パワハラ野郎のモデルは脚本家の遊川和彦自身!? 杉咲花えもんが解決『派遣占い師アタル』第4話

 誰もが抱える職場での悩みやトラブルを、占いパワーで解決してしまう杉咲花主演ドラマ『派遣占い師アタル』(テレビ朝日系)。当たり外れの激しいベテラン脚本家・遊川和彦のシナリオも、今のところは順調です。同僚たちから鼻つまみ者となっていたオッサン社員が一刀両断された第4話を振り返ってみましょう。

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 かつて天才占い少女として騒がれたアタル(杉咲花)ですが、現在は派遣社員として都内のイベント会社に通っています。今回、アタルが鑑定することになるのは、40代になるチームリーダーの上野(小澤征悦)です。10年前に伝説のイベントを成功させましたが、その後は部下を大声でドヤしつけるだけで、職場ではウザがられる存在となっています。妻とは5年前に離婚し、中学生になる娘(桜田ひより)からも相手にされなくなりました。イライラが募り、ますます声がデカくなる一方の上野です。かつて天才占い少女として騒がれたアタル(杉咲花)ですが、現在は派遣社員として都内のイベント会社に通っています。今回、アタルが鑑定することになるのは、40代になるチームリーダーの上野(小澤征悦)です。10年前に伝説のイベントを成功させましたが、その後は部下を大声でドヤしつけるだけで、職場ではウザがられる存在となっています。妻とは5年前に離婚し、中学生になる娘(桜田ひより)からも相手にされなくなりました。イライラが募り、ますます声がデカくなる一方の上野です。

 いつものごとくお調子ものの代々木部長(及川光博)が現われ、上野ご指名での案件が届いていることを告げます。10年前に上野が成功させた伝説のイベントのクライアント社の社員が起業したので、その初イベントを上野にお願いしたいという内容でした。これには上野、大張り切り。10年前のスタッフジャンパーを羽織り、イベントの記念品を机に飾り直し、伝説をもう一度再現しようと意気込みます。

 いつもは品川(志尊淳)が上野のアシスタントを務めていましたが、第3話で品川が上野をパワハラ告発したため、上野のアシスタントから外れています。やる気はあるものの仕事がまるでできない目黒(間宮祥太朗)と妊娠中の神田(志田未来)が上野の下で動きますが、思うようには仕事は進みません。10年前に伝説のイベントを一緒にやった社外スタッフからは仕事を断られ、孤立感を深めていく上野です。そんな上野のことを不憫そうに見つめるアタルでした。

 

■自覚がないところがパワハラ野郎!

 徹夜で企画書を書き上げた上野ですが、クライアントからの返事に落ち込んでしまいます。上野を指名してきた社長から「10年前のイベントの焼き直しにしかすぎない」と酷評されてしまったのです。しかも自分に直接言わずに、大崎課長(板谷由夏)を通して知らされたことに、上野は大ショックを受けてしまいます。

 上野にとって唯一の自慢だった“伝説のイベント”を、そのイベントを一緒に成功させたクライアントから完全否定され、上野は自暴自棄に陥ります。親会社から出向してきた代々木部長に向かって「俺はあんたのことを上司として認めていない」と暴言を吐き、さらに目黒、神田、品川たちに「なんで、お前たちみたいな奴らと仕事しなくちゃいけないんだよ。俺はもっと優秀なスタッフと仕事がしてぇんだよ」と当たり散らします。会社員として言ってはいけないことを口にしてしまった上野でした。

 上野は自分が感じたことをそのまま言葉にしているだけで、悪意はありません。苦言を吐くことで、若手社員たちが伸びてくれることを期待しています。自覚がないあたり、実に典型的なパワハラ野郎です。上野のキャラクターがひどくリアルに感じられるのは、脚本家の遊川和彦自身の姿と重なるからではないでしょうか。2012年に放映されたNHK朝ドラ『純と愛』のヒロインを演じた夏菜に対して、脚本だけでなく演出面にも口を出した遊川のダメ出しが繰り返されたそうです。愛の鞭のつもりだったダメ出しですが、夏菜は精神崩壊寸前となり、トイレに閉じこもったと言われています。上野=遊川和彦のパワハラ気質は、はたして治すことができるのでしょうか?

 行きつけの居酒屋で上野が悪酔いをしていると、神田、目黒、品川が現われます。会社から姿を消した上野のことが心配になったのです。アタルに鑑定してもらうことを勧める3人でしたが、上野は「助けてくれって言葉が俺はいちばん嫌いだ」と断ります。このとき、いつもは口数の少ない品川が「後悔してもいいのかよ、ジジイッ!」と一喝するのでした。アタルに占ってもらってから、品川たちは目には見えない形で少しずつ変わり始めていたのです。

■オッサンが失ったのは才能ではなかった……

 毎晩のように自分で掘った穴に生き埋めになる悪夢にうなされていた上野は、結局はアタルに鑑(み)てもらいます。上野からの質問は以下の3つです。

1) 俺のなくした携帯電話はどこにある?
2) なんで俺は周りの奴らに嫌われているの?
3) 俺はまた伝説のイベントをやることができる?

