「俺の歴史的大発見を発表させろ!」地方の博物館に急増する“歴史的新発見おじさん”たち

 歴史ブームも、光あるところに影がある。

 若い世代には歴史をテーマにしたあらゆる形態の作品が人気を博したり『応仁の乱』や『観応の擾乱』といった、マニアックなジャンルの歴史書がベストセラーとなる昨今。だが、人気の裏にはさまざまな問題もあった。

「突然やってきて、展示物などに持論を語った上で『自分がやってきた研究成果を発表する機会をつくってほしい』という人が、最近多いんですよね」

 そう話すのは、近畿地方にある郷土資料館の職員だ。すでに10年あまり資料館で働いているが、最近になり、リタイアした団塊の世代による独自研究の「持ち込み」が増加しているという。

「ちゃんと、これまでの歴史を学んだ上で新たな視点を提示するような研究なら聞く価値があります。でも、だいたいはトンデモ論。原典になる史料や基本文献、学術論文をあたることもなく、一般読者向けの軽めの本だけをたくさん読んで『これまでにない発見をした』という人が多いんですよ」(同)

 その「発見」の内容もさまざまだ。長らく論争になっている、邪馬台国がどこにあったのかについて持論を述べる人もいれば、本能寺の変の真相を語る人もいる。だが、もっとも多いのは、その地域に関わるものだ。

「どこの地域でも在野の郷土史家という人はいます。でも、持ち込みをするようなタイプの人は、そうした人々にも拒否されています。なにせ、地域の古い神社の由緒をもとにオカルトを論じたりとかするんです」(同)

 そんな中でもヤバいのは縄文時代にまつわる研究だ。

「知っての通り、縄文時代は文字を持たない時代。だから、土器の紋様を見て『これは○○を表現していることが、“私”の研究でわかった』なんて自信満々に話を始める人が多いんですよ。中には『縄文時代には戦争がなかった』と、演説を始める人も。どれだけ縄文に夢を見ているのか……」(同)

 そうした自称・研究者たちが地方の郷土資料館のような施設に現れるのには理由がある。国立あるいは県立クラスの博物館では、そうした「独自研究」に“お帰り頂く”スキルがあるからだ。

「ある県立博物館で縄文土器の写真を貸してもらおうとしたら、値段が高かったのでウチに来たという人もいました。自費出版の本に使いたかったようですが、研究内容はやっぱりトンデモ系。上司が『あなたの主張は、これまでの多くの研究成果を踏まえていない』と、なんとか断りましたが、顔を真っ赤にさせて帰って行きました」(同)

 自治体が開催する歴史系の講演会では、質疑応答の時間に持論を語るためだけにやってきている人を見かけることも、よくある。こうした人たちに冷静に基礎から歴史を学んでもらうことは難しいことなのだろう。ウィキペディアでも載せることが許されない独自研究を、なんで博物館では許されると思うのだろうか……?
(文=特別取材班)

小室圭さんと眞子さまの結婚が成立する可能性が「ゼロ」ではない理由

 昨年9月3日に、秋篠宮家の長女・眞子さま(26)と大学の同級生だった小室圭さん(26)との婚約内定会見が執り行われてから、まもなくちょうど半年となる。2月6日に宮内庁が結婚式を2020年まで延期すると発表してからは4カ月だ。この半年間、小室圭さんとその母・佳代さん(51)へのバッシングが続いてきた。また、宮内庁や皇室関係者からの、破談を願う匿名コメントも後を絶たない。美智子さまも心を痛めておられ、秋篠宮家では結婚に向けて頑なな眞子さまと紀子さまの不和も問題視されているとの報道が最近では増えている。世論も「破談してほしい」というものが大半のようだ。なにしろ、小室圭さん母子は、まるで極悪人のように報じられており、一連の報道を鵜呑みにすれば「結婚などとんでもない」と誰もが思うだろう。

 もちろん、昨年5月に結婚準備が進められているという報道があってから9月の婚約内定会見までは、小室さんの経歴や人柄を褒めるような報道が多く、小室さんを語学堪能で優秀な将来有望の青年だと評価する声が大きかった。しかし、小室さんの年収が250万程度と低いこと、小室さんの父親と父方の祖父が相次いで自死していたことを暴く報道があり、風向きは一変。極めつきは母子が400万円の借金を負っているというトラブルを、佳代さんの元婚約者があちこちの媒体で告発したことだった。

 この「借金トラブル」、亡くなった小室さんの父の友人で佳代さんの元婚約者だという男性が、約400万円を貸したのに返済してもらえず困っていると告発。男性が貸した金は圭さんの学費や留学費用、通っていたアナウンススクールの授業料などに使われたほか、小室家は貧乏にもかかわらずホテルの写真館を利用するなど贅沢好きなうえ、自分は婚約者というよりも都合のいい車代わりでありATMだったのだと元婚約者は母子を責め続けた。

 元婚約者の言い分ももっともだが、しかし過去のメールのやりとりであったり、親族の自殺や祖母がかつて入信していた宗教などのプライバシーを散々暴かれてしまった点で、小室母子には同情する。また、小室さんがICU卒業後に新卒入社した三菱東京UFJ銀行(すでに退社)での悪評も飛び交い、現在の通勤経路を週刊誌記者が追いかけて「気付いてほしそうだった」とナルシストぶりを揶揄したりもした。

 まとめると、こうだ。「小室家の母と子は、皇族と結婚することによって、名誉と多額の一時金を手にすることを目論んでいるに違いない」という見方がまずあり、「年収250万円の男が皇室の女性を幸せになどできない」「一心同体母子は異常」といった人格否定につながって、「破談以外にない」という世論を導いている。

 しかし小室圭さん自身がどのような人物かということは、実際にはよくわからない。「ナルシストらしい」「マザコンらしい」「自信過剰らしい」等の報道によって形成されたイメージだけが一人歩きしているからだ。

 さて、世間ではこの結婚に猛反対しているわけだが、先頃ロイヤルウェディングをしたイギリス王室のヘンリー王子(33)とアメリカの女優メーガン・マークル(36)の例を見れば、小室さんと眞子さまが2020年に結婚する可能性もゼロではないと考えられるのではなかろうか。

