『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』北川悦吏子氏の脚本は「不安」!? “朝ドラ大炎上”から繙く革命的な表現手法

 本日1月13日午後10時より、連続ドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系、以下『ウチカレ』)の放送がスタート。女優・菅野美穂が主演を務め、浜辺美波、沢村一樹、岡田健史ら、豪華な共演者が名を連ねている。

 恋愛小説家のシングルマザー・水無瀬碧(菅野)が、恋愛をしないオタクの娘・空(浜辺)とともに、親子で新たな恋に踏み出す「エキサイティングラブストーリー」と銘打つ本作。昨年10月に情報が解禁されると、約4年ぶりに連続ドラマ主演を務める菅野に期待が寄せられる一方、ネット上では「内容が時代遅れ」といった声が上がり、脚本を担当する北川悦吏子氏に対して「不安」だと訴える人も続出した。

 90年代に大ヒットドラマを多数世に送り出した北川氏だが、2018年にNHK連続テレビ小説『半分、青い。』の脚本を務めた際、自身のTwitterアカウントで作品の解説や感想を意欲的に投稿したことで、たびたび炎上。これにより世間から大きな注目を集め、結果的に作品への感心が高まったのも事実であり、『ウチカレ』でも同様の動きが起こる可能性はあるだろう。

 サイゾーウーマンでは『半分、青い。』の放送中、芸能ウォッチャー・佃野デボラ氏の記事にて、炎上の発端となった北川氏のツイートを振り返りつつ、彼女の“革命的”な表現手法を掘り下げていた。北川氏が発明した「新しい」ドラマの楽しみ方を再確認すべく、『ウチカレ』スタートの前にあらためて同記事を掲載する。
(編集部)


(初出:2018年6月13日)

朝ドラ『半分、青い。』脚本家・北川悦吏子の“革命的な表現手法”“トレンディ霊力”をホメゴロス

テレビ・芸能ウォッチャー界のはみ出し者、佃野デボラが「下から目線」であらゆる「人」「もの」「こと」をホメゴロシます。

【今回のホメゴロシ!】Twitterと同時進行で楽しむ“神”朝ドラ『半分、青い。』が革命的な理由

 現在放送中のNHK連続テレビ小説『半分、青い。』がすごいことになっている。『愛していると言ってくれ』(TBS系)『ロングバケーション』(フジテレビ系)など、90年代に数々のヒット作を生み出し「恋愛の神様」の異名をとる北川悦吏子(以降「神」と呼ぶ)が脚本を手がける本作は、神自らNHKに企画を持ち込み3年の歳月をかけて成就させたという。「朝ドラに革命を起こした」と神自身が言い切るだけあって、このドラマ、かなり“革命的”だ。4つの革命ポイントをみていこう。

4本立てのメディアミックスが革命的

 放送開始の1年以上前から、独自の制作スタイルが耳目を集めていた。神がTwitterでドラマ内に取り込むネタを募集し、「ドアが3枚以上ある車ではモテない」や、漫画家を目指すヒロイン・鈴愛(永野芽郁)の相手役である律(佐藤健)の飼っているペットの種類(亀)とその名前「フランソワ」、漫画アシスタントの同僚・誠(志尊淳)の愛称「ボクテ」など、一般視聴者から寄せられた数多のネタがそのままの形で劇中に反映されたのだ。この軽やかさと大胆さ。さすがは一時代を築いたインフルエンサーである。

 神の“お示し”であり、民との交わりの場であるTwitterは、うつろいやすい神のお気持ちを著したポエムをはじめ、脚本の進捗、制作中の愚痴、熱い自画自賛などのツイートが頻繁に更新されており、ドラマのサブテキストとして必読だ。放送直後に《あれ、今後のストーリーの伏線にもなって来ます》と、わざわざ伏線のありかを教えてくださったり、行間を読んだ視聴者の感想ツイに神自ら「そうじゃない」と訂正されたり、批判的な意見を述べる視聴者に「嫌なら観ないでいい」と忠告されることもある。こうした「脚本家による視聴者との距離の取り方」も非常に革新的である。

 また、台本に書いた台詞がカットされたことに大層おキレになり《みんな!オンエアが完璧なものとは思わないで!》《やさしく脳内補完を、お願いします》という“お触れツイート”を投下されたこともあった(現在は削除済み)。さらにその後続けざまに《カットされたセリフやシーンが蘇ります。 半分、青い。 上 [楽天]》と、ノベライズ版の宣伝を差しこむあたりの商魂もたくましい。

 つまり『半分、青い。』とは
・ドラマ本編
・Twitterでの神による補足説明
・ノベライズ版(上下巻)
・視聴者による「やさしい脳内補完」
の4点セットで初めて完結する、まったく新しいタイプのメディアミックス朝ドラなのだ。あの『パ★テ★オ』も『赤い糸』(ともにフジテレビ系)もなし得なかった4本立てである。これは斬新というほかない。

 神は、シーンと台詞ありきで後から背景を書き足す作風で知られる。「恋愛の神様」が描く「北川世界」において最も重要なのは「きゅんきゅんシーン」と「萌える台詞」であり、そこに至る背景や物語は二の次。『半分、青い。』はその集大成といえる仕上がりで、「Why」や「How」の過程は映像で描かず、台詞かナレーションで「こういう設定だから。そういうことでよろしく」と唐突に説明される。この手法もまた2018年の今、5周ぐらい回って新しいといえるのかもしれない。

 本作では鈴愛の亡き祖母・廉子(風吹ジュン)による「空から降るナレーション」が登場人物たちの心の動きや、すでに映像上に存在する情報をわざわざ説明・反復してくれるのがお約束となっている。これは視聴者の理解力を小学校低学年程度に想定している神の“親切心”。つまり廉子のナレーションは作り手である神自身の声なのだ。「この台詞ときめくでしょ?」「今から面白いことを言いますよ。どう? 面白いでしょう?」と、本来はBDやDVDを購入しなければ聴けない、脚本家によるオーディオコメンタリーをOAで聴けてしまうというお得感。これも神のサービス精神の成せる業だ。

