アンネ・フランクが不憫すぎる……日記に隠された「黒歴史」の発掘に同情が集まる

 夜な夜なノートに、青春の主張や妄想アニメ・ラノベ設定を書き綴る。ある世代より上の人々は、必ず経験したことではなかろうか。

 今ではSNSが、その役割の一端を担っているが、2000年くらいまでは深夜にコンビニでノートを買いに走って、噴き出す思いを書き綴っていた人が多かった。「俺は○○を絶対に幸せにする(付き合ってない女のコ相手の妄想)」とか「○○設定集(つくる予定もないアニメ)」とか……ノートに思いの丈をぶつけるしかなかった。

 もしも、自分のそんな「黒歴史」が、見知らぬ他人の手によって暴かれたとしたら、まず恥ずかしくて生きてはいられないと思う。まして、死んでから、それらが多くの人の目にさらされるとなれば、それこそ恥だ。

 でも、まさか世界的に有名な少女がそんな仕打ちにあうなんて……。

 そんな「黒歴史」を暴かれたのが、アンネ・フランク。いわずと知れたホロコーストの犠牲者で『アンネの日記』で知られる人物である。

 現在『アンネの日記』として刊行されているものは、オリジナル版ではない。もともとは、強制収容所から生還した父・オットーが、隠れ家生活の支援者から受け取った、隠れ家の床に散らばっていた文書を編集したもの。

 さらに、これが公刊される際に辛辣な他者への批判や性に関する記述などは編集が加えられたのである。

 ところが、このたびオランダの博物館「アンネ・フランクの家」が研究機関と共同で、最初の日記帳を分析。そこで、のりで紙が貼られていたページに隠された内容が明らかになったのである。

 そこには下ネタ・ジョークのほか、自分がセックスについて説明することになった場合にどう答えるか。さらには、売春婦に関する記述として「パリには路地で男を誘う売春婦が多数いて私のお父さんもそういう売春宿に行ったことがある」ことが記されていたのだ。

 日記を執筆していた当時のアンネの実像を知ることができる貴重な発見。でも、遠い未来になって、隠していた部分が、見知らぬ他人に暴かれるとは想像していただろうか。SNSには、そんなアンネの気持ちを代弁するような言葉が集まっている。

「黒歴史ノートの全世界配信とか気の毒すぎる」
「黒歴史暴かれるのはつらみがある……」
「アンネ・フランク可哀想すぎる」
「こういうこと書いてる13歳のほうがよっぽど人間ぽくて好き」

 第三者の編集によって、どこか聖女のような印象を持たれてきたアンネ。こうした記述の発見で、等身大の少女としての彼女の姿も浮かんでくる。でも、やっぱり黒歴史が発掘されるのはかわいそうだ。

 世界的に「黒歴史」への同情があるのか、このニュースを報じる海外メディアの中には、詳細な黒歴史部分の記述を避けているものも多いようだ……。
(文=是枝了以)

セクハラを受けたらどうする? 「セクハラ罪」はなくても、出来ることはたくさんある。

 佐藤正子(@SATOMasako)です。こんにちは。

 2カ月ぶりの登場になってしまいました。4月は進学・進級の季節でしたね。子どもが通っている保育所の担任の先生が転勤されて、親子ともどもすっかりナーバスになっていました。4月当初から熱を出した子どもを看病しているうちに、怒濤のGW前の進行となって、あっという間に4月が終わりました。

 その間、セクシュアルハラスメントなどの性犯罪が世間を賑わせていました。福田淳一元財務事務次官によるセクハラによる懲戒、元TOKIOの山口達也氏の強制わいせつ事件(処分はしないことで終了したようです)……昨年の秋頃からこうした性暴力に関する話題が事欠きません。

 現在、麻生太郎財務相の「セクハラ罪っていう罪はない」という発言が注目されています。そこで今回はセクハラ、特に職場においてのセクハラについて取り上げます。

セクハラが刑事事件になることもある
 そもそもセクハラとはなんでしょうか。厚生労働省は男女雇用機会均等法における「職場におけるセクシュアルハラスメント」を以下のように説明しています。

 職場におけるセクシユアルハラスメントは、「職場」において行われる、「労働者」の意に反する「性的な言動」に対する労働者の対応により労働条件について不利益を受けたり、性的な言動により就業環境が害されることです。

 つまり「性的な言動」によって職場の環境が悪化したり、それへの対応で被害者も問題を起こしたとみなされ、それにより評価が下がることなどを職場における「セクハラ」としているわけです。

 なお、セクハラは男性が加害者で、女が被害者というケースだけではなく、両方が加害者/被害者になりますし、同性同士でも十分起こります。女性上司が男性部下に行うこともあれば、女性同士、男性同士でもありえます。

  ここではあまり言葉のひとつひとつに立ち入りませんが、取引先との飲食の場であっても職務の延長と考えられるものは「職場」にあたります。福田元事務次官にセクハラを受けたことを告発した女性社員は、社外と思われる場所で、数々のセクハラにあたるだろう発言を浴びせられていました。公表されている音声データには、女性社員が財務省と森友学園などについて福田元事務次官に質問している様子が収められていましたので、「職場」と考えられるものだと思います。

 また、性的な言動には、言葉だけではなく、ふるまいも含まれます。先ほどの厚労省の資料にもあるとおり、セクハラの内容によっては強制わいせつ罪や強制性交等罪(以前の強姦罪)に問われることもあります。たとえば職場で強制的に性交されたとしましょう。これはれっきとしたセクハラであり、強制性交等罪という犯罪です。つまり、セクハラ罪という法律はなくても、セクハラが刑事事件になることがあるわけです。いやがる人に無理にキスをしたとしても、強制わいせつにあたる可能性がありますので、セクハラというだけで軽いと受け止められることは間違いです。

 一方、性的な発言で嫌な思いをさせることを罪とするような、「セクハラ罪」を新しく作るのがよいのかどうか、今のところ私はあまり積極的には考えていません。言った人は長期間逮捕され、場合によっては裁判を受けることになりますし、立証するために証拠を集めるということは、監視社会を加速化させることも予想されるからです。それは、みなが求める社会なのでしょうか? 職場で常にカメラやICレコーダーがまわっていて、誰がなにをして、なにを言っていたか録音録画されている方がよいのでしょうか?

 気軽に「言われたことはセクハラですからやめてください」と言えるような職場の方がよくないですか? セクハラが起こりにくい社会作りと監視社会はあまり相性がよくない気がします。

セクハラを受けたらなにが出来る?
 では、セクハラを受けた場合、どうすればよいのでしょうか。

 私が弁護士として相談を受けた場合、適切な手段をいくつか提示し、相談者に決めてもらうことになります。必ず裁判をするわけではありません。

 相手に内容証明郵便などを送り、交渉で謝罪や慰謝料を受け取ることもあります。その際に、必要がありそうなら、精神科の受診などを勧めることもあります。弁護士へ相談する前にすでに受診している場合もありますが、その通院費用も請求可能です。ですから、受診するならかならず領収書や明細書を残しておいてください。病名がつくなら診断書を取ってきてもらうと、慰謝料を増やす証拠として使用できることもあります。費用がかかるので、必要かどうかは弁護士に相談してから書いてもらうことを勧めます。

 また、会社には、セクハラがあってはならないとする方針を立て、周知する義務がありますし、苦情窓口をあらかじめ決め、適切な対応をしなければなりません。セクハラを防止する対策をなにもしていないなどの過失があれば、会社に謝罪や慰謝料の請求ができるときがありますし、また、配置換えなどもその際に交渉できます。

