水谷豊の“新相棒”は沢口靖子!? テレ朝の「コラボ商法」が急加速中!?

 視聴率アップの策として、今後は「コラボ」が主流になりそうな予感だ。

 4月19日スタートした波瑠主演のテレビ朝日の新ドラマ『未解決の女 警視庁文書捜査官』(木曜21時)が平均視聴率14.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)という好スタートを切った。同ドラマには『警視庁・捜査一課長』の内藤剛志が“一課長”として登場。直前の20時に放送された『警視庁・捜査一課長season3』第2話には波瑠が同じく役のまま出演し、こちらも12.8%の高視聴率を記録した。

「放送直前のPRでは、内藤が『僕たちが夜8時台を温め、その流れで多くの方を「未解決の女」へ送り込めるよう頑張ります!』と、エールを送り、波瑠も『皆さん、“夜8時から”が大切ですよ! 夜8時「警視庁・捜査一課長」からの夜9時「未解決の女」をよろしくお願いします!』と応えていました。このコラボが見事に成功した形です」(テレビ誌ライター)

 テレビ朝日といえば、過去にも『ドラえもん』と『クレヨンしんちゃん』もコラボさせているが、今度はあの看板ドラマ同士をコラボさせるプランが持ち上がっているという。

「水谷豊主演の『相棒』と沢口靖子主演の『科捜研の女』ですよ。共に視聴率2ケタと安定しているものの、ややマンネリ感が出てきている。来年、テレ朝が開局60周年を迎えるにあたり、まずはテレビ版で『科捜研』に水谷が、『相棒』に沢口靖子がそれぞれ出演。そこで盛り上げておいて、映画版でがっつりコラボさせる。撮影所は違いますが、どちらも東映と組んでいる警察モノですから、やりやすいですしね。『相棒』は仲間由紀恵が産休に入り、魅力ある女性キャストは大歓迎。また、もう一つのドル箱ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』は、米倉涼子が飽きてしまって続編に非協力的な姿勢を見せているので、局としても『相棒』と『科捜研』に頼らざるを得ない事情もあります」(テレビ関係者)

 水谷の“新相棒”が沢口と聞いただけで、ファンのワクワクは止まらないだろう。

 

水谷豊の“新相棒”は沢口靖子!? テレ朝の「コラボ商法」が急加速中!?

 視聴率アップの策として、今後は「コラボ」が主流になりそうな予感だ。

 4月19日スタートした波瑠主演のテレビ朝日の新ドラマ『未解決の女 警視庁文書捜査官』(木曜21時)が平均視聴率14.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)という好スタートを切った。同ドラマには『警視庁・捜査一課長』の内藤剛志が“一課長”として登場。直前の20時に放送された『警視庁・捜査一課長season3』第2話には波瑠が同じく役のまま出演し、こちらも12.8%の高視聴率を記録した。

「放送直前のPRでは、内藤が『僕たちが夜8時台を温め、その流れで多くの方を「未解決の女」へ送り込めるよう頑張ります!』と、エールを送り、波瑠も『皆さん、“夜8時から”が大切ですよ! 夜8時「警視庁・捜査一課長」からの夜9時「未解決の女」をよろしくお願いします!』と応えていました。このコラボが見事に成功した形です」(テレビ誌ライター)

 テレビ朝日といえば、過去にも『ドラえもん』と『クレヨンしんちゃん』もコラボさせているが、今度はあの看板ドラマ同士をコラボさせるプランが持ち上がっているという。

「水谷豊主演の『相棒』と沢口靖子主演の『科捜研の女』ですよ。共に視聴率2ケタと安定しているものの、ややマンネリ感が出てきている。来年、テレ朝が開局60周年を迎えるにあたり、まずはテレビ版で『科捜研』に水谷が、『相棒』に沢口靖子がそれぞれ出演。そこで盛り上げておいて、映画版でがっつりコラボさせる。撮影所は違いますが、どちらも東映と組んでいる警察モノですから、やりやすいですしね。『相棒』は仲間由紀恵が産休に入り、魅力ある女性キャストは大歓迎。また、もう一つのドル箱ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』は、米倉涼子が飽きてしまって続編に非協力的な姿勢を見せているので、局としても『相棒』と『科捜研』に頼らざるを得ない事情もあります」(テレビ関係者)

 水谷の“新相棒”が沢口と聞いただけで、ファンのワクワクは止まらないだろう。

 

嵐・二宮和也『ブラックペアン』第2話にして「映像化失敗」の匂いがプンプンしてきた……?

 嵐・二宮和也が無慈悲な天才外科医を演じる日曜劇場『ブラックペアン』(TBS系)も第2話。祝日なので視聴率はまだ出てませんが、それなりに取るでしょう。今回もテンション高めで、“オペ室の小悪魔”こと渡海征司郎(二宮)も大活躍でした。

 そんなわけで、振り返ってまいりましょう

前回のレビューはこちらから

■やっぱりジャニタレだと、そうなっちゃうのかな

 話の大筋としては、前回とほとんど同じという感触です。東京の一流大学から送り込まれた高階講師(小泉孝太郎)の超カッコいい心臓人工弁マシーン「スナイプ」による手術が失敗し、高階はそれをリカバリーできず、渡海が天才的な手技で救ってみせる。で、最後に渡海が意味ありげに、ペアンが体内に残されたままのX線写真を眺めて、はい終了。劇伴をジャカジャカ鳴らして、アップショット多めで、竹内涼真がだいたい泣いてる。そんな感じで、まあ面白いっちゃ面白いんですが、ところどころ「ジャニーズドラマ」のよくないところが出てたなーという印象でした。