 ヘンリー王子が婚約を発表したのは、昨年11月末のこと。ふたりは2016年夏から交際してきたが、当時からイギリス国内ではタブロイド新聞やネット上でメーガン・マークルを貶める記事や差別的な投稿が続いていたが、最終的にふたりは成婚したのだ。

 メーガン・マークルは離婚歴があり、黒人の母親と白人の父親から生まれたバイレイシャルであり、カトリック教徒だった(イギリス王室はプロテスタント)。もちろん貴族の出自などではない。メーガンの両親は離婚しており父親とは長らく疎遠だったが、父親はメーガンのロイヤルウェディングが報じられた途端にメディア露出をはじめて小銭を稼ぎ、糾弾された。異母姉はメーガンに対して「父親を経済的に支援するべき」「メーガンは女優として有名になったら経済的援助をしてくれなくなった」と非難する声明を出した。こうした“家族”たちのあれこれを嫌うのは、イギリスも同様だった。

 しかしイギリス王室はヘンリー王子の要請を受け、婚約発表をした昨年11月、メーガンへのハラスメントを止めるようにとの公式声明を出している。メーガンを受け入れ、守ったのである。

 翻って日本ではどうか。小室圭さんの醜聞もまた、彼自身の問題ではなく周囲のトラブルがほとんどだ。そろそろきちんと、その線引きをすべきではないだろうか。

三代目JSB今市隆二のソロ活動が絶好調! 憧れのATSUSHIへの思い「なりたくてなりたくて…」

 三代目J Soul Brothersのボーカル・今市隆二(31)のソロ活動が順調だ。今年3月には初のフォトエッセイ『TIMELESS TIME 特別限定版メイキングDVD付』(幻冬舎)をリリースし、オリコン週間“本”ランキングの「写真集」ジャンルで1位を記録。4月20日に配信を開始した第4弾ソロ楽曲『Alter Ego』は、iTunesの総合チャートで1位を獲得した。さらに今年8月には、自身初となるソロツアー「RYUJI IMAICHI LIVE TOUR 2018 “LIGHT>DARKNESS”」が控えている。

 2010年から三代目JSBのボーカルとして活躍している今市隆二だが、今年1月にソロプロジェクトも始動し、以降4カ月連続で楽曲を配信してきた。もともと歌唱力には定評があり、女性のみならず男性からの支持も厚いのが大きな強みだ。2014年放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で発表された「渋谷の高校生428人がなりたい歌声ベスト5」では、EXILEのATSUSHI(38)に次いで2位にランクインしている。LDHのワンツーフィニッシュだ。

 そんな今市隆二は、ボーカリストの先輩であるATSUSHIに対して、並々ならぬ特別な感情を抱いている。かねてより公言していることではあるが、今年1月に「スポーツ報知」が掲載したインタビュー記事でも、「ATSUSHIさんの歌声が好きで『ASAYAN』(テレビ東京系)からずっと追いかけていました」と告白。「ATSUSHIさんは6大ドームでやっています。ソロをやるとひとりでドームってすごいなって身に染みてわかります。僕もドーム公演は目標です」と野望も明かした。

 そしてフォトエッセイ『TIMELESS TIME』では、一層強く、ATSUSHIへの思いを爆発させている。10代の頃は「ATSUSHIさんになりたくてなりたくて」と、声、アクセサリー、ヘアスタイルのすべてを真似たそう。当時の写真も掲載されているが、やんちゃで華奢な可愛らしい少年が、精一杯背伸びをしてATSUSHIに近づこうとしていたことがわかる。

 外見をまねるだけではなかった。今市少年は毎晩、部屋の照明をすべて消し、真っ暗な部屋でEXILEの楽曲を聞き続け、ATSUSHIの歌を完コピしたという。当時の自分を振り返り「あの頃、僕以上にATSHUSHIさんをコピーできた人はいただろうか?」「きっと日本中どこを探してもいなかったと思う」との自負を見せている今市隆二。愛がたぎっている。

 一方で、デビュー前の彼は、高校を一年生で中退し、市場やラーメン店で働き、パチンコでスロットで時間と金を浪費していた。しかし圧接工の職人として働き始めてからは仕事に精を出し、4年めには若くして現場責任者に。同時に、当時交際していた女性から「受けてみれば?」とすすめられEXILEのボーカルバトルオーディションの存在を知り、受けてはみたものの二次審査で落選。その後、リベンジすべく職人として働きながらボイストレーニングに通い、100本以上のオーディションを受けた。また、ボイストレーニングの先生から「毎日走りなさい」と言われたため、約3年間“毎日”走り続けたという。

 やがて二度目のボーカルバトルオーディションの機会が訪れる。その様子はテレビ番組で逐一放送され、結果は知ってのとおり。今や押しも押されぬ日本のトップボーカリストだ。

 彼はただストイックなだけではなく、真っ直ぐさゆえのお茶目な一面も魅力のひとつ。4月24日放送の『ZIP!』(日本テレビ系)では、三代目JSBメンバーの山下健二郎(33)がホテルでのエピソードを披露。メンバーでホテルに宿泊すると、隣から今市隆二の発声練習が聴こえてくるという。それもかなり手加減ナシな大音量のようで、山下は「布団をかぶって欲しい」と苦情を入れていた。

 抜群の歌唱力はもちろんのこと、やんちゃな見た目と可愛らしい内面の“ギャップ”も持っている今市隆二。5月25日放送の『アナザースカイ』(日本テレビ系)に出演するが、レコーディングで2カ月滞在したというアメリカの“ロサンゼルス”を訪れた彼の口から、一体どのようなエピソードが語られるのだろうか。

(ボンゾ)

「初めてのバー」で好かれる術、知りすぎてる! 愛嬌たっぷり「クズじいさん」の素性って?

(前回はこちら) 

どうも、紫帆です。都内の某飲み屋街で小さなバーを経営している私が、夜毎の営業中に目撃したクソ客・変な客・珍事件について、お話させていただきますね。さて、今宵のお客さまは――

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話題豊富な愛されじいさんの素性は……リアル前科者!?

