「たるみ改善」「小顔効果」で人気のセルフハイフ、「神経損傷」「火傷」が報告されるワケを医師解説

「『セルフエステ』の契約は慎重に検討しましょう!」

 今年2月、消費者問題・暮らしの問題に取り組む独立行政法人「国民生活センター」が、近年セルフエステに関する相談が増加しているとして、注意喚起を行った。その具体的な事例として挙げられているのが、「HIFU(ハイフ)」である。

 ハイフとは、「切らないフェイスリフト」として、近年、美容クリニックやエステティックサロンで人気を博す施術。高密度の超音波によって、皮下組織に熱エネルギーを加えることで、たるみを改善したり、小顔を叶えるというものだという。そんなハイフが最近、クリニックやエステより安価で受けられる「セルフエステ」として広がりを見せており、全国にフランチャイズ展開するサロンも登場、若者の間でブームになっている。

 しかし、その裏で、利用者から「機器を自分で操作し顔にあてたところ、唇の神経を損傷した」「やけどのように赤く腫れた」といった相談が、国民生活センターに寄せられているというのだ。専門知識のない一般人が、神経損傷ややけどの危険性もあるというセルフハイフを行うのは、注意が必要と感じるが、美容クリニックの医師たちは、これをどう見ているのだろうか? 今回、広尾プライム皮膚科の沼尾真美先生に見解をお聞きした。

以前に比べて低年齢化? 「ハイフ」は20代にも人気

 広尾プライム皮膚科でも施術メニューにあるというハイフ。もともとハイフは、「保険診療による幹細胞癌等の治療に用いられていた機械」と沼尾先生。高密度の超音波で腫瘍細胞を熱変性壊死させる治療で使われているものだという。

「美容クリニックでは、SMAS層に熱エネルギーを加えることでコラーゲンの生成を促し、たるみを改善させるというのを主な目的としているケースが多いと思います。また熱収縮させることによるリフトアップ効果も期待できます」

 この熱収縮とは、牛肉などを火で焼いた時に、キュッと縮む現象を想像するとわかりやすいとのこと。

「ハイフ施術を受ける方は、数年前だと『たるみが気になるけれど、糸を入れるなどの手術には踏み込めない』といった40〜50代、またそれ以上の年代が中心でしたが、最近では『小顔になりたい』という20代も多く、以前と比べて低年齢化している印象です」

 沼尾先生いわく、たるみレベルが大きいほど、ハイフの効果はわかりづらい傾向があり、糸リフトなどの手術を行った上で、糸を入れられない箇所にのみハイフを施すケースもあるとのこと。一方、20〜30代のほうが即時効果を得やすい面はあるそうだ。

 そんな若者にも人気のハイフだが、クリニックでの施術は、金額的な面で、誰もが気軽に受けられるものではないだろう。というのも、特に「元祖ハイフ」と呼ばれ、FDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を得ているハイフ機器「ウルセラ」による施術は、クリニックによっては1回30〜40万円することも珍しくない。現在では、「ウルセラ」より安価なハイフ機器が登場し、クリニックでの施術代も以前と比べて安くなりつつあるとは言え、それでも1回10〜20万円程度の価格設定が一般的のようだ。

 しかし、エステでのハイフは「1回1〜2万円」程度、セルフハイフに至っては「1回3,000円」を切るというサロンも存在しており、若い世代にとっては手を伸ばしやすい価格帯と言えるだろう。しかし国民生活センターには、その安全性を疑問視するような相談が寄せられているのだ。では具体的に、セルフハイフでの神経損傷や火傷はいかにして起こるのか。

「クリニックでのハイフ施術でも、神経損傷のリスクはあります。特に『ウルセラ』は高出力で、熱エネルギーがかなり深いところにまで届くので、かなりの痛みを伴うとともに、打ち方によっては神経を傷つけしてしまうことがあり、実際にそういった事例を見たこともあります。一方、セルフハイフでは、おそらくクリニックで使用するハイフより、低出力で皮膚の浅い部分にしか照射できない仕様になっているのでしょうが、出力の高低が安定しないこともあるのでは。浅いところに神経が通っている“ハイフを当ててはいけない部位”……例えば、口の下のあたりやおでこのサイドに、たまたま強い出力で照射してしまった場合、神経を損傷する危険性はあると思います」

 セルフハイフでは、事前に「照射してはいけない箇所」の説明がされているというが、機械の操作に慣れていないと、“ついうっかり”が起こる可能性は否めないだろう。クリニックの中には、患者さんの顔にマーキングをして、「打ってはいけない箇所」を明確にするなどの対策を取っているところもあるというが、「セルフハイフの場合、マーキングをせず、鏡を見ながらハイフを当てていくと聞くので、大丈夫かなとは思います」とのこと。なお、この照射深度は、ハイフのハンドピースのヘッドを押し付ける強さによっても変わってくるというだけに、セルフで行うには、経験がないとなかなか難しいものなのかもしれない。

「また、ハイフは動かしながら皮膚に照射していくのですが、重なって同じ箇所に打ってしまうと、火傷のリスクもあります。基本的にハイフの施術には、解剖学的な知識と技術が必要となるというわけです。繰り返しになりますが、セルフハイフはそういった知識や技術がなくても受けられるよう、低出力に設定されているのだろうと考えられるものの、だとすると『効果を実感できないのでは』とも思ってしまいますね。同じハイフと言えど、『ウルセラ』とセルフハイフの機械とでは、まったくの別物なのかなと感じます」

 「ウルセラ」は、コラーゲン生成期間を考えると、「半年に一度受ければ十分と言われている」というが、セルフハイフは、2週間ごとの施術が推奨されるケースが目立つ。沼尾先生は「それだけ頻繁に受け続け、例えば20年後に皮膚がどういう状態になるのかは、しっかり検証されていないのでは」といった疑問も抱いたそうだ。

 誰もが気軽に受けられるセルフハイフだが、実際にサロンに足を運ぶ前に、ハイフとは何かを調べてみるということが大切なのかもしれない。

沼尾真美(ぬまお・まみ)
2006年、香川大学医学部卒業後。医療センターにて皮膚科、形成外科、都内美容クリニック院長を経て、昨年から広尾プライム皮膚科勤務。主に得意としている治療は「注入」と「スレッドリフト」の治療。
広尾プライム皮膚科

ーー後編では、「セルフハイフ以上に、エステティシャンが施術を行うハイフのほうが危険度が高いのではないか」とする医師の見解をご紹介する。

GWに神社めぐりを予定していた人必見! 家で「リモート参拝」ができるって本当?

 新型コロナウイルスの感染拡大で世界中が大混乱に陥っている。いつ収束するのかが読めない現況下で、不安な気持ちを抱える日々の中、ゴールデンウィークに旅行を計画していたものの、全て白紙になってしまい、ガッカリしているという人も多いのではないだろうか。こういう時だからこそ、旅行がてら神社参拝をして、自分や周りの人たちの健康と混乱の収束をお祈りしたいと思ってしまうが、外出自粛というこのご時世、なかなか、思うように行動できない。

 でも、でも、でも、わかっちゃいるけど、やっぱりこんな時だからこそ神社でお参りしたい!

 何か心が落ち着くような良い方法はないものかと、先頃、『神社で出逢う私だけの守り神 神様に力を分けてもらう方法」(祥伝社)を上梓したばかりの神社探究家・浜田浩太郎氏にお話を伺うと、なんと「自宅でも神社参拝はできますよ」と驚きの回答が返ってきた。果たして、「リモート参拝」の方法とは?(聞き手/エッセイスト・鳥居りんこ)

古代から行われてきたリモート参拝

――緊急事態宣言が発令されて以降、みんな鬱々とした気持ちになっています。全国の有名神社も、新型コロナウイルス感染症拡大防止の対策として、祭祀の中止や拝観の停止を発表しているような状況ですし、お参りしたくとも、今は家でじっと我慢しています。

浜田浩太郎氏(以下、浜田)  いえいえ、あまり知られていないのですが、家庭での参拝は可能なんですよ。

――え? 参拝もリモート可能なんですか? 神様って、神社に行かないと会えないんじゃ……?

浜田 そんなことはないんです。古代から、産土神社(うぶすなじんじゃ)や崇敬神社(すうけいじんじゃ)には遠くて行けない、あるいは病などの事情を抱えていて、行きたくても行けないという人たちのために、家庭での参拝という方法が用いられてきたんですよ。

――家庭での参拝っていうものがあるんですか!? でも、その前に待ってください。産土神社? 崇敬神社? って何ですか?

浜田 産土神社は、自分が生まれた土地の神様がいる神社のことで、母親がお産をした場所から半径約4キロ(昔の1里に相当)以内の神社がそれに当たります。

 一方、崇敬神社というのは、自分自身が信仰している神社ってことですね。行ってみたら、すごく良いことが起きたとか、とても清々しい気持ちになったとか。そういった、自分自身の守り神のように思える神社ってことです。また、鎮守神社(ちんじゅじんじゃ)という、自分が現在住む地域の氏神様をお祀りしている神社があります。こちらは自分の現在の住まいから半径約4キロ(昔の1里に相当)以内にある神社のことを言います。

――なるほど! 鎮守神社は自宅の近所にあるので、3密を避けてお散歩がてら、お参りすることは可能かもしれませんね。それで、家庭での参拝というのは一体どんなものなんですか?

浜田 家庭での参拝は「遥拝(ようはい)」と言って、生まれた土地や、お気に入りの神社が遠方にあり、実際足を運べない場合に、家で行うことです。遥拝は「遠く隔たったところから拝むこと」を意味するんですよ。

――遥拝……ですか。初めて聞きました。お作法とかやり方があるのでしょうか?

浜田 家庭での遥拝は主に6種類ありますので、参考になさってください。

 まず1つ目が家庭の神棚を拝む。家庭に神棚を設け、産土神社、鎮守神社、崇敬神社を拝みます。神棚は、風通しが良く、日差しが入る場所が良く、向きは南向きか東向きが良いとされます。神棚にはお神札(神社でもらうことができるおふだ)を納めますが、そこに順序があります。神棚が一社造りの場合、一番手前に伊勢神宮のお神札、その後ろに氏神神社(産土神社・鎮守神社)のお神札、その後ろに崇敬神社のお神札を納めます。三社造りの場合、中央に伊勢神宮のお神札、向かって右に氏神神社のお神札、向かって左に崇敬神社のお神札を納めます。神棚は神社そのものです。

 そして2つ目が、お守りを拝む。お守りも神様の御霊が入っているものですので、お守り=神様そのものでもあるんです。お守りを自分よりも高い位置に置いて、手を合わせましょう。

――お神札かお守りがないといけないんですね?

