボスではない。それは彼が決めること」と冷たくコメント。「大金に目がくらんでNFLと契約したに違いない」と、世間からの批判を浴びた。ジェイは1日に米紙「ニューヨーク・タイムズ」が掲載したインタビュー記事の中で、「金もうけのためにNFLと契約したのではない」と改めて主張。「社会的に公正な世界を目指す運動を広めるために契約した」と説明したが、今なお「金目当てでしょ」と冷ややかな目で見られている。

 今回、家族3人で国歌斉唱中に起立しなかったことに対して、ファンは「『我々はコリンを支持している』という意味があるのでは」と深読みしているが、ネット上では「コリンのことを支持しているなら、NFLと一切の関わりを持たないはず」「全米に放送されると知ってたら、起立し、胸に手を当ててただろうけど、撮影されてないと油断してたんだろう」などとバッシングする声が圧倒的に多い。

 ちなみにジェイは、「ニューヨーク・タイムズ」の中で、2年前にハーフタイムショーのオファーを断った理由について、「NFLから、リアーナ、カニエ・ウェストと共に『Run This Town』をパフォーマンスしてくれと提案されたから」と告白。ネット上は、「コリンを支持し、NFLを嫌ってたからじゃなかったの?」「引き受ける方向で話をしてたんだ……」などと驚く人が多い。オファーをされた時点で、すでにジェイはカニエと不仲だったことから、「カニエの名前を出されて、カッとして断ったのだろう」「カニエの名前が出なかったら、引き受けていたに違いない」と物議を醸したばかりだった。

 「ロック・ネーション」は今回のハーフタイムショーにも関わっていることから、「社会風刺を超えた政治的な色が出ており、嫌な感じがした」「反トランプ的な演出のように見えて、スポーツを利用して政治的なメッセージを発信しているのかと不愉快になった」とジェイ自身も叩かれている。コリンの膝つき抗議行動は、トランプ大統領が「愛国心に欠けた行動」と批判していたことから、「ビヨンセとジェイが国歌斉唱時に起立しないことも、政治的な意味合いがあるのかも。スーパーボウルを政治的なメッセージを送る場として利用しているのなら、軽蔑する」という声も上がっている。

 ひょんなことで大バッシングを浴びたビヨンセとジェイ。ネット上では「ブルー・アイビーや、留守番させている双子を、愛国心のある子どもたちに育ててほしい」という余計なお世話といわんばかりの意見も飛び交っており、炎上騒ぎはまだ当分、続くものとみられている。

【米エンタメ2019年総決算】カニエ「宗教に傾倒」、カーダシアン家「コントロール不能」、ビヨンセは「優等生すぎ」!?【渡辺志保×辰巳JUNK(上)】

 1月3日に米ケーブル局「Lifetime」がR&B歌手R・ケリーの性的虐待告発ドキュメンタリー『Surviving R.Kelly(R・ケリーからの生還)』を放送するという衝撃的な出来事から始まった、2019年の米ショービス界。#Me Too以降は性暴力根絶、有害な男らしさへの警鐘といった機運が高まっており、さらには多様性ある社会を目指すためのポリティカル・コレクトネスが作品はもちろんアーティスト自身にも求められるなど、業界そのものの価値観が大きく変わろうとしている。

 そこで、ブラックミュージックやヒップホップに詳しいライターの渡辺志保さんと、ゴシップとカルチャーの両視点からショービズ界に斬り込むライター辰巳JUNKさんに、19年に起こったトピックを振り返りつつ、来年以降の動向を占ってもらった。

――今年も本当にいろんなことが起こりましたが、気になる出来事はありましたか?

渡辺志保さん(以下、渡辺) 例年に続き、個人的には今年もカニエ・ウェスト、キム・カーダシアン夫妻が気になっていました。1月にはカニエがサンデーサービス(※1)をスタートしたんですよ。最初はキムのインスタグラム・ストーリーでちょっと見られるぐらいだったのですが、徐々に参加していたミュージシャンもインスタに上げ始めて、「なんだこれ?」と広まっていったんです。4月に行われたアメリカ最大の音楽フェス「コーチェラフェスティバル」でも、出張版サンデーサービスを催して。もともとカニエは、今年のコーチェラにヘッドライナーとして出演する予定だったんですけど、ステージじゃなくてドームを作りたいと言いだしたんです。主催者側が「立地的に無理」と言ったら、「じゃあもう出ません」ということで、いったんは出演がキャンセルになった。結局メイン会場から離れた原っぱみたいなところを使い、かなりイレギュラーな形でサンデーサービスを持っていった。その際に、サンデーサービスが初めて世界中に生中継されて、その全容が明らかになったんです。そのぐらい、今年は宗教色の濃い活動が盛んでしたね。

 10月25日にアルバム『JESUS IS KING』を発売したんですが、制作期間中はスタッフに婚前交渉を禁止するとか、自分のアルバムでは下品な言葉は絶対使わないとか、そこまで徹底していたみたいで、もともと作っていた別のアルバムはお蔵入りになった。個人的に、いちファンとしてはカニエと周波数を合わせるのがちょっと大変な1年でした。

辰巳JUNKさん(以下、辰巳) だって1年ぐらい前は「妻の姉妹全員とヤリたい」みたいな下品な曲(「XTCY」)を作ってましたよね。

渡辺 そう。去年9月には米最大級のポルノサイト「Pornhub」の「Pornhub Awards」に、カニエのクロージングライン「イージー」からポルノ女優用の衣装を提供していたんですよ。しかも、ちゃんと特別に誂えた素敵な衣装で、おっぱいバーンって出てるみたいな。それ用に「I Love It」という曲を作ったり、そのリリックも「おまえは本当になんてヤリマンなんだ」といった歌詞で身もふたもない感じだったんですけど……。

――そこまで方向転換して、ファンはついていけてるんですか?

辰巳 あんまりついてきてない。

渡辺 でも『JESUS IS KING』はビルボードで1位になっていて、同時にクリスチャン・ミュージック部門でも1位を獲っているんです。賛否両論ある感じで、アルバムに対するレヴューも真っ二つに分かれているという印象です。

辰巳 サンデーサービスは、ブラッド・ピットらハリウッドセレブも参加してますよね。その流れのもとにありそうな存在が、ジャスティン・ビーバーやセレーナ・ゴメスらが通っていた「ヒルソング教会」。サンデーサービスと同じように音楽をメインとした礼拝なんですけれど。ニック・ジョナスも通っているし、キムエ夫妻(キム・カーダシアンとカニエ)の結婚式もヒルソングと近しい牧師に来てもらってました。カーダシアン姉妹の中では、コートニーが一番熱心に通っていました。一時期、ジャスティンがコートニーとウワサされたのは、同じ教会に通う信者だからかも。当時のジャスティンはセレーナ、いま妻となったヘイリー、コートニーら、信者仲間とばっかりウワサが出ている。Twitterを見ていておもしろいなと思ったのは、「『JESUS IS KING』を聞いて、ヒルソングからカニエ教会に移るセレブは多そう」という内容のツイートです。

※1 一般的な日曜礼拝とは異なり、牧師による説法ではなく、ゴスペルなどのパフォーマンスがメイン。もともとは一部の人しか参加できないクローズドな形だったが、回を重ねるごとに規模が大きくなり、最近では多くのセレブも参加している

――今年、こんなにもカニエの活動に宗教色が強くなった原因というのは?