 ニノ演じる渡海のイメージが“ダークヒーロー”という肩書きに引っ張られすぎているように感じるんです。お話の中で対立構造を生むより、渡海が「圧倒的である」という主張に重きが置かれるあまり、ほかのキャラクターが割を食ってしまっている。

 特に変な感じになっちゃってるのが高階です。今回、いろいろあって辞めたくなっちゃった新人研修医の世良くん(竹内)に「俺は手術で5人殺した」「命に関わった者は命から逃げてはいけない」とかなんとか説教をするんですが、いやいや、あなた初回で出血にビビってペアンも握れないという失態を見せていたじゃないかと。

「5人殺した」のくだりは原作通りなんですが、ドラマでは初回から「渡海>高階」を強調するために高階を落としすぎたせいで、この人のやることなすこと全部、説得力がなくなっちゃってる。どれだけ「日本の医療の未来を」とか見栄を切っても、あのシーンを見せられた後では、そのご高説も空虚に響くばかりです。

 このお話の根底には「誰にもできない手術手技を極める」という渡海・佐伯教授(内野聖陽)側と、「誰でもできる手術法を広める」という高階側との対立があったはずなんですが、スナイプ手術は全然成功しないし、高階自身は「出血した患者に冷静に向き合う」という執刀医の基礎中の基礎(ですよね?)という心構えもないので、対立が成り立ってない。結果、渡海の考え方が「正しい」と見え、高階が「ほら吹き」になってる。「渡海の腕(失敗での死者ゼロ)」と「スナイプ(原作のスナイプAZ1988はリークゼロ)」の両方が完璧な手術法として「ゼロ同士」だからこそ成立するはずの、本来あるべき「正しい」と「正しい」の対立が描けてない。ニノを不必要に立てようとするから、こういうことになる。

 これ、前クールのキムタク『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系=最終話レビュー)のときもさんざん書いたんですが、シナリオの段階で、ジャニタレの主役を立てるために周囲を落とすという、手抜き丸出しの作劇が(それでも『BG』よりは圧倒的にマシだけど)ここでも行われているのです。

■「映像化失敗」と結論付けたくなるくらい……

 しかも、渡海は手術で人を助ける以外は、もう理解できない言動ばかり。世良くんは泣いてばかり。高階はあたふたするばかり。

 福澤組は、悪いヤツはより悪く、情けないヤツはより情けなく描くことでエモーションを生んでいると思うんですが、このやり方って、『下町ロケット』の阿部ちゃんとか『陸王』の役所広司みたいな、わかりやすく“正しい情熱家”がいないと視聴者置いてけぼりになっちゃうな、と感じたんです。

 そもそも『下町ロケット』や『陸王』は夢と矜持のお話なんですが、『ブラックペアン』は恩讐と誤解をベースにしたミステリーなので、いつものメソッドが通用してない、フィットしてない感じが、すごくします。要するに、映像化に失敗しているように感じる。ここまで、スカッとカッコいいヤツがひとりもいないんだもん。ダークヒーローって、ブライトなヒーローがいて初めて、そのダークっぷりが引き立つもののはずなんです。光なきところに影は生まれないのです。

■キャストはいいですよねー。カトパンの棒読みもハマってる

 キャストは、すごくいい仕事をしてると思います。ニノについては前回「SD渡海」とか「渡海ねんどろいど」とか、いかにも「ちびキャラ化してる」みたいな、ちょっとバカにした書き方をしてしまったけど、ホントに他意なく、この可愛げは作品を救ってると思う。

 竹内涼真は初っ端から泣かせすぎなのがもったいないなーと感じます。この人、『過保護のカホコ』(日本テレビ系)のときに見せたように、場面の切り札になるくらい自然に器用に泣ける俳優さんなので、もうちょいタメといてほしかったなぁと思うんです。ちなみに今回の「関川スナイプ手術でミス」のくだりは原作にもあるんですが、「助けに行かない」と言い張る高階に対して、ドラマのように泣き落とすのではなく、原作ではテーブルを蹴り上げてる。これも「情けないヤツはより情けなく」のパターンによる改変だと思いますが、蹴り上げてほしかった、長机。

 ナースのネコちゃん(趣里)なんて、みんな大好きになるに決まってるし、垣谷(内村遥)、関川(今野浩喜)といった新・福澤組の面々も、いい役を与えられて生き生きしてる感じがして、気持ちがいいです。カトパンの棒読みでわざとらしいセリフ回しも、なんだか「決して本音を言わない計算高い女」的なキャラが出てて、今作にはハマってると思う。いい具合に年輪を重ねた顔面もリアリティがある。

 そんなわけで、やっぱしシナリオ方面でもっとがんばってほしいと思います。まだ2話なのに、かなりすっ飛ばしてきてますし、今後オリジナル要素が増えていくと予想されますが、なんとかお願いします。お願いしますよ! 
(文=どらまっ子AKIちゃん)

『コンフィデンスマンJP』視聴率回復の秘訣は古沢良太の“ドM”体質か!? 制約があるほど光る手腕がイイ!

