嵐・松本潤の人気にあぐらをかいた粗悪な法廷コント化『99.9』今期ドラマ視聴率トップとは思えない惨状に……

 嵐・松本潤が刑事事件専門の弁護士役を務めるドラマ『99.9 -刑事専門弁護士- SEASONII』(TBS系)の第7話が4日に放送され、視聴率17.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回より0.4ポイントアップとなりました。

 さて、今回は深山大翔(松本潤)の上司・佐田篤弘(香川照之)が逮捕されてしまう事件が発生。佐田が顧問弁護を務めるオガタテクノロジーの社長・緒方(ヒャダイン)が子会社設立のための資金3000万円を横領して失踪し、その緒方から300万円を受け取ったとして、業務上横領幇助の容疑で捕まってしまったのです。

 弁護を任されることになった深山は、オガタテクノロジーの専務・大河原孝正(佐戸井けん太)と経理担当・中村麻美(田中美奈子)から事情聴取。そして、社長室へ足を運び、机の上に黒いフレームのメガネが置いてあることを発見。極度の近眼である緒方は失踪した日、黄色いフレームのメガネをつけていたことが判明します。

 その後、オガタテクノロジーの広報・笹野桜(比嘉愛未)の案内で緒方の家を訪れた深山は、カレンダーに毎月2回、“S”の文字があることを発見。さらに、ゴミ箱に落ちていたパリのブランド店のレシートに記されたバッグと同じものを桜が持っていることから、“S”とは桜のことで緒方と親密な関係にあるのではないかと推測します。

 しかし、緒方の元妻・満里恵(アンミカ)の証言により、緒方は定期的に服薬しなければ死に至る可能性のある心筋症を患っていることが発覚。“S”とは、通院予定日だったのです。

 とはいえ、桜に問い詰めたところ、緒方と交際していたことは間違ってはいませんでした。さらに、桜の見張りをしていたパラリーガル・明石達也(片桐仁)が、桜が緒方のスーツ、処方薬、黄色いフレームのメガネを捨てる姿を目撃。その事実を深山が突きつけた結果、桜は緒方の殺害は否定したものの、失踪した日、留守電に緒方のメッセージが残されていたことを明かします。

 そのメッセージにより、緒方は黄色ではなく黒のフレームのメガネをつけていたことが発覚。しかし、社長室の机の上にあったのは、黒のフレームのメガネでした。そのことから、緒方は社長室で大河原と中村によって殺されたのでは? と推理した深山は、2人に罠をしかけます。

 そのトラップとは、緒方が最後に電話をかけた場所を特定するよう電話局に依頼した、という嘘を2人に吹聴すること。これに慌てた大河原と中村は緒方の遺体を掘り返し、そこへ深山が警察を引き連れ逮捕。殺害の動機は子会社設立を反対するためだったということで、佐田の容疑も晴れ、一件落着となったのでした。

 今回の事件の背景には、薬害アレルギー問題で国家賠償請求訴訟を起こしている佐田を陥れるという陰謀と、法務省訟務局が参考事例を作成したいという思惑が裏にあったんですね。つまり、有罪判決までのシナリオはあらかじめ用意されていて、佐田は絶体絶命の状況にあったのです。

 その割に、何もかもがお粗末でした。まず、緒方殺害に至った犯人たちの動機が弱すぎる。子会社設立によって損益を被り、退職金が出なくなるのでは? との懸念から犯行に及んだとのことですが、それで殺人まで犯しますかね。しかも、社長室での絞殺。計画殺人にしては、あまりに杜撰すぎますよ。

 一方、桜はなぜ、警察になにも報告しなかったのでしょうか。不倫の関係だったならまだしも独身者同士の恋愛ですから、なにもやましいことはなかったハズ。それなのに、緒方の所有物や留守電メッセージを隠そうとした意味がイマイチわかりませんでした。

 そして、そのメッセージによって真相発覚に至った強引なラスト。なにもかもが低レベルでした。今クール、今のところ最高視聴率ドラマということですが、内容的にはとてもそうは思えません。主演の松本潤の人気によるものでしょう。

 しかし、制作サイドは自分たちの力量に対する評価だと勘違いしているのか、あるいは松本人気にあぐらをかいているのか、くだらないギャグや小ネタをこれでもかとねじ込み、やりたい放題。特に今回は被疑者が佐田ということで、法廷シーンは完全にコント化し、しかも笑えないという見るも無残な状態に陥ってしまっていました。

 それに加えて、カットの切り替えがあまりに高速かつ多すぎる。これに関してはネット上で指摘する声が以前から多かったものの、筆者はそれほど苦には感じていませんでした。けれど今回、深山と佐田の接見シーンでは、これまで以上に演出家の気合が無駄に入ったらしく、アクリル板を挟んでの2人の顔カットが激しくスイッチ。さすがに気分が悪くなってしまいました。

 次回は20分拡大スペシャルとのことですが、無駄なシーンが延長されただけということにならないよう祈りつつ、放送を待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

やっと平昌五輪が閉幕したのに……『海月姫』、ついに5%割れ! フジ月9枠ワーストへ一直線も、芳根京子には大化けのチャンス!?

“朝ドラヒロイン”芳根京子が主演を務めるフジ月9ドラマ『海月姫』の第7話が2月26日に放送され、視聴率は4.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、ついに禁断の5%割れを記録してしまった。フジの看板ドラマ枠である月9で、視聴率が5%を割り込んだのは、前クールの『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(篠原涼子主演)最終回(第10話)の4.6%以来、2度目の失態。同話から、賀来賢人が登場したが、テコ入れ効果はなかった。

 初回8.5%でスタートも、第2話6.9%→第3話5.9%と降下。第4話では7.5%まで持ち直し、上昇気流に乗ったかと思われたが、第5話5.3%、第6話5.0%と低迷。そして、第7話にして、ついにどん底へ落ちてしまった。

 ここまでの平均視聴率は6.4%まで下がり、『突然ですが、明日結婚します』(2017年1月期/西内まりや主演)の同枠ワースト視聴率6.65%をも下回る可能性が出てきた。

 第7話は、修(工藤阿須加)が月海(芳根)に告白し、蔵之介(瀬戸康史)が真意を問いただしたところ、修は「交際を求めているのではなく、月海にプロポーズしようと思っている」と突っ走ろうとしていた。そんな時、“尼~ず”が住む「天水館」に、修から月海へのプロポーズの言葉が書かれた手紙が届き、蔵之介は修のフライングに歯噛みする。一方、月海たちのブランド「ジェリーフィッシュ」は、ジジ様(木南晴夏)の提案で、ファッション界のバイヤーやスタイリストが集まるプロモーションスペースに出店。クラゲのドレスはまったく売れなかったが、アジアでセレクトショップを展開する実業家カイ・フィッシュ(賀来)が現れ、ドレスとデザインを買い取りたいと申し出る……という展開だった。

「序盤はドタバタの展開で、評価も低かったのですが、ブランドを立ち上げた第5話あたりから、がぜんおもしろくなってきました。ところが、第5話、第6話は平昌五輪の人気競技の中継とバッティングしてしまい大苦戦。第7話では、その五輪も閉幕し、視聴率も上がるかと思われましたが、自己ワーストで5%割れの惨事となってしまいました。もはや多くの視聴者が脱落してしまったということなのでしょう。次回、第8話にはにゃんこスター、元韓国アイドルの伊藤ゆみ(旧名・ICONIQ)がゲスト出演しますが、それで数字が上がるとは思えません。残り3話ですが、さすがにここから大きな巻き返しは難しいのでは?」(テレビ誌関係者)