 今回のアタルの鑑定結果も冴えていました。1)の答えは、希望と携帯電話はすぐなくすけど、よく探せば近くにあるとのこと。携帯電話をすぐなくす人は、一緒に希望も見つけたいものですね。

2)の答えは「他人を叱るには、資格がいる」でした。上野にはその資格がないというわけです。他人に説教をしている暇があれば、自分磨きに時間を費やせとアタルは説きます。ごもっともな回答に、思わずうなずく上野でした。

3)の答えを導くために、アタルは例によって上野の記憶の水脈を遡上します。子どもの頃の上野は親戚が集まる場で手品を披露し、みんなを喜ばせるのが楽しかったことを思い出します。ですが、次第にみんなを喜ばせるよりも、自分がすごいと言われることに快感を感じるようになってしまったのです。アタルは言い放ちます。「伝説のイベントをDVDで見たけど、伝説と呼ぶほどのもんじゃねぇよ。でも、あんたはいい顔してた。みんなを喜ばせたいという情熱とやる気が溢れていた。失ったのは才能じゃなくて、あのときの気持ちだよ」と。

 アタルの鑑定によって、上野はすっかり心を入れ替えます。メールの返信をしなくなった娘からも「いつかパパの職場を見学に行っていい?」とうれしいメールが届きます。上野だけでなく、職場のみんなも大喜びです。この日をきっかけに、上野は伝説のイベントのスタッフジャンパーと記念品を処分するのでした。

■後半戦にゲスト出演してほしいアノ人

 杉咲花がまるで『ドラえもん』のように職場の問題をいっきに解決してしまうお決まりの定番ストーリーだった第4話。いじめっ子のジャイアンがすっかり改心して、のび太と仲良くなったようなエピソードでした。そんな第4話の視聴率は10.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。これで初回から4週連続で二ケタキープ、しかも第3話の10.0%から0.3ポイントのアップです。

 今回、上司が部下から評価される「360度フィードバック」が話題として取り上げられましたが、上司への厳しい意見はなかなか下の立場の人間は言えないもの。上野のパワハラ上司ぶりを、アタルが巧みに更生させた第4話にスッキリ感を覚えた視聴者は多かったようです。DVD化されたら、中間管理職の研修ビデオに使われそうなエピソードでした。

 過去の成功体験にすがることをやめた上野の姿は、脚本家の遊川和彦が自分自身の戒めとして描いているように思えた第4話でした。現在は相席スタートの山﨑ケイのエッセイを原作にした深夜ドラマ『人生が楽しくなる幸せの法則』(日本テレビ系)に主演している夏菜ですが、遊川作品に再び出演する日は訪れるのでしょうか。占いを信じてボロボロになった元信者役を演じれば、ぴったりハマリそうですけど。
(文=長野辰次) 

『刑事ゼロ』名作ミステリーのごった似展開で沢村一樹が“浅見光彦”化?

 沢村一樹が記憶喪失になってしまった刑事役で主演を務めるドラマ『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)の第5話が7日に放送され、平均視聴率10.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.4ポイントダウンとなりました。

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 京都の山奥にある八咫神(やたがみ)村で、崖の上から村役場の職員・浅木浩太郎(大高洋夫)が転落死した事件を調査するため、京都府警捜査一課刑事の時矢暦彦(沢村)は、新人刑事の佐相智佳(瀧本美織)とともに村を訪れます。

 村人の小野千秋(大後寿々花)や羽山敬太(尾上寛之)、村長の森幸介(佐戸井けん太)の話によれば、500年前に村を襲った野武士が、“八咫神様”という神様の祟りによって崖の上にある鳥居に向かって走り、そのまま転落死したという伝説があるとのこと。そして、浅木の死体もちょうど、崖の下の河原の流木が集まった地帯で見つかったため、村人たちは八咫神様の祟りだと怯えるのです。

 実は1年前にも、何やら怪しげな行動が目立った消防団長の飯田透(太田雅之)が転落死し、その事件後に娘のサチコが行方不明になったことを千秋から聞かされた時矢は、伝説に見立てた殺人なのではないかと疑います。

 一方、時矢をライバル視する同僚の福知市郎(寺島進)は、半年前に時矢が解決できなかった事件の再捜査を開始。時矢の鼻を明かしてやろうとの魂胆だったのですが、その被害者がサチコであることや、犯人が浅木であることが判明したため、八咫神村で時矢と共同捜査をすることになります。

 その時矢は、転落死の正体が、崖の上に行く際に村人たちが清めのために食べるフキノトウを、狂乱作用のある毒草・ハシリドコロに犯人がすり替えたことによるものではないかと推測。新たな事件を防ぐため、鳥居のすぐ前にある門で夜を明かすことにします。

 ところが翌朝、崖の下で森が転落死しているのが発見。鑑定の結果、胃の中にハシリドコロはなく、時矢の推理は破綻してしまいます。しかし、森の指先に、村から6時間離れた福井県の山奥にしか生息していない植物のトゲが刺さっていることから、時矢は真犯人とトリックに気づくのでした。

 一方、サチコが殺される前の行動を追っていた福知は、風力発電事業のために村を売ろうと画策していた森と浅木を追及した結果、飯田親子が殺されてしまったことを突き止めます。

 それらの事実から時矢は、サチコに想いを寄せていた羽山が、復讐のために森と浅木を殺したと推測。福井県の山奥から小さなイカダに乗せて死体を流し、ちょうど崖の下の流木が集まる地帯でイカダが破壊。そこに死体が留まることから転落死に見え、しかもアリバイも確保できるというトリックだったのです。そして、羽山がこの推理を認めたことで一件落着となりました。

 防犯カメラの映像解析ソフトを操作することで“透明人間”をつくりだす近代的なトリックが用いられた前回から一転して、今回は人里離れた村で起こる古めかしい伝説を見立てた殺人事件の捜査となったのですが、ただ単に名作ミステリーのごった煮といった印象しかありませんでした。