 4月23日放送の『コンフィデンスマンJP』第3話の視聴率は、9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)だった。

 手放しで喜べるほどの数字ではないが、1話9.4%→2話7.7%→3話9.1%と、3話目にして下げ止まり。1話と同じ9%台に戻せた事は大きい。

 本記事では、第3話の視聴率が上がった理由を分析。そして、近年のヒット作と比較しながら、コンフィデンスマンJPの今後の展開と全話の視聴率を占う。

前回までのレビューはこちらから

 その前に、第3話「美術商編」の内容の振り返りから。

 ボクちゃん(東出昌大)は、美大生の須藤ユキ(馬場ふみか)が自殺未遂した事を知る。その理由は、美術評論家の城ケ崎善三(石黒賢) にヤリ逃げされたこと。「画家として将来性がある」と、城ケ崎は自分の権力をチラつかせて近づいたのに、「才能がない」とユキを切り捨てた。

 ダー子(長澤まさみ)とリチャード(小日向文世)の協力を得て、ボクちゃんは城ケ崎にニセモノの絵画を高額で売りつけようとする。

■制約があるほど光る、古沢良太の手腕

 美大生・ユキのリストカットから始まる第3話。金や権力で女を釣るオッサンと傷つけられた若い女性。ベタとも言えるが、我々の身近にも起こり得る加害者と被害者の構図は共感を呼ぶ。ボクちゃんのユキを助けたいという気持ちに納得できるし、城ケ崎が失墜するのも痛快。そしてすべてを失った城ケ崎が子どもの下手な絵に励まされる姿に感動できる。善と悪を最初から明確にする型にハマった構成だからこそ、善悪で割り切れない人間の機微が強く打ち出されていた。(余談だが、助けたユキにも裏があった)

 これは私見ではあるが、古沢脚本のドラマは型にハマった展開である時ほど、キャラクターや台詞の個性が際立って面白い。

 古沢良太自身、テレビや雑誌のインタビューで、規制の多い方が書けると語っている。クリエイターとして“ドM”とも受け取られそうな発言は、規制ばかりのテレビ業界においては救世主ともいえる一言だ。こと連続テレビドラマは、コンプライアンス的な制約が多く、視聴率・製作費・撮影日数などの数字との闘いを強いられる。お金と時間をかけず、大勢の人が見易い物を作らなければならない。

 3話は、1話と2話で大規模なロケが敢行されたせいか、オークション会場や美術商の事務所など、少ないステージで物語が展開されていた。その分1シーンにかけられる時間が長く、古沢良太得意の会話劇が楽しむことができた。

 特に目を引いたのは、ダー子たちが贋作を手掛ける画師・判友則(でんでん)にピカソの偽物の制作を頼みに行くシーン。判友則がどれだけ凄いかを1シーンで煽るだけ煽り、「ピカソよりうまくならねえように気を付けねえと」と、痺れる一言で締めくくられる。だが次のシーン、一瞬で城ケ崎に贋作だと見抜かれ、判友則は逮捕される。

 呆気ないオチで笑えるのは、壮大なフリの賜物。絵画が数点置かれただけの寂れた部屋での判友則への依頼の盛り上がりは、古沢良太の会話劇の手腕なくして成立しない。

 また、三橋利行氏の演出も、映像以上に会話劇を引き立たせた印象だ。予算や時間の制約があっても面白い本を作る控えめな天才と、彼の会話劇を目立たせた演出家。自己犠牲の精神が、視聴率の回復を呼び込んだのかもしれない。

■コンフィデンスマンJPは視聴率2ケタを達成できるのか?

 冒頭でも触れた視聴率の下げ止まり。これは早ければ早い方がいい。

 ここ半年間で、全話の視聴率が初回を上回ったゴールデン帯ドラマは3タイトルのみ(テレビ朝日水曜21時、木曜20時枠は除く)。『99.9-刑事専門弁護士- SEASONⅡ』『陸王』(ともにTBS系)『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ)。各作品、下げ止まりが早かった。

『99.9』(1話15.1%、2話18.0、全話17.4%)

『陸王』(1話14.7%、2話14.0%、3話15.0%、全話16.0%)

『奥様は、取り扱い注意』(1話11.4%、2話11.3%、3話12.4%、全話12.7%)

『陸王』『奥様は~』は3話目で下げ止まり。『99.9』に至っては2話目で3%近くも上昇させた。『コンフィデンスマンJP』は3話で1話を超える視聴率を出していないが、『陸王』『奥様は~』と近いV字での推移をしている。『99.9』のように初回よりも2%以上も高い全話の視聴率を叩き出せる見込みは低いが、1%増は見込める。そうなれば、全話平均視聴率は二桁となる。

 ただし、『コンフィデンスマンJP』には、最終話までを気にならせる“引っぱり”がない。『奥様は~』であれば、綾瀬はるか演じる主人公が何者であるかの謎があった。『陸王』には最新シューズを完成させるというゴールがあった。引っ張り無しでも楽しめるのが『コンフィデンスマンJP』のすごさではあるが、視聴率だけを見れば不利な状況下にある。

■ストーリー&視聴率UPの鍵を握るのは小日向文世?

 いまだ謎の多い人物が一人いる。「ダー子とボクちゃんの育ての親」という提示しかない、小日向文世演じるリチャードだ。

 濃いキャラクター同士で展開するのが古沢脚本のドラマの特徴であるのに、いまだ大きな活躍もせず目立つことのないリチャードの存在は逆に浮いている。彼が何かを抱えている可能性は大いにあり得る。

 早い段階で、リチャードの怪しさを提示させたり、「3人の中に裏切者がいるかもしれない」などの展開があれば、視聴率の観点でウィークポイントだった最終話までの引っ張りが完成する。例え呆気ないオチであっても、古沢脚本の作品であれば許せてしまう。『リーガルハイ』のときだって、主人公と宿敵の因縁がペットのハムスターの死というオチだった。それでも続編を期待され、セカンドシーズンが放送された。『コンフィデンスマンJP』は続編を期待される名作となるのか? 中盤と終盤の展開にかかっている。4月30日放送予定の第4話「映画マニア編」も楽しみにしたい。

(文=許嫁亭ちん宝)

『コンフィデンスマンJP』視聴率回復の秘訣は古沢良太の“ドM”体質か!? 制約があるほど光る手腕がイイ!