 視聴率は低調だが、作品としては、急ごしらえで最悪だった『突然ですが』より、はるかにマシなだけに、なんとか月9ワーストだけは回避してほしいところ。

 厳しい戦いが続いているが、芳根個人としての評価は決して悪くはなく、ある意味チャンスでもあるというのだ。

「これまで芳根は清純派のイメージが強く、そういった役柄が多かったのです。しかし、『海月姫』でのなりふり構わぬ演技には、称賛の声も上がっています。これで、役の幅も広がり、オファーも増えていく気がします。それに、なかなか月9の主演を引き受ける俳優・女優がいない中、前評判の低かった『海月姫』の主演オファーを受けてくれた芳根に、フジは貸しを作った格好となりました。近いうちに、フジはヒロインクラスで、芳根を使うことになるのではないでしょうか?」(同)

 芳根は、『表参道高校合唱部!』(15年7月期/TBS系)に続き、主演した民放連ドラで2作連続爆死となりそうな気配。だが、まだ21歳になったばかりで、ランク的にも、大きなダメージはないだろう。『海月姫』は振るわなかったが、吹っ切れた演技は、この先につながりそうだ。
(文=田中七男)

家族愛が泣けた! 『トドメの接吻』 山崎賢人と新田真剣佑、本当にクズなのはどっち!? 

 主演の山崎賢人のクズさよりも、新田真剣佑の“闇化”が目立ち、門脇麦が見るたびに可愛く変身している『トドメの接吻』(日本テレビ系)も、残すところあと2話。

 今回も念のため報告しておきますが、第8話の視聴率は、前回から0.8ポイントダウンの6.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でした。これまでの視聴率を折れ線グラフにすると、限りなく下のほうで、ジグザグに推移しています。

 まぁ、もうここまできてしまえば、視聴率は二の次。いち視聴者として、伏線をスパッと回収し、物語の落としどころをキッチリしていただきたいところですが、今話は最終話への不安・不満が残る回でした……。“クズ”を見すぎて耐性がついてしまったせいでしょうか? 何がクズなのかもうわかりません……。ということで、あらすじから振り返ります。

*これまでのレビューはこちらから

■暴走が止まらない尊氏

 

 キス女・宰子(門脇麦)の協力もあって、年商100億円の並樹グループのご令嬢・美尊(新木優子)ちゃんとイイ感じの主人公・旺太郎(山崎賢人)。前回(参照記事)、美尊ちゃんに宰子とハグしているところを見られてしまった旺太郎は、苦し紛れに「親戚」と嘘をつき、なんとか誤魔化すことに成功。あっさり信じた世間知らずの美尊ちゃんは、「結婚を前提にわたしと付き合ってください」と、旺太郎にまさかの逆告白! なんだかいいムードですが、完全に空気と化している宰子が切ないです……。

 家に帰宅した美尊ちゃんは、母・京子(高橋ひとみ)に旺太郎と結婚を前提に付き合うことになったと告白。「彼ね、親戚の面倒も見てるの。偉いと思わない? 宰子さんっていうの」とナチュラルにノロケる美尊ちゃんから「宰子」という名前を聞いたときの尊氏の表情がわかりやすすぎるくらいに一変、旺太郎と宰子を食事に招待します。

 そしてやってきた会食の日。貼り付けたような笑顔で2人を迎える尊氏。宰子のことを嗅ぎまわっていた彼は、まるで合コンに来た男ばりに宰子を質問攻めにします。美尊ちゃんに婚約指輪代わりのペアリングを手渡す旺太郎にも余裕綽々で、廊下で宰子と2人きりになると、「君、本当は親戚じゃないよね? 堂島旺太郎はなぜ君を囲っているんだ? 君にどんな力があるんだ?」とグイグイ。必死すぎてキモイし怖いです。

 その翌日、旺太郎に「長谷部(佐野勇斗)が殺された」という連絡が入ります。なんでも長谷部くんの病室で、看護師・鮫島(荒井敦史)がナイフを手にした旺太郎の父・旺(光石研)を発見し、取り押さえたとか。やがて旺は警察に連行されてしまいます。事件を知り、旺太郎の元へやってきた宰子は、キスでタイムリープし、旺を助けようと提案しますが、旺太郎はこれを拒否。

 12年前の海難事故の原因を作った真犯人は尊氏ですが、事故の容疑者として刑務所に入り、出所したかと思えば母・光代(奥貫薫)と自分、そして3億円もの賠償金を残して姿を消した父のせいで、さんざんな目に遭ってきた旺太郎からしてみれば、そんな簡単に父を許すことができないのは、当然かもしれません……。

 しかし、もはやストーカーと化した尊氏が宰子の秘密を探ろうとアパートの前で待ち伏せしていたのをキッカケに、「秘密を教えてやるよ」と、旺太郎は尊氏の前で堂々と宰子にキス。そうして事件が起きた日にタイムリープし、病院に駆けつけた2人は、長谷部を刺したのは看護師の鮫島であったことを知ります。鮫島は、尊氏の叔父である郡次(小市慢太郎)から長谷部くんの監視役として病院に送り込まれた人間でした。

 長谷部くんの病室では、旺太郎がテープをネタに並樹家を脅迫するのではないかと心配した旺が、旺太郎にテープを渡さぬよう長谷部くんにお願いをしています。そんな父に、「コソコソ長谷部のところにきてどういうつもりだ?」「あんたを助けにきたわけじゃない。あんたと別れるためにここにきたんだ」「もう二度と会うことはない」と怒りをぶつける旺太郎。「すまなかった」と言葉を残し、旺は去っていきます。このシーンの光石さんの背中、とても切なかったです。

■バラバラだった家族がひとつに

 

 そんな親子2人を救ってくれたのが、またしても宰子です。尊氏からまた狙われるのを心配する旺太郎の提案で、彼の部屋に住むことになった彼女。2人で引っ越し準備をしながら、「これ返す」と事故で行方不明になったままの弟・光太の靴に加え「これも」と、旺の連絡先が書かれたメモを差し出します。

「あなたなら乗り越えられると思う。光太くんのために」
「私はあなたを信じてる。あなたが信じてるって言ってくれたから」

 宰子からメモを受け取った旺太郎は、先に家に行っていろと鍵を手渡します。はい、ここ、胸キュンポイントその1です。

 そうして父に会いに行った旺太郎は、どうして家に帰らず逃げたのかを父に問い詰めます。「母さんが光太を探しているのを見たんだ。死んでいるのに。なのに必死で探し続けていた。つらかった。つらくて、母さんに声をかけられなかった」と自分の弱さを認めた父に、光太の靴を手渡す旺太郎。「行ってやれよ。おふくろに持っていってやれよ。おふくろも逃げてるんだよ。あの時からずっと」と、背中を押してあげるのです。

「光太はもういないんだよ。旺太郎が言ってくれたんだ。これを母さんに持っていけと。あいつが一番つらいはずなのに。旺太郎が助けてくれた」

 旺太郎は、泣き崩れながら抱き合う両親の姿を遠くから見守っていました。現実から逃げていた父、光太はいないということを受け入れられなかった母、そして愛を信じなかった旺太郎、事故によってバラバラになった家族が、宰子のおかげで再びひとつになろうとしています。

