問題は積み上がるばかりだ。
ジャニーズ事務所創業者の故ジャニー喜多川氏による未成年への性加害問題に関し、また新たな告発が飛び出した。1998年から2000年までジャニーズJr.だった大島幸広氏が「週刊文春」8月31日号(文藝春秋社)に実名・顔出しで取材に応じた。
大島氏の証言によれば、ジャニー氏から電話をもらったその日にジャニー氏のマンションに呼ばれて被害を…
問題は積み上がるばかりだ。
ジャニーズ事務所創業者の故ジャニー喜多川氏による未成年への性加害問題に関し、また新たな告発が飛び出した。1998年から2000年までジャニーズJr.だった大島幸広氏が「週刊文春」8月31日号(文藝春秋社)に実名・顔出しで取材に応じた。
大島氏の証言によれば、ジャニー氏から電話をもらったその日にジャニー氏のマンションに呼ばれて被害を…
8月4日、国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会の専門家が日本記者クラブで記者会見を行い、ジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性加害問題に言及。「同社のタレント数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという、深く憂慮すべき疑惑が明らかになった」と述べた。これを受け、世間では同社社長・藤島ジュリー景子氏の“退任論”が、あらためて高まっているようだ。
ジュリー氏は5月、ジャニー氏の性加害問題について、ビデオメッセージを公開し謝罪。自らの進退について「辞職する選択肢も考えました」と発言していたが、「この時点で『社長を降りる』ことを内々には伝えていた」(芸能プロ関係者)という。ともすれば、騒動を収束させるための“切り札”にも思えるジュリー氏の退任だが、果たしてどれほどの効果が見込めるのだろうか。
3月、英公共放送のBBCがドキュメント番組『Predator: The Secret Scandal of J-Pop』を放送して以降、国内外で注目を浴びるようになったジャニー氏の性加害問題。ジャニーズ事務所は、この問題に関して長らく沈黙を貫いていたが、世間からの批判が鳴りやまない状況もあり、ついにジュリー氏がビデオメッセージで謝罪をするとともに、今後の対応を説明する運びとなった。
しかし、事態は収束に向かうどころか、ジャニー氏の性加害について、“知らなかった”と発言したことにより、ジャニーズ事務所並びにジュリー氏へのバッシングはさらに勢いを増した。
「ジャニーズ事務所は過去、ジャニー氏の性的虐待問題を特集した『週刊文春』(文藝春秋)を名誉棄損で訴え、4つの争点で勝訴したものの、東京高裁は性的虐待の部分は“真実”と認定。最高裁でこの高裁判決が確定したのは04年のことですが、以降はジャニーズ幹部の間で『ジャニー氏の性加害行為は収まった』というのが共通認識だったんです。ジュリー氏の“知らなかった”発言は、正確には『裁判後も続けていたとは知らなかった』という意味なのでしょう」(レコード会社関係者)
ジャニーズ事務所の名誉会長を務めたメリー喜多川氏(21年に死去)も生前、「表向きには『性虐待なんてあり得ない話』と全否定していたそうですが、実際は『あれはもう病気みたいなものだから』とあえて目に入れないようにしていたといい、裁判が行われたことで『これでやっとこの問題に片が付く』と胸をなで下ろしていた」(同)ようだ。
とてつもない“負の遺産”を抱えた状態で、ジャニーズ事務所を引き継ぐこととなったジュリー氏。性加害問題が表面化して以降、一部では、ジュリー氏が責任を取って社長を退任するのではないかと見られていたものの、先のビデオメッセージでは、「今すべきはこの問題から逃げることなく、被害を訴えてこられた方々に向き合うこと、さらにこれから先、二度と同様の問題が起こらないよう、すでに着手し始めている経営改革、社内意識の抜本的改善をやり抜くことだと考えております」と、これを否定。
しかし、実際のところ、性加害問題が勃発する以前から、社長職を退く意向だったという。
「ジュリー氏は、母であるメリー氏の希望で社長に就任したそうですが、経営や責任を伴うポジションにはもともと興味がなかったといいます。昨年11月、King&Princeメンバー3人の脱退・退所が発表された“分裂騒動”あたりから、親しい関係者には退任する旨を伝えていたようです」(前出・芸能プロ関係者)
しかし性加害問題が大きく取り沙汰される現在、ジュリー氏は、そう簡単に退任はできなくなった。
「ジュリー氏がビデオメッセージを公開した背景には、『親しい人物からの助言があった』といわれているのですが、確かにあの段階で退任の意向を明かしてしまうと、それこそ『責任逃れ』と批判されかねないだけに、辞めるつもりはないと明言したのでしょう。しかし、ジャニー氏の性加害問題が国際問題にまで発展したとあって、もはや『辞めざるを得ない』状況に追い込まれているといいます。とはいえ、退任したところで、事態が解決するわけではないですし、ジャニーズ事務所の苦境はまだまだ続くでしょう」(同)
ジャニーズ側は8月末頃に記者会見の実施を明言しているが、ジュリー氏退任のカードは、ここで切られるのだろうか。マスコミ関係者の注目は日に日に高まるばかりだ。
8月4日、国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会の専門家が、ジャニーズ事務所創業者で前社長のジャニー喜多川氏(2019年7月に死去)の“性加害問題”について、元所属タレントや事務所への聞き取り調査を行ったとして会見を開いた。
あらためて、業界内外で同問題に対する注目が高まっており、情報番組などでもこの件を取り上げているが、「一部ネット上では、ジャニーズに厳しい発言をした番組出演者に批判が寄せられてしまっている」(芸能ライター)ようだ。
生前のジャニー氏には長年、所属の未成年タレントらに性虐待を行っていた疑いがあり、今年3月には、BBC(英国放送協会)のドキュメント番組がこれを特集。その後、ジャニーズ批判の急先鋒である「週刊文春」(文藝春秋)を中心に、ほかの週刊誌やテレビ番組でも次第に同問題が報じられるようになり、5月14日には事務所の現社長・藤島ジュリー景子氏が顔出しのビデオメッセージという形で、謝罪コメントを出した。
「ジュリー氏は、叔父にあたるジャニー氏の性加害行為について『知りませんでした』と述べつつ、頭を下げた。そして被害者に対しては、『カウンセラーをはじめ、専門家の力をお借りしつつ、誠実に向き合ってまいります』と話していました」(同)
一方、今回の国連専門家による会見では、「数百人ものタレント」が「性的搾取と虐待に巻き込まれるという深く憂慮すべき疑惑が明らかになった」「被害者へのメンタルケアが不十分」などと報告され、今後も調査を進めていくと宣言。同会見は情報番組でも扱われ、8月6日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)でも話題に上がった。
「同番組のMCを務めるタレント・東野幸治が『ジャニーズ事務所のこの問題に対する対応は遅い』と指摘すると、出演者のヒロミは『それはもう早くしたほうがよかったと思いますよ、最初から』と発言したほか、ジュリー氏が5月の時点で『知りませんでした』と言っていたことについて『やっぱよくなかった』『経営者としたら失敗したなとは思います』との見解を述べました」(同)
また、同日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)では、ゲストのメイプル超合金・カズレーザーが、メディアがジャニーズに“忖度していない”というスタンスを取ってきたのは「建前」で「間違いなく嘘」などと言及。
