被差別部落は本当に「コワイ」のか?…映画『私のはなし 部落のはなし』レビュー

 日本に残る「部落差別」を題材にした長編ドキュメンタリー映画『 私のはなし 部落のはなし』が、東京都北区田端のミニシアター「CINEMA Chupki TABATA」(シネマ・チュプキ・タバタ)にてアンコール上映中だ。

 2022年5月に公開された同作は、いわゆる被差別部落に生きる “現代の普通の人々”を淡々と描く一方で、 近代の被差別部落史に詳しい歴史学者、そして“ 差別する…

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庵野秀明が竜王!? 映画『マリオ』大ヒットの下にある「ゲーム映画化」失敗の歴史

 任天堂のテレビゲームを原作にした映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が凄まじい勢いで世界中を席捲している。北米興行では週末3日間のオープニングで1億4600万ドルを稼いだ。これは2023年公開作品でトップの成績。その後も勢いが止まらず4週連続でトップ、世界興行収入は10億2000千万ドルに達している。アニメ映画の歴代興行記録『アナと雪の女王2』の14億000千万ドルを抜き去るのは…

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『聖闘士星矢』実写映画“必殺技叫び”がなくても支持される理由と戦略的な失敗点

 2023年4月28日から公開の映画『聖闘士星矢 The Beginning』は、残念ながら「観てもいないのに冷やかし」の対象にもなってしまっていた。

 公開されてすぐに一部の極端な酷評がSNSで拡散されてしまった上、動員に大苦戦している事実もあり、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』と間違って『聖闘士星矢 The Beginning』が上映されたことも、悪い意味で話題と…

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『ブラフマーストラ』は『RRR』の監督も大絶賛! インド発、ヒンドゥー神話×アメコミヒーローの新ユニバース

『Wake Up Sid』(2009)、『若さは向こう見ず』(13)のアヤーン・ムカルジー監督が、ヒンドゥー神話とアメコミヒーローを掛け合わせたファンタジー作品『ブラフマーストラ』が、いよいよ日本でも5月12日から公開される!!

 インド映画史上初の全米ボックスオフィス初登場2位を記録し、インド映画音楽の巨匠プリータムによる作中曲『ケサリヤ』は、YouTubeで公開後、約4カ月…

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『ワイルド・スピード』は死んだ人間さえ蘇る―文句をいうやつはいない!

 今夜の日本テレビ系『金曜ロードショー』はシリーズ最新作が5月19日に日米同時公開されることを記念してカーアクション映画『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』を地上波初放送。天才的ドライビング・テクニックを誇るアウトロー、ドミニク・トレットと彼の‟ファミリー”たちが世界中のコンピューターシステムを乗っ取ることができる電子機器「アリエス」を狙うテロリストと死闘を繰り広げる、アクション超大作!…

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憎しみ合いながら、母と娘はなぜ同居するのか? 映画『同じ下着を着るふたりの女』

 なんとも意味深なタイトルではないか。同じ下着を共有する女たちとは、どんな関係なのだろうか。韓国映画『同じ下着を着るふたりの女』を観ると、“ふたりの女”とは同居中の母と娘であることがすぐに分かる。しかし、母と娘の関係性は、愛情や憎悪といった言葉で簡単に割り切れるものではないらしい。父と息子とは大きく異なる母娘関係を、本作で長編デビューを果たしたキム・セイン監督は繊細かつ生々しく描き出してみせ…

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ロバ映画ラッシュの真打ち『EO イーオー』良い意味で困惑する不思議な魅力

 なぜか「ロバ映画」ラッシュが起きている。何しろ、第95回アカデミー賞に7部門8ノミネートされた『イニシェリン島の精霊』ではロバが重要な役回りとなっており、そのため授賞式にロバが登壇した。さらに、アカデミー賞3部門ノミネートの『逆転のトライアングル』でも、長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した『ナワリヌイ』にも劇中にロバが出てきたのだ。

 そして、2023年5月5日より公開されて…

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役所広司&菅田将暉共演『銀河鉄道の父』 宮沢賢治はリアル“でくのぼう”だった?

 視点を変えることで、それまでとは違った歴史や人物像が浮かび上がってくる。作家・門井慶喜の直木賞受賞作『銀河鉄道の父』(講談社)は、童話作家・詩人として著名な宮沢賢治の生涯を、父親の視点から描いたユニークな作品だ。「純朴な人」というイメージの強かった宮沢賢治だが、父・政次郎にしてみれば、家業を手伝うことなく浪費ばかりする放蕩息子だった。だが、そんなダメ息子のことが、政次郎は愛おしくて仕方なか…

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日テレが縦読みマンガと縦型ドラマに参入したワケ 「スマホ以降」のテレビビジネス

 2015年。スマートフォンの普及率が5割を超えた(※NTTドコモ モバイル社会研究所調べ)とされたこの年、Netflixが日本に進出し、在京民放キー局5社を中心としてTVerが始まった。この10年ほどでメディアを取り巻く環境は「激動」といっていいほど大きく変わっていっているわけだが、それは当然テレビ局も同じ。そうした背景から、配信限定コンテンツの制作からメタバース展開にいたるまで、これまで…

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