 2人を見届けた後、旺太郎は、宰子に電話をかけます。

旺太郎「靴は渡した。ありがとな」
宰子「ううん」
旺太郎「それとさ、道具だなんて言うなよ。俺は宰子を道具とは思ってない。お前さ、料理とか作れるの? 地味な一人暮らしだから自炊くらいしてるんだろ?」
宰子「いっ、一応作れる」
旺太郎「じゃあ、作ってくれ。今から帰る」
宰子「分かった。待ってる」

 はい、胸キュンポイントその2です。恋人を通り越して夫婦みたいなこのやり取り、見るからに、お互い好き同士ですよね(?)宰子に対してデレる割合が高くなってきた旺太郎ですが、それに気がついていないところがまたイイ。

 と、何かを察し、走り出す旺太郎。部屋へ戻るとそこに宰子の姿はありません。どうやら尊氏に拉致されてしまったようす。しかし、旺太郎はニヤッと口元を緩ませて、なんだか余裕そう。何かウラがありそうな予感を残し、今週はここまで。

 

■旺太郎が美尊と結婚する意味はあるのか?

 

 筆者が“旺太郎&宰子推し”なせいかもしれませんが、果たして旺太郎は美尊ちゃんと結婚する意味はあるのか、少々疑問に思ってしまいます。

 賠償金の3億円を肩代わりしてきた旺太郎は、美尊ちゃんと出会うまで、No.1ホストとして女の子をまるでお金を得るための道具のように扱い、せっせとお金を稼いできました。もちろん、“年商100億”こと美尊を手に入れるためには、ホストテクニックを駆使して彼女に近づくことが一番手っ取り早かったわけです。

 が、事故の真犯人は尊氏だったとわかった今、お金だけが目的であれば、尊氏を脅すなり何なりして大金を得ることだってできるはず。そりゃあ、美尊ちゃんはかなりの美人なわけで、美尊ちゃんと結婚して並樹グループを手に入れたら100億の資産と美人、両方を手にいれることができるので、十分幸せな生活を手に入れられるかもしれません。でも、これまでの旺太郎を見ていると、お金と尊氏への復讐ばかりに意識が向いているので、美尊ちゃんへの愛は1ミリも感じないんですよね。なんなら、宰子と一緒にいるほうが、よっぽど自然体だし、楽しそうです。

 美尊ちゃんのことを考えても、いろいろ方法は間違えているし、こじらせてしまっていますが、「美尊さえいてくれれば、それ以上の幸せは僕はいらない」「美尊を守るためなら、何だってしてやる」と涙を流すくらいに想ってくれている尊氏の美尊ちゃんへの愛は本物でしょうし、尊氏と仲良く並樹家を継いだほうが、幸せだと思うのは私だけでしょうか?

 一体、旺太郎は美尊ちゃんと宰子、どちらを選ぶのか、残り2話でハッキリさせてほしいところです。また、1話から重要人物感をプンプン匂わせておきながら、いまだ謎に包まれたままのストリートミュージシャン・春海(菅田将暉)の正体もそろそろ明かされて欲しいですが……。

 なお、今夜放送の9話では、旺太郎のホスト時代の後輩・和馬(志尊淳)も再登場するようなので、またまた物語をひっかきまわしてくれそうな予感です。
(文=どらまっ子TAROちゃん)

家族愛が泣けた! 『トドメの接吻』 山崎賢人と新田真剣佑、本当にクズなのはどっち!? 

 主演の山崎賢人のクズさよりも、新田真剣佑の“闇化”が目立ち、門脇麦が見るたびに可愛く変身している『トドメの接吻』(日本テレビ系)も、残すところあと2話。

 今回も念のため報告しておきますが、第8話の視聴率は、前回から0.8ポイントダウンの6.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でした。これまでの視聴率を折れ線グラフにすると、限りなく下のほうで、ジグザグに推移しています。

 まぁ、もうここまできてしまえば、視聴率は二の次。いち視聴者として、伏線をスパッと回収し、物語の落としどころをキッチリしていただきたいところですが、今話は最終話への不安・不満が残る回でした……。“クズ”を見すぎて耐性がついてしまったせいでしょうか? 何がクズなのかもうわかりません……。ということで、あらすじから振り返ります。

*これまでのレビューはこちらから

■暴走が止まらない尊氏

 

 キス女・宰子(門脇麦)の協力もあって、年商100億円の並樹グループのご令嬢・美尊(新木優子)ちゃんとイイ感じの主人公・旺太郎(山崎賢人)。前回(参照記事)、美尊ちゃんに宰子とハグしているところを見られてしまった旺太郎は、苦し紛れに「親戚」と嘘をつき、なんとか誤魔化すことに成功。あっさり信じた世間知らずの美尊ちゃんは、「結婚を前提にわたしと付き合ってください」と、旺太郎にまさかの逆告白! なんだかいいムードですが、完全に空気と化している宰子が切ないです……。

 家に帰宅した美尊ちゃんは、母・京子(高橋ひとみ)に旺太郎と結婚を前提に付き合うことになったと告白。「彼ね、親戚の面倒も見てるの。偉いと思わない? 宰子さんっていうの」とナチュラルにノロケる美尊ちゃんから「宰子」という名前を聞いたときの尊氏の表情がわかりやすすぎるくらいに一変、旺太郎と宰子を食事に招待します。

 そしてやってきた会食の日。貼り付けたような笑顔で2人を迎える尊氏。宰子のことを嗅ぎまわっていた彼は、まるで合コンに来た男ばりに宰子を質問攻めにします。美尊ちゃんに婚約指輪代わりのペアリングを手渡す旺太郎にも余裕綽々で、廊下で宰子と2人きりになると、「君、本当は親戚じゃないよね? 堂島旺太郎はなぜ君を囲っているんだ? 君にどんな力があるんだ?」とグイグイ。必死すぎてキモイし怖いです。

 その翌日、旺太郎に「長谷部(佐野勇斗)が殺された」という連絡が入ります。なんでも長谷部くんの病室で、看護師・鮫島(荒井敦史)がナイフを手にした旺太郎の父・旺(光石研)を発見し、取り押さえたとか。やがて旺は警察に連行されてしまいます。事件を知り、旺太郎の元へやってきた宰子は、キスでタイムリープし、旺を助けようと提案しますが、旺太郎はこれを拒否。

 12年前の海難事故の原因を作った真犯人は尊氏ですが、事故の容疑者として刑務所に入り、出所したかと思えば母・光代(奥貫薫)と自分、そして3億円もの賠償金を残して姿を消した父のせいで、さんざんな目に遭ってきた旺太郎からしてみれば、そんな簡単に父を許すことができないのは、当然かもしれません……。

 しかし、もはやストーカーと化した尊氏が宰子の秘密を探ろうとアパートの前で待ち伏せしていたのをキッカケに、「秘密を教えてやるよ」と、旺太郎は尊氏の前で堂々と宰子にキス。そうして事件が起きた日にタイムリープし、病院に駆けつけた2人は、長谷部を刺したのは看護師の鮫島であったことを知ります。鮫島は、尊氏の叔父である郡次(小市慢太郎)から長谷部くんの監視役として病院に送り込まれた人間でした。