 沢村は、ミステリー作家・内田康夫の推理小説が原作の『浅見光彦シリーズ』で主演を務めていた時期があるだけに、そのパロディにも思えました。全体的に緊張感がないですし、記憶喪失という設定もいつの間にか添え物みたいになっちゃっているんですよね。記憶を失う前の時矢とは雰囲気が全然違うのに、周囲の人間はどうして気づかないの? と疑問に思ってしまいます。

 これまでの回でも思わず唸るような目新しいトリックは出てきませんでしたが、今回に関してはあまりにチープすぎて愕然としてしまいました。死体を小さなイカダに乗せて流し、ちょうど同じ場所で留まるようにするなんて可能なのでしょうか? 八咫神様もビックリの神業ですよね。

 また、羽山は村から車で6時間も離れた福井県の山奥まで村長を連れて行き、そこで殺害したということですが、どうやって誘い出したんですかね? ピクニックへ行こうとでも持ち掛けたのでしょうか? 村で殺害して運んだならわかりますけど、移動の間、2人はどんな会話をしたのだろうかと、そのことばかりが気になってしまいました。

 次回は、殺人の容疑者が事件のショックによって記憶喪失になってしまう展開とのことで、時矢が20年分の刑事生活の記憶を失った特異な設定を上手く絡ませることができるか見ものです。というよりも、ここで活かさなければ、ただのよくある刑事ドラマになってしまうので、ターニングポイントになることを期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

視聴率ジリ貧のテレ朝『報ステ』富川悠太アナが降板の可能性も……

 テレビ朝日上層部で、同局の看板報道番組『報道ステーション』のメインキャスターを務める富川悠太アナの降板が取りざたされているという。同局内で、いったい何が起きているのだろうか?

 同番組は、昨年10月に大胆なリニューアルを敢行。7年半もサブキャスターを務めてきた小川彩佳アナを降板させ、後任にウッチャンナンチャン・内村光良と“不倫略奪婚”した、徳永有美アナ(フリー)をよもやの起用。富川&徳永の担当は月~木曜とし、金曜は小木逸平アナと竹内由恵アナがMCを務める体制に変わった。また、スポーツに力を入れるため、月~木曜の放送時間を5分長くした。

 しかし、4カ月たって、リニューアルはおおむね失敗。同番組には、『ニュースステーション』時代からの根強い固定視聴者が付いているとあって、極端な視聴率ダウンはしていないものの、ジリ貧状態が続き、先行きに暗い影が差しているのだ。

「なんといっても、富川&徳永コンビへの不満が視聴者にうっ積しているようです。徳永アナは、その起用が決まった時点で、『不倫をするようなアナウンサーを報道に使うべきではない』と、多くの視聴者から首をかしげられてしまいました。進行こそ無難に務めていますが、視聴者の反発はいまだに強いのです。また、その美貌や脚、腕、肩の露出などで男性ファンを楽しませてきた小川アナがいなくなったのは痛いですね。かつては、美人アナとして鳴らした徳永アナではありますが、すでに43歳で、今やすっかり普通のオバサンです。服装も極めて露出の少ないものを選んでいるため、男性視聴者のイライラは募っているようです。とはいえ、徳永アナの起用は、一部上層部のプッシュを受けてのものですから、そう簡単には降板させられません。そうなると、ジリ貧状態を打破するべく、富川アナの降板が検討されているようです」(スポーツ紙記者)

 富川アナは古舘伊知郎アナがメインキャスターを務めていた時代には、レポーターとして、全国を飛び回り、さわやかな雰囲気で好感度が高かった。2016年4月に、古舘アナからバトンを受け取ってからも、評価は変わらず、人気は上昇。17年12月に発表された『第13回好きな男性アナウンサーランキング』(オリコン調べ)では5位にランクインするほどだった。

 ところが、「小川アナいびり疑惑」が報道されると、好感度は急降下。昨年12月発表の『第14回好きな男性アナウンサーランキング』(同)では、トップ10圏外に消えるほどで、すっかり“嫌われ者”と化してしまった。

「小川アナが降板後の『報ステ』は、富川アナが笑うシーンも目立ち、硬派の報道番組ではなくなってきました。リニューアル後、過剰にスポーツを取り上げている点も不評の要因の一つですが、これは20年東京五輪に向けた方針なので、変更されることはないでしょう。徳永アナはやめさせられないとなると、選択肢は富川アナを降板させるしかないのです」(同)

 上層部では、まだ結論が出ていないようだが、落とした視聴率を再び引き戻すべく、4月からは富川アナが姿を消す可能性もありそうだ。
(文=田中七男)

日本版『24』、ジャック・バウワー役は「誰もやりたくない」? 女性首相役には米倉涼子説も

 人気海外ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』の日本版リメークとなる『24 Japan』が、2020年に開局60周年記念番組としてテレビ朝日で放送される。世界的な人気を誇る有名作のリメークということで、主人公を誰が演じるのか、注目の的となっている。

 オリジナル版では、キーファー・サザーランド演じるテロ対策ユニット(CTU)の捜査官ジャック・バウワーが主人公だったが、日本版でも同様にテロと戦う捜査官が主人公になるという。

「アクションシーンが多いドラマなので、肉体派の俳優が主人公になるであろうといわれています。一部では、堺雅人や阿部寛などといった名前も、候補として挙がっているようです」(テレビ誌ライター)