浜田 いえいえ、お神札かお守りがなくても遥拝する方法はありますよ。それが3つ目で、お社の方角へ向かって祈るというもの。産土神社、鎮守神社、崇敬神社のある方角へ向かって手を合わせ拝みます。その神社が北海道にあられる方は、北に向かって手を合わせるってイメージですね。方角は大体でOKではありますが、意識してみてください。

 4つ目は、山や海を拝む。ご神体(神が宿るとされる物体)として拝まれてきた山が自宅から見える場合は、その山の頂に向かって手を合わせます。どうしても山が見えない時は、山がある方角に向かって手を合わせ拝みましょう。近年は、グーグルマップなどで自宅と山の位置関係を確認できます。また、自宅近辺から海が見える場合は、海に向かって手を合わせましょう。

――確かにこの2つの方法だったら、「すぐにできる!」という方は多そうですね。

浜田 加えて、5つ目はバーチャル参拝をする。こちらは神社の公式サイトに、コンテンツの一つとして掲載されている神社でのみで有効な参拝方法です。電子マネーでお賽銭を払うことも可能なんですよ。

 そういったコンテンツがない神社でも、インターネット参拝ができるところもあります。これが6つ目です。メールで祈願する内容を送ると、神職が本人に代わり、直接、神前に祈願してくれる神社もあります。以前から、病気療養中でどうしても参拝できない方などが、手紙を書いて、神職にご祈祷をお願いすることがありました。今もそうされている方がおられるでしょうが、ネットが広く普及してきたので、今ではメールで受け付けてくれる神社もあるんですよ。

――おお! そうなんですか? ネットやバーチャル参拝という電子機器を使う遥拝というものまであるんですね! 神様も、時代に合わせて柔軟に対応してくださるようになったというのは驚きです。

浜田 ネットやバーチャル参拝も含め、遥拝には「神々を信じる心と行い」が大切なんです。遥か遠くから拝むことで、その心と行いが神々に通じると思います。

――なんだか、とても安心しました。私も早速実践して、「一刻も早く平穏無事な毎日がやってきますように」と神様に祈ってみたいと思います。

浜田 そうですね、大変な世の中には違いないですが、神様に手を合わせることで、自身の心のバランスを取るということが必要かもしれません。

――今日は、ありがとうございました!

浜田浩太郎(はまだ・こうたろう)
神社探究家。立命館大学産業社会学部卒。京都産業大学日本文化研究所元上席客員研究員。大手カルチャーセンター講師。京都や奈良の神社を中心とした実地講座の講師。民俗学をベーストした神社学から「人と神社の繋がり」や「守り神に出逢う方法」を探究。4月に祥伝社から『神社で出逢う私だけの守り神 神様に力を分けてもらう方法』を上梓。
公式サイト

【新刊紹介】
神社で出逢う私だけの守り神 神様に力を分けてもらう方法
「旅行先の神社には必ず足を運ぶ」「御朱印集めが趣味」そんな神社好きな人でも、「人間には誰にでも『自分担当の神様』がいる」ということは知らないのでは? 本書は、「自分の守り神」を知ることができるという画期的な1冊。チェックシートから、「人を魅了する 龍人」「我が道を切り開く 天狗」「勝手気ままな不思議ちゃん 狐女」「良妻賢母の癒し系 弁天」「不器用だけど、強くて優しい戦う人 武士」の5つのタイプのどれに当てはまるかを割り出し、自分の「守り神」を見つけることができます。その神様がいる神社へ詣でることで、さらにご利益アップ!? 守り神がわかると、自分らしく生きることができるようになり、人生が楽になるかもしれません。

「レンタルなんもしない人」だけじゃない!? 女性を借りる「ウーマンレンタル」の実態とは

 現在放送中のNEWS・増田貴久主演の連続ドラマ『レンタルなんもしない人』(テレビ東京系)。この「レンタルなんもしない人」というのは、実在の人物であり、2018年6月、Twitterに突如現れ、「なんもしない人(ぼく)を貸し出します」「飲み食いと、ごくかんたんなうけこたえ以外、なんもできかねます」という自身のレンタルサービスを開始した。

 「なんもしない人」のレンタルにもかかわらず、瞬く間に依頼が殺到するようになり、その内容は「一人で入りにくい店に一緒に行ってほしい」「朝の出勤についてきてほしい」「引越しを見送ってほしい」「自分の匂いを確認してほしい」などなど多岐に渡るという。人気ドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)『ドキュメント72時間』(NHK)などので密着取材を受け、一気に知名度が上昇。現在も多くの依頼が舞い込んでいるようだ。

 「レンタルなんもしない人」のような“人間レンタル”サービスは、現在さまざまな形態で発展している。その一つが「ウーマンレンタル」だ。2016年から開始されたこのサービスは、サイトに登録している20〜50代のウーマンの中から、希望の女性を1時間レンタルできるというもの。一見、出会い系のようなサービスと思われるかもしれないが、そういったものとはまったく異なるようだ。一体、どんな人たちが、「ウーマンレンタル」を利用しているのか。過去に「ウーマンレンタル」運営者をインタビューした記事を再掲する。
(編集部)

(初出:2017年12月27日)

女性を借りる「ウーマンレンタル」の実態ーー“出会い系”とは違う、利用者が抱く「寂しさ」とは?

 おっさんレンタルに始まり、レンタル彼女、レンタル彼氏。はたまたレンタル家族など、さまざまな「○○レンタル」が登場している今、2016年に始まった「Woman Rental(以下、ウーマンレンタル)」というサービスが注目を集めている。

◎出会い系サービスとはまったく異なる

「ウーマンレンタルとは、サイトに登録をしている20〜50代のウーマンの中から、希望の女性を1時間からレンタルできるサービスです。話し相手や相談、買い物やイベント同行など用途はさまざまですが、性的サービスや犯罪・反社会的行為、公序良俗に反する目的のレンタルは一切お断りしています。サイトそのものとしては、ウーマン自身のプロフィールを掲載する『人間レンタル(時間貸し)ポータルサイト』に近い位置づけかと思います」

 そう話すのは、同サイトを運営する“表参道ノハゲ”こと、イケダシトムさん。レンタル料は、登録しているウーマンが自ら設定した1時間当たりの単価×時間を事前にクレジット決済。当日の移動交通費と飲食代はユーザーが負担するシステムだ。

「新種の出会い系サービスと間違われることがありますが、本質的にはまったく異なります。一般的なマッチングサービスは色恋目的やビジネス目的など、双方の目的が明確です。対してウーマンレンタルでは、利用者の目的は多種多様。基本のルールを守れば、目的は利用者の自由だし、その依頼を受けるかどうかもウーマンの自由。どんな依頼が来るのか、ウーマン側もワクワクしているそうです(笑)」

 このサイトは商取引上、ウーマンと依頼者それぞれ個人に取引の場を提供し、決済を代行するサービスなので、雇用関係や業務委託関係にはないという。時間当たりの価格設定も、ウーマン自身が決める……双方にとって、どうやら自由度の高いサービスのようだ。

◎離婚の相談も……赤の他人でなければ聞けない話

 2017年12月の時点で、登録ウーマンの数は30名。人気ウーマンはプロフィールを随時非公開にすることもあるが、平均で20名前後のウーマンが名を連ねる。たびたびメディアでも取り上げられて知名度も上がり、今(17年12月時点)では月間100件のオーダーが届くという。

「ウーマンレンタル利用者の男女比は半々。年齢層も10〜60代と幅広く、職業も主婦、OL、学生や経営者などバラエティ豊かです。そのため、利用目的も多岐にわたります」

 老若男女問わずウーマンを借りており、利用者の数だけ目的があるが、なかでも、お茶や食事をしながら相談に乗ってもらう「相談相手」としてのレンタルが多いとか。

「相談案件におけるキーワードで女性に多いのが『人生・自立』、男性に多いのが『恋愛・結婚』です。あとは、それぞれのウーマンの個性によって得意分野があり、子育てを終えたアラフィフのウーマンには離婚の相談、ビジネスに強いウーマンには起業相談、美容やファッションに長けていれば買い物同行などのニーズもあります」

 既婚男性から“健全な非日常”として、食事しながら楽しくおしゃべりをしたい、というオーダーも。性的サービスや危険な要求などは、本当にないのだろうか?

「正直なところ、紳士的な男性利用者が多いことに驚いています。ただ、レンタルはカフェなどの公の場で行うことや、そのほかのリスク回避の方法を登録ウーマンにレクチャーして、安全なレンタルが実施されるように心がけています」

 利用者のモラルとウーマンの自衛策によって、健全なサービスが運営されているようだ。

 それにしても、相談に乗ってくれそうな20〜50代女性は巷にあふれているような気がするが、なぜ利用者はわざわざウーマンをレンタルするのだろうか?

「男女問わず、まったくしがらみがない赤の他人だからこそなんでも話せる、という人はとても多いと思います。親や先生には話せないことを相談したい、という学生からの依頼もありました。自分よりも多くの人生経験を積んでいる人に『話す』ことで、なんらかの『答え合わせ』をしている方が多いように感じます」

 明確なアドバイスを求める依頼者もいれば、すでに自分なりの答えが出ており「背中を押してほしい」という相談や、同じ境遇にあるウーマンに共感してほしいという内容も。女性のこまやかな洞察力や共感力が、ウーマンレンタルの肝となっているのだ。

◎レンタル”という方法でコミュニケーションを取る時代

 ウーマンレンタルを運営するイケダさんは、もともと「おっさんレンタル」で“表参道ノハゲ”という名で活動していた(現在は独立)。そんなイケダさんは、人と人がリアルに関わるレンタルサービスが注目を集める理由を、こう分析する。

「家族や仕事以外のリアルな『つながり』を面倒に感じて、心身ともに引きこもりがちな人が多いなか、それでもリアルに人と関わっていたいという人間の本能が、このようなサービスの需要につながっていると考えています。SNSが発達した今も、寂しさや孤独感はリアルなコミュニケーションでなければ、本質的には解消できない。そのつながりをレンタルとして割り切って利用できるおっさんレンタルやウーマンレンタルのようなサービスは、若者を中心に浸透していく可能性が高いですね」

 デジタルネイティブな若い世代ほど、効率的でリアルなコミュニケーションを求めているのかもしれない。今後の展開とは?