 長谷部くんの病室では、旺太郎がテープをネタに並樹家を脅迫するのではないかと心配した旺が、旺太郎にテープを渡さぬよう長谷部くんにお願いをしています。そんな父に、「コソコソ長谷部のところにきてどういうつもりだ?」「あんたを助けにきたわけじゃない。あんたと別れるためにここにきたんだ」「もう二度と会うことはない」と怒りをぶつける旺太郎。「すまなかった」と言葉を残し、旺は去っていきます。このシーンの光石さんの背中、とても切なかったです。

■バラバラだった家族がひとつに

 

 そんな親子2人を救ってくれたのが、またしても宰子です。尊氏からまた狙われるのを心配する旺太郎の提案で、彼の部屋に住むことになった彼女。2人で引っ越し準備をしながら、「これ返す」と事故で行方不明になったままの弟・光太の靴に加え「これも」と、旺の連絡先が書かれたメモを差し出します。

「あなたなら乗り越えられると思う。光太くんのために」
「私はあなたを信じてる。あなたが信じてるって言ってくれたから」

 宰子からメモを受け取った旺太郎は、先に家に行っていろと鍵を手渡します。はい、ここ、胸キュンポイントその1です。

 そうして父に会いに行った旺太郎は、どうして家に帰らず逃げたのかを父に問い詰めます。「母さんが光太を探しているのを見たんだ。死んでいるのに。なのに必死で探し続けていた。つらかった。つらくて、母さんに声をかけられなかった」と自分の弱さを認めた父に、光太の靴を手渡す旺太郎。「行ってやれよ。おふくろに持っていってやれよ。おふくろも逃げてるんだよ。あの時からずっと」と、背中を押してあげるのです。

「光太はもういないんだよ。旺太郎が言ってくれたんだ。これを母さんに持っていけと。あいつが一番つらいはずなのに。旺太郎が助けてくれた」

 旺太郎は、泣き崩れながら抱き合う両親の姿を遠くから見守っていました。現実から逃げていた父、光太はいないということを受け入れられなかった母、そして愛を信じなかった旺太郎、事故によってバラバラになった家族が、宰子のおかげで再びひとつになろうとしています。

 2人を見届けた後、旺太郎は、宰子に電話をかけます。

旺太郎「靴は渡した。ありがとな」
宰子「ううん」
旺太郎「それとさ、道具だなんて言うなよ。俺は宰子を道具とは思ってない。お前さ、料理とか作れるの? 地味な一人暮らしだから自炊くらいしてるんだろ?」
宰子「いっ、一応作れる」
旺太郎「じゃあ、作ってくれ。今から帰る」
宰子「分かった。待ってる」

 はい、胸キュンポイントその2です。恋人を通り越して夫婦みたいなこのやり取り、見るからに、お互い好き同士ですよね(?)宰子に対してデレる割合が高くなってきた旺太郎ですが、それに気がついていないところがまたイイ。

 と、何かを察し、走り出す旺太郎。部屋へ戻るとそこに宰子の姿はありません。どうやら尊氏に拉致されてしまったようす。しかし、旺太郎はニヤッと口元を緩ませて、なんだか余裕そう。何かウラがありそうな予感を残し、今週はここまで。

 

■旺太郎が美尊と結婚する意味はあるのか?

 

 筆者が“旺太郎&宰子推し”なせいかもしれませんが、果たして旺太郎は美尊ちゃんと結婚する意味はあるのか、少々疑問に思ってしまいます。

 賠償金の3億円を肩代わりしてきた旺太郎は、美尊ちゃんと出会うまで、No.1ホストとして女の子をまるでお金を得るための道具のように扱い、せっせとお金を稼いできました。もちろん、“年商100億”こと美尊を手に入れるためには、ホストテクニックを駆使して彼女に近づくことが一番手っ取り早かったわけです。

 が、事故の真犯人は尊氏だったとわかった今、お金だけが目的であれば、尊氏を脅すなり何なりして大金を得ることだってできるはず。そりゃあ、美尊ちゃんはかなりの美人なわけで、美尊ちゃんと結婚して並樹グループを手に入れたら100億の資産と美人、両方を手にいれることができるので、十分幸せな生活を手に入れられるかもしれません。でも、これまでの旺太郎を見ていると、お金と尊氏への復讐ばかりに意識が向いているので、美尊ちゃんへの愛は1ミリも感じないんですよね。なんなら、宰子と一緒にいるほうが、よっぽど自然体だし、楽しそうです。

 美尊ちゃんのことを考えても、いろいろ方法は間違えているし、こじらせてしまっていますが、「美尊さえいてくれれば、それ以上の幸せは僕はいらない」「美尊を守るためなら、何だってしてやる」と涙を流すくらいに想ってくれている尊氏の美尊ちゃんへの愛は本物でしょうし、尊氏と仲良く並樹家を継いだほうが、幸せだと思うのは私だけでしょうか?

 一体、旺太郎は美尊ちゃんと宰子、どちらを選ぶのか、残り2話でハッキリさせてほしいところです。また、1話から重要人物感をプンプン匂わせておきながら、いまだ謎に包まれたままのストリートミュージシャン・春海(菅田将暉)の正体もそろそろ明かされて欲しいですが……。

 なお、今夜放送の9話では、旺太郎のホスト時代の後輩・和馬(志尊淳)も再登場するようなので、またまた物語をひっかきまわしてくれそうな予感です。
(文=どらまっ子TAROちゃん)

渡辺謙、『西郷どん』出演終了後に妻・南果歩との離婚発表か

 鈴木亮平主演で1月7日にスタートし」た18年のNHK大河ドラマ『西郷どん』だが、初回の平均視聴率は15.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、1989年の『春日局』に次いで、ワースト2位と低空発進。その後も苦戦が続いている。

 そんな中、一人気を吐いているのが、島津斉彬を演じている渡辺謙だ。その圧倒的な存在感に、ネット上では「無双すぎる」「覇王感がハンパない」と絶賛する声が飛び交っている。

 渡辺といえば、昨年3月に「週刊文春」(文藝春秋)で不倫が報じられ、騒動が勃発。7月に謝罪会見を開いたが、続報は聞かれないまま。芸能記者が、その裏事情を明かす。

「離婚は時間の問題とみられていましたが、2人の間では“婚前契約”が交わされていたようです。それによると、渡辺側になんらかの不都合があって離婚する場合に、財産のほとんどを南に譲るという内容があり、それがネックになっていた。しかし、ここにきてようやく話し合いがまとまりだしたと聞きます。渡辺演じる島津は毒殺される設定で、5月頃で出番が終了する。それをもって離婚が発表されるのではないかと、もっぱらです」

 さらに、芸能記者たちは離婚の先まで注目しているという。

「『西郷どん』の後、渡辺は来年5月に全米公開されるハリウッドの実写版ポケモン映画への出演が決まっており、しばらくアメリカが活動拠点となる。そこで不倫相手と合流し、再婚に踏み切るのではないかとみています」(スポーツ紙記者)

 同じく不倫騒動で『西郷どん』出演を辞退した斉藤由貴は4月にドラマ復帰することが決まり、最近の“不倫=犯罪”といった空気も薄れてきている感がある。渡辺もこの流れに乗れるか?

