やっと園児たちのお受験が終わり、通常モードに戻りました。各々行き先が決まり、いまは新しい小学校のことで頭いっぱいの様子です。年長さんのペーパーは終了しましたが、空いた時間に読み書き、時計、数字、交通ルールを仕上げていきたいです。“小1の壁”じゃないですが、私も数年前、遠くの学校に通わせる不安がありました。いまじゃ娘は図太くなり、バスは昼寝の時間に充てようとか、電車は読書の時間などと工夫して楽しくやっています。もちろん、何度か電車やバスを乗り過ごすこともありました。1つ先の停留所で気づいたら降りる、その先なら終点まで行って折り返すなど、子どもがその時々で考え、運転手さんや駅員さんに相談し、判断し切り抜けてきました。年長さんの3月までに、普通と違うことが起こっても対応できる力をつけないと、とてもじゃないけど電車通学はできないというか、させてはいけないと思います。
まあ、小学校受験を頑張ってきた子であれば、常識問題(世の中のルール)はできているはずだし、駅員さんなどの大人に聞く力、見当たらなければ子連れの女性(うちでは道に迷ったり、何か大人に聞かないといけない場合は、優しそうという意味合いからなるべく子連れの女性に聞くか、おばあちゃんではない女性に聞くよう指導しています)に聞くなどして、対応できる力は持っていると思うので、乗り切ってくれると信じています。
以前、保育園の前で泣いている新1年生をスタッフが見つけました。話を聞くと近所に住んでいる子で、学校までの道のりがわからなくなってしまったそうです。始業時間をとっくに過ぎていたので、本人なりに学校を探したのだと思います。スタッフは学校のある通りまで送りましたが、近所でさえこうした事態は起こり得るのです。
世の中、保育園無償化とかそんな流れになっていますが、駒沢の森こども園、衾の森こども園は、もっともっとこれからお受験寄りになると思います。というか私自身、お受験事情の最先端にいるようにしていますし(私立小の懇談会や説明会へ常に参加、過去問の研究)、またそれが最近では楽しいです。
駒沢の森こども園、衾の森こども園の来年度は一応いっぱいですが(毎年何人かキャンセルは出ます)、見学のメールの段階で、「小学校お受験希望」または「預かるだけの保育園じゃダメな理由が明確にある人」から優先で受けて行くようにします。認可の保険(認可に入れたら辞める)みたいな人を取ったら、本当に入りたい人を逃してしまいます。「うちじゃなくてもいいんじゃない?」と思う人も紛れているので、「あああ」とたまに感じますね。受験するにしろ、しないにしろ、丁寧に育てたい人向きの園ですよ(笑)。
これだけ尖がっていると、稀に変わった人のアンテナにも引っかかります。連絡帳に「プラレールが気に入って遊んでいました」と書いたら、「プラレールは家でもできるので、本の読み聞かせをたくさんお願いします」とクレーム的に書いてあることがありました。いやいや、朝の会はもちろん着替えが終わってない子を待つ間など、ことあるごとに本を読んでいて、ほかの保育園よりとても読書量が多いのが自慢でもあるんです。
よく観察すると、このご家庭は朝の会が終わってから登園していますし、親は本好きなのに、子どもはまったく本に興味がない様子です。本が好きな子は1歳でも本を先生のところに持ってきて、「読んで」と言います(実際に言わなくても「読んで」という意味で持ってくる)。様子を見ていると、普段親が本を読んで聞かせているとは、どうしても思えないんですよ。子どもにとって本は、声色を使って楽しく読まないと好きになってくれません。ただ文章を読むように読んでも、子どもは苦痛でしかありません。動画で見せた方が、断然マシです。
毎日本を読むと確かに本好きになるし、お受験でもお話の記憶はもちろん、有名な童話や民話のあらすじを知っているのが大前提なので、読み聞かせは大事なのですが、遊んでいるおもちゃを取り上げて、無理に本を読んでも逆効果なんですよね……。このあたりの感覚をわかってくれる人に、入園してほしいですね(苦笑)。
角川慶子(かどかわ・けいこ)
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月に認可外保育園「駒沢の森こども園」、16年4月からは派遣ベビーシッター「森のナーサリー」、17年4月に認可外保育園「衾の森こども園」をオープンさせる。家庭では9歳の愛娘の子育てに奮闘中。