「個人の生活とはまったく関係がない赤の他人だからこそ、本音で話せることがありますよね。そのなかでも女性に特化したツールのひとつが、ウーマンレンタルであることを“ハゲしく”お伝えしていきたいです」

 ウーマンレンタルは、ただの箱。今後、コンテンツの力が上がるかどうかは、登録ウーマンの個性や活躍にかかっている、とイケダさん。

「この種のサービスは、まだまだ俗っぽく勘違いされやすいのですが、今後は在籍しているウーマンが周りの人に『ウーマンレンタルやってます』と胸を張り、利用者のみなさんが『この前ウーマンレンタルを利用したら……』と堂々と言えるようなコンテンツになることを目標にしています」

 レンタルウーマンになりたいと応募してくる女性も、増えてきているという。

「応募してきてくれるのは、30~40代の年齢層の女性が圧倒的に多いです。経営者や特殊スキルをお持ちの方など、自分に自信があって、強い向上心を持っているという傾向がありますね」

 明確な採用基準は設けていないが、「ウーマンレンタルのコンセプトを、しっかり理解・同意しているか」が重要だという。

「年齢に関係なく、お話をしていて『不快感』がないか、きちんと会話が噛み合うか、などを重要視しています。スキルや経歴、ビジュアルは付加価値程度ですね。幸いなことに、ほとんどの方がウーマンレンタルの趣旨をきちんと理解した上で応募していただいているようで、採用率は約80%ほどです。サイトの内容をまったく読まずに『いくら稼げますか?』というような人は、基本的にお断りしています」

 ウーマンレンタルは安定的に稼げる仕事ではないため、「バイト感覚では務まらない」とイケダさん。もともとつかみどころのないサービスだがらこそ、コンセプトの共有が大切なのだろう。とはいえ、人気が高く、オーダーが多いウーマンなら、それなりに稼げるのだろうか?

「売り上げベースでいえば、過去最高で月20万円を超える方もいます。オーダー件数が多く、月に10~20件の依頼が入る方もいますが、価格設定が個々に違うため、オーダー件数が多くても売り上げが低くなってしまうことはありますね。ひとりの人間として、真の市場価値を知ることができるのが、ウーマンレンタルの面白さだと思います」

 今後、大きなサービスになっていきそうなウーマンレンタル。誰にも言えないお悩みは、近くの親戚より他人のウーマンに相談してみると、解決の糸口が案外見つかるかもしれない。
(真島加代/清談社)

・ウーマンレンタル

ク・ハラさん、兄が「リベンジポルノ裁判」に言及……「女性だけじゃない」被害の実態とは?

 昨年11月、28歳という若さで、自ら命を絶ったKARAの元メンバー、ク・ハラさん。自宅には「自分を愛せなくてごめんね」といった遺言らしきメモが見つかり、ハラさんのファンは大きな悲しみに暮れ、SNS上には多くの追悼の言葉があふれた。

 そんなハラさんは生前、深刻なうつ病を患っていたという。その原因の一つとなったのが、元交際相手チェ・ジョンボムとのトラブルなのではないか言われている。ハラさんは、チェから暴行を受けるとともに、「性的動画」をネット上に流出させるという“リベンジポルノ”の脅迫にあっていたというのだ。この件は裁判が続いており、ハラさんの兄が先日、あらためてチェへの厳しい処分を要請したことが報じられた。

 リベンジポルノは日本でも社会問題となっており、2014年には、「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(通称・リベンジポルノ防止法)」が成立。被害者のほとんどは女性だというが、サイゾーウーマンでは、男性の被害が「ない」のではなく「可視化されないのではないか」という疑問を抱き、『リベンジポルノ―性を拡散される若者たち』(弘文堂)の著者であるメディア学者・渡辺真由子氏に取材を行った。ハラさん側が起こした裁判の行方が注目され、リベンジポルノへの問題意識が高まる中、いま一度この記事を掲載する。

(編集部)


(初出:2018年11月3日)

ジャニーズのベッド写真も続々流出……男性のリベンジポルノ被害はなぜ「軽視」されるのか?

 元交際相手や元配偶者への報復として、相手のプライベートな性的写真や映像を不特定多数に公開する“リベンジポルノ”。2014年に「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(通称・リベンジポルノ防止法)が成立してから、週刊誌に掲載される、芸能人の「ベッド写真」「全裸写真」の扱いも、徐々に変化している。

 例えば、以前であれば、実名かつ顔などに何のモザイク処理も施されず掲載されていたものが、近年では、「女性タレント」「女子アナ」などの肩書の紹介のみにとどまり、顔や耳など、個人を特定されかねない部分にはモザイクが入るようになった。こうしたベッド写真がスクープされるたびに、ネット上では「一体誰なのか?」が盛んに議論され、騒ぎがさらに大きくなっていくのはよくあるケースである。

 週刊誌サイドは、リベンジポルノ防止法に抵触しないよう、個人を特定できないようにしているということなのだろうが、ここで、ある疑問が浮かぶ。それは、女性タレントにこうした対応が取られる一方、男性タレントは、今も実名かつモザイク一切なしの写真が掲載されていることだ。最近でも、関ジャニ∞・大倉忠義、錦戸亮のベッド写真が週刊誌に掲載されており、ネット上では「これはリベンジポルノではないのか?」と声を上げる人も散見された。

 リベンジポルノ防止法の内容を詳しく見てみると、「私事性的画像記録」の定義に「1.性交又は性交類似行為に係る人の姿態」「2.他人が人の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。)を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」「3.衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの」とある。

 これらには該当しないと判断され、実名かつモザイクなしで掲載されたのかもしれないが、芸能人に限らず、被写体が男性の場合、それがリベンジポルノであるという意識が浸透していない可能性もあるのではないだろうか。そんな疑問を、『リベンジポルノ―性を拡散される若者たち』(弘文堂)の著者であるメディア学者・渡辺真由子氏に話したところ、男性のリベンジポルノ被害が可視化されにくい背景が見えてきた。

 そもそも、リベンジポルノ被害に遭っているのは、男女どちらの方が多いのか? メディアでリベンジポルノが取り上げられる際、女性被害者の例が紹介されるケースが多いが、渡辺氏は、警察庁発表の「私事性的画像記録に係る事案の相談等件数」のデータについて、次のように説明してくれた。

「2017年度の『被害者の性別』を見ると、女性が91.6%、男性が8.4%。“相談する人”という点では、女性が圧倒的に多いですね。男性も水面下で被害に遭われている方はもっと多いと思うのですが、警察に相談しにくい現実があるのでしょう」

 渡辺氏も、男性は女性に比べ、リベンジポルノ被害が軽視されやすいという実感はあるという。

「芸能人と一般人でも変わってくるとは思うのですが、男性タレントの場合、『男は女遊びしてナンボ』というような考え方が根強くあり、ベッドシーンを撮影されても、被害というより、それがある意味『男らしい』などと、肯定的に捉えられてしまう面もあるのではないでしょうか。一方で、一般男性の場合、裸を撮影される被害は多々報告されているものの、それが笑いのネタになったり、いじめの一環に使われたりする傾向があるのです」

 確かに、被害者が男性の場合、女性に比べ「かわいそう」といった同情の声が集まりにくい面はあるかもしれないが、“笑いのネタ”“いじめ”とは一体どういうことなのだろうか。

「男性同士って、仲間内の悪ふざけのノリで、下着を脱いで川遊びをしたり、お尻を出したりして、それらを写真に撮ることって結構あるんです。また、男子同士のいじめでは、“下着を脱がせる”というものがあり、最近ではその様子を撮影してSNSに掲載するなど、エスカレートしています。さらに、女子中高生の間では、彼氏が下着を脱いだ状態の姿や裸で煙草を吸っている姿を写真に撮り、友達にLINEで送ることも。『この男とヤッちゃった』という軽い自慢のような、気軽な日常報告のようなノリで、抵抗なくそういうことをしてしまうのです」

 男性も自分の恋人のそうした姿を撮って、友達内で共有することはあると渡辺氏は述べるが、「女性の方が、罪の意識がない」という。

 このように男性の体は「軽んじられてきた」という渡辺氏。それこそが、リベンジポルノ被害の軽視につながると考察を広げる。

「男性の“性”は、これまでもずっと尊重されてこなかった。例えば、性教育で、女性の体について『とても大事なものだから、むやみに人に見せたり、勝手に触らせたりしてはいけません』と教わることはあっても、男性の体についてはそういった教育は殆どされません。また、女子が初潮を迎えたときには、お赤飯を炊いてお祝いするのに、男子が精通しても祝わない。本来ならば“一人前の大人になった”と祝われてもおかしくないはずです。それに、男性の自慰行為も『やりすぎると頭が悪くなる』なんていわれたりしますから。男性の体は、“価値が低いもの”とみなされてきたとも言えるでしょう」

 また、男性のリベンジポルノ被害が表面化しない理由には、“男らしさ”というものへの世間の思い込みも影響しているという。

「『男は強いから抵抗できたはず』『男なのにそんなことを相談するなんて弱い奴』など、日本には“男のくせに”という偏見があります。そのため、リベンジポルノ被害に遭っても、『相談するなんて恥ずかしい』と思ってしまうのです」

 しかし、それ以上に深刻なのが、そもそもリベンジポルノ被害に遭った男性自身が、「自分は被害者である」と自覚できていない点だと、渡辺氏は続ける。

「やはり、『性被害は女性が遭うもの』という考えが根強くあり、男性が性的に嫌な思いをしても、『被害に遭った』と思えない。男性も性被害に遭うことがある、性被害を相談することは恥ずかしいことではないと、学校や家庭で伝えていくことが必要です」

 男性の性被害に関しては、昨年、「加害者は男性、被害者は女性」を前提としていた強姦罪が廃止され、男性被害者も対象にした強制性交等罪が施行された。

「正直言って、非常に遅い動きだと思いますが、これにより初めて男性の性被害者の存在がはっきり示されたわけです。リベンジポルノ被害に遭った男性も相談しやすいようになればいいですね」

 そして、男女問わず、リベンジポルノ被害に遭う人がいなくなることを祈るばかりだが、こうした時代の流れを受け、週刊誌に掲載される男性タレントの「ベッド写真」等の扱いは、どのように変わっていくのだろうか。注視していきたい。

アマゾン、美顔器・スチーマーは45%がアウト! サクラレビュー判定人が「信じられないくらいヤバい」実態に迫る

 欲しいものがボタン一つで購入できるECサイト「アマゾン」。ほとんどの商品が実店舗より安く買えることもあり、まずはアマゾンでチェックという人もいるだろう。商品選択の際に参考となるのは、「アマゾンレビュー(正式名称はカスタマーレビュー)」と呼ばれる、★5つとコメントで投稿される商品評価だが、数回使っただけで壊れるようなアイテムに★が5つつくなど、近年は自作自演の“サクラ”が跋扈している。

 そこで、「アマゾンのやらせレビューに騙されずに安心してお買い物する」ためのウェブサイト・アプリ「レビュー探偵」を開発・運営しているスタジオゴロリン氏にインタビューを敢行。ゴロリン氏は、アマゾンレビューを徹底的に読み込んで特徴を把握したという、人呼んで「サクラ判定人のプロ」だ。今回は、女性がアマゾンで安心して買い物をするためのコツを聞いた。

サクラだから商品がダメとは言い切れない

――「アマゾンレビュー」のウォッチを始めてから現在までに、「サクラレビュー」に変化はありますか?