渡辺 カニエは16年の8月から『ザ・セイント・パブロ・ツアー』と題したツアーで全米を回ってたんですが、12月に途中で切り上げて、精神疾患が原因で入院した。それも本人の意思にそぐわない形で入院し、治療の際にオピオイド(※2)が使われたそうで。それでカニエは「病院側にオピオイド中毒にされちまった」と歌の中でも言うようになった。加えて、昨年リリースされたアルバム『ye』ではかねてから患っていた双極性障害のことや自殺願望があったとくみ取れるようなことも歌うように。さらに10年以上前になりますが、07年には最愛の母親であるドンダを亡くし、かつ彼女の死に目にも会えなかった。なので、常に喪失感や虚無感、焦燥感といったものに襲われてたのかなと。そこで自分が信頼できる牧師に出会い、大きく宗教的なほうに傾いていったのではないかというのが、私の個人的な推察です。でも今、アメリカの若いアーティストはメンタルヘルスについてラップしたり、自殺問題を扱うドラマ作品が増えたりという状況下ですから、もしかすると宗教は次のトレンドになるんですかね?

辰巳 「ニューヨーク・タイムズ」によると、北米の若者は信仰心が薄くなってるらしいです。それなのに、一般的に保守的とされる福音派寄りのヒルソング教会がリベラル都市の若者に受けたから驚かれている。実際に教会に行った人に聞くと、すごく楽しいらしいんですよ。サンデーサービスと一緒で、厳粛な雰囲気というより、コンサート、フェスみたいな。だからカニエが新しい形のヤング受け教会っぽいものを始めたというのは確かにそうなんですけど、その前にはヒルソング・ブームがある。もともとあそこの牧師はロックスターみたいな感じで、サンローランの30万円のジャケットとか着てる。諸説ありますが、「金を稼いでもいい」的なビジネスマンを祝福する教えのようなので、セレブと相性がいいですよ。

渡辺 カニエって、お金を稼ぐことに対してはやっぱり貪欲なんですよね。ちゃんと金も稼ぎつつ、自分の教えや自分の愛をみんなに広めたいという姿勢がカニエなので、ヒルソングと共鳴することがあるのかも。

――今年の前半、ジャスティンも宗教的な言動が多かったですが、カニエほどの影響力はなかったように思います。その差はなんだと思いますか?

辰巳  いや、でも影響力ありますよ。だってヒルソングで飛び込みライブとかするんですもん。本気で追いかけるようなファンじゃなくても、Twitterを見ていて歩いて5分ぐらいの教会にジャスティンが来てると知ったら、とりあえず行く人は絶対いるじゃないですか。

渡辺 カニエはやり方が派手だし、賛否の「否」も多いから目立ってしまうんじゃないですかね。あと、もともと最近のカニエは「黒人性が薄い」というふうに皮肉っぽく言われることもあって、サンデーサービスも最初、ロサンゼルスのカラバサスだけで開催していたんです。カラバサスって、日本でいうと田園調布の奥の奥みたいな、一般市民が入れないくらいの高級住宅地なんですよ。だから、貧困や自分たちの置かれた環境の苦しさから、心の拠り所として宗教を信仰しているような、本来カニエが自分のコミュニティとしていてもおかしくないような一般的なアフリカン・アメリカンの人々が育ったコミュニティと全く真逆のところで、自分の宗教的イベントをスタートさせてるのはすごく皮肉だと思ったし、今のカニエっぽいなと同時に思いましたね。たぶん、ジャスティンは逆で、元の彼のイメージと信仰のイメージが乖離していないのかなとも思う。何不自由ない家庭で育てられた、みたいな。

辰巳 でもジャスティンのお母さんは、もともと福音派の信者なんですよ。シングルマザーで、そんなに裕福でもない。ジャスティンを妊娠したときはドラッグ中毒にも苦しんでいて、中絶も考えたけど、やっぱり産もうと。それで今は中絶禁止運動をしています。

渡辺 そうなんですね。今年は中絶禁止法がジョージア州やアラバマ州などで次々可決されたじゃないですか(※3)。福音派は、基本的には中絶禁止ですよね。アラバマで中絶禁止法が可決されたときに、若い男性ラッパーたちがSNSで反対の姿勢を示したんです。ジョージア州のときも、ミーゴスのオフセットが「これは現代の奴隷法と一緒」とツイートしていました。今後どんどんカニエが福音派に寄っていくことがあれば、そこでまた思想の対立が浮き彫りになってくるのかなと。と言いつつ、カニエは本当に言うことがコロコロ変わるので。そこが前提としてあるので、彼の今後を占うのは、非常に難しいんですが。

※2 麻薬性鎮痛薬。アメリカでは多くの依存症患者を生み出したことで社会問題になっており、2018年は1日に100人を超える人がオピオイドの過剰摂取で亡くなったとも報じられている
※3 今年に入って、アラバマ州やミズーリ州など9つの州で、中絶を禁止したり、制限をかけたりするような法案が次々と成立。性暴力による妊娠も例外としないなど厳しい規定を掲げる州もあり、多くの市民から反発が相次いだ。背景には、福音派を中心とする宗教保守の存在と、彼らの票を取り込みたいトランプ大統領の思惑の一致があるともいわれている

――一方、カニエの妻であるキム・カーダシアンは実業家としてはもちろん、近年、罪状に対して量刑の重い囚人の減刑を訴える活動家としても動いています。また今年は、司法試験受験資格の取得を公言しました。この動きはどう見ていますか?

渡辺 いつまでたってもお騒がせセレブ路線は厳しいというのはあるんじゃないですか。

辰巳 話題になった補正下着ブランド「SKIMS」は今までの商品と違って、多様性路線の広告を出しています。やっぱり世論的にも、ヴィクトリアズ・シークレット(※4)は「時代遅れなんじゃ?」といった感じなので、彼女は既存路線が社会的にシビアになってきたという時流を読んでいると思います。

渡辺 カーダシアン家のリアリティショー『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』を見ていても、台本通りにいかない現実がどんどん浮き彫りになっているように感じます。例えば、長女コートニーは、スコット・ディシックという恋人と、彼との間に生まれた子ども3人を抱えているのが番組の“テンプレ”だったんですが、この2人が別れちゃって。その後、スコットが義妹ケンダル・ジェンナーと仲の良いモデルと付き合いだしたり。今年でいえば、妹カイリーの親友ジョーディン・ウッズと、クロエの内縁の夫で娘のパパであるトリスタン・トンプソンの浮気疑惑というすごいゴシップもありました。しかもクロエが妊娠9カ月のときもトリスタンは浮気をしていて、子どもを産めば夫婦関係が落ち着くと思いきや、すぐジョーディンとの浮気が浮上。

 こうして、番組を仕切っている母クリスの想像を超える、ネガティブなリアルの部分が明るみになってきた。これまでテレビ的においしいと思ったら妊娠中の娘たちを常にカメラに追わせてきたんですが、昨年、カイリーが妊娠・出産したときは例外で、産むまで全く公表しなかった。この3~4年、みんなが面白がるようなお騒がせセレブリティ一家という枠には収まりきらなくなってしまっていると思います。姉妹5人がそれぞれにアイデンティティや、本当にやりたいことを考え始めているのかも。