 交渉で解決しない場合は、裁判所で解決を求めることもできます。裁判所は裁判だけをしている場所ではなく、様々な制度が用意されています。例えば、労働審判という制度を利用すると、裁判官に加えて会社側・労働者側双方の一般人(秘密は守られます)が助言などを行い、解決への手段を検討してくれます。原則3回までしか行われませんので、裁判するより比較的短期間で解決が望めます。審判の場には、相談者が依頼した弁護士が立会いますし、打ち合わせ等で弁護士が適宜アドバイスしていくことにもなります。労働審判は非公開で行われるものですので、自身が受けたセクハラの内容などが関係者以外に知られるという心配はありません。

 もちろん裁判することもできます。裁判は公開ですが、実際には、相談者の話を聞いた弁護士が書類を作成し、弁護士はそれをもって裁判所に行くだけなので、相談者のプライバシーは守られています。なお、セクハラ内容なども書かれている書類を公開の裁判所で読み上げることはほとんどありません。尋問ということになれば相談者が裁判所に行かなければなりませんが、尋問が行われるまでに合意ができて解決すれば行く必要はないということもあります。

 強制わいせつなどの罪にあたる可能性がある場合は、刑事事件として警察へ告訴することも考えられます。上記の交渉や裁判所での解決とはまた別の手続ですが、両方行うこともあります。

大切なのはセクハラが起こらないこと
 確かに日本には「セクハラ罪」という罪はありませんが、いま述べたように、様々な形でセクハラ加害者に対して謝罪や慰謝料を請求することが可能です。

 セクハラを、毎日、あるいはしょっちゅう行く場所である職場で受けたときのストレス度はたいへん高いものだと思います。セクハラ被害に対して、どうするか決めるのはもちろん被害に遭った人です。これから毎日セクハラを受けることになるのか、セクハラ被害を訴えた上司がまともに取り合ってくれるのか、職場がぎくしゃくしてしまうのではないか……などの不安も覚えるかもしれません。被害を受けたことだけでなく、様々な負担がかかるわけで、その告発には相当なハードルがあります。たとえ様々な手段で請求できるといってもそのことに変わりはありません。

 大切なことは、セクハラが起こらないことであり、セクハラしないことです。職場の啓発活動に弁護士として私が講師をしたこともありますが、そういうときに男女問わず、積極的に参加してもらえるととてもありがたいです。 被害者が泣き寝入りしたいためにも、そして加害者にもならないために。

セクハラを受けたらどうする? 「セクハラ罪」はなくても、出来ることはたくさんある。

 佐藤正子(@SATOMasako)です。こんにちは。

 2カ月ぶりの登場になってしまいました。4月は進学・進級の季節でしたね。子どもが通っている保育所の担任の先生が転勤されて、親子ともどもすっかりナーバスになっていました。4月当初から熱を出した子どもを看病しているうちに、怒濤のGW前の進行となって、あっという間に4月が終わりました。

 その間、セクシュアルハラスメントなどの性犯罪が世間を賑わせていました。福田淳一元財務事務次官によるセクハラによる懲戒、元TOKIOの山口達也氏の強制わいせつ事件(処分はしないことで終了したようです)……昨年の秋頃からこうした性暴力に関する話題が事欠きません。

 現在、麻生太郎財務相の「セクハラ罪っていう罪はない」という発言が注目されています。そこで今回はセクハラ、特に職場においてのセクハラについて取り上げます。

セクハラが刑事事件になることもある
 そもそもセクハラとはなんでしょうか。厚生労働省は男女雇用機会均等法における「職場におけるセクシュアルハラスメント」を以下のように説明しています。

 職場におけるセクシユアルハラスメントは、「職場」において行われる、「労働者」の意に反する「性的な言動」に対する労働者の対応により労働条件について不利益を受けたり、性的な言動により就業環境が害されることです。

 つまり「性的な言動」によって職場の環境が悪化したり、それへの対応で被害者も問題を起こしたとみなされ、それにより評価が下がることなどを職場における「セクハラ」としているわけです。

 なお、セクハラは男性が加害者で、女が被害者というケースだけではなく、両方が加害者/被害者になりますし、同性同士でも十分起こります。女性上司が男性部下に行うこともあれば、女性同士、男性同士でもありえます。

  ここではあまり言葉のひとつひとつに立ち入りませんが、取引先との飲食の場であっても職務の延長と考えられるものは「職場」にあたります。福田元事務次官にセクハラを受けたことを告発した女性社員は、社外と思われる場所で、数々のセクハラにあたるだろう発言を浴びせられていました。公表されている音声データには、女性社員が財務省と森友学園などについて福田元事務次官に質問している様子が収められていましたので、「職場」と考えられるものだと思います。

 また、性的な言動には、言葉だけではなく、ふるまいも含まれます。先ほどの厚労省の資料にもあるとおり、セクハラの内容によっては強制わいせつ罪や強制性交等罪(以前の強姦罪)に問われることもあります。たとえば職場で強制的に性交されたとしましょう。これはれっきとしたセクハラであり、強制性交等罪という犯罪です。つまり、セクハラ罪という法律はなくても、セクハラが刑事事件になることがあるわけです。いやがる人に無理にキスをしたとしても、強制わいせつにあたる可能性がありますので、セクハラというだけで軽いと受け止められることは間違いです。

 一方、性的な発言で嫌な思いをさせることを罪とするような、「セクハラ罪」を新しく作るのがよいのかどうか、今のところ私はあまり積極的には考えていません。言った人は長期間逮捕され、場合によっては裁判を受けることになりますし、立証するために証拠を集めるということは、監視社会を加速化させることも予想されるからです。それは、みなが求める社会なのでしょうか? 職場で常にカメラやICレコーダーがまわっていて、誰がなにをして、なにを言っていたか録音録画されている方がよいのでしょうか?

 気軽に「言われたことはセクハラですからやめてください」と言えるような職場の方がよくないですか? セクハラが起こりにくい社会作りと監視社会はあまり相性がよくない気がします。

セクハラを受けたらなにが出来る?
 では、セクハラを受けた場合、どうすればよいのでしょうか。

 私が弁護士として相談を受けた場合、適切な手段をいくつか提示し、相談者に決めてもらうことになります。必ず裁判をするわけではありません。

 相手に内容証明郵便などを送り、交渉で謝罪や慰謝料を受け取ることもあります。その際に、必要がありそうなら、精神科の受診などを勧めることもあります。弁護士へ相談する前にすでに受診している場合もありますが、その通院費用も請求可能です。ですから、受診するならかならず領収書や明細書を残しておいてください。病名がつくなら診断書を取ってきてもらうと、慰謝料を増やす証拠として使用できることもあります。費用がかかるので、必要かどうかは弁護士に相談してから書いてもらうことを勧めます。

 また、会社には、セクハラがあってはならないとする方針を立て、周知する義務がありますし、苦情窓口をあらかじめ決め、適切な対応をしなければなりません。セクハラを防止する対策をなにもしていないなどの過失があれば、会社に謝罪や慰謝料の請求ができるときがありますし、また、配置換えなどもその際に交渉できます。

 交渉で解決しない場合は、裁判所で解決を求めることもできます。裁判所は裁判だけをしている場所ではなく、様々な制度が用意されています。例えば、労働審判という制度を利用すると、裁判官に加えて会社側・労働者側双方の一般人(秘密は守られます)が助言などを行い、解決への手段を検討してくれます。原則3回までしか行われませんので、裁判するより比較的短期間で解決が望めます。審判の場には、相談者が依頼した弁護士が立会いますし、打ち合わせ等で弁護士が適宜アドバイスしていくことにもなります。労働審判は非公開で行われるものですので、自身が受けたセクハラの内容などが関係者以外に知られるという心配はありません。