スタジオゴロリン氏(以下、ゴロリン) サクラレビューの数でいうと、ここ2〜3年で急激に増えましたが、最近は落ち着いてます。当初は日本語が変だったりして、サクラもわかりやすかったんですが、近頃は本当のレビューと見分けがつかなくなってきてるのが特徴です。テレビやネットでアマゾンレビューの問題点が報道されるようになったので、アマゾン側もチェックや対応が厳しくなっていますし、消費者側にも知識がついて、騙しにくくなっています。

 僕自身は商品を慎重に選ぶタイプで、一つ買うのに10コ程度の商品を選び、レビューを見比べて決めていたんですが、ある時から、その作業に2時間もかかるようになったんです。レビューの数が多すぎて、読むのに時間がかかりすぎる。「もうやってられない!」と嫌気がさして、レビューの判定ロジックを組み立てたんです。それが「レビュー探偵」を始めたきっかけでもあります。

――サクラが多いアイテムは、やっぱり商品が壊れやすかったり、使い物にならないんですか?

ゴロリン サクラが多いからといって商品がダメとは言い切れないんですよね。レビューはサクラだらけなのに、使ってみたらちゃんとしてる商品だったことも、実際にあります。そういうのは非常に残念ですね。「レビュー探偵」では、レビューの信用度を判定し、安心して購入できるかどうかをS・A・B・C・D・E・Fランクまでクラス分けしていますが、Fだからといって必ずしも悪質商品とは言えないんです。

――アマゾンのカテゴリ別で見て、サクラが多いジャンルはありますか?

ゴロリン アマゾンで最大級に危ないカテゴリはイヤホンとされています。今だとブルートゥースイヤホンですね。ほかには、モバイルバッテリー、マウス、ドライブレコーダー。あと、折りたたみ傘はサクラレビューの定番品です。

 だいたい、価格が3,000円までのジャンルが危なくて、5,000円を超えるとだいぶサクラは減ります。サクラを発注する業者は、レビュアーに商品を渡しますよね。高額だとプレゼントしにくい事情もあるんではないでしょうか。とはいえ、サイクロン系の掃除機やスマートウォッチといった割りと高額なものもサクラが多いので断言はできませんが。今回、取材に際して調べて驚いたのは美容系のカテゴリです。このジャンルはひどい。

――美顔器やアイマッサージャーあたりですか?

ゴロリン 美顔器はヤバいですよ。バカにしてんのか? ってくらいのサクラの数。今回、美容系に存在する“危険な商品”の割合を出してみました。「レビュー探偵」ではD~F判定にあたる商品で、「購入を推奨しない」ランクです。美顔器やスチーマー、脱毛器などはアマゾンで「理美容家電」カテゴリで扱われていますが、このカテゴリはD~F判定の商品が45%と、信じられないくらいヤバいことが判明しました。アマゾン全体の商品を対象とするとD~F判定は8.3%です。理美容家電の45%は、最大級にヤバいとされるイヤホンに近いようです。僕も驚きました。

――45%ということは、2〜3つに一つはアウトということですよね。化粧品などのビューティーカテゴリ(ビューティストア)はどんな状況ですか?

ゴロリン ビューティーカテゴリは全体で見ると、D~F判定の商品が7.9%で平均並みなのですが、詳細なカテゴリで見るとネイルは20%超え、メイク道具に至っては30%超えと、危険度がかなり高い要注意カテゴリだという結果になりました。

――体に直接触れるものだけに恐ろしいですね……。では、危険な商品を見抜く方法を教えてください。まずは、どこをチェックすべきですか?

ゴロリン まずは商品1枚目の写真を見てください。アマゾンの規約で1枚目に加工画像を使ってはいけないと定められているので、それを無視している時点でまともな業者ではないと判断できます。例えば、この画像は女性が手にしている美顔器の先に水滴の画像を加工していますが、これはNG。イラストでイメージ画像も使っているのもダメ。2枚目のアイマッサージャーで、温かくなるようなイメージのあしらいを施してるのもNGです。ただ、加工画像も2枚目以降の掲載は問題ありません。

――イメージ画像はダメなんですか? ビューティーカテゴリなんて、こんな感じの写真だらけです。

ゴロリン 規約を破っても即出品NGとはならないので、「みんなで破れば怖くない」とばかりに信号無視の状態になっているんです。例えば、パナソニックなどは大手の商品写真を見てください。1枚めに加工画像は使っていませんよね。

 写真のほかには、商品名がメーカー・ブランド名から始まっていないものもNGです。これもアマゾンの規約で、メーカー名から始めるよう定められているので、ちゃんとしているのは「パナソニック イオンエフェクター 温感タイプ」といった書き方になっています。【2020年最新版】【令和改良版】というタイトルなのは、まともな業者じゃない。

――写真とタイトルなら誰でもチェックできますね。それらをクリアしてもレビューにサクラがいる場合もあります。サクラを見抜くポイントはありますか?

ゴロリン わかりやすいものだと、2つポイントがあります。

1)星の分布がおかしい
★5つと★1つに評価が割れている。通常は★の数は満遍なくつくもの。★5つのサクラを信じて購入した人が、実際の感想を★1つでつけていると考えられる。

2)レビューの投稿日付が集中
★5のレビューがどれも同じ日付。サクラ業者が指定日に一斉に投稿していると考えられる。

――星と日付ですね。わかりました。

ゴロリン その2つさえ確認すれば、だいぶサクラを排除できると思いますよ。あと、これはマニアックな視点になるのですが、ほかにも3つのポイントがあります。

1)長文で内容が似ている
文章中の単語が似ている。レビュー業者から渡された指示書を元にしているため、言葉が似てくると考えられる。

2)販売期間が短いのに1,000レビューを超えている
販売から数年が経過していれば、1,000レビューを超えるのもおかしくないが、取り扱い開始日が最近にもかかわらず、1,000を超えてるのはサクラが疑われる。

3)レビュアーのプロフィールが偏っている
レビュアーの投稿数が数件しかなく、イヤホンだけ★5の評価をつけているなど。

 これらの見抜くポイントを押さえて、サクラに騙されないようにしてください。最後に、こんなお話を散々してから、もう一度言うのはいやらしいのですが「サクラ=粗悪」ではありません。ちゃんと性能の良い中国のメーカーなのに、レビューでヤラセをしちゃっていることもあります。残念ですよね。あくまでサクラは判断材料にすぎないのですが、うまく見極めれば重要な指標にもなりますよ。

レビュー探偵

新型コロナ感染拡大で「不妊治療の延期考慮」を推奨――「子どもが欲しい」当事者を悩ませる別の問題も

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月1日、日本生殖医学会が、「妊娠中に使える予防薬や治療薬が開発されるまでを目安に、不妊治療の延期考慮を推奨する」との声明を発表。ネット上には、現在不妊治療中の人たちから「1日も早く妊娠したいと思っているのに、延期を考えろだなんて……」「不妊治療のつらさに追い打ちをかけられた」といった悲痛な声が上がっている。未曾有の事態だけに「致し方なし」という感じる半面、やりきれない思いを吐露せざるを得ない人は少なくないようだ。

 不妊治療の当事者は、身体的にも精神的にも多くの負担を抱えるものだ。治療自体の身体的なつらさ、一方で、仕事との両立や金銭的な問題、さらに「本当に妊娠できるのか?」という不安が、当事者の心を追い詰めていく。さらには、治療中の人だけでなく、治療を始めるべきかと考えている人も、さまざまな葛藤を抱くという。

 サイゾーウーマンでは過去に、不妊治療をするべきか否か思案する人たちの「悩み」に関する記事を配信。近年、話題になることが増えている「セックスレス」という問題を踏まえ、体外受精・不妊治療の専門病院である「六本木レディースクリニック」院長・小山寿美江氏に、「『セックスレスだけど子どもが欲しい』という考えは、間違っているのか?」と聞いた。「不妊治療の延期考慮」という声明が出された今、あらためて不妊治療をめぐる当事者の葛藤に着目すべく、いま一度記事を公開する。

(編集部)


(初出:2018年12月8日)

「セックスレスだけど子どもが欲しい」は間違いなのか? 不妊治療専門病院の医師に聞く

 2017年、一般社団法人日本家族計画協会が発表した「男女の生活と意識に関する調査」において、約半数もの夫婦が「セックスレス」という結果が出たことは、世間を大いに驚かせた。夫婦間のセックスには、愛情の確認やコミュニケーション以外に、子作りを目的とするケースがある。ゆえに、少子化問題や人口減少問題と結び付け、“セックスしない日本の夫婦”を否定的に見る向きもあるが、その当事者もまた、子どもを授かりたいという思いを抱きながら、「セックスレスを克服できない」と悩んでいるケースも存在するのだ。

 事実、ネットの掲示板などには、「セックスレスだけど妊娠希望」で、「人工授精を考えている」という書き込みが少なくない数確認できる。しかしその半面、「セックスできない相手と子どもをもうけるのは不自然ではないか」「2人でセックスレスを解消するのが先」といった意見を目にすることもある。

 セックスレス夫婦の増加傾向に終わりが見えない現在、この「セックスレスだけど子どもが欲しい」という夫婦の悩みや葛藤は、さらに顕著になっていくのではないか。今回、体外受精・不妊治療の専門病院である「六本木レディースクリニック」院長・小山寿美江氏に取材を行い、「『セックスレスだけど子どもが欲しい』という考えは、間違っているのか?」と率直な疑問を投げかけてみた。

――「男女の生活と意識に関する調査」では、47.2%の夫婦がセックスレスと回答したそうです。

小山寿美江氏(以下、小山) 当院に来院される不妊治療希望のカップルには、20代、30代の方も多いのですが、月の性交回数は1~2回という場合が多く、「少ない」と感じます。不妊の原因はセックスをあまりしていないからで、もっと回数を増やせば妊娠するのではないかと思うことがよくあります。

――よく「健康な夫婦が、避妊せずに普通の夫婦生活を営んでも、1年間妊娠しない状態」を不妊症と定義すると聞きますが、月1~2回は“普通じゃない”ということでしょうか?