 4月23日放送の『コンフィデンスマンJP』第3話の視聴率は、9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)だった。

 手放しで喜べるほどの数字ではないが、1話9.4%→2話7.7%→3話9.1%と、3話目にして下げ止まり。1話と同じ9%台に戻せた事は大きい。

 本記事では、第3話の視聴率が上がった理由を分析。そして、近年のヒット作と比較しながら、コンフィデンスマンJPの今後の展開と全話の視聴率を占う。

前回までのレビューはこちらから

 その前に、第3話「美術商編」の内容の振り返りから。

 ボクちゃん(東出昌大)は、美大生の須藤ユキ(馬場ふみか)が自殺未遂した事を知る。その理由は、美術評論家の城ケ崎善三(石黒賢) にヤリ逃げされたこと。「画家として将来性がある」と、城ケ崎は自分の権力をチラつかせて近づいたのに、「才能がない」とユキを切り捨てた。

 ダー子(長澤まさみ)とリチャード(小日向文世)の協力を得て、ボクちゃんは城ケ崎にニセモノの絵画を高額で売りつけようとする。

■制約があるほど光る、古沢良太の手腕

 美大生・ユキのリストカットから始まる第3話。金や権力で女を釣るオッサンと傷つけられた若い女性。ベタとも言えるが、我々の身近にも起こり得る加害者と被害者の構図は共感を呼ぶ。ボクちゃんのユキを助けたいという気持ちに納得できるし、城ケ崎が失墜するのも痛快。そしてすべてを失った城ケ崎が子どもの下手な絵に励まされる姿に感動できる。善と悪を最初から明確にする型にハマった構成だからこそ、善悪で割り切れない人間の機微が強く打ち出されていた。(余談だが、助けたユキにも裏があった)

 これは私見ではあるが、古沢脚本のドラマは型にハマった展開である時ほど、キャラクターや台詞の個性が際立って面白い。

 古沢良太自身、テレビや雑誌のインタビューで、規制の多い方が書けると語っている。クリエイターとして“ドM”とも受け取られそうな発言は、規制ばかりのテレビ業界においては救世主ともいえる一言だ。こと連続テレビドラマは、コンプライアンス的な制約が多く、視聴率・製作費・撮影日数などの数字との闘いを強いられる。お金と時間をかけず、大勢の人が見易い物を作らなければならない。

 3話は、1話と2話で大規模なロケが敢行されたせいか、オークション会場や美術商の事務所など、少ないステージで物語が展開されていた。その分1シーンにかけられる時間が長く、古沢良太得意の会話劇が楽しむことができた。

 特に目を引いたのは、ダー子たちが贋作を手掛ける画師・判友則(でんでん)にピカソの偽物の制作を頼みに行くシーン。判友則がどれだけ凄いかを1シーンで煽るだけ煽り、「ピカソよりうまくならねえように気を付けねえと」と、痺れる一言で締めくくられる。だが次のシーン、一瞬で城ケ崎に贋作だと見抜かれ、判友則は逮捕される。

 呆気ないオチで笑えるのは、壮大なフリの賜物。絵画が数点置かれただけの寂れた部屋での判友則への依頼の盛り上がりは、古沢良太の会話劇の手腕なくして成立しない。

 また、三橋利行氏の演出も、映像以上に会話劇を引き立たせた印象だ。予算や時間の制約があっても面白い本を作る控えめな天才と、彼の会話劇を目立たせた演出家。自己犠牲の精神が、視聴率の回復を呼び込んだのかもしれない。

■コンフィデンスマンJPは視聴率2ケタを達成できるのか?

 冒頭でも触れた視聴率の下げ止まり。これは早ければ早い方がいい。

 ここ半年間で、全話の視聴率が初回を上回ったゴールデン帯ドラマは3タイトルのみ(テレビ朝日水曜21時、木曜20時枠は除く)。『99.9-刑事専門弁護士- SEASONⅡ』『陸王』(ともにTBS系)『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ)。各作品、下げ止まりが早かった。

『99.9』(1話15.1%、2話18.0、全話17.4%)

『陸王』(1話14.7%、2話14.0%、3話15.0%、全話16.0%)

『奥様は、取り扱い注意』(1話11.4%、2話11.3%、3話12.4%、全話12.7%)

『陸王』『奥様は~』は3話目で下げ止まり。『99.9』に至っては2話目で3%近くも上昇させた。『コンフィデンスマンJP』は3話で1話を超える視聴率を出していないが、『陸王』『奥様は~』と近いV字での推移をしている。『99.9』のように初回よりも2%以上も高い全話の視聴率を叩き出せる見込みは低いが、1%増は見込める。そうなれば、全話平均視聴率は二桁となる。

 ただし、『コンフィデンスマンJP』には、最終話までを気にならせる“引っぱり”がない。『奥様は~』であれば、綾瀬はるか演じる主人公が何者であるかの謎があった。『陸王』には最新シューズを完成させるというゴールがあった。引っ張り無しでも楽しめるのが『コンフィデンスマンJP』のすごさではあるが、視聴率だけを見れば不利な状況下にある。

■ストーリー&視聴率UPの鍵を握るのは小日向文世?