 もちろん裁判することもできます。裁判は公開ですが、実際には、相談者の話を聞いた弁護士が書類を作成し、弁護士はそれをもって裁判所に行くだけなので、相談者のプライバシーは守られています。なお、セクハラ内容なども書かれている書類を公開の裁判所で読み上げることはほとんどありません。尋問ということになれば相談者が裁判所に行かなければなりませんが、尋問が行われるまでに合意ができて解決すれば行く必要はないということもあります。

 強制わいせつなどの罪にあたる可能性がある場合は、刑事事件として警察へ告訴することも考えられます。上記の交渉や裁判所での解決とはまた別の手続ですが、両方行うこともあります。

大切なのはセクハラが起こらないこと
 確かに日本には「セクハラ罪」という罪はありませんが、いま述べたように、様々な形でセクハラ加害者に対して謝罪や慰謝料を請求することが可能です。

 セクハラを、毎日、あるいはしょっちゅう行く場所である職場で受けたときのストレス度はたいへん高いものだと思います。セクハラ被害に対して、どうするか決めるのはもちろん被害に遭った人です。これから毎日セクハラを受けることになるのか、セクハラ被害を訴えた上司がまともに取り合ってくれるのか、職場がぎくしゃくしてしまうのではないか……などの不安も覚えるかもしれません。被害を受けたことだけでなく、様々な負担がかかるわけで、その告発には相当なハードルがあります。たとえ様々な手段で請求できるといってもそのことに変わりはありません。

 大切なことは、セクハラが起こらないことであり、セクハラしないことです。職場の啓発活動に弁護士として私が講師をしたこともありますが、そういうときに男女問わず、積極的に参加してもらえるととてもありがたいです。 被害者が泣き寝入りしたいためにも、そして加害者にもならないために。

梅宮アンナYouTuberデビューもわずか1週間で更新停止! 低評価続出の惨状

 今年4月にYouTuberとして活動を始めた梅宮アンナ(45)。そのこと自体がさほど広まっていないようだったが、YouTuber歴1カ月を超えた現在は、どのような活動をしているのだろうか。梅宮アンナのYouTubeチャンネルを見てみると、5月15日現在でチャンネル登録者数は1,948人。一般人が1カ月で1,000人を以上集めるのはすごいことだが、彼女が芸能人であることを考えるとかなり寂しい数字だ。しかも投稿されている動画数は現在までに3本しかない。デビュー作は4月10日に公開された「梅宮アンナ ユーチューバーになりました!!」で、簡単な自己紹介から始まり、YouTuberになった理由などを語っている。

 梅宮アンナは「長い間テレビをやっていて、オンエアを自分で見た時に『なんでこういう編集の仕方なのかな?』っていうのをずっと自分で思っていました」「ここを使って欲しいのにってところがカットされて、自分が『アレ?』って思うところを全部つなぎ合わせてたりとかして、テレビに対して違和感をずっともってた」と、Youtuberを志した理由を説明。YouTubeなら「自分の好きなところを使って面白く編集できるのかな」と感じ、「梅宮アンナという人を自分が納得するように伝えて行こうかな」と、YouTuberとしての活動を決めたことを明かした。

 なお、スタッフに憧れのYouTuberを尋ねられると、「私の周りはどうしても外国だったりとか、外国の女の子のメイクだったりとか、外人さんのものを見ることが多かったですね」。であれば、梅宮アンナもメイク動画を投稿していくのかと思いきや、「知っている日本人YouTuberは?」との問いにヒカキンの名前を挙げ、「最高峰だもん。写真撮ってもらいたいもん。ヒカキンさんと写真を撮ってインスタにアップしたいと思います!」とYouTubeではなくインスタに投稿することに意気込んでいる。想定の範囲内だが、何がしたいのかさっぱりわからない。

 その後、「どんな動画を撮っていきたいか」との問いには「新しい実験的なことをやっていきたいかな、変わったことやりたい! 自分の好きなものをどれだけ食べられるかとかさ」と抽象的なコメント。外国の女の子のメイクを見てきたのは一体何だったのだろうという疑問はさておき、要するに、ヒカキンなども投稿しているチャレンジ企画をやろうとしていたようだ。

 そして「知り合いの芸能人の出演はありますか?」の質問に、芸能界の人間関係は「ちょっとめんどくさい」と友達が少ないことを告白。それでも唯一アンミカ(46)とは同世代で家族ぐるみで仲が良いことを明かし、共演動画について企画案を披露した。何でも、先日まで梅宮アンナには好きな人がいたものの失恋してしまい、毎日泣いていたとのこと。その時、アンミカと個室でランチを食べながら相談をしていたそうで、「オーダーとかで店員さんが来ても構わず泣いてた。そういう相談みたいなのが良いかも」と構想を練っていた。

 4月16日公開の2本目「梅宮アンナの休日を公開します!」は、梅宮アンナがネイルサロンやスパを満喫する休日に、4月17日に公開された3本目の「anna style」は、梅宮アンナが美容室を訪れカラーリングの施術を受けている様子にそれぞれ密着している。

 しかし、3本目の動画を最後に約1カ月間、新しい投稿はない。動画の再生回数も右肩下がりで、初回動画が4万5,000回以上再生されているのに対し、2本目の動画は約1万3,000回、3本目の動画は約7,800回にまで落ち込んでいる。さらにYouTubeには“高評価”と“低評価”で動画を評価するシステムがあるのだが、3つの動画はいずれも“低評価”が多数で、コメント欄にも好意的なコメントは少ない。

 YouTuberデビューを発表した際に一部では「迷走してる」「YouTuberを甘く見てる」などとも言われた梅宮アンナだが、現状の活動状況をみるに、結局Youberデビューは「迷走」でありYouberを「甘く見て」いたのだろうか。「新しい実験的なことをやっていきたい」と意気込んでいた彼女に期待していただけに残念でならない。梅宮アンナが好物を限界まで食べたり、アンミカに号泣しながら相談する動画が投稿される日は来るのだろうか。そしてそれらよりもメイク動画がもっとも需要があるだろうことに、アンナは気付いてくれるだろうか。

(ボンゾ)

夏菜や島崎和歌子も飲酒トラブルで危険! 楽しいお酒が地獄への片道切符になる可能性

 TOKIOの山口達也(46)が女子高校生に対する強制わいせつ容疑で書類送検され、所属事務所と契約解除にまでいたった事件について、山口達也が「酒を飲んでいて覚えていない」と答えたことで、各所で“酒は怖い”という結論にされている。しかし飲酒していない状態で共演者の未成年と連絡先を交換していたり、飲酒したからといってわざわざ立場の弱い相手を呼び出す行為には作為的なものがあり、すべて酒のせいとはやはり言えない。一方で、飲酒を控えていれば事件のひきがねを引かなかったのだとすれば、飲酒も一因であることは事実なのだろう。酒は百薬の長ともいうが、飲む量や飲み方を誤れば、他者に危害を加えたり、自身が事故に遭うなど、破滅を招くものでもある。たしかに“酒は怖い”のだ。そんな酒に、日本社会は寛容だという指摘は、諸外国からよくされている。

 山口が酒で破滅したにもかかわらず、テレビでは芸能人が「お酒での失敗」を悪びれることなく笑い話として料理する。5月12日放送の『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)に出演した夏菜(28)は、飲酒が日課で「15~20杯ほど飲む」と酒量の多さを告白。飲酒によって意識を失くしてしまうこともよくあるようで、酩酊してコンビニで大量のおにぎりやスナック菓子を購入(寝て起きると記憶にない)したりする他、電車を乗り過ごしたのか埼玉県の知らない駅のベンチで寝てしまい両親から捜索願を出された経験もあるという。