辰巳 もともと剛腕なクリスお母さんの指揮のもと始まったリアリティショーで、娘たちは若かったこともあって、結構やらされてた仕事もあったんじゃないかと思います。特にジェンナー姉妹は、幼いころから自宅でカメラが回っているわけじゃないですか。クリスは常に生き生きしてるけど、カーダシアン姉妹はパリス・ヒルトンほど「カメラのフラッシュが大好き」ではなさそうだし。あと、キムはパリの強盗事件(※5)の影響が結構大きかったと思います。犯人は、キムのSNSの投稿を見て、居場所を特定したと言ってるので。それ以降は、きらびやかでゴージャスな私生活というのは前面に出していないし。

渡辺 私はキムの弁護士を目指すという動きは、非常にすばらしいなと思っています。40手前で、子どもを4人抱えて。キムが弁護士になったら、カニエがかねてから公言している2024年の大統領選出馬にも大きな支えになるのかな。

※4 アメリカ最大手のランジェリーブランド。世界的スーパーモデルがランウェイを練り歩く毎年恒例のファッションショーは、女性たちの羨望を集めていた。しかし、昨年同社の幹部がプラスサイズモデルやトランスジェンダーモデルは起用しないと明言。時代に逆行するような発言と同社の世界観は、性差別・多様性の欠如と非難されるようになり、徐々に売り上げにも影響が表れた。今年はショーを中止することが発表されている
※5 2016年10月、ファッションウィークのためにパリの高級プレジデンスに滞在していたキム・カーダシアンのもとに、警察官を装った5人組が押し入り、総額10億円ともいわれる宝石が盗まれた。キムは被害に遭う前に、SNSで巨大ダイヤがあしらわれた指輪やパリでの様子を投稿しており、犯人たちはこれを見て犯行を計画したという

――キムエ夫妻とは、夫同士は師弟関係にありながら、妻たちは性格も価値観もまったく合わなそうなジェイ・Z&ビヨンセ夫妻の今年はいかがでしょうか?

渡辺 昨年は2人でアルバムもリリースしていたけど、今年はあんまり夫妻としての印象がないかも。ビヨンセは映画『ライオン・キング』の声優を務め、同作に絡めたアルバムを作ってそこにジェイが1曲参加していましたけど。

――ビヨンセが双子を生んでから体形をコントロールできずに、なかなか表に出てこないという見方もあります。

辰巳 基本、あんまり出てこないじゃないですか。インタビューも媒体を絞っているし、例えば米「VOGUE」に出ても、自分で編集している。だけど『ライオン・キング』関連ではめちゃくちゃインタビューを受けていて、ディズニーパワーは半端ねぇなって思いました。

渡辺 本当、ディズニーパワー半端ないですよね。ビヨンセが声優を務めて、なおかつ彼女は、レーベル面ではソニー所属なのですが、ディズニーとソニーが組んでビヨンセのアルバム『ライオン・キング:ザ・ギフト』を発表した。一方で、『ライオン・キング』本編のサウンドトラックをまとめているのが、ファレル・ウィリアムズなんですね。なので、ビヨンセ、ジェイ・Z、そしてファレルのヒップホップ優等生三つ巴感が半端ないなと思って。こういう人たちが業界を牛耳っていくんだなと思いました。

 大企業と組んで自分の作品をすごくまっとうな形で出すというのもカニエとは正反対だし、ビヨンセには絶対ジェイが関わっているから、ジェイの抜け目なさもすごく感じた。『ザ・ギフト』は、本当にバランスがいいんですよね。今のアフリカで活躍しているアーティストたちを多くフィーチャーして、アルバムをまとめ上げた。そこに加えてジェイもいるし、ケンドリック・ラマーもいるし、同じく声優を務めたチャイルディッシュ・ガンビーノもいるし、百点満点! 今年もすごい優等生チックな動きだったかなと。

辰巳 今の時代に優等生といわれるのは、安心感というかレア感もありますよね。

渡辺 そうそう。今、一世代後の若いアーティストって――例えばリゾやビリー・アイリッシュもそうですが――既存のスタンダードじゃなくて、「どこかいびつでも、私はこうよ」って常識を打ち破っていくことが求められていると思うんですよ。ビヨンセは圧倒的な牽引力があるんだけど、優等生的な完璧主義者でもある。なので、どのようにして彼女が次世代にバトンを渡す時が来るのか、ちょっと気になります。 

 今年ネットフリックスで配信されて大きな話題となった『HOMECOMING: ビヨンセ・ライブ作品』(※6)も本当に素晴らしい作品で、ここでひとつ、彼女は自分のルーツのことも描いて、アーティストとして表現しきったっていうのはあると思う。だから次のビヨンセがどういう手を打ってくるのか、めちゃめちゃ気になっています。そうこうしている間に、例えばリアーナはビューティーやメゾンブランドを始めて大成功している。ビヨンセも10年くらい前にファッションブランドを立ち上げたけど、すぐ畳んだんですよ。だから、彼女たちが今の後輩たちをどう見ているのかも、すごく気になる。ただアイコンとしては不動の地位を築いているアーティストなので、ここから人気がガタ落ちするとか、変なアルバムを作って叩かれるとか、そういったことは絶対ない。どういう動きをするのか、そこに興味が集まっています。

(第2回に続く)

※6 2018年のコーチェラのヘッドライナーを務めるまでの彼女と、実際のステージを映し出したドキュメンタリー映画。前年の双子の妊娠・出産、産後の体形変化、黒人であることについて話す貴重な映像となっている

【米エンタメ2019年総決算】カニエ「宗教に傾倒」、カーダシアン家「コントロール不能」、ビヨンセは「優等生すぎ」!?【渡辺志保×辰巳JUNK(上)】

 1月3日に米ケーブル局「Lifetime」がR&B歌手R・ケリーの性的虐待告発ドキュメンタリー『Surviving R.Kelly(R・ケリーからの生還)』を放送するという衝撃的な出来事から始まった、2019年の米ショービス界。#Me Too以降は性暴力根絶、有害な男らしさへの警鐘といった機運が高まっており、さらには多様性ある社会を目指すためのポリティカル・コレクトネスが作品はもちろんアーティスト自身にも求められるなど、業界そのものの価値観が大きく変わろうとしている。

 そこで、ブラックミュージックやヒップホップに詳しいライターの渡辺志保さんと、ゴシップとカルチャーの両視点からショービズ界に斬り込むライター辰巳JUNKさんに、19年に起こったトピックを振り返りつつ、来年以降の動向を占ってもらった。

――今年も本当にいろんなことが起こりましたが、気になる出来事はありましたか?