「このように“メディア側の忖度”や“ジャニーズによるメディア支配”なども批判したカズレーザーと、“ジャニーズの対応の遅さ”や“ジュリー氏のミス”を指摘したヒロミ。ともにジャニーズタレントと共演する機会も多いとあって、ジャニーズ事務所を擁護するファンからは批判的な声が続出する事態となっています」(同)
特にヒロミは、1998~99年にジャニーズJr.がメイン出演していたバラエティ『8時だJ』(テレビ朝日系)で司会を担当し、のちに事務所副社長などを務めた滝沢秀明氏(2022年10月末に退社)や嵐、関ジャニ∞らの“兄貴分”として知られている。
「それだけに、ジャニーズ擁護派のファンが、『ヒロミって風見鶏でズルい』『手のひら返しかよ』『しょせんは滝沢派』などと激怒しているんです。ジャニーズと親しくしてきたヒロミが、熱狂的なファンの存在を知らないはずがないので、なぜ真っ向からジャニーズを批判をするに至ったのか……」(同)
その点はヒロミ本人のみぞ知るところではあるが、この性加害問題が表面化してワイドショーなどに取り上げられるようになった当初、タレントがここまで明確にジャニーズを非難することはなかった。
「芸能人コメンテーターらは、ジャニーズタレントと共演しづらくなるかもしれないという理由から『この話題を番組で取り上げないでほしい』『発言したくない』というスタンスだったといいます。しかし、最近では被害者の告発が相次いでおり、国連まで動き出したとあって、ジャニーズと共演していても、批判しないほうがよくないといった風潮が生まれているんです」(スポーツ紙記者)
実際、シンガーソングライターの山下達郎や“デヴィ夫人”ことデヴィ・スカルノ氏は、批判ではなくジャニーズ寄りの発言をして、バッシングが吹き荒れた。
「結局、ジャニーズに苦言を呈しても、同社の擁護派からは猛烈に非難されるのですが、タレント側もそういった声は気にしていない様子。そもそもジャニーズ側も、芸能人コメンテーターにヘタに擁護されると、批判の矛先が事務所に向くだけに、それは求めていないはずです。そういう状況の中で、芸能人コメンテーターが事務所を批判するのが自然な流れになってきています」(同)
問題の解決、沈静化にはまだ相当の時間を要するとみられる中、今後もヒロミやカズレーザーのように、ジャニーズ批判によって波紋を呼ぶタレントが出てきそうだ。
8月5日に放送されるTBS系『報道特集』で、故・ジャニー喜多川氏の性加害問題を取材した特集「ジャニーズ性加害問題第2弾~国連のヒアリング始まる」が放送されることがわかった。
「同番組は、6月17日放送回でもこの問題を特集。これまでほとんどメディアに出なかった生前のジャニー氏の“動画”が放送され、業界関係者を驚かせました。さらに、キャスターを務めた膳場貴子アナウンサー、日下部正樹記者、村瀬健介記者が、テレビ局とジャニーズ事務所の利害関係に触れた上で、こぞって“懺悔”を口にしたんです」(芸能記者)
なお、第1弾では、膳場キャスターが「私たちを含め、メディアが取材してこなかったことで被害を拡大させたのはまぎれもないことです。報道に携わる立場として責任を感じています」などと反省の弁をコメント。
ほかの2人も「ジャニーズ事務所とテレビ局は利害が一致する関係です。だからこそ、なれあいの関係ではいけない」(日下部)「私たちが報道しなかったことで被害が止まらなかったことは、本当に深刻なことだと思います」(村瀬)などと語っていた。
そして、7月29日に公開された第2弾の予告映像には、性被害を告発した元ジャニーズJr.の石丸志門氏や二本樹顕理氏らが登場。加えて、国連によるヒアリング調査についても触れるようだ。
継続してこの問題を取り上げているTBSに対し、ネット上では「TBSだけは、きちんと報道していて素晴らしい!」と賛辞が見られる一方で「『報道特集』の予告動画と『音楽の日』の動画をほぼ同時に配信するTBSって、どんなスタンスなの?」と違和感を訴える人も散見される。
「TBSは『報道特集』の性加害特集第2弾の予告をYouTubeで公開した翌日に、先月放送された音楽特番『音楽の日2023』のジャニーズグループの出演映像を配信。ジャニーズを批判しながら、所属タレントたちのパフォーマンス動画を発信するTBSに対し、『両極端な動きを見せている』と違和感を覚えた人もいたようです」(同)
また、TBSでは現在、『それSnow Manにやらせて下さい』『KAT-TUNの食宝ゲッットゥーン』『NEWSの全力!!メイキング』『DEEPな店の常連さんに密着 イキスギさんについてった』といったジャニーズがメインで出演するバラエティ番組を放送中。
さらに4月には、ジャニーズJr.のバラエティ番組『ジャニーズJr.ランドNEO』(TBSチャンネル1)もスタートした。
「連続ドラマにおいても、TBSは4月期のすべてのゴールデンプライム帯番組にジャニーズタレントを起用。『THE神業チャレンジ』『アイ・アム・冒険少年』といった代表的なバラエティでも毎回、ジャニーズタレントが活躍しているんです。ジャニーズ事務所と蜜月関係にあるテレビ局といえば、これまでは日本テレビが筆頭でしたが、近年のTBSの“ジャニーズ依存”ぶりは日テレを超えているともいえます」(同)
一方、フジテレビは“ジャニーズ離れが進んでいる”と伝えるメディアも一部で見られる。
「ジャニー氏の性加害問題に対する報道姿勢をしっかり示しているTBSですが、見方によっては“ここまでがっつり特集してるんだから、ほかの番組でジャニーズタレントをこれだけ起用しても文句ない”とバランスを取っているようにも見えます。もしそうであれば、『それSnow Manにやらせて下さい』などの冠番組も、当分は安泰かもしれません」(同)
「タレントに罪はない」との理由で、ジャニーズ事務所に多額の出演料を払い続けているテレビ業界。今後、屈強な利害関係が揺らぐことはあるのだろうか。
ジェンダーや人権をテーマに取材をするライター・雪代すみれさんが、アイドルに関する“モヤモヤ”を専門家にぶつける連載「アイドルオタクのモヤモヤ」。今回のテーマは、「男性アイドルの性的消費とどう向き合うか」です。
今年3月、BBC(イギリスの公共放送局)がジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性虐待問題を追及・告発するドキュメント番組『Predator:The Secret Scandal of J-Pop(邦題:J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル)』を放送。4月には、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんが日本外国特派員協会にて、ジャニー氏からの性虐待について記者会見を行い、その後も「週刊文春」(文藝春秋)などによって元所属タレントからの告発が相次いでいる。
そんな中、エンターテインメントショー『少年たち 闇を突き抜けて』が、10月から東京・新橋演舞場で上演される。同シリーズの舞台では、ベージュの下着を装着した出演者が股間を桶で隠しながら踊る演出――「桶ダンス」が行われてきた。以前よりネット上で「タレントたちの性的消費ではないか」と指摘されていたが、ジャニー氏の性加害問題が表面化したことにより、広く問題視されているのだ。なお、2019年上演の『少年たち To be!』には、当時16歳だったSnow Man・ラウールもこのダンスに挑戦しており「たとえ本人が望んでいたとしても、子どもの身体は守られる必要がある」と大人の責任を追及する声が上がっていた。
今回、男性アイドルを性的に消費することの問題点について、ジェンダーとメディアの視座からポピュラーカルチャーやメディアコンテンツについて研究している帝京大学文学部社会学科専任講師の田島悠来さんに話を聞いた。