 女優の泥酔事件簿は、暴力的な方向に転じたとしても警察沙汰になることは少ないためか、テレビの人気ネタのひとつだ。2018年1月に放送された『今夜くらべてみました 元日から生放送3時間SP』(日本テレビ系)では、飲みながら出演していた高橋由美子(44)が途中から泥酔状態に突入。出来上がった状態で他出演者にむやみに絡み始め、スタッフに裏へ連れていかれる様子が放送された。高橋由美子はその後、不倫報道で「週刊文春」(文藝春秋)の直撃を受け、泥酔状態でインタビューに応じて「あたしもっといろいろやってっから!」と啖呵をきった。この春、所属事務所を退社している。

 実は好感度の高いタレントである島崎和歌子(45)も、悪酔いするタイプで危険ではある。15年放送の『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)では、IMALU(28)と飲みに行った際にIMALUのおっぱいを揉みながら飲み、体へ噛みついたことを暴露されている。これを受け、MCの松本人志(54)も、島崎に体中を噛まれた経験があることを明かしていた。長澤まさみ(30)は、歩けなくなるほど酔っ払って洋服を脱ぎ始めたことがあり、宮沢りえ(45)はテンションが高くなりテーブル上で仁王立ちになったこともあるという。さらに、ひとりで飲んでいると知人に連絡するタイプだそうで、瑛太にしつこく連絡を取った時には「俺、結婚してるのわかってる?」と激怒させたこともあると報じられたことがある。

 沢尻エリカ(32)は酔いすぎて「目覚めたらMRIにいた」と病院に運ばれた経験があるほど酒飲みで有名だ。映画『ヘルタースケルター』撮影時には役作りのために実際にお酒を飲んで撮影に参加したものの、演技ができないほどに酔っぱらってしまい、スタジオに一時間も遅れて到着したそうで、共演した寺島しのぶに「女優なら酔った演技も素面でしろ」と激怒されたというのは有名な話だ。一方で、2014年放送の『水トク! 名医が教える! セカンドオピニオン』(TBS系)では、酒豪の遠野なぎこ(38)が「アルコール性心筋症の可能性がある」と指摘を受けていた。この手の医療バラエティ番組で、過度な暴飲暴食をしている芸能人に指導が入るのは定番である。

 酒でほどよく酔った状態になるのは、たしかに楽しい。しかし泥酔して他人に危害を加えるだけでなく、自身の健康状態を左右しかねない。のみならず、階段で足を踏み外したり道路でふらついたり線路に転落するなど、命の危険にも直結する。さらに酩酊状態で性暴力被害に遭ったとしても証拠を押さえづらく「自業自得」と斬り捨てられることが現状の日本ではまかりとおってしまう。せっかくの楽しいお酒が、地獄への片道切符になってしまう可能性はいくらでもあるのだ。

 酒は20歳を過ぎれば「大人の責任」として野放しにされているが、酩酊すれば大なり小なり判断力は鈍る。酒の怖さをあらためて広く認識しなければならないだろう。

(ボンゾ)

「18禁」の定義って? 夜は寝床でフウフウフウ、R-18同人誌を頒布する!

 同人誌と縁のない人ほど、「同人誌=漫画/ゲーム/アニメに出てくる可愛い子ちゃんがあんなことも!こんなことも!」な世界を想像するのかもしれない。しかし、R-18ではない同人誌は多い。「非R-18」の、ほのぼのであったり、胸キュンストーリーが展開される同人誌は、同人誌の世界を初めて知った当時の気持ちまでもが思い出され、しみじみといいものだ。だが今回、オフライン同人活動3年目の著者はR-18同人誌を出そうと考えている。しかしそもそもR-18の定義がはっきりわからなかったので、あらためて調べてみることにした。

 

■自分の描いた同人誌がR-18であるかどうかを、どうやって判断する?

 「非R-18」の同人誌もたくさんあるが、「R-18」の同人誌は無敵艦隊でもある。同人誌販社『とらのあな』で2018年4月19日付けの同人誌人気ランキングTOP10を見てみたところ、男性向けでは9作品が、女性向けでは6作品がR-18指定だった。

 なお、それらの表紙を見る限り、R-18といっても「暴力的・残酷な描写」の方ではなく「おしべとめしべがくんずほぐれつ」な方だ。よって、当原稿でも以降の「R-18」という記載は、おしべ+めしべ(時として、おしべだけだったり、めしべだけだったりする)と思って読んでもらえれば幸いだ。

 同人誌において、作品がR-18かどうかは作者が判断し、R-18ならば「R-18」の表記を、表紙の分かりやすい場所に入れなくてはいけない。しかしここで、あらためて「R-18」の定義とは何だろう。

 コミックマーケット(コミケ)に次ぐ多くの大規模イベントを全国各都市で開催する赤ブーブー通信社では、参加サークル向けのパンフレットで「成人向表現の留意点」について説明している。同資料から一部をまとめ、抜粋する。

・法令において「わいせつ描写」には明確な基準は設けられていない。何が「わいせつ」にあたるのかは「その時代の」健全な社会通念に照らして判断する。
・「商業誌の描写レベル」に準じるのが、同人活動にあたって法令順守のひとつの目安になるのではないか。(→「成人向け」の商業誌の表現に準じる)

 そして以下が特に感動したので、こちらは全文を引用する。

『表現の自由とわいせつの論争はこれまでも長く続けられ、また非常に重要な問題です。この議論を簡単に放棄することはできません。
 しかしそれだけに一度法令違反として検挙されれば、全国報道とともに刑の確定を待たずして「法令順守を開催の必須条件」とする同人誌即売会は、全ての即売会を巻き込んで、存続の危機を迎えます。
 参加するみなさん一人ひとりが、同人誌表現の一翼を担っているのです。ぜひこの機会にご自身の作品とともにこの問題についてお考え下さい』

 R-18の定義が明確でないのは、「そこに隙間を持たせていることへの意味を各々が感じ取り、ふさわしい対応してほしい」というあらわれだろう。これは相手を信頼した極めて大人っぽい物事の考え方であり、やはりR-18は中坊には100億年早いのだ。

 

■獠さんの勃起は我が家ではNGだった~私ともっこりの歴史~

 R-18の定義は世界を見ても「曖昧」だ。
 以前、日本のオタクグッズを世界中に展開する販社「Tokyo Otaku Mode」を取材した際も、日本のゲームでは当たり前のようによく見かける「ビキニの水着のようなコスチュームの女性キャラクター」に難色を示されたケースもあるなど、世界各国のエロ定義に驚いたことがある(記事参照)。

 また、日本国内とて、時代により雰囲気などあっさり変わる。私が幼少のころ、「週刊少年ジャンプ」(集英社)に掲載されていた漫画『シティーハンター』では獠さんが「もっこり」していたが、今、ジャンプで「脇役ではなく、主役の高頻度のもっこり」はいけるだろうか。ちなみに『シティーハンター』は夕飯の時間帯にテレビアニメにもなっていたが、我が家ではR-18指定番組で最初のころは見させてもらえなかった。なお、掲載誌を読んでいたのでこの対応は無意味だった。

「ジャンプ」は当時『ジャングルの王者ターちゃん』も連載中で、私は幼少のころ、漫画から男性器を今の小学生よりもはるかに見ていたと思う。しかし家のテレビで『シティーハンター』を見られなかった経験から、「勃起」はセンシティブでありタブーなのだと少女心に刷り込まれたものだ。

 そのため、これはもう私が成人してからだが、「まりもっこり」のキーホルダーが女子中高生に大人気で鞄や携帯につけていると聞いたときは仰天した。そして今、週刊少年ジャンプの兄貴的雑誌である「週刊ヤングジャンプ」(集英社)の掲載漫画『ゴールデンカムイ』で勃起が決め台詞の脇役・二瓶鉄造を見るたびに大喜びしているのが「私と勃起の半生のあゆみ」だ。

 勃起一つとっても、秋の空のように移ろいやすいのが分かる。

 

■小説の「R-18」って何だろう?