 第一印象は「一体どこのご隠居だろう?」。年の頃は70過ぎ。ハゲ頭に、痩せ衰えた体つきは完全におじいちゃんですが、眼鏡の奥のまなざしには経験豊富な大人の老獪さと好奇心が満ちています。トークの守備範囲はビジネスから映画、流行のアイドル、子ども向けのアニメまで多岐にわたり、語り口はひょうひょうとして愛嬌たっぷり。そして、何よりも気前の良さです。高級なジャパニーズウイスキーをボトルで入れ、バーテンダーや隣に座ったお客さまにお酒を振る舞ってニコニコ。お会計時にも実際の金額よりかなり多めに支払い、「釣りはチップにしろ」と言って去っていきます。

 何者なんだと謎が深まる何回目かのご来店時、おじいちゃんは「公認会計士」と肩書がある名刺をくれました。業界内では有名な方なのかも……と思って検索してみたところ、「数年前に詐欺で逮捕」とのニュースがヒットしました。小金持ちの奥さまに、実体のないビジネスへの投資話を持ちかけて金銭をだまし取ったとのこと。後々有罪になって公認会計士の資格をはく奪されたらしく、彼を悪徳ニセ会計士として糾弾しているサイトまで出てきました。

 リアル前科者キタ……! 

 検索結果を目で追っていて背中に冷たい汗が流れ落ちる心地がしましたが、少なくとも現時点ではお店で楽しく飲んでくださっているだけ。肩書を詐称するのも酒場ではしばしばあることで、それらしくいろんな肩書を名刺に連ねて実際は何の仕事をしているのか定かでない人や、飲みに来る時だけ指輪を外す既婚者などと大差ないのでは――わたしは、わたしと店が犯罪に巻き込まれない限りは程よい距離感を保って接客しようと決めたのでした。

 案の定、おじいちゃんの羽振りのよさは来店のたびに鳴りを潜めていきます。高級ウイスキーが普通のウイスキーになり、いつのまにかボトルキープもやめてグラスワインになり……それでも仕事関係のお客さんらを連れて、足繁く通ってくれています。おしゃべりの内容も、徐々に「地方の実業家から金をまきあげる方法」「ハズレ馬券を金に換える方法」「水商売の女性を利用して稼ぐ方法」などクズ度の高いものになっていきましたが、それはそれで裏モノ雑誌を読んでいるような面白みが。時折、他のお客さまに怪しい儲け話を持ちかけるのには困りましたが、あまりにビッグビジネスすぎる(「レディ・ガガに新曲を書かせてジャニーズの○○くんを起用したCMの話があるからコピーを考えてくれ」等々)ため真に受ける人もおらず、「飲み屋にいるうさんくさいけど面白いおじいちゃん」として店に定着していったのです。

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 おじいちゃんと知り合って一年以上たったある日、とあるクラブのママさんからメールが。そのママさんはおじいちゃんと何度かアフターで飲みに来てくださっていました。

「紫帆さん? さっき警察から連絡があって、おじいちゃん亡くなったって」

 そういえば2カ月ほど姿を見ていませんでした。ママさんによると、都内の自宅マンションで孤独死していたのが警察に発見されたものの、家族に縁を切られているようで連絡がつかない状況。携帯の着信履歴に残された番号に片っ端から電話をして、家族の連絡先がわかる人を探しているのだとか。わたしは、日々の営業に忙殺されて返信を忘れていたおじいちゃんからのメールの存在を思い出しました。

<ふるさとの四万十川に/近づくと…/道端に燃えるように/咲いていた/彼岸花/お目出度いことが/起こる兆しに天から/降ってくる… /と言い伝えられています>

 おめでたい兆しじゃなく、死の予兆じゃん! 思わず携帯の画面に向かってツッコミを入れてしまいました。

「紫帆、金持ちが親切なのは当たり前だ。余裕があるんだから。本当に優しいのは生活に余裕がないのに親切にしてくれる人だ」

 クズっぽい話の合間に、おじいちゃんはこういった純な発言をすることがありました。一度逮捕されて社会を追われた人間の真情か、それともこれもまた詐欺師が自分を信用させる手口なのか――本当のところはもはや知る由もありませんが、彼のような昭和らしいケレン味のある酔っ払いが酒場から消えてしまうのは、やっぱり寂しい気がするのです。

 

(隔週金曜日・次回は6月8日更新)

プロフィール
浮川紫帆(うきがわ・しほ)
東京都内の繁華街の一角でバーを経営する30代バツイチ女性。ママ歴は6年。好きなお酒はマカストロングのお湯割り。

(イラスト=ドルショック竹下)

結局、二次創作はどうなの? 「pixivFANBOX」に議論噴出! ……でも、やってみなくちゃわからない?

 イラストコミュニケーションサービス「pixiv」を運営するピクシブの新サービス「pixivFANBOX」が、予想外の視点から議論を呼んでいる。4月、本格的に稼働を始めた「pixivFANBOX」は、クリエイターの創作活動を継続的に支援するサービスだ。

 ファンは、クリエイターが設定した支援プランの中から、提示されたさまざまな内容や金額を任意に選択し、クリエイターを支援することができる。課金は月額制。

 同様のスタイルで、ファンがさまざまなジャンルの人を支援するシステムは存在する。そうした中で登場した「pixivFANBOX」は、ファンが好きなクリエイターを支援するコミュニティを、より身近なものにすることになりそうだ。

 しかし、ここに思わぬ問題が起きている。

 二次創作の扱いをめぐる問題がそれだ。よく知られているように「pixiv」には、二次創作作品も多数。もし、こうした作品を公開しているクリエイターが、ファンからお金を集めて作品を描くことは「著作権的にアウト」「海賊行為だ」などと指摘されているのだ。

 一方で「個人を支援してるのであって、二次創作された作品を買っているわけではないから、セーフではないか」という意見も、

 こうした議論が溢れる状況に「pixivFANBOX」の公式Twitterは、すぐに反応。ユーザーの問い合わせに対して、次のようなツイートを行っている。

 実際、どういった作品を支援されたクリエイターが作っていくのか。二次創作された作品に対して権利者が、著作権侵害を申し立てるかなどは、起こってみないとわからない。

 現に、コミックマーケットのような同人誌即売会や、同人誌などをショップで販売する行為は当たり前に行われている。でも、これも権利者に訴えられたらアウト。あくまで権利者の「お目こぼし」で、同人誌は存在しているもの。

「pixivFANBOX」は、原則的にはクリエイターもファンも喜ぶ理想的なシステム。とはいえ、さまざまなケーススタディが蓄積されていない状況ではトラブルも発生するであろう。

 今後、どのように発展していくのか。利用しながら検証してきたい。
(文=是枝了以)

結局、二次創作はどうなの? 「pixivFANBOX」に議論噴出! ……でも、やってみなくちゃわからない?