 いまだ謎の多い人物が一人いる。「ダー子とボクちゃんの育ての親」という提示しかない、小日向文世演じるリチャードだ。

 濃いキャラクター同士で展開するのが古沢脚本のドラマの特徴であるのに、いまだ大きな活躍もせず目立つことのないリチャードの存在は逆に浮いている。彼が何かを抱えている可能性は大いにあり得る。

 早い段階で、リチャードの怪しさを提示させたり、「3人の中に裏切者がいるかもしれない」などの展開があれば、視聴率の観点でウィークポイントだった最終話までの引っ張りが完成する。例え呆気ないオチであっても、古沢脚本の作品であれば許せてしまう。『リーガルハイ』のときだって、主人公と宿敵の因縁がペットのハムスターの死というオチだった。それでも続編を期待され、セカンドシーズンが放送された。『コンフィデンスマンJP』は続編を期待される名作となるのか? 中盤と終盤の展開にかかっている。4月30日放送予定の第4話「映画マニア編」も楽しみにしたい。

(文=許嫁亭ちん宝)

『あさイチ』降板が追い風に!? イノッチ主演『特捜9』が絶好調……今期の視聴率トップはもう確定?

 V6・井ノ原快彦が主演するテレビ朝日系連続ドラマ『特捜9』(水曜午後9時~)が絶好調だ。25日に第3話が放送されたが、視聴率は14.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と上々。初回16.0%、第2話15.4%と推移し、ここまでの平均は15.3%と高い数字をキープしている。

『特捜9』は、昨年までオンエアされていた『警視庁捜査一課9係』の後継作品。同ドラマは、故・渡瀬恒彦さんの主演で、2006年にスタート。昨年のシーズン12まで、全シーズンで平均視聴率は2ケタを記録しており、同局にとっては“超優良コンテンツ”だった。

 だが、シーズン12の放送前に渡瀬さんが亡くなり、代わりに井ノ原が演じる浅輪直樹を主人公として、ストーリーが進んだ。

 そして、『特捜9』は正式に井ノ原を主演として、リスタート。羽田美智子、津田寬治、吹越満、田口浩正、中越典子ら、『9係』のほとんどのメンバーが再結集し、新たに寺尾聰を迎えて始動した。

 設定上、主人公だった加納倫太郎(渡瀬)が異動となり、「9係」は解散。そのメンバーはバラバラになっていたが、1年間の空白期間をへて、神田川宗次朗警視総監(里見浩太朗)が、初動捜査から送検まで、早期の事件解決を目指す「独立した特別捜査班」の結成を指示。班長に任命された宗方朔太郎(寺尾)の下、浅輪ら「9係」の元メンバーたちが集うことになった。主人公の浅輪は主任に昇格し、倫太郎の娘・倫子(中越)とついに結婚した。

「『9係』は、渡瀬さんが不在だった昨年のシーズン12も、平均11.5%と安定した視聴率をマークしています。新ドラマといっても、渡瀬さんの代わりに寺尾が加入しただけで、視聴者的には、『9係』を見ているのと変わりはないでしょう。なにげに、ジャニーズJr.でTravis Japanのメンバー・宮近海斗が新人鑑識課員・佐久間朗役で、ジャニーズからゴリ押しされていますが、メインキャストではないので、さして気にはなりません。『特捜9』が、『9係』時代より、かなりハイレベルの視聴率を獲得しているのは、これまでの人気に加え、井ノ原が3月いっぱいで、『あさイチ』(NHK総合)を降板し、テレビへの出演機会が激減したことと無関係ではないとみています。現在、井ノ原を定期的に見られるのは、テレビ東京系『出没!アド街ック天国』だけとなりましたから、『特捜9』に注目が集まるのは当然のことかもしれません」(テレビ誌関係者)

 4月期の連ドラ初回でトップだったのは『特捜9』。その後に、波瑠主演『未解決の女 警視庁文書捜査官』(テレビ朝日系)=14.7%=、嵐・二宮和也主演『ブラックペアン』(TBS系)=13.7%=が続いた。『9係』の実績や安定感、そして井ノ原への期待値を考慮すると、今期の連ドラで平均視聴率トップを取るのは、『特捜9』で早くも確定したのかもしれない。
(文=田中七男)

NHKが苦肉の策! 視聴率急降下の大河ドラマ『西郷どん』を“史上初”の深夜に再放送

 NHK大河ドラマ『西郷どん』(鈴木亮平主演/日曜午後8時~)の視聴率が急降下する中、同局が苦肉の策ともいえる手に打って出た。22日に放送された第15話の再放送を、深夜枠でオンエアしたのだ。

 その再放送が流されたのは、26日の『NET BUZZ』(午後11時55分~)の枠。同番組は、ネット上で大きな反響のあった(バズった)番組をアンコール放送するもの。

 同話「殿の死」は、薩摩軍を率いて京を目指す上洛計画を始動させた島津斉彬(渡辺謙)が、突然倒れて死亡するという衝撃のエンディングとなったが、「そのシーンがネット上で話題になった」ため、『NET BUZZ』で放送されるに至ったという。大河が深夜にオンエアされるのは史上初の事態だ。