 私の書いている同人誌に戻る。先述の赤ブーブー通信社の 「成人向表現の留意点」では実際に「性行為や性器の描写」についての具体的も記載がされている(※時代によって移ろうことを考え、こちらの記載は控えたい)。私の書いているのは漫画でなく小説だが、この「描写」における細かさは、絵でも文章でもやったらアウトだよ、ということなのだろう。

 なお、小説投稿サイト『小説家になろう』でも、R-18のガイドラインとして以下が提示されている。

■性的感情を刺激する行為の直接的描写
■性描写全般
■残酷な行為の描写
■反倫理的な描写
■R18扱いの画像が使われている
■大衆向け辞典(広辞苑等)に掲載されていないアダルト用語が使用された作品
 こちらを見ても、やはり「行為の詳細な描写になれば、R-18にしてね」ということだろう。

■朝チュンはR-18でない理由が堂々と説明できる!

 ここまでで、「朝チュン」はR-18ではないことが堂々と胸を張って説明できるはずだ。言うまでもないが「朝チュン」とは、女性向け漫画で使われがちな表現方法であり、夜、男と女が寝室になだれ込み、ベッドの上で固く握り合った二人の手や皺のよったシーツだけの描写があり、ページをめくると、もう東の空は明るくなっており、スズメがさえずっているというアレだ。よって、男と女は、ベッドの上で一晩中腕相撲に勤しんでいたのかもしれないのだ。

 ターちゃんと獠さんの男性器をほぼ毎週「ジャンプ」で見て育っていたが、一方私は小学~高校のころ購入していた少女漫画雑誌は「りぼん」→「別冊マーガレット(別マ)」という、「集英社・清純派コース」だった。今の別マはハードコアなのかもしれないが、20世紀の別マは最終回の一回前でヒロインがようやくキスする程度で、いくえみ稜先生が女性の登場人物が浮気する漫画を描いた際は「いくえみ先生、攻めすぎ~!」と思ったくらいだ。

 しかし少女漫画誌でも、『快感(ハートマーク)フレーズ』を擁した小学館「Sho-Comi(私が読んでいたころの名称は少女コミック)」は結構エロ描写も攻めていて、姉のいる友達の家で篠原千絵先生の色っぽい漫画をワクワクしながら読んだものだ。「Sho-Comi」では「朝チュン」や「口にキスした次に首筋にキスする」くらいまで描かれていたものもあり、女子小学生の私は「くゥ~!」となっていたものだ。

「首筋にキス」→「朝チュン」の間の、通勤快速で飛ばしてしまった「→」こそがR-18の天守閣だ。埼京線で例えるなら、赤羽と武蔵浦和の間の戸田あたりが超絶エロであり、ここをバシッと描いているのがコンビニの成人指定漫画雑誌といえる。

 しかしエロの空気は水物で移ろいやすい。「朝チュンとはおぞましい。こんんなものは有害図書だ、一体どんな心の闇が朝チュンなんぞを描かせるのか、親の顔が見てみたい」という時代が来ないとも限らないのだ。

 

■結局私の同人誌はこうなった

 R-18について、上記の通り調べてきた。
「必要以上に及び腰にもならず、でも、同人文化の末端とはいえ当事者である以上、この愛すべき文化の妨げにならないよう忖度の上、エロ同人誌を作ろう」と青雲の志を抱きいざ鎌倉、とエロを書こうと思っていたのに、書いてみたらヤらずに終わった。「朝チュン」すら至らなかった。堂々と、胸を張って「非R-18」です! といえる仕上がりになった。

 ネット記事にありがちなタイトル詐欺かとご立腹の方にはおわび申し上げたいが、タイトルは「R-18同人誌を頒布する」で、「頒布した」ではないと言い訳したい。正しくは、「R-18同人誌を頒布する(つもりでいたけど、R-18じゃなくなった)!」だ。

 やはり「りぼん→別冊マーガレット」の清純派育ち。三つ子の魂百までだ。書かない方がかえってエロい、という戦略的撤退であったことも加えておきたい。

 

■妄想よりも、オフ同人誌にした方がいい理由

 最後に、5月に同人誌即売会イベントに出たので、毎回報告している同人誌頒布状況について報告したい(前回報告)。

【状況】
・2015年より同人誌A~Fを制作。全て二次創作の小説。「A」「B~D」「E,F」は原作が異なる
・ソロ活動(「同担」との交流はほぼない)
・オンラインはPixivのみ利用(個人サイトなし。TwitterもROMのみで利用)
・同人イベントは年に2回のペースで参加。イベント後通販も行う。
・A~Cは50部、Dは40部、E,Fは30部刷る(印刷所がくれる余部は含めない)

【前回、2018年2月の頒布冊数(同人誌A~Eまで)】
A 19冊
B 50冊(完売)
C 40冊
D 24冊
E 18冊
合計 151冊/220冊

【2018年5月の頒布冊数(同人誌A~Fまで)。イベント+通販分】
A 21冊(+2)
B 50冊(完売)
C 44冊(+4)
D 27冊(+3)
E 24冊(+6)
F  21冊(+21)
合計 186冊/250冊

 今回のR-18になり損ねた新刊Fは、今まで書いたどの同人誌よりも長期間妄想していた。毎晩妄想し、かなり妄想だけで仕上がっており、これなら数日でスラスラ書けるのではと思ったほどだ。

 しかし、実際書きだすといつも通り時間がかかった。妄想だと1→2→3→4→5となっていたはずの内容が、いざ書いてみると1→95→897くらいまで飛躍しているのだ。DVDで「次のチャプター」を3回押したくらい話が飛んでしまっている。「あれれ~、妄想のときはすごく完成されていたはずなのに、おかしいな~」と江戸川コナン君の口調になるのも「書いた時あるある」だ。

 これは、映画の予告編を見ると、どれも超絶名画に見えてしまうのと一緒だ。断片断片を出されると、勝手に脳内からゲル状の「すてき物質」が分泌され、断片の間を埋めてなんかいい感じに仕上げてくれるのだとしか思えない。しかし、妄想から実際形にしようとすると、「すてき物質」不在の戦いを強いられる。「えっ、あれもこれも自前で用意しないといけなかったのか!」と気づかされるのが、妄想を形にする苦しさであり楽しさでもある。

 もともと全ての同人作家が妄想出身であるはずだし、今も私にとって妄想は実家のような気楽な心のふるさとであることには変わりない。しかし今回、「長時間妄想しようがしまいが、同人誌を作る際は同じくらい時間がかかる」事実に愕然とし、妄想はほどほどにしようと思った次第だ。

 妄想は楽しいが、脳内の「すてき物質」不在で戦い抜いた成果である新刊は誇らしく愛しい。イベント当日、自スペースで印刷されたての新刊を「どれどれ」と開くときの充足感は、他の人生の局面ではなかなか得られないものだ。 今はオンラインで作品を発表する環境も充実しているが、やはりイベントで紙の同人誌を出すことが好きだと、出るたびにあらためて思う。

(文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])

◆石徹白未亜の過去記事はこちらから◆

★好評発売中!!
『節ネット、はじめました。 「黒ネット」「白ネット」をやっつけて、時間とお金を取り戻す』(CCCメディアハウス) 

「18禁」の定義って? 夜は寝床でフウフウフウ、R-18同人誌を頒布する!

 同人誌と縁のない人ほど、「同人誌=漫画/ゲーム/アニメに出てくる可愛い子ちゃんがあんなことも!こんなことも!」な世界を想像するのかもしれない。しかし、R-18ではない同人誌は多い。「非R-18」の、ほのぼのであったり、胸キュンストーリーが展開される同人誌は、同人誌の世界を初めて知った当時の気持ちまでもが思い出され、しみじみといいものだ。だが今回、オフライン同人活動3年目の著者はR-18同人誌を出そうと考えている。しかしそもそもR-18の定義がはっきりわからなかったので、あらためて調べてみることにした。

 

■自分の描いた同人誌がR-18であるかどうかを、どうやって判断する?