 しかし、日本版ジャック・バウワーを演じるにあたっては、さまざまな条件があるという。

「アクションシーンのほか、特殊効果も多く使うでしょうし、撮影期間は通常のドラマや映画よりも長くなる予定なので、1年近くのスケジュールを押さえることができる俳優でないと難しい。そうなると、人気が高い主演クラスの俳優は、ドラマや映画など、いろいろな作品に追われているだろうから、ちょっと難しそうですね。また、あまりにも注目度が高い作品なので、もし評価が低かったり、視聴率が悪かったりしたときに、大バッシングを受ける可能性が高い。しかも、オリジナル版と比べられるわけだから、余計にハードルが高くなって、叩かれやすくもなるはず。そういう意味では、日本版『24』への出演は、ものすごくハイリスクです。すでにメイン級になっている俳優は、キャリアに傷をつけたくないということで、オファーを断る可能性もあるでしょう」(同)

 そういった条件を踏まえて、現状、主演の候補となり得るのは誰なのか?

「現時点で主演クラスではなく、2番手・3番手クラスの俳優が有力な気がします。たとえば、桐谷健太、東出昌大、ディーン・フジオカ、玉木宏といったあたりは、アクションもできそうだし、十分あり得るのでは」

 また、『24 Japan』では、史上初の女性総理が誕生するまでの24時間が描かれるが、この女性総理大臣の配役については、こんなウワサも。

「米倉涼子が最有力だといわれていますね。米倉は『ドクターX』シリーズの主演を務めるなど、まさにテレビ朝日の顔と呼ぶべき存在。テレ朝としても60周年記念ドラマにはぜひとも出演してほしいと考えているはずです」(テレビ局関係者)

 今年の夏頃には撮影が始まるともいわれている『24 Japan』。日本版ジャック・バウワーは絶賛されるのか、それとも“叩かれ役”になってしまうのか──。

美人女優・若村麻由美が宗教団体を主宰!? 女装もイケる志尊淳『ハケン占い師アタル』第3話

 仕事は人間関係が9割、なんて言葉をよく耳にします。職場の人間関係が順調なら、どんなにしんどい仕事でもけっこう出来ちゃうものです。遊川和彦のエグみ走った脚本で話題の、杉咲花主演のお仕事ドラマ『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)。面倒くさい職場の人間関係を、杉咲演じる派遣社員・アタルはどう解きほぐすのでしょうか。志尊淳がメインとなった第3話を振り返ってみましょう。

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 大学時代に演劇サークルに入っていた品川(志尊淳)は特にやりたい仕事が見つからず、何となくイベント会社に就職しました。採用してくれた会社で、何となく仕事を続けています。入社1年目の割にはソツなく仕事をこなしていますが、先輩の上野(小澤征悦)からは「覇気がない」と小言を言われる毎日です。しかも上野は会社が終わった後も品川を呑みに誘い、「俺が若い頃はなぁ……」と同じ説教を繰り返します。品川は上野がウザくて仕方ありません。呑み代は割り勘なのか上野の奢りなのか、そこも気になるところです。

 そんなとき、大崎課長(板谷由夏)からキャリアシートを提出するように言われます。10年後、この会社でどのようなポジションにいるのか、キャリアプランを書いてこいというのです。10年間もこの仕事を続ける気がない品川は「無理です」といつものようにバリアを張るのでした。まぁでも、彼に限らず、同じ職場に10年後もいることを考えている人は少ないのではないでしょうか。よくいる、いまどきの若い会社員、それが品川くんです。

 

■パワハラ野郎vsコピペ人間

 例によって調子のいい上司の代々木部長(及川光博)が面倒な仕事を振ってきます。大手化粧品会社の新商品の試供品をサンプリングするというものです。この寒い時期に街頭に立って試供品を配り、しかもアンケートも回収しろとのこと。地味な割に体力を費やす仕事です。

 品川がこの企画の提案書を作成することになりました。品川はサクサクと提案書をまとめますが、この提案書に上野は不満顔です。パソコン上で見つけた文面をコピペして作ったものだったからです。コネ入社の目黒(間宮祥太朗)に対し「お前はAV男優みたいなもの」という大暴言を吐いた上野ですが、今回は品川が作成した提案書を本人の前でビリビリに破いてしまうのでした。絵に描いたような、とても分かりやすいパワハラ野郎ですね。

 品川の暗い情熱がほとばしります。上野から受けたパワハラ行為の数々をファイルにまとめ、代々木部長に提出するのでした。グラフまで入っており、かなりの力作です。普段はやる気を感じさせない品川ですが、イヤな会社の先輩をディスることに関しては、並々ならぬ能力を発揮してみせます。この情熱、仕事に活かせないものでしょうか。品川がパワハラを訴えたことから、職場の雰囲気は悪化する一方です。

 出世作『烈車戦隊トッキュウジャー』(テレビ朝日系)の超ポジティブだったトッキュウ1号から一転、自分のことしか考えないネガティブ人間を演じる志尊淳。かわいい系男子が大好きな人たちには、彼のいじけた表情もグッとくることでしょう。スピッツのように「キャンキャン」とよく鳴く目黒くんもいるし、ちょっと残念なイケメンを愛でたいという女性にはおすすめの職場です。

■無口なイケメンが頭の中で考えていることは……

 嫌なことがあると品川はついスマホでSNSを覗いてしまいます。声優を目指している恋人が頑張ってオーディションを受けてる様子をSNSにアップしているのを見て、逆にヘコんでしまう品川です。まぁ、同窓会と一緒でSNSは成功者たちのリア充自慢の場ですから。タイミング悪く、上野から「勤務中に何してんだ。現実逃避してんじゃねぇよ」と注意され、品川はブチ切れてしまいます。大学時代の同期たちが楽しそうにしているのに、つまらない職場にいる自分に我慢ならなかったのです。品川は黙って退社し、「一身上の都合で退職させていただきます」と職場へ一斉メールするのでした。