大告白大会……登場人物全員が愛おしく見えてくる『隣の家族は青く見える』はどこか懐かしいホームドラマ

 集合住宅(コーポラティブハウス)を舞台に、4組の「家族」の価値観を軽やかに描く『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)。第7話で描かれたさまざまな告白。視聴率は5.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■3人の亭主の男子会

 

 夫が求職中のため、深雪(真飛聖)は実家の母(多岐川裕美・裕福そう)に生活費を無心したいが言い出せず。それどころか深雪の母が孫の中学受験の成功を願い口にした言葉がつらい内容だった。

「貴女は受験に失敗したところから、人生狂ってしまったから」

 おそらく深雪はずっとこの価値観を植え込まれて育ってきたのだろう。長女(優香・安藤美優)の受験に執着する悲しい背景。

 深雪は帰宅する途中、見知らぬ女性宅を隣人の大器(松山ケンイチ)が訪ねるのを目撃。「浮気では?」と奈々(深田恭子)に報告する深雪だが、奈々を思っての行為というよりは、自分の失意を他人の不幸で満たそうとする行為に見える。目撃時、思わず笑顔になっていた深雪の表情が忘れられない。こうやってずっと自分の精神を守ってきたのだろう。

 夫・真一郎(野間口徹)が、子どもに無償で勉強を教える学習支援ボランティアをしていると知り深雪は激怒。人生で初めてやりがいを見つけた真一郎は職探しをしつつボランティアを続けることを真剣に頼むが、それなら家を出て行けと言われ激高する。

 体外受精について相談する奈々に対し、大器はもう不妊治療をやめないかと提案。

「なんでステップアップするたびに、いろいろ理由つけて反対するの? 私もう反対されるの嫌なんだけど」

「俺だって嫌だよ! つらそうにしてる奈々見るのも嫌だし、つらいの我慢してる奈々見て見ぬふりするの嫌なんだよ?」

 不妊治療の話ばかりで余裕もなくなり衝突してしまうとデメリットを語り、これで夫婦と言えるのか? と吐き出す大器と、夫婦だからやってこれたんだと反論する奈々。後にそれはカウセリングに通っていただけだとわかるのだが、奈々は浮気のことも口にしてしまう。

 亮司(平山浩行)とちひろ(高橋メアリージュン)のカップルは、共に暮らすことになった亮司と前妻の子・亮太(和田庵)のことで衝突。

「亮司は亮太君に嫌われたくないんだよ? だから必死で機嫌とってるの。でも好かれもしないよ、このままじゃ? 彼の心の中に入ってってやらなきゃ、いつまでたっても欲しいもの買ってくれるだけの便利なおじさんのまんまだよ?」

「これは俺と亮太の問題だ、俺たち家族のことに口出さないでくれ」

 すぐさま言葉のあやだと謝るも、「家族」に加えてもらえなかったちひろは傷つく。そして「他人」だから見えていることもある。

 真一郎、大器、亮司は玄関を出たところで、ばったり遭遇。間髪入れず「いいところで会った、飲み行きましょう!」と誘ったのは、一番それを言わなそうなキャラ、真一郎。思わず「お前が誘うんかい」と言いたくなったが、このへんのセンスは毎回見事。大器の実家の居酒屋で発散する3人。

 楽観的過ぎるかもしれないが、この状況すら悪くないとすら思えてしまう。題材こそ現代的だが、どこか懐かしいホームドラマの匂いがする。今回特に。

■女子会に深雪乱入

 

 奈々、ちひろ、朔の女子会が今回も。ここだけドラマというより「コーナー」を見ている気持ちになる。ラジオの人気コーナーが始まった時の、あの気持ち。

 今回は、いきなり「子持ち」となったちひろの苦労話がメイン。「私はお母さんなんかしてません、良識ある大人として同居中の子どもに最低限の責任を果たしてるだけです」と謙遜しつつ、子ども嫌いのはずのちひろは、どこかうれしそう。

 子どもの面倒や家事で鏡を見る暇もないと語る中、奈々が言った「深雪さんのところとか2人もいるのに、いつもきれいにしててすごいよね」という言葉に共感する深雪の天敵・ちひろ。

 自分の芝がちゃんと他所からも、天敵からも青く見られているということを深雪にも早く気づかせてあげてほしい。そして自分の幸せを雑に扱い、安易に他人を羨む行為を自分はしていないのか? と、ふと考えさせられる。

「子どもがいない未来なんて考えられない」と語る奈々に「幸せな子ども時代だったんだね」と親のいない朔が、そして「みんながみんな子ども時代が幸せだとは限らないからね」と、ちひろが言う。奈々もまた、自分の当たり前の幸せに気づけていない部分があるのだ。

 今回はこの女子会に、なんと深雪が乱入。長女・優香が亮太と仲良くなってから成績が下がったと食ってかかる。「あの子の母親じゃないんで」と初めは流していたちひろだが、あまりの言われように「うちの亮太のせいでお宅の娘さんの成績が下がったっていう証拠でもあんのかって聞いてんのよ!」。

 第2話以来の両雄の激突。いつも思うが、高橋メアリージュンにはいつか女子プロレスラーを演じてほしい。きっとハマる。

 慌てる奈々に対し、「もっとやれー」と喜ぶ朔。そして、「うちの亮太」が聞こえたのか、うれしそうに覗き込む亮太。朔と亮太が絡むのが楽しみだ。

 

■広瀬のカミングアウト

 

 前回登場した広瀬の母・ふみ(田島令子)が、いきなり逆訪問。広瀬の意向でゲイカップルであることは隠しているため、それを汲んで広瀬不在の中、仕事の後輩として出入りしてるフリの朔が必死に「痕跡」を隠す。写真立てを隠し、ベッドを独り者っぽくして一安心……のはずが、リビングにデカデカと飾られた「(同居するにあたっての)三つの誓い」で即バレ。笑いました。それは以前決めた「喧嘩しても電話する」などの2人の取り決めで、しっかり布石回収。

 そこへ帰ってきた広瀬がはっきりとカミングアウトする。親に育てられず、しがらみなく生きてきた朔に対し、母親に初めてゲイを告白する広瀬はつらそうだ。

「何がいけなかったのかなあ……」「普通じゃないでしょ」「目を覚まして」と、息子を病気のように考え、原因を考えたり自分を責めてしまうふみ。

「原因とかない」「ゲイは病気じゃない」「普通ってなんなんだろうね」

 言い返すのも虚しそうな広瀬を見ていると、カミングアウトしたがらなかったことに納得してしまう。

 だが広瀬は「自分や自分の好きな人を否定されることが、こんなにも悲しいことだなんて、今の今まで知らなかった。カミングアウトしてよかった」と言い切った。おのおの同じタイミングで焼き芋を買ってくるほど繋がっている2人。朔はカミングアウトすることを安易に勧めていた自分を悔いているようだった。

 

■4つの「告白」

 

 今回、衝突と同時にさまざまな告白が見られた。

 ゲイであることの告白(広瀬が母に)、実は無職であったことの告白(真一郎が奈々に)は記したが、ちひろとまだ気まずい亮司は、亮太とベッドに入りつつ、離婚した原因を語った。お互い仕事のことばかりでの行き違いらしいが、時を経て仲直りし、ちひろとの再婚の予定を報告した際には「今度は大事にしなさいよ」と励まされたという。「遺言なら守らないとダメじゃん」と父をベッドから追い出す亮太と、その会話がうまい具合にちひろに聞こえているのもいい。