――昨今、ジャニーズ事務所の伝統的舞台『少年たち』の桶ダンスや、2020年になにわ男子を含めた関西ジャニーズJr.が発売したグッズ「ちびぬい」(タレントの特徴をデフォルメした小さなぬいぐるみ。乳首や男性器がついている)などに、一部ファンから疑問の声が上がっています。
田島悠来さん(以下、田島) 事務所がファンに対し、アイドルの性的消費を促す売り方をしていることへの違和感から、そのような声が出ているのでしょう。ジェンダーとメディア研究の「性的対象物(セクシュアル・オブジェクト)批判」では、女性アイドルを過度に性的に描写し、男性ファンがその関連商品を消費するという「性を商品化して消費する構造」について、「不当にアイドルの自由を奪ったり傷つけたりする恐れがある」と指摘されてきました。これは、女性アイドル同様、男性アイドルもその危険性をはらんでいるといえます。
女性アイドルに対して似たような見せ方をしたり、類似の商品を販売したりしたら、セクハラだと感じる人は多いのではないでしょうか。「男性に対してなら乱暴しても、性的な言動をしてもいいだろう」といった見方が根強くありましたが、ようやく「女性アイドルにしてはいけないことは、男性アイドルにもしてはいけない」という視点が持たれるようになりました。
――性的消費とは、男性から女性に対して行われるとは限らないということですね。
田島 そうです。かつては「消費される(見られる)側=客体=女性」「消費する(見る)側=主体=男性」と固定化して論じられがちでしたが、桶ダンスやちびぬいのように、単純化できないことも最近では可視化されています。
性的な売り方をされているアイドルの中には未成年が含まれることもありますし、性別にかかわらず、やはりそれは不適切であると認識し、社会的に許容してはいけないと思いますね。
ただ、実際すでにファンの方から疑問の声も出ているといいますし、今回取材のお話をいただいて、ジャニーズファンの学生に話を聞いたところ、桶ダンスについては、「誰があのようなパフォーマンスを求めているのだろう?」と疑問を口にする人が多かった印象です。ちびぬいについてもSNSでファンの反応を見ていますと、性器がついていることに驚いていて、性的な表現を求めていないファンも一定数いるのは確かです。
――性的表現を求めていないファンもいる中、なぜこうした売り方がされるのでしょうか。
田島 ジャニーズとファンの場合、主に主体=女性、客体=男性ですが、そこにはいわゆる「男社会」的な構造やまなざしが投影されていると言えます。「異性を性的な対象として見る」ことが「男性的な」視点のなかでは優位なものとされてきました。そういった社会のなかのマジョリティな価値観が、事務所側、そしてファン側もアイドル側もメディアやエンターテインメントに接する中で、知らない間にも内面化されている状態があるのです。
――女性アイドルと比較すると、男性アイドルの性的な尊厳は軽視されてきたように思います。その背景を教えていただけますか。
田島 第一に、日本では女性へ向けられる性的なまなざしが長らく深刻な状況にあり、問題として捉えられてきました。成人向け雑誌がコンビニで堂々と売られていること等、外国人からすれば異様な光景です。今でも少年向けマンガの表紙に女性タレントの水着姿の写真が使われている様子を目の当たりにするたびに、女性への性的消費の問題は依然として解決されていないことを思い知らされます。ゆえに男性アイドルの性的な尊厳が軽視されている状況が気づかれにくかった、問題化されづらかった部分があると考えています。
また「男らしさ」というジェンダー規範では、性的なことに興味を持って当然、性的に積極的であるべきだとされる傾向もあります。反対に、他人と性的な話をすることに抵抗があったり、上半身裸になることに不快感を示したりすると「男らしくない」と評価され、暗に「男性のあり方も多様である」ということが否定されてきました。
私が子どもの頃は、体育祭のとき、男子だけ当然のように上半身裸で組体操や騎馬戦に参加させられていたんですね。そういう空気感の中で育つと、男性の性的尊厳が軽く扱われることに違和感を持たなくなることも考えられます。
さらにこの「男らしさ」は、セクシュアリティと過度に結びつけられることも多々あります。内面でも外見でも「男らしさ」に当てはまらないと、イコール性的マイノリティと見なされがちで、しかも日本の「男社会」では、性的マイノリティといえば、メディアで表象されるステレオタイプな“オネエ”のイメージが強い。そこに本当にある多様な姿に目を向ける機会が多くなかったですし、そうしたイメージには揶揄や嘲笑が含まれてしまっていました。そこで、「男らしさ」を執拗にアピールすることを強いられ、結果的に「男性が性的に消費されること(客体になること)」を当事者が不快に感じたり、それによって傷ついたりしている様子が見えてきにくくなっていたのではないでしょうか。
――田島先生が教える学生さんたちのように、ジャニーズファンの中には、担当が性的な売り方をされていることに葛藤を覚えている人もいます。今後、どのようにアイドルを応援すればよいのでしょうか。
田島 一番は性的搾取だと思うような出来事があったときに、「傷つく人はいないだろうか」と少し立ち止まって想像してみてほしいです。ここ数年で多様なものに対する可視化と許容がなされるようになって、さまざまなファンやアイドルがいること、解釈の仕方も一人ひとり違うことが認識されつつあります。だからファンもアイドルも、性別によって一くくりにしてはいけないですよね。
それに最近は、ファンだけでなく、アイドル側にも、ジェンダーやセクシュアリティの事柄について問題意識を持ち、葛藤しながら活動している人も増えているように感じます。
――ファンの中には、具体的にアクションを起こせないことのもどかしさを抱える人もいると思います。
田島 葛藤を抱えること自体が、この問題に対して意識的な証拠です。事務所やアイドル本人に直談判などはできずとも、今は疑問に思ったことに対して、SNS等で声を上げやすくなりました。自分はマイノリティだと思っていたけれども、実は「サイレント・マジョリティ(モノを言わない多数派)」ということもあります。
一方で、アイドルも自分たちと同じリアルな人間であることを忘れてはいけないですよね。SNSは応援しているアイドルも含め、誰にでも見られる可能性がありますし、想像以上の発信力を持つこともある公的な空間です。そのことを念頭に置いた発信を心がける必要があると思います。
そして、「ファン」「アイドル」さらには「事務所」と大きくくくって語ってしまうあまり、そこに存在する多様なあり方を忘れてしまいがちになることを肝に銘じておきたいですよね。これは自戒も込めて。
ジャニー喜多川前社長の性加害報道でジャニーズ事務所が大きく揺れている。日本のみならず世界から今後の対応が注視され、矢のように批判が降り注ぐ中、一方でジャニオタからの反応が見えてこない。
熱心にジャニーズ事務所のアイドルを応援する人を指す「ジャニオタ」。大切なアイドルが所属するジャニーズ事務所、そして敬愛してきたジャニー前社長の報道を前に、ジャニオタはなにを考えているのか。サイゾーウーマン編集部員をはじめとしたジャニオタが、現在の心境とジャニーズとの今後の関わり方について語り合った。
【座談会メンバー】
A:ジャニーズファンのサイゾーウーマン編集部員、元嵐担。
B:ジャニーズファンのマスコミ関係者、元SMAP担
C:ジャニーズファンの芸能雑誌編集者、スノ担
D:元ジャニーズファンのマスコミ関係者。現在は他事務所のボーイズグループのファン
▼前編▼
A BBCの報道、そして元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏の告発から現在に至るまでに、ジャニーズタレントを見るときの心境は変わりましたか?