 ここで、ようやくアタル(杉咲花)の出番です。職場に退職願を提出するために改めて姿を見せた品川に、神田(志田未来)と目黒はアタルに占ってもらうよう勧めます。大学時代から交際していた恋人からも去られて、落ち込んでいた品川はあまり気乗りしないまま、アタルに鑑(み)てもらうことになります。

 品川の3つの質問はこんな感じです。

1)嫌な上司がいるけど、どーすればいい?
2)ここは俺のいるべき場所?
3)他の奴らは、今の仕事が正解だって分かっているの?

 普段、口数の少ない人は頭の中ですごいことを考えているように思われがちですが、品川の場合は大したことは考えていなかったようですね。

 アタルの回答はこうです。

1)の上司の問題ですが、嫌な上司はどこの職場にもいるから、どうしようもない。品川のことを心配してくれる同僚たちのいる職場は他にはないよという助言でした。

2)の質問に答えるために、アタルは品川のトラウマとなっている過去の記憶を探ります。品川にとっての大きなトラウマは、大学時代の演劇サークルでした。演劇の世界に夢を託していた品川ですが、稽古中に仲間と意見が衝突してしまいます。自分の考えが通らなかった品川は「どうせ演劇じゃ、一生食べていけねぇし」という捨て台詞を吐いて、公演に参加することなくサークルを去ったのでした。

「逃げてばかりだと、自分の居場所なんか見つからないよ」

 自分自身が気にしていたことを、アタルにズバリと言い当てられた品川でした。3)の答えも秀逸です。将来のことなんて分かっている人は誰もいません。分からない人生の答えを、スマホ検索でちゃちゃっと見つけようとしたり、困ったことがあったら他人に責任転嫁している限りは、永遠に人生の答えは見つからないよというアタルの金言でした。童顔のアタルですが、彼女はいったい何歳なんでしょうか?

 

■若村麻由美に宗教団体の代表を演じさせるエグさ

 雪が降るサンプリング会場。大崎課長や田端(野波麻帆)たちが声を掛けても、通行人たちは寒さもあって足を止めてくれません。そこへ、ひとりの美女が現われ、「え~、これ凄くいい! 試してみたい!!」と手にした試供品を絶賛します。女装した品川が、自主的にサクラ役を買って出たのです。演劇サークルは途中で辞めた品川ですが、サークルでの経験はまったくの無駄ではありませんでした。上野たちも泥くさく試供品を配り続け、ようやくサンプリングを無事に配布し終わります。

 現場に立ち会っていたクライアントの若手社員たちは「ありがとうございます」と頭を下げて感謝しています。彼女たちが本当に喜んでくれている様子を見て、ほろりと涙を流す品川でした。自分の居場所は探しまわるものではなく、自分で創り出すものなんだなと気づく品川でした。

 すっかり定番化したストーリー展開だった第3話でしたが、いつも冒頭に登場する謎の女性・キズナ(若村麻由美)がラストシーンにも再び現われます。真っ白い衣装を纏ったキズナは、スピリチュアル系の宗教団体をどうやら主宰しているようです。悩みを抱える人たちにありがたい言葉を授けることで、けっこうなお金をふんだくっているようです。

 無名塾出身、朝ドラ『はっさい先生』でブレイクした若村麻由美ですが、2003年に宗教団体の代表と結婚したことで大変な話題となりました。一時期はマスメディアから姿を消しましたが、2007年に宗教団体の代表が亡くなり、芸能活動を再開しています。数奇な人生を歩む美人女優のプロフィールを当て書きしたような、かなりエグい遊川和彦の脚本です。アタルはキズナが主宰する宗教団体が嫌で、飛び出したと思われます。品川に「逃げてばかりいると、自分の居場所は見つからないよ」とアドバイスしていたアタルですが、彼女自身が実は逃亡者だったのです。

 第3話の視聴率は10.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。第1話12.1%、第2話10.9%と3週連続での二ケタをキープしました。視聴率を味方につけた遊川脚本は、ますますエグみを増していくことでしょう。杉咲演じるアタルのミステリアスな過去が気になり、来週もまたアタリ前のように『ハケン占い師アタル』を視聴することになりそうです。
(文=長野辰次)

『刑事ゼロ』開始早々に“透明人間の怪”解決で落胆……一番の盛り上がりは、草なぎ剛の小ネタ?

 沢村一樹が20年分の記憶を失ってしまった刑事役で主演を務めるドラマ『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)の第4話が先月31日に放送され、平均視聴率12.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.2ポイントアップとなりました。

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 京都府警捜査一課刑事の時矢暦彦(沢村)はある夜、飲み会の帰りに通りかかった中古品買取店の前で怪しい男を発見。声をかけるものの逃げられてしまいます。

 すると翌日、その店で時価500万円の純金の延べ棒が盗まれる事件が発生。現場へ駆けつけた時矢と相棒の佐相智佳(瀧本美織)は、店長の高沢真浩(弓削智久)から防犯カメラの映像を見せられ愕然とします。そこには、透明人間が店内を荒らす様子が映っていたのです。

 この事件の指揮を執ることになったサイバー犯罪対策室の主任・但馬正樹(野間口徹)によれば、同店の防犯カメラには性別や年齢などを指定することで客の姿を画面上から消せる映像解析ソフトが備わっているとのこと。つまり、透明人間の謎はハッキングによるものであることがここであっさり判明するのです。