 そして、奈々は勇気を出して職場で不妊治療していることを告白。人手不足のためか理解してくれない目線も感じたが、それでも奈々は切り開きたかったのだろう。前の晩、ゴールの見えないつらさ、リセットされるたび、妊婦や赤ちゃんを見かけるたびに襲われるつらさを大器に語りつつ妊活続行への理解を求め、仲直りしつつベッドへ。

 男子会後、おそらくちゃんと喧嘩をしたことがなく落とし所がわからない真一郎だけは中庭にテントを張り、敷地内野宿。カップ酒で浮かれる野間口のアドリブっぽい芝居が光るが、深夜、凍える真一郎に「みっともないから戻って!」とイラつきながら許しを感じさせる真飛聖もよかった。この日は、この2人で副音声もしていたのだが、ここでも真飛が話をリードしていてなんか微笑ましかったです。

 今回、特に揉め事→理解、むず痒い仲直りの展開が心地よく、登場人物全員が愛おしく感じた回でした。次回も期待大です。
(文=柿田太郎)

他局『ロンバケ』の財産を食い潰す、テレビ朝日『BG』の“臆面のなさ”がスゴすぎる!

 木村拓哉主演の『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)も、佳境の第7話。視聴率は15.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、過去最高を記録しました。ここまで毎回、うだるような酷評を書き連ねてきたわけですが、第3話以降、数字は完全に右肩上がり。なので、何か魅力があるのでしょう。考えてみます。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■物語を楽しむだけがドラマじゃない

 

 前回、「キムタクにすら見せ場がなかった」と書きましたが、今回を見て、その意図がわかりました。前回の見せ場は、ラストのキムタクと山口智子の再会だったのです。主人公である島崎章という人物の人生とはまったく関係なく、それを演じるキムタクが、かつて共演した山口智子と再会するシーンを見せる、というところに重点が置かれていたわけです。

 フジテレビの月9で『ロングバケーション』が放送されていたのは1996年。もう22年も前になりますが、主題歌の「LA・LA・LA LOVE SONG」も、隅田川にかかる新大橋のほとりにあったアンティーク風のマンションも、スーパーボールを窓から落としてポヨ~ンというシーンも、もちろん瀬名と南のことも、よく覚えています。鮮烈なイメージを持ったドラマだったし、キムタクも山口智子も輝いてた。

 結局のところ、ストーリーはあんまり覚えてなくて、記憶に残っているのはプロットに関係のないシーン単体やロケーションだったり、キャラクターの口調だったりするわけで、それはそのまま役者さんの財産でもあります。

 その財産を、丸のまんま、なんの加工もなく食い潰しにきたのが、今回の『BG』でした。

 キムタクが銃口を向けられたまま、山口智子と痴話ゲンカを繰り広げるシーンがあります。もはや物語的にはなんの意味も持たない数分間でしたが、『ロンバケ』の空気感だけがビンビンに伝わってくる。そこには、島崎章と元嫁・仁美はいません。22年後の瀬名と南がいるのです。テレ朝なのに、数分間だけフジテレビなのです。

 そうした臆面のなさは、ドラマとしての無策、創作に携わる者としての無恥を天下に晒す行為であるとともに、『BG』が徹底的に視聴者目線で作られているという証左でもあります。いわゆる“キムタクドラマ”を見ているファンに対して、見たいものを見せる。面白い筋立てやキャラクターの整合性を横に置いてまで、それを見せる。それが『BG』のやり方だし、実際、このシーンは懐かしかったし、楽しかったんです。

 もうひとつ、臆面がないなぁ(視聴者目線だなぁ)と感じたシークエンスがあります。元嫁からの警護依頼に対して「やりにくい」と言って同僚に仕事を振ったキムタクに、斎藤工が説教をする場面です。

 斎藤が唐突に「女は守らなきゃいけない」「女を守るのが男」と、これまた脈絡のないセリフを吐きます。これも、自衛隊上がりのクールなボディガード・高梨雅也という人物が言ったとするなら不自然でしかありませんが、今をときめく稀代のセクシー俳優・斎藤工が言ったなら意味があるんです。「言われたい!」「守られたい!」という女性ファンのリアクションを織り込んで作られているわけです。

 ドラマという媒体でありながら、役の人物ではなく演じる俳優に寄せて脚本を作っている。こんなのは劇作家にとって自殺行為だと思うんですが、逆にいえば命がけで数字を獲りにきているともいえるわけで、もう感心するしかありません。

■キムタク以外に見せ場がきたと思ったら、死んだ

 

 基本的にキムタクだけに見せ場を振ってきた『BG』でしたが、第7話にして、ようやく脇役にも見せ場がきました。キムタクの上司である元SP・村田五郎(上川隆也)が、キムタクをかばって太ももを撃たれたのです。

 太ももですし、本人も「心臓じゃなくてよかった」とか笑ってましたが、救急車で運ばれている途中に、どうやら死んだようです。次回、蘇生するかもしれませんが、このドラマ始まって以来の犠牲者ということになります。

 初回から繰り返し唱えてきた、民間警備員は「武器を持っていないから守れる」「武器を持っていないほうが強い」というお題目は完全に反故にされてしまいましたが、これも「次回以降、キムタクに見せ場を作るため」の臆面のなさだと、今なら理解できます。

 あいかわらず江口洋介率いるSP軍団は無能ですし、石田ゆり子がキムタクに色目を使い続けているのも意味不明ですが、泣いても笑ってもあと数話ですからね。穏やかな気持ちで見届けたいと思います。はい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

TBS『アンナチュラル』殺人実況とパプリカに込められたイジメへのメッセージがズシリと重い……

 石原さとみ主演ドラマ『アンナチュラル』(TBS系)の第7話が先月23日に放送され、平均視聴率9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.8ポイントダウンとなってしまいました。

今回はネット配信を題材にした事件。ある日、三澄ミコト(石原さとみ)は、予備校で働く弟・秋彦(小笠原海)から、法医学に興味を抱く高校1年生・白井一馬(望月歩)に会って欲しいと頼まれます。しかし、約束の時間になっても白井は現れず。後日改めて、ということになります。

 すると翌朝、不自然死究明研究所(通称・UDIラボ)に出勤したミコトのもとに、「これを見たら電話をください」と、白井からリンクアドレス付きのメールが送られてきます。そのアドレスをクリックすると、“殺人者S”と名乗る高校生が、自身が殺したという“Y”を背後に映してライブ配信中。まさかと思い、ミコトが白井に電話をかけると、画面の向こうで着信音が鳴り響きます。

 ミコトからの電話を受けた白井は、ヒントをもとにYの死因を特定するよう挑戦状を叩きつけてきます。そして、もしミコトが正しい答えを導き出せなかった場合、人質にしているXも殺すというのです。

 突如として殺人ゲームに巻き込まれたミコトですが、1つ目のヒントとして映された死体の状態から、死亡推定時刻を冷静に弾き出します。そして、ヒント・タイムが終わるとすぐ、白井が通う学校へ向かい、Yが横山伸也(神尾楓珠)という名前の生徒であることを突き止めます。

 そんな中、再び訪れたヒント・タイム。白井は横山を裸にし、背中にある3箇所の傷跡を見せます。これによってミコトは、白井が横山の服を脱がす際に用いたサバイバルナイフによる刺殺だと断定。しかし、それではあまりに単純すぎる。白井がわざわざ挑戦状を叩きつけてきた理由は何なのか……。

