街裏ぴんく「ウソ漫談師」の「ウソなし」半生と音楽

 フィクションを“ほんとうのこと”にしてしまう言葉の魔術師、それが街裏ぴんくだ。突拍子もないワンダーな空想も、彼の話術にかかれば脳内映像として勝手にプレイされ、気づいた頃には観客は笑いの渦の中で溺れていく。

 ウソ漫談という、虚構と事実の境目を曖昧にしていくファンタジックなネタで、お笑いファンのハートをがっしりと握りつぶす街裏ぴんく。そういえば、ネタ中にその魅力的な歌声もしばし…

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本業で食べていける監督はごく少数!? 映画業界残酷物語『愛のこむらがえり』

 生田斗真、磯村勇斗らが出演した『渇水』が、6月2日から公開されている。水道料金を払えずにいるワケありな家庭を回り、停水執行する水道局員たちを主人公にした社会派ドラマだ。派手さはない内容ながら、貧困や育児放棄などの問題に向き合った力作となっている。

 10年がかりで『渇水』を映画化したのが、助監督経験の長かった髙橋正弥監督。これまでに根岸吉太郎監督、相米慎二監督、森田芳光監督ら…

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マユリカ、「めんどくさい」から「がんばらな」へ 東京で広がる可能性

 マユリカが東京にやってきた。ポッドキャストの冠番組『うなげろりん』(関西ラジオ)では、阪本と中谷の幼なじみコンビによる、ゆるい距離感と下品なトークが繰り広げられ、ラジオ好きの間で評判を呼んでいる。番組の企画で生まれたビキニ写真集は3000冊も売り上げて話題になった。

 ラジオだけでなく、先輩芸人・見取り図のYouTubeへの出演や、2年連続『M-1』セミファイナリスト、『ラヴ…

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若手芸人同居家、恐怖の実態「下には下がいる」ゴミ屋敷はいかに誕生したか

 あなたはゴミ屋敷に足を踏み入れたことはあるだろうか?

 今回取材したのは、そのほとんどがハイボールのみで形成された“ハイボールゴミ部屋”だ。通常のゴミ屋敷よろしく足の踏み場もない。空き缶の中にはずいぶん前から中身が残されたものもあり、当然のように変色している。まさに“ハイボール地獄”だ。

 常に300本以上もの空き缶or飲みかけが放置されるゴミ部屋は、一体どのよ…

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ポール・シュレイダー監督『カード・カウンター』 スコセッシとの関係、三島由紀夫について語る

 腐敗した社会を正すヒーローになる。そんな狂気に取り憑かれた男を若き日のロバート・デニーロが演じた『タクシードライバー』(76)は、映画史に残る大傑作だ。ポール・シュレイダー(脚本)&マーティン・スコセッシ(監督)のコンビは、その後も実在のプロボクサーの半生を描いた『レイジング・ブル』(80)や悩めるイエス・キリストを主人公にした『最後の誘惑』(88)などの名作、問題作を放ってきた。

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まんきつワンダーランドの新作は『犬々(わんわん)』「今までおどけたことを描いてきたのに…!」

『アル中ワンダーランド』(扶桑社)でアルコール依存症の日々を描き、サウナに開眼し自己と見つめ合った『湯遊ワンダーランド』(同)の作者・まんきつさん。自分自身との和解を果たした彼女が選んだ次なる題材は、最も身近な存在である犬だったーー。

 愛犬のポテトちゃん、銀ちゃんと暮らす日々をユーモラスに描きながら、ルポ取材で犬のしつけ現場や、保護犬活動の現状などにも踏み込んだ新作続きを読む

“レンタル家族”サービスの是非を問う実話系社会派ドラマ『レンタル×ファミリー』

 血縁関係のないキャストが集まり、家族を演じる映画の世界では、血のつながらない“擬似家族”をテーマにした作品はとてもリアリティーを感じさせる。岩井俊二監督の『リップヴァンウィンクルの花嫁』(16)や吉高由里子のデビュー作『紀子の食卓』(06)は、伝統的な家族制度が崩壊した日本社会の現状を映し出した社会派ドラマだった。塩谷瞬が主演した『レンタル×ファミリー』も、レンタル家族を描いた問題作だ。し…

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る鹿、憧れのゆら帝カバーでデビューした彼女が見た「正夢」


 モデルとして活動しながら、自身が立ち上げたブランド「DEERTRIP」のディレクターを務め、2021年1月にはゆらゆら帝国『空洞です』のカバーで歌手デビューを果たしたる鹿(るか)。そんな彼女から、3rdシングル『体がしびれる 頭がよろこぶ』のリリース情報が届けられた(2023年秋頃発売予定)が届いた。真島昌利(ザ・クロマニヨンズ)が楽曲提供した2nd『遠い声…

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「リトルタケシ」と呼ばれた二ノ宮隆太郎監督作『逃げきれた夢』 人生の岐路に立つ男の悲喜劇

 1シーン、1カット登場しただけなのに、妙に印象に残る俳優がいる。二ノ宮隆太郎は、そんなアクの強さを持つ個性派俳優のひとりだ。監督&出演を兼ねた自主映画『魅力の人間』(12)や『枝葉のこと』(17)は海外の映画祭で高く評価され、監督と俳優を兼業しているスタイルと独特な雰囲気が北野武監督を連想させることから「リトルタケシ」とも呼ばれている。

 コワモテ感と愛嬌が不思議なバランスで…

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井口昇ワールドのヒロイン集結! 商業映画では描けない禁断の世界『異端の純愛』

 個性の強い映画監督たちの中でも、より際立った異能ぶりで知られているのが井口昇監督だ。劇団「大人計画」の役者として活動する一方、自主映画『クルシメさん』(98)や『恋する幼虫』(03)はレイトショーで注目を集めた。米国のビデオメーカーの依頼を受けて撮り上げた『片腕マシンガール』(07)は、ガールズアクションものの大ブームを呼ぶことになった。

 昭和特撮ドラマの世界をリブートした…

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