C そうですね。だいぶ変わりましたね。やっぱり、今までジャニーさんとのエピソードをよく語っていた子たちに対しては、「そうは言ってるけど、実際どうだったの?」とか思ったり。あと、ほかのタレントたちも、ジャニーさんの裏の顔を知らないわけはないとは思うので、「そういったエピソードを聞きながら実際はどう思ってたのかな?」とか考えてしまいますね。
本当に直近の話だと、『わっしょいCAMP』(ジャニーズJr.の公演『ALL Johnnys' Jr. 2023わっしょいCAMP! in Dome』)でちびジュ(ちびっこJr.)たちを見ながら、「この事務所を選んで、本当に良かったのか?」とか「親御さんは今どういう気持ちなんだろう?」とか頭に浮かんできて……。未来ある子どもたちには本当に関係ないことではあるので、健やかに、立派なアイドルに育ってほしいと思うんです。だから、「え、ジャニーズなの? 大丈夫?」と周囲から言われてしまうことがないように、そしてジャニーズを選んだことを後悔させないためにも、ファンはどうすればいいのか……。
B 今のJr.世代は被害を受けていない前提で考えると、その人たちがジャニーさんを大好きだというのは理解はできるんです。「ただの優しいおじいちゃん」みたいな感じだったと思うので。その子らが「ジャニーズ大好き」「ジャニーさん大好き」と言っているのはわかるんですけど、でも、やっぱり、今その言葉を聞くのがすごくつらくて。
それに、『わっしょい』に出ていたようなちびジュたちが、今回の問題によって、こういった行為があったとか、こういうことをする人がいるんだということを、親から聞くなり、自分でネットを見るなりで知ったと思うんです。そういうエグい被害を、この少年たちが聞いてしまったと思うと、すごくつらいです。考えたくもないですね。だから、ちびジュ見ててもつらい。
それに、デビュー組についても、もしかしたら被害に遭ってるのかもしれないと思いながらテレビとか見るのつらいですし。被害受けてて告発者もいるのに黙ってるのかよ、ってちょっと責めちゃう自分もいるし。今までのような、100パーセント応援したいという気持ちではなかなかいられなくなってしまったという感じです。
A 『news zero』(日本テレビ系)で嵐の櫻井(翔)がコメントしたのが、私にとっては大きくて。彼は、「臆測で傷つく人がいる」と言っていましたけど、あんな涙目の表情で言われちゃったから、私の中で「あ、翔くんは被害者なんだな」ってなってしまった。「櫻井=被害者、嵐=被害者」と見えた瞬間、私を元気づけてくれてきたキラキラした人たちが、実は裏で被害者だったなんて、と打ちのめされちゃったんですよね。自分が散々物語として片付けてたくせに、自担がそういう立場になってたって思い込んだら、ショックが強くて。
でも、その“被害に遭った過去”を受け止めきれないって、たとえば「大好きだった彼女が実は性被害に遭っていた。それを受け入れることができなかった」みたいな男たちと、結局同じことを私は思っているのかもしれないなって思って、またひどく落ち込む、みたいな。自分のずるさや情けなさをずっと突きつけられてる感じ。
D その感じわかります。だんだん大人になってきて、女性の人権を学んだり考えたりしていると、そういう話に出会うんです。そのときは「ふざけんな、男!」と思っているのに、ジャニーズと自分の接し方を振り返ると、「まったく同じことやってるわ」みたいなことがある。自分が矛盾し続けていた絶望感みたいなのも出てきて。
例えば、若いジャニーズの裸を見て喜ぶみたいなのも、結局、自分が気持ち悪いと思っていたことを自分がやっちゃってた、とすごく反省するし。だから、今までと同じように楽しめるか? と言われると、やっぱりそれは無理だなと思っちゃう。
A たしかに、水着Jr.は私も楽しんでいた。Cさんが言っていた「ジャニオタの無自覚さ」って、そういう男と同じような性的な消費の部分が強いのかな。
B 自分もやっぱ筋肉さらしてるA.B.C-Zの舞台とかでメンバーの裸を見て喜んでいた時期もあったな、と思いました。たぶん大学生とか高校生とか、そのへんだったと思いますけど。そのシーンになったら、客席がみんな双眼鏡を構えるみたいな。それが楽しさになっていた時期もあったけど、今思うと性的に消費している感じがあるかも。
C 私も『わっしょい』で、ちびジュたちにカンペうちわを見せてファンサービスを要求するファンとかを見て、すごいしんどくなってしまって。「小さい子どもたちに、こんなことをやらせてる私たちファンって、どうなんだろう」とか考えると、純粋に楽しめない部分がありました。
それに、話が変わりますが、「Johnnys' ISLAND STORE」(ジャニーズ公式ショップ)で売られていた「エロハン」(上半身裸のタレントがプリントされたハンガーのこと)も、当時はネタ半分で買いましたけど、今思うと相当おかしなグッズでしたよね。むき出しの状態で現場に持って行ってる人も目にしましたし、あれを持って街なかを歩けるジャニオタって、やっぱり性的搾取に対する自覚がないというか……。
D その名称もオタクが勝手につけたものですけど、すごい感覚だね。
A オタクって、際どいことすらネタにしたもん勝ちみたいなのあると思う。それはSNSでとくに暴走していると思うんだけど。大人数の水着Jr.という異様な光景も、それを楽しんでこそジャニオタ、みたいな部分があったなって自分を振り返っても思います。
A 今回の告発者を叩いているような「事務所擁護派」についてどう思いますか?