 《コメディが得意です》と公言するだけあって、神は笑いのセンスにかなり自信をお持ちのようだ。鈴愛の初デートを描いたエピソードについて《とにかく笑えます!(実は笑うのが好きなんです。泣かせるよりも)》とツイートで予告、自らハードルを上げるというストイックさをお見せになった。そのうえで放送された第3週「恋したい!」は、通学途中に出会った小林(森優作)の落としたカセットテープを拾った鈴愛が、小林のルックスを「微妙」と見下すにはじまり、初デートで突如飛び出した鈴愛の「拷問機具オタクの蘊蓄」で小林をドン引きさせ大失敗に終わるというあらまし。凡人の筆者にはどこで笑ったらいいのかわからなかったが、Twitterには「朝から超笑った〜」「鈴愛の天真爛漫さが最高www」などの声が上がった。 

 また、神が《渾身の一打や》となぜか突然、現役時代の清原のような口調で激推しした、廉子による「もうイントロ始まる? 星野源が歌いはじめる〜?」といういわゆる「メタナレ」もあり、『あまちゃん』(13年)におけるカーブやスライダーを自在に操るようなメタ技法とは趣を異にする“直球”の手法が話題を呼んだ。おそらく神のコメディセンスはイルカの超音波やモスキート音のように、聴こえる人にしか聴こえない“高次元”のものなのだろう。

 《もはや、ツイッターなくしては、ホン(脚本)が書けなくなってるな》《どうしたら脚本家になれますか、とかどういうお仕事ですかってお手紙をもらうけれど、私が書きながらつぶやくことを読んでもらえれば、それは一番いい答えになってるかもしれない》という神のツイートが物語るように、神・ドラマ・ツイートは三位一体であり、フラクタル(自己相似)の構図をなしている。ドラマは神に似て、神はドラマに似ている。ツイートは神を表し、ツイートはドラマを表している。 

 なるほど神はインタビューで『半分、青い。』について「自分の人生をもう一度生き直すようなつもりで書いている」と語り、ヒロイン・鈴愛の左耳失聴と、鈴愛の母・晴(松雪泰子)が「腎臓の持病で子供は諦めかけたが運良く授かった」という設定は、自らの境遇と同じにしている。《私の人生は、ずっと律を探す旅だった》とのことで、いつでも鈴愛を助けてくれる“ナイト”の律は神が深層心理で求め続けた存在。鈴愛の師匠である秋風羽織(豊川悦司)の「漫画の神様に愛された」天才性は神の自己評価の表れといえる。つまり『半分、青い。』は、神が登場人物たちに自己投影した新手の“自伝”であり、北川悦吏子の北川悦吏子による北川悦吏子のためのドラマなのだ。

 鈴愛は自分の要求を通すために師匠の秋風を「原稿を窓から捨てるぞ」「セクハラされたと吹聴して陥れてやるぞ」と恫喝したり、土下座する秋風の姿を写真に収めてキャッキャするような性質だが、誰からも叱られず、内省する姿もない。ボクテの「鈴愛ちゃんは自分が場の中心になるとDNAレベルで嬉しくなっちゃう」という台詞に象徴されるように、朝ドラ随一の「周りが見えていないヒロイン」として描かれる。神の分身ヒロインとしての人物造形が実に見事だ。翻って、神が自己投影した登場人物以外の脇役たちは「どんな趣味で休日に何をして過ごしているのか」などまったく想像できないほど「描き込み」がない。ぼかした背景画のようにひたすらヒロインを引き立て、ヒロインの今後に好都合な台詞を吐いてふわっと去っていく。本来脇役に課されるはずである第三者の目、つまりツッコミが不在なのだ。「私」と「私を守り崇めてくれるあなた」だけの世界を描く作劇は、作者自身の社会観と強く結びついている点も含め、奇警である。

 本作は時代考証の“ファジーさ”で有名だが、神はのたまう、《思い出せないことは、書けない》《仕方ないんだよ》と。「なつかしネタ」の情報ソースは神の記憶とTwitterの民からのタレコミのみ。さすがは全知全能の神である。下々の者の営みの記録である「史実」など調べる必要はないのだ。

 神のツイートから窺い知れる「語弊? 知るかよ」の精神、バブル型スノビズムと軽やかな足取りで地雷を踏み抜く作法は、そのままドラマの台詞に表出している。2010年代も終盤に差しかかった今日、権威主義、容姿至上主義、マイノリティへの差別・偏見がたっぷり盛り込まれた台詞を「トレンディ霊力」でふんわり押し切るという作家性は唯一無二といえよう。ポエティックな台詞回しも持ち味のひとつで、「鈴愛の口は羽より軽い」「あの出会いは宝石のように輝いていました」「その性根は腐っていました」などの、フットボールアワー後藤なら「ようこれ世に出したな。陶芸家なら割るやつやで」とツッコむであろう推敲なし……あ、いや、ライヴ感あふれる台詞で楽しませてくれる。さらに、「どちゃくそ」「〜的にあり/なし」など周回遅れの若者スラングを時代背景に関係なく「使いたいから使う」というあたりも「オカンアート」のデコパージュに突如STUSSYのロゴ入れちゃいました的な目新しさがある。

 こうした脚本における神の奔放さ、チェック機能とコントロールの無効ぶりをみるに、NHKは本作に限って特例的にコンプライアンスを取っ払ったのではないか、とさえ思えてくる。現に制作スタッフは、豊川悦司、原田知世をはじめ過去の北川作品出演者を脇に起用し、神の母校である岐阜県立加茂高等学校でロケを敢行し、神が個人的にヒロイン役の永野芽郁にプレゼントしたカエル柄のワンピースをストーリーに押し入れることを容認し、神が大ファンだという中村雅俊を鈴愛の祖父役に据え必然性なく劇中で歌わせるなど、神を喜ばせるために奔走した。これはもはやNHKさん、「接待」ではありませんか? いやはや、天下のNHKをも意のままに操る神の「トレンディ霊力」に畏怖の念を禁じ得ない。

 《褒めて!讃えて!》《いい?!あなたは私を肯定するためにいる!》――今日も神はTwitterで「称賛」という名の供物を求めお叫びになる。民はひれ伏し、受信料を払い、56歳にして“少女のような感性”を持った神の大掛かりな「リカちゃん遊び」を毎日視聴し、「神からの引用RT」という尊き授かり物にあやかるために感想ツイートを投稿し続けるのだ。とにかく我々は今、希有な視聴体験をしている。これは間違いない。