 また、横山の体中にアザがあることにも疑問を抱きます。そんな折、白井と横山が、クラスメイトの小池颯太(小野寺晃良)を中心としたグループからイジメを受けていたことが発覚。さらに、3つ目のヒントとして提示された凶器のナイフが小池のものであることもわかります。

 そのナイフの柄には白い粉が付着。さらに、ヒントを出すまでの間、白井がシャーロック・ホームズ・シリーズの『ソア橋』という短編を音読していることから、ミコトは事件の真相に気がつきます。

 この『ソア橋』という短編では、ある男性が橋の上で拳銃自殺。しかし、拳銃は縄で繋がれた石の重みで死後に川へドボン。他殺に見えるというトリックが扱われていました。横山はこれを応用し、紙粘土に小池のナイフを固定して、その上に背中から倒れ自殺。小池を殺人者に仕立て上げようと画策したのでした。

 しかし、横山が自殺したちょうどその時、小池たちには完璧なアリバイがあった。このままでは、横山の死は無駄になってしまう。そのことを覚った白井が、ミコトを巻き込むカタチで、小池たちのイジメを世に知らしめようとライブ配信した、というのが今回の事件の真相だったのです。

 しかし、ミコトに自殺トリックを見抜かれてしまったため、もはやこれまでと白井は観念。X=自身であることを明かし、自殺する気配を見せます。そこへ、居場所を突き止めたUDIラボのメンバーが間一髪で到着。法医解剖医・中堂系(井浦新)の説得で白井は自殺を思いとどめ、一件落着となったのでした。

 ネット配信を利用した愉快犯かと思わせつつ、実はイジメを苦にした自殺だったという今回の事件。意外性がありましたが、何といっても特筆すべきは、白井役・望月歩の演技。惹き込まれるものがありました。

 白井は、横山が本気で自殺を考えていたことに気づいてあげられなかった自分が許せなかったのですね。配信中に顔を隠すため使用していたパプリカ(の絵)には、「同情」や「哀れみ」といった花言葉があるのですが、横山に対するその心が、ライブ配信という大胆な行動へと駆り立てたのです。そのやるせない感情を、望月が巧みに演じていました。

 また、イジメを見て見ぬふりをしていた教師やクラスメイトたちにもその心があれば救えたのでは、というメッセージ性も感じられました。そしてそれは、法医解剖にもあてはまるのではないでしょうか。事件性があったとしても、解剖医が怠慢であれば見過ごしてしまう可能性がある。横山の死を心から悼む白井と、遺体に対して常に真摯に向き合うミコトの姿とが重なって見えたような気がします。

 それと、パプリカにはもう1つ、「君を忘れない」という花言葉があります。今回、横山に申し訳が立たず自殺しようとした白井に対して中堂が、「許されるように生きろ」と説得する場面があるのですが、中堂には8年前に殺された恋人の死因と犯人を今も追及し続けているというバックグラウンドがあるだけに、このセリフにはズシリとした重みがありました。

 その中堂はこれまで、恋人の死因究明の手助けをしたいというミコトの申し出を拒絶していたのですが、今回のラストでは照れくさそうにしながらも協力を仰いだため、次回から少しずつ謎が明らかになっていくことになりそうです。
(文=大羽鴨乃)

“質の高いドラマ”では、もう数字は取れない!? 2017「年間ドラマ大賞」は1ケタ視聴率のTBS系『カルテット』

 エンタテインメントビジネス誌「コンフィデンス」(oricon ME)が主催し、有識者と視聴者が共に支持した“質の高いドラマ”を表彰する「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」が、2017年の年間各賞を発表し、「作品賞」には、TBS系『カルテット』(1月期)が選ばれた。

 同ドラマ出演者では、松たか子が「主演女優賞」、高橋一生が「助演男優賞」、吉岡里帆が「新人賞」を受賞。高橋はNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』での演技も評価されたが、2番手で出演したフジテレビ系『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?』(10月期)は、評価の対象から外された。なお、「脚本賞」も同ドラマの坂元裕二氏が獲得した。

 そのほか、「主演男優賞」は、フジ系『刑事ゆがみ』(10月期)の浅野忠信、「助演女優賞」は、NHK連続ドラマ小説『ひよっこ』(17年前期)の和久井映見が選ばれた。

「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」は、15年に設立され、同年7月期より毎クール、有識者と視聴者が共に支持した“質の高いドラマ”を選出している。視聴者約700人を対象に、ドラマ満足度調査(オリコンドラマバリュー)を行い、その累積平均データと、審査員の投票結果とを合計し、最終的には有識者による審査会で決定される。16年より、「年間大賞」が設けられ、同年はTBS系『逃げるは恥だが役に立つ』(新垣結衣主演)が「作品賞」を受賞した。

 17年のクールごとの「作品賞」は、1月期が『カルテット』、4月期が『リバース』(TBS系/藤原竜也主演)、7月期が『ひよっこ』、10月期が『刑事ゆがみ』。そのうち、『ひよっこ』以外の3作品は、平均視聴率1ケタ台に終わっており、ドラマのクオリティーと視聴率が反比例する結果となった。

「テレビ番組は、バラエティが主流の時代で、視聴者の趣向も変わりました。なかなかドラマでは視聴率が取れなくなり、2ケタに届けば、ヒットと呼ばれるようになりました。そのドラマも、質より、気軽に見ることができるコメディタッチの作品が好まれるようになったのが現実です。事例を挙げれば、今期の日本テレビ系『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』(Hey!Say!JUMP・山田涼介主演)のようなライト感覚の作品が高視聴率を取ったりするわけです。『カルテット』のように、奥深く作られたドラマは敬遠される傾向にあります。その意味では、今後、質の高いドラマでは、もう数字が取れなくなっていくかもしれませんね」(テレビ誌関係者)

 17年は、NHK朝ドラ『べっぴんさん』(芳根京子主演)、『ひよっこ』、そして、テレビ朝日系『ドクターX~外科医・大門未知子~』第5シリーズ(米倉涼子主演)が20%超えを果たした。そのほか、TBS系『陸王』(役所広司主演)、フジ系『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 3rd season』(山下智久主演)、TBS系『A LIFE~愛しき人~』(木村拓哉主演)などが高視聴率をマークした。だが、『ひよっこ』以外の作品は、この賞では、あまり高い評価を得られていない。

 スポンサーあっての民放局にとっては、視聴率は絶対的なもの。質の高いドラマを作ろうとしても、数字が伴わないなら、“数字が取れる作品”を作っていくしかない。このように、ドラマ制作は、とても難しい時代に突入したといってよさそうだ。
(文=田中七男)

視聴率4%台突入! フジ月9『海月姫』の工藤阿須加は、芳根京子以上にヒロインだ!!