D 大好きな事務所が不特定多数の人から非難されるのはつらいですし、ただの“ジャニーズアンチ”みたいな人もいて、擁護したくなる気持ちもわからなくはないです。でも、こんなに多数の告発者が実名で名乗り出ているのを見て、「ジャニーさんはいい人だった」とか「事務所は悪くない」と言える理由はなんなのかと、単純に疑問です。事務所やタレントを守りたいという理由以上に、「自分は間違ってない」と主張したいだけのように見えます。
B 擁護派の中には、告発者のうそを指摘することに生きがいを感じているみたいなオタクがいるんですよね。告発者のプライベートや、ジャニーズ時代とは関係のない過去の話を持ち出して批判したり。そういう人の書き込みを見るのがつらいんです。フォローしてないのに、ツイッターのおすすめで入ってきちゃうんですよ。
個人的に、今回の性加害問題と、告発者の私生活でのトラブルなどに関しては、切り離して考えるべきではないかなと思っているのですが……。擁護派の一部は、この一連の騒動を仕掛けているのは、16年にジャニーズを退社した元SMAPのチーフマネジャー・飯島三智氏サイドや、昨年の秋にジャニーズを去って、現在は新たな事務所・株式会社TOBEを立ち上げたタッキー(滝沢秀明氏)じゃないか、なんて疑っているんです。意味がわかりませんよね。
C 現役タレントのことを考えると、事務所を守りたくなる気持ちはわかりますが、ジャニーさんから被害を受けたという人が何人もいることは事実ですし、これまでの事務所の対応を見ても、擁護できる部分はないと思います。Bさんも言っていたように、擁護派の中には行き過ぎた発言をする人も増えてきた印象がありますし、私の中では、もはやそういう人はジャニーズアンチと同列の存在になってきていますね。
A 今の事務所に対して求めることはありますか?
B 告発者への配慮がないことが、ずっと気になっています。事務所擁護のジャニオタから告発者が叩かれてるじゃないですか。この間の服部吉次さんの告発に対しても、心無い声をぶつけているジャニオタがいて。本当にすごく不愉快だったんですけど。
そうしたひどい言葉がSNS上では並んでいるのに、ジャニーズが一貫して、そこに対する警告や注意をしていない。「性加害があったかどうかについてはちゃんと事務所で調べますので、告発者の皆さまへの心ない言葉はお控えください」みたいな、それくらいの、ポーズでもいいからそういう配慮はないのかな、と思って。
D 口だけでもあるのとないのとじゃ違いますよね。
B だから、結局それをしないってことは“告発者が悪”だと思ってるんじゃんって思っちゃうんです。あと、調査してうやむやに終了とせず、時間がかかってもいいから、なんらかの結果は出してほしいと。行く末を見守りたいなとは思ってます。
C よく指摘されていますけど、きっとここまで大きくならないだろう、って高をくくっていたんだと思います。本当はスルーしようとしてたくらいだったと思うんです。でも国内だけに収まらなくなっちゃったから、仕方なく動いているんだと思うんですけど。ジュリーさんのあの動画、公開してから何カ月かたちますが、いったいなんの意味があったんだろうって、あらためて思います。
D でも、調査結果を出すのが早すぎても、いや、本当に調べたんかいってなるんですけど。過去の出来事なので、時間がかかるのはしょうがないんですけど。もっと、初動のやり方はあったのでは? と思いますね。
A 今後、ジャニーズへの気持ちが戻る可能性ってありますか? 私自身は応援したいJr.グループはあるので、その子たちに幸せになってほしいとは思ってますが、一方で見続けることは難しい気持ちもあります。
B 気持ちが戻るかわからないから、今距離を取っている状態というか。明確に「嫌い」になるということもなかなかできない。結局、タレント本人には罪はないと思いたいので……。「知っていてほっといたんでしょう?」とは思うけど、でも、やっぱりタレントが被害者だとしたら、守ってあげたいという気持ちもあるはある。ちょっと距離を置いて応援しているという感じですかね。
C 簡単に解決する問題ではないと思うので、私もしばらくはモヤモヤした気持ちを抱えたまま応援していくことになりそうだなと思っています。性加害問題と切り離して彼らを見続けていくことは難しいからこそ、タレントたちにはキラキラ輝いていてほしいし、元気をくれる存在でいてほしい。だだのジャニオタのわがままですが……。
D 私は性加害問題とは別の理由でジャニーズから離れたんですが、もう戻らないと思います。応援していた担当のことは今も遠目から見てはいますが、今回の性加害問題をきっかけに、「ジャニーズ事務所に時間とお金を使う」という行為に強い抵抗感が出てしまいました。オタクとしての時間とお金は有限ですし、後ろめたい気持ちを抱えながら応援するのは、自分がつらいだけなので。
ジャニーズ事務所が大きく揺れている。故ジャニー喜多川前社長の性加害報道だ。日本のみならず世界からその対応が注視され、事務所批判が矢のように降り注ぐ中、一方でジャニオタからの声が聞こえてこない。
熱心にジャニーズ事務所のアイドルを応援する人を指す「ジャニオタ」。大切なアイドルが所属するジャニーズ事務所、そして敬愛してきたジャニー前社長の報道を前に、ジャニオタはなぜ何も語らないのか。ネット上では、こうしたジャニオタについて「ジャニー氏と同罪」とする意見もある。そこで、サイゾーウーマン編集部員をはじめとしたジャニオタが、私たちジャニオタの罪について考えた。
【座談会メンバー】
A:ジャニーズファンのサイゾーウーマン編集部員、元嵐担。
B:ジャニーズファンのマスコミ関係者、元SMAP担
C:ジャニーズファンの芸能雑誌編集者、スノ担
D:元ジャニーズファンのマスコミ関係者。現在は他事務所のボーイズグループのファン
A 今回のテーマ「ジャニーさんの性加害報道をめぐるジャニオタの罪とは?」というのを聞いたとき、率直にどう思いましたか? 私個人は、そもそも「考えたくない」の思考停止状態なんです。報道内容もテレビで取り上げられることしか把握していない。週刊誌もSNSからも距離を取っています。でも、その姿勢を続けているのも苦しい。ちゃんと向き合って考えないといけないと思って、声をかけさせてもらいました。
B とりあえず、事務所を擁護する側と告発者側のどちらに立つかという点でいうと、私は擁護する気はあまりないというか。告発者もまるっきり信じているわけではないですけど、どちらかといえば彼らのほうに寄り添いたいタイプです。だから、事務所の擁護はできないかな、とテーマを聞いたときに思いました。タレント本人には罪はないというか、責めたくはないけども、あまりジャニーズのエンタメが楽しめなくなってきているなという状況もあります。
C 私もAさんと同じように、あまり考えないように避けていた部分はあります。今自分がジャニーズJr.も応援しているので、ちびっこJr.を見る機会も増えていて、私自身が性加害をしているわけではないですが、少年性をエンタメとして消費している自覚があるからか、ちょっとした加害者意識みたいなものを感じていて……。
今回に関してはシャットアウトしちゃっている部分がありますね。もちろんジャニーさんがやってきたことは間違いなくいけないことですが、ジャニーさんが育てたタレントたちに夢をもらったことも事実なので、複雑です。
D 元ジャニオタの立場から言うと、この問題で一番ショックだったのが、ファンの反応で。事務所を擁護する人がたくさんいるというのが、すごくショックだったんです。自分の担当がいる事務所のことを悪く言いたくないのはすごくわかるんですけど、告発されていることは明らかに犯罪じゃないですか。なのに、「ジャニーさんのつくってきたものは素晴らしいから」とか、そういう理由で擁護しちゃってる。この件について、ファンから批判の声が上がらない状況が、個人的には一番マズいと感じています。
A 私自身、Cさんと同じで加害者意識があるんです。それはジャニオタとして、あとメディアの人間としての2つの加害者意識。サイゾーウーマンは見てわかるとおり、ジャニーさんの暴露本を取り上げて、それでPVを稼いでもきた。ってことは、もう明らかにジャニーさんがそういうことやってたということは、私個人でもわかっていたわけで。でも、「V6から下の子たちはあるかな?」「嵐から下はそういうことはないだろう」みたいな、勝手に「自担はセーフ」って思ってた。
あと、アイドルの「光と影」って言葉を使いがちで。“アイドルという存在は光が強いほど影もまた濃い”みたいなフレーズ。その影というのが、ジャニーさんとの関係だけを意図して書いてたわけではないけれども、「そういうのも織り込み済みの世界だよね」って思ってはいた。やっぱり自分の中で、それとセットでジャニーズを捉えていたんですよね。なのに、何もしてこなかった。
A 現在ネット上では、ジャニオタも同罪で加害者という声も上がっています。どう受け止めていますか?