小山 そのあたりは曖昧にされており、実際に「月何回」という基準はないんです。ただ私は、週1~2回が「普通」なのかなと思っています。なので、妊娠希望のカップルが月1~2回というのは、やはりかなり少ない印象ですね。当院は不妊治療専門病院なので、一般的な産科を受診されているカップルの月の性交回数は知ってみたいとは思います。もし、性交回数が多いのであれば、やはりセックス回数の少なさが不妊症につながっているということなので。

――セックスの回数が少ない、もしくはセックスレスになっている夫婦が多い理由は何だと思いますか?

小山 共働きのカップルが増え、ご主人と奥さんそれぞれの都合で、「セックスのタイミングが合わない」のが一番の理由ではないでしょうか。例えば、ご主人が平日も夜遅くまで仕事をしなければいけなかったり、せっかくの土日も接待でゴルフに行かなくてはならず、なかなかタイミングを合わせられない……といった話はよく耳にしますね。また、単純に共働きで疲れてしまってセックスができないという理由もあると思います。なぜタイミングを合わせてくれないのかと、カップル間で喧嘩になり、よりセックスレスになることもあるのではないでしょうか。それから、昔と違って、いろいろな楽しみがありますし、趣味の選択肢も広がる中で、セックスから関心が遠のいてしまったことも考えられます。

――セックスレス夫婦が増加の一途を辿る中、「セックスレスだけど妊娠希望」という方もいるかと思うのですが、いかがでしょう。

小山 結構いますよ。セックスレスにもいろいろな原因があって、タイミングが合わないというもののほかに、まず、結婚して十年近く年月がたっていてセックスから遠ざかっているケース、また「女性側が痛みを感じてしまう」「男性側が膣内射精障害」といった性交障害があるケースがあります。そういった方々が、「セックスレスだけど妊娠希望」と、来院されています。

――性交障害の方は、まず「治して」から自然に妊娠されることを希望するのではなく、治さないまま、人工授精を希望されるのですか。

小山 いえ、皆さん最初は自然に妊娠することを望んでいます。しかし、“自然なセックスができるように”という指導が、我々の施設ではできないんです。恐らく、そういった役割を担うのはセックスカウンセラーの方だと思うのですが、日本ではあまり見かけないので、人工授精を選択するというわけです。ただ、最初は「ご夫婦でできる努力をしていきましょう」ということで、タイミング法と人工授精を一緒に行うことを提案していきますね。

―― 一方、「タイミングが合わないから」「セックスレスの状態が長かったから」セックスレスになったという方は、自然に妊娠することもできるわけですよね……。

小山 はい。でも、「セックスレスだから人工授精したいです」と、来院されます。セックスレスにはいろいろな理由もありますから、我々も、あまりその点を掘り下げることはありません。「セックスできないのに夫婦と言えるのか?」と感じる方もいるかと思いますが、病院に行くことを選択した方は、そのあたりは割り切っていらっしゃいますよ。「セックスレス」と「夫婦関係が破綻している」のは違う、夫婦はセックスありきの関係ではないと、私は思いますね。実際に、来院されるセックスレス夫婦の方を見ていても、お互い治療に協力的ですし、「仲がいいな」と感じています。

――では先生は、「セックスレスだけど子どもが欲しい」という考えについては……。

小山 別に間違っていないと思います。患者さんに「まずはタイミング法を」とも言っていませんし、人工授精をスムーズに行っています。ゴールは妊娠であり、赤ちゃんを産んで育てること。その過程は、選択してもいいんじゃないかと私は考えますね。

 「セックスレスだけど子どもが欲しい」と思うことに後ろめたさを感じるのは、「自然妊娠が一番いい」という思い込みが強いからなのではないでしょうか。患者さんの中には、現状セックスレスだけど、それを解消して自然妊娠をしたいという方もいらっしゃるんですよ。でもやっぱり、毎月タイミング法でセックスしなければいけないことが負担になり、ご夫婦の仲が悪くなってしまうケースもあります。長々と自然妊娠にこだわって年齢を重ね、結果、妊娠できなくなることこそ、避けなければいけないと思いますね。

――自然妊娠信仰というのがあるのですね。

小山 日本人って、何かと“自然”が好き。例えば分娩方法もそうです。最近でこそ、無痛分娩はポピュラーになってきましたが、少し前までは「痛みを味わってこそ母の資格を得られる」などと言われていました。海外では無痛分娩、帝王切開が主流なのですが……。無痛分娩は、自然分娩より体への負担がかからないので楽だからおススメですし、私自身「痛みを感じなければいけない理由があるのかな」とも思います。もちろん、積極的に自然分娩を選択する方はそれでいいと思いますが、ほかにも選択肢があることは知ってもいいのかなと。また、体外受精においても、排卵誘発剤を使用しないで採卵する「自然周期」がはやっているのも、“自然”が好きな日本らしい側面です。海外ではそんなことはないんですよ。

――「セックスレスだけど子どもが欲しい」ことに葛藤を覚えてしまうのは、古い価値観にとらわれている証拠なのだと実感しました。

小山 不妊や性感染症など、日本は性に関する情報が遅れていますよね。共働き夫婦が増え、専業主婦の女性が減少し、以前に比べて生活スタイルはいっぺんしています。妊娠の仕方も、そういった変化に沿うべき。多様な選択肢があることを知ってほしいですね。

小山寿美江(こやま・すみえ)
六本木レディースクリニック院長。琉球大学医学部医学科卒業後、東京医科大学病院救急救命センター、昭和大学病院産婦人科、木場公園クリニック分院にて院長として勤務。その後、2016年より六本木レディースクリニックにて勤務、17年1月より院長を務める。

新型コロナ感染拡大で「不妊治療の延期考慮」を推奨――「子どもが欲しい」当事者を悩ませる別の問題も

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月1日、日本生殖医学会が、「妊娠中に使える予防薬や治療薬が開発されるまでを目安に、不妊治療の延期考慮を推奨する」との声明を発表。ネット上には、現在不妊治療中の人たちから「1日も早く妊娠したいと思っているのに、延期を考えろだなんて……」「不妊治療のつらさに追い打ちをかけられた」といった悲痛な声が上がっている。未曾有の事態だけに「致し方なし」という感じる半面、やりきれない思いを吐露せざるを得ない人は少なくないようだ。

 不妊治療の当事者は、身体的にも精神的にも多くの負担を抱えるものだ。治療自体の身体的なつらさ、一方で、仕事との両立や金銭的な問題、さらに「本当に妊娠できるのか?」という不安が、当事者の心を追い詰めていく。さらには、治療中の人だけでなく、治療を始めるべきかと考えている人も、さまざまな葛藤を抱くという。

 サイゾーウーマンでは過去に、不妊治療をするべきか否か思案する人たちの「悩み」に関する記事を配信。近年、話題になることが増えている「セックスレス」という問題を踏まえ、体外受精・不妊治療の専門病院である「六本木レディースクリニック」院長・小山寿美江氏に、「『セックスレスだけど子どもが欲しい』という考えは、間違っているのか?」と聞いた。「不妊治療の延期考慮」という声明が出された今、あらためて不妊治療をめぐる当事者の葛藤に着目すべく、いま一度記事を公開する。

(編集部)


(初出:2018年12月8日)

「セックスレスだけど子どもが欲しい」は間違いなのか? 不妊治療専門病院の医師に聞く

 2017年、一般社団法人日本家族計画協会が発表した「男女の生活と意識に関する調査」において、約半数もの夫婦が「セックスレス」という結果が出たことは、世間を大いに驚かせた。夫婦間のセックスには、愛情の確認やコミュニケーション以外に、子作りを目的とするケースがある。ゆえに、少子化問題や人口減少問題と結び付け、“セックスしない日本の夫婦”を否定的に見る向きもあるが、その当事者もまた、子どもを授かりたいという思いを抱きながら、「セックスレスを克服できない」と悩んでいるケースも存在するのだ。

 事実、ネットの掲示板などには、「セックスレスだけど妊娠希望」で、「人工授精を考えている」という書き込みが少なくない数確認できる。しかしその半面、「セックスできない相手と子どもをもうけるのは不自然ではないか」「2人でセックスレスを解消するのが先」といった意見を目にすることもある。

 セックスレス夫婦の増加傾向に終わりが見えない現在、この「セックスレスだけど子どもが欲しい」という夫婦の悩みや葛藤は、さらに顕著になっていくのではないか。今回、体外受精・不妊治療の専門病院である「六本木レディースクリニック」院長・小山寿美江氏に取材を行い、「『セックスレスだけど子どもが欲しい』という考えは、間違っているのか?」と率直な疑問を投げかけてみた。

――「男女の生活と意識に関する調査」では、47.2%の夫婦がセックスレスと回答したそうです。

小山寿美江氏(以下、小山) 当院に来院される不妊治療希望のカップルには、20代、30代の方も多いのですが、月の性交回数は1~2回という場合が多く、「少ない」と感じます。不妊の原因はセックスをあまりしていないからで、もっと回数を増やせば妊娠するのではないかと思うことがよくあります。

――よく「健康な夫婦が、避妊せずに普通の夫婦生活を営んでも、1年間妊娠しない状態」を不妊症と定義すると聞きますが、月1~2回は“普通じゃない”ということでしょうか?

小山 そのあたりは曖昧にされており、実際に「月何回」という基準はないんです。ただ私は、週1~2回が「普通」なのかなと思っています。なので、妊娠希望のカップルが月1~2回というのは、やはりかなり少ない印象ですね。当院は不妊治療専門病院なので、一般的な産科を受診されているカップルの月の性交回数は知ってみたいとは思います。もし、性交回数が多いのであれば、やはりセックス回数の少なさが不妊症につながっているということなので。

――セックスの回数が少ない、もしくはセックスレスになっている夫婦が多い理由は何だと思いますか?