 その但馬とは別に捜査を始めた時矢は、映像解析ソフトの開発者でもある警備会社社員の北浦菜月(西原亜希)から、自身が勤める会社のセキュリティーが緩すぎるとのぶっちゃけ話を聞きつけます。

 そんな中、中古品買取店内で店長の高沢が“透明人間”に殺害される事件が発生。しかも凶器は、窃盗された金の延べ棒だったのです。なぜ犯人は再び現場を訪れ、高沢を殺害したのか? 店内をくまなく調査していた時矢は、以前はあったハズのトレーディングカードのレア物がなくなっていることに気がつきます。

 そのレアカードを、事件発生直後に誇らしげにSNS上にアップしている人物を但馬が特定。犯人は仲間に勝手にレアカードを売られてしまい、高沢に返却を求めるも拒否されたことで腹を立てた、林田悠斗(田中偉登)という中学生だったのです。

 悠斗の家を捜索したところ、庭先で血液が付着した金の延べ棒を発見。しかし、悠斗は殺人に関しては否定し、時矢もそれを信じます。殺害の証拠である延べ棒があっさり見つかったのは、何者かが悠斗に罪をなすりつけようと企んだものだと直感したのです。

 そして悠斗を立ち会わせ、高沢・殺害の現場検証を行った際、別室で但馬と北浦とともにモニタリングをした時矢は、高沢役を務める先輩刑事・福知市郎(寺島進)以外の性別と年齢層が画面から消えるよう解析ソフトを操作。その結果、犯行時と同じく被害者側だけが画面に映る映像ができ上がります。

 しかし実は、悠斗役を演じていたのは智佳。解析ソフトを操作することで、レアカードを盗み出した悠斗に高沢殺しの罪をなすりつけることは可能だったのです。ただし、天才的なハッキング能力かソフトのプログラムに詳しい者でなくてはその犯行は不可能。というわけで、真犯人は北浦であることが発覚します。

 事件はもともと、悠斗がレアカードを盗んだ際、いち早く事件を察知し現場に駆け付けた北浦が、床に落ちていた金の延べ棒をこっそり盗み事件化することによって、会社のセキュリティーの甘さを世間に弾劾させようと企んだことにあります。ところが、延べ棒をこっそり返そうとした際、高沢に見つかったことで殺害に至ったというわけだったのです。

 さて感想。前回は“逆回転誘拐”というキャッチ―な事件を扱い、終盤まで謎解きの緊張感を保っていましたが、今回はあっさり“透明人間の怪”が解けて拍子抜けしてしまいました。そこが肝なのでは!? とツッコミ、この先盛り上がる要素があるのかと見守っていたのですが、見事に何もありませんでした。

 北浦が最初から怪しかったんですよね。時矢が事情聴取をした際、自社のセキュリティーが甘々だということを力説するシーンがあったのですが、こんな社員います? いくら警察が相手とはいえ、内部の極秘情報を漏らす(しかも上司の前で)のは違和感でしかありませんでした。

 というよりも今回、ゲスト出演したのは4人で、そのうち1人は殺され、1人は刑事役。残った2人のうち悠斗が犯人でないならば、おのずと北浦が真犯人だということになり、そういった意味でも盛り上がりに欠けました。

 ネット上でも今回は本編以外の小ネタに視聴者の注目は集まっていたようですね。悠斗を特定する際に登場したレアカードが、ドラマ『スペシャリスト』(同)において草なぎ剛演じる宅間善人が、京都府警の広報課に在籍していた時代に作製したカードであることがわかり、同ドラマの復活論が盛り上がったようです。

 そんなわけでちょっと微妙な回となってしまいましたが、次回は山奥にある“神様が棲む”といわれる村で起こる殺人事件を追うとのことで、横溝正史の小説ばりの古めかしい凝ったミステリーを期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

テレ朝『ロンハー』深夜降格で、『ザワつく!一茂 良純 時々 ちさ子の会』がゴールデン帯昇格も“短命説”浮上!

 テレビ朝日系の長寿バラエティ番組『金曜★ロンドンハーツ』(金曜午後9時~)が今春の改編で、“深夜降格”となり、火曜午後11時20分枠に移動。その代わりに、『ザワつく!一茂 良純 時々 ちさ子の会』(水曜深夜0時20分)が、『ザワつく!金曜日』のタイトルで、ゴールデン帯に昇格することになったが、早くも“短命説”が浮上しているようだ。

 ロンドンブーツ1号2号の『ロンハー』は、1999年4月から『イナズマ!ロンドンハーツ』のタイトルで日曜午後8時台にスタート。その後、2001年10月より、『ロンドンハーツ』と改題し、火曜午後9時台に移動。一時は人気番組として君臨したが、その後視聴率は降下。16年4月から、“てこ入れ”のため現在の枠に移った。前番組の『ミュージックステーション』(金曜午後8時~)が着実に2ケタ台を取っており、そのいい流れに乗って、『ロンハー』の視聴率回復が期待されたが低迷が続き、ついに3年で深夜への降格が決断された。

 かたや、『ロンハー』に代わって、ゴールデン帯に昇格する『ザワつく!』は、暴言キャラの長嶋一茂、天然の石原良純の二世コンビに、毒舌のバイオリニスト高嶋ちさ子が時々加わって、さまざまな事柄をテーマにトークするバラエティ番組で、サバンナ・高橋茂雄が進行を担当。

