歌手で俳優のジャスティン・ティンバーレイクが、声優を務めた新作アニメ映画『Trolls World Tour』のプロモーションのため、イギリスの人気トーク番組に出演。若かりしアイドル時代に、音楽フェスで観客から“あり得ないもの”を次々と投げつけられたことを告白し、ネット上で大きな話題となっている。
2月14日に放送された英人気トーク番組『グラハム・ノートン・ショー』にゲスト出演したジャスティンは、ソロアーティストとして活動を始めて間もない2000年代初頭に出演したフェスについて回想。
「チャリティの意味合いを持ったフェスだったんだよ。(ローリング・ストーンズの)ミック・ジャガーから電話をもらった。『ぜひパフォーマンスしてもらいたい』って。『もちろん』って即答したよ」「トロントで開催されたんだけど――平和的なイメージを持っていたカナダ人のいるね――当日、出演者のラインナップを見たら、ローリング・ストーンズにAC/DC、The Guess Who、Rushとかでさ。オレは絶対に浮くわけ」と、筋金入りのロックバンドばかりの中で、ポップ歌手の自分には場違いだと気づいたそう。
「記憶があいまいだけど、自分の番が来た時(演奏)バンドに向かって『これ、絶対にスベるよ』って言ったのは覚えてる」「ステージに出てパフォーマンスを始めたら……50万人ほどの観客が集まる大規模なフェスで、その最前列と2列目から、尿入りのペットボトルが投げ込まれてきたわけ」と明かし、「オレって、いい思いばかりしてきたと思われてるけど、そんなことないんだよね」と苦笑いした。
番組には、ジャスティンと一緒に『Trolls World Tour』で声優を務めたアナ・ケンドリック、プロダンサーのオティ・マブゼ、コメディアンのアラン・カーもゲスト出演しており、「えぇ? その尿って、その場で入れたもの?」「1列目と2列目だけのおしっこなの?」とジャスティンを質問攻めに。ジャスティンは落ち着いた口調で、「きみたちのその疑問、パフォーマンスしながらオレの頭の中でもぐるぐる回っていたよ」と述べ、「すごく動揺したけど、1曲目は自分が作詞した曲だったから、なんとか無事に歌い切ることができた」と語った。
2曲目を披露する前、フェスの主催者が来て「もう終了しよう」というジェスチャーをしたそうだが、ジャスティンは「いや、オレはパフォーマンスを続ける」と主張。「最初の曲は、歌って踊りながら、尿ボトルをうまくかわしたんだよね。自分でも『やるな~』って感心したんだけど。でも2曲目は電子ピアノでの弾き語りで、『動けないじゃん。やばいじゃん』って思った。まぁ、ここでもうまくかわせたんだけど」と説明した。
そして、「そうしてるうちに、『嫌がらせをしても、こいつはパフォーマンスし続けるぞ』と諦めたのか、それともおしっこを出し切っちゃったのか、尿ボトルが飛んでこなくなったんだ」とうれしそうに語り、カメラを指して、「子どもたちよ! 粘り強くあれ!」と冗談交じりに、この特殊な状況から得た教訓を伝えていた。
カナダはイギリスの連邦加盟国であり、そのイギリスでは「ロック系フェスで尿ボトルをステージに投げつける」のは決して珍しいことではない。
毎年8月に開催される野外ロック・フェス『レディング・フェスティバル』では、ステージに尿ボトルを投げつけるのは伝統的な行為になっていると、英「BBC」ウェブ版が特集。
06年に、同フェスでパフォーマンス中、観客席から投げられた尿ボトルが頭に命中して約30秒間気絶したバンド「パニック! アット・ザ・ディスコ」のボーカル、ブレンドン・ユーリーの、「イギリスでの初のフェスだったんだけど、あれは洗礼だったね。(イギリスのフェスでは)これほどまでにみんなの頭がイカれちまうのか! って、感謝の気持ちでいっぱいになったよ。アメリカでは、あんまりないことだから」という皮肉の利いたコメントを紹介。
取材に応じたフェスの常連だという観客の「ステージまで届かないことも多々ある」「観客席の中に落ちることもある」「自分もよくやってるけど、別にいいじゃん。ちょっとおしっこかけられるだけなんだよ。無害でしょ」といったコメントも紹介している。
このように、フェスでは尿ボトルを投げることが当然と思っている観客が多いようだが、ジャスティンが「まだトラウマになってるんだけど」と言っていたように、ポップ系のアーティストには、この上なくショックな体験のよう。12年にイギリスの人気ロック・フェス『V フェスティバル』でパフォーマンス中に尿ボトルをぶつけられたシェール・ロイドは精神的に参ってしまい、予定より早くパフォーマンスを終了した。
尿ボトルについては「気に入らないアーティストのパフォーマンス中に投げつける」のが決まりのようで、15年のイギリス最大の野外ロック・フェス『グラストンベリー・フェスティバル』で、カニエ・ウエストがヘッドライナーを務めることが発表された後、「ロック・フェスなのにラッパーかよ!」と激怒した人たちがTwitterで「温かい尿ボトルを命中させようぜ!」と盛り上がったこともあった。
ちなみに、英語でおしっこという意味がある「piss」に「off」を付けると、「(~を)怒らせる」という意味になる。尿ボトルは英語で「piss bottle」であり、「オレ(私)の怒りが詰まったペットボトル」なんだというのが、投げつける側の言い分のよう。
ジャスティンの今回の告白に関して、ネット上では「尿入りボトルをたくさん投げられてもひるまなかったのは偉い」「あの頃、ナヨナヨした外見で嫌いだったけど、ガッツがあったんだと見直した」と彼を称賛する声が上がっており、「観客がボトルにおしっこをしている姿を想像すると笑える」と盛り上がっている。