 イラストコミュニケーションサービス「pixiv」を運営するピクシブの新サービス「pixivFANBOX」が、予想外の視点から議論を呼んでいる。4月、本格的に稼働を始めた「pixivFANBOX」は、クリエイターの創作活動を継続的に支援するサービスだ。

 ファンは、クリエイターが設定した支援プランの中から、提示されたさまざまな内容や金額を任意に選択し、クリエイターを支援することができる。課金は月額制。

 同様のスタイルで、ファンがさまざまなジャンルの人を支援するシステムは存在する。そうした中で登場した「pixivFANBOX」は、ファンが好きなクリエイターを支援するコミュニティを、より身近なものにすることになりそうだ。

 しかし、ここに思わぬ問題が起きている。

 二次創作の扱いをめぐる問題がそれだ。よく知られているように「pixiv」には、二次創作作品も多数。もし、こうした作品を公開しているクリエイターが、ファンからお金を集めて作品を描くことは「著作権的にアウト」「海賊行為だ」などと指摘されているのだ。

 一方で「個人を支援してるのであって、二次創作された作品を買っているわけではないから、セーフではないか」という意見も、

 こうした議論が溢れる状況に「pixivFANBOX」の公式Twitterは、すぐに反応。ユーザーの問い合わせに対して、次のようなツイートを行っている。

 実際、どういった作品を支援されたクリエイターが作っていくのか。二次創作された作品に対して権利者が、著作権侵害を申し立てるかなどは、起こってみないとわからない。

 現に、コミックマーケットのような同人誌即売会や、同人誌などをショップで販売する行為は当たり前に行われている。でも、これも権利者に訴えられたらアウト。あくまで権利者の「お目こぼし」で、同人誌は存在しているもの。

「pixivFANBOX」は、原則的にはクリエイターもファンも喜ぶ理想的なシステム。とはいえ、さまざまなケーススタディが蓄積されていない状況ではトラブルも発生するであろう。

 今後、どのように発展していくのか。利用しながら検証してきたい。
(文=是枝了以)

大谷翔平選手の「お嫁さん選び」に口出しするなら、いっそワールドワイドに

 大谷翔平選手をテレビで見ない日はない。大谷選手の試合状況が、速報で流れるほどだから、熱心な野球ファン以外からも関心の高い情報であることがうかがえる。大谷翔平選手は1994年生まれで岩手県奥州市出身。高校卒業後は北海道日本ハムファイターズで活躍、「二刀流」の異名を持ち、メジャーでも「二刀流」として大活躍している。世界中から注目を浴びる大谷翔平選手。週刊誌やワイドショー番組でも取り沙汰されるのは「大谷選手の将来のお嫁さん候補」だ。『サンデージャポン』(TBS系)では、谷亮子さんが「ご近所の主婦たちと井戸端会議でよく話題になる。アリーナ・ザギトワさんがいいと思う」と発言していた。大谷翔平選手にとっても、周囲の人々にとっても、余計なお世話であることは重々承知だ。でも、ファンならずとも、気にならずにはいられないのだろう。

●大谷選手の中では女子アナはない?
 これまで野球選手の結婚相手といえば、女子アナウンサーが多かった。マリナーズで活躍しているイチロー選手の奥さんは元TBSのアナウンサーであり、松坂大輔選手の奥さんは元日本テレビのアナウンサーである。ほかにも古くは、古田敦也と中井美穂、石井一久と木佐彩子、そして、内川聖一と長野翼、青木宣親と大竹佐知……などなど例を挙げたらきりがない。

 しかし、『週刊文春』(2017年12月14日発売/文藝春秋)の記事によると、大谷選手の両親は結婚相手にはアスリートがいいと考えているようだ。両親は「女子アナや女優とは結婚させない」と釘を刺しており、大谷選手本人も了承しているという。

 その真偽はともかく、大谷選手の両親が息子の結婚相手にアスリートを望んでも不思議はない。なんといっても両親も元アスリートなのだ。父親は元社会人野球の選手、母は学生時代にインターハイにも出場したバドミントンの選手である。大谷選手は、アスリート同士の両親あってこその、スーパーアスリートである。

●スーパーアスリート同士の結婚
 では、アスリート同士で結婚した夫婦はどれくらいいるのだろうか。

 たとえば平昌オリンピックで活躍しノルディック複合の渡部暁斗選手(29歳) とフリースタイルスキー代表の渡部由梨恵選手(28歳)。お互いが現役のアスリートということで、夫婦で過ごす時間は少なく、年間30~40日ほどという。また、渡部家には「食事は自分の分を自分で作る」というルールがあるという。現役のアスリート同士だからこそ、理解し合い、尊重し合える関係性が育まれているのだろう。

 次に、米メジャーリーグのシカゴ・カブスのダルビッシュ有選手と元女子レスリング選手の山本聖子さん。最強アスリート夫婦と言われる2人だ。山本聖子さんの父親は、ミュンヘンオリンピックにも出場したレスリング選手の山本郁榮さん、姉はレスリングで世界大会を制覇、現在は総合格闘家として活躍している山本美憂さん、兄はレスリング出身の現役総合格闘家である山本KID徳郁さん。聖子さんはレスリング一家の末っ子だ。

 言うまでもなく、日本を代表するメジャーリーガーであるダルビッシュ有選手。メジャーリーグでも結果を残し、世界の誰もが知るアスリートだ。一流アスリート同士の結婚であるが、出会いは米国。米国のレスリングチームのコーチに就任した聖子さんとメジャーリーグで活躍するダルビッシュ選手は「米国を拠点とするスポーツ選手」という同じ境遇で意気投合したそうだ。