渡辺志保さん(以下、渡辺) 例年に続き、個人的には今年もカニエ・ウェスト、キム・カーダシアン夫妻が気になっていました。1月にはカニエがサンデーサービス(※1)をスタートしたんですよ。最初はキムのインスタグラム・ストーリーでちょっと見られるぐらいだったのですが、徐々に参加していたミュージシャンもインスタに上げ始めて、「なんだこれ?」と広まっていったんです。4月に行われたアメリカ最大の音楽フェス「コーチェラフェスティバル」でも、出張版サンデーサービスを催して。もともとカニエは、今年のコーチェラにヘッドライナーとして出演する予定だったんですけど、ステージじゃなくてドームを作りたいと言いだしたんです。主催者側が「立地的に無理」と言ったら、「じゃあもう出ません」ということで、いったんは出演がキャンセルになった。結局メイン会場から離れた原っぱみたいなところを使い、かなりイレギュラーな形でサンデーサービスを持っていった。その際に、サンデーサービスが初めて世界中に生中継されて、その全容が明らかになったんです。そのぐらい、今年は宗教色の濃い活動が盛んでしたね。

 10月25日にアルバム『JESUS IS KING』を発売したんですが、制作期間中はスタッフに婚前交渉を禁止するとか、自分のアルバムでは下品な言葉は絶対使わないとか、そこまで徹底していたみたいで、もともと作っていた別のアルバムはお蔵入りになった。個人的に、いちファンとしてはカニエと周波数を合わせるのがちょっと大変な1年でした。

辰巳JUNKさん(以下、辰巳) だって1年ぐらい前は「妻の姉妹全員とヤリたい」みたいな下品な曲(「XTCY」)を作ってましたよね。

渡辺 そう。去年9月には米最大級のポルノサイト「Pornhub」の「Pornhub Awards」に、カニエのクロージングライン「イージー」からポルノ女優用の衣装を提供していたんですよ。しかも、ちゃんと特別に誂えた素敵な衣装で、おっぱいバーンって出てるみたいな。それ用に「I Love It」という曲を作ったり、そのリリックも「おまえは本当になんてヤリマンなんだ」といった歌詞で身もふたもない感じだったんですけど……。

――そこまで方向転換して、ファンはついていけてるんですか?

辰巳 あんまりついてきてない。

渡辺 でも『JESUS IS KING』はビルボードで1位になっていて、同時にクリスチャン・ミュージック部門でも1位を獲っているんです。賛否両論ある感じで、アルバムに対するレヴューも真っ二つに分かれているという印象です。

辰巳 サンデーサービスは、ブラッド・ピットらハリウッドセレブも参加してますよね。その流れのもとにありそうな存在が、ジャスティン・ビーバーやセレーナ・ゴメスらが通っていた「ヒルソング教会」。サンデーサービスと同じように音楽をメインとした礼拝なんですけれど。ニック・ジョナスも通っているし、キムエ夫妻(キム・カーダシアンとカニエ)の結婚式もヒルソングと近しい牧師に来てもらってました。カーダシアン姉妹の中では、コートニーが一番熱心に通っていました。一時期、ジャスティンがコートニーとウワサされたのは、同じ教会に通う信者だからかも。当時のジャスティンはセレーナ、いま妻となったヘイリー、コートニーら、信者仲間とばっかりウワサが出ている。Twitterを見ていておもしろいなと思ったのは、「『JESUS IS KING』を聞いて、ヒルソングからカニエ教会に移るセレブは多そう」という内容のツイートです。

※1 一般的な日曜礼拝とは異なり、牧師による説法ではなく、ゴスペルなどのパフォーマンスがメイン。もともとは一部の人しか参加できないクローズドな形だったが、回を重ねるごとに規模が大きくなり、最近では多くのセレブも参加している

――今年、こんなにもカニエの活動に宗教色が強くなった原因というのは?

渡辺 カニエは16年の8月から『ザ・セイント・パブロ・ツアー』と題したツアーで全米を回ってたんですが、12月に途中で切り上げて、精神疾患が原因で入院した。それも本人の意思にそぐわない形で入院し、治療の際にオピオイド(※2)が使われたそうで。それでカニエは「病院側にオピオイド中毒にされちまった」と歌の中でも言うようになった。加えて、昨年リリースされたアルバム『ye』ではかねてから患っていた双極性障害のことや自殺願望があったとくみ取れるようなことも歌うように。さらに10年以上前になりますが、07年には最愛の母親であるドンダを亡くし、かつ彼女の死に目にも会えなかった。なので、常に喪失感や虚無感、焦燥感といったものに襲われてたのかなと。そこで自分が信頼できる牧師に出会い、大きく宗教的なほうに傾いていったのではないかというのが、私の個人的な推察です。でも今、アメリカの若いアーティストはメンタルヘルスについてラップしたり、自殺問題を扱うドラマ作品が増えたりという状況下ですから、もしかすると宗教は次のトレンドになるんですかね?

辰巳 「ニューヨーク・タイムズ」によると、北米の若者は信仰心が薄くなってるらしいです。それなのに、一般的に保守的とされる福音派寄りのヒルソング教会がリベラル都市の若者に受けたから驚かれている。実際に教会に行った人に聞くと、すごく楽しいらしいんですよ。サンデーサービスと一緒で、厳粛な雰囲気というより、コンサート、フェスみたいな。だからカニエが新しい形のヤング受け教会っぽいものを始めたというのは確かにそうなんですけど、その前にはヒルソング・ブームがある。もともとあそこの牧師はロックスターみたいな感じで、サンローランの30万円のジャケットとか着てる。諸説ありますが、「金を稼いでもいい」的なビジネスマンを祝福する教えのようなので、セレブと相性がいいですよ。

渡辺 カニエって、お金を稼ぐことに対してはやっぱり貪欲なんですよね。ちゃんと金も稼ぎつつ、自分の教えや自分の愛をみんなに広めたいという姿勢がカニエなので、ヒルソングと共鳴することがあるのかも。

――今年の前半、ジャスティンも宗教的な言動が多かったですが、カニエほどの影響力はなかったように思います。その差はなんだと思いますか?

辰巳  いや、でも影響力ありますよ。だってヒルソングで飛び込みライブとかするんですもん。本気で追いかけるようなファンじゃなくても、Twitterを見ていて歩いて5分ぐらいの教会にジャスティンが来てると知ったら、とりあえず行く人は絶対いるじゃないですか。

渡辺 カニエはやり方が派手だし、賛否の「否」も多いから目立ってしまうんじゃないですかね。あと、もともと最近のカニエは「黒人性が薄い」というふうに皮肉っぽく言われることもあって、サンデーサービスも最初、ロサンゼルスのカラバサスだけで開催していたんです。カラバサスって、日本でいうと田園調布の奥の奥みたいな、一般市民が入れないくらいの高級住宅地なんですよ。だから、貧困や自分たちの置かれた環境の苦しさから、心の拠り所として宗教を信仰しているような、本来カニエが自分のコミュニティとしていてもおかしくないような一般的なアフリカン・アメリカンの人々が育ったコミュニティと全く真逆のところで、自分の宗教的イベントをスタートさせてるのはすごく皮肉だと思ったし、今のカニエっぽいなと同時に思いましたね。たぶん、ジャスティンは逆で、元の彼のイメージと信仰のイメージが乖離していないのかなとも思う。何不自由ない家庭で育てられた、みたいな。

辰巳 でもジャスティンのお母さんは、もともと福音派の信者なんですよ。シングルマザーで、そんなに裕福でもない。ジャスティンを妊娠したときはドラッグ中毒にも苦しんでいて、中絶も考えたけど、やっぱり産もうと。それで今は中絶禁止運動をしています。

渡辺 そうなんですね。今年は中絶禁止法がジョージア州やアラバマ州などで次々可決されたじゃないですか(※3)。福音派は、基本的には中絶禁止ですよね。アラバマで中絶禁止法が可決されたときに、若い男性ラッパーたちがSNSで反対の姿勢を示したんです。ジョージア州のときも、ミーゴスのオフセットが「これは現代の奴隷法と一緒」とツイートしていました。今後どんどんカニエが福音派に寄っていくことがあれば、そこでまた思想の対立が浮き彫りになってくるのかなと。と言いつつ、カニエは本当に言うことがコロコロ変わるので。そこが前提としてあるので、彼の今後を占うのは、非常に難しいんですが。

※2 麻薬性鎮痛薬。アメリカでは多くの依存症患者を生み出したことで社会問題になっており、2018年は1日に100人を超える人がオピオイドの過剰摂取で亡くなったとも報じられている
※3 今年に入って、アラバマ州やミズーリ州など9つの州で、中絶を禁止したり、制限をかけたりするような法案が次々と成立。性暴力による妊娠も例外としないなど厳しい規定を掲げる州もあり、多くの市民から反発が相次いだ。背景には、福音派を中心とする宗教保守の存在と、彼らの票を取り込みたいトランプ大統領の思惑の一致があるともいわれている

――一方、カニエの妻であるキム・カーダシアンは実業家としてはもちろん、近年、罪状に対して量刑の重い囚人の減刑を訴える活動家としても動いています。また今年は、司法試験受験資格の取得を公言しました。この動きはどう見ていますか?