小山 共働きのカップルが増え、ご主人と奥さんそれぞれの都合で、「セックスのタイミングが合わない」のが一番の理由ではないでしょうか。例えば、ご主人が平日も夜遅くまで仕事をしなければいけなかったり、せっかくの土日も接待でゴルフに行かなくてはならず、なかなかタイミングを合わせられない……といった話はよく耳にしますね。また、単純に共働きで疲れてしまってセックスができないという理由もあると思います。なぜタイミングを合わせてくれないのかと、カップル間で喧嘩になり、よりセックスレスになることもあるのではないでしょうか。それから、昔と違って、いろいろな楽しみがありますし、趣味の選択肢も広がる中で、セックスから関心が遠のいてしまったことも考えられます。

――セックスレス夫婦が増加の一途を辿る中、「セックスレスだけど妊娠希望」という方もいるかと思うのですが、いかがでしょう。

小山 結構いますよ。セックスレスにもいろいろな原因があって、タイミングが合わないというもののほかに、まず、結婚して十年近く年月がたっていてセックスから遠ざかっているケース、また「女性側が痛みを感じてしまう」「男性側が膣内射精障害」といった性交障害があるケースがあります。そういった方々が、「セックスレスだけど妊娠希望」と、来院されています。

――性交障害の方は、まず「治して」から自然に妊娠されることを希望するのではなく、治さないまま、人工授精を希望されるのですか。

小山 いえ、皆さん最初は自然に妊娠することを望んでいます。しかし、“自然なセックスができるように”という指導が、我々の施設ではできないんです。恐らく、そういった役割を担うのはセックスカウンセラーの方だと思うのですが、日本ではあまり見かけないので、人工授精を選択するというわけです。ただ、最初は「ご夫婦でできる努力をしていきましょう」ということで、タイミング法と人工授精を一緒に行うことを提案していきますね。

―― 一方、「タイミングが合わないから」「セックスレスの状態が長かったから」セックスレスになったという方は、自然に妊娠することもできるわけですよね……。

小山 はい。でも、「セックスレスだから人工授精したいです」と、来院されます。セックスレスにはいろいろな理由もありますから、我々も、あまりその点を掘り下げることはありません。「セックスできないのに夫婦と言えるのか?」と感じる方もいるかと思いますが、病院に行くことを選択した方は、そのあたりは割り切っていらっしゃいますよ。「セックスレス」と「夫婦関係が破綻している」のは違う、夫婦はセックスありきの関係ではないと、私は思いますね。実際に、来院されるセックスレス夫婦の方を見ていても、お互い治療に協力的ですし、「仲がいいな」と感じています。

――では先生は、「セックスレスだけど子どもが欲しい」という考えについては……。

小山 別に間違っていないと思います。患者さんに「まずはタイミング法を」とも言っていませんし、人工授精をスムーズに行っています。ゴールは妊娠であり、赤ちゃんを産んで育てること。その過程は、選択してもいいんじゃないかと私は考えますね。

 「セックスレスだけど子どもが欲しい」と思うことに後ろめたさを感じるのは、「自然妊娠が一番いい」という思い込みが強いからなのではないでしょうか。患者さんの中には、現状セックスレスだけど、それを解消して自然妊娠をしたいという方もいらっしゃるんですよ。でもやっぱり、毎月タイミング法でセックスしなければいけないことが負担になり、ご夫婦の仲が悪くなってしまうケースもあります。長々と自然妊娠にこだわって年齢を重ね、結果、妊娠できなくなることこそ、避けなければいけないと思いますね。

――自然妊娠信仰というのがあるのですね。

小山 日本人って、何かと“自然”が好き。例えば分娩方法もそうです。最近でこそ、無痛分娩はポピュラーになってきましたが、少し前までは「痛みを味わってこそ母の資格を得られる」などと言われていました。海外では無痛分娩、帝王切開が主流なのですが……。無痛分娩は、自然分娩より体への負担がかからないので楽だからおススメですし、私自身「痛みを感じなければいけない理由があるのかな」とも思います。もちろん、積極的に自然分娩を選択する方はそれでいいと思いますが、ほかにも選択肢があることは知ってもいいのかなと。また、体外受精においても、排卵誘発剤を使用しないで採卵する「自然周期」がはやっているのも、“自然”が好きな日本らしい側面です。海外ではそんなことはないんですよ。

――「セックスレスだけど子どもが欲しい」ことに葛藤を覚えてしまうのは、古い価値観にとらわれている証拠なのだと実感しました。

小山 不妊や性感染症など、日本は性に関する情報が遅れていますよね。共働き夫婦が増え、専業主婦の女性が減少し、以前に比べて生活スタイルはいっぺんしています。妊娠の仕方も、そういった変化に沿うべき。多様な選択肢があることを知ってほしいですね。

小山寿美江(こやま・すみえ)
六本木レディースクリニック院長。琉球大学医学部医学科卒業後、東京医科大学病院救急救命センター、昭和大学病院産婦人科、木場公園クリニック分院にて院長として勤務。その後、2016年より六本木レディースクリニックにて勤務、17年1月より院長を務める。

「納豆が免疫力を上げる」に根拠ナシ! 管理栄養士がネット上の“ウワサ”に警鐘を鳴らす

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、テレビや雑誌、SNS等では「免疫力を高める食品」が多数紹介されている。全国のスーパーでは現在、納豆やヨーグルトが品薄になっているというが、これは「発酵食品は免疫力を高めるため、病気の予防になる」といったイメージが古くからあり、メディアでも取り上げられたことが関係しているよう。ネット上には「新型コロナに感染しないように、毎日納豆食べてます!」「『納豆食べると免疫力が上がる』ってテレビで言ってた。だからスーパーに売ってなかったのか……」といった声が散見される。

 納豆のほかにも、「食べると免疫力が上がり、新型コロナウイルスを含む病気の予防に効果的」だとウワサされる食品はいくつもある。しかし、本当にその食品を“食べるだけ”で期待する効果が表れるのだろうか? ネット上でウワサされる3品についての解説も含め、管理栄養士の成田崇信氏に話を聞いた。

そもそも「免疫力」自体が曖昧なもの

――「免疫を上げる食品」がメディアで多数紹介されていますが、その食品を食べるだけで「免疫力が上がる」ということはあるのでしょうか?

成田崇信氏(以下、成田) まず大前提として、「免疫力」という言葉自体が曖昧なものです。血液検査をしたときに「免疫力の数値」が測れるようなイメージがあるかもしれませんが、そんな単純なものではありません。実は専門用語にも「免疫力」という言葉はなく、「免疫」という単語が使われています。

 免疫については、病原体に感染した細胞を排除するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性を測り、免疫力を判定するという話がよく聞かれますが、NK細胞の活性率は高ければいいわけではありません。病原体が侵入し、排除する必要のあるときだけ活性が高まれば十分だからです。NK細胞は炎症性物質などを生み出し、病原体や腫瘍細胞を排除しますが、普段から体内でこのようなことが起こっていると、病気でもないのに体が疲弊してしまうでしょう。

 NK細胞のほかにも免疫に関係する体の仕組みはいくつもあり、それらが協力し合って体の免疫は保たれています。よって、「免疫に関係する指標を上げる食品」はありますが、それが「体の免疫機能を向上させる食品」かどうかはまた別の問題、ということになります。

――「体の免疫機能を向上させる食品」というのは、具体的にどのようなものでしょうか?

成田 ビタミンAやビタミンCが不足すると、健康な皮膚をつくれなくなるため、感染症にかかりやすくなると考えられます。皮膚はウイルスなどの病原微生物の侵入を防ぐ壁としての役割を担っているため、広い意味で免疫に関わる細胞といえます。また、タンパク質や亜鉛は免疫細胞の機能を維持するために必要な栄養素ですので、不足すると免疫機能が低下することがわかっています。とはいえ、これらの栄養素が摂取できる特別な食べ物で免疫機能アップを期待するよりも、バランスのとれた食事で栄養素が不足しないように配慮することのほうが、はるかに大事です。

――ネット上で「免疫力が上がる」といわれている3つの食品について、ご意見をお聞かせください。

1)納豆……「新型コロナウイルスに感染しないのは納豆を食べているから」といった情報が出回り、品薄になるスーパーが続出。納豆やみそ、チーズなどの発酵食品は、もともと「免疫力を上げる食材」といわれている。

成田 まず「納豆が新型コロナウイルスに対して有効である」という説について、信頼性の高い報告はありません。一方で、納豆に限らず、発酵食品と免疫の関係性は研究分野でも注目され、さまざまな研究が行われています。発酵食品の中では、ヨーグルトや乳酸菌飲料などのプロバイオティクス食品の研究が一番盛んに行われているため、「風邪の予防に効果がある」と既成事実のように宣伝されていますが、実は質の高い研究は少なく、トクホや機能性表示食品の基準をクリアしている程度です。薬のように効果を期待できるレベルには達していない、というのが現時点の評価といえます。

2)はちみつ……「はちみつとバターをパンに塗って食べると免疫力アップ」なる情報がテレビで紹介され、一部スーパーで品薄状態に。新型コロナウイルスが流行する前から、「風邪の予防にも効果がある」との宣伝で商品が売られていることもある。

成田 風邪の予防や免疫機能の向上効果は認められていませんが、はちみつには風邪のせき症状を抑える効果が、質の高い研究(システマティックレビュー)で実証されています。なお、乳児ボツリヌス症のリスクがあるので、1歳未満の子どもには与えないようにしてください。

3) バナナ……栄養豊富で低カロリーとして知られる。新型コロナウイルスの流行後は、「温めてから食べると免疫力アップになる」とテレビで紹介されたこともある。

成田 内臓への負担を考えると、冷たいバナナシェイクよりは、温めたバナナを食べたほうがよいと思います。ただ、免疫機能を向上させるかといわれれば眉唾でしょう。バナナに限らず、「体を冷やす食べ物」「温める食べ物」という分類もあまり根拠がない話ですので、意識しすぎて偏食にならないよう気をつけてほしいです。

――「免疫力アップ」に限らず、「〇〇を食べると健康になる」といった情報について、管理栄養士の視点から見てどう思われますか?

成田 「しっかりとした骨をつくるために、ビタミンDやカルシウムが豊富に摂れる食事をしましょう」といったアドバイスであればよいと思います。しかし、薬のような治療効果を食品に期待させるような宣伝は、問題だと思っています。テレビの健康番組で特定の食品が「体に良い」と紹介されると、店頭の商品が売り切れてしまう現象もありますが、その健康効果に期待して同じ食品ばかり口にしていると、栄養バランスが崩れ、別の病気にかかるリスクが高くなってしまうかもしれません。

――食べ物で「病気の予防」をする際、最も大切なことはなんでしょうか?