C 私自身は、まあそうだよなって思っています。たとえば、ジャニーズにおける定番演出のひとつで、2019年の『ジャニーズJr.8・8祭り ~東京ドームから始まる~』でもあった“水着Jr.”の演出も、やんややんや言いながら微笑ましく見ていた人は多いはず。また、舞台『少年たち』でおなじみの“桶ダンス”シーンは、露骨な性的表現がある一方で、見せ場のひとつになっていた部分は大きく、ファンにとっても“双眼鏡の使いどころ”のようになっていましたよね。
このように、性的搾取をしているということに無自覚なのが、ジャニオタの一番良くない部分だなって、今回の問題であらためて気づかされました。それに、ジャニーさんの性加害について知りながらも、ジャニオタはこれまで見て見ぬふりをしてきたわけですから、同罪と見られても仕方がないと思います。
D 私もジャニーさんの“オキニ”という存在が、ただのお気に入りではないかもしれない、みたいなことは頭の片隅にずっとあって。だからやっぱり、今表沙汰になっている話は、全部知っていたんですよね。それなのに、さっきAさんも言っていたように、アイドルの「光と影」をアイドルの「物語」として考えちゃっていて。今までの自分のジャニーズへの接し方を振り返ると、人をモノ化していたし、本当に最悪なことをしたなと、反省しましたね。
B SMAPファンからすると、お金を払うことによってジャニーズ事務所を支えてきちゃっていたわけじゃないですか。わりともう、ジャニオタ卒業しているSMAPファンは多いんですけど、自分たちが払ってきたお金によってジャニーズが大きくなっていって、でもその裏では性加害が行われていたと明るみになり、責任を感じている人も多い印象があるんです。
自分も、中学校とかそれくらいの頃にはやっぱり暴露本という存在を知っていましたし、ジャニーさんにこういうウワサがあるけど、ウソであってほしい、と思いながらも、あまり目を向けないできたんで、今になってちょっと苦しいなと思います。自分ももちろん、小学生くらいの頃からグッズを買ったりお金を出していた。そしてそのお金で事務所が大きくなっていったわけだから……。自分も加害者と言われたらそうなのかもしれないしと思う。
B でも、その被害に気付けなかったことについて「お前も責任がある」と言われても、ちょっと困っちゃうという気持ちもあります。タレント側がSOSといった類いのものを出してたわけじゃないから。いろいろな感情が渦巻いて、なかなか答えを出すのが難しいです。
A ここにいる全員が、ジャニーさんの行為は知識として持っていたんですよね。それを知っていたオタクが、こうなる前に何ができたんだろう? と考えたりもしたんです。「タレントからSOSがなかった」からしょうがなかった、とも思うけど、ジャニーさんにグルーミングされていたからSOSを出せるわけもない、という意見も目に入る。
でも、ジャニオタが見てきたタレントの姿には、たしかにジャニーさんを慕っている姿もあったわけで、それを「グルーミング」のひとことで加害者/被害者の構図に片付けられちゃうと、もう混乱してしまう。どつよ(堂本剛)さんとジャニーさんとの距離感とかも、どう捉えていいのかわからなくなってきちゃう。
B そうですよね。擁護するジャニオタはそこを言ってますよね。本当にそんなことが、ジャニーさんが本当にそういうひどいことをしてたんだとしたら、KinKi Kidsがジャニーさんの歌(KANZAI BOYA)を作ったりとか、そんなことするはずない! みたいな。ジャニーさんが亡くなったときに、どつよさんがほっぺにキスしたというエピソードがありますけど、性的虐待を受けていたんだとしたら、そんなことするはずないとか。そうした話を盾に性的虐待はなかったと主張している。
その主張は理解できるんです。たしかにタレントがジャニーさんを愛すべき人みたいな感じで、ほっこりエピソードとかを言っていたのは事実だし。そこを信じたい自分もまだいるんですけど。信じたいけど、でも、どう考えても虐待はあったよねって。
D オタクが何かできるわけじゃない、というのは私もそう思います。事務所に乗り込んで暴動を起こすわけにもいかないし、そんなことをしたってどうしようもない。でも、「やっぱりなんかおかしいな」と考えるなら、今まで通りの応援をやめるのも一つの抗議だと思っていて。今までCDをたくさん買っていたけど、一度やめてみるとか。こうした問題が起こったら会社に不利益が出るとわかってくれないと、何も変わらないと思うんです。
今、私が応援しているボーイズグループ界隈は、ファンが事務所のことをすごく批判するんですよ。根がジャニオタだから、最初はビックリしちゃって。でも、みんな「これからも応援し続けたい」とか、「所属タレントが頑張っているんだから、事務所もしっかりしろ」という思いで、厳しい意見をぶつけているんです。肯定することだけ、絶賛することだけがファンじゃないと気付かされましたね。
C やっぱりネットの力は強くなっていると思うから、うまく使えばいいと思うんです。ただ、SNSのフォロワー数が多く、オタクの中でも影響力のある人がネットで主張したところで、世間的には「またジャニオタがなんか言ってるよ」みたいな見られ方をして終わってしまう気がする。じゃあSNSを通して何ができるのか? というと、具体的な行動が全然出てこないんですが……。
B ネットでは性加害の検証や、被害者らへの謝罪を求める署名活動をやっている人たちもいますけど、世間的に見たら「なんかやってる」くらいの印象ですよね。
D ジャニーズ事務所は巨大事務所なので、オタクが噛み付いたとて弾かれるのが目に見えているし、立ち向かいにくい気持ちはありますよね。小さい事務所で「ファンも一緒に盛り上げていきましょう!」 みたいなテンションだったら、言ったら聞いてくれそうという希望があるんですけど。ジャニーズ相手だと「なんか言ってもな……」って、オタクも諦めちゃうのかな。
B 私がやっていることは、自分が正しいだろうと思ったニュース記事や共感した情報をリツイートしたり反応する。あまり目を向けたい問題ではないんですけど、でも、ジャニーズはおかしいという立場でいるならば、だからこそ一応情報は見ておかないとなと思って。情報を集めていないのに、漠然とジャニーズだけ批判するのもおかしいですよね。