 最後に紹介するのは、オリックス・バファローズや読売ジャイアンツで活躍したプロ野球選手の谷佳知さんと、ヤワラちゃんの相性で親しまれている柔道の谷亮子さん。谷亮子さんは、5回出場したオリンピックのうち金メダル2回、銀メダル2回、銅メダル1回と輝かしい実績を残している。「田村で金、谷で金、ママになっても金です」という名言も話題となった。2010年からは国会議員になり、スポーツの発展に尽力。2人の子どもにも恵まれた。子どもはアイスホッケーを習っているという。野球でも柔道でもないが、アスリート精神は同じ。我が子がどのようなスポーツを志しても、全力でサポートできるのであろう。

 このように、アスリート同士の結婚といっても十人十色、さまざまなカタチがある。メジャーリーグで活躍している選手の奥さんやプロ野球選手の奥さんと比べてみても、どんな奥さんがいいかなんて誰にもわからないことだ。もちろん選手成績などの肩書きだけでは相性の良さも到底はかれない。

 さて、大谷選手はプレーだけでなく、日本人離れした体格や愛されキャラなど、すべてにおいて規格外だ。どんな相手と結婚、あるいは恋に落ちたとしても、必ず横槍が入るだろう。先日、女優の川口春奈が大谷選手の出場試合を観戦したことをInstagramに投稿し、軽く“炎上”したことも記憶に新しい。では、一体どんな「規格外の女性」であれば、大谷ファンや、彼を球界の至宝として庇護する人々が納得するのだろうか。ご両親の希望であるアスリート、住んでいる米国という環境を考えて、世界トップクラスの女子アスリートを3人、例として想定してみた(女性ばかりだが、大谷選手のセクシュアリティは不明である)。

●サラ・ハデク

 元メジャーリーガーのジョン・ハデクを父に持つ、女子野球の世界最速ピッチャーであるサラ・ハデク選手(21歳)。大谷選手と同じ野球の世界で活躍するアスリートだ。しかも大谷選手の父も元社会人野球の選手ということで、同じ野球一家に育ち、幼い頃から父親の影響を受けてきたという点がでもよく似ている。競技への理解も深く、良き相談相手になれそうだ。

●ブリトニー・グリナー

 米国の女子プロバスケットボール選手である、ブリトニー・グリナー選手(27歳)。2014年の世界選手権とリオデジャネイロオリンピックでは、金メダルを獲得。なんと彼女の身長は206cm。大谷選手よりも背が高い。横に並ぶと、193cmの大谷選手が小さく見えてしまいそうだ。

●アリソン・ストーキー

 1989年生まれの棒高跳びの選手である、アリソン・ストーキー選手(29歳)。173cmという高身長とセクシーな美しさでファンの多い米国のアスリートだ。2004年、彼女が15歳の時にカリフォルニア州で行われた選手権では優勝、そして当時の世代記録を5つ更新したとされる。大谷選手より5歳年上だが、メジャーで活躍するイチロー選手や松坂選手などの一流選手の多くは、年上の女性と結婚している。現在大谷選手もアリソン選手もカリフォルニアを拠点にしているので、2人が出会う可能性も高い?

ファンタジックな世界観で謳う「親子の絆」が暴力になるとき。胎内記憶の罪を医師が解き明かす

 毒親が原因で鬱を発症し15年近く精神科へ通っている女性が、なんちゃってセラピストに傷をえぐられた――。前回のコラム「自称セラピストに転身した親友から『毒親を愛せ、許せ』と詰め寄られた女性の苦悩」でご紹介した体験談は、〈素人が安易にセラピーもどきを行う危険性〉や、つらい成育歴を持つ人にとって〈子どもは親を選んで生まれてくる〉なる思想がいかに暴力であるかを、切実に感じさせるものでした。

 今回はその問題点をさらに掘り下げるべく、医師2名にご登場いただき、〈子どもが親を選んで生まれる〉という思想をふりまく〈胎内記憶〉の闇に迫っていきましょう。

 改めて、「胎内記憶」を説明しよう。それは〈胎児の頃の記憶および、母親のお腹に宿る以前の記憶〉だといわれています。「生まれる前の記憶を持ってこの世に誕生する子どもがいる」とするこの考えは、〈親学推進協会〉の特別委員を務める産婦人科医・池川明氏が提唱しているもの。そして同氏の独自調査をした結論として、次のようなぶっとんだお説が登場するのです。

精子、卵子にも記憶がある!?
 同氏の著書である『胎内記憶でわかった子どももママも幸せになる子育て』(誠文堂新光社)をはじめ、さまざまなメディアでこんなことが語られています。

「100パーセントの子どもが言うのです。『お母さんを幸せにするために生まれてきたんだ』 多くの子どもたちがそう言うのですから、信じざるを得ません」

 これがどのような調査によるものかは『胎内記憶 命の起源にトラウマが潜んでいる』(角川SSC新書)で紹介されています。同書では、子どもたちの語る内容が多岐にわたるため、胎内記憶を便宜上次のように分類。

 1・胎内記憶(胎芽から誕生直線までの記憶) 
 2・誕生記憶(陣痛が始まってから誕生直前までの記憶)
 3・新生児乳児記憶 
 4・受精(受胎)記憶(受精〈受胎時〉の記憶) 
 5・精子記憶(精子としての記憶)
 6・卵子記憶(卵子としての記憶)
 7・中間生記憶(前世の終了時から受精までの記憶)

 特に5と6の、トンデモレベルが凄まじいのは過去記事(でも触れたとおり。とある男性は「たくさんの仲間と競争して、大きな玉(卵子)に一番でたどり着いた」と語り、ある女性は「卵子だったとき、精子がたくさん押し寄せてきたのが怖かった」なる記憶を思い出したと、真剣に紹介されているのですから。

 確かに近年の研究により、胎内で胎児の触覚・聴覚・嗅覚などの五感が機能しはじめることは分かってきています。しかしそこから「胎内記憶はありまぁす」というお説へ展開するのは、バンジージャンプ級の飛躍としか思えません。生物・科学の知識はおろか、教養すらカスッカスな自分でも、「ないわー!」とコーヒー吹いたレベルです。