「大河ドラマは毎週土曜午後1時5分から再放送しています。これは大河の“格”を考慮してのものです。ただ土曜昼間では、在宅率が低く、それを見ている視聴者は多くはないでしょう。一般的に視聴者のライフスタイルも変わり、深夜にテレビを見る層は少なくありません。NHKも、それを承知しているから、連ドラや、『ブラタモリ』『鶴瓶の家族に乾杯』といった人気番組の再放送を深夜に流しているのです。ただ、大河は“格”の問題もあったので、それはやってきませんでしたが、視聴率が急降下して、もう背に腹は代えられないということでしょう。この回をできるだけ多くの視聴者に見てもらって、第16話以降につなげたいのだと思われます」(テレビ誌関係者)

『西郷どん』は初回15.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、史上ワースト2位の発進となったものの、第2話以降は、14~15%台をキープ。極端に高い回こそないものの、安定した数字をキープしていた。ところが、1日に特別編を放送。本編の放送を休んだことで、“いい流れ”が止まってしまい、2週ぶり放送の第13話(8日)は13.0%まで落ち込んで自己最低を記録。続く第14話(15日)は11.9%まで下げてしまった。第15話は13.4%まで持ち直したものの、ここ3回は低視聴率が続いている。

「1日に特別編を放送するため、本編を休止し、その後の視聴率急落につながりました。これは、明らかな編成上のミスです。第15話は斉彬が亡くなる重要な回。従って、できるだけ多くの視聴者に見てもらう必要があったのです。そのため、『NET BUZZ』で緊急再放送することになったのでしょうね」(同)

 昨年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』(柴咲コウ主演)は全話平均12.8%で、史上ワースト3位の低視聴率に終わっており、NHKとしては、2年連続の不振は避けたいところ。第16話(29日)からは、回想シーンを除き、主演・鈴木の強力なサポート役だった渡辺が出演しないとあって、ここが正念場。このままズルズルと低視聴率に沈むわけにもいかないだけに、NHKもなりふり構わぬ姿勢に出たようだ。
(文=田中七男)

NHKが苦肉の策! 視聴率急降下の大河ドラマ『西郷どん』を“史上初”の深夜に再放送

 NHK大河ドラマ『西郷どん』(鈴木亮平主演/日曜午後8時~)の視聴率が急降下する中、同局が苦肉の策ともいえる手に打って出た。22日に放送された第15話の再放送を、深夜枠でオンエアしたのだ。

 その再放送が流されたのは、26日の『NET BUZZ』(午後11時55分~)の枠。同番組は、ネット上で大きな反響のあった(バズった)番組をアンコール放送するもの。

 同話「殿の死」は、薩摩軍を率いて京を目指す上洛計画を始動させた島津斉彬(渡辺謙)が、突然倒れて死亡するという衝撃のエンディングとなったが、「そのシーンがネット上で話題になった」ため、『NET BUZZ』で放送されるに至ったという。大河が深夜にオンエアされるのは史上初の事態だ。

「大河ドラマは毎週土曜午後1時5分から再放送しています。これは大河の“格”を考慮してのものです。ただ土曜昼間では、在宅率が低く、それを見ている視聴者は多くはないでしょう。一般的に視聴者のライフスタイルも変わり、深夜にテレビを見る層は少なくありません。NHKも、それを承知しているから、連ドラや、『ブラタモリ』『鶴瓶の家族に乾杯』といった人気番組の再放送を深夜に流しているのです。ただ、大河は“格”の問題もあったので、それはやってきませんでしたが、視聴率が急降下して、もう背に腹は代えられないということでしょう。この回をできるだけ多くの視聴者に見てもらって、第16話以降につなげたいのだと思われます」(テレビ誌関係者)

『西郷どん』は初回15.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、史上ワースト2位の発進となったものの、第2話以降は、14~15%台をキープ。極端に高い回こそないものの、安定した数字をキープしていた。ところが、1日に特別編を放送。本編の放送を休んだことで、“いい流れ”が止まってしまい、2週ぶり放送の第13話(8日)は13.0%まで落ち込んで自己最低を記録。続く第14話(15日)は11.9%まで下げてしまった。第15話は13.4%まで持ち直したものの、ここ3回は低視聴率が続いている。

「1日に特別編を放送するため、本編を休止し、その後の視聴率急落につながりました。これは、明らかな編成上のミスです。第15話は斉彬が亡くなる重要な回。従って、できるだけ多くの視聴者に見てもらう必要があったのです。そのため、『NET BUZZ』で緊急再放送することになったのでしょうね」(同)

 昨年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』(柴咲コウ主演)は全話平均12.8%で、史上ワースト3位の低視聴率に終わっており、NHKとしては、2年連続の不振は避けたいところ。第16話(29日)からは、回想シーンを除き、主演・鈴木の強力なサポート役だった渡辺が出演しないとあって、ここが正念場。このままズルズルと低視聴率に沈むわけにもいかないだけに、NHKもなりふり構わぬ姿勢に出たようだ。
(文=田中七男)

岩田剛典『崖っぷちホテル!』視聴率ほぼ半減ショック! 「フツーに面白いドラマ」は、もういらない!?