 「非R-18」の同人誌もたくさんあるが、「R-18」の同人誌は無敵艦隊でもある。同人誌販社『とらのあな』で2018年4月19日付けの同人誌人気ランキングTOP10を見てみたところ、男性向けでは9作品が、女性向けでは6作品がR-18指定だった。

 なお、それらの表紙を見る限り、R-18といっても「暴力的・残酷な描写」の方ではなく「おしべとめしべがくんずほぐれつ」な方だ。よって、当原稿でも以降の「R-18」という記載は、おしべ+めしべ(時として、おしべだけだったり、めしべだけだったりする)と思って読んでもらえれば幸いだ。

 同人誌において、作品がR-18かどうかは作者が判断し、R-18ならば「R-18」の表記を、表紙の分かりやすい場所に入れなくてはいけない。しかしここで、あらためて「R-18」の定義とは何だろう。

 コミックマーケット(コミケ)に次ぐ多くの大規模イベントを全国各都市で開催する赤ブーブー通信社では、参加サークル向けのパンフレットで「成人向表現の留意点」について説明している。同資料から一部をまとめ、抜粋する。

・法令において「わいせつ描写」には明確な基準は設けられていない。何が「わいせつ」にあたるのかは「その時代の」健全な社会通念に照らして判断する。
・「商業誌の描写レベル」に準じるのが、同人活動にあたって法令順守のひとつの目安になるのではないか。(→「成人向け」の商業誌の表現に準じる)

 そして以下が特に感動したので、こちらは全文を引用する。

『表現の自由とわいせつの論争はこれまでも長く続けられ、また非常に重要な問題です。この議論を簡単に放棄することはできません。
 しかしそれだけに一度法令違反として検挙されれば、全国報道とともに刑の確定を待たずして「法令順守を開催の必須条件」とする同人誌即売会は、全ての即売会を巻き込んで、存続の危機を迎えます。
 参加するみなさん一人ひとりが、同人誌表現の一翼を担っているのです。ぜひこの機会にご自身の作品とともにこの問題についてお考え下さい』

 R-18の定義が明確でないのは、「そこに隙間を持たせていることへの意味を各々が感じ取り、ふさわしい対応してほしい」というあらわれだろう。これは相手を信頼した極めて大人っぽい物事の考え方であり、やはりR-18は中坊には100億年早いのだ。

 

■獠さんの勃起は我が家ではNGだった~私ともっこりの歴史~

 R-18の定義は世界を見ても「曖昧」だ。
 以前、日本のオタクグッズを世界中に展開する販社「Tokyo Otaku Mode」を取材した際も、日本のゲームでは当たり前のようによく見かける「ビキニの水着のようなコスチュームの女性キャラクター」に難色を示されたケースもあるなど、世界各国のエロ定義に驚いたことがある(記事参照)。

 また、日本国内とて、時代により雰囲気などあっさり変わる。私が幼少のころ、「週刊少年ジャンプ」(集英社)に掲載されていた漫画『シティーハンター』では獠さんが「もっこり」していたが、今、ジャンプで「脇役ではなく、主役の高頻度のもっこり」はいけるだろうか。ちなみに『シティーハンター』は夕飯の時間帯にテレビアニメにもなっていたが、我が家ではR-18指定番組で最初のころは見させてもらえなかった。なお、掲載誌を読んでいたのでこの対応は無意味だった。

「ジャンプ」は当時『ジャングルの王者ターちゃん』も連載中で、私は幼少のころ、漫画から男性器を今の小学生よりもはるかに見ていたと思う。しかし家のテレビで『シティーハンター』を見られなかった経験から、「勃起」はセンシティブでありタブーなのだと少女心に刷り込まれたものだ。

 そのため、これはもう私が成人してからだが、「まりもっこり」のキーホルダーが女子中高生に大人気で鞄や携帯につけていると聞いたときは仰天した。そして今、週刊少年ジャンプの兄貴的雑誌である「週刊ヤングジャンプ」(集英社)の掲載漫画『ゴールデンカムイ』で勃起が決め台詞の脇役・二瓶鉄造を見るたびに大喜びしているのが「私と勃起の半生のあゆみ」だ。

 勃起一つとっても、秋の空のように移ろいやすいのが分かる。

 

■小説の「R-18」って何だろう?

 私の書いている同人誌に戻る。先述の赤ブーブー通信社の 「成人向表現の留意点」では実際に「性行為や性器の描写」についての具体的も記載がされている(※時代によって移ろうことを考え、こちらの記載は控えたい)。私の書いているのは漫画でなく小説だが、この「描写」における細かさは、絵でも文章でもやったらアウトだよ、ということなのだろう。

 なお、小説投稿サイト『小説家になろう』でも、R-18のガイドラインとして以下が提示されている。

■性的感情を刺激する行為の直接的描写
■性描写全般
■残酷な行為の描写
■反倫理的な描写
■R18扱いの画像が使われている
■大衆向け辞典(広辞苑等)に掲載されていないアダルト用語が使用された作品
 こちらを見ても、やはり「行為の詳細な描写になれば、R-18にしてね」ということだろう。

■朝チュンはR-18でない理由が堂々と説明できる!

 ここまでで、「朝チュン」はR-18ではないことが堂々と胸を張って説明できるはずだ。言うまでもないが「朝チュン」とは、女性向け漫画で使われがちな表現方法であり、夜、男と女が寝室になだれ込み、ベッドの上で固く握り合った二人の手や皺のよったシーツだけの描写があり、ページをめくると、もう東の空は明るくなっており、スズメがさえずっているというアレだ。よって、男と女は、ベッドの上で一晩中腕相撲に勤しんでいたのかもしれないのだ。

 ターちゃんと獠さんの男性器をほぼ毎週「ジャンプ」で見て育っていたが、一方私は小学~高校のころ購入していた少女漫画雑誌は「りぼん」→「別冊マーガレット(別マ)」という、「集英社・清純派コース」だった。今の別マはハードコアなのかもしれないが、20世紀の別マは最終回の一回前でヒロインがようやくキスする程度で、いくえみ稜先生が女性の登場人物が浮気する漫画を描いた際は「いくえみ先生、攻めすぎ~!」と思ったくらいだ。

 しかし少女漫画誌でも、『快感(ハートマーク)フレーズ』を擁した小学館「Sho-Comi(私が読んでいたころの名称は少女コミック)」は結構エロ描写も攻めていて、姉のいる友達の家で篠原千絵先生の色っぽい漫画をワクワクしながら読んだものだ。「Sho-Comi」では「朝チュン」や「口にキスした次に首筋にキスする」くらいまで描かれていたものもあり、女子小学生の私は「くゥ~!」となっていたものだ。

「首筋にキス」→「朝チュン」の間の、通勤快速で飛ばしてしまった「→」こそがR-18の天守閣だ。埼京線で例えるなら、赤羽と武蔵浦和の間の戸田あたりが超絶エロであり、ここをバシッと描いているのがコンビニの成人指定漫画雑誌といえる。

 しかしエロの空気は水物で移ろいやすい。「朝チュンとはおぞましい。こんんなものは有害図書だ、一体どんな心の闇が朝チュンなんぞを描かせるのか、親の顔が見てみたい」という時代が来ないとも限らないのだ。

 

■結局私の同人誌はこうなった

 R-18について、上記の通り調べてきた。
「必要以上に及び腰にもならず、でも、同人文化の末端とはいえ当事者である以上、この愛すべき文化の妨げにならないよう忖度の上、エロ同人誌を作ろう」と青雲の志を抱きいざ鎌倉、とエロを書こうと思っていたのに、書いてみたらヤらずに終わった。「朝チュン」すら至らなかった。堂々と、胸を張って「非R-18」です! といえる仕上がりになった。