※文中《 》内は北川悦吏子氏のツイートから引用。省略以外は原文ママ。

佃野デボラ(つくだの・でぼら)
ライター。くだらないこと、バカバカしい事象とがっぷり四つに組み、掘り下げ、雑誌やWebに執筆。生涯帰宅部。

唐沢寿明『24 JAPAN』、海外リメークドラマは爆死必至!? 「放送事故」「バカにしてる」と批判の3作

 テレビ朝日開局60周年記念作品として、10月9日から始まった唐沢寿明主演の連続ドラマ『24 JAPAN』。アメリカの人気ドラマシリーズ『24 -TWENTY FOUR-』を日本版にリメークした同作だが、早くもネット上で賛否両論を集めている。

「『金曜ナイトドラマ』枠で放送され、初回視聴率は7.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。前クールに放送されていたジャニーズJr.・美 少年主演の『真夏の少年〜19452020』は初回視聴率5.0%だったので、好調な滑り出しと言えるでしょう。唐沢が演じるのは、テロ対策を専門とする国家機関CTUの第1支部A班班長・獅堂現馬で、日本初の女性総理候補である朝倉麗(仲間由紀恵)の暗殺計画の阻止や、この計画に関わる“内通者”の調査を任される……といった内容でした。放送後、ネット上では『期待を上回る出来だった。早く続きが見たい!』『日本版になってもやっぱり面白い』という声がある一方で、『全体的にチープ』『本家をマネしたコントにしか見えない』といった厳しい感想も多く、評価は二分されています」(芸能ライター)

 原作と比べられ、批判が集まるのはリメーク作品の宿命。本作主演の唐沢は、多くのリメーク作品に出演しているが、どれも厳しい評価を受けているようだ。

「まずは、昨年1月期に放送された連続ドラマ『グッドワイフ』(TBS系)でしょう。アメリカの人気ドラマシリーズ『The Good Wife』のリメークで、主演の蓮見杏子を常盤貴子が、その夫である蓮見壮一郎を唐沢が演じました。検事である壮一郎が収賄罪で逮捕されたのをきっかけに、専業主婦だった杏子が弁護士に復帰するのが主なストーリーでしたが、番組終盤で壮一郎の逮捕は冤罪だと発覚。この展開には、視聴者から『急展開すぎてついていけない』『これまでの話はなんだったんだよ!』など、批判の声が続出。本家はシーズン7まであり、その“要素”を使ったリメークだったようですが、全10話で完結させるのは、そもそも無理があったのかもしれません」(同)

 ドラマの内容よりも、その放送手法で批判を呼んだのは、昨年7月期放送の『ボイス 110緊急指令室』(日本テレビ系)だ。

「韓国ドラマ『ボイス~112の奇跡~』が原作で、“ハマの狂犬”と呼ばれる警部補・樋口彰吾を唐沢が演じています。かすかな音まで聞くことができる“絶対聴感”を持つ橘ひかり(真木よう子)とタッグを組み、難事件を解決していくといった話で、初回視聴率は12.6%と注目を集めていました。しかし、最終話の放送後、有料動画配信サイト・Huluでオリジナルストーリーの公開が発表され、『視聴者をバカにしてる』『最後まで無料で見られないとか、詐欺に近い』などと、批判が飛び交うこととなりました」(同)

 ドイツの人気ドラマシリーズ『DER LETZTE BULLE』を原作とし、16年10月期に放送、映画化もされた唐沢主演作『THE LAST COP/ラストコップ』(日本テレビ系)は、低視聴ぶりで話題になった。

「唐沢は、30年間の昏睡状態から目覚めた刑事・京極浩介を演じ、相棒の望月亮太を窪田正孝が演じました。もともと、15年の『金曜ロードSHOW!』で単発放送された後、Huluの配信で話題となり、満を持して地上波でドラマ化されたものの、平均視聴率は8.3%と振るわず。さらに、最終回では京極の生死をデータ放送による視聴者投票で決め、一部を生放送するといった斬新な試みが行われましたが、あまりのグダグダぶりに『放送事故』『最悪の最終回』などと言われることに。その影響か、翌17年5月に公開された映画『LAST COP THE MOVIE』も、興行通信社が発表した映画ランキングで初登場7位と大爆死を遂げています」(同)

 『24 JAPAN』は過去の“唐沢リメーク作品”と同じく、微妙な評価に落ち着いてしまうのか? はたまた好評を得るのか……今後の展開に注目だ。

上野樹里『監察医 朝顔』山田涼介&田中圭『キワドい2人』……「一番期待できる秋ドラマ」ベスト3!【サイゾーウーマン世論調査】

放送延期に見舞われるタイトルも多かった夏のドラマ。無事に最終回を迎え、新たな物語が続々と幕を上げ始めている。そこで今回、「一番期待できる2020年の秋ドラマ」をアンケート調査してみた。

 回答の選択肢は、連続テレビ小説、大河ドラマ、BSプレミアム、WOWOWを除いた下記の29作品。これらから1作品を選び、回答してもらった。(実施期間:2020年9月21日~2020年9月27日、回答数:95)

【選択肢】『タリオ 復讐代行の2人』(NHK)、『彼女が成仏できない理由』(同)、『天使にリクエストを ~人生最後の願い~』(同)、『閻魔堂沙羅の推理奇譚』(同)、『ルパンの娘』第2シリーズ(フジテレビ系)、『姉ちゃんの恋人』(同)、『DIVER -特殊潜入班-』(同)、『さくらの親子丼』第3シリーズ(同)、『監察医 朝顔』第2シーズン(同)、『キワドい2人 -K2- 池袋署刑事課神崎・黒木』(TBS系)、『危険なビーナス』(同)、『おカネの切れ目が恋のはじまり』(同)、『この恋あたためますか』(同)、『恋する母たち』(同)、『相棒 season19』(テレビ朝日系)、『七人の秘書』(同)、『科捜研の女 season20』(同)、『24 JAPAN』(同)、『マリーミー!』(同)、『#リモラブ ~普通の恋は邪道~』(日本テレビ系)、『35歳の少女』(同)、『極主夫道』(同)、『バベル九朔』(同)、『だから私はメイクする』(テレビ東京系)、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(同)、『あのコの夢を見たんです。』(同)、『どんぶり委員長』(同)、『共演NG』(同)、『メンズ校』(同)

