2月14日のバレンタインデーに5年ぶりとなる新作アルバム『Changes』を発売し、5月14日~9月26日に北米ツアーを行うジャスティン・ビーバー。アルバムから先行する形で発表された、ニューシングル「Yummy」のミュージックビデオは「ノリノリでおもしろい」と好評。スターになるきっかけとなったYouTubeでは、チャンネル登録者数5,000万人を突破した初のアーティストとなるなど、カムバックに向けて勢いづいている。
そんなジャスティンが、現地時間3日と5日に、YouTubeチャンネルでドキュメンタリーシリーズ『JUSTIN BIEBER: SEASONS』の最新エピソードを配信。薬物依存と病気について赤裸々に語り、人々に大きな衝撃を与えた。
3日に公開された第5話では、「初めてマリファナを吸ったのは、12~13歳」と告白。「めっちゃハイになって。僕ってマリファナ好きなんだなって気づいたよね。それからしばらくマリファナにハマってた」「でも依存するようになってきちゃって。あぁ、やめなきゃって気づいたんだ」と、うつろな瞳で明かした。
一度はやめたものの、思春期になると再びドラッグに手を出すようになり、「リーンをチビチビ飲んで、ピル(錠剤)をパクパク食べて。モーリー(MDMA/エクスタシー)をキメたり、マジックマッシュルームとか、なんでもやってた」と告白。リーンとは、コデインとプロメタジン(抗ヒスタミン)入りのせき止めシロップのことで、乱用は非常に危険だとされている。しかし、ジャスティンは、「若かったしね。成長の過程で、なんでも試してみたかったんだよ」「まぁ、よくある話なんだけど、僕の場合(パパラッチ)カメラに追いかけ回され、世間の目にさらされていた」と弁解していた。
そして、「金は腐るほどあったから、周囲には金目当ての奴らがわんさかいた」「悪いことを好んでやるようになっちゃったんだ。だって目の前に転がってるんだもの。これやったら、僕はきっとハッピーになれるんだ、って思っちゃったよね」と、19~21歳の頃のダークな時代を振り返った。
「笑顔のマグショット」「レストランの厨房にある掃除バケツに放尿する動画」「法廷でのブーたれた顔」など、問題児の頃の悪事の映像が次々と流れる中、ジャスティンは、大勢の人と働いていたにもかかわらず無責任なことばかりしてきたことについて、「これって家庭で学ぶものだと思うんだけど、僕が育ったのは、信頼とか責任とかない不安定な家庭環境だったから、身についてなかったんだ」と説明。
悪ガキでお調子者、なおかつチームプレーが苦手だったため、所属していたバスケットチームのコーチからも嫌われており、子どもの頃から「僕は悪い人間なんだ」と思っていたそう。「両親から学ぶべきチームワークも、(自分の父と母は結婚してなかったし、仲も悪かったから)全然学べなかった」と述べ、それゆえ無責任なことをしてしまったのだと語った。
ハイになって「今が楽しければいいや」とやりたい放題してきたジャスティンだが、このままだと死んでしまうと自覚し、断薬に踏み切ったとのこと。「夜、部屋で寝てると、セキュリティー担当がやってきて、僕の脈があるか確かめてたんだよ。僕がちゃんと生きてるかって」「朝起きると、まず錠剤を飲んで。そして大麻を吸わないと、一日が始まらなかったんだ。本当に怖かったんだ」と依存症状態を生々しく激白し、「お願いだから断薬させてください。そしたら、あとは自分でなんとかしますから」と神に祈ることで、断薬に成功できたものの、根本的な問題は解決されていないため、「また戻っちゃうんだよね。よくある話だけど」と、あきらめたような顔をしてみせた。
2014年9月からジャスティンを担当している医師は、「初めて彼を診察した時は、薬物をやめたばかりでボロボロだった」「不安定で、不眠状態だった」と回想。ジャスティンはこの医師のもと、薬物依存を根本的に断ち切る治療を受けており、ドキュメンタリーでは抗うつ剤を飲んだり、脳や内臓により多くの酸素を送る寝袋のような装置に中に入る療法を受けたり、「NAD」と呼ばれる点滴を受けていることも紹介された。NADは、ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドのことで、薬物依存によりダメージを受けた脳の機能やDNAを修復する治療に役立つとされている。ジャスティンは、いまなお体中に毒素がある状態で、ひどいニキビもそのせいだと説明していた。
薬物依存治療を受けるようになり、かなりの時間がたってもなかなか無気力から抜け出せなかったジャスティンは19年、原因を突き止めるために全身をくまなく検査。その結果、ライム病とエプスタイン・バーウイルス感染症に罹患していたことが判明。ライム病は精神神経系の症状が強く出る細菌性の感染病、エプスタイン・バーウイルスは倦怠感が強く出る伝染性単核症であり、担当医は「以前、精神科医が診断した双極性障害は誤診」と断言した。
「薬が抜けた状態になってから、私たちは関係を持つようになった」と明かした、ジャスティンの妻ヘイリーは、若者の薬物依存について、「(精神的に)苦しい時にセルフ・メディケイト(=自分で自分を治療しよう)として手を出す」という持論を展開。常にジャスティンのそばにいて愛情を注ぎ、心身の健康をサポートしているという。
ジャスティンは最後に、「世の中には才能を持っている人がたくさんいるのに、無駄にしている人が多い」「変われるチャンスがあるのに、そのチャンスを生かせない人が多い」と新作アルバムのタイトルに込められた意味を語っていた。
5日に公開された第6話では、不安症と戦いながら新作アルバムを制作するジャスティンの姿を紹介。行動学のスペシャリストであるメンタルヘルスの専門家によるセラピーを受けながら、父親のように見守り続けてくれているマネジャーのスクーター・ブラウン、絶妙なタイミングでストレスを解消できるよう気を配ってくれるヘイリー、ほかにも大勢のスタッフの支えを得て、最高のアルバムを作ろうと奮闘する姿をカメラは追っている。
この第5話と6話の配信後、ネット上では、「親は選べないから気の毒だよね」「親のせいにしてるけど、仕事の量があまりにも多すぎて、頭がパンクして薬に手を出したのでは?」「現実逃避のために悪いことしたと言ってる。パパラッチも問題だけど、あの異常なコンサートの数が元凶でしょ」などと同情が集まっている。
一方で、「今の彼も全く健康的に見えない。ライム病じゃなくて、依存症からは抜け出せていないのか、もしくは精神的に病んでいるように見える」「まだまだ具合悪いのに、新作アルバムを作らされたり、新作アルバムのPRのためにドキュメンタリーを作らされているみたいだ」と、見ていていたたまれないという人も。
5月に始まるツアーのミーツ&グリート付きVIPチケットの価格が約1,500ドル(約16万5,000円)と高額であることも話題となっているジャスティン。無理のないスケジュールで、体調と相談しながらファンを満足させるコンサートを開催してほしいものだ。