渡辺 いつまでたってもお騒がせセレブ路線は厳しいというのはあるんじゃないですか。

辰巳 話題になった補正下着ブランド「SKIMS」は今までの商品と違って、多様性路線の広告を出しています。やっぱり世論的にも、ヴィクトリアズ・シークレット(※4)は「時代遅れなんじゃ?」といった感じなので、彼女は既存路線が社会的にシビアになってきたという時流を読んでいると思います。

渡辺 カーダシアン家のリアリティショー『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』を見ていても、台本通りにいかない現実がどんどん浮き彫りになっているように感じます。例えば、長女コートニーは、スコット・ディシックという恋人と、彼との間に生まれた子ども3人を抱えているのが番組の“テンプレ”だったんですが、この2人が別れちゃって。その後、スコットが義妹ケンダル・ジェンナーと仲の良いモデルと付き合いだしたり。今年でいえば、妹カイリーの親友ジョーディン・ウッズと、クロエの内縁の夫で娘のパパであるトリスタン・トンプソンの浮気疑惑というすごいゴシップもありました。しかもクロエが妊娠9カ月のときもトリスタンは浮気をしていて、子どもを産めば夫婦関係が落ち着くと思いきや、すぐジョーディンとの浮気が浮上。

 こうして、番組を仕切っている母クリスの想像を超える、ネガティブなリアルの部分が明るみになってきた。これまでテレビ的においしいと思ったら妊娠中の娘たちを常にカメラに追わせてきたんですが、昨年、カイリーが妊娠・出産したときは例外で、産むまで全く公表しなかった。この3~4年、みんなが面白がるようなお騒がせセレブリティ一家という枠には収まりきらなくなってしまっていると思います。姉妹5人がそれぞれにアイデンティティや、本当にやりたいことを考え始めているのかも。

辰巳 もともと剛腕なクリスお母さんの指揮のもと始まったリアリティショーで、娘たちは若かったこともあって、結構やらされてた仕事もあったんじゃないかと思います。特にジェンナー姉妹は、幼いころから自宅でカメラが回っているわけじゃないですか。クリスは常に生き生きしてるけど、カーダシアン姉妹はパリス・ヒルトンほど「カメラのフラッシュが大好き」ではなさそうだし。あと、キムはパリの強盗事件(※5)の影響が結構大きかったと思います。犯人は、キムのSNSの投稿を見て、居場所を特定したと言ってるので。それ以降は、きらびやかでゴージャスな私生活というのは前面に出していないし。

渡辺 私はキムの弁護士を目指すという動きは、非常にすばらしいなと思っています。40手前で、子どもを4人抱えて。キムが弁護士になったら、カニエがかねてから公言している2024年の大統領選出馬にも大きな支えになるのかな。

※4 アメリカ最大手のランジェリーブランド。世界的スーパーモデルがランウェイを練り歩く毎年恒例のファッションショーは、女性たちの羨望を集めていた。しかし、昨年同社の幹部がプラスサイズモデルやトランスジェンダーモデルは起用しないと明言。時代に逆行するような発言と同社の世界観は、性差別・多様性の欠如と非難されるようになり、徐々に売り上げにも影響が表れた。今年はショーを中止することが発表されている
※5 2016年10月、ファッションウィークのためにパリの高級プレジデンスに滞在していたキム・カーダシアンのもとに、警察官を装った5人組が押し入り、総額10億円ともいわれる宝石が盗まれた。キムは被害に遭う前に、SNSで巨大ダイヤがあしらわれた指輪やパリでの様子を投稿しており、犯人たちはこれを見て犯行を計画したという

――キムエ夫妻とは、夫同士は師弟関係にありながら、妻たちは性格も価値観もまったく合わなそうなジェイ・Z&ビヨンセ夫妻の今年はいかがでしょうか?

渡辺 昨年は2人でアルバムもリリースしていたけど、今年はあんまり夫妻としての印象がないかも。ビヨンセは映画『ライオン・キング』の声優を務め、同作に絡めたアルバムを作ってそこにジェイが1曲参加していましたけど。

――ビヨンセが双子を生んでから体形をコントロールできずに、なかなか表に出てこないという見方もあります。

辰巳 基本、あんまり出てこないじゃないですか。インタビューも媒体を絞っているし、例えば米「VOGUE」に出ても、自分で編集している。だけど『ライオン・キング』関連ではめちゃくちゃインタビューを受けていて、ディズニーパワーは半端ねぇなって思いました。

渡辺 本当、ディズニーパワー半端ないですよね。ビヨンセが声優を務めて、なおかつ彼女は、レーベル面ではソニー所属なのですが、ディズニーとソニーが組んでビヨンセのアルバム『ライオン・キング:ザ・ギフト』を発表した。一方で、『ライオン・キング』本編のサウンドトラックをまとめているのが、ファレル・ウィリアムズなんですね。なので、ビヨンセ、ジェイ・Z、そしてファレルのヒップホップ優等生三つ巴感が半端ないなと思って。こういう人たちが業界を牛耳っていくんだなと思いました。

 大企業と組んで自分の作品をすごくまっとうな形で出すというのもカニエとは正反対だし、ビヨンセには絶対ジェイが関わっているから、ジェイの抜け目なさもすごく感じた。『ザ・ギフト』は、本当にバランスがいいんですよね。今のアフリカで活躍しているアーティストたちを多くフィーチャーして、アルバムをまとめ上げた。そこに加えてジェイもいるし、ケンドリック・ラマーもいるし、同じく声優を務めたチャイルディッシュ・ガンビーノもいるし、百点満点! 今年もすごい優等生チックな動きだったかなと。

辰巳 今の時代に優等生といわれるのは、安心感というかレア感もありますよね。

渡辺 そうそう。今、一世代後の若いアーティストって――例えばリゾやビリー・アイリッシュもそうですが――既存のスタンダードじゃなくて、「どこかいびつでも、私はこうよ」って常識を打ち破っていくことが求められていると思うんですよ。ビヨンセは圧倒的な牽引力があるんだけど、優等生的な完璧主義者でもある。なので、どのようにして彼女が次世代にバトンを渡す時が来るのか、ちょっと気になります。 

 今年ネットフリックスで配信されて大きな話題となった『HOMECOMING: ビヨンセ・ライブ作品』(※6)も本当に素晴らしい作品で、ここでひとつ、彼女は自分のルーツのことも描いて、アーティストとして表現しきったっていうのはあると思う。だから次のビヨンセがどういう手を打ってくるのか、めちゃめちゃ気になっています。そうこうしている間に、例えばリアーナはビューティーやメゾンブランドを始めて大成功している。ビヨンセも10年くらい前にファッションブランドを立ち上げたけど、すぐ畳んだんですよ。だから、彼女たちが今の後輩たちをどう見ているのかも、すごく気になる。ただアイコンとしては不動の地位を築いているアーティストなので、ここから人気がガタ落ちするとか、変なアルバムを作って叩かれるとか、そういったことは絶対ない。どういう動きをするのか、そこに興味が集まっています。

(第2回に続く)

※6 2018年のコーチェラのヘッドライナーを務めるまでの彼女と、実際のステージを映し出したドキュメンタリー映画。前年の双子の妊娠・出産、産後の体形変化、黒人であることについて話す貴重な映像となっている

【セレブの「オーマイゴッド!」な瞬間】エマ・ワトソン、アン・ハサウェイ、ニッキー・ミナージュほか8連発!