成田 バランスの良い食生活を心がける、三食きちんと食べるというアドバイスが基本になりますが、「バランスの良い食事を毎日三食食べる」というのは、多くの人にとって結構ハードルが高いことだと思います。ビタミンCなどの水溶性ビタミンは、すぐに体外へ流れてしまうイメージがありますが、ある程度は体の中に蓄えることができます。なので、「毎食しっかりと食べなければならない」ということではないのです。1週間のトータルで見た場合、それなりに栄養バランスがとれていれば問題ないと思います。

 なお、日本人の食生活では、乳製品、豆類、ナッツ類が不足する人が多いです。1週間を振り返ってみて不足が気になるようなら、次の1週間でこれらを食事に取り入れるとよいでしょう。また、食生活は就寝時間などの生活習慣とも大きく関係しますので、食事を整えるのが難しい場合には、ほかの習慣を見直す必要があるかもしれません。

■成田崇信(なりた・たかのぶ)
管理栄養士、健康科学修士。病院、短期大学などを経て、現在は社会福祉法人に勤務。ペンネーム・道良寧子(みちよしねこ)名義で、主にインターネット上で「食と健康」に関する啓もう活動を行っている。猫派。著書:新装版管理栄養士パパの親子の食育BOOK (内外出版社)、共著:謎解き超科学(彩図社)、監修:すごいぞやさいーズ(オレンジページ)

「納豆が免疫力を上げる」に根拠ナシ! 管理栄養士がネット上の“ウワサ”に警鐘を鳴らす

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、テレビや雑誌、SNS等では「免疫力を高める食品」が多数紹介されている。全国のスーパーでは現在、納豆やヨーグルトが品薄になっているというが、これは「発酵食品は免疫力を高めるため、病気の予防になる」といったイメージが古くからあり、メディアでも取り上げられたことが関係しているよう。ネット上には「新型コロナに感染しないように、毎日納豆食べてます!」「『納豆食べると免疫力が上がる』ってテレビで言ってた。だからスーパーに売ってなかったのか……」といった声が散見される。

 納豆のほかにも、「食べると免疫力が上がり、新型コロナウイルスを含む病気の予防に効果的」だとウワサされる食品はいくつもある。しかし、本当にその食品を“食べるだけ”で期待する効果が表れるのだろうか? ネット上でウワサされる3品についての解説も含め、管理栄養士の成田崇信氏に話を聞いた。

そもそも「免疫力」自体が曖昧なもの

――「免疫を上げる食品」がメディアで多数紹介されていますが、その食品を食べるだけで「免疫力が上がる」ということはあるのでしょうか?

成田崇信氏(以下、成田) まず大前提として、「免疫力」という言葉自体が曖昧なものです。血液検査をしたときに「免疫力の数値」が測れるようなイメージがあるかもしれませんが、そんな単純なものではありません。実は専門用語にも「免疫力」という言葉はなく、「免疫」という単語が使われています。

 免疫については、病原体に感染した細胞を排除するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性を測り、免疫力を判定するという話がよく聞かれますが、NK細胞の活性率は高ければいいわけではありません。病原体が侵入し、排除する必要のあるときだけ活性が高まれば十分だからです。NK細胞は炎症性物質などを生み出し、病原体や腫瘍細胞を排除しますが、普段から体内でこのようなことが起こっていると、病気でもないのに体が疲弊してしまうでしょう。

 NK細胞のほかにも免疫に関係する体の仕組みはいくつもあり、それらが協力し合って体の免疫は保たれています。よって、「免疫に関係する指標を上げる食品」はありますが、それが「体の免疫機能を向上させる食品」かどうかはまた別の問題、ということになります。

――「体の免疫機能を向上させる食品」というのは、具体的にどのようなものでしょうか?

成田 ビタミンAやビタミンCが不足すると、健康な皮膚をつくれなくなるため、感染症にかかりやすくなると考えられます。皮膚はウイルスなどの病原微生物の侵入を防ぐ壁としての役割を担っているため、広い意味で免疫に関わる細胞といえます。また、タンパク質や亜鉛は免疫細胞の機能を維持するために必要な栄養素ですので、不足すると免疫機能が低下することがわかっています。とはいえ、これらの栄養素が摂取できる特別な食べ物で免疫機能アップを期待するよりも、バランスのとれた食事で栄養素が不足しないように配慮することのほうが、はるかに大事です。

――ネット上で「免疫力が上がる」といわれている3つの食品について、ご意見をお聞かせください。

1)納豆……「新型コロナウイルスに感染しないのは納豆を食べているから」といった情報が出回り、品薄になるスーパーが続出。納豆やみそ、チーズなどの発酵食品は、もともと「免疫力を上げる食材」といわれている。

成田 まず「納豆が新型コロナウイルスに対して有効である」という説について、信頼性の高い報告はありません。一方で、納豆に限らず、発酵食品と免疫の関係性は研究分野でも注目され、さまざまな研究が行われています。発酵食品の中では、ヨーグルトや乳酸菌飲料などのプロバイオティクス食品の研究が一番盛んに行われているため、「風邪の予防に効果がある」と既成事実のように宣伝されていますが、実は質の高い研究は少なく、トクホや機能性表示食品の基準をクリアしている程度です。薬のように効果を期待できるレベルには達していない、というのが現時点の評価といえます。

2)はちみつ……「はちみつとバターをパンに塗って食べると免疫力アップ」なる情報がテレビで紹介され、一部スーパーで品薄状態に。新型コロナウイルスが流行する前から、「風邪の予防にも効果がある」との宣伝で商品が売られていることもある。

成田 風邪の予防や免疫機能の向上効果は認められていませんが、はちみつには風邪のせき症状を抑える効果が、質の高い研究(システマティックレビュー)で実証されています。なお、乳児ボツリヌス症のリスクがあるので、1歳未満の子どもには与えないようにしてください。

3) バナナ……栄養豊富で低カロリーとして知られる。新型コロナウイルスの流行後は、「温めてから食べると免疫力アップになる」とテレビで紹介されたこともある。

成田 内臓への負担を考えると、冷たいバナナシェイクよりは、温めたバナナを食べたほうがよいと思います。ただ、免疫機能を向上させるかといわれれば眉唾でしょう。バナナに限らず、「体を冷やす食べ物」「温める食べ物」という分類もあまり根拠がない話ですので、意識しすぎて偏食にならないよう気をつけてほしいです。

――「免疫力アップ」に限らず、「〇〇を食べると健康になる」といった情報について、管理栄養士の視点から見てどう思われますか?

成田 「しっかりとした骨をつくるために、ビタミンDやカルシウムが豊富に摂れる食事をしましょう」といったアドバイスであればよいと思います。しかし、薬のような治療効果を食品に期待させるような宣伝は、問題だと思っています。テレビの健康番組で特定の食品が「体に良い」と紹介されると、店頭の商品が売り切れてしまう現象もありますが、その健康効果に期待して同じ食品ばかり口にしていると、栄養バランスが崩れ、別の病気にかかるリスクが高くなってしまうかもしれません。

――食べ物で「病気の予防」をする際、最も大切なことはなんでしょうか?

成田 バランスの良い食生活を心がける、三食きちんと食べるというアドバイスが基本になりますが、「バランスの良い食事を毎日三食食べる」というのは、多くの人にとって結構ハードルが高いことだと思います。ビタミンCなどの水溶性ビタミンは、すぐに体外へ流れてしまうイメージがありますが、ある程度は体の中に蓄えることができます。なので、「毎食しっかりと食べなければならない」ということではないのです。1週間のトータルで見た場合、それなりに栄養バランスがとれていれば問題ないと思います。

 なお、日本人の食生活では、乳製品、豆類、ナッツ類が不足する人が多いです。1週間を振り返ってみて不足が気になるようなら、次の1週間でこれらを食事に取り入れるとよいでしょう。また、食生活は就寝時間などの生活習慣とも大きく関係しますので、食事を整えるのが難しい場合には、ほかの習慣を見直す必要があるかもしれません。

■成田崇信(なりた・たかのぶ)
管理栄養士、健康科学修士。病院、短期大学などを経て、現在は社会福祉法人に勤務。ペンネーム・道良寧子(みちよしねこ)名義で、主にインターネット上で「食と健康」に関する啓もう活動を行っている。猫派。著書:新装版管理栄養士パパの親子の食育BOOK (内外出版社)、共著:謎解き超科学(彩図社)、監修:すごいぞやさいーズ(オレンジページ)

はあちゅう氏の「血クレ」反論は“論外”――ネット中傷対策の弁護士が「炎上有名人」のSNS投稿を斬る

 有名人のSNS炎上が後を絶たない中、最近では一般人からの批判に「反論」を行い、注目を集める人物も少なくない。中でも、最近特に話題を呼んだのが、エイベックス代表取締役会長CEO・松浦勝人氏、はあちゅう氏、MLBシカゴ・カブスのダルビッシュ有投手だ。この3人の炎上パターンは、SNSでの言動がネットユーザーから批判され、それに対して本人が反論し、それがまた再反論を呼んで炎上が拡大していくといったもの。有名人本人が、SNSで批判に真っ向から反論することは、炎上リスクを爆発的に高めているように思えるが、ネット中傷、ネット炎上対応に詳しい法律事務所アルシエンの弁護士・清水陽平氏はこうした行為をどのように感じるか、話をお聞きした。

本来なら炎上を回避できた、松浦勝人氏の「Snow Man・ラウール」制服写真騒動

――有名人が、一般ユーザーの批判に対して反論を行うのは、炎上リスクを高めているように思うのですが、こうした振る舞いをどのように思いますか。

清水陽平氏(以下、清水氏) おっしゃる通り、人は反論されると、再反論したくなるものなので、炎上リスクをさらに高めていると思います。昔からネットでは「スルースキルが重要」と言われますが、まさにそれを「試されている」と言っていいでしょう。ただ必ずしも黙っていればいいというわけではありません。

――例えば有名人が、炎上リスクを回避しながら、批判に対して自分の意見を主張したいときには、どうすればいいでしょうか。

清水 ネットユーザーは感情的になっていることが多いので、それに対して、また感情的に反論すると炎上する。ですから、冷静に客観的な証拠を出し、論理立てて説明すれば炎上リスクは回避できると思います。例えば、松浦氏の炎上ケース(※1)がそう言えるでしょう。