胎内記憶はニセ科学なのか
 ところがどういうわけか、巷の各種メディアでは「生命の神秘!」「親子の絆!」といったノリで、子育てに奮闘中の親たちを癒す感動ストーリーとして好意的に取り上げられるので、「ほっこりできりゃなんでもいいのかよ!」驚くばかり。私は、胎内記憶周辺の「子どもに選ばれた私たち」という優越感に気持ち悪さを感じるのですが、巷のみなさまは、そんなことないのかしら~。

 今年の春に「あたしおかあさんだから」で大炎上した、激安感動ストーリーがお得意な絵本作家のぶみ氏もこの物件がお気に入りなようで、絵本『このママにきーめた!』(サンマーク出版)や、初の大人向けエッセイ(?)『かみさま試験の法則 つらい時ほどかみさまはちゃんと見てる』(青春出版社)でも、胎内記憶を大活用。

 ハートウォーミングな物語が好物という印象のある「誕生学」創始者・大葉ナナコ氏も、生活総合情報サイト「All About(オールアバウト)」で胎内記憶について語っています。「子どもが胎内記憶を話すか話さないかはさておき、おなかの中にいたときのことを一緒に語り合うことで、親子関係を深めるきっかけにもなるのでは」と(「いのちの神秘「親を選んで生まれてきた」という子どもたち」より)。

『こどもはママのちっちゃな神さま』(ワニブックス)の著者である親子セラピスト・長南華香(ちょうなん・はなこ)氏は、自分自身と子どもが胎内記憶を持つことを公言。そこから、さまざまなスピ系育児講座やセラピスト養成講座(もちろん有料&高額)を展開している有様。

 胎内記憶はほかにも、妊活講座、セラピー、ヨガ、マッサージ、育児コミュニティ、被災話、各種ママ向けイベントetc……今やあらゆるところで見かけることのできるコンテンツになっており、そこそこ人気を集めていることがわかります。

 胎内記憶の話を、「単なる親子コミュニケーションのひとつなのでは?」と思う人もいそうです。しかしこれは、「ニセ科学」と解釈していい物件です。ニセ科学とは、それらしい説明で一見科学のように見せかけているが、実は科学と呼べないものの総称で、別名・疑似科学、エセ科学。このジャンルに分類される有名どころは、ホメオパシーやマイナスイオン、EM菌、経皮毒、水素水、脳トレなど多岐にわたります。

 一応、池川医師は「胎内記憶が正しいかどうか科学的に解明するつもりはない」「子育てに役立てるためのもの」と語っています。しかし著作では「胎芽が母親のホルモンに影響を受ける」だの「脳が形づくられる前から個々の細胞に体験が蓄積される」など、科学的な表現を多用しているので、そこから胎内記憶をエビデンスのあるものと勘違いする人も少なくないでしょう。

精神科医と産婦人科医はどう見る?
 そこで、まずは〈胎内記憶が科学的にありえるのか?〉という点について、精神科と産婦人科の医師2名からお話をうかがいつつ、マジにつっこんでみたいと思います。

 胎内記憶の主な調査法は、母親にアンケートを配布し、子どもが胎内記憶や誕生記憶を話したことがあるかどうかを回答してもらうという方法が主流。この点を、精神科医の松本俊彦医師は「科学的かどうかを評価するには、池川氏とまったく関わりのないほかの研究者が同じ調査をして、同じような結果を確認できるということが必要である」と説明。しかし日本では、池川医師以外の研究者は存在しないよう。

松本「しかも子どもは大人の求める答えを忖度しながら答えるだろうし、かなり空想的であると言えます。つまり供述された内容の妥当性を確認しようがないと思われるので、どちらにしても科学的な証明は難しいでしょう」

 池川氏と同じ産婦人科医である太田寛医師は「子どもが話す状況で、大人が誘導をかけていないかどうかという点に、疑問を覚えます」と指摘。

太田「そもそも記憶というのは今のところ、脳の神経細胞の中に保存されることになっているんですが、精子や卵子に記憶があると言われてしまうと、まだ神経細胞でもない細胞なのにどうやってその記憶をキープしていたのか、しくみがわかりません」

ないとは言い切れない、けれど。
太田「あり得るとすれば、親が子どもに『あなたがお腹にいたときはこうだったんだよ』と言い続けていれば、子どもはそれが自分の記憶と勘違いすることです。親の話を、子どもが単に反芻しているということはあるでしょう。しかし〈胎内記憶はない〉とは、言い切れません。でもそれは、ないことを証明するのは難しい、いわゆる〈悪魔の証明〉を求めているのに等しい。あると言い続ければ本当にあるように思えてしまう点が、すごくずるいですよね。科学的に解明するための問題提起、いわゆるきっかけとしてであれば、子どもに聞き取りをするという調査もありかもしれませんが」

 いくら池川医師がそれっぽく語っても、胎内記憶がスピリチュアルの域を出ないことは確かなようですね。

 さて先生方のお話がはじまったばかりですが、続きは後篇にて! 後篇では、胎内記憶最大の問題点〈自己責任論〉や、胎内記憶研究の正当性を謳う〈ナラティブ〉という概念について、話を進めていくことにしましょう。

ファンタジックな世界観で謳う「親子の絆」が暴力になるとき。胎内記憶の罪を医師が解き明かす

 毒親が原因で鬱を発症し15年近く精神科へ通っている女性が、なんちゃってセラピストに傷をえぐられた――。前回のコラム「自称セラピストに転身した親友から『毒親を愛せ、許せ』と詰め寄られた女性の苦悩」でご紹介した体験談は、〈素人が安易にセラピーもどきを行う危険性〉や、つらい成育歴を持つ人にとって〈子どもは親を選んで生まれてくる〉なる思想がいかに暴力であるかを、切実に感じさせるものでした。

 今回はその問題点をさらに掘り下げるべく、医師2名にご登場いただき、〈子どもが親を選んで生まれる〉という思想をふりまく〈胎内記憶〉の闇に迫っていきましょう。

 改めて、「胎内記憶」を説明しよう。それは〈胎児の頃の記憶および、母親のお腹に宿る以前の記憶〉だといわれています。「生まれる前の記憶を持ってこの世に誕生する子どもがいる」とするこの考えは、〈親学推進協会〉の特別委員を務める産婦人科医・池川明氏が提唱しているもの。そして同氏の独自調査をした結論として、次のようなぶっとんだお説が登場するのです。