 売れっ子になったセレブにも、憧れのスターは当然いるもの。どれだけキメた表情をしていても、憧れていた人物を目の前にすると、うれしさと興奮のあまり、どんな売れっ子セレブも“素の自分”に戻ってしまうのだ。今回は、“憧れのスター”の登場で「オーマイゴッド!」と慌てふためくセレブたちのリアクションを紹介しよう。

【セレブの「オーマイゴッド!」な瞬間】テイラー・スウィフト、セレーナ・ゴメスほか7連発!

アン・ハサウェイ<憧れのスター:マライア・キャリー>

 ロバート・デ・ニーロ、メリル・ストリープらハリウッドの大御所俳優と共演しては堂々と演技しているアン。そんな彼女も憧れのマライアの前では、テンションが上がりすぎて「ちょっと変」な言動を見せた。

 アンがマライアに接近したのは2015年9月、主演映画『マイ・インターン』のプレミア上映会でのことだった。インタビューを受けていたアンは、当時交際していた大富豪の彼と一緒にレッドカーペットに現れたマライアを見て、「腕2本分の距離にマライアがいる!」と大興奮。「これ、史上最高のグラマラスだわ。文法的におかしいわね。私、大学行ったはずなのに。ま、中退したんだけど」と笑い、レポーターからの質問にも上の空。チラチラと後方で別のインタビューを受けているマライアを見て、「腕1本分の距離に縮まった!」とにっこり。「挨拶したら?」と勧められると、「いやいやいや、大丈夫! その時が来たら会うから」「というか、今のこの瞬間をカメラに撮ってもらえて最高。バックにマライアがいるっていうね!」と、何度もマライアを見ながら幸せそうな表情を見せていた。

 アンはその後出演した深夜トーク番組で「前もって準備されているミーティングなら大丈夫なんだけど、基本的に人と会うのは苦手」「相手がマライアだと自分でなくなっちゃうほど変になっちゃうとわかっていたから、対面したくなかったの」と説明。ちなみにマライアはアンが自分のファンだと知り、「あなたの映画、最高だったわよ」というツイートを投稿していた。

P!NK<憧れのスター:ジョニー・デップ> 

 女性が憧れる「クールで強いオンナ」の代表格である歌手のP!NKにも、目の前にすると少女のように縮こまってしまうような憧れのスターがいる。

 2016年5月に人気深夜トーク番組に出演した彼女。ジョニー・デップ主演の映画『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』のサントラに挿入されている「Just Like Fire」を歌っているものの、「ジョニーに会ったのは一度だけ。避けまくったけどね。だって彼の前で話すことなんてできないし」と照れながら笑い、「ジョニーとマイケル・キートンのファン」だと告白した。

 「私は会いたくなかったのに、夫(ケアリー・ハート)がジョニーに引き合わせたの。めちゃくちゃマヌケだったわ。店の中でレコードの棚の裏に隠れて、『嫌だ!』と拒否したのに……。『“アリス”を見たわよ! 私、曲を書くことになってるの』と話したら、『(ミュージシャンの)アリス・クーパー見たの?』って言われちゃって」と、会話がまったくかみ合わなかったと苦笑した。

 そこに、サプライズでジョニーが登場。P!NKは顔を真っ赤にさせて照れながらも、ハグをしてもらい、ガッツポーズ。極力ジョニーを見ないようにするなど、しどろもどろな対応だった。ジョニーが去ると、両手で顔をパタパタとあおぎ、「もう向こう行って~! みんな意地悪よね。最悪! 大嫌い!」「最悪の日だわ」と最後まで照れまくっていた。

 

 
 
 
 
 
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 2016年10月に、チャリティーコンサート「Tidal X」でパフォーマンスしたニッキー。その場には、彼女が崇拝するR&B歌手ローリン・ヒルも来ていた。コンサート終了後、ニッキーは自身のインスタグラムに、憧れのローリンと対面した時の動画を投稿。その動画を見て、ファンは驚いた。プライドが高いことで知られ、自分のことをクイーンと呼ぶニッキーが、感激のあまりローリンにひざまずき、土下座までしたからだ。

 ニッキーはローリンの両手を握りしめ、「あなたのことがめちゃくちゃ大好きなんです」と告白。ローリンは「おほほほ」と笑い、ほほ笑みながらニッキーを抱きしめる。ニッキーは少女のような表情になり、ローリンに「あなたの魂、精神、あなたのすべてが大好き」と打ち明けていた。

 その後、ニッキーはインスタグラムに2ショット写真も投稿。「高校の卒業アルバムに、彼女のことを書いたのよ!」と一言添えた。

チャンス・ザ・ラッパー<憧れのスター:ビヨンセ>

 グラミー賞を獲得した、若手ラッパーのチャンス・ザ・ラッパー。彼が勢いに乗り始めた2016年8月、パフォーマンス出演した『MTV VMA』のバックステージでインタビューを受けている時に、憧れのビヨンセと初邂逅した。

 後方から歩いていたビヨンセが、インタビューを撮影しているカメラに気づき、彼の背中にぴったりくっついて笑顔でポーズをとり、そのまま去っていったのだ。「誰が抱きついてきたのかな?」という表情で振り返ったチャンス・ザ・ラッパーは、そのイタズラの犯人が「世界で一番大好き」と公言しているビヨンセだと知ると、「オー・マイ・ゴッド! ビヨンセじゃん!!」と全身を使って喜びを表現。インタビューを放り出し、ビヨンセの元に駆け寄ってハグしていた。

 人気ドラマ『ビッグ・リトル・ライズ』などに出演している中堅俳優のアダム。彼の憧れのスターは映画『スター・ウォーズ』シリーズでルーク・スカイウォーカー役を演じたマーク・ハミルだ。

 2017年5月4日(英語でメイ・フォース)、人気深夜トーク番組に出演したアダムは、「あなた、『スター・ウォーズ』のファンなんですってね。今日は『メイ・ザ・フォース・ビー・ウィズ・ユー』(フォースと共にあらんことを)にかけて、スター・ウォーズの日なのよね。あなた好きすぎて、幼い時にマーク・ハミルに誕生日パーティーの招待状を送ったんですって?」と質問され、「そうなんだよ。来なかったけど。でも忙しい人だからね」と説明している最中、『スター・ウォーズ』のテーマソングがかかり、ライトセーバーを構え持ったマークが登場。