1位:『キワドい2人 -K2- 池袋署刑事課神崎・黒木』 20%

 第1位に輝いたのは、山田涼介と田中圭がバディを組んだ刑事ミステリー『キワドい2人 -K2- 池袋署刑事課神崎・黒木』。2人の凸凹コンビ感だけでなく、“異母兄弟”という設定も視聴者の関心を集めている。

【投票コメント】

◎とにかく面白い! でも泣ける部分もあり、コロナで殺伐とした時期に、癒され楽しめるドラマです。また、山田涼介くんの美しいお顔で画面がキラキラしてる。

◎軽く見られて面白い

 第2位には上野樹里主演の『監察医 朝顔』第2シーズンがランクイン。2019年夏クール放送の第1シーズンが高評価だったことを受け、今回は月9初の“2クール連続放送”となる。

【投票コメント】

◎第1シーズンが良かったから。医学もの、警察もの、ミステリー、ファミリー人情もの、いろんな要素がバランスよく、目が離せない。

◎シーズン1が、とても面白かったので。

3位:『姉ちゃんの恋人』 9%
 有村架純が2年ぶりに民放連続ドラマの主演を飾る、『姉ちゃんの恋人』が第3位に登場。King&Prince・髙橋海人らの共演で、ひとつ屋根の下で暮らす仲良し家族の姿を描く。

【投票コメント】

◎家族愛物が見たいから

◎海人くんの弟役が見たいから

『半沢直樹』MVPはどの俳優? 江口のりこ、香川照之、柄本明、片岡愛之助ほか【サイゾーウーマン世論調査アンケート】

 9月27日に最終回を迎えたTBS系連続ドラマ『半沢直樹』。2013年に空前の大ヒットとなった第1シーズンの続編で、今シーズンの最終回は32.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と驚異的な数字を記録した。

 主演の堺雅人はもちろん、その他出演者の熱演ぶりや、キャラクターごとの決め台詞も毎話ネット上で大きな反響を呼んでいた今作。そこで今回は、ドラマを彩ったキャストについて、最も活躍した人物について「『半沢直樹』MVP」をアンケート調査。主演の堺を除いた出演者のうち、下記から1人を選んで回答してください。

『キワドい2人』『監察医 朝顔』『この恋あたためますか?』秋ドラマ、一番期待してる作品は?【サイゾーウーマン世論調査アンケート】

 堺雅人主演の『半沢直樹』(TBS系)が話題を席巻した夏のドラマ。放送延期に見舞われた作品も多かったが、続々と最終回を迎えることになった。そこで気になるのは、新たにスタートした“2020年の秋ドラマ”。人気タイトルの新シリーズも含めて、どのような物語が幕を開けるのか期待は膨らむばかりだ。放送前から話題を呼んでいる作品が多く、『半沢直樹』に続く新たな高視聴率ドラマが誕生する可能性は高い。

 そこで今回は、「一番期待できる2020年の秋ドラマ」(連続テレビ小説、大河ドラマ、BSプレミアム、WOWOWを除いた作品)をアンケート調査。下記から1作品を選んで投票してください。

投票締め切り:9月27日

韓国ドラマ『愛の不時着』、30代女性が「リ・ジョンヒョクになりたい!」ワケ――周囲に大笑いされた“欲望”とは?

 今年2月からNetflixで配信されている、韓国の人気ドラマ『愛の不時着』。日本でも大ヒットし、タレントの笑福亭鶴瓶や黒柳徹子、藤田ニコルら多数の著名人が「ハマった」ことを公言している。そんなドラマの魅力は、一体どこにあるのだろうか? ジェンダーやエンターテインメントに詳しい加藤藍子氏に、“恋愛”だけではない本作の魅力について寄稿していただいた。

【※以下、ネタバレを含みます※】

 韓国ドラマ『愛の不時着』ブームが止まらない。2020年2月後半にNetflixで配信開始以来、総合トップ10入りを保持。全話鑑賞したファンは「不時着ロス」を避けるべく周回視聴を続け、7月に入っても、Twitterの鑑賞実況用ハッシュタグがトレンド入りすることもあったほどだ。なぜこんなに、熱狂するのか。

 物語は、韓国の財閥令嬢で、企業経営者でもあるヒロインのユン・セリが、パラグライダー飛行中に竜巻に巻き込まれ、あろうことか38度線を越えて北朝鮮に不時着してしまうところから始まる。そこで出会うのが、北朝鮮のエリート将校リ・ジョンヒョクだ。

 「北」には、少なくともこのフィクションで描かれている限りでは、法治という概念が存在しない。当局に見つかれば、速攻で殺されるかもしれない極限状態の中、リ・ジョンヒョクはユン・セリをかくまい、あの手この手で南への帰還を助ける。その過程で2人の間に愛が芽生えるという、設定は斬新だが、「胸キュン」の王道はがっちりとつかんだラブストーリーだ。

『愛の不時着』は男女の役割が逆転するから“胸キュン”ではない!

 このドラマについてのレビューや評論では、女性のために粉からこねた麺で料理をつくったり、コーヒーを淹れたりするリ・ジョンヒョクの振る舞いが度々注目され、「性別役割分業が逆転している描写が素晴らしい」とされているのを見かける。それはそうだが、私たちは「性別役割分業が逆転すれば、胸キュンする」というわけではない。

 見始めるやいなや熱狂した一人である私の中には、別の強い感情が湧いた。大切にされるだけじゃ、我慢できない。私はリ・ジョンヒョクになりたい、と。それは彼の存在が、「男だから/男なのに」というラベルを剥がしても成立する魅力を持っていたからではないか。

「リ・ジョンヒョクが、完璧すぎますよね。まあ、あんな王子様、現実にはなかなか存在しないですけど!」

 コロナ禍の緊急事態宣言が解除された6月、久しぶりに髪を切りに出かけたら、私と同い年の美容師さんが興奮気味に話を振ってきた。もはや、珍しいことではない。外へ出かけると、しょっちゅう「不時着見た?」という会話が聞こえてくる。カフェで隣席に座っている男性が、友人とみられる女性に、大げさな身振りで「リ・ジョンヒョク名場面」を再現しているのも見かけた。このドラマの最高なところはたくさんあるのだが、そんな「不時着済み」の人たちの間で「これはまあ、言うまでもなく前提なんだけど……」という共通認識になっているのが「リ・ジョンヒョクが最高にかっこいい」という真実だ。