あと、Dさんが言っていた、お金を落とさない手段で反抗する。私はKis-My-Ft2では北山(宏光)くんが一番好きなので、彼が8月31日をもってジャニーズを退所したら、ファンクラブ継続はどうしようかなって。正直、迷っています。Jr.のファンクラブも入っているんですけど、もう更新しなくてもいいかな、と思ってる。テレビとかYouTubeで彼らの姿を見ていくことは全然できるから。ジャニーズにお金を払わなくてもいいんだ、という段階に実際、私はなってきちゃってる。
A お金を落とさないとなったときに、私には抵抗感もあって。タレントは頑張ってるから、そこを応援する意味でお金は使いたい。CDを買わない、FCを更新しない、としたとき、便宜上、タレントを被害者としますが、被害者にまた石を投げつけるみたいなことにならないか? と。事務所へのアクションとして金を落とさないというのはわかるけれども、果たしてタレントに対してはどうなんだろうって。
B でも、私からすると、そこは事務所がちゃんとやってよ、みたいな。事務所がいろいろな手段でお金を集めてきて、タレントへのギャラは事務所が確保すればいいことであって。それはファンが心配することなのかな?
D 私もBさんと似たような気持ちで、私一人がお金を払わなくても、事務所やタレントはやっていけるだろうから、「別にいいや」という感じですね。あとは、「タレント側も問題をほったらかしにしていた事務所に疑問を持たないのか?」という、モヤッとした気持ちがあります。本当に何も知らなかったとしても、今は大きな問題になっているわけで。「事務所の皆さん、しっかりしてくださいよ」って怒ってもいいと思うし、そういう声を上げる人がいたら応援したいです。事務所とタレントは別物だと思いますが、完全に切り分けるのも難しいんじゃないですかね。
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TOKIO・松岡昌宏がパーソナリティを務めるラジオ『松岡昌宏の彩り埼先端』(NACK5)。7月9日の放送では、松岡が故・安倍晋三元首相について語る場面があった。
松岡はリスナーからの「日記をつけた経験はあるか?」という質問に対し、「僕が日記つけたのが2014年か。毎日つけてますね、もう9年か」と回答。「前も言ったけど“食日記”ですから」と、その日の食事を中心につづっているそうだが、その日の体重や、散歩、サウナなどの行動、「今日はこんなことが起きたとか、こんな事件があったとか、久々に誰に会ったとか、こういう天災が起きたとか、そういうことは絶対書いてます」とも話した。
そして、「日記で思い出したんだけど、あれだよね、1年前の昨日はやっぱり安倍晋三さん、安倍元首相が亡くなったことをがっつり書いてるね」と告白。「こんなことが本当に起きるのかっていうね。1年たってもやっぱり、ショックが(大きい)ね」と、昨年7月8日に起きた安倍元首相襲撃事件に触れた。
松岡は、YouTubeなどで政治関連の動画を見ることが「けっこう好き」なため、生前の安倍元首相の姿を見る機会があるそうで、「すごい切ない気持ちになる」という。さらに、「まさか自分が生きてる間に、そういうことが起きるのかなんてね、思ったから。だから、まあたぶん、ちょうど昨日で一周忌ってことになるわけだよね」とあらためて振り返り、「ご冥福をお祈りしたいなって思いますね、本当に。なんかとってもユーモアがおありになったし。うん、楽しかったな。お会いしたときは。はい」と追悼の言葉を述べた。
安倍元首相とTOKIOといえば、18年12月28日に自民党の広報誌の企画で総理大臣公邸にて対談。同年同日には、安倍元首相が自身とスーツ姿の松岡、城島茂、国分太一、当時メンバーだった長瀬智也の4人と撮った写真を自身のインスタグラムに投稿し、大きな話題に。
また、19年5月12日にも、TOKIOの4人と同10日に都内の飲食店で会食した際の写真をアップ。「TOKIOの皆さんと再会しました。#福島 復興のために頑張ってくださっています。話に花が咲き、本当に楽しいひとときを過ごすことができました!」とつづっていた。
そのため、この日のトークを受け、ネット上では「あの衝撃から1年なんだね。もっと昔のような気もする」「実際にお会いした方があんなふうに亡くなるって、メディアで目にするだけの我々とは感じ方が全然違うんだろうな」といった意見が寄せられていた。
ちなみに、ラジオ放送同日の9日は、19年に亡くなったジャニー喜多川前社長の命日。しかし松岡が番組内で触れることはなかった。
サイゾーウーマン ジャニーズ情報専用Twitterアカウント「J担しぃちゃん」オープン
音楽プロデューサー・松尾潔氏のスマイルカンパニーとの業務委託契約打ち切り問題について、渦中の人である同事務所所属のシンガーソングライター・山下達郎が、7月9日放送の自身のラジオ番組『山下達郎サンデー・ソングブック』(TOKYO FM)で言及。
ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性加害問題をめぐり、ジャニーズ事務所への批判が鳴り止まない中、山下は自身に降りかかった“火の粉”を払いたかったとみられるが、「残念ながら、火に油を注ぐ結果になった」(レコード会社関係者)ようだ。
番組中、山下は一人語りで松尾氏の契約打ち切りの経緯から、ジャニーズ事務所と自身の関係性やスタンスを説明。松尾氏に関しては、ジャニー氏への批判的な言動が「契約終了の一因」であることを認めつつ、さまざまな臆測が飛び交う状況について「今の世の中はなまじ黙っていると言ったもの勝ちで、どんどんウソの情報が拡散しますので」と前置きし、ジャニーズに対する忖度は一切ないこと、ジャニー氏や所属アイドルたちの才能や努力をリスペクトしていることを表明。
一方で性加害問題については「今回の一連の報道が始まるまでは、漠然としたうわさでしかなくて、私自身は1999年の裁判のことすら聞かされておりませんでした」「音楽業界の片隅にいる私にジャニーズ事務所の内部事情など、まったくあずかり知らぬことですし、まして性加害の事実について私が知る術はまったくありません」と断言した。
「しかしネット上では、ジャニーズへの忖度の有無はもはやあまり関係なく、性加害について『知らなかった』と断言したことについての批判が圧倒的に多い。ジャニーズ事務所現社長・藤島ジュリー景子氏もまた、同じく『知らない』というスタンスを表明したことで大炎上しましたが、その二の舞いとなってしまっています」(芸能ライター)