 ネット記事にありがちなタイトル詐欺かとご立腹の方にはおわび申し上げたいが、タイトルは「R-18同人誌を頒布する」で、「頒布した」ではないと言い訳したい。正しくは、「R-18同人誌を頒布する(つもりでいたけど、R-18じゃなくなった)!」だ。

 やはり「りぼん→別冊マーガレット」の清純派育ち。三つ子の魂百までだ。書かない方がかえってエロい、という戦略的撤退であったことも加えておきたい。

 

■妄想よりも、オフ同人誌にした方がいい理由

 最後に、5月に同人誌即売会イベントに出たので、毎回報告している同人誌頒布状況について報告したい(前回報告)。

【状況】
・2015年より同人誌A~Fを制作。全て二次創作の小説。「A」「B~D」「E,F」は原作が異なる
・ソロ活動(「同担」との交流はほぼない)
・オンラインはPixivのみ利用(個人サイトなし。TwitterもROMのみで利用)
・同人イベントは年に2回のペースで参加。イベント後通販も行う。
・A~Cは50部、Dは40部、E,Fは30部刷る(印刷所がくれる余部は含めない)

【前回、2018年2月の頒布冊数(同人誌A~Eまで)】
A 19冊
B 50冊(完売)
C 40冊
D 24冊
E 18冊
合計 151冊/220冊

【2018年5月の頒布冊数(同人誌A~Fまで)。イベント+通販分】
A 21冊(+2)
B 50冊(完売)
C 44冊(+4)
D 27冊(+3)
E 24冊(+6)
F  21冊(+21)
合計 186冊/250冊

 今回のR-18になり損ねた新刊Fは、今まで書いたどの同人誌よりも長期間妄想していた。毎晩妄想し、かなり妄想だけで仕上がっており、これなら数日でスラスラ書けるのではと思ったほどだ。

 しかし、実際書きだすといつも通り時間がかかった。妄想だと1→2→3→4→5となっていたはずの内容が、いざ書いてみると1→95→897くらいまで飛躍しているのだ。DVDで「次のチャプター」を3回押したくらい話が飛んでしまっている。「あれれ~、妄想のときはすごく完成されていたはずなのに、おかしいな~」と江戸川コナン君の口調になるのも「書いた時あるある」だ。

 これは、映画の予告編を見ると、どれも超絶名画に見えてしまうのと一緒だ。断片断片を出されると、勝手に脳内からゲル状の「すてき物質」が分泌され、断片の間を埋めてなんかいい感じに仕上げてくれるのだとしか思えない。しかし、妄想から実際形にしようとすると、「すてき物質」不在の戦いを強いられる。「えっ、あれもこれも自前で用意しないといけなかったのか!」と気づかされるのが、妄想を形にする苦しさであり楽しさでもある。

 もともと全ての同人作家が妄想出身であるはずだし、今も私にとって妄想は実家のような気楽な心のふるさとであることには変わりない。しかし今回、「長時間妄想しようがしまいが、同人誌を作る際は同じくらい時間がかかる」事実に愕然とし、妄想はほどほどにしようと思った次第だ。

 妄想は楽しいが、脳内の「すてき物質」不在で戦い抜いた成果である新刊は誇らしく愛しい。イベント当日、自スペースで印刷されたての新刊を「どれどれ」と開くときの充足感は、他の人生の局面ではなかなか得られないものだ。 今はオンラインで作品を発表する環境も充実しているが、やはりイベントで紙の同人誌を出すことが好きだと、出るたびにあらためて思う。

(文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])

◆石徹白未亜の過去記事はこちらから◆

★好評発売中!!
『節ネット、はじめました。 「黒ネット」「白ネット」をやっつけて、時間とお金を取り戻す』(CCCメディアハウス) 

盗品の可能性も高いのに……古典的名作『愛と誠』の原画をオークションに強行出品「まんだらけ」に非難殺到!

 1970年代の名作漫画『愛と誠』(原作:梶原一騎/漫画:ながやす巧)の紛失していたカラー原画が、有名古書店「まんだらけ」のオークションに出品。掲載誌であった「週刊少年マガジン」を発行する講談社の中止要請をよそにオークションは実施され、400万円で落札された件が問題視され注目を集めている。

 講談社の声明文によれば、ながやす氏は原画の譲渡や売却は一切行っていない。しかし、連載当時は、まだ原稿の管理が厳重に行われていなかった時代のため、カラー10枚、モノクロ10枚の生原稿が紛失。ながやす氏も、発見した場合は購入せずに一報をくれるよう、呼びかけていた。

 つまり「まんだらけ」のオークションに出品されたものは、この紛失した「原稿」の中の1枚ではないかと考えられている。

「今では、原稿をきちんと管理し、アーカイブをつくって保管しようという機運もあります。でも、かつては版下、すなわち印刷してしまえば不要という認識が強かった。おそらくは、当時の関係者が持ち出したり、作者に断りなく贈与したのではないかと思います」(ベテラン編集者)

 ただ、そうした出所不明かつ盗品の可能性も指摘される原稿をオークションにかけることは問題ではないのか。

「まんだらけといえば、思い出されるのは『漫画原稿を守る会』の事件です。これは、倒産した出版社が弘兼憲史氏ら複数の漫画家の2万ページを超える原稿を、まんだらけに売却したというもの。この時も当初、まんだらけは返却に応じませんでした」(同)

 この事件では、まんだらけ側は自社は善意の第三者であり落ち度はないとして原稿の買い取りを要求。結局、訴訟に至り、まんだらけは原稿の無償返還に応じている。

「出品数を見るに所有権の確認を精緻に行うのは難しいかも知れません。とはいえ、まんだらけのオークションでは、どうやって手に入れたんだと驚くものも多いです。以前も、宮さん(宮崎駿氏)が描いたとおぼしき『天空の城ラピュタ』のラフ原画が出品されていたことも……」(あるコレクター)

 ネットでは、まんだらけに対して「盗品マーケット」「泥棒の仲間」という非難まで寄せられているが……。
(文=是枝了以)

盗品の可能性も高いのに……古典的名作『愛と誠』の原画をオークションに強行出品「まんだらけ」に非難殺到!

 1970年代の名作漫画『愛と誠』(原作:梶原一騎/漫画:ながやす巧)の紛失していたカラー原画が、有名古書店「まんだらけ」のオークションに出品。掲載誌であった「週刊少年マガジン」を発行する講談社の中止要請をよそにオークションは実施され、400万円で落札された件が問題視され注目を集めている。

 講談社の声明文によれば、ながやす氏は原画の譲渡や売却は一切行っていない。しかし、連載当時は、まだ原稿の管理が厳重に行われていなかった時代のため、カラー10枚、モノクロ10枚の生原稿が紛失。ながやす氏も、発見した場合は購入せずに一報をくれるよう、呼びかけていた。

 つまり「まんだらけ」のオークションに出品されたものは、この紛失した「原稿」の中の1枚ではないかと考えられている。

「今では、原稿をきちんと管理し、アーカイブをつくって保管しようという機運もあります。でも、かつては版下、すなわち印刷してしまえば不要という認識が強かった。おそらくは、当時の関係者が持ち出したり、作者に断りなく贈与したのではないかと思います」(ベテラン編集者)

 ただ、そうした出所不明かつ盗品の可能性も指摘される原稿をオークションにかけることは問題ではないのか。

「まんだらけといえば、思い出されるのは『漫画原稿を守る会』の事件です。これは、倒産した出版社が弘兼憲史氏ら複数の漫画家の2万ページを超える原稿を、まんだらけに売却したというもの。この時も当初、まんだらけは返却に応じませんでした」(同)