 アダムは、信じられないとばかりに「ノー! ノー!」と声を上げ、感激した表情に。取り乱すことなく座っていたアダムだが、手が小刻みに震えており、「超緊張している!」「本当に好きなんだよね」とネット上で大きな話題となった。アダムはその後、横に座ったマークをじっと見続けて、「私の人生の中で最高の時です。いや、本当に」と大喜びしていた。

エマ・ワトソン<憧れのスター:セリーヌ・ディオン>

 2017年3月にロサンゼルスで開催された『美女と野獣』のプレミア上映会には、話題作ということもあり、実に大勢のセレブが駆けつけた。マット・デイモンや娘ブルー・アイビーを連れたビヨンセらが出席してレッドカーペットを盛り上げたが、同作の主演女優エマ・ワトソンが心奪われたのは、憧れの歌手セリーヌ・ディオンだった。

 91年に公開されたオリジナルアニメ映画『美女と野獣』で、ピーボ・ブライソンと共に主題歌を歌ったセリーヌは、2017年版のサントラでも「時は永遠に」を歌っているという縁で、プレミア上映会に出席。エマは彼女が来ることを知っていたと思われるが、「(実物を見た瞬間に)思わず、近くにいた広報の腕をつかんで『耐えられないかもしれない』と言ってしまった」と、後日出演した深夜トーク番組で明かした。

 エマは番組で「私の両親はセレブとかハリウッドスターとかあまりよく知らないし、興味もない人たちなんだけど。でも、母は車の中でセリーヌ・ディオンばかりかけてたの。ノンストップで」と、彼女の歌を聴きながら育ったと説明。「母に、『セリーヌに会った』と言えるのよ。きっと取り乱しちゃう。セリーヌ・ディオンが誰だかわかるから」と、声を震わせながら興奮気味に語っていた。

 映画『Girls Trip』(17)で、下品かつ破天荒だけど憎めない女性を演じ、一躍人気者となったティファニー。2018年のアカデミー賞授賞式にはプレゼンターとして登場し、「疲れたから」とスリッパをパタパタさせながらステージを歩き、会場を爆笑の渦に巻き込んだ。

 そんな彼女にとってこの年のアカデミー賞のハイライトは、レッドカーペットで憧れの女優メリル・ストリープに会ったこと。インタビューを受けている時、メリルが会場に到着したことを知らされた彼女は、「え?」という表情で後方を振り向き、「ぎゃー! メリル・ストリープぅ!!」と叫びながら取り乱し、ロングドレスをたくし上げ、通路を区切っていたロープをまたいで彼女の元に駆け寄った。そして、大きな目をいっそう大きく開けてメリルを見つめ、ハグをしてもらい、興奮のあまり「どうか、どうか、私の母親を演じてください!」と妙なことを繰り返し頼んでいた。

 メリルと対面後、インタビューに戻ったティファニーは「メリルはどんなにおいがした?」と聞かれ、「成功のにおいがしたわ」と真面目な顔で回答。いつもヘラヘラしている彼女が真剣な表情になったことから、ファンは「本当にメリルが好きなんだ」と驚いた。

カーディ・B <憧れのスター:レディ・ガガ>

 攻撃的な女性ラッパーとして大人気のカーディ。小さい頃からラップばっかり聞いているのかと思いきや、ポップスもよく聞いており、レディ・ガガのことが大好きだと公言している。

 カーディは、2016年に「10代の私を変えてくれたのはガガだった」「ガガは、『私らしくいればいいんだ、(人と)変わっていてもいいんだ』と教えてくれた」とツイート。17年にはカーディが高校のイベントでガガの「Bad Romance」をパフォーマンスする動画が流出し、本物のリトルモンスター(ガガのファンの名称)だったのだとファンを驚かせた。

 そんなカーディがガガに対面したのは、今年のグラミー賞の会場。ガガに話しかけられたカーディは、素の彼女に戻り、にこにこ笑いっぱなし。「きゃー」というような仕草を見せ、はにかむような笑顔でガガとハグをしていた。かつて「コラボしたい歌手は?」と聞かれた際に、「私のアイドルのガガ」と即答した上で、カメラに向かって「アイラブユー、ビッチ!」と呼びかけたこともあるカーディだが、ガガの前では素直な少女に戻っていた。

 ガガは昨年、前述の16年のカーディのツイートに気づき、「ラブ・ユー・ガール」とコメント。「Bad Romance」をパフォーマンスするカーディの動画にも「最高」とコメントしている。

【セレブの「オーマイゴッド!」な瞬間】エマ・ワトソン、アン・ハサウェイ、ニッキー・ミナージュほか8連発!

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アン・ハサウェイ<憧れのスター:マライア・キャリー>

 ロバート・デ・ニーロ、メリル・ストリープらハリウッドの大御所俳優と共演しては堂々と演技しているアン。そんな彼女も憧れのマライアの前では、テンションが上がりすぎて「ちょっと変」な言動を見せた。

 アンがマライアに接近したのは2015年9月、主演映画『マイ・インターン』のプレミア上映会でのことだった。インタビューを受けていたアンは、当時交際していた大富豪の彼と一緒にレッドカーペットに現れたマライアを見て、「腕2本分の距離にマライアがいる!」と大興奮。「これ、史上最高のグラマラスだわ。文法的におかしいわね。私、大学行ったはずなのに。ま、中退したんだけど」と笑い、レポーターからの質問にも上の空。チラチラと後方で別のインタビューを受けているマライアを見て、「腕1本分の距離に縮まった!」とにっこり。「挨拶したら?」と勧められると、「いやいやいや、大丈夫! その時が来たら会うから」「というか、今のこの瞬間をカメラに撮ってもらえて最高。バックにマライアがいるっていうね!」と、何度もマライアを見ながら幸せそうな表情を見せていた。

 アンはその後出演した深夜トーク番組で「前もって準備されているミーティングなら大丈夫なんだけど、基本的に人と会うのは苦手」「相手がマライアだと自分でなくなっちゃうほど変になっちゃうとわかっていたから、対面したくなかったの」と説明。ちなみにマライアはアンが自分のファンだと知り、「あなたの映画、最高だったわよ」というツイートを投稿していた。

P!NK<憧れのスター:ジョニー・デップ> 

 女性が憧れる「クールで強いオンナ」の代表格である歌手のP!NKにも、目の前にすると少女のように縮こまってしまうような憧れのスターがいる。

 2016年5月に人気深夜トーク番組に出演した彼女。ジョニー・デップ主演の映画『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』のサントラに挿入されている「Just Like Fire」を歌っているものの、「ジョニーに会ったのは一度だけ。避けまくったけどね。だって彼の前で話すことなんてできないし」と照れながら笑い、「ジョニーとマイケル・キートンのファン」だと告白した。

 「私は会いたくなかったのに、夫(ケアリー・ハート)がジョニーに引き合わせたの。めちゃくちゃマヌケだったわ。店の中でレコードの棚の裏に隠れて、『嫌だ!』と拒否したのに……。『“アリス”を見たわよ! 私、曲を書くことになってるの』と話したら、『(ミュージシャンの)アリス・クーパー見たの?』って言われちゃって」と、会話がまったくかみ合わなかったと苦笑した。

 そこに、サプライズでジョニーが登場。P!NKは顔を真っ赤にさせて照れながらも、ハグをしてもらい、ガッツポーズ。極力ジョニーを見ないようにするなど、しどろもどろな対応だった。ジョニーが去ると、両手で顔をパタパタとあおぎ、「もう向こう行って~! みんな意地悪よね。最悪! 大嫌い!」「最悪の日だわ」と最後まで照れまくっていた。