「岩ちゃん」こと岩田剛典がブリブリな笑顔を振りまきつつ、老舗ホテルの再建を目指すドラマ『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)。第2話の視聴率は、なんと初回からほぼ半減となる6.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)まで下げました。近年、稀にみる垂直落下ぶりですが、そんなに悪かったかなぁ。悪くないと思うんだけどなぁ。というわけで、今回も振り返ってみます。

(前回までのレビューはこちらから)

 

 新米支配人の佐那(戸田恵梨香)にお願いされ、ホテル・グランデ・インヴルサを再建するために名門バリストンホテルから衝撃の転職を果たした宇海くん(岩田)。前回までに、このホテルの問題点はだいたい洗い出せていたようで、さっそく大ナタを振るいます。

 まずは、やる気がないくせにプライドだけは高い副支配人・時貞(渡辺いっけい)と料理長・江口(中村倫也)を降格処分に。時貞は「宿泊部の主任」という新たな肩書を気に入るわけもなく、ブーブー言ってます。新人パティシエ・ハルちゃん(浜辺美波)に料理長の座を奪われた江口もイジケまくっていますが、宇海くんは相変わらずニコニコで気にも留めません。

 自ら副支配人となった宇海くんは、従業員一同に「ホテルの宝物である顧客名簿を読め」と命令。10年ほど前に、たくさんの客が「ケーキ美味い」と感想を寄せていたことが明らかになると、「このケーキを再現してケーキフェアをやろう」という企画を打ち出しました。

 で、ケーキフェアは概ね大成功。両親を事故で亡くした女子高生を盛大なおもてなしで感動させました。宇海くんの鮮やかな仕事ぶりに、最初は苦々しく思っていたバーマスター・梢さん(りょう)や元料理長・江口も、少しずつ心を許してきたようです。

 

■今回は「チャド・マレーン回」でした

 

 今回、大きくフィーチャーされたのは、見た目が完全に外国人なのに英語がしゃべれないベルボーイのピエール田中(チャド・マレーン)。

 ホテル上層部の人事をバッサバサに斬りまくる宇海の姿を見て、仕事に自信のないピエールは「ぼくはクビになる」とガクブル状態。そんなこんなで大事なケーキを踏んづけてしまうなどミスを重ね、宇海くんに呼び出しを食らいます。

 クビになる覚悟を決めたピエールでしたが、宇海くんは「一緒に、いい方法を考えましょう」と、優しく語りかけます。そしてもう一度、顧客名簿を総ざらい。さらに、バーマスター梢さんの助言で、佐那の父が大事にしていた顧客からのお礼状もすべてひっくり返して読み返すことに。

 そんなこんなで、踏んづけたケーキをご所望だった女子高生が何者だったかを探し当て、無事にご満足をいただくことができました。

 やる気のない従業員に、さらなるミスを重ねさせてドン底にまで追い込み、宇海くんの器量の良さと本人の努力によって回復する。ピエールは宇海くんを信頼することになり、やる気を取り戻す。このドラマのフォーマットになるのは、こうして1人ひとりを回復させる流れなのでしょう。全員が宇海くんを中心にひとつになったとき、ホテルも復活を果たす、というクライマックスが見えてきます。

 

■浜辺美波のコメディエンヌぶりがまぶしいよ

 

 今回は、若き天才パティシエ・ハルちゃんを演じる浜辺美波が気を吐きました。イジけ腐った(元)上司の江口を「ツンデレなのね」と気にも介せず、自分のやるべきことを天真爛漫な笑顔でこなす姿は、実に健気で愛さずにはいられません。それにしても、17歳。永野芽郁もそうですが、新しい世代の女優さんがどんどん育ってる感じがして素敵です。

 また、ここまでスーパーポジティブなハルちゃんにも今後、波乱が訪れるとすれば、それは物語の大きな振り幅になると思います。中盤の盛り上がりを支えるのは、もしかしたらハルちゃんかもしれません。

■エピソードは弱い、弱いけど優しい

 

 見ていて気になるのは、各エピソードの弱さです。ピエールが「クビになる~」と恐れ慄く原因になったのも、「外国人客から逃げたのを宇海に見られた」「ケーキ踏んじゃった」だけなので、少し不自然に感じます。その宇海くんには「ネクタイ締められない」「20分締めたら3日も寝込んだ」という設定が与えられていますが、これもバリストンホテルとやらの副支配人にまでのし上がった人物としては、いかにも不自然。後半でバリッとスーツで決めるシーンがあって、それに対するギャップなのでしょうけど、ちょっと納得しかねる部分でもあります。

 また、ハルちゃんが食べたこともない「幻のケーキ」を完全に再現できちゃったのも安易だと思いますし、そのケーキを求めてやってきた女子高生の動機が、第1話と同じ「死んだ家族との思い出を求めて」というパターンだったことも、物足りないっちゃ物足りない部分です。

 ただ、こうした弱さもひっくるめて、優しい出来になっていると思うんですよねえ。第1話のレビューにも書きましたが、基本的には岩ちゃんファン向けのアイドルドラマなので、そもそもの岩ちゃんのパブリックイメージに、よく似合う作風だと思う。で、弱いといっても、退屈なわけではない。フツーに面白い、といえるくらいにはまとまってる。

 そういう、それなりによくできたドラマがここまで数字を下げるというのは、第2話を見終えた後でも、ちょっと不思議だなぁという印象が残ります。岩ちゃんの求心力が、まあこんなもんなのもあるけど、なんかフツーに面白いドラマって、もうあんまり視聴者に求められてないのかもしれませんね。ホント、悪くないし、マジメに作ってると思うんだけど。うーむむ。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

岩田剛典『崖っぷちホテル!』視聴率ほぼ半減ショック! 「フツーに面白いドラマ」は、もういらない!?