 そのリ・ジョンヒョクに、私がなりたい、と思ってしまう――。この欲望を周囲に打ち明けると、大笑いされることが多い。無理もない。私は腕っぷしにも体力にも不安のある、気は強いが一見おとなしそうな30代女性だ。一方のリ・ジョンヒョクは、軍人らしい堂々たる肩幅。ネタバレになるが、ユン・セリを守るために銃弾を受け、どうにか一命を取り留めて間もない重傷状態にあってなお、数人の敵を一人でなぎ倒せるレベルの戦闘力がある。軟弱そうな女が、頑強な完璧男を目指すと豪語する。そのギャップが笑いを誘うのだろう。

 でも、違うのだ。私は決してマッチョになりたいんじゃない。美容師さんが「王子様」と表現したときに、もしかしたら彼女も潜在的に求めていたかもしれない、男とか女とかを超越した存在に、憧れるのである。

 ところで「王子様」とは何か。「私を選び、幸せにしてくれる男性」というイメージが一般的だろう。しかし、私たちが王子様にどうしたって憧れてしまうのは、そんな表面的な理由からではないだろう。王子様とは、ありのままの自分を愛し、守ってくれる他者の象徴とみることだってできる。

 おとぎ話は、しばしば世界の本質を突いている。この世は、例えば『シンデレラ』のように、ただ善く生きたいだけなのに虐げられることがある。あらぬ方向から憎しみを受けて、気が付いたら茨の城に仮死状態で閉じ込められる『眠れる森の美女』的な状況に追い込まれることもある。こうした理不尽な苦しみに、一人で抗うことは難しい。でも、損得勘定なしに「この私」を全力で肯定し、解放してくれる誰かが傍らにいてくれたら、立ち向かうことができる。自分一人ではどうにもならない状況に囚われた者を解放するのが「王子様」なら、私たちが「白馬の王子様」を待たない理由なんてない。それに、女が「王子様」になることだって、男が「お姫様」になることだって、あっていい。

 リ・ジョンヒョクは、その意味での「王子様」なのだ。象徴的な場面がある。

 ユン・セリは、社会的地位や事業の成功には恵まれているが、親やきょうだいとの関係は崩壊している。あるがままの自分を受け入れてもらえる居場所を持たない序盤の彼女は、孤独な城の中に自らを幽閉したお姫様のようにも私には映る。

 そんな彼女は、北朝鮮での不自由極まりないはずの生活の中で、「生きることが楽しいという感覚」を取り戻す。リ・ジョンヒョクや、彼に忠実で心優しい隊員たちと出会い、食卓を共にし、あわやというピンチも、皆で知恵や力を出し合うことで何度でも乗り越えた。不自由なはずの環境で、精神的には自由を得たのだ。

 だが、38度線に隔てられている彼らにはやがて別れが訪れることが決まっている。また元の生活に戻るユン・セリに向かって、リ・ジョンヒョクは、こんな言葉をかける。

「孤独にはなるな」「そばにいなくても、君が寂しくないように――いつも思ってる」

 日々を豊かに過ごすうちに「僕のことは忘れても構わない」とまで言い切る。これは、彼女を所有しようとするのではない、ただ“孤立の檻”から解き放ってやりたいという願いを言葉にした、彼の真骨頂だと私は思った。 

 この世界は、自らが望むか望まざるかにかかわらず、孤立状態に追い込まれがちだ。他人と親密な関係を築くことは一般的に好ましいこととされるが、現実はそう簡単ではないからだ。他者と共に生きようとすれば、一人でいれば無縁だった悩みも抱えることになる。生じた摩擦が、耐えがたいほどの痛みをもたらすこともある。金、権力、知性に恵まれたユン・セリなら、一人ぼっちでも取れる選択肢は多い。本当は孤立したかったわけではないが、ある種合理的な判断でもあったのだろう。そんな彼女に、心に他者を住まわせることの豊かさを思い出させたのはリ・ジョンヒョクだった。

 一方、物語が中盤に差し掛かってくると、今度はユン・セリのほうがまるで王子様のように、リ・ジョンヒョクの心を自由にしたり、危険から守ったりする描写も増えてくる。リ・ジョンヒョクもまた、“孤立の檻”に自分を閉じ込めていたからだ。

 彼は尊敬する兄をある「事故」で失った過去を持つ。しかし、その「事故」とされた悲劇の背後には、祖国の暗殺部隊の影が見え隠れする。愛する者の耐え難い死を経験したリ・ジョンヒョクは、彼が劇中で回想する通り「未来を夢見ることをやめ、誰も愛さなかった」のだ。ユン・セリが彼の世界に、不時着するまでは。

どうして私はリ・ジョンヒョクになりたいのか?

 男女のロマンチックラブストーリーといえば、主役カップルの恋模様に焦点が集中していくものだが、このドラマでは「恋愛」だけでなく、2人が心を開いてこそ見えてくる周囲の人々との間の多様な愛も、魅力的に描かれる。分断ばかりが目につく時代に愛の力を肯定する、心温まるドラマだろう。

 そんなドラマに登場するリ・ジョンヒョクに対して「憧れ」の気持ちが生まれるのは、少なくとも私にとっては、彼が女性の求めるタイミングで颯爽と助けにきてくれるからでも、かいがいしく麺をゆでるスキルを持っているからでもない。

 当たり前に異なる他者同士であるリ・ジョンヒョクとユン・セリが出会い、互いの心を解放し合う。王子様とお姫様を軽やかに行き来しながら、男だとか女だとかいうラベルは、もはや意に介すそぶりもない。力を合わせて困難を乗り越えながら、「生きている実感」を確かなものにしていく2人の姿が、ただカッコよくて美しいのだ。

 だから私は、リ・ジョンヒョクみたいに誰かの心を解放するような「王子様」になりたい。この決意を新たにするために、何周目か分からない視聴を今後も続けるだろう。

■加藤藍子(かとう・あいこ)
1984年生まれ、フリーランスの編集者・ライター。 慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、全国紙の新聞記者、 出版社などを経て独立。働き方、ジェンダー、アート、 エンターテインメントなど幅広い分野で取材・随筆を行う。

韓国ドラマ『愛の不時着』、30代女性が「リ・ジョンヒョクになりたい!」ワケ――周囲に大笑いされた“欲望”とは?