 

 
 
 
 
 
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 2016年10月に、チャリティーコンサート「Tidal X」でパフォーマンスしたニッキー。その場には、彼女が崇拝するR&B歌手ローリン・ヒルも来ていた。コンサート終了後、ニッキーは自身のインスタグラムに、憧れのローリンと対面した時の動画を投稿。その動画を見て、ファンは驚いた。プライドが高いことで知られ、自分のことをクイーンと呼ぶニッキーが、感激のあまりローリンにひざまずき、土下座までしたからだ。

 ニッキーはローリンの両手を握りしめ、「あなたのことがめちゃくちゃ大好きなんです」と告白。ローリンは「おほほほ」と笑い、ほほ笑みながらニッキーを抱きしめる。ニッキーは少女のような表情になり、ローリンに「あなたの魂、精神、あなたのすべてが大好き」と打ち明けていた。

 その後、ニッキーはインスタグラムに2ショット写真も投稿。「高校の卒業アルバムに、彼女のことを書いたのよ!」と一言添えた。

チャンス・ザ・ラッパー<憧れのスター:ビヨンセ>

 グラミー賞を獲得した、若手ラッパーのチャンス・ザ・ラッパー。彼が勢いに乗り始めた2016年8月、パフォーマンス出演した『MTV VMA』のバックステージでインタビューを受けている時に、憧れのビヨンセと初邂逅した。

 後方から歩いていたビヨンセが、インタビューを撮影しているカメラに気づき、彼の背中にぴったりくっついて笑顔でポーズをとり、そのまま去っていったのだ。「誰が抱きついてきたのかな?」という表情で振り返ったチャンス・ザ・ラッパーは、そのイタズラの犯人が「世界で一番大好き」と公言しているビヨンセだと知ると、「オー・マイ・ゴッド! ビヨンセじゃん!!」と全身を使って喜びを表現。インタビューを放り出し、ビヨンセの元に駆け寄ってハグしていた。

 人気ドラマ『ビッグ・リトル・ライズ』などに出演している中堅俳優のアダム。彼の憧れのスターは映画『スター・ウォーズ』シリーズでルーク・スカイウォーカー役を演じたマーク・ハミルだ。

 2017年5月4日(英語でメイ・フォース)、人気深夜トーク番組に出演したアダムは、「あなた、『スター・ウォーズ』のファンなんですってね。今日は『メイ・ザ・フォース・ビー・ウィズ・ユー』(フォースと共にあらんことを)にかけて、スター・ウォーズの日なのよね。あなた好きすぎて、幼い時にマーク・ハミルに誕生日パーティーの招待状を送ったんですって?」と質問され、「そうなんだよ。来なかったけど。でも忙しい人だからね」と説明している最中、『スター・ウォーズ』のテーマソングがかかり、ライトセーバーを構え持ったマークが登場。

 アダムは、信じられないとばかりに「ノー! ノー!」と声を上げ、感激した表情に。取り乱すことなく座っていたアダムだが、手が小刻みに震えており、「超緊張している!」「本当に好きなんだよね」とネット上で大きな話題となった。アダムはその後、横に座ったマークをじっと見続けて、「私の人生の中で最高の時です。いや、本当に」と大喜びしていた。

エマ・ワトソン<憧れのスター:セリーヌ・ディオン>

 2017年3月にロサンゼルスで開催された『美女と野獣』のプレミア上映会には、話題作ということもあり、実に大勢のセレブが駆けつけた。マット・デイモンや娘ブルー・アイビーを連れたビヨンセらが出席してレッドカーペットを盛り上げたが、同作の主演女優エマ・ワトソンが心奪われたのは、憧れの歌手セリーヌ・ディオンだった。

 91年に公開されたオリジナルアニメ映画『美女と野獣』で、ピーボ・ブライソンと共に主題歌を歌ったセリーヌは、2017年版のサントラでも「時は永遠に」を歌っているという縁で、プレミア上映会に出席。エマは彼女が来ることを知っていたと思われるが、「(実物を見た瞬間に)思わず、近くにいた広報の腕をつかんで『耐えられないかもしれない』と言ってしまった」と、後日出演した深夜トーク番組で明かした。

 エマは番組で「私の両親はセレブとかハリウッドスターとかあまりよく知らないし、興味もない人たちなんだけど。でも、母は車の中でセリーヌ・ディオンばかりかけてたの。ノンストップで」と、彼女の歌を聴きながら育ったと説明。「母に、『セリーヌに会った』と言えるのよ。きっと取り乱しちゃう。セリーヌ・ディオンが誰だかわかるから」と、声を震わせながら興奮気味に語っていた。

 映画『Girls Trip』(17)で、下品かつ破天荒だけど憎めない女性を演じ、一躍人気者となったティファニー。2018年のアカデミー賞授賞式にはプレゼンターとして登場し、「疲れたから」とスリッパをパタパタさせながらステージを歩き、会場を爆笑の渦に巻き込んだ。

 そんな彼女にとってこの年のアカデミー賞のハイライトは、レッドカーペットで憧れの女優メリル・ストリープに会ったこと。インタビューを受けている時、メリルが会場に到着したことを知らされた彼女は、「え?」という表情で後方を振り向き、「ぎゃー! メリル・ストリープぅ!!」と叫びながら取り乱し、ロングドレスをたくし上げ、通路を区切っていたロープをまたいで彼女の元に駆け寄った。そして、大きな目をいっそう大きく開けてメリルを見つめ、ハグをしてもらい、興奮のあまり「どうか、どうか、私の母親を演じてください!」と妙なことを繰り返し頼んでいた。

 メリルと対面後、インタビューに戻ったティファニーは「メリルはどんなにおいがした?」と聞かれ、「成功のにおいがしたわ」と真面目な顔で回答。いつもヘラヘラしている彼女が真剣な表情になったことから、ファンは「本当にメリルが好きなんだ」と驚いた。

カーディ・B <憧れのスター:レディ・ガガ>

 攻撃的な女性ラッパーとして大人気のカーディ。小さい頃からラップばっかり聞いているのかと思いきや、ポップスもよく聞いており、レディ・ガガのことが大好きだと公言している。

 カーディは、2016年に「10代の私を変えてくれたのはガガだった」「ガガは、『私らしくいればいいんだ、(人と)変わっていてもいいんだ』と教えてくれた」とツイート。17年にはカーディが高校のイベントでガガの「Bad Romance」をパフォーマンスする動画が流出し、本物のリトルモンスター(ガガのファンの名称)だったのだとファンを驚かせた。

 そんなカーディがガガに対面したのは、今年のグラミー賞の会場。ガガに話しかけられたカーディは、素の彼女に戻り、にこにこ笑いっぱなし。「きゃー」というような仕草を見せ、はにかむような笑顔でガガとハグをしていた。かつて「コラボしたい歌手は?」と聞かれた際に、「私のアイドルのガガ」と即答した上で、カメラに向かって「アイラブユー、ビッチ!」と呼びかけたこともあるカーディだが、ガガの前では素直な少女に戻っていた。

 ガガは昨年、前述の16年のカーディのツイートに気づき、「ラブ・ユー・ガール」とコメント。「Bad Romance」をパフォーマンスするカーディの動画にも「最高」とコメントしている。