 昨年5月26日に『ザワつく!父母会』として放送され、同7月25日にゴールデン初進出を果たすと、15.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の高視聴率をマーク。同10月から、レギュラー化されたばかり。

 ゴールデン帯に昇格するのは視聴率が好調だからで、1月16日放送回では深夜0時台ながら5.3%を記録。1回だけのオンエアだが、ゴールデン帯で15%超えをマークした実績をもとに昇格が決まった。だが、テレビ業界では早くも“短命説”が飛び交っているという。

「ここ数年、テレ朝は深夜で好調な番組をゴールデン・プライム帯に昇格させるのが“定番”になっています。しかし、この手法でうまくいったためしがほとんどないのです。『しくじり先生 俺みたいになるな!!』『お坊さんバラエティ ぶっちゃけ寺』『日曜もアメトーーク!』などは、いずれも深夜からゴールデン帯に進出しましたが、短命に終わりました。プライム帯に昇格した『陸海空 地球征服するなんて』も風前のともしびです。原因は、ネタ切れ、視聴者の飽き、深夜ではできた企画を、同じようにゴールデン・プライム帯ではなかなかできず、つまらなくなってしまったからでしょう。『ザワつく!』の売りは“毒舌”です。深夜と同様の奔放トークを毎週していては、クレームの対象にもなりかねず、ゴールデン帯では“自主規制”が敷かれる可能性もあります。そうなると番組はおもしろくなくなって、視聴率は低迷、早期打ち切りにつながりかねません」(テレビ関係者)

 レギュラー化されて、わずか半年でゴールデン帯に進出する『ザワつく!』。果たして、どれほどの期間、番組がもつことやら……。

(文=田中七男)

沢村一樹『刑事ゼロ』、杉咲花『ハケン占い師アタル』だけじゃない! テレ朝ドラマ絶好調のワケ

 1月期のプライムタイムの民放冬ドラマが出そろった中、沢村一樹主演の新ドラマ『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)が14.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で初回視聴率1位を、同局の杉咲花主演『ハケン占い師アタル』も12.1%で初回視聴率5位を獲得するなど、好調だ。

 テレビ朝日は昨年10月期の連続ドラマにおいても、水谷豊主演の『相棒season17』は初回平均視聴率がクール1位の17.1%、米倉涼子主演の『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』も初回15.0%を記録するなど、絶好調だった。

 しかも、定番コンテンツのドラマが強いだけでなく、2018年のドラマ界の話題作を振り返ってみても、社会現象となった田中圭主演の『おっさんずラブ』も、山田孝之・菅田将暉のW主演と、複数の脚本家と複数の監督による競作スタイルで高い評価を受けた『dele』も、やっぱりテレ朝の作品である。

 なぜテレ朝ドラマが絶好調なのか。あるテレビ雑誌記者は言う。

「テレ朝は近年、テレビを観ているメインの世代である中高年向けのドラマ枠を固定し、その中でシリーズモノを多用しています。例えば、『木曜ミステリー』枠では、シリーズ18作目が昨年10月期に放送された『科捜研の女』のほか、昨年7月期に放送されたのもシリーズ5作目の『遺留捜査』、昨年4月期もシリーズ3作目の『警視庁・捜査一課長』でした。また、現在シリーズ17作目が放送されている『相棒』や、シリーズ4作目まできている『刑事7人』、昨年春にスタートした『特捜9』などの『水曜21時枠刑事ドラマ』もあります」

 しかも、これらは平日午後に再放送枠も持っているため、繰り返し放送することで新シリーズの番宣と連動させることができる強みもあるという。

 テレ朝ドラマには、その他に、現在『ハケン占い師アタル』を放送中で、これまでには『ドクターX』シリーズや『緊急取調室』シリーズ、『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』などが放送されていた21時からの「木曜ドラマ」枠と、現在『私のおじさん~WATAOJI~』放送中で過去に『dele』『家政婦のミタゾノ』『ホリデイラブ』『民王』などの話題作を多数生んでいる、金曜夜23時15分からの「金曜ナイトドラマ」枠、現在『僕の初恋をキミに捧ぐ』を放送中の土曜23時15分からの「土曜ナイトドラマ」枠、単発特別番組枠の「日曜プライム」がある。

 また、第一期として『やすらぎの郷』『トットちゃん!』『越路吹雪物語』が2017年4月から昨年3月末まで放送されていた「帯ドラマ劇場」枠があり、今年4月から第二期で『やすらぎの刻~道』が予定されている。

 こうしてまとめて見ると、着実に数字の見込めるシリーズモノをゴールデン・プライタイムに放送する一方で、23時以降の深夜枠で実験的ドラマを放送したり、昼ドラに挑戦してみたりと、死角なしの陣形に思える。しかし、先述のテレビ雑誌記者は言う。

「単純に、テレ朝には『枠』がないんですよ。視聴率がとれる中高年向けシリーズでほとんどの枠をおさえられているから、新しい作品をやろうにも、深夜帯しか余っていない。高視聴率シリーズドラマを多数抱えているだけに、安泰に見えて、他局に比べてドラマ制作者にとってはチャンスが少ない局でもあるんです」

 とはいえ、『おっさんずラブ』という社会現象にもなった作品が生まれたのも、もともとは深夜単発ドラマからで、それを連ドラ化できたのは、背負うもの・守るべきものが少ない深夜枠だったからという背景はあるだろう。

 枠がないために、新規のドラマを作りにくいというテレ朝。とはいえ、ベテランがゴールデン&プライム枠できっちりと収益を上げてくれ、若手は伸び伸びと新しいチャレンジができるというのは、理想的な企業のあり方にも見えるが……。

『ロンハー』深夜落ち……ロンドンブーツ1号2号は、もう終わりなのか?