「岩ちゃん」こと岩田剛典がブリブリな笑顔を振りまきつつ、老舗ホテルの再建を目指すドラマ『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)。第2話の視聴率は、なんと初回からほぼ半減となる6.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)まで下げました。近年、稀にみる垂直落下ぶりですが、そんなに悪かったかなぁ。悪くないと思うんだけどなぁ。というわけで、今回も振り返ってみます。

(前回までのレビューはこちらから)

 

 新米支配人の佐那(戸田恵梨香)にお願いされ、ホテル・グランデ・インヴルサを再建するために名門バリストンホテルから衝撃の転職を果たした宇海くん(岩田)。前回までに、このホテルの問題点はだいたい洗い出せていたようで、さっそく大ナタを振るいます。

 まずは、やる気がないくせにプライドだけは高い副支配人・時貞(渡辺いっけい)と料理長・江口(中村倫也)を降格処分に。時貞は「宿泊部の主任」という新たな肩書を気に入るわけもなく、ブーブー言ってます。新人パティシエ・ハルちゃん(浜辺美波)に料理長の座を奪われた江口もイジケまくっていますが、宇海くんは相変わらずニコニコで気にも留めません。

 自ら副支配人となった宇海くんは、従業員一同に「ホテルの宝物である顧客名簿を読め」と命令。10年ほど前に、たくさんの客が「ケーキ美味い」と感想を寄せていたことが明らかになると、「このケーキを再現してケーキフェアをやろう」という企画を打ち出しました。

 で、ケーキフェアは概ね大成功。両親を事故で亡くした女子高生を盛大なおもてなしで感動させました。宇海くんの鮮やかな仕事ぶりに、最初は苦々しく思っていたバーマスター・梢さん(りょう)や元料理長・江口も、少しずつ心を許してきたようです。

 

■今回は「チャド・マレーン回」でした

 

 今回、大きくフィーチャーされたのは、見た目が完全に外国人なのに英語がしゃべれないベルボーイのピエール田中(チャド・マレーン)。

 ホテル上層部の人事をバッサバサに斬りまくる宇海の姿を見て、仕事に自信のないピエールは「ぼくはクビになる」とガクブル状態。そんなこんなで大事なケーキを踏んづけてしまうなどミスを重ね、宇海くんに呼び出しを食らいます。

 クビになる覚悟を決めたピエールでしたが、宇海くんは「一緒に、いい方法を考えましょう」と、優しく語りかけます。そしてもう一度、顧客名簿を総ざらい。さらに、バーマスター梢さんの助言で、佐那の父が大事にしていた顧客からのお礼状もすべてひっくり返して読み返すことに。

 そんなこんなで、踏んづけたケーキをご所望だった女子高生が何者だったかを探し当て、無事にご満足をいただくことができました。

 やる気のない従業員に、さらなるミスを重ねさせてドン底にまで追い込み、宇海くんの器量の良さと本人の努力によって回復する。ピエールは宇海くんを信頼することになり、やる気を取り戻す。このドラマのフォーマットになるのは、こうして1人ひとりを回復させる流れなのでしょう。全員が宇海くんを中心にひとつになったとき、ホテルも復活を果たす、というクライマックスが見えてきます。

 

■浜辺美波のコメディエンヌぶりがまぶしいよ

 

 今回は、若き天才パティシエ・ハルちゃんを演じる浜辺美波が気を吐きました。イジけ腐った(元)上司の江口を「ツンデレなのね」と気にも介せず、自分のやるべきことを天真爛漫な笑顔でこなす姿は、実に健気で愛さずにはいられません。それにしても、17歳。永野芽郁もそうですが、新しい世代の女優さんがどんどん育ってる感じがして素敵です。

 また、ここまでスーパーポジティブなハルちゃんにも今後、波乱が訪れるとすれば、それは物語の大きな振り幅になると思います。中盤の盛り上がりを支えるのは、もしかしたらハルちゃんかもしれません。

■エピソードは弱い、弱いけど優しい

 

 見ていて気になるのは、各エピソードの弱さです。ピエールが「クビになる~」と恐れ慄く原因になったのも、「外国人客から逃げたのを宇海に見られた」「ケーキ踏んじゃった」だけなので、少し不自然に感じます。その宇海くんには「ネクタイ締められない」「20分締めたら3日も寝込んだ」という設定が与えられていますが、これもバリストンホテルとやらの副支配人にまでのし上がった人物としては、いかにも不自然。後半でバリッとスーツで決めるシーンがあって、それに対するギャップなのでしょうけど、ちょっと納得しかねる部分でもあります。

 また、ハルちゃんが食べたこともない「幻のケーキ」を完全に再現できちゃったのも安易だと思いますし、そのケーキを求めてやってきた女子高生の動機が、第1話と同じ「死んだ家族との思い出を求めて」というパターンだったことも、物足りないっちゃ物足りない部分です。

 ただ、こうした弱さもひっくるめて、優しい出来になっていると思うんですよねえ。第1話のレビューにも書きましたが、基本的には岩ちゃんファン向けのアイドルドラマなので、そもそもの岩ちゃんのパブリックイメージに、よく似合う作風だと思う。で、弱いといっても、退屈なわけではない。フツーに面白い、といえるくらいにはまとまってる。

 そういう、それなりによくできたドラマがここまで数字を下げるというのは、第2話を見終えた後でも、ちょっと不思議だなぁという印象が残ります。岩ちゃんの求心力が、まあこんなもんなのもあるけど、なんかフツーに面白いドラマって、もうあんまり視聴者に求められてないのかもしれませんね。ホント、悪くないし、マジメに作ってると思うんだけど。うーむむ。
(文=どらまっ子AKIちゃん)