 この事件では、まんだらけ側は自社は善意の第三者であり落ち度はないとして原稿の買い取りを要求。結局、訴訟に至り、まんだらけは原稿の無償返還に応じている。

「出品数を見るに所有権の確認を精緻に行うのは難しいかも知れません。とはいえ、まんだらけのオークションでは、どうやって手に入れたんだと驚くものも多いです。以前も、宮さん(宮崎駿氏)が描いたとおぼしき『天空の城ラピュタ』のラフ原画が出品されていたことも……」(あるコレクター)

 ネットでは、まんだらけに対して「盗品マーケット」「泥棒の仲間」という非難まで寄せられているが……。
(文=是枝了以)

#Metooしたグラビア女優・石川優実が聞く、大切な「性的同意」のこと

 みなさま、はじめまして。グラビア女優の石川優実と申します。2017年末、日本で#Metooが広まったころ、私も芸能界での露出の強要、性接待の強要などについて、告白の記事を書きました。記事はこちらです

>>「#MeToo 私も」

 グラビアを始めてからいままで、ずっと悩んできたけれど公にはできないことでした。自分にとって恥ずかしいこと、みっともないことだったし、早く忘れたい出来事だったからです。なかったことにしたかった。しかし忘れられるわけはなく、それなりに幸せな日々を過ごしていても、ふと思い出し夜中に悲しくなって泣いたりして、どうしても解決方法を見つけられずにいました。

 そんななか、日本でも#Metooがついたツイートを目にするようになり、何気なく目を通していくと、私が10年間以上ずっと抱えてた思いと同じ種類のものであろう出来事や気持ちがそこにはたくさんあふれていました。

 いまなら私のこのつらかった経験も、聞いてもらえるんじゃないか。このような思いをしていたのは私ひとりじゃなかったんだ。何より、もう自分のようなつらい思いをする人が増えてほしくない。そんな思いで、ほとんど衝動的に先ほどの記事を書きました。とてもとても怖かったけど、書かずにはいられませんでした。

 公開した結果、さまざまな方からメッセージやコメント、反応をいただきました。それは私が予想していたものとはまったく違うものでした。「自分を責めないでください、あなたは悪くない。被害者です」そのような類のものをとても多くいただきました。

 そして私は、やっと自分が「性暴力の被害者だ」ということに気がつきました。私がされたことは、性暴力というものだということも初めて知りました。私は悲しんでもいいし、怒ってもいい。そう知って、心がとても楽になりました。忘れよう忘れようとしていた出来事を、やっと自分の中で消化できたのです。

◎性的同意について、知っていたかった

 たくさんの方に声をかけていただき、癒されていくなかで、私はいままで考えもしなかった「性暴力」というものについて、「男女平等」というものについて、「人権」というものについて、「ジェンダー」とは、「フェミニズム」とは……そのようなものに興味を持ちはじめました。

 私はとにかく無知です。無知ゆえに起きてしまった性被害だとも思います。もちろん悪いのは性暴力をする加害者ですが、高校を出てすぐの18歳ごろの私が、少しでも性についてのことを知っていたら、興味を持てていたら。こんなにつらい10年間を送らずに済んだのではないか。そのような思いから、遅くなってしまったけど勉強していこうと思った次第です。

 少しでも性被害が減りますように。すべての人が自分を大切にできますように。

 こうして性暴力に興味を持ちさまざまな記事や情報を読み漁っていたときに、このようなものに出会いました。

「性的同意(セクシャルコンセント)ハンドブック」。大学生に配るためクラウドファンディングを経て制作されたものですが、私の頭の中は???という感じでした。

 性的同意? コンセント? まったく意味がわからない。ただ、性暴力をなくすという目的があるんだろうなということは伝わってくる。実際に読んでみたところ、性的同意(セクシャルコンセント)とは「すべての性行為において確認されるべき同意」であり、「(性的な)アクションを起こす側が相手の同意をしっかりと取る責任がある」というものでした。

 私は、これさえしっかりと認識されていれば、たくさんの性被害に苦しむ人たちは救われるんじゃないか、被害の多くを防げるんじゃないかと思いました。このハンドブックには、性暴力で苦しまないための教えがすべて詰まっている! とも思いました。

 そしてそれを、大学生という若い方たちが広めようとがんばっている。一体なぜ、どんな思いで、どんな目的を持って活動されているんだろうと関心を持ちました。そこで、ハンドブックの制作に携わり、いまはそれを広める活動をされている4人の学生さんにインタビューをさせていただきました。

 自分の#Metoo活動に対する思いを重ねて。

*   *   *

ーー私はセクシャルコンセントという言葉をこのハンドブックで初めて知りましたが、みなさんはいつ知ったのでしょうか? そして知ったときの感想をお聞かせ下さい。

ユキさん:去年の夏に、ハフポストの同意の記事を読んで知りました。私、感動したんですよ。そのときは自分自身が性に関する悩みを抱えてずっとモヤモヤして、どうすればいいのかわからなかった。でもセクシャルコンセントというものを知ったことで、自分は悪くないんだと気づけたし、それに対して日本の性教育が足りてない現状も知ることができました。

ちひろさん:私は去年シドニー大学に留学していて、そこで女性団体に所属していました。そこではキャンパスレイプの問題が一番ホットなトピックで、それに対してどうやってアタックしていくのか。そこでセクシャルコンセントについて話題になりました。最初は私もピンとこなくて、「なんだろう? コンセントって」というのが第一印象です。

◎被害者に正しい助言をするために

ちひろさん:活動を通してコンセントについて知っていくなかで、いままで当たり前、普通だと思っていたことに疑問を抱くようになりました。たとえば、「つき合っていたらセックスすることが当たり前」とか。「酔っ払っててお持ち帰りされちゃった」となったとき女性にも非があると責められることがありますが、そこにはそもそもコンセントがないということを知りました。

ーーセクシャルコンセントという言葉ですが、私がこれを10代のときに知っていたらもっと人生違ったのかなって強く思ったんですけど、そういう気持ち、いま20代前半のみなさんにもありますか?

ユキさん:はい。私自身も知っていたら、さっきお話した性に関する悩みやモヤモヤについての嫌な気持ちも、たぶんなかったんだろうなって思っています。自分が悪いって責める期間が短くて済んだりとか。

ちひろさん:自分は当事者としてというよりも、第三者として知っておきたかったという思いが強くありました。理由は、被害にあった人からも加害をしてしまった人からも、「こういうことがあったんだけどどうすればいいかな?」って相談されたことが何回かあるんです。でも私に知識がなかったので、どうしていいかわからなくて。
そのときは留学中で専門家が周りにたくさんいたので、その人たちに聞いてアドバイスをすることができました。そこで、知識がない人が相談されたら間違ったアドバイスをしてしまう可能性もある、と気づきました。

ーーシドニーにはそういう専門家の方がいらっしゃるんですか?

ちひろさん:ジェンダー学というのがあるので、その教授です。コンセントを教育することも当たり前になっていて、この冊子に似たようなものがキャンパスに結構置いてあるんですね。もし被害にあったら、とか、もし相談されたら、とか。この冊子を作るときは、そういったものも参考にしました。

*   *   *

 ありがとうございました。やはりみなさんも、これまでの日本での教育のなかでセクシャルコンセントという言葉を知る機会はなかったのですね。この概念を知ったことで、いろいろなことに気づけたり、自分が当たり前だと思っていることを改めて考え直すきっかけになったようです。私も#Metooの告白後、同じ感想を持ちました。なのでいま現在モヤモヤと悩んでいる方がいたら、ぜひ知ってもらいたいです。

 後篇では、実際に学生さんの周りではどのような性被害が起きているのか、性についての活動をするにあたっての周りの反応などついて聞いていきます。