精子、卵子にも記憶がある!?
 同氏の著書である『胎内記憶でわかった子どももママも幸せになる子育て』(誠文堂新光社)をはじめ、さまざまなメディアでこんなことが語られています。

「100パーセントの子どもが言うのです。『お母さんを幸せにするために生まれてきたんだ』 多くの子どもたちがそう言うのですから、信じざるを得ません」

 これがどのような調査によるものかは『胎内記憶 命の起源にトラウマが潜んでいる』(角川SSC新書)で紹介されています。同書では、子どもたちの語る内容が多岐にわたるため、胎内記憶を便宜上次のように分類。

 1・胎内記憶(胎芽から誕生直線までの記憶) 
 2・誕生記憶(陣痛が始まってから誕生直前までの記憶)
 3・新生児乳児記憶 
 4・受精(受胎)記憶(受精〈受胎時〉の記憶) 
 5・精子記憶(精子としての記憶)
 6・卵子記憶(卵子としての記憶)
 7・中間生記憶(前世の終了時から受精までの記憶)

 特に5と6の、トンデモレベルが凄まじいのは過去記事(でも触れたとおり。とある男性は「たくさんの仲間と競争して、大きな玉(卵子)に一番でたどり着いた」と語り、ある女性は「卵子だったとき、精子がたくさん押し寄せてきたのが怖かった」なる記憶を思い出したと、真剣に紹介されているのですから。

 確かに近年の研究により、胎内で胎児の触覚・聴覚・嗅覚などの五感が機能しはじめることは分かってきています。しかしそこから「胎内記憶はありまぁす」というお説へ展開するのは、バンジージャンプ級の飛躍としか思えません。生物・科学の知識はおろか、教養すらカスッカスな自分でも、「ないわー!」とコーヒー吹いたレベルです。

胎内記憶はニセ科学なのか
 ところがどういうわけか、巷の各種メディアでは「生命の神秘!」「親子の絆!」といったノリで、子育てに奮闘中の親たちを癒す感動ストーリーとして好意的に取り上げられるので、「ほっこりできりゃなんでもいいのかよ!」驚くばかり。私は、胎内記憶周辺の「子どもに選ばれた私たち」という優越感に気持ち悪さを感じるのですが、巷のみなさまは、そんなことないのかしら~。

 今年の春に「あたしおかあさんだから」で大炎上した、激安感動ストーリーがお得意な絵本作家のぶみ氏もこの物件がお気に入りなようで、絵本『このママにきーめた!』(サンマーク出版)や、初の大人向けエッセイ(?)『かみさま試験の法則 つらい時ほどかみさまはちゃんと見てる』(青春出版社)でも、胎内記憶を大活用。

 ハートウォーミングな物語が好物という印象のある「誕生学」創始者・大葉ナナコ氏も、生活総合情報サイト「All About(オールアバウト)」で胎内記憶について語っています。「子どもが胎内記憶を話すか話さないかはさておき、おなかの中にいたときのことを一緒に語り合うことで、親子関係を深めるきっかけにもなるのでは」と(「いのちの神秘「親を選んで生まれてきた」という子どもたち」より)。

『こどもはママのちっちゃな神さま』(ワニブックス)の著者である親子セラピスト・長南華香(ちょうなん・はなこ)氏は、自分自身と子どもが胎内記憶を持つことを公言。そこから、さまざまなスピ系育児講座やセラピスト養成講座(もちろん有料&高額)を展開している有様。

 胎内記憶はほかにも、妊活講座、セラピー、ヨガ、マッサージ、育児コミュニティ、被災話、各種ママ向けイベントetc……今やあらゆるところで見かけることのできるコンテンツになっており、そこそこ人気を集めていることがわかります。

 胎内記憶の話を、「単なる親子コミュニケーションのひとつなのでは?」と思う人もいそうです。しかしこれは、「ニセ科学」と解釈していい物件です。ニセ科学とは、それらしい説明で一見科学のように見せかけているが、実は科学と呼べないものの総称で、別名・疑似科学、エセ科学。このジャンルに分類される有名どころは、ホメオパシーやマイナスイオン、EM菌、経皮毒、水素水、脳トレなど多岐にわたります。

 一応、池川医師は「胎内記憶が正しいかどうか科学的に解明するつもりはない」「子育てに役立てるためのもの」と語っています。しかし著作では「胎芽が母親のホルモンに影響を受ける」だの「脳が形づくられる前から個々の細胞に体験が蓄積される」など、科学的な表現を多用しているので、そこから胎内記憶をエビデンスのあるものと勘違いする人も少なくないでしょう。

精神科医と産婦人科医はどう見る?
 そこで、まずは〈胎内記憶が科学的にありえるのか?〉という点について、精神科と産婦人科の医師2名からお話をうかがいつつ、マジにつっこんでみたいと思います。

 胎内記憶の主な調査法は、母親にアンケートを配布し、子どもが胎内記憶や誕生記憶を話したことがあるかどうかを回答してもらうという方法が主流。この点を、精神科医の松本俊彦医師は「科学的かどうかを評価するには、池川氏とまったく関わりのないほかの研究者が同じ調査をして、同じような結果を確認できるということが必要である」と説明。しかし日本では、池川医師以外の研究者は存在しないよう。

松本「しかも子どもは大人の求める答えを忖度しながら答えるだろうし、かなり空想的であると言えます。つまり供述された内容の妥当性を確認しようがないと思われるので、どちらにしても科学的な証明は難しいでしょう」

 池川氏と同じ産婦人科医である太田寛医師は「子どもが話す状況で、大人が誘導をかけていないかどうかという点に、疑問を覚えます」と指摘。

太田「そもそも記憶というのは今のところ、脳の神経細胞の中に保存されることになっているんですが、精子や卵子に記憶があると言われてしまうと、まだ神経細胞でもない細胞なのにどうやってその記憶をキープしていたのか、しくみがわかりません」