(※1)松浦氏が2月19日、1月にエイベックスからデビューしたジャニーズグループ「Snow Man」とのオフショットをTwitterで公開。未成年のメンバー・ラウールが制服を着用した姿で写っていたため、「学校特定」を危惧したファンが、松浦氏に写真削除を求めると、いったんは削除となったものの、数時間後に「#制服許可済み」のタグをつけて再アップ。それでも批判が止まらないと見るや、「間違いを認め、そして、学校にも許可を取り、していることに対してあなたは何者のつもりでこれをいうの? 分からん。あなたどれだけの人なの?」「なんか、一生懸命曲を作ろうと思ってんのに腰を折られるよね。なんだな自分が守ってあげてんだ的なひとたち。わずかだけど俺たちのやる気が失せて、いいことがあるのかね」など、ファンを挑発するようなツイートを連発した。

 芸能人の場合は「オフショットを公開してほしい」という人もいるので、本人や事務所、学校への許可さえあれば、出すこと自体はいけないわけではありません。松浦氏は一度削除したものの、数時間後に「#制服許可済み」とハッシュタグを付けて公開している。ファンからは「一回世に出してしまったから、学校側も仕方なく許可を出したのではないか」という声がありましたが、松浦氏が「その点も含めて確認しました」「ここはあえて出そうということになった」など、なにかしら経緯の説明を行えば、ファンも納得できたはず。しかし、松浦氏は「あなたどれだけの人なの?」などと感情的に反論しています。結局、「感情 対 感情」になってしまい、炎上が拡大してしまいました。

――はあちゅう氏の「血液クレンジング」をめぐる炎上(※2)についてはいかがでしょう。

(※2)昨年、「血液クレンジング」に対し、「医学的に根拠がない」という批判が巻き起こった際、はあちゅう氏が、2012〜13年に、ブログで「血液クレンジング」の体験談を何度も紹介していたことが発覚。「医学的裏付けのないものをステマしていたのでは」と炎上に発展した。その後、はあちゅう氏は「BuzzFeedNews」のインタビュー(19年11月10日付「はあちゅう、血液クレンジング拡散を謝罪『ステマではない』『何も信じられない』」)で、ステマではないとしつつも、「裏どりのできていない健康法を安易に広めてしまったことに対して申し訳ない」と謝罪したが、今年2月10日にTwitterで「その後、いろいろな立場のお医者様に話を聞く機会があり、病気を『治療』できる標準医療ではないけれど、『予防』医療の観点では部分的効果が認められ、『ニセ医療』ではないと断言する方にも複数お会いしました」と、批判に対する反論と取れるツイートをして再炎上。加えて同日「BuzzFeedNews」の取材について「『取材を受けるのは炎上を利用した売名行為ではないですか?』と聞かれたのはびっくりした&悲しかった。依頼したのそっちなのに…と」と記者を批判し、当人から「そのような発言は一切していません」と反論された。

清水 はあちゅう氏の行った反論に関しては、申し訳ないのですが「論外」です。はあちゅう氏の反論には、「血液クレンジング」に関する客観的証拠が何も記載されていないので。また「BuzzFeedNews」の記者に対して批判ツイートをした件も、記者が「そのような発言は一切していません」「揶揄することなどあり得ません」と冷静に反論したことによって、結果的に、はあちゅう氏が解釈を間違えていたであろうことが、浮き彫りになってしまいました。

――SNSでは、専門知識を持つ医師からも批判の声が上がっています。そうした医師に対して、はあちゅう氏が「『はあちゅう嫌い』が先にあって、私が医学的根拠に乏しいことをうっかりつぶやくと『はあちゅうサンガー!!』って嬉しそうに騒ぎ出す医者クラスタも嫌い」(2月10日)というツイートをし、またもや非難の嵐になったのですが……。

清水 批判している医師側は、医学的根拠のない治療法を拡散することに対し、善意で警鐘を鳴らしているだけであって、個人的な「好き嫌い」の感情で言ってるわけではない……客観的に、そう見えると思います。ただ、医師たちの中には攻撃的な言い方をする人もいるので、はあちゅう氏が不快に思う気持ちもわからないではありません。しかし、そうした専門家の指摘よりも「自分のほうが実は詳しい」と受け取れる姿勢でツイートしているので炎上が収まらないのでしょう。

――ちなみに、この騒動の最中、はあちゅう氏が「去年ある会社に『旦那観察日記』グッズ化のご提案を頂いて、デザインをお願いしたら出てきたのがこれで、これはやばいと思いました」と、自著『旦那観察日記』(スクウェア・エニックス)のキャラグッズデザインの“ボツ案”をTwitterにアップ。その後、「気持ちをいろいろ言ったら、気が済んだのでツイートいくつか消しました」と削除しています。これもネット上で大きな批判を呼びました。

清水 それは、はあちゅう氏がデザイナーの著作権を侵害している可能性がありますね。著作権は、権利自体を譲渡していない限り、基本的にはデザインをした人が持っています。通常、サンプルとして上がってきてボツになったデザインに関しては、はあちゅう氏に権利が譲渡されていたり、また著作権者と「自由に使用可能」という契約を結んでいるケースはほとんどないと思うので、デザイナーがはあちゅう氏を訴えれば勝ちます。削除しても権利侵害があった事実は消せるわけではありません。

――ダルビッシュ氏(※3)はいかがでしょう。

(※3)ダルビッシュ氏は、Twitterにて一般人ユーザーと日常的に「レスバトル」をしていると注目を浴びている。19年11月7日、少年と撮影した写真をアップしたのだが、少年を「ダルビッシュ氏の息子」と勘違いした女性ユーザーからリプを受け取ると、「はい?」と返信。それを見た別のユーザーが「そんな強い口調で言わなくてもいいのにはい?とか」と批判すると、「はい?のどこが強いんでしょう笑」「訳の分からない価値観を押し付けるのはやめてください」「わざわざ俺のTwitterにまできてクソみたいなことをわざわざ言いに来る人に黙れって言ってなにが悪いんだよ笑」などと怒涛の反論を展開した。

清水 ダルビッシュ氏の「レスバトル」を見ていると、一般人と有名人の「互いの認識」のギャップが、炎上を発生しやすくしているように思います。というのも、一般人は有名人のことをよく知っているため、友達ではないのに「友達感覚」で話しかけてしまう面があるものの、有名人からすると、突然知らない相手から馴れ馴れしく話しかけられたと感じ、その認識のギャップが炎上の火種となる。ただ、この事例について言えば、ダルビッシュ氏の主張は客観的に見て「そこまで批判されなければいけないことなのかな」と感じますし、特に問題があるようには思いません。

 ちなみに、有名人が炎上を避けたほうがいいのは、炎上によって仕事などに悪影響が及ぶからですが、彼はスポーツ選手であり、実力で勝負する世界の人なので、よほど倫理的に問題がある発言でない限りは、炎上による悪影響はないと思います。

――はあちゅう氏は、19年10月5日に「匿名で誹謗中傷をしてくる人に対しては、慰謝料もだけど、顔写真と名前を公開する刑でいいと個人的には思う」とツイートしています。SNSでは「反対意見」と「誹謗中傷」の境目があやふやになっている印象があるのですが、そもそも「誹謗中傷」とは法的にどのように定義されているのでしょうか。

清水 「誹謗中傷」は法的概念ではありません。誹謗中傷を法的に言うと、プライバシー権侵害、名誉権侵害、名誉感情の侵害のどれかに当たると思います。プライバシー権侵害は、個人の生活などを勝手に公開すること。本人が発信しているものは構いませんが、本人が発信してないものを勝手に公開すれば、プライバシー権の侵害になります。名誉権侵害は、簡単に言うと「社会的評価を下げる」情報を発信すること。社会的評価の低下をわかりやすく説明すると、他者に「この人と付き合いたくない」と思われるかどうか。例えば「この人は犯罪者です」「詐欺をしています」「不倫しています」などとネットに書かれたら、社会的評価が下がりますよね。名誉感情の侵害というのは、本人が不快に感じる言葉などを発信することです。

――プライバシー権侵害、名誉権侵害、名誉感情の侵害に当たらなければ、誹謗中傷ではないと考えられますが、例えば「バカ」「アホ」「ブス」「嫌い」などの中傷は違法なのでしょうか。

清水 「バカ」「アホ」「ブス」「嫌い」などと書かれた人は、不快な思いをするでしょう。これは、名誉感情の問題で、侵害か否かは、「本人が不快に思うかどうか」によります。しかしそうなると、なんでもかんでも名誉感情の侵害になり、他人が意見を言えなくなることも考えられる。なので、名誉感情は法的な概念としては存在しているものの、「誰が見ても言いすぎだ」というレベルにまで達していなければ、名誉感情の侵害は成立しません。なお、はあちゅう氏が「誹謗中傷」と捉えているのは、ほとんどが名誉感情の問題だと思います。

――となると、名誉感情を侵害されたとして訴えても、勝ち目はあまりないということですか。言われ損のような気もします。

清水 そうですね。「殺害予告」と同レベルくらいの中傷でないと厳しいと思います。「殺す」というのは脅迫罪。「死ね」「死んでほしい」は名誉感情侵害の可能性がありますが、単に「死ね」ではなく「めった刺しにしたい」などの表現ではないと、訴えるのは難しい。実際、こうしたネット上の攻撃に悩んで、ご相談に来られる方はとても多いのですが……。

 また、専用のアンチアカウントに対処したいという相談も多いものの、そのアカウントのツイート内容をよく見てみると、アカウント本人が発信しているのではなく、アンチコメントをひたすらリツイートしているばかりのものも多い。そうすると、法的に対処するのは難しい状況です。

――ちなみに有名人の炎上騒動が起こると、テレビ局やスポンサー企業に電話をかけて「このタレントを降板させろ」などと要求する一般人もいるようですが……。

清水 その相談も多いのですが、法的に取り締まることは難しいです。

――結局、有名人は、ある程度の批判や中傷は、スルーするしかないかもしれませんね。

素水 有名人が不快になるようなことをあえて送りつけ「ストレス発散」している人、また、批判を言うことで、独りよがりな正義感を暴走させる人もいると思います。有名人は、そういった意見に対し、冷静に反対意見を発信するのは構いませんが、感情的に返すと、やはり炎上しやすい。全ての人に好意的に受け止められることはないと、ある程度割り切ってもいいのかもしれませんね。
(取材・文=安楽由紀子)

清水陽平(しみず・ようへい)
2010年法律事務所アルシエンを開設。ネット中傷の削除・発信者情報開示請求や、ネット炎上対応などを得意分野とする。著書に『サイト別 ネット中傷・炎上対応マニュアル第3版』(弘文堂)、『企業を守る ネット炎上対応の実務』(学陽書房)などがある。
法律事務所アルシエン