 今年2月からNetflixで配信されている、韓国の人気ドラマ『愛の不時着』。日本でも大ヒットし、タレントの笑福亭鶴瓶や黒柳徹子、藤田ニコルら多数の著名人が「ハマった」ことを公言している。そんなドラマの魅力は、一体どこにあるのだろうか? ジェンダーやエンターテインメントに詳しい加藤藍子氏に、“恋愛”だけではない本作の魅力について寄稿していただいた。

【※以下、ネタバレを含みます※】

 韓国ドラマ『愛の不時着』ブームが止まらない。2020年2月後半にNetflixで配信開始以来、総合トップ10入りを保持。全話鑑賞したファンは「不時着ロス」を避けるべく周回視聴を続け、7月に入っても、Twitterの鑑賞実況用ハッシュタグがトレンド入りすることもあったほどだ。なぜこんなに、熱狂するのか。

 物語は、韓国の財閥令嬢で、企業経営者でもあるヒロインのユン・セリが、パラグライダー飛行中に竜巻に巻き込まれ、あろうことか38度線を越えて北朝鮮に不時着してしまうところから始まる。そこで出会うのが、北朝鮮のエリート将校リ・ジョンヒョクだ。

 「北」には、少なくともこのフィクションで描かれている限りでは、法治という概念が存在しない。当局に見つかれば、速攻で殺されるかもしれない極限状態の中、リ・ジョンヒョクはユン・セリをかくまい、あの手この手で南への帰還を助ける。その過程で2人の間に愛が芽生えるという、設定は斬新だが、「胸キュン」の王道はがっちりとつかんだラブストーリーだ。

『愛の不時着』は男女の役割が逆転するから“胸キュン”ではない!

 このドラマについてのレビューや評論では、女性のために粉からこねた麺で料理をつくったり、コーヒーを淹れたりするリ・ジョンヒョクの振る舞いが度々注目され、「性別役割分業が逆転している描写が素晴らしい」とされているのを見かける。それはそうだが、私たちは「性別役割分業が逆転すれば、胸キュンする」というわけではない。

 見始めるやいなや熱狂した一人である私の中には、別の強い感情が湧いた。大切にされるだけじゃ、我慢できない。私はリ・ジョンヒョクになりたい、と。それは彼の存在が、「男だから/男なのに」というラベルを剥がしても成立する魅力を持っていたからではないか。

「リ・ジョンヒョクが、完璧すぎますよね。まあ、あんな王子様、現実にはなかなか存在しないですけど!」

 コロナ禍の緊急事態宣言が解除された6月、久しぶりに髪を切りに出かけたら、私と同い年の美容師さんが興奮気味に話を振ってきた。もはや、珍しいことではない。外へ出かけると、しょっちゅう「不時着見た?」という会話が聞こえてくる。カフェで隣席に座っている男性が、友人とみられる女性に、大げさな身振りで「リ・ジョンヒョク名場面」を再現しているのも見かけた。このドラマの最高なところはたくさんあるのだが、そんな「不時着済み」の人たちの間で「これはまあ、言うまでもなく前提なんだけど……」という共通認識になっているのが「リ・ジョンヒョクが最高にかっこいい」という真実だ。

 そのリ・ジョンヒョクに、私がなりたい、と思ってしまう――。この欲望を周囲に打ち明けると、大笑いされることが多い。無理もない。私は腕っぷしにも体力にも不安のある、気は強いが一見おとなしそうな30代女性だ。一方のリ・ジョンヒョクは、軍人らしい堂々たる肩幅。ネタバレになるが、ユン・セリを守るために銃弾を受け、どうにか一命を取り留めて間もない重傷状態にあってなお、数人の敵を一人でなぎ倒せるレベルの戦闘力がある。軟弱そうな女が、頑強な完璧男を目指すと豪語する。そのギャップが笑いを誘うのだろう。

 でも、違うのだ。私は決してマッチョになりたいんじゃない。美容師さんが「王子様」と表現したときに、もしかしたら彼女も潜在的に求めていたかもしれない、男とか女とかを超越した存在に、憧れるのである。

 ところで「王子様」とは何か。「私を選び、幸せにしてくれる男性」というイメージが一般的だろう。しかし、私たちが王子様にどうしたって憧れてしまうのは、そんな表面的な理由からではないだろう。王子様とは、ありのままの自分を愛し、守ってくれる他者の象徴とみることだってできる。

 おとぎ話は、しばしば世界の本質を突いている。この世は、例えば『シンデレラ』のように、ただ善く生きたいだけなのに虐げられることがある。あらぬ方向から憎しみを受けて、気が付いたら茨の城に仮死状態で閉じ込められる『眠れる森の美女』的な状況に追い込まれることもある。こうした理不尽な苦しみに、一人で抗うことは難しい。でも、損得勘定なしに「この私」を全力で肯定し、解放してくれる誰かが傍らにいてくれたら、立ち向かうことができる。自分一人ではどうにもならない状況に囚われた者を解放するのが「王子様」なら、私たちが「白馬の王子様」を待たない理由なんてない。それに、女が「王子様」になることだって、男が「お姫様」になることだって、あっていい。

 リ・ジョンヒョクは、その意味での「王子様」なのだ。象徴的な場面がある。

 ユン・セリは、社会的地位や事業の成功には恵まれているが、親やきょうだいとの関係は崩壊している。あるがままの自分を受け入れてもらえる居場所を持たない序盤の彼女は、孤独な城の中に自らを幽閉したお姫様のようにも私には映る。

 そんな彼女は、北朝鮮での不自由極まりないはずの生活の中で、「生きることが楽しいという感覚」を取り戻す。リ・ジョンヒョクや、彼に忠実で心優しい隊員たちと出会い、食卓を共にし、あわやというピンチも、皆で知恵や力を出し合うことで何度でも乗り越えた。不自由なはずの環境で、精神的には自由を得たのだ。

 だが、38度線に隔てられている彼らにはやがて別れが訪れることが決まっている。また元の生活に戻るユン・セリに向かって、リ・ジョンヒョクは、こんな言葉をかける。

「孤独にはなるな」「そばにいなくても、君が寂しくないように――いつも思ってる」

 日々を豊かに過ごすうちに「僕のことは忘れても構わない」とまで言い切る。これは、彼女を所有しようとするのではない、ただ“孤立の檻”から解き放ってやりたいという願いを言葉にした、彼の真骨頂だと私は思った。 

 この世界は、自らが望むか望まざるかにかかわらず、孤立状態に追い込まれがちだ。他人と親密な関係を築くことは一般的に好ましいこととされるが、現実はそう簡単ではないからだ。他者と共に生きようとすれば、一人でいれば無縁だった悩みも抱えることになる。生じた摩擦が、耐えがたいほどの痛みをもたらすこともある。金、権力、知性に恵まれたユン・セリなら、一人ぼっちでも取れる選択肢は多い。本当は孤立したかったわけではないが、ある種合理的な判断でもあったのだろう。そんな彼女に、心に他者を住まわせることの豊かさを思い出させたのはリ・ジョンヒョクだった。

 一方、物語が中盤に差し掛かってくると、今度はユン・セリのほうがまるで王子様のように、リ・ジョンヒョクの心を自由にしたり、危険から守ったりする描写も増えてくる。リ・ジョンヒョクもまた、“孤立の檻”に自分を閉じ込めていたからだ。

 彼は尊敬する兄をある「事故」で失った過去を持つ。しかし、その「事故」とされた悲劇の背後には、祖国の暗殺部隊の影が見え隠れする。愛する者の耐え難い死を経験したリ・ジョンヒョクは、彼が劇中で回想する通り「未来を夢見ることをやめ、誰も愛さなかった」のだ。ユン・セリが彼の世界に、不時着するまでは。

どうして私はリ・ジョンヒョクになりたいのか?

 男女のロマンチックラブストーリーといえば、主役カップルの恋模様に焦点が集中していくものだが、このドラマでは「恋愛」だけでなく、2人が心を開いてこそ見えてくる周囲の人々との間の多様な愛も、魅力的に描かれる。分断ばかりが目につく時代に愛の力を肯定する、心温まるドラマだろう。

 そんなドラマに登場するリ・ジョンヒョクに対して「憧れ」の気持ちが生まれるのは、少なくとも私にとっては、彼が女性の求めるタイミングで颯爽と助けにきてくれるからでも、かいがいしく麺をゆでるスキルを持っているからでもない。

 当たり前に異なる他者同士であるリ・ジョンヒョクとユン・セリが出会い、互いの心を解放し合う。王子様とお姫様を軽やかに行き来しながら、男だとか女だとかいうラベルは、もはや意に介すそぶりもない。力を合わせて困難を乗り越えながら、「生きている実感」を確かなものにしていく2人の姿が、ただカッコよくて美しいのだ。

 だから私は、リ・ジョンヒョクみたいに誰かの心を解放するような「王子様」になりたい。この決意を新たにするために、何周目か分からない視聴を今後も続けるだろう。

■加藤藍子(かとう・あいこ)
1984年生まれ、フリーランスの編集者・ライター。 慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、全国紙の新聞記者、 出版社などを経て独立。働き方、ジェンダー、アート、 エンターテインメントなど幅広い分野で取材・随筆を行う。

「痛々しくなりそう!」「見なくても想像つく」早くも批判続出の4月期ドラマ3作

Sexy Zoneの中島健人とKing&Princeの平野紫耀が、4月スタートの土曜ドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)でダブル主演を務める。警察学校の生徒である2人が“最強バディ”となり、難事件に挑む予測不能なクライムサスペンスだ。

「早くもファンの間で期待が高まる一方で、ネット上では韓国映画のリメーク作なのに、その表記がないことについて批判や疑問の声が上がっています。今回のドラマは、2018年に日本で公開された韓国映画『ミッドナイト・ランナー』のリメークとみて間違いないのですが、報道でさえも触れることはなく、マスコミ向けのリリースにも原作についての記載がなかったといいます」(芸能ライター)

 また、主演の2人は3月25日に放送される大型歌番組『Premium Music 2020』(同)で初MCを務めることが決定。ともに地上波でMCを務めるのは今回が初めてとなるが、抜てきの理由の背景にはドラマの番宣が絡んでいるといわれている。それだけに、ネット上では、「ドラマのための特番MCなんて、番組の私物化」「相変わらず日テレはジャニとズブズブ」といった声が後を絶たない。

 『未満警察』と同じく4月スタートのドラマの中には、13年ぶりの続編となる篠原涼子主演『ハケンの品格2』(同)もある。しかし、こちらも早々にげんなりした声が聞こえてきた。

「07年の放送時には、全話平均視聴率20.1%という高い数字を叩き出した超話題作で、前作から引き続き主演は篠原が務めます。派遣社員を題材とした作品で、篠原はどんなに大変な仕事でも勤務時間内に必ず仕上げ、会社に舞い込むピンチやトラブルを次々解決していく超人的なスキルの“スーパーハケン”を熱演し、好評でした。ところが、13年ぶりの続編には『篠原涼子がデキる女を演じるのは、もうおなかいっぱい』『年下男との恋愛とか絡めてきそうで、痛々しくなりそう』『アラフィフ独身非正規の女なんて、将来大丈夫かな? と心配になる』と悲観的な声が目立ちます」(同)

 フジテレビのドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』にも注目が集まっている。主演を務めるのは、このところ主演ドラマの低迷が続いている石原さとみ。

「同作は、『月刊コミックゼノン』(徳間書店)で18年から連載されている、荒井ママレ氏の漫画『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』が原作で、主に患者の薬の調剤、製剤を行う“病院薬剤師”たちの知られざる舞台裏を描いています。かつて石原は、主演した連ドラが4作連続でヒットを放ち“高視聴率女優”と称されてきました。しかし、18年7月期主演の『高嶺の花』(日本テレビ系)、昨年7月期『Heaven?~ご苦楽レストラン~』(TBS系)が2作連続で大コケ。“主役級女優”という立場が危うくなりつつある石原、このドラマに女優人生を懸けて臨むことになりそうです」(同)

 しかし、ネット上では、「見なくてもどういう演技か想像つく」「口数少ない役か、まくしたてる系のどちらかしか演技できない」「もう石原さとみには飽きたよ」との意見が上がっている。 

 これらのほか、4月期ドラマは各局で大物俳優のドラマが揃っている。番組たスタートすれば、視聴率争奪戦でも話題を振りまきそうだ。

『恋つづ』最終回15.4%と自己最高も、佐藤健の“ドS”プロポーズに「実際は嫌」「あり得ない」と本音も

 上白石萌音、佐藤健が出演する火曜ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)の最終回が3月17日に放送され、平均視聴率15.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。自己最高を更新し、視聴者からは「天堂ロス」や「恋つづロス」を訴える声が上がっているが、佐藤が演じたドSキャラに、女性視聴者からは「リアルならあり得ない」「実際は嫌」といった本音も聞こえてきている。

 同作は、新人看護師の佐倉七瀬(上白石)とドS医師の天堂浬(佐藤)の2人が繰り広げる、病院を舞台にしたラブストーリー。放送回を重ねるごとにドSキャラの天堂にハマる人が続出し、ネット上では2人の胸キュンシーンが毎週話題になっていた。

「最終回では、海外留学をする佐倉を見送りに行った天堂が、空港でティファニーの指輪を取り出し、『戻ってきたら俺と結婚しろ』とプロポーズ。この“上から目線”の愛の告白に、ネット上では『私も天堂先生にこう言われたい人生だった』『天堂先生らしい。最高すぎる!』と羨ましがる視聴者が続出していました」(芸能ライター)

 ただ、実際はというと「ドラマだから許される」「現実ではこんな人絶対いやだ」と女性たちの本音は違うようだ。

「あくまでも、ドラマの世界だから楽しめるというだけで、現実は『天堂みたいな人とは付き合えない』『天堂先生みたいな人に「バカ!」って言われたいけど、本気で彼氏に言われたらブチ切れる』と、実際の理想像とは違うという視聴者が多いようです。ちなみに、ラストで天堂が佐倉に渡した婚約指輪は、500万円以上するティファニーの一粒ダイヤ『セッティング エンゲージメント リング プラチナ』ではないかと言われており、『羨ましい!!』『私も欲しい!』という声も上がっています。これはこれで、女性の本音かもしれませんが、一部では、『指輪は自分で選びたい』という声も見受けられましたが……」(同)

 佐藤のドS医師役が話題になった一方、毎熊克哉演じる循環器内科の医師・来生晃一も、女性視聴者からの支持率が高く、「天堂派」と「来生派」で人気を二分していた。

「来生は、ドSの天堂とは正反対の“優男”で、佐倉が困っているときにさりげなく手を差し伸べてくれるだけではなく、いざというときにはストレートに告白する“男気”も持っている男性です。そのため、ネット上では、『付き合うなら断然来生先生』『実際にモテるのは来生先生』とも言われていました」(同)

 放送開始前は、ゴールデン・プライム帯初主演の上白石が“主演級俳優”の佐藤の相手役を務めるというキャスティングに異論を唱える声も多かったが、終わってみれば、ネット上では「佐倉役、意外とよかった」「この2人で続編が見たい」という声も見受けられる。とはいえ、現実世界ではドSキャラがモテるわけではないということを、世の男性陣はしっかりと理解しておいたほうがよさそうだ。

『恋つづ』最終回15.4%と自己最高も、佐藤健の“ドS”プロポーズに「実際は嫌」「あり得ない」と本音も

 上白石萌音、佐藤健が出演する火曜ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)の最終回が3月17日に放送され、平均視聴率15.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。自己最高を更新し、視聴者からは「天堂ロス」や「恋つづロス」を訴える声が上がっているが、佐藤が演じたドSキャラに、女性視聴者からは「リアルならあり得ない」「実際は嫌」といった本音も聞こえてきている。

 同作は、新人看護師の佐倉七瀬(上白石)とドS医師の天堂浬(佐藤)の2人が繰り広げる、病院を舞台にしたラブストーリー。放送回を重ねるごとにドSキャラの天堂にハマる人が続出し、ネット上では2人の胸キュンシーンが毎週話題になっていた。

「最終回では、海外留学をする佐倉を見送りに行った天堂が、空港でティファニーの指輪を取り出し、『戻ってきたら俺と結婚しろ』とプロポーズ。この“上から目線”の愛の告白に、ネット上では『私も天堂先生にこう言われたい人生だった』『天堂先生らしい。最高すぎる!』と羨ましがる視聴者が続出していました」(芸能ライター)

 ただ、実際はというと「ドラマだから許される」「現実ではこんな人絶対いやだ」と女性たちの本音は違うようだ。

「あくまでも、ドラマの世界だから楽しめるというだけで、現実は『天堂みたいな人とは付き合えない』『天堂先生みたいな人に「バカ!」って言われたいけど、本気で彼氏に言われたらブチ切れる』と、実際の理想像とは違うという視聴者が多いようです。ちなみに、ラストで天堂が佐倉に渡した婚約指輪は、500万円以上するティファニーの一粒ダイヤ『セッティング エンゲージメント リング プラチナ』ではないかと言われており、『羨ましい!!』『私も欲しい!』という声も上がっています。これはこれで、女性の本音かもしれませんが、一部では、『指輪は自分で選びたい』という声も見受けられましたが……」(同)

 佐藤のドS医師役が話題になった一方、毎熊克哉演じる循環器内科の医師・来生晃一も、女性視聴者からの支持率が高く、「天堂派」と「来生派」で人気を二分していた。

「来生は、ドSの天堂とは正反対の“優男”で、佐倉が困っているときにさりげなく手を差し伸べてくれるだけではなく、いざというときにはストレートに告白する“男気”も持っている男性です。そのため、ネット上では、『付き合うなら断然来生先生』『実際にモテるのは来生先生』とも言われていました」(同)

 放送開始前は、ゴールデン・プライム帯初主演の上白石が“主演級俳優”の佐藤の相手役を務めるというキャスティングに異論を唱える声も多かったが、終わってみれば、ネット上では「佐倉役、意外とよかった」「この2人で続編が見たい」という声も見受けられる。とはいえ、現実世界ではドSキャラがモテるわけではないということを、世の男性陣はしっかりと理解しておいたほうがよさそうだ。