 オタク女子だけが住む共同アパート・天水館を舞台に、主人公のクラゲオタク・月海(芳根京子)の恋模様などを描く月9ラブコメディ『海月姫』(フジテレビ系)。

 前回、修(工藤阿須加)が月海に好きだと告白し、盛り上がっていくはずなのに視聴率は4.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、低めで更新。若い層からは高い支持を得て評判も上がってきているようなのだが……。

 展開が早い編集などは若者向けだが、じっくり見たい層は敬遠してるのかもしれない。ベタな三角関係は大人も好きだと思うので、ここから巻き返してもらいたい。兄であるがゆえ弟の恋を応援しつつ、自らの恋心が膨らむ蔵之介(瀬戸康史)と、不器用な童貞の弟・修。あまり楽しめていない視聴者の方は、この2人の目線で見ることをお勧めします。振り返ります。

 

■月海を「フィアンセ」と呼ぶ修

 

 修に告白されて人格崩壊するほどテンパる月海は、蔵之介に電話で相談。なんの気なしに電話した月海だが、三角関係の一角を担う蔵之介は気が気じゃない。

 このままプロポーズをすると焦る修(蔵之介の異母弟)に、蔵之介は、月海がこれ以上パンクしないよう早まるなとアドバイス。月海に対する自分の気持ちが大きくなる中、弟を応援したい気持ちもありつつ、それでいて悪気ない月海に報告までされてしまい、あんなにリア充っぽいのに、オタク女と童貞男の恋に挟まれ三角関係の醍醐味にどっぷり浸かる蔵之介。

 一方、天水館住人(尼~ず)による服飾ブランド「ジェリーフィッシュ」は、ジジ(木南晴夏)が生産調整を務めだし、順調に制作を続ける。

 そこへ修からの、結婚を前提に交際してくれというマジのラブレターが届く。最初、差出人がわからず怪しい手紙だと思い、全員の前で読み上げたのは、またも蔵之介。早まるなと伝えたのに、まるで響いていない修のエネルギーがすごい。

 恋文に沸き立つ尼~ずたちの前に、今度は千恵子の母親(富山えり子・千恵子と二役)が登場。親子そっくりなのでコピーロボットだと言い出し、母親の鼻を押す安定のまやや(内田理央)の騒ぎぶり。千恵子の母を呼び寄せたのは天水館買収をもくろむデベロッパーの稲荷(泉里香)だが、出ていきたくない千恵子らは、こっそり土地の権利書を隠し、時間稼ぎ。

 その間にプロモーションスペースに出店し、売れ線のラインナップを売って大金を稼ごうと一同盛り上がる。盛り上がりのどさくさに乗じ「月海、今は恋をしてる暇なんかないからな?」と、少しずるい蔵之介。

 しかし修も月海を呼び出し、(天水館を守るため)力になるからと、ぐいぐい来る。ドラマ的には、とにかく蔵之介が「どう動くか待ち」な状況。

 月海を除く尼~ずは、天水館を守るため、月海と修をくっつけようというスタンス。

 修の父親の慶一郎(北大路欣也)は再開発側の稲荷とくっつけたいのだが、運転手の花森(要潤)には婚約指輪の購入に付き合うように言っているようで、それぞれの思惑が絡まる。そして早くも婚約する気の修のまっすぐさが少し怖い。

 修は稲荷のところへも出向き、法律では6カ月前には立ち退きを伝えないといけないと責めたて、その際も月海のことを「僕のフィアンセ」と公言、初恋をエネルギーにとにかくひた走る。

■蔵之介の「長男」っぷり

 

 告白されたことを、月海は、無神経にも蔵之介に優しい笑顔で語る。

「不思議なんです、この感覚。心の臓が激しく脈を打ち、神経が引きつるような痛みを伴い、なのになぜか不思議とつらくないんです。むしろこの痛みが心地いいんです。このまま死んじゃってもいいくらいに」

「よかったじゃん」「おめでとう、でもクラゲ服の方も頑張ってもらうからな?」と、いったん自分の感情を引っ込める蔵之介。このへんは設定変更されて「長男」となったことが生きている部分かもしれない。

 後半「私にとって蔵之介さんはクラゲのお姫様なんです」と、月海はふと口にしていた。まだ男性として意識していないのだろう。だからこそ、苦手な男性なのになんでも話せる関係になっているのだが(そもそも女装だし)。

 恋模様を交えつつ、なんとか売れそうな手頃っぽいワンピースなどを完成させるが、インド人の裁縫屋・ニーシャからは「めっちゃダサいやん」と酷評される。

 ニーシャは、ちまたに溢れるファストファッション(ユニクロとかH&Mみたいな流行デザインを低価格で作るアパレル)批判をぶちまけたあげく「この業界は、とっくに終わってんねん」と吐き捨てる。当たり前だけど、服飾系のスポンサーは入っていなかったので一安心。

 酷評され落ち込んでいた月海だが、「毒クラゲ」というコンセプトを思いつき、真っ白で物たりなかったデザインを染め上げる。

 

■父親の愛人に会いに向かった海外

 

 自分の異母兄弟である蔵之介の実母・リナにジェリーフィッシュのドレスを届ける修。まさかのイタリア・ミラノ。5話の韓国といい、意外と世界を股にかける展開だが、予算的な問題か、まったくミラノの映像はなし。

 初めての恋を謳歌している修は、父の愛人でもあるリナに初めて正面から向き合い、嫌いだったという彼女を理解しようとする。

「誰かのことを本当に好きになると愛おしくて苦しくてどうしようもなくて気持ちを抑えることができない」

「だからもう僕に謝らないでください。悪いと思わないでください」

 女性嫌いの根源となったリナに、それを伝えにきたという。恐ろしい行動力だ。

 別れ際、「蔵之介には今、恋人がいるの?」とデリケートなことを聞くリナに「大切に思っている女性はいると思います」と、蔵之介が月海にキスをしていたこと(5話)を回想しながら答える修。

 もしも蔵之介がその子(月海)とうまくいくようなことがあったら「たくさん蔵之介を愛してあげて、私の分まで」と、その子に伝えて欲しいと、酷なお願いをするリナ。これは布石になりそうだから、覚えておきましょう。

 

■あらたなイケメンが三角関係に乱入?

 

 月海が出来立ての店に向う途中、謎のイケメンが新たに登場。バイリンガルのカイ・フィッシュ(賀来賢人)は、そのまま出店を手伝うが、実は海外に150店舗ものセレクトショップを手がけるアパレルの社長であることが判明。

 3億円でドレスのデザインごと売ってほしいとの提示に「これで一発逆転だ!」と喜んだ蔵之介だが、「デザイナーのMiss月海、貴方と一緒に」と、カイは意味深な付け足し。

 金持ちの息子の蔵之介に輪をかけたハイパー金持ちで、都合よすぎるくらい渡りに船だが、ジェリーフィッシュの出店に対し「何日あったって売れません」「あそこ(出店スペース)は負け犬の集まり」と、不穏なことを平気で言う。そんなカイと蔵之介が、次回激突する模様。

 蔵之介、修、カイ・フィッシュと、まさにこの世に春といった感じのヒロイン月海だが、このドラマを見ていると、つい修を気にしてしまう。高学歴はともかく、冴えない具合は月海以上だし、実母とのことで悩みつつも自由に生きる蔵之介に対し、しがらみまみれの親の秘書を務めつつ、リナと父親の情事を目撃してしまったというトラウマを乗り越え成長していくさまは、月海以上に応援したくなるし、不器用に月海と接しながらも、たまに笑顔を見せると、ついうれしくなってしまう。

 彼こそがこのドラマの真の「ヒロイン」なのでなないか?

 最後、せっかく隠した権利書が、鳩サブレーの空き缶に入って埋められているのがあっさり稲荷に見つかってしまった。次回、修をヒロインとして楽しみつつ見てみたい。
(文=柿田太郎)