しかし、山下の「知らなかった」発言は、一部業界関係者から疑問視されているという。
「山下は職人かつオタク気質な人物で、ネットやSNSを、実は誰よりも気にするタイプ。ネットニュースもマメにチェックし、週刊誌も業者に頼んで発売前日に入手しているようだという話もあり、芸能界の情報収集にかけてはヘタな記者より熱心で丁寧かもしれません。それだけに、『知らなかった』発言に関しては、近い関係者からも『あれは失言だった』という声が聞こえてきます」(前出・レコード会社関係者)
それでも、ごく少数ではあるものの、山下をフォローする関係者はいるという。
「あの発言は『知らなかった』ではなく、『ジャニー氏本人に聞いたわけでもないし、被害者たちと面識もない』ということなのでしょう。当事者ではないため、性加害が『あった』と断言できないのは、ほぼすべての芸能関係者、ジャニーズ関係者も同様ですから、山下のみが批判されるのは本来おかしな話。しかしこのご時世、それでも『知らなかった』と発言すればバッシングされることを、山下本人は理解していたのかどうか……」(芸能プロ関係者)
いずれにせよ、諸問題について山下がその他大勢の関係者と同じく「見て見ぬ振り」だったことは間違いない。いま山下は、世間からの猛批判をどのように受け止めているのだろうか。
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夕刊紙「日刊ゲンダイ」(7月4・5日発売号)が、俳優で音楽家・服部吉次氏の独占インタビューを掲載した。その中で、吉次氏は小学生の時にジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏(2019年7月に死去)から性被害を受けたと告白。吉次氏の父である服部良一氏(1993年1月に死去)といえば、先日は元SMAP・草なぎ剛がドラマで同氏をモデルにした人物を演じることが明らかになったばかり。それだけに、今回の記事内容にはSMAPファンも動揺しているようだ。
同紙は前編・後編として、2日にわたり吉次氏のインタビューを掲載。前編の内容は、「国民栄誉賞作曲家の次男がジャニー喜多川氏からの性被害を告白 『8歳の時に自宅部屋で…』」(原文ママ、以下同)とのタイトルで、5日にネット版の「日刊ゲンダイDIGITAL」でも配信した。
吉次氏は、「東京ブギウギ」(1947年)「青い山脈」(49年)などの名曲を生み出した作曲家である良一氏の次男で、現在78歳。良一氏が戦後のスター歌手・笠置シヅ子氏とともにアメリカ巡業ツアーを行った際、ジャニー氏が姉のメリー喜多川氏とその手伝いをしていたそうで、ジャニー氏と服部家は家族ぐるみで親交があったという。
前編のインタビューでは「私は当時8歳。小学2年生ですから、チョコレートやお菓子を山のように持ってきてくれて、一緒に遊んでくれるヒーボー(ジャニー氏)は優しいお兄さんですし、大好きでした」とジャニー氏の印象を回顧。
そんなある日、ジャニー氏が服部家に宿泊。吉次氏の部屋で寝ることになると、ジャニー氏は「肩揉んであげる」と言い、体中を触り始めたとか。当時の状況について、吉次氏は「下半身をまさぐってきて、パンツをめくって股間のあたりに手を入れてくるんです。指でさすられているうちに生温かいものに包まれたと思った瞬間、今まで知らない突き抜けるような快感があって」などと、生々しい描写を交えて語っている。
翌朝、吉次氏は姉に事情を明かすも怒られたといい、「母親に話すことはできないし、まして普段からあまり会話が少ない父親に話すなんて無理。そこで思考停止しちゃったんです」と吐露。複雑な心理状態に陥り、両親には報告できなかったという。
「さらに、後編だと、ジャニー氏との関係は『2年半くらい続きました』『たぶん1年で30回くらいでしょうか』とも振り返っています。長野県・軽井沢で起きた“事件”や、ジャニー氏からの性被害を『記憶の底』に封じ込めた背景を克明に打ち明けていました」(ジャニーズに詳しい記者)
ジャニー氏の性加害問題に関しては、今年3月に英国の公共放送・BBCがドキュメンタリー番組『Predator:The Secret Scandal of J-Pop』を放送。以降、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏(当時は「岡本カウアン」名義で活動)、橋田康氏などがメディアを通じて実名で被害を告発した。吉次氏は彼らに敬意を払うため、「今回こそ、真正面からその圧力と向き合おう」と決意し、インタビューに応じたようだ。
「元所属タレントたちは、主に『週刊文春』(文藝春秋)でジャニー氏の蛮行を証言。さらに、同誌の6月15日号では『マネージャーも性加害を行っていた』という驚きの情報を伝えていました。ジャニーズを擁護するネットユーザーの中には、告発者に対して『売名行為ではないか』『金銭目的か』と心ないバッシングを浴びせている人もいます。しかし、今回は事務所外でジャニー氏と交流のあった有名作曲家の息子が被害を訴えたわけです」(同)
そのため、「日刊ゲンダイ」の記事を受けて、「事務所のタレントではなく、お世話になった方の子どもにまで手を出すなんて……普通じゃない」と驚く声や、「ジャニーズファンは今回も吉次氏の証言は嘘だと決めつけているけど、有名作曲家の実子がお金や売名目的で告発したとは考えにくい」などと分析するコメントが相次いでいる。
一方、このインタビューをきっかけにSMAPファンも衝撃に包まれているようだ。7月4日、草なぎが10月スタートのNHK連続テレビ小説『ブギウギ』に出演することが明らかに。同作のヒロイン・鈴子(女優・趣里)のモデルは、笠置氏。草なぎは、鈴子を導く“音楽の師匠”となる作曲家・羽鳥善一役に起用され、そのモデルこそ、吉次氏の父である良一氏なのだ。
そのため、SMAPファンは「服部良一先生がモデルの役につよぽん(草なぎの愛称)が決まった途端にジャニーさんの性加害の記事が出るとは……タイムリーすぎる」「つよぽんの朝ドラ出演を喜んでいたのに……」と困惑。かたや、ジャニーズを支持する一部ファンからは「このタイミングで吉次さんが性被害を告白するのは別の意図を感じる」「話題作りかな」と訝しむ声も上がっていた。
新たな告発者が登場する中、ジャニーズ事務所は今後この問題とどう向き合っていくのだろうか?
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