ないとは言い切れない、けれど。
太田「あり得るとすれば、親が子どもに『あなたがお腹にいたときはこうだったんだよ』と言い続けていれば、子どもはそれが自分の記憶と勘違いすることです。親の話を、子どもが単に反芻しているということはあるでしょう。しかし〈胎内記憶はない〉とは、言い切れません。でもそれは、ないことを証明するのは難しい、いわゆる〈悪魔の証明〉を求めているのに等しい。あると言い続ければ本当にあるように思えてしまう点が、すごくずるいですよね。科学的に解明するための問題提起、いわゆるきっかけとしてであれば、子どもに聞き取りをするという調査もありかもしれませんが」

 いくら池川医師がそれっぽく語っても、胎内記憶がスピリチュアルの域を出ないことは確かなようですね。

 さて先生方のお話がはじまったばかりですが、続きは後篇にて! 後篇では、胎内記憶最大の問題点〈自己責任論〉や、胎内記憶研究の正当性を謳う〈ナラティブ〉という概念について、話を進めていくことにしましょう。

「外国人バー」で捨て身のナンパ大作戦!? オーストラリアの英語講師とカラオケで運命の出会い

 前回の「出会い系で山芋ちんこ事件」で、少々しぼんだ私。

 正直、ショックすぎた……。

 しょっぱなからあんな珍物件を引き当ててしまった、しかもセカンド扱いされそうになった、さらには目に焼きついて離れない迫り来るあの霜降りボディー、愛もロマンのかけらもない、獣としてるようなH。私にはこんな物件しか巡ってこないのか……と。

出会い系がだめなら“生け捕り作戦”!? 気になる「外国人バー」に突撃!

5-600前回はこちら:こぶし大のチンコがボロリ!? 碧眼イケメンの“逆サプライズ”に失神寸前の「肉弾バトル」)

 当時は外専女子が私の周りにいなかったので、包茎とか、脱いだら異常な霜降り体系なんてよくあることなのか? ということすらわからず。唯一、外国人数人と付き合った経験があるという友人に“山芋ちんこ”のことを話してみたものの「宗教の都合で皮かぶってる、っていうのは聞いたことがあるけど……」という回答しか得られず。ちなみにその友人ですら、“山芋ちんこ”にはまだお目にかかった事がないそう。

 新宿はゴールデン街にある、友人の働く飲み屋「A」(仮)に集う友人たちからは、こぞって「出会い系サイトに良い人なんているわけないじゃん」という意見をいただきました。そりゃそうだ。だけどそんなサイトでも使わないと外国人に出会うチャンスがない。もしかしたら、万が一、いや、億が一、運命の人に巡り合えるかもしれないじゃないか……! そう心の中で抵抗しつつも、いったん作戦を変更して、「生け捕り」作戦に切り替える事にしました。要するにナンパです。もうそれしかほかに方法が見当たらない!

 実は私には、以前から気になっているお店がありました。ゴールデン街が外国人向けのガイドブックに取り上げられはじめたことで、外国人の姿をちらほら見かけるようになっていたのですが、「A」の近くに、外国人がひときわたむろしているお店が……。

 私は「A」を抜け出し、まずはそこへ偵察に行くことに。

 お店を覗いてみると、カラオケがメーンのバーのようで、お客さんの8割が外国人。薄暗い店内ではガンガンカラオケを流していて、外にも人があふれている。外国人がうようよしている光景に胸が高鳴り、「ここはやっぱり“狩り場”だ!」と確信。

……が、しかし、ほろ酔いでナンパできる根性は当時なかったので、「A」に戻ってもう一杯ひっかけ。改めて「狩りに行ってくる!」と宣言し、準備万端で小走りしながらその店に向かったのでした。

 
 店内を見回すと、べろんべろんに酔った、Tシャツがピタピタの太った外国人おっさんたちが目立つ……。しかし諦めずに目を凝らして見渡すと、スーツ姿の外国人男性2人組が! そろっと近づいてお顔を拝見すると、2人のうち片方は、ブロンドにブルーアイ、若い頃のアレックス・ペティファーに似た奇跡的なかわいい系イケメンではないか!

 「よし、狩るぞ!」と、酒を手にしてタイミングを見計らう私。「なんだ、お前?」とか言われないか内心ドッキドキ、それでも勢いにまかせて「かんぱ〜い!!」なんて言いながらその2人の中に入っていくと、彼らはノリノリで「イエーイ!」と応えてくれたのです! やっぱり外国人はノリがいい……!!

 聞くと、2人は日本で、英会話の講師として働いているという。狙い通り! 私がスーツ姿の外国人を選んだのは、スーツ好きってワケじゃありません。日本で働いている(=日本に暮らしている)確率が高いと踏んだからなのです。私の狙った彼の名はエリック、オーストラリア出身。私より3歳くらい年下……年下なんて新鮮!

 カラオケ歌おうよ、と誘われ「私は恥ずかしくて歌えないから、あなた歌ってよ」と言うと「いいよ、何がいい?」なんて答えるので、私の大好きなベタベタのラブソングをリクエスト。私が外専女子になったきっかけであるBON JOVIの、メジャーでもない曲をしっかりと歌い上げた彼は、酔いも手伝ってか、とてつもなくイケている。まさしく私の運命の人かもしれない……。

そんな気持ちで、彼の横顔をうっとりと眺めていました。

 さて、ひとしきりカラオケを楽しんだ後、思い切って「またあなたに会いたいから、メアドと電話番号教えてくれる?」と言うと、快くメアド交換。よかった、今夜一回きりの飲み仲間で終わらないんだ! 

「じゃあ帰るね」とその場を離れようとすると、エリックは「またね」とハグしてくれた。若いフレッシュな香水と少しの汗が混じったなんとも言えない甘い香りがその瞬間、ふわっと私を包み……。「狩り成功、あの山芋の悪夢はエリックが洗い流してくるんだわ!」と確信して、浮かれ足で家路についたのでした。

 つづく。

(隔週火曜日・次回は6月5日更新)


<著者プロフィール>

音咲椿(おとさき・つばき)
男性向けグラビア誌編集長を経て、ポット出版社刊「女の子×女の子のためのエロチックブック・Carmilla」にてイラスト・漫画家デビュー。
単行本「イケメン外国人たちとベッドで異文化交流した結果。」(ぶんか社刊)好評発売・配信中。テレビ出演多数。