 ロンドンブーツ1号2号が司会のバラエティ番組『金曜★ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)が、4月から深夜帯に移ることが判明した。

 素人いじりや芸能人ドッキリ、「格付け」、スポーツテストなど、数々のヒット企画を生んできた『ロンハー』。1999年にスタートしたこの番組は、ロンブーにとって初のゴールデンでの冠番組だったが、放送開始から20年という節目の年に深夜帯に移動するという。テレビ情報誌の記者が語る。

「『ロンハー』は2016年に放送日が火曜日から金曜日に移りましたが、長期にわたる視聴率の低落傾向に歯止めが利かず、ついに“深夜落ち”が決まったようです。『ロンハー』はかつて、PTAが選ぶ『子どもに見せたくない番組』調査で、04年から12年まで9年連続1位に輝きました。これは出演者や制作者にとって勲章でしたが、近年コンプライアンスの締め付けが以前とは比べ物にならないほど厳しくなり、『ロンハー』お得意のゲスなネタがパワーダウンした印象は否めませんでした。後枠には、長嶋一茂、石原良純、高嶋ちさ子の3人が司会の『ザワつく!一茂 良純 時々 ちさ子の会』が昇格するようです。『ザワつく』は特番での放送が好評で、18年10月にレギュラーになりましたが、昨年ブレイクした“一茂ブーム”が思いのほか長く、高嶋ちさ子も暴言キャラとしてバラエティで注目度が高まっており、テレ朝としては一気にゴールデンで仕掛けていきたいという計算なのでしょう」

『イナズマ!ロンドンハーツ』の名前で日曜夜7時台にスタートした『ロンハー』だが、一時代を経て深夜枠に移動とは、まさに栄枯盛衰だ。冠番組に勢いがなく、目立った話題といえば、淳の大学受験ぐらい。ゴールデンで20年も冠番組が続いただけでも芸人として大成功だが、そんな彼らもそろそろ“オワコン”なのか? テレビ関係者は語る。

「確かに『ロンハー』の深夜移動は一時代の終焉を感じさせますが、深夜に行けば、ゴールデンではできないような過激なネタにも挑戦できるため、録画中心で視聴する若者にはむしろ歓迎されるのではないでしょうか。深夜でいろいろ挑戦しつつ、『スポーツテスト』などの人気企画は定期的にゴールデンでも放送するでしょうから、ロンブーとしても悪い話ではないと思います。また、淳は華やかな過去の女性遍歴が有名ですが、芸人仲間の間でも顔が広く、ダウンタウン、とんねるず、ナイナイ、爆笑問題、ヒロミ、同年代の有吉などと交友関係があります。さらにロンブーと同年代で、ひな壇で輝く芸人は数多くいますが、淳のように司会をこなせる人間は意外といません。唯一の地上波レギュラー番組は深夜へ行くことになりましたが、まだまだ居場所はあると思います」

 過去には、彼女の浮気調査をする「ガサ入れ」、ホストに彼女を口説かせる「ザ・スティンガー」など、数々の名企画を生んだロンブー。コンプラという枠と闘いながらも、深夜帯で新基軸を打ち出せるかどうかで、今後の芸能人生が決まることになりそうだ。

『ロンハー』火曜深夜移動で“打ち切り”前夜? フット・後藤輝基が消える!

“執行猶予”がついたものの、V字回復の見込みは限りなく低そうだ。

『金曜★ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)1月25日放送回にて、放送時間の変更が発表された。1999年4月に『イナズマ!ロンドンハーツ』として日曜夜7時56分から放送がスタートした同番組は、2001年10月に『ロンドンハーツ』と改題し火曜夜9時に移動。その後、16年4月に『金曜★ロンドンハーツ』と再度名前を変え金曜夜9時から放送されていたが、4月からは火曜午後11時20分からのスタートとなるという。

「火曜9時で低迷しいていた同番組に対して、テレ朝は看板番組『ミュージックステーション』の後番組に据えて、視聴率を回復させようとしました。しかし、『ロンハー』は“PTAが子どもに見せたくない番組の筆頭”と言われる過激な演出が売りだったのに、逆に攻めた企画ができなくなり、浮上できなかった。3月打ち切りが濃厚でしたが、ひとまず先送りとなり、関係者は安堵していることでしょう」(テレビ誌ライター)

 過去には、恋人の浮気を疑う男性に依頼されて彼女の自宅を家宅捜索する「ガサ入れ」や、一般女性に彼氏の前で別の男性とキスをさせる「やるキッス」といった企画を放送。しかし、最近は芸人らによる「体力測定」がメインとなっていた。

「かつては『ドッキリ』企画が売りでしたが、最近は『水曜日のダウンタウン』(TBS系)にお株を奪われてしまっている。さらに、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)にやらせ問題が浮上したことで、“仕込み”が必要なナンパやトラップメール企画もやりづらい。最も痛いのは、火曜深夜には裏番組で『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)が放送されていること。『ロンハー』に不定期出演してたヒロミやフットボールアワー・後藤輝基のほか人気芸人が多数出演していますから、芸能界の不文律である“裏かぶり”により彼らが出られなくなることで、番組がパワーダウンしてしまうかもしれません」(同)

 四面楚歌の状況で、『ロンハー』は新たな人気企画を